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JP3717873B2 - クロムエッチング液からのセリウムの回収方法 - Google Patents
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JP3717873B2 - クロムエッチング液からのセリウムの回収方法 - Google Patents

クロムエッチング液からのセリウムの回収方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、クロムエッチングなどに使用されたエッチング溶液からセリウムを回収する方法に関し、詳しくは、硝酸第二アンモニウムセリウムなどのセリウム化合物と酸を含むエッチング液によりクロムをエッチングした後の、セリウムとクロムを含むクロムエッチング液からセリウムを回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体や液晶ディスプレイの製造工程には、通常、電極膜などの金属薄膜をエッチングする工程が含まれており、そのようなエッチング工程の中で、クロムをエッチングする場合には、通常、硝酸第二アンモニウムセリウム(IV)などのセリウム化合物を含むクロムエッチング液が用いられている。なお、クロムエッチング液としては、例えば、
(1)硝酸第二アンモニウムセリウムと硝酸を配合したもの、
(2)硝酸セリウムと硝酸と硝酸アンモニウムを配合したもの
(3)硝酸第二アンモニウムセリウムと過塩素酸を配合したもの、
(4)硝酸第二アンモニウムセリウムと硝酸と過塩素酸を配合したもの
など種々の組成のものが用いられている。
そして、いずれの組成のクロムエッチング液を用いた場合にも、使用済のクロムエッチング液には多量の4価セリウムと3価クロム、及び少量の6価クロムが含まれることになる。
【0003】
これらの4価セリウムと6価クロムは、いずれも、強酸化性の物質で有害であるため、クロムエッチング廃液から、これらの物質を除去することが必要になる。そして、そのための処理方法としては、例えば、特開昭52−68860号公報に開示されているように、クロム及びセリウムを含有する硝酸第二アンモニウムセリウム廃液に亜硫酸水素ナトリウムを加えて、クロムを還元し、次いで水酸化カルシウムを加えることにより、該廃液中のクロムをセリウム水酸化物と共沈させて除去する方法が広く用いられてきた。
また、4価セリウム及び6価クロムを還元した後、吸着剤に吸着させて除去する方法も提案されている。
しかし、上記従来の方法では、高価なセリウムが有効利用されることなく大量に廃棄されることになり、不経済であるという問題点がある。
【0004】
また、特開昭62−191422号公報には、3価セリウムを酸化剤で4価にし、他の物質と4価セリウムの性質の相違を利用して、セリウムを分離精製する方法が開示されているが、この方法ではクロムエッチング廃液のように不純物としてクロムを含有している場合には、セリウムとクロムが共沈してしまうため、セリウムのみを分離して回収することができないという問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明は、上記問題点を解決するものであり、セリウムとクロムを含有するクロムエッチング液から、セリウムを効率よく回収することが可能なセリウムの回収方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本願発明(請求項)のクロムエッチング液からのセリウムの回収方法は、
セリウム化合物を主要な成分とするエッチング液によりクロムのエッチングを行った後の、セリウム化合物とクロム化合物を含有するクロムエッチング液からセリウムを回収する方法であって、
(a)セリウム化合物及びクロム化合物を含有する酸性のクロムエッチング液を蒸発濃縮して、セリウム化合物を析出させる蒸発晶析工程と、
(b)析出したセリウム化合物を分離する工程と、
(c)前記(b)の工程でセリウム化合物を分離した後の分離液中のセリウムをシュウ酸塩として分離、回収する工程と
