JP3720101B2 - マグネトロンスパッタ用カソード電極 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はマグネトロンスパッタ用カソード電極に関し、特に、薄膜形成用マグネトロンスパッタ装置において基板に対して均一の厚みで均質かつパーティクルが少ない薄膜を長期にわたって安定に形成できるカソード電極に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のスパッタ装置では各種方式の電極構造が提案されているが、その中で、工業的に、マグネトロン方式の電極構造が最も多く使用されている。その理由は、成膜速度が大きく生産性が高いためである。従来のマグネトロン方式の電極には、様々なタイプが存在するが、現在のところ、特に平面形状を有するターゲットを備えた平板マグネトロンカソード電極が工業的に最も有用である。
【0003】
近年、特に、液晶表示装置製造用として、大面積の大型基板上に均質でかつ膜厚分布が均一な薄膜の形成が要求されている。このようなスパッタ装置として、最近、基板および対向する電極を静止させ、ターゲットの消耗領域を広範囲にしたスパッタ装置が検討されている。
【0004】
その中で、特にマグネトロンカソード電極の構造に注目すると、特開平3−194298号および特開平5−239640号の各公報において、複数の磁石ユニットで構成される磁石組立体をターゲットに対して往復運動させ、ターゲットのエッチング分布の均一性を改善した技術が開示されている。
【0005】
上記カソード電極において磁石ユニットの個数は、現在のところ5個が最も扱いやすいとものとして採用されている。またこの場合の往復運動の振幅としては、磁石ユニットの幅の約半分程度の振幅が採用されている。このような複数の磁石ユニットが小振幅往復運動するカソード電極の利点として、スパッタ原子が基板に対してほぼ垂直に入射するため、単一の磁石ユニットを大振幅で往復運動させる方式(基板に斜め入射するスパッタ原子が増加する)に比べて、基板上に成長する膜の膜質が圧倒的に良いこと、各磁石ユニット位置を微妙に調整することにより、大面積の基板に膜厚分布均一性の良い成膜が可能であること等を挙げることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のスパッタ装置の問題を図7〜図9を参照して説明する。図7は5個の磁石ユニットを有するスパッタ装置の要部断面構造を示す。この図では、ターゲット、5個の磁石ユニット、矩形基板の相対的な配置関係が分かるように基本的構成のみを示し、Arガス導入機構、真空排気機構、基板搬送機構、ターゲットを水冷する機構、磁石組立体の往復運動機構等の図示を省略している。
【0007】
ターゲット71と基板72は真空容器(図示せず)内において対向して配置される。ターゲット71は裏板73上に固着されている。裏板73の背面の位置にはターゲット71の表面上にトンネル状でかつ環状の磁力線分布を形成するための複数の磁石ユニット74が互いに平行に設置されている。各磁石ユニット74の平面形状はほぼ長方形であり、中心部にロッド状の中心磁石74a(上面は例えばS極)およびその周囲に環状の外周磁石(または周辺磁石)74b(上面は例えばN極)を配置し、これらの磁石の裏側には矩形のヨーク74cが設置されている。これらの磁石ユニット74は図8の平面図に示されるように、長辺方向が平行になるように配置されている。これにより、ターゲット71上ではトンネル状の磁力線に沿って環状のプラズマ領域が形成され、このプラズマで生成されたイオンがターゲット表面に衝突することにより飛び出したターゲット原子が、対向する基板72上に堆積し、薄膜が形成される。
【0008】
上記のようなスパッタ装置を用いて成膜される薄膜は、半導体デバイスや液晶表示装置などの電子部品製造に利用される。ここで、基板72上に成膜される薄膜の膜厚は非常に均一であることが要求される。例えばTFT(Thin Film Transister)液晶表示装置用の基板の大きさは現在400mm×500mm程度であり、この範囲内での膜厚の変動は±5%以下でなければならない。このような均一な膜厚分布を実現するためには、各磁石ユニットを、図7に示すように、両端の磁石ユニットに隣接する各磁石ユニットの箇所に対応するターゲット面と、当該磁石ユニットの上面との距離(以下「T/M距離」と記す)が、その他の磁石ユニットのT/M距離に比べて大きくなるように設置する必要がある。このような配置にしなければならない理由は次の通りである。
【0009】
