JP3715838B2 - スピーカ回線の短絡検知装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば業務用放送装置や非常用放送装置等において、スピーカ回線が短絡したときにこれを自動的に検知する短絡検知装置に関し、特に、その短絡したスピーカ回線を放送装置から電気的に切り離す機能を備えたスピーカ回線の短絡検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のようにスピーカ回線が短絡したときに、その短絡したスピーカ回線を電気的に切り離す機能を備えた放送装置として、従来、例えば図5に示すようなものがある。同図に示すように、この放送装置は、1以上のスピーカ1が接続されたスピーカ回線2を、複数(M回線)備えている。これら各スピーカ回線2、2、・・・は、それぞれ、例えば通常(N)ライン(またはホット(H)ラインとも言う。)2aと共通(COM)ライン2bとから成る2線式のもので、放送用の信号を増幅して出力するそれぞれに共通のアンプ3の出力側に、並列に接続されている。なお、同図では、便宜上、1つのスピーカ回線2につきスピーカ1を1台のみ記載しているが、通常は、1つのスピーカ回線2につきスピーカ1を複数設けることが多い。
【0003】
また、各スピーカ回線2、2、・・・をそれぞれ構成する上記各ライン2a、2bのうちの一方、例えば各通常ライン2a、2a、・・・には、それぞれ、リレースイッチ回路4、4、・・・が設けられている。これら各リレースイッチ回路4、4、・・・は、各通常ライン2a、2a、・・・中のアンプ3の出力側近傍に設けられており、CPU(中央演算処理装置)5から個別に供給される開閉制御信号に従ってON/OFF動作することにより、各通常ライン2a、2a、・・・とアンプ3の出力側との間をそれぞれ個別に接続または切断する。
【0004】
なお、CPU5は、例えば、各リレースイッチ回路4、4、・・・にそれぞれ対応する複数の押しボタンキーを備えた操作部6の被操作状態に応じて、上記開閉制御信号を生成する。これと同時に、CPU5は、各リレースイッチ回路4、4、・・・の各ON/OFF状態、即ち各スピーカ回線2、2、・・・がそれぞれ有効であるのか無効であるのかを、例えば複数の発光ダイオード(LED)或いは液晶(LCD)パネル構成の表示部7により表示する。このCPU5の動作は、例えばROMやRAM等の半導体メモリ構成の記憶部8に記憶されているプログラムに従って制御される。
【0005】
更に、各通常ライン2a、2a、・・・中のアンプ3の出力側近傍、例えばアンプ3の出力側と各リレースイッチ回路4、4、・・・との間に、それぞれ、回路保護用のヒューズ9、9、・・・が設けられている。これら各ヒューズ9、9、・・・としては、それぞれが設けられているスピーカ回線2の定格電流に応じた規格(溶断特性)のものが用いられる。
【0006】
なお、上記アンプ3、各リレースイッチ回路4、4、・・・、CPU5、記憶部8及び各ヒューズ9、9、・・・は、例えば図示しない放送装置本体の筐体内に内蔵される。そして、操作部6及び表示部7は、例えば上記筐体の正面部を構成する図示しない操作パネル上に配置される。また、各スピーカ回線2、2、・・・は、例えばこの放送装置を使用する建物内の天井裏や壁裏等を介して配線され、各スピーカ1、1、・・・は、例えば上記建物内の廊下や部屋等の各放送対象エリアに適宜設置される。
【0007】
この図5の構成によれば、各スピーカ回線2、2、・・・が正常なときには、各リレースイッチ回路4、4、・・・のON/OFF状態に応じて、各スピーカ回線2、2、・・・による放送を実現できる。そして、いずれかのスピーカ回線2に短絡事故が発生し、この状態で、短絡したスピーカ回線2にアンプ3から放送用の信号が入力されると、その短絡したスピーカ回線2に過電流(短絡電流)が流れて、その短絡したスピーカ回線2中に設けられているヒューズ9が溶断する(飛ぶ)。これにより、短絡したスピーカ回線2とアンプ3とが電気的に切り離されて、その短絡したスピーカ回線2及びアンプ3を含む各回路が、上記過電流から保護される。なお、このように一部のスピーカ回線2がアンプ3から切り離されても、他の正常なスピーカ回線2、2、・・・については、引き続きアンプ3と接続可能である。従って、これら正常なスピーカ回線2、2、・・・により、放送を継続できる。
【0008】