を備えていることを特徴としている。
【0007】
クロムエッチング液を蒸発濃縮し、セリウム化合物を析出させて分離し、回収するとともに、セリウム化合物を分離した後の分離液中のセリウムをシュウ酸塩として分離、回収することにより、クロムエッチング液中のセリウムのほぼ全量を回収することが可能になり、セリウムの回収率を大幅に向上させることが可能になる。
【0008】
また、請求項のクロムエッチング液からのセリウムの回収方法は、請求項の(c)の工程で、シュウ酸塩を分離、回収した後の3価クロムを含有する液に水酸化アルカリを添加し、3価クロムを水酸化クロムとして析出させ、分離する工程を備えていることを特徴としている。
【0009】
請求項の(c)の工程で3価セリウムのシュウ酸塩を主成分とする析出物を分離した後の3価クロムを含有する液に水酸化アルカリを添加し、3価クロムを水酸化クロムとして析出させ、分離することにより、クローズドシステムを構成することが可能になり、有害物質であるクロムを系外に排出することなく、有価物質であるセリウムを効率よく回収できるようになり、極めて有意義である。
【0010】
また、請求項のクロムエッチング液からのセリウムの回収方法は、
請求項の(c)のセリウム化合物を分離した後の分離液からセリウムをシュウ酸塩として分離、回収する工程が、
(a)前記分離液にシュウ酸を添加することにより、分離液中のセリウムを3価のセリウムに還元し、シュウ酸塩として析出させる工程と、
(b)3価セリウムをシュウ酸塩として析出させた液にアルカリを添加して、3価クロムの水酸化物が実質的に析出しない程度にまで中和することにより、3価セリウムをさらにシュウ酸塩として析出させる工程と、
(c)前記(a),(b)の工程で析出した3価セリウムのシュウ酸塩を主成分とする析出物を分離する工程と
を備えていることを特徴としている。
【0011】
請求項の(c)の工程において析出したセリウム化合物を分離した後の分離液に、4価セリウムを3価セリウムに還元する還元作用を有し、かつ、3価セリウムと不溶性の塩を生成するシュウ酸を添加して、クロムエッチング液中のセリウムを3価のセリウムに還元してシュウ酸塩として析出させるとともに、さらにアルカリを添加して、実質的に3価クロムの水酸化物が析出しない程度にまで中和し、3価セリウムをさらにシュウ酸塩として析出させた後、3価セリウムのシュウ酸塩を主成分とする析出物を分離することにより、晶析工程で析出させたセリウム化合物を分離した後の、セリウム化合物とクロム化合物を含むクロムエッチング液から、クロムをほとんど含有しないセリウムを効率よく分離、回収することが可能になる。
【0012】
また、請求項のクロムエッチング液からのセリウムの回収方法は、請求項の(b)の工程でアルカリを添加して中和するにあたって、pHが約4になるまでアルカリを添加することを特徴としている。
【0013】
請求項の(b)の工程で中和を行うにあたって、pHが約4になるまでアルカリを添加することにより、クロムが水酸化物として析出することを抑制、防止しつつ、3価のセリウムをシュウ酸塩としてさらに確実に析出させることが可能になり、セリウムの回収効率を向上させることが可能になる。
【0014】
また、請求項のクロムエッチング液からのセリウムの回収方法は、
請求項の(c)の工程で分離、回収した3価セリウムのシュウ酸塩を主成分とする析出物に水酸化アルカリを作用させて水酸化第一セリウムを生成させる工程と、
生成した水酸化第一セリウムに酸化剤を作用させて水酸化第二セリウムを生成させる工程と、
水酸化第二セリウムに硝酸及び硝酸アンモニウムを作用させて加熱濃縮することにより、硝酸第二アンモニウムセリウムを生成させる工程と
を備えていることを特徴としている。
【0015】
請求項の(c)の工程で分離、回収した3価セリウムのシュウ酸塩を主成分とする析出物に水酸化アルカリを作用させて水酸化第一セリウムを生成させ、この水酸化第一セリウムに酸化剤を作用させて水酸化第二セリウムを生成させた後、水酸化第二セリウムに、硝酸及び硝酸アンモニウムを作用させて加熱濃縮することにより、硝酸第二アンモニウムセリウムを生成させるようにした場合、得られる硝酸第二アンモニウムセリウムに、例えば、硝酸などを配合することにより、新しいエッチング液を容易に調製することが可能になり、回収したセリウムを効率よく循環使用することが可能になる。
