JP3714566B2 - カムボルト位置決め機能を有するボルト締付装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はボルト締付装置に係わり、特にカムボルト位置決め機能を有するボルト締付装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両のサスペンション、例えばマクファーソンストラット式サスペンションは、一般に車輪を支持するハウジングと、ハウジングの前方部位及び後方部位に外方端部が各々揺動可能に連結されると共に内方端部がクロスメンバに揺動可能に連結するラテラルリンクフロント及びラテラルリンクリヤと、前方端部が車体フレームに揺動可能に連結され後方端部がハウジングに揺動可能に連結するトレーリングリンクと、前記ラテラルリンクリヤに下端が連結されるショックアブソーバとを備えている。
【0003】
このように形成されるサスペンションにおけるクロスメンバとラテラルリンクフロント及びラテラルリンクリヤとの結合構造について具体的に説明すると、ラテラルリンクフロント及びラテラルリンクリヤの各内方端部には内筒と外筒と、これら内外筒の間に介装する弾性体とからなる円筒ブッシュが嵌合配設されている。
【0004】
一方車体下面に横架するように取付けられるクロスメンバは下方が開放する断面コ字形で、その前側フランジの両端部に円筒ブッシュを介してボルトによってラテラルリンクフロントが揺動可能に取付けられる。また後側フランジの両端には、後側フランジと、この後側フランジに対峙して設けられたブラケットによってラテラルリンクリヤの内方端部に設けられる円筒ブッシュを挾持すると共に後側フランジに開口するボルト挿通孔から挿入し、円筒ブッシュの内筒を貫通してブラケットのボルト挿通孔から突出するカムボルトによって揺動可能にラテラルリンクリヤが設けられる。
【0005】
この円筒ブッシュの内筒に嵌合するカムボルトのカム部はカムボルトの回転中心軸に対して偏心して形成され、カムボルトをクロスメンバ及びブラケットのボルト挿通孔に嵌挿した状態で所定角度回転することによりラテラルリンクリヤのクロスメンバに対する取付位置が相対的に可変してサスペンションのキャンバー角の調整を可能にしている。
【0006】
カムボルトのクロスメンバに対する固定角度は、そのフランジ部に付された目盛をクロスメンバに付された基準マークに合せることにより設定され、カムボルトの目盛を基準マークに合せる位置決め調整した状態でナットを締付けることによりクロスメンバに対するラテラルリンクリヤの取付位置が調整された状態で取付けられる。
【0007】
なお、サスペンション組付終了時に所定のキャンバー角を確保することによりその後のテスターライン等でのキャンバー調整を不要とするサスペンションの組立方法の先行技術として特公平2−18269号公報がある。この先行技術はハウジングを所定のキャンバー角となるよう支持手段で保持した状態で調整機能を有しない側の連結部を締結した後、最後に位置調整可能な連結部を締結することにより、この位置調整可能な連結部での調整結合によって各部材の連結による相乗誤差を吸収するものである。
【0008】
【発明が解決するための手段】
上記目的を達成する本発明によるカムボルト位置決め機能を有するボルト締付装置は、少なくともボルト挿通孔が開口する第1の部材と、貫通孔が開口する第2の部材とを有し、カムボルトを第1の部材に開口するボルト挿通孔から挿入して第2の部材に開口する貫通孔を貫通せしめ、かつカムボルトの回転によりカムボルトを位置決めした状態でカムボルトの頂部にナットを締付けて第1の部材と第2の部材とを結合するボルト締付装置において、 前記第1の部材に開口するボルト挿通孔から挿入して第2の部材に開口する貫通孔を貫通したカムボルトを位置決め状態に保持するボルト位置決めユニットと、該ボルト位置決めユニットで位置決め状態に保持されるカムボルトの頂部にナットを締付けるナットランナとを具備し、前記ボルト位置決めユニットが、前記ボルト挿通孔及び貫通孔に嵌装されるカムボルトに対して同軸上で支持体に回転自在に支持されると共に前端にカムボルト頭部に嵌合するソケットが取付けられる主軸と、該主軸に嵌合するインナレース及び該インナレース外周にワンウエイ機構を介在して配設されるアウタレースを備え、該アウタレースがアウタレース固定手段によって選択的に回転が許容されて上記主軸のナット締付け方向の回転を阻止するワンウエイクラッチを備えた回転規制部とを有することをと特徴とする。