また、上記図5とは別の従来例として、例えば図6に示すようなものもある。同図に示すように、これは、上記図5における各ヒューズ9、9、・・・に代えて、各スピーカ回線2、2、・・・毎に電流センサ10、10、・・・を設けたものである。そして、これら各電流センサ10、10、・・・によって、各スピーカ回線2、2、・・・にそれぞれ流れる電流を個別に検出し、それらの検出結果をCPU5に入力する。CPU5は、各電流センサ10、10、・・・から得られる各検出結果に基づいて(即ち各電流センサ10、10、・・・によって検出して得た各電流値の大きさから)、各スピーカ回線2、2、・・・にそれぞれ短絡事故が発生していないかどうかを判断する。そして、いずれかのスピーカ回線2が短絡していると判断すると(即ちいずれかの電流センサ10によって検出して得た電流値が極端に大きい場合には)、CPU5は、操作部6の被操作状態に係わらず、その短絡していると判断したスピーカ回線2のリレースイッチ回路4をOFFする。これにより、短絡した(厳密には短絡していると判断された)スピーカ回線2とアンプ3とが、電気的に切り離される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記図5に示す従来技術においては、スピーカ回線2、2、・・・が短絡する度に、その短絡したスピーカ回線2、2、・・・のヒューズ9、9、・・・を交換する必要があり、その作業が面倒であるという問題がある。この問題は、短絡したスピーカ回線2、2、・・・の数が多いほど、顕著になる。また、この短絡事故に備えて、予備のヒューズを用意しておかなければならないという問題もある。
【0010】
一方、図6に示す従来技術によれば、上記ヒューズ9、9、・・・を交換したり、予備のヒューズを用意しておく必要はない。しかし、各スピーカ回線2、2、・・・毎に、電流センサ10、10、・・・を設けなければならないので、各スピーカ回線2、2、・・・毎の構成が複雑化し、かつ高コスト化するという問題がある。この問題も、また、スピーカ回線2、2、・・・の数が多いほど、顕著になる。
【0011】
そこで、本発明は、各スピーカ回線2、2、・・・毎に上記ヒューズ9、9、・・・や電流センサ10、10、・・・等を設けることなく、各スピーカ回線2、2、・・・の短絡事故を検知できる短絡検知装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、本発明は、1以上のスピーカが接続されたスピーカ回線と、
放送用の信号を出力して上記スピーカ回線に入力する放送信号出力手段と、
この放送信号出力手段の例えば出力部分においてこの放送信号出力手段の全出力電流を検出し、この検出して得た電流が所定の基準値を超えたとき過電流検出信号を出力する電流検出手段と、
を具備するものである。
【0013】
なお、ここで言う上記放送信号出力手段とは、例えば上記アンプ3等のように、本発明の短絡検知装置を備えた放送装置において、スピーカ回線に入力する放送信号を最終的に出力する手段のことを言う。また、上記所定の基準値とは、例えば上記電流検出手段によって検出して得た電流値から、スピーカ回線に、その定格電流を遥かに超える過電流が流れているか否かを判断するための基準となる所謂しきい値のことを言う。この所定の基準値としては、例えば放送信号出力手段の定格出力電流の約3倍乃至5倍程度の値を設定する。
【0014】
本発明によれば、放送信号出力手段から放送用の信号が出力され、これがスピーカ回線に入力されると、放送信号出力手段からスピーカ回線に電流が流れる。ここで、スピーカ回線が正常なときには、放送信号出力手段の全出力電流、換言すれば電流検出手段によって検出して得られる電流値は、放送信号出力手段の定格出力電流以下となる。よって、この状態においては、電流検出手段は、過電流検出信号を出力しない。一方、スピーカ回線が短絡すると、放送信号出力手段から、その定格出力電流を遥かに超える過電流が、スピーカ回線に流れる。すると、電流検出手段により検出して得られる電流値が、上記所定の基準値を超えて、電流検出手段から過電流検出信号が出力される。即ち、電流検出手段から過電流検出信号が出力されるか否かにより、スピーカ回線が短絡しているか否かを認識できる。
【0015】