なお、本願発明において、水酸化第一セリウムを水酸化第二セリウムに酸化するための酸化剤としては、例えば次亜塩素酸ナトリウムなどを用いることが可能である。
【0016】
また、請求項6のクロムエッチング液からのセリウムの回収方法は、請求項1の ( ) の蒸発晶析工程で析出させるセリウム化合物が、硝酸第二アンモニウムセリウムであることを特徴としている。
【0017】
クロムエッチング液においては、通常、セリウム化合物として硝酸第二アンモニウムセリウムが用いられているが、蒸発晶析の方法を用いることにより、この硝酸第二アンモニウムセリウムを効率よく析出させて、分離、回収することが可能になる。
【0018】
また、本願発明(請求項)のクロムエッチング液からのセリウムの回収方法は、請求項6に記載の蒸発晶析工程で析出させた硝酸第二アンモニウムセリウムと、請求項において生成させた硝酸第二アンモニウムセリウムを用いて、クロムのエッチングに用いられる所定の組成のエッチング液を調製することを特徴とする工程を備えていることを特徴としている。
【0019】
請求項6の蒸発晶析工程で析出させた硝酸第二アンモニウムセリウムと、請求項において生成させた硝酸第二アンモニウムセリウムを用いて、クロムのエッチングに用いられる所定の組成のエッチング液を調製することにより、回収したセリウムの全量をエッチング液として循環使用することが可能になり、本願発明をより実効あらしめることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態を示して、その特徴とするところをさらに詳しく説明する。
なお、この実施形態では、硝酸第二アンモニウムセリウム(IV)と硝酸を含有するクロムエッチング液によりクロムをエッチングした後の、4価セリウム、6価クロム、硝酸などを含有する使用済みのクロムエッチング液からセリウムを回収する場合を例にとって説明する。
【0021】
この実施形態では、使用済みのクロムエッチング液として、セリウムとクロムを下記の割合で含有するクロムエッチング液を用いた。
セリウム含有量(CeO2として) : 48.6g(48.6g/kg)
クロム含有量 (Crとして) : 682ppm(682mg/l)
【0022】
[1]蒸発晶析
まず、上記の割合でセリウムとクロムを含有する使用済みのクロムエッチング液(1000g)を蒸発濃縮し、セリウム化合物(硝酸第二アンモニウムセリウム)の結晶を析出させて分離、回収する一方、硝酸第二アンモニウムセリウムを分離した後の分離液、すなわち、濃縮液である晶析母液(硝酸第二アンモニウムセリウムの飽和溶液)を所定の割合で連続的に系外に取り出した。
なお、具体的には、以下に説明するような操作を行い、硝酸第二アンモニウムセリウムの結晶の晶析、固液分離、硝酸水の回収などを行った。
【0023】
(1−1)まず、上記の割合でセリウムとクロムを含有する使用済みのクロムエッチング液を連続的に蒸発晶析装置の蒸発部に供給して、クロムエッチング液を蒸発濃縮した(図1のステップ1(S1))。
【0024】
(1−2)そして、蒸発晶析装置の晶析部にて、セリウム化合物(硝酸第二アンモニウムセリウム)の結晶を析出、成長させ(図1のステップ2(S2))、成長した結晶を遠心分離機などの固液分離機を用いて分離、回収した(図1のステップ3(S3))。
【0025】
(1−3)次に、分離した硝酸第二アンモニウムセリウムの結晶を洗浄して、結晶に付着した付着液(クロムを含む濃縮液)の主要部を除去した(図1のステップ4(S4))。
【0026】
(1−4)一方、上述の蒸発濃縮の工程で発生した蒸気を凝縮させて硝酸水を回収した(図1のステップ5(S5))。
【0027】
(1−5)それから、ステップ3(S3)の分離液、及びステップ4(S4)の洗浄液から、セリウムの回収を行う(図1のステップ6(S6))。なお、このステップ6(S6)のセリウムの回収は、図2のフローチャートに示すステップ11(S11)〜ステップ21(S21)の工程を経て行われる。