この構成によると、第1の部材に開口するボルト挿通孔から挿入して第2の部材に開口する貫通孔を貫通したカムボルトを位置決めした状態にボルト位置決めユニットによって保持し、ボルト位置決めユニットで位置決め状態に保持した状態でナットランナによりナットをカムボルトに締付けることにより位置決めしたカムボルトが回転することなく締め付けられ、カムボルトの自動締付けを容易にする。特に、アウタレース固定手段によってアウタレースの回転が選択的に許容されるワンウエイクラッチにより主軸をカムボルトの締付方向にのみ回転可能に支持することにより、主軸及びソケットをカムボルトの緩む方向に回転することが可能になり、アウタレース固定手段によってアウタレースの回転を阻止した状態で主軸及びソケットをカムボルトの緩む方向に回転することによってカムボルトの位置調整が容易に行える。また、ナットの締付時にはカムボルトの回転が阻止されることからカムボルトによる組付作業の自動化が容易になる。更に、ナットの締付け後において、ワンウエイクラッチのアウタレースの回転が所定範囲で可能になることからソケットとカムボルトの頭部との圧接が解除されて締付け後においてカムボルトからソケットを容易に離脱できる。
【0009】
従って、本発明の目的は、ボルト締付けの自動化を可能にし、作業性に優れ、効率的なカムボルトの締付作業が得られるカムボルト位置決め機能を有するボルト締付装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明によるカムボルト位置決め機能を有するボルト締付装置は、少なくともボルト挿通孔が開口する第1の部材と、貫通孔が開口する第2の部材とを有し、カムボルトを第1の部材に開口するボルト挿通孔から挿入して第2の部材に開口する貫通孔を貫通せしめ、かつカムボルトの回転によりカムボルトを位置決めした状態でカムボルトの頂部にナットを締付けて第1の部材と第2の部材とを結合するボルト締付装置において、第1の部材に開口するボルト挿通孔から挿入して第2の部材に開口する貫通孔を貫通したカムボルトを位置決め状態に保持するボルト位置決めユニットと、ボルト位置決めユニットで位置決め状態に保持されるカムボルト頂部にナットを締付けるナットランナとを有することを特徴とするものであり、この構成によると、第1の部材に開口するボルト挿通孔から挿入して第2の部材に開口する貫通孔を貫通したカムボルトを位置決めした状態にボルト位置決めユニットによって保持し、ボルト位置決めユニットで位置決め状態に保持した状態でナットランナによりナットをカムボルトに締付けることにより位置決めしたカムボルトが回転することなく締付けられ、カムボルトの自動締付けを容易にする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明におけるカムボルト位置決め機能を有するボルト締付装置の一実施の形態を車両における第1の部材であるクロスメンバにカムボルトによって第2の部材であるラテラルリンクリヤを組付ける場合を例に図によって説明する。
【0012】
本カムボルト締付装置により組付けられるクロスメンバと各ラテラルリンクの結合部の構造を図1に示す分解斜視図によって説明する。
【0013】
図中符号101はラテラルリンクフロントであり、102はラテラルリンクリヤである。
【0014】
これらラテラルリンクフロント101及びラテラルリンクリヤ102の内方端部に内筒と外筒とこれら内筒及び外筒の間に介在するゴム等の弾性体からなる円筒ブッシュ103、104が各々嵌合配設される。
【0015】
一方車体下面に車体幅方向に横架するように取付けられるクロスメンバ105は、下方が開放する断面略コ字状で、前側フランジ105aの両端部にラテラルリンクフロント取付部110が形成され、かつ後側フランジ105bの両端部にラテラルリンクリヤ取付部120が形成されている。
【0016】
ラテラルリンクフロント取付部110は前側フランジ105aとこのフランジ105aに設けられたブラケット111によってラテラルリンクフロント101の内方端に嵌合配設された円筒ブッシュ103を挾持すると共に、前側フランジ105aに開口するボルト挿通孔112から挿入し、円筒ブッシュ103の内筒を貫通してブラケット111に開口するボルト挿通孔113から突出するボルト114及びボルト114にワッシャ115を介して締結するナット116によってラテラルリンクフロント101を揺動可能に取付ける。符号117はボルト114及びナット116を被覆保護するキャップである。