ここで、放送信号出力手段に対して、複数のスピーカ回線が並列に接続されているとする。そして、この状態において、例えば、いずれかのスピーカ回線が短絡したとする。この場合も、放送信号出力手段から短絡したスピーカ回線に対して過電流が流れて、電流検出手段から過電流検出信号が出力される。このように、複数のスピーカ回線を備えている場合でも、1以上のスピーカ回線が短絡すると、各スピーカ回線に共通の電流検出手段から過電流検出信号が出力される。従って、この過電流検出信号が出力されることから、いずれか1以上のスピーカ回線が短絡したことを認識できる。
【0016】
また、本発明においては、上記放送信号出力手段の出力側と上記スピーカ回線の入力側との間に、これら両者間を開閉制御信号に従って電気的に接続または切断する開閉手段を設け、
上記電流検出手段が上記過電流検出信号を出力したとき、これを受けて上記放送信号出力手段と上記スピーカ回線との間を切断する状態に上記開閉制御信号を生成して上記開閉手段に供給する制御手段を設けてもよい。
【0017】
このように、開閉手段と、これを上記過電流検出信号に従って制御する制御手段と、を設けることによって、スピーカ回線が短絡したときに、この短絡したスピーカ回線を放送信号出力手段から自動的に切り離すことができる。このようにすれば、スピーカ回線と放送信号出力手段とを含む各回路を、上記過電流から保護できる。
【0018】
なお、ここで言う開閉手段は、例えばリレー回路等によって構成できる。特に、本発明の短絡検知装置を備えた放送装置が、元々、放送信号出力手段の出力側とスピーカ回線の入力側との間に、上述したリレースイッチ回路4のような手段、即ち操作手段の被操作状態に応じてスピーカ回線の有効及び無効状態を切り換える手段、を備えている場合には、これを上記開閉手段として流用できる。このようにすれば、本発明を実現するために、専用の開閉手段を設ける必要はなくなる。また、この場合、上述したCPU5のように元々上記リレースイッチ回路4を制御するために設けられている手段を、本発明における制御手段として流用すれば、具体的にはその手段の動作を制御するためのプログラムを書き換えれば、制御手段についても、それ専用のものを設ける必要はなくなる。
【0019】
更に、放送信号出力手段に対して複数のスピーカ回線を並列に接続する場合には、各スピーカ回線毎に、それぞれ開閉手段を設ける。そして、制御手段については、例えば、上記電流検出手段が過電流検出信号を出力したとき、各開閉手段により放送信号出力手段と全てのスピーカ回線との間を切断するよう構成する(厳密には、このように開閉手段を制御するための開閉制御信号を生成する)。
【0020】
このように構成すれば、いずれかのスピーカ回線が短絡したとき、全てのスピーカ回線を放送信号出力手段から自動的に切り離すことができ、全てのスピーカ回線と放送信号出力手段とを含む各回路を、上記短絡による過電流から確実に保護できる。
【0021】
また、上記のように複数のスピーカ回線を設け、これら各スイッチ回線毎に開閉手段を設ける場合には、制御手段について、例えば、電流検出手段が過電流検出信号を出力したとき、各開閉手段により、それぞれ放送信号出力手段に対して各スピーカ回線のうちの一部を接続し残りを切断する状態に、放送信号出力手段に対して各スピーカ回線を所定の順番で順次接続または切断するよう構成してもよい。その際、電流検出手段が上記過電流検出信号を出力するか否かを確認すれば、いずれのスピーカ回線を放送信号出力手段に接続したときに電流検出手段が上記過電流検出信号を出力するのか、即ちいずれのスピーカ回線が短絡しているのかを、特定できる。そして、この制御手段によって短絡していると特定されたスピーカ回線を表す情報を出力する情報出力手段を設ければ、その情報から、いずれのスピーカ回線が短絡したのかを容易に認識できる。
【0022】
なお、上記情報出力手段については、制御手段によって短絡したと特定されたスピーカ回線を表す情報を出力するのではなく、それ以外のスピーカ回線、即ち正常なスピーカ回線を表す情報を出力するよう構成してもよい。また、これら正常なスピーカ回線、及び短絡したと特定されたスピーカ回線の、両方を表す情報を出力するよう構成してもよい。そして、ここで言う情報は、例えば発光ダイオードや液晶パネル等の表示手段を用いることにより視覚的な形態で出力してもよいし、音声や警報等の聴覚的な形態で出力してもよい。
【0023】