もし各磁石ユニット74のT/M距離をすべて同じ距離に設定すると、成膜現象として、基板中心部の膜厚は基板端部の膜厚に比べて必ず大きくなる。すなわち、基板端部で膜厚の減少が生じ、必要な膜厚分布均一性が確保できなくなる。これを補正し、均一な膜厚分布を得るためには、基板端部に対応する位置の磁石ユニットのT/M距離を他に比べて小さくする必要がある。しかし、最外部の磁石ユニットのT/M距離を短くしただけでは、逆に基板端部のみの膜厚が増加しすぎる傾向がある。従って、最終的には両端の磁石ユニットに隣接する磁石ユニットのT/M距離を適当に遠ざける構成が採用される。このようにして、各磁石ユニットの最適な配置はアルファベットのW字型の配置となる。
【0010】
ところが、このような配置の磁石ユニットを備えた磁石組立体を用い、適当な磁石往復運動振幅(磁石ユニット短辺幅の半分程度)を設定して、長期間にわたって薄膜を製造すると、ターゲット71のエロージョン部の平面形状は図9に示すような形状となる。図9中で斜線を施した部分75は、ターゲット71がエッチングを受けた、すなわちエロージョンが発生した部分である。ここで特徴的なことは、両端の磁石ユニットに隣接する磁石ユニットに対応するターゲット上の箇所で、図9の上下方向(磁石ユニットの長辺方向)のエロージョン幅が小さくなり、局所的に非エロージョン部76が発生することである。
【0011】
一般的に、スパッタ原子がガス分子との衝突により散乱され、逆にターゲットまで再び戻ってくる確率も少なからず存在する。そのため、このような非エロージョン部76が存在すると、長期間にわたる使用により、この非エロージョン部76に膜堆積が生じる。このようにして堆積した膜は非常にはがれやすく、基板上のパーティクルの原因となるため、好ましくないものである。またターゲットがどの程度有効に使用されたかを表すターゲット利用率も低く抑えられる。
【0012】
上記のような現象が生じるのは、各磁石ユニットの磁界分布と5個の磁石ユニットのW字型配置のためである。ターゲット上のトラック形エロージョン部の中心は、磁石ユニットにより発生した磁界の、ターゲット面に垂直な成分Bzがゼロになる位置と一致することが知られている。図7に示したような通常用いられる磁石ユニット配置では、T/M距離が大きくなるに従って、Bzがゼロとなる位置を結んだ環状軌跡の上下方向(磁石ユニット長辺方向)の幅は小さくなる。従って、図7のように、他の磁石ユニットに比べてT/M距離が大きくなるように配置された2つの磁石ユニットに対応する箇所では、ターゲット71のエロージョン部75の上下方向の幅が小さくなり、その結果,図9に示すように、非エロージョン部76が形成される。
【0013】
図9に示した非エロージョン部76は、磁石往復運動の振幅をさらに大きくすれば、消失することは明らかである。しかしこの場合には、前述のような複数の磁石ユニットが小振幅往復運動するカソード電極の利点である良好な膜厚分布均一性が損われるという欠点を生じる。
【0014】
本発明の目的は、上記問題を解決することにあり、マグネトロンスパッタ装置において、良好な膜厚分布均一性を保つと共に、局所的非エロージョン部の発生をなくし、ターゲットのエロージョン面積をできるだけ大きくし、長期にわたって、基板上にパーティクル発生のない安定した成膜が行えるマグネトロンスパッタ用カソード電極を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段および作用】
第1の本発明(請求項1に対応)に係るマグネトロンスパッタ用カソード電極は、上記目的を達成するため、矩形ターゲットの背後に、平面形状が長形の磁石ユニットをその各々の長辺が平行になるように複数個配置してなる磁石装置(磁石組立体)を備え、前記複数の磁石ユニットの各々はターゲット上にトンネル状磁力線を形成し、磁石装置は往復運動するように構成され、上記複数の磁石ユニットのうち両端の磁石ユニットの各々に隣接する磁石ユニットのT/M距離を他の磁石ユニットのT/M距離よりも大きくし、かつ前記隣接する磁石ユニットの長辺方向の長さを他の磁石ユニットの長さよりも長くするように構成される。
【0016】
第1の本発明では、T/M距離を他の磁石ユニットの場合に比較して大きくした上記隣接する磁石ユニットの長辺方向の長さを所望の長さだけ他の磁石ユニットの長さよりも長くすることによって、ターゲットにおいて従来生じていた局所的非エロージョン部をなくすことができ、ターゲット表面上のエロージョン部の幅を均一に形成することが可能となる。
【0017】