【0017】
ラテラルリンクリヤ取付部120は、後側フランジ105bとこのフランジ105bに対峙して設けられるブラケット121によってラテラルリンクリヤ102の内方端部に嵌合配設された円筒ブッシュ104を挾持すると共に後側フランジ105bに開口するボルト挿通孔122から挿入し、円筒ブッシュ104の内筒に形成される貫通孔104aを貫通してブラケット121に開口するボルト挿通孔123から突出するカムボルト124及びカムボルト124にカムワッシャ125、ワッシャ126を介して締結するナット127によってラテラルリンクリヤ102を揺動可能に取付けている。
【0018】
円筒ブッシュ104の円筒の貫通孔104a内に嵌合するカム部124aはカムボルト124の回転中心軸に対して偏心して形成されていて、カムボルト124をボルト挿通孔122、123及び円筒ブッシュ104の内筒に形成される貫通孔104aに嵌挿した状態でカムボルト124を回転調整することによりラテラルリンクリヤ102のクロスメンバ105に対する取付位置が可変してサスペンションのキャンバー角が調整される。
【0019】
カムボルト124のクロスメンバ105に対する位置決めは、図2にカムボルト124の斜視図を示すように、そのフランジ部124bに付された目盛124cをクロスメンバ105に付された基準マーク(図示せず)に合せることにより設定され、カムボルト124の所定の目盛124cを基準マークに合せた状態でナット127を締付けることによりクロスメンバ105に対するラテラルリンクリヤ102の取付位置が調整されて取付けられる。なお124dは後述する締結時にソケット39の先端39bに形成される嵌合凹部39eが嵌合する頭部である。
【0020】
次に上記クロスメンバ105にラテラルリンクリヤ102等を取付けるボルト締付装置について図3乃至6によって説明する。
【0021】
図3はボルト締付装置1の概要を示す全体正面図であり、図4は図3の平面図である。
【0022】
ボルト締付装置1は、ベース11、ベース11に立設する一対の縦フレーム12及び縦フレーム12間に横架する横フレーム13等からなる基台10と、旋回ユニット20と、ボルト位置決めユニット30と、ナットランナユニット40と、ワーク移載ユニット50とを有し、ボルト締付装置1に隣設してワーク搬出装置60が配設されている。
【0023】
旋回ユニット20はベース11上に旋回支持台21によって旋回可能に支持されて旋回駆動装置、例えば旋回用駆動モータ22によってワークセット位置Iとボルト締付位置IIとの間を旋回する回転ベース23を有している。
【0024】
回転ベース23は平面視矩形であって、相対向する側縁23a及び23bに各々クロスメンバ105を所定位置に位置決め固定するクロスメンバ用クランプ装置24と、ラテラルリンクフロント101及びラテラルリンクリヤ102を所定位置に位置決め固定するラテラルリンク用クランプ装置25が設けられている。
【0025】
更に回転ベース23には前記相対向する側縁23a及び23bに沿って設けられる各々一対のテーブル用レール26aに案内されて往復移動可能にテーブル26が設けられ、テーブル26はテーブル駆動装置、例えば回転ベース23とテーブル26との間に架設されるテーブル駆動用シリンダ26bの伸縮によってテーブル用レール26aに沿って往復移動する。
【0026】
テーブル26上にはテーブル26の往復移動方向と平面視直交する複数のボルト位置決めユニット用レール27aが設けられ、これらレール27aに案内されて往復移動可能にボルト位置決めユニット用テーブル27が配設され、ボルト位置決めユニット用テーブル27は前後進用駆動装置、例えばテーブル26とボルト位置決めユニット用テーブル27との間に架設される前後進用シリンダ28の伸縮によってボルト位置決めユニット用レール27aによって案内されて往復移動する。
【0027】
ボルト位置決めユニット用テーブル27上にボルト位置決めユニット30が設けられている。ボルト位置決めユニット30は、図5に要部断面を示すように前記ボルト位置決めユニット用テーブル27上に取付けられる取付ベース31を有し、取付ベース31上には相対峙する前板32a、後板32b及び前板32aと後板32bとの上端間に架設する上板32cからなる断面略コ字状の支持体32が設けられている。