ここで、上記のように、制御手段により、放送信号出力手段に対して各スピーカ回線を所定の順番で順次接続または切断する具体的な手順として、例えば、次の2つの手順が挙げられる。即ち、第1の手順として、上記電流検出手段が過電流検出信号を出力したとき(即ちいずれかのスピーカ回線が短絡したとき)、一旦、放送信号出力手段と全てのスピーカ回線との間を切断する。そして、この状態で、放送信号出力手段に対して、各スピーカ回線を所定の回線数単位で、例えば1回線ずつ順次接続する。このように、全てのスピーカ回線を1回線ずつ単独で上記放送信号出力手段に接続し、この状態で、上記電流検出手段が過電流検出信号を出力するか否かを確認すれば、全てのスピーカ回線について、それぞれが短絡しているか否かを確実に検査できる。
【0024】
一方、第2の手順は、上記第1の手順とは逆に、電流検出手段が過電流検出信号を出力したとき、一旦、放送信号出力手段と全てのスピーカ回線との間を接続し、この状態で、放送信号出力手段から、各スピーカ回線を所定の回線数単位で、例えば1回線ずつ順次切断する、というものである。即ち、全てのスピーカ回線を放送信号出力手段に接続することにより、故意に、電流検出手段が過電流検出信号を出力する状態を形成する。そして、放送信号出力手段から各スピーカ回線を1回線ずつ単独で切り離し、その過程で、上記電流検出手段から過電流検出信号が出力されなくなる時点を確認する。このようにすれば、電流検出手段から過電流検出信号が出力されなくなった時点で、放送信号出力手段から切り離されている状態にあるスピーカ回線が、短絡したものであると特定できる。
【0025】
なお、上記第1の手順に比べて、第2の手順の方が、短絡したスピーカ回線を早期に検出できる場合が多い。ただし、第1の手順によれば、全てのスピーカ回線について、それぞれが短絡しているか否かを確実に検査できるのに対して、第2の手順によれば、複数のスピーカ回線が同時に短絡したときには、これを検出するのが非常に困難である。
【0026】
そこで、電流検出手段が過電流検出信号を出力したとき、まず最初に、第2の手順に従って各スピーカ回線を検査する。この第2の手順により、短絡したスピーカ回線を検出できた場合には、その旨を表す情報を上記情報出力手段により出力する。そして、第2の手順により、短絡したスピーカ回線を特定できない場合、即ち、複数のスピーカ回線が同時に短絡している場合には、第1の手順に従って、全てのスピーカ回線について、それぞれが短絡しているか否かを検査する。このようにすれば、短絡したスピーカ回線を早期かつ確実に検出できる。
【0027】
更に、制御手段については、上記のように短絡したスピーカ回線を特定した後、この短絡したスピーカ回線(換言すれば上記電流検出手段が過電流検出信号を出力する原因であると特定したスピーカ回線)を無効とし、これ以外の正常なスピーカ回線のみを有効とするよう構成してもよい。ここで、スピーカ回線を無効にするとは、例えば、上記短絡したスピーカ回線に対応する(詳しくは、この短絡したスピーカ回線と放送信号出力手段との間に設けられている開閉手段に対応する)操作手段による操作を無効とすることを言う。
【0028】
このように構成すれば、いずれかのスピーカ回線が短絡して、その短絡したスピーカ回線が使用不可能となっても、他の正常なスピーカ回線によって放送を継続できる。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明に係るスピーカ回線の短絡検知装置の一実施の形態について、図1から図3を参照して説明する。
【0030】
図1(a)に、本実施の形態の短絡検知装置を備えた放送装置の概略構成を示す。同図に示すように、本実施の形態は、ハードウェア的には、上述した図5または図6に示す従来技術の構成において、ヒューズ9、9、・・・または電流センサ10、10、・・・を取り外し、アンプ3からCPU5に対して、後述する過電流検出信号を供給するよう構成したものである。ただし、アンプ3からCPU5に対して上記過電流検出信号が供給されたときのCPU5のソフトウェア的な動作については、後述するように、上記各従来技術の場合とは異なる。なお、これ以外の構成については、上記各従来技術と同様であるので、これら同等部分には同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0031】