【0028】
なお、この実施形態では、連続式に蒸発濃縮・晶析を行うようにした場合について説明を行ったが、回分式に蒸発濃縮を行い、濃縮液を冷却して硝酸第二アンモニウムセリウムの結晶を析出させて分離した後、分離液からセリウムを回収するように構成することも可能である。
【0029】
[2]分離液、洗浄液からのセリウムの回収
以下に、上述のステップ3(S3)の分離液、及びステップ4(S4)の洗浄液からセリウムを回収する方法について説明する。
(2−1)ステップ3(S3)の分離液、及びステップ4(S4)の洗浄液を合わせた液にシュウ酸水溶液を添加することにより、4価セリウムを3価セリウムに還元し、3価セリウムをシュウ酸塩として析出させた(図2,ステップ11(S11))。なお、この工程で、クロムエッチング液中に存在する6価クロムは3価クロムに還元される。
【0030】
(2−2)それから、水酸化ナトリウム水溶液を、pHが4.0になるまで添加して中和し、上記(2−1)の工程では析出しなかったセリウムをシュウ酸塩としてさらに析出させた(図2,ステップ12(S12))。
【0031】
(2−3)次に、濾過を行って、析出したシュウ酸セリウムを分離した(図2,ステップ13(S13))。
【0032】
(2−4)そして、上記(2−3)の工程で分離、回収したシュウ酸セリウムのケーキに、水酸化カリウムの濃度が70g/700mlの水酸化カリウム水溶液を添加し(図2,ステップ14(S14))、シュウ酸セリウムを分解させて水酸化第一セリウムを生成させた。
【0033】
(2−5)それから、酸化剤として、次亜塩素酸ナトリウムを添加することにより水酸化第一セリウムを酸化して、水酸化第二セリウムを生成させた(図2,ステップ15(S15))。
【0034】
(2−6)その後、濾過を行って水酸化第二セリウムを分離した(図2,ステップ16(S16))。これにより、セリウムをCeO2として48.5g含有する水酸化第二セリウムのウエットなケーキ83.7gを回収した。
この工程で、使用済のクロムエッチング液中のセリウム(CeO2として48.6g)の99.9%を分離、回収することができた。
【0035】
(2−7)それから、回収した水酸化第二セリウムに、硝酸・硝酸アンモニウムを添加して加熱濃縮し、硝酸第二アンモニウムセリウムを生成させた(図2,ステップ17(S17))。
【0036】
(2−8)その後、この硝酸第二アンモニウムセリウムを含む液を晶析装置にかけて、蒸発濃縮・晶析を行い、析出させた硝酸第二アンモニウムセリウムの結晶を分離、脱水した(図2,ステップ18(S18))。
【0037】
(2−9)そして、この硝酸第二アンモニウムセリウムに、硝酸などを所定の割合で配合し、混合、溶解することにより、新しいクロムエッチング液を調製した(図2,ステップ19(S19))。
【0038】
(2−10)一方、上記(2−3)の工程でシュウ酸セリウムを分離した後の、3価クロムを含む濾液に水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pHを8.0に調整し、3価クロムを水酸化クロムとして析出させた(図2,ステップ20(S20))。
【0039】
(2−11)それから、濾過を行い、水酸化クロムを分離、除去した(図2,ステップ21(S21))。
なお、水酸化クロムを濾過した後の濾液中のクロム濃度は10ppbであり、セリウム濃度は100ppb以下であった。
この工程で中和処理後の液を濾過することにより、使用済のクロムエッチング液中のクロムの99.9%以上を分離、除去することができた。
【0040】
なお、この実施形態では、上記(2−2)の工程においてpHが4.0になるまで中和する工程で、アルカリとして水酸化ナトリウムを用いているが、水酸化カリウムなどの他のアルカリを用いることも可能である。
【0041】
また、上記(2−4)の工程においては、分離、回収したシュウ酸セリウムのケーキに、水酸化カリウム水溶液を加えるようにしているが、水酸化ナトリウムなどの他のアルカリ水溶液を用いることも可能である。
【0042】