支持体32の前板32a及び後板32bには各々軸受孔32d、32eが開口し、ベアリング33a、33bを介在して主軸34が回転可能に支持され、主軸34の前端にはソケット39の基端39aが嵌合するソケット接続部34aが形成されると共に後端34bに主軸34の回転を規制する回転規制部35が設けられている。
【0028】
回転規制部35はワンウエイクラッチ36、係合部37及び係止部38からなるアウタレース固定手段を有し、ワンウエイクラッチ36は主軸34の後端34bに嵌合するインナレース36aと、ベアリング36bを介して回転可能にインナレース36aに回転可能に支持されるアウタレース36c及びインナレース36aとアウタレース36cとの間に介装されてインナレース36aとアウタレース36cとの間における一方向にのみ相対回転を許容するワンウエイ機構、例えばラチェット機構36dによって形成され、アウタレース36cを固定することにより主軸34が主軸34にソケット39を介して保持されるカムボルト124の締付方向にのみ回転可能に形成される。
【0029】
ワンウエイクラッチ36のアウタレース36cには円筒状の係合部37がボルト37aによって取付けられ、係合部37の外周には図6に図5のA−A線断面を示すように断面略V字状乃至台形状の係合溝37bが形成されている。
【0030】
一方係止部38は、前記係合部37の上方を覆いかつ、係合部37に対応して開口する係止片挿通孔38bを有して支持体32の上板32cに突設する係合部支持部材38aと、係止片挿通孔38bに対応して係合部支持部材38aの上面に設けられる係止片駆動部、例えば係止片駆動用シリンダ38cと、係止片駆動用シリンダ38cの伸縮によって前記係合溝37bに係脱する楔状の係止片38dによって形成される。
【0031】
この構成により係止片駆動用シリンダ38cの伸長によって係止片38dが係合溝37bに嵌合して係合部37を固定することによりワンウエイクラッチ36のアウタレース36cを固定し、かつ係止片駆動用シリンダ38cの収縮によって係止片38dの係合溝37bへの嵌合が解除されて係合部37の回転が所定範囲で許容されることによってアウタレース36cの回転が所定範囲で許容される。
【0032】
ナットランナユニット40は基台10の横フレーム13に沿って配設されるナットランナ移動用レール41に案内されて往復移動可能に支持されるランナベース42を有し、ランナベース42はランナ走行装置、例えばランナ走行用モータ43によって二点鎖線40′で示す退避位置と実線40で示す作業位置との間を往復移動する。
【0033】
ランナベース42には、ランナ昇降装置、例えば複数のランナ昇降用シリンダ44a、44b‥‥の伸縮によって上下動するランナ支持部材45a、45b‥‥が設けられ、ランナ支持部材45a、45b‥‥の各下端にはランナベース42の往復移動方向と直交する方向に移動可能にナットランナ46a、46b‥‥が設けられている。
【0034】
ワーク移載ユニット50は、横フレーム13に設けられた前記ナットランナ移動用レール41に案内されて往復移動可能に支持される移載ユニットベース51を有し、移載ユニット50は移載ユニット走行装置、例えば移載ユニット走行用モータ52によって二点鎖線50′で示すワーククランプ位置と実線50で示すワークアンクランプ位置との間を往復移動する。
【0035】
移載ユニットベース51にはクランプ手段昇降装置、例えばクランプ手段昇降用シリンダ53の伸縮によって上下移動するワーククランプ手段54を有している。
【0036】
次に以上のように構成されるボルト締付装置1の作動について図7の工程図に従って説明する。
【0037】
先ず、ワークセット工程aにおいて回転ベース23のワークセット位置I側に設けられたワーク載置台(図示せず)の所定位置にクロスメンバ105及びクロスメンバ105の前側フランジ105aとブラケット111との間に円筒ブッシュ103が位置し、後側フランジ105bとブラケット121との間に円筒ブッシュ104が位置する状態になるようクロスメンバ105、ラテラルリンクフロント101及びラテラルリンクリヤ102をセットする。
【0038】
続くワーククランプ工程bにおいてワークセット工程aによってワーク載置台上にセットされたクロスメンバ105をクロスメンバ用クランプ装置24によりクランプし、かつラテラルリンクフロント101及びラテラルリンクリヤ102をラテラルリンク用クランプ装置25によりクランプする。このクランプ作動は、クランプ用スイッチ(図示せず)の操作に基づいてクロスメンバ用クランプ装置24の作動シリンダ24a及びラテラルリンク用クランプ装置25の作動シリンダ25aの伸長によって行われる。