第2の本発明(請求項2に対応)に係るマグネトロンスパッタ用カソード電極は、第1の発明において、上記隣接する磁石ユニットに、その長辺方向の長さを可変にする長さ調整機構を設けるように構成される。第2の本発明では、上記隣接する磁石ユニットの長さを必要に応じて自在に調整することができ、状況に応じて可変にすることによって実用性が高いものとなる。
【0018】
第3の本発明(請求項3に対応)に係るマグネトロンスパッタ用カソード電極は、ターゲットの背後に配置され、ターゲット上にトンネル状磁力線を形成し、平面形状が長形の磁石ユニットを有するものであり、さらに磁石ユニットは端部と中央部に分割され、端部と中央部はガイドを介して結合され、中央部に対する端部の位置を変化させて磁石ユニットの長辺方向の長さを調整する長さ調整機構を設けるように構成される。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の最良な実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態であるマグネトロンスパッタ用カソード電極の要部構成を示した縦断面図を示す。
【0021】
真空容器の一部を成す壁部11に形成された開口部12に、絶縁スペーサ13を介してカソードボディ(カソード本体)14が取り付けられ、さらにカソードボディ14の上部に裏板15が取り付けられる。当該真空容器の内部は、図示しない排気機構によって所要の真空状態に保持され、搬入された基板を成膜処理するためのチャンバとして構成される。カソードボディ14と裏板15によって、基板処理チャンバの壁部の一部が形成され、大気側と真空室内側とが隔てられる。
【0022】
裏板15の表面には所定材質のターゲット16がインジウム等の低融点ろう材により接着される。ターゲット16の周辺には、ターゲット以外の部分がエッチングされるのを防止するためのシールド17が設けられる。裏板15の大気側には、裏板15とターゲット16を冷却するための水冷ジャケット18が設けられている。この水冷ジャケット18の内部には裏板15全体を均一に冷却するために、全域にわたって水路19が設けられており、水導入パイプ20から冷却用水が導入され、水排出パイプ21から使用後の冷却用水が排出されるようになっている。水冷ジャケット18の背後には、後述する構造を持つ2種の磁石ユニット22a,22bが交互に合計5台配置されている。
【0023】
各磁石ユニットにおける磁極は、図8で示した従来の磁石ユニットの場合と同様に、中心磁極(例えば表面がS極)、外周磁極(周辺磁石ともいう:例えば表面がN極)から構成される。磁石ユニット22a,22bは磁石ベース23上に固定される。磁石ベース23と、この上に設けられた5台の磁石ユニット22a,22bとによって磁石組立体(磁石装置)が構成される。磁石ベース23は、平行に配置された好ましくは2本のガイドレール24に拘束され、磁石組立体は図1中の左右方向に往復運動できるようになっている。
【0024】
5台の磁石ユニットを搭載した磁石ベース23は、ピン25、アーム26、ピン27からなる連結機構部を介して、回転円板28に接続される。この回転円板28はモータ29に結合されており、モータ29のシャフトの回転により回転し、上記連結機構部によって磁石ベース23が左右に揺動されるようになっている。なお回転円板28上にはピン27を固定する孔が複数設けられており、ピン27の設置位置を変えることにより、磁石ベース23の揺動距離を変えることができるようになっている。
【0025】
モータ29は、カソード電極全体を覆うカソードカバー30に固定される。カソードボディ14、裏板15、ターゲット16、水冷ジャケット18は電気的に結合され、しかも他の部分からは絶縁されており、この部分に外部の電源31から電力が供給される。外部電源31によってカソードボディ14等の部分は所定の電位に保持される。
【0026】
図1に示すごとく、磁石組立体において磁石ベース23上に段差を設けることによって、両端の磁石ユニットに隣接する磁石ユニット22bは、そのT/M距離が他の磁石ユニット22aのT/M距離に比べて大きくなるように配置されている。磁石ユニット22bのT/M距離は、ターゲット16においてエロージョン部が均一に形成できる任意の距離に設定される。
【0027】
図2は5台の磁石ユニットの平面図であり、各磁石ユニットの形態および配置状態を示す。各磁石ユニット22a,22bは、平面形状がほぼ長方形であり、前述の通りほぼロッド状の中心磁石32と、その周囲に配置された矩形リング状の外周磁石33を備える。磁石ユニットの長辺方向は図1の紙面に直交しており、また磁石ユニットの短辺方向は磁石ユニットの配列方向に一致している。図2で明らかなように、5台並べた磁石ユニットのうち、両端の磁石ユニットに隣接する磁石ユニット22bの構造が他の磁石ユニット22aの構造と異なっており、磁石ユニット22bの長辺方向の長さが他の磁石ユニット22aの長さよりも長くなっている。