ところで、本実施の形態におけるアンプ3は、その出力段が、例えば図1(b)に示すように構成されている。同図に示すように、この出力段は、例えばNPN型のトランジスタ31と、このトランジスタ31を駆動するための直流電源回路32と、この直流電源回路32の陽極端子と上記トランジスタ31のコレクタ端子との間に直列に接続された出力トランス(1次側)33と、直流電源回路32の陰極端子とトランジスタ31のエミッタ端子との間に直列に接続された抵抗器、所謂エミッタ抵抗34と、から成る、一般に知られている低周波電力増幅回路構成のものである。この構成によれば、放送用の信号は、トランジスタ31のベース端子に入力され、ここで増幅された後、出力トランス33を介して、各スピーカ回線2、2、・・・に入力される。
【0032】
そして、本実施の形態におけるアンプ3は、上記過電流検出信号を生成するために、上記エミッタ抵抗34の両端間の電位差を検出することにより、このエミッタ抵抗34に流れる電流IE を間接的に検出する電流検出回路35を備えている。この電流検出回路35は、検出して得た電流値IE と予め定めた基準値I0 とを比較して、上記電流値IE が基準値I0 よりも大きいとき(IE >I0 )、上記過電流検出信号を生成して、CPU5に供給する。なお、ここで言う基準値I0 とは、上記電流検出回路35によって検出して得た電流値IE から、アンプ3の出力電流がその定格値を遥かに超える過電流状態にあるか否かを判断するためのしきい値のことを言う。この基準値としては、例えば、アンプ3の出力電流がその定格値の約3倍乃至5倍になったときの上記電流値IE と略同等の値を設定する。
【0033】
即ち、本実施の形態によれば、リレースイッチ回路4がONされているスピーカ回線2、2、・・・のうち、いずれかが短絡すると、この短絡したスピーカ回線2に対して、アンプ3から、その定格出力電流を遥かに超える過電流が流れる。すると、アンプ3内にある上記電流検出回路35が、上記過電流検出信号を生成し、これをCPU5に供給する。よって、CPU5は、アンプ3(電流検出回路35)から上記過電流検出信号が供給されることにより、いずれかのスピーカ回線2が短絡したことを認識できる。
【0034】
ただし、CPU5は、上記過電流検出信号が供給されるだけでは、いずれのスピーカ回線2が断線したのかを特定できない。そこで、CPU5は、上記過電流検出信号が供給されると、直ちに、いずれのスピーカ回線2が短絡したのかを特定するために、図2のルーチンに入る。なお、この図2のルーチンに従ってCPU5を動作させるためのプログラムは、記憶部8に記憶されている。
【0035】
同図に示すように、CPU5は、上記過電流検出信号が供給されると(ステップS2のYES)、まず、その時点での、各リレースイッチ回路4、4、・・・の各ON/OFF状態、即ち各スピーカ回線2、2、・・・の有効/無効状態を記憶する(ステップS4)。そして、一旦、全てのリレースイッチ回路4、4、・・・をOFFして、全てのスピーカ回線2、2、・・・をアンプ3から切り離す(ステップS6)。
【0036】
次に、CPU5は、このルーチンの初期設定として、各スピーカ回線2、2、・・・の番号を表すインデックス[m]を「m=1」とする(ステップS8)。この初期設定の後、CPU5は、回線番号[m]番のリレースイッチ回路4のみをONして、この回線番号[m]番のスピーカ回線2(以下、このスピーカ回線2を表す符号として上記回線番号[m]を併用する。)のみをアンプ3に接続し(ステップS10)、この状態で、アンプ3から上記過電流検出信号が供給されるか否かを確認する(ステップS12)。ここで、上記過電流検出手段が供給されることを確認した場合(YESの場合)、CPU5は、現在アンプ3に接続されているスピーカ回線[m]が短絡しているものと判断する。そして、そのスピーカ回線[m]を、短絡回線[X]として記憶部8に記憶した後(ステップS14)、そのスピーカ回線[m]をアンプ3から切り離す(ステップS16)。一方、上記ステップS12において過電流検出信号を確認できない場合(NOの場合)には、CPU5は、現在アンプ3に接続されているスピーカ回線[m]については少なくとも短絡していないものと判断し、上記ステップS14をパスして上記ステップS16に進む。
【0037】
上記ステップS16において、スピーカ回線[m]をアンプ3から切り離した後、CPU5は、残りの全てのスピーカ回線2、2、・・・について、各回線番号[m]順に、上記ステップS10からステップ16を繰り返す(ステップS18、S20)。
【0038】