【0039】
次のボルトセット工程cにおいて、クロスメンバ105の前側フランジ105aに開口するボルト挿通孔112からボルト114を挿入してラテラルリンクフロント101に設けられた円筒ブッシュ103の円筒及びブラケット111に開口するボルト挿通孔113を貫通せしめてボルト114の頂部をブラケット111から突出させてボルト114をセットする。
【0040】
更にクロスメンバ105の後側フランジ105bに開口するボルト挿通孔122からカムボルト124を挿入してラテラルリンクリヤ102に設けられた円筒ブッシュ104の内筒に形成される貫通孔104a及びブラケット121に開口するボルト挿通孔123を貫通せしめてカムボルト124の頂部をブラケット121のボルト挿通孔123から突出せしめ、かつカムボルト124を回転させることによりフランジ部124bに付された目盛124cをクロスメンバ105に付された基準マークに合せる。
【0041】
次に予め設定された仕様に応じてテーブル駆動用シリンダ26bを伸縮させてテーブル26をテーブル用レール26aに沿って移動せしめ、対応するボルト位置決めユニット30を前記カムボルト124と対向するように調整し、更に前後進用シリンダ28の伸長によりボルト位置決めユニット用テーブル27を前進移動させることにより前進移動するボルト位置決めユニット30の主軸34のソケット接続部34aに取付けられるソケット39の先端39bに形成された嵌合凹部39eをカムボルト124の頭部124dに嵌合する。
【0042】
ソケット39の先端39bがカムボルト124の頭部124dに嵌合した後、係止部38の係止片駆動用シリンダ38cを伸長させて図6に二点鎖線38d′で示す嵌合解除位置にある係止片38dを係合部37の係合溝37bに嵌合させて係合部37を固定することによりワンウエイクラッチ36のアウタレース36cを固定する。
【0043】
この状態においてカムボルト124の回転等によってそのフランジ部124bに付された目盛124cが基準マークからずれた場合には、主軸34或いは主軸34に取付けられるソケット39をカムボルト124の締付方向に回転させてカムボルト124のフランジ部124bに付された目盛124cをクロスメンバ105に付された基準マークに合せる位置決め調整をする。
【0044】
主軸34の回転駆動は、主軸34を回転駆動するための駆動装置、例えばステップモータ等によって行うよう構成することもできる。
【0045】
このようにしてボルトセット工程cにおいてボルト114及びカムボルト124のセットが終了した後続くテーブル回転工程dにおいて、例えばボルトセット作業完了のスイッチを操作すると、このスイッチ信号に従って旋回用駆動モータ22によって回転ベース23が回転し、ワークセット位置Iでセットされたクロスメンバ105、ラテラルリンクフロント101及びラテラルリンクリヤ102がボルト締付位置IIへ移行する。
【0046】
そしてナット締付工程eにおいて、二点鎖線40′で示す退避位置にあるナットランナユニット40が、そのランナ走行用モータ43によってナットランナ移動用レール41に沿って実線で示す作業位置へ移動して停止する。
【0047】
続いて対応するランナ昇降用シリンダ、例えばランナ昇降用シリンダ44aの伸長により降下するランナ支持部材45aを介してナットランナ46aをクロスメンバ105のラテラルリンクリヤ取付部120に配置され、かつ目盛124cが基準マークに合せた状態でソケット39を介在してボルト位置決めユニット30に保持されたカムボルト124の頂部と対向せしめると共に、カムボルト124の頂部にカムワッシャ125及びワッシャ126を嵌装させ、かつナットランナ46aを前進させてナット127を締付ける。
【0048】
ナットランナ46aによるナット127の締付けに際してカムボルト124は、頭部124dに先端39b、嵌合凹部39eが嵌合するソケット39を介して主軸34に連結され、主軸34が係合部37を介して係止部38によってアウタレース36cが固定されたワンウエイクラッチ36によってカムボルト124の緩む方向の回転、即ちナット127の締付け方向の回転が阻止されることからカムボルト124の回転が防止され、その結果フランジ部124bに付された目盛124cが基準マークと合致した位置決めされた状態に維持される。
【0049】