【0028】
磁石ユニット22aの端部の構造を図3に示す。磁石ユニット22aは、長辺方向に伸び、端部がT字状に形成された中心磁石32、それを取り囲むように配置された外周磁石33、および、それらの磁石を固定する軟磁性材料からなるヨーク34から構成されている。この構造は従来例で用いられていたものと同一である。
【0029】
磁石ユニット22bの端部の構造を図4に示し、また磁石ユニット22bの長辺方向の中心線に沿った断面を図5に示す。磁石ユニット22bの構造は基本的に磁石ユニット22aと類似しており、中心磁石32に対応する中心磁石42、外周磁石33に対応する外周磁石43、ヨーク34に対応するヨーク44によって構成される。磁石ユニット22bにおいて磁石ユニット22aと異なる点は、図2、図4、図5に示されるように、磁石ユニット22bにおいて、その両方の磁石ユニット端部(以下「端部」という)35が磁石ユニット中央部(以下「中央部」という)36から分離された構造を有し、各端部35はガイド37を介して中央部36に結合されていることである。従って、中心磁石42、外周磁石43、ヨーク44のそれぞれは、両端部と中央部に分割されている。磁石ユニット22bの中心磁石42、外周磁石43、ヨーク44の両端部が分離された状態でないものの寸法は、磁石ユニット22aの中心磁石32、外周磁石33、ヨーク34の各々と同一である。磁石ユニット22bは、丁度、磁石ユニット22aを2カ所で切断したものに対応している。
【0030】
図5に示すように、ガイド37は、その一端が中央部36のヨーク44に固定されている。端部35のヨーク44はガイド37の他端とはめ合い構造になっていて、端部35の全体は、図4または図5の左右方向に移動できるようになっている。端部35のヨーク44の端面にはネジ孔38が設けられており、このネジ孔38には長ネジ39が挿入されている。長ネジ39の先端には突起40が形成され、突起40はガイド37の端部に図5に示すようにはめ合わされる。
【0031】
長ネジ39はガイド37に対して自由に回転できる構造を有しているのに対し、端部35のヨーク44は長ネジ39とネジ結合されているため、長ネジ39の回転により、磁石ユニット22bの端部35全体が図5の左右方向に移動することができる。これにより、磁石ユニット22bの全体の長さを、長ネジ39の回転により任意の長さに調節できる。本実施形態では、目的を達成する好ましいに長さに調節される。
【0032】
なお、磁石ユニット22bの構造を、上記のように中央部36と2つの端部35の間に間隙が存在するような構成したため、ターゲット16の表面上における磁界分布は磁石ユニット22aの磁界分布に比べて当然に変化したものとなる。しかし、この間隙の長さは実際には最大5mm程度であり、T/M距離30〜40mmに比べて小さいため、ターゲット表面上における磁界分布がそれほど大きく変化するわけではない。実際に、間隙の長さを最大の5mmに設定した場合でも、ターゲット表面上における間隙に対応する箇所において、マグネトロンプラズマを形成するためのトンネル状磁力線が形成されることが確認できる。
【0033】
各磁石ユニットの形状・配置を以上のように設定することによって、次のような作用が生じる。ターゲット16に対向する基板の処理面上に均一な膜厚分布を実現するためには、5台の磁石ユニット22a,22bのT/M距離を調節し、両端の磁石ユニットに隣接する磁石ユニット22bのT/M距離が他の磁石ユニットのT/M距離に比べて大きくなるように設定される。この場合、磁石ユニット22bに対応するターゲット16上の箇所で、磁石ユニット長辺方向のエロージョン部の幅が減少する。その理由は、先に「発明が解決しようとする課題」で述べた通りである。
【0034】
本実施形態では、両端の磁石ユニットに隣接する箇所に前述した構造を有する磁石ユニット22bを用いるので、磁石ユニット22bに対応するターゲット16上の箇所で、磁石ユニット長辺方向のエロージョン幅が減少する分に対応させて磁石ユニットの長さを伸ばすようにする。これにより、上記エロージョン幅が減少する傾向を打ち消し、ターゲット16の表面全域にわたって磁石ユニット長辺方向のエロージョン幅を均一に揃えることができる。
【0035】