全てのスピーカ回線2、2、・・・について、上記ステップS10からステップ16までの各処理を実行した後、CPU5は、上記ステップS14において記憶した短絡回線[X]を表す情報を、表示部7に表示する(ステップS22)。これと同時に、CPU5は、短絡回線[X]のリレースイッチ回路4をOFF状態に固定し、これ以降、操作部6による上記短絡回線[X]のリレースイッチ回路4のON/OFF制御を不能とする(ステップS24)。そして、この短絡回線[X]を除く他の正常なスピーカ回線2、2、・・・について、上記ステップS4における記憶内容に基づいて、それぞれの有効/無効状態を復帰させて(ステップS26)、このルーチンを抜ける。
【0039】
このように、図2のルーチンによれば、全てのスピーカ回線2、2、・・・について、それぞれ短絡していないかどうかを個別に検査できる。そして、短絡回線[X]については、その旨を表す情報が表示部7に表示されるので、短絡回線[X]の回線番号[m]を容易に認識できる。
【0040】
また、短絡回線[X]については、無効とされるが、これ以外の正常なスピーカ回線2、2、・・・については、継続して使用できる。従って、一部のスピーカ回線[X]が短絡しても、他の正常なスピーカ回線2、2、・・・により放送を継続できる。
【0041】
なお、上記図2のルーチンにおいては、全てのスピーカ回線2、2、・・・をアンプ3から切り離した状態で、各スピーカ回線2、2、・・・をそれぞれ1回線ずつ単独でアンプ3に接続することにより、短絡回線[X]を特定したが、これとは逆に、全てのスピーカ回線2、2、・・・をアンプ3に接続した状態で、各スピーカ回線2、2、・・・をそれぞれ1回線ずつ単独でアンプ3から切り離すことによっても、上記短絡回線[X]を特定できる。この手順について、図3を参照して説明する。
【0042】
即ち、CPU5は、上記過電流検出信号が供給されると(ステップS30のYES)、まず、その時点での、各リレースイッチ回路4、4、・・・の各ON/OFF状態、即ち各スピーカ回線2、2、・・・の有効/無効状態を記憶する(ステップS32)。そして、一旦、全てのリレースイッチ回路4、4、・・・をONして、全てのスピーカ回線2、2、・・・をアンプ3に接続する(ステップS34)。更に、初期設定として、上記回線番号[m]を「m=1」に設定する(ステップS36)。
【0043】
上記初期設定の後、CPU5は、回線番号[m]番のリレースイッチ回路4のみをOFFして、そのスピーカ回線[m]のみをアンプ3から切り離す(ステップS38)。そして、この状態で、上記過電流検出信号が非供給となるか否か、即ち過電流が解消されるか否かを確認する(ステップS40)。ここで、上記過電流が解消した場合(YESの場合)、CPU5は、現在アンプ3に接続されている上記スピーカ回線[m]が短絡しているものと判断して、これを短絡回線[X]として記憶部8に記憶する(ステップS42)。そして、この短絡回線[X]を表す情報を、表示部7に表示すると共に(ステップS44)、この短絡回線[X]のリレースイッチ回路4をOFF状態に固定し、これ以降、操作部6による上記短絡回線[X]のリレースイッチ回路4のON/OFF制御を不能とする(ステップS46)。そして、CPU5は、上記短絡回線[X]を除く他の正常なスピーカ回線2、2、・・・について、上記ステップS32における記憶内容に基づいて、それぞれの有効/無効状態を復帰させた後(ステップS48)、このルーチンを抜ける。
【0044】
一方、上記ステップS40において、過電流が解消されない場合(NOの場合)、CPU5は、スピーカ回線[m]をアンプ3に接続し直す(ステップS50)。そして、上記過電流が解消するまで、残りのスピーカ回線2、2、・・・について、それぞれの回線番号[m]順に、上記ステップS38及びS40を実行する(ステップS52、S54)。
【0045】
このように、図3の手順によれば、CPU5は、短絡回線[X]を特定し終えると、直ちに、このルーチンを抜ける。従って、全てのスピーカ回線2、2、・・・についてそれぞれ個別に短絡していないかどうかを検査する上記図2の手順に比べて、短絡回線[X]を早期に特定できる。
【0046】
しかし、この図3の手順によれば、複数のスピーカ回線2、2、・・・が同時に短絡したとき、これらを特定できない。そこで、全てのスピーカ回線2、2、・・・をそれぞれ個別にアンプ3から切り離しても上記過電流が解消されない場合(即ちステップS52においてYESの場合)には、CPU5は、回線個別検査処理(ステップS56)を実行し、具体的には図4の手順に従って動作する。
【0047】