ナット127の締付けが完了すると、ナットランナ46aは後退してナット127から離間し、かつランナ昇降用シリンダ44によってナットランナ46aが上昇すると共に、ボルト位置決めユニット30の係止部38に設けられた係止片駆動用シリンダ38cが収縮し、係止片38dが二点鎖線38d′で示すよう後退して係止片38dと係合部37の係合溝37bとの嵌合が解除されて係合部37の回転が所定範囲で許容されてアウタレース36cの回転が所定範囲で可能となる。
【0050】
従ってワンウエイクラッチ36に後端34bが結合された主軸34のカムボルト緩み方向への回転が所定範囲で許容され、カムボルト124の頭部124eとソケット39の先端39dに形成された嵌合凹部39eとの公差に起因して嵌合凹部39eによるカムボルト124の頭部124eへの圧接が解除される。
【0051】
続いて前後進用シリンダ28を収縮させることによりボルト位置決めユニット用テーブル27を後退移動させ、ボルト位置決めユニット30の後退により主軸34に設けられたソケット39をカムボルト124の頭部124eから離間させる。
【0052】
同様の作動によって他方のカムボルト124の締付け作業が行われ、かつボルト114及びナット116の締付け作業を行い、クロスメンバ105の所定位置にラテラルリンクフロント101及びラテラルリンクリヤ102を取付けてナット締付工程eを終了する。
【0053】
ナット締付工程eの終了に続いてナットランナユニット40は、そのランナ走行用モータ43によってナットランナ移動用レール41に沿って二点鎖線40′で示す退避位置へ移動して停止する。
【0054】
続くワークアンクランプ工程fにおいて、クロスメンバ用クランプ装置24及びラテラルリンク用クランプ装置25の各作動シリンダ24a、25aの収縮によってクロスメンバ105、ラテラルリンクフロント101及びラテラルリンクリヤ102のクランプを解除する。
【0055】
次のワーク搬出工程gによってワーク移載ユニット50の移載ユニット走行用モータ52によってワークアンクランプ位置に退避しているワーク移載ユニット50を二点鎖線50′で示すワーククランプ位置までナットランナ移動用レール41に沿って移動すると共に、クランプ手段昇降用シリンダ53を伸長させてワーククランプ手段54を降下させ、ワーククランプ手段54によりクロスメンバ105及びクロスメンバ105に取付けられて一体化したラテラルリンクフロント101及びラテラルリンクリヤ102の組立体Wをクランプする。
【0056】
続いてクランプ手段昇降用シリンダ53を収縮せしめてワーククランプ手段54にクランプされた組立体Wを上昇させると共にワーク移載ユニット50をワークアンクランプ位置まで退避させて組立体Wを搬出する。
【0057】
そしてクランプ手段昇降用シリンダ53の伸長によりワーククランプ手段54を降下させ、ワーククランプ手段54にクランプされる組立体Wを搬送コンベア等のワーク搬出装置50へ移載し、ワークククランプ手段54はクランプ手段昇降用シリンダ53の収縮により上昇させて待機することにより、ワークセット工程aからワーク搬出工程gまでの一連の作業を完了する。
【0058】
上記ワークセット工程aからボルトセット工程cまでの各工程は、ワークセット位置I側において作業者の作業及び作業者の操作指示に基づいて行われ、テーブル回転工程d以降の各作動は、主にボルト締付位置II側で予め設定された条件に基づきボルト締付装置1によって自動的に制御されて行われる。
【0059】
従ってテーブル回転工程dからワーク搬出工程gまでの自動作動中に、ワークセット位置I側において次のテーブル回転工程dからワーク搬出工程gに備えてワークセット工程aからボルトセット工程cまでの作業を行うことにより作業の効率化が得られる。
【0060】
以上説明した本実施の形態によるボルト締付装置1によると、カムボルト124の頭部124dを保持するソケット39を取付ける主軸34がワンウエイクラッチ36によりカムボルト124の締付方向にのみ回転可能に支持することから、主軸34及びソケット39をカムボルト124の緩む方向に回転することによりカムボルト124の位置調整が可能になり、かつナット127の締付時にはカムボルト124の回転が阻止されて位置決めされた状態が維持されることからカムボルト124による組付作業の自動化が可能になり、かつ締付け後、ワンウエイクラッチ36のアウタレース36cの回転が所定範囲で可能になることからソケット39の嵌合凹部39eとカムボルト124の頭部124eとの圧接が解除され、締付け後のカムボルト124からソケット39の離脱が容易になることにより更にカムボルト124による組付作業の自動化が容易になる。