また、上記(2−5)の工程では、酸化剤として次亜塩素酸ナトリウムを添加して、水酸化第一セリウムを水酸化第二セリウムに酸化するようにしているが、例えば、過酸化水素などの他の酸化剤を用いることも可能である。
【0043】
また、上記(2−10)の工程では、シュウ酸セリウムを分離した後の濾液に水酸化ナトリウム水溶液を添加して、3価クロムを水酸化物として沈殿させるようにしているが、他のアルカリを用いることも可能である。
また、この実施形態では、硝酸第二アンモニウムセリウムを含む液を晶析装置にかけて、蒸発濃縮・晶析を行うようにしているが((2−8)の工程)、場合によっては、特に晶析を行うことなく、溶液状態の硝酸第二アンモニウムセリウムをエッチング液の調製に用いることも可能である。
【0044】
本願発明はさらにその他の点においても上記実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
【0045】
【発明の効果】
上述のように、本願発明(請求項)のクロムエッチング液からのセリウムの回収方法のように、クロムエッチング液を蒸発濃縮し、セリウム化合物を析出させて分離し、回収するとともに、セリウム化合物を分離した後の分離液中のセリウムをシュウ酸塩として分離、回収するようにした場合、クロムエッチング液中のセリウムのほぼ全量を回収することが可能になり、セリウムの回収率を大幅に向上させることが可能になり、本願発明をより実効あらしめることができる。
【0046】
また、請求項のクロムエッチング液からのセリウムの回収方法のように、請求項の(c)の工程で3価セリウムのシュウ酸塩を主成分とする析出物を分離した後の3価クロムを含有する液に水酸化アルカリを添加し、3価クロムを水酸化クロムとして析出させ、分離するようにした場合、クローズドシステムを構成することが可能になり、有害物質であるクロムを系外に排出することなく、有価物質であるセリウムを効率よく回収することが可能になり、極めて有意義である。
【0047】
また、請求項のクロムエッチング液からのセリウムの回収方法のように、請求項の(c)の工程において析出したセリウム化合物を分離した後の分離液に、4価セリウムを3価セリウムに還元する還元作用を有し、かつ、3価セリウムと不溶性の塩を生成するシュウ酸を添加して、クロムエッチング液中のセリウムを3価のセリウムに還元してシュウ酸塩として析出させるとともに、さらにアルカリを添加して、実質的に3価クロムの水酸化物が析出しない程度にまで中和し、3価セリウムをさらにシュウ酸塩として析出させた後、3価セリウムのシュウ酸塩を主成分とする析出物を分離するようにした場合、晶析工程で析出させたセリウム化合物を分離した後の、セリウム化合物とクロム化合物を含むクロムエッチング液から、クロムをほとんど含有しないセリウムを効率よく分離、回収することができるようになる。
【0048】
また、請求項のクロムエッチング液からのセリウムの回収方法のように、請求項の(b)の工程で中和を行うにあたって、pHが約4になるまでアルカリを添加するようにした場合、クロムが水酸化物として析出することを抑制、防止しつつ、3価のセリウムをシュウ酸塩としてさらに確実に析出させることが可能になり、セリウムの回収効率を向上させることができる。
【0049】
また、請求項のクロムエッチング液からのセリウムの回収方法のように、請求項の(c)の工程で分離、回収した3価セリウムのシュウ酸塩を主成分とする析出物に水酸化アルカリを作用させて水酸化第一セリウムを生成させ、この水酸化第一セリウムに酸化剤を作用させて水酸化第二セリウムを生成させた後、水酸化第二セリウムに、硝酸及び硝酸アンモニウムを作用させて加熱濃縮することにより、硝酸第二アンモニウムセリウムを生成させるようにした場合、得られる硝酸第二アンモニウムセリウムに、例えば、硝酸などを配合することにより、新しいエッチング液を容易に調製することが可能になり、回収したセリウムを効率よく循環使用することが可能になる。
【0050】
また、クロムエッチング液においては、通常、セリウム化合物として硝酸第二アンモニウムセリウムが用いられているが、その場合にも、蒸発晶析の方法を用いることにより、この硝酸第二アンモニウムセリウムを効率よく析出させて、分離、回収することができる(請求項6)。