同図に示すように、この回線個別処理(ステップS56)は、上記図2におけるステップS6からステップS20までの処理と全く同様であり、即ち、CPU5は、まず、全てのリレースイッチ回路4、4、・・・を一旦OFFして、全てのスピーカ回線2、2、・・・をアンプ3から切り離す(ステップS60)。そして、この回線個別処理における初期設定として、回線番号[m]を「m=1」とする(ステップS62)。
【0048】
そして、スピーカ回線[m]のみをアンプ3に接続し(ステップS64)、この状態で、アンプ3から過電流検出信号が供給されるか否かを確認する(ステップS66)。ここで、過電流検出手段が供給されることを確認した場合(YESの場合)、CPU5は、上記スピーカ回線[m]を短絡回線[X]として記憶部8に記憶し(ステップS68)、その後、スピーカ回線[m]をアンプ3から切り離す(ステップS70)。一方、上記ステップS66において過電流検出信号が供給されない場合(NOの場合)には、CPU5は、上記ステップS66をパスしてステップS70に進む。そして、CPU5は、残りの全てのスピーカ回線2、2、・・・について、各回線番号[m]順に、上記ステップS64からステップ70を繰り返す(ステップS72、S74)。全てのスピーカ回線2、2、・・・について、上記ステップS64からステップ70までの各処理を実行し終えると、CPU5は、上記ステップS44に進み、この一連の回線個別処理を終了する。
【0049】
このようにすれば、複数のスピーカ回線2、2、・・・が短絡した場合でも、各短絡回線[X]を確実に特定できる。勿論、短絡回線[X]が1回線のみである場合には、CPU5は上記回線個別処理(ステップS56)を実行しないので、上記のように図2の場合よりも早期に短絡回線[X]を特定できる。
【0050】
なお、上記回線個別処理(ステップS56)を除き、CPU5が上記図3の手順を実行している最中は(厳密には、CPU5が図3のルーチンに入りステップS46に到達するまでの間は)、上記過電流が流れ続ける。しかし、この図3の手順による短絡回線[X]の特定作業は、瞬時に実行される(換言すれば、CPU5がこの図3のルーチンに入ってこのルーチンを抜けるまでの時間は極めて短時間である)ので、各スピーカ回線2、2、・・・及びアンプ3を含む各回路に対する上記過電流の影響は皆無である。
【0051】
このように、本実施の形態によれば、上述した図5及び図6に示す各従来技術とは異なり、各スピーカ回線2、2、・・・毎に、それぞれヒューズ9、9、・・・や電流センサ10、10、・・・を設けることなく、各スピーカ回線2、2、・・・の短絡を検知できる。従って、各スピーカ回線2、2、・・・毎の構成を簡素化でき、かつ低コスト化できる。
【0052】
また、一般に、スピーカ回線の短絡を検査するのに検査用の信号を用いる技術が知られているが、本発明においては、アンプ3から出力される放送用の信号を、上記検査用の信号として流用している。従って、検査用の信号を生成するための手段を、特別に設ける必要もない。
【0053】
なお、本実施の形態における各リレースイッチ回路4、4、・・・が、特許請求の範囲に記載の開閉手段に対応する。この開閉手段については、リレースイッチ回路4、4、・・・以外のものによって構成してもよいが、本実施の形態のように、各リレースイッチ回路4、4、・・・を流用すれば、開閉手段としてそれ専用のものを設ける必要はない。
【0054】
また、本実施の形態におけるCPU5が、特許請求の範囲に記載の制御手段に対応する。勿論、このCPU5に限らず、例えば、所謂純粋なハードウェア構成によっても、上記制御手段を構成できる。
【0055】
そして、表示部7が、特許請求の範囲に記載の情報出力手段に対応する。なお、この情報出力手段は、表示部7に限らず、例えば、上記短絡回線[X]を表す情報を音声等の聴覚的な形態で出力する手段によっても構成できる。
【0056】
本実施の形態では、複数のスピーカ回線2、2、・・・を備えた放送装置について説明したが、スピーカ回線2を1回線のみ有する放送装置についても、本発明を応用できる。また、2線式のスピーカ回線2、2、・・・に限らず、3線式のものにも、本発明を応用できる。
【0057】
更に、アンプ3の出力電流を検出する回路として、図1(b)に示すものを例に挙げたが、これ以外の回路構成により、アンプ3の出力電流を検出してもよい。
【0058】