【0067】
以上説明では、車両におけるクロスメンバにカムボルトによってラテラルリンクリヤを組付ける場合を例について記載したが、カムボルトにより調整可能に結合する他の部材間を連結するためのボルト締付装置に広く適用することが可能である。
【0068】
【発明の効果】
以上説明した本発明のカムボルト位置決め機能を有するボルト締付け装置によると、カムボルトを位置決めした状態にボルト位置決めユニットによって保持し、カムボルトが位置決めされた状態でナットランナによりナットが締付けられることから締付けに際してカムボルトが回転して位置がずれることがなくなり、カムボルト締付けの自動化が容易になり作業性に優れ、かつ効率的にカムボルトの締付作業が得られる等カムボルトの締付け装置の自動化に貢献するところ大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態によるボルト締付装置によって組付けられるクロスメンバとラテラルリンクの結合部構造を説明する分解斜視図である。
【図2】カムボルトの説明斜視図である。
【図3】本実施の形態によるボルト締付装置の概略を示す全体正面図である。
【図4】同じく、本実施の形態におけるボルト締付装置の概略を示す全体平面図である。
【図5】同じく、本実施の形態におけるボルト締付装置に用いられるボルト位置決めユニットを説明する断面説明図である。
【図6】図5のA−A線断面図である。
【図7】本実施の形態のボルト締付装置の作動を説明する工程図である。
【符号の説明】
1 ボルト締付装置
30 ボルト位置決めユニット
32 支持体
34 主軸
34a 前端
35 回転規制部
36 ワンウエイクラッチ
36a インナレース
36c アウタケース
37 係合部
37a 係合溝
38 係止部
39 ソケット
40 ナットランナユニット
101 ラテラルリンクフロント
102 ラテラルリンクリヤ
104 円筒ブッシュ
104a 貫通孔
105 クロスメンバ
122 ボルト挿通孔
123 ボルト挿通孔
124 カムボルト
124c 目盛
Claims (4)
- 少なくともボルト挿通孔が開口する第1の部材と、貫通孔が開口する第2の部材とを有し、カムボルトを第1の部材に開口するボルト挿通孔から挿入して第2の部材に開口する貫通孔を貫通せしめ、かつカムボルトの回転によりカムボルトを位置決めした状態でカムボルトの頂部にナットを締付けて第1の部材と第2の部材とを結合するボルト締付装置において、
前記第1の部材に開口するボルト挿通孔から挿入して第2の部材に開口する貫通孔を貫通したカムボルトを位置決め状態に保持するボルト位置決めユニットと、
該ボルト位置決めユニットで位置決め状態に保持されるカムボルトの頂部にナットを締付けるナットランナとを具備し、
前記ボルト位置決めユニットが、
前記ボルト挿通孔及び貫通孔に嵌装されるカムボルトに対して同軸上で支持体に回転自在に支持されると共に前端にカムボルト頭部に嵌合するソケットが取付けられる主軸と、
該主軸に嵌合するインナレース及び該インナレース外周にワンウエイ機構を介在して配設されるアウタレースを備え、該アウタレースがアウタレース固定手段によって選択的に回転が許容されて上記主軸のナット締付け方向の回転を阻止するワンウエイクラッチを備えた回転規制部とを有することをと特徴とするカムボルト位置決め機能を有するボルト締付装置。 - 前記アウタレース固定手段が、
前記ワンウエイクラッチのアウタレースに取付けられる係合部と、
該係合部に形成される係合溝に係脱して係合部の回転を規制する係止部とを有することを特徴とする請求項1に記載のカムボルト位置決め機能を有するボルト締付装置。 - 前記ボルト位置決めユニットが、
前記ボルト挿通孔及び貫通孔に嵌装されるカムボルトに対して同軸上で接離する方向に往復動可能であることを特徴とする請求項1または2に記載のカムボルト位置決め機能を有するボルト締付装置。 - 前記ボルト位置決めが、
前記カムボルトに付された目盛を前記第1の部材に付された基準マークに対して相対位置決めすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のカムボルト位置決め機能を有するボルト締付装置。
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