【0051】
また、請求項のクロムエッチング液からのセリウムの回収方法のように、請求項6の蒸発晶析工程で析出させた硝酸第二アンモニウムセリウムと、請求項において生成させた硝酸第二アンモニウムセリウムを用いて、クロムのエッチングに用いられる所定の組成のエッチング液を調製することにより、回収したセリウムの全量をエッチング液として循環使用することが可能になり、本願発明をより実効あらしめることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の実施形態にかかるクロムエッチング液からのセリウムの回収方法における蒸発濃縮・晶析工程を示すフローチャートである。
【図2】 本願発明の実施形態にかかるクロムエッチング液からのセリウムの回収方法において、シュウ酸塩としてセリウムを回収する工程を示すフローチャートである。

Claims (7)

  1. セリウム化合物を主要な成分とするエッチング液によりクロムのエッチングを行った後の、セリウム化合物とクロム化合物を含有するクロムエッチング液からセリウムを回収する方法であって、
    (a)セリウム化合物及びクロム化合物を含有する酸性のクロムエッチング液を蒸発濃縮して、セリウム化合物を析出させる蒸発晶析工程と、
    (b)析出したセリウム化合物を分離する工程と、
    (c)前記(b)の工程でセリウム化合物を分離した後の分離液中のセリウムをシュウ酸塩として分離、回収する工程と
    を備えていることを特徴とするクロムエッチング液からのセリウムの回収方法。
  2. 請求項の(c)の工程で、シュウ酸塩を分離、回収した後の3価クロムを含有する液に水酸化アルカリを添加し、3価クロムを水酸化クロムとして析出させ、分離する工程を備えていることを特徴とする請求項記載のクロムエッチング液からのセリウムの回収方法。
  3. 請求項の(c)のセリウム化合物を分離した後の分離液からセリウムをシュウ酸塩として分離、回収する工程が、
    (a)前記分離液にシュウ酸を添加することにより、分離液中のセリウムを3価のセリウムに還元し、シュウ酸塩として析出させる工程と、
    (b)3価セリウムをシュウ酸塩として析出させた液にアルカリを添加して、3価クロムの水酸化物が実質的に析出しない程度にまで中和することにより、3価セリウムをさらにシュウ酸塩として析出させる工程と、
    (c)前記(a),(b)の工程で析出した3価セリウムのシュウ酸塩を主成分とする析出物を分離する工程と
    を備えていることを特徴とする請求項記載のクロムエッチング液からのセリウムの回収方法。
  4. 請求項の(b)の工程でアルカリを添加して中和するにあたって、pHが約4になるまでアルカリを添加することを特徴とする請求項記載のクロムエッチング液からのセリウムの回収方法。
  5. 請求項の(c)の工程で分離、回収した3価セリウムのシュウ酸塩を主成分とする析出物に水酸化アルカリを作用させて水酸化第一セリウムを生成させる工程と、
    生成した水酸化第一セリウムに酸化剤を作用させて水酸化第二セリウムを生成させる工程と、
    水酸化第二セリウムに硝酸及び硝酸アンモニウムを作用させて加熱濃縮することにより、硝酸第二アンモニウムセリウムを生成させる工程と
    を備えていることを特徴とする請求項又は記載のクロムエッチング液からのセリウムの回収方法。
  6. 請求項1の ( ) の蒸発晶析工程で析出させるセリウム化合物が、硝酸第二アンモニウムセリウムであることを特徴とする請求項1記載のクロムエッチング液からのセリウムの回収方法。
  7. 請求項6に記載の蒸発晶析工程で析出させた硝酸第二アンモニウムセリウムと、請求項において生成させた硝酸第二アンモニウムセリウムを用いて、クロムのエッチングに用いられるエッチング液を調製する工程を備えていることを特徴とするクロムエッチング液からのセリウムの回収方法。
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