そして、短絡回線[X]を特定するために、図2または図3に示す手順に従ってCPU5を動作させたが、これに限らない。即ち、本実施の形態と同様の作用及び効果を奏するのであれば、上記図2または図3以外の手順に従って、CPU5を動作させてもよい。例えば、上記図2または図3の手順では、アンプ3に対して各スピーカ回線2、2、・・・をそれぞれ1回線ずつ接続または切断したが、2回線以上の複数回線ずつ接続または切断してもよい。また、短絡回線[X]を特定したとき、この短絡回線[X]を表す情報を表示部7に表示したが、これとは逆に、正常なスピーカ回線2、2、・・・を表す情報を表示したり、或いは、これら両者を表す情報を表示してもよい。
【0059】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、複数のスピーカ回線を備えている場合でも、各スピーカ回線に共通の1つの電流検出手段により、各スピーカ回線が断線したか否かを認識できる。従って、上述した従来技術とは異なり、各スピーカ回線毎に、ヒューズ9、9、・・・や電流センサ10、10、・・・等を設ける必要がない。よって、ヒューズ交換作業や予備のヒューズを用意しておく必要がなく、また、各スピーカ回線毎の構成を簡素化でき、かつ低コスト化できるという効果がある。この効果は、スピーカ回線数が多いほど、顕著になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスピーカ回線の短絡検知装置の一実施の形態を示す図で、(a)は、この短絡検知装置を備えた放送装置の概略構成図、(b)は、アンプ内の一部分を示す電気回路図である。
【図2】本実施の形態におけるCPUの動作の一例を示すフローチャートである。
【図3】図2とは別の手順によりCPUを動作させるためのフローチャートである。
【図4】図3における一部分を詳細を示すフローチャートである。
【図5】従来技術の一例を示す概略構成図である。
【図6】図5とは別の従来例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 スピーカ
2 スピーカ回線
3 アンプ
4 リレースイッチ回路
5 CPU
35 電流検出回路
Claims (3)
- 1以上のスピーカが接続されたスピーカ回線と、
放送用の信号を出力して上記スピーカ回線に入力する放送信号出力手段と、
この放送信号出力手段の全出力電流を検出し、この検出して得た電流が所定の基準値を超えたとき過電流検出信号を出力する電流検出手段と、
上記放送信号出力手段の出力側と上記スピーカ回線の入力側との間に設けられ、これら両者間を開閉制御信号に従って接続または切断する開閉手段と、
上記電流検出手段が上記過電流検出信号を出力したとき、これを受けて上記開閉制御信号を生成して上記開閉手段に供給する制御手段と、
を具備し、
上記放送信号出力手段に対して上記スピーカ回線を複数並列に設け、
これら各スピーカ回線毎に上記開閉手段をそれぞれ設け、
上記電流検出手段が上記過電流検出信号を出力したとき、上記制御手段が、一旦、上記放送信号出力手段と全ての上記スピーカ回線との間を接続し、この状態で上記放送信号出力手段から上記各スピーカ回線を所定の回線数単位で順次切断するよう上記開閉制御信号を生成して上記各開閉手段に供給すると共に、この過程において上記電流検出手段が上記過電流検出信号を出力するか否かを確認することにより、いずれのスピーカ回線が上記放送信号出力手段に接続されているときに上記電流検出手段が上記過電流検出信号を出力するのかを特定する状態に構成され、
上記制御手段によって上記電流検出手段が過電流検出信号を出力する原因であると特定されたスピーカ回線と、これ以外のスピーカ回線と、のいずれか一方または両方を表す情報を出力する情報出力手段を、更に設けた、
スピーカ回線の短絡検知装置。 - 上記開閉手段が、これに対応する操作手段の被操作状態に応じて上記放送信号出力手段と上記スピーカ回線との間を接続または切断するものである請求項1に記載のスピーカ回線の短絡検知装置。
- 上記制御手段が、上記電流検出手段が過電流検出信号を出力する原因であると特定したスピーカ回線を無効とし、これ以外のスピーカ回線のみを有効とする状態に構成された、請求項1または2に記載のスピーカ回線の短絡検知装置。
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-
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