以上に述べたような構造および配列を有する磁石ユニット22a,22bを有するカソード電極を用い、適切な磁石往復運動振幅を設定して、長期間にわたって薄膜を製造した後のターゲット16のエロージョン部の形状を図6に示す。図6中で斜線を施した部分41がターゲット16がエッチングを受けた部分、すなわちエロージョンが発生した部分である。従来例で見られていたような、両端の磁石ユニットに隣接する磁石ユニットに対応するターゲット上の位置で上下方向のエロージョン幅が小さくなる現象が、消失していることがわかる。そのため膜堆積が生じるような非エロージョン部も消失し、長期間にわたる使用によっても堆積膜の剥がれにより生じるパーティクルの発生が抑制される。
【0036】
なお上記実施形態では、両端の磁石ユニットに隣接する磁石ユニット22bを3分割しているが、2分割の構造であっても同様な効果が得られることは明らかである。さらに、分割は行わなくても、両端の磁石ユニットに隣接する磁石ユニットの長さを適当に設定できれば、同様な効果を得ることができる。
【0037】
また上記実施形態では、磁石ユニットの台数は5としたが、これに限らず複数個の磁石ユニットの場合でも、両端の磁石ユニットに隣接する磁石ユニットの長さを他の磁石ユニットに比べて長くすれば、上記実施形態と同様な効果が得られる。
【0038】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように本発明によれば、矩形ターゲットの背後に、長形の磁石ユニットをその各々の長辺が平行になるように複数個配置し、これらの磁石ユニットを揺動させるようにしたマグネトロンスパッタ用カソード電極において、両端の磁石ユニットに隣接する、T/M距離を他の磁石ユニットの場合よりも大きくした磁石ユニットの長辺方向の長さを当該他の磁石ユニットよりも所望の長さで長くするように構成したため、ターゲット上の局所的非エロージョン部をなくし、エロージョン領域を従来に比べて拡大でき、このため、基板上に発生するパーティクルを大幅に低減でき、これに伴ってターゲット利用率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すカソード電極の要部断面図である。
【図2】図1に示した実施形態における5個の磁石ユニットの平面形状と配置を示す平面図である。
【図3】図2に示す磁石ユニットのうち端から数えて奇数番目の磁石ユニットの端部の形態を示す外観斜視図である。
【図4】図2に示す磁石ユニットのうち端から数えて2番目と4番目の磁石ユニットの端部の形態を示す外観斜視図である。
【図5】図4に示す磁石ユニットの長手方向の中央断面図である。
【図6】本発明の実施形態によるカソード電極を用いて長期間にわたり成膜した後のターゲット上のエロージョン形状を示す平面図である。
【図7】従来のカソード電極における磁石ユニット、ターゲット、基板の位置関係を表す要部断面図である。
【図8】従来のカソード電極の磁石ユニットの形状と配置を示す平面図である。
【図9】従来のカソード電極を用いて長期間にわたり成膜した後のターゲット上のエロージョン形状を示す平面図である。
【符号の説明】
14 カソードボディ
16 裏板
22a,22b 磁石ユニット
23 磁石ベース
29 モータ
32,42 中心磁石
33,43 外周磁石
34,44 ヨーク
35 磁石ユニット端部(端部)
36 磁石ユニット中央部(中央部)
37 ガイド
Claims (3)
- ターゲットの背後に、平面形状が長形の磁石ユニットをその各々の長辺が平行になるように複数個配置してなる磁石装置を備え、前記磁石ユニットは前記ターゲット上にトンネル状磁力線を形成し、前記磁石装置は往復運動するように構成されたマグネトロンスパッタ用カソード電極において、
前記複数の磁石ユニットのうち両端の磁石ユニットの各々に隣接する磁石ユニットのT/M距離を他の磁石ユニットのT/M距離よりも大きくし、かつ前記隣接する磁石ユニットの長辺方向の長さを前記他の磁石ユニットの長さよりも長くしたことを特徴とするマグネトロンスパッタ用カソード電極。 - 前記隣接する磁石ユニットに、その長辺方向の長さを可変する長さ調整機構を設けたことを特徴とする請求項1記載のマグネトロンスパッタ用カソード電極。
- ターゲットの背後に配置され、前記ターゲット上にトンネル状磁力線を形成し、平面形状が長形の磁石ユニットを有するマグネトロンスパッタ用カソード電極において、
前記磁石ユニットは端部と中央部に分割され、前記端部と前記中央部はガイドを介して結合され、前記中央部に対する前記端部の位置を変化させて前記磁石ユニットの長辺方向の長さを調整する長さ調整機構を設けたこと特徴とするマグネトロンスパッタ用カソード電極。
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