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JP3720375B2 - 食品用多不飽和脂肪酸被覆固形担体粒子 - Google Patents
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JP3720375B2 - 食品用多不飽和脂肪酸被覆固形担体粒子 - Google Patents

食品用多不飽和脂肪酸被覆固形担体粒子 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は栄養学の分野、特に乳児栄養学の分野に属する。本発明は、脂肪酸を含有する乳児用調合乳などの食品と、そのような食品を製造するためのPUFAで覆われた固形担体に関する。
発明の背景
最近、乳児用調合乳に多不飽和脂肪酸(PUFA)を添加することの重要性が認知されるようになった(例えば米国特許第4,670,285号、欧州特許公開EP−A−0231904、同EP−A−0404058を参照されたい)。
乳児用調合乳は通常、次の一般的方法によって製造される。
1.低温殺菌ミルク(脱脂乳、無糖練乳または全乳)を、高温(例えば60℃)での濃縮乳清タンパク質、無機質、水溶性ビタミン類、微量元素および炭水化物の添加によって規格化する。
2.植物油、脂溶性乳化剤、脂溶性ビタミン類および抗酸化剤を高温(例えば60℃)で混合する。
3.混合が起こるように十分に撹拌しながら、2で得た油性混合物(油相)を1で得た規格乳(水相)に加える。
4.3で得た混合物を高温高圧下に(例えば60℃、150および30バールの)二段階で均質化する。
5.4で得たエマルジョンを低温(例えば5℃)に冷却する。
6.所望であれば、水溶性ビタミン類、無機質および微量元素を冷却したエマルジョンに添加する。
7a.エマルジョン6を超高温(UHT)でオンライン滅菌および/または適当な容器中で滅菌して、滅菌液体型の調合乳を得る。
7b.エマルジョン6を低温殺菌し、噴霧乾燥することによって噴霧乾燥粉末を得て、それを適当な容器に充填する。
8.所望であれば、他の乾燥成分(例:ビタミン類、無機質、微量元素、濃縮乳清タンパク質および炭水化物)を7bで得た噴霧乾燥粉末に添加してもよい。
このように乳児用調合乳の製造工程では、例えば次に挙げる製造段階などのいくつかの時点で高温と高圧が使用される:
・油相への脂肪の融解と混合(2);
・均質化前の油相への脂溶性乳化剤の溶解(2);
・均質化前の低温殺菌(4での処置);
・均質化(4);
・滅菌(7a);
・均質化後の低温殺菌(7b);および/または
・噴霧乾燥((7b)を行なう場合)。
乳児用調合乳の栄養補助に使用されるPUFAは、通例、トリグリセリド、リン脂質、脂肪酸または脂肪酸エステルの形態をとり、油状の液体である。PUFA含有脂質を均質に分散させる最も便利な方法は、それらを均質化段階前と油相と混合することである。このように現在のところPUFA含有脂質は油相に添加されている。なぜなら、通常PUFAはそれら自体が油である脂質中に含まれるからである。これは、これより後の段階で(特に(3)で一旦エマルジョンを形成させた後で)調合乳にPUFAを均質に分散させようとするよりもはるかに容易である。
国際特許出願WO−A−94/01001は、二重結合を攻撃する物質からPUFA含有脂質を保護する必要性に言及している。これには、他の乾燥または液体成分と容易に混合できるように流動性粉末型のPUFA含有脂質を準備することによるPUFA含有脂質のマイクロカプセル化法が記述されている。
発明の説明
本発明の第一の側面によれば、少なくとも1種類の液状多不飽和脂肪酸(PUFA)でコーティングされた、または少なくとも1種類の液状PUFAを吸収させた固形担体粒子が提供される。
本発明の第二の側面は、多不飽和脂肪酸(PUFA)を含む食料品の製造法であって、次の段階を含む方法に関する:
a)油相と水相を用意する;
b)その油相と水槽を混合してエマルジョンにする;
c)任意に、そのエマルジョンを乾燥して乾燥物質にする;および
d)第一の側面の粒子に添加する。
粒子のPUFA含量は、好ましくはその粒子の5〜50重量%(例えば10〜40重量%)、最適には15〜30重量%である。これらの固形粒子は水溶性であることが好ましい。これは、その粒子が乳児用調合乳などの食料品に含まれていて水に加えられる場合に、その粒子が溶解してPUFAを遊離させることを意味する。粒子が食料品に含めるべきものである場合、その粒子は食用に適することが適当である。これらの固形粒子は結晶性であってもよい。PUFAは粒子の外側にコーティングされることが好ましい。粒子は粉末状であることが好ましい。
一定の態様では、粒子は多孔性を持ちうる。この場合、当該PUFA(または当該各PUFA)はその粒子の細孔の1つまたはそれ以上の中に存在しうる(または含有されうる)。これは、それによって粒子上(または粒子内部)に位置しうるPUFAの量が増大するためだけでなく、PUFAが例えばその環境から少なくとも部分的に保護され、したがって酸化に対して少なくとも部分的に保護されうるという点でも好ましい。
粒子自体は多数の異なる物質を含むことができる。そのような物質は食品用であることが好ましい。また広い表面積を持つものが好適である。上述のように、粒子は高い多孔性を持つことができ、かつ/または、水分散性であることが好ましい。
したがってこれらの粒子に好適な吸着性物質は、少なくとも1種類またはそれ以上の糖類および/または炭水化物および/またはタンパク質を含みうる。糖類および炭水化物には、乳糖、グルコース、レシチン、デキストリンおよび/またはデンプンが含まれうる。タンパク質は乳清タンパク質、カゼインおよび/またはゼラチンを含みうる。
乳糖、グルコース、レシチン、デキストリンおよび/または乳清タンパク質などの一定の物質については、噴霧乾燥によって粒子を形成させることができる。これは粒子の表面積および/または多孔性を増大させうるので、これによって粒子はPUFAの吸収により適したものになりうる。
二酸化ケイ素(シリカ)、セルロース(微結晶性セルロースなど)、粉末セルロース、ベントナイト、カオリン、ケイ酸アルミニウムマグネシウムおよび/または炭酸マグネシウムなどのその他の固形材料は、本発明が予期するものではあるが、好ましさは劣る。
これらの物質の組み合せまたは混合物は、例えば粒子の分散性や水溶性を増大させるために使用することができる。
本発明の第二の側面は、第一の側面の粒子を含む組成物に関する。このような組成物は食物、食料品またはその他の食用に適した組成物(例:栄養補助剤)でありうる。これにはパン、健康食品および/またはビタミン錠などが含まれうる。
したがって本発明の第一側面の粒子は、乳児用調合乳などの食料品の製造中にいくつかの段階で添加することができる。具体的には、最初の油相に添加するより、その他の段階で添加する方が好ましい。これにより、分解性を持ちうるそれ以降の処置への暴露を最小限に抑えることができる。粒子は、好ましくは、油相および水相が混合されてエマルジョンを形成した後(かつ均質化後が適当)に添加される。
通常は粉末の形態で使用されるであろう第一側面の粒子は、食料品製造工程でPUFAを添加できる時期に関していくつかの選択肢を食料品製造者に提供しうる。したがって食料品製造者は、そこに含まれる様々な製造段階に応じて、PUFAを添加すべき時点を決定することができる。具体的には、これによって自由度が生じるので、出発油相(通常は均質化前)への添加以外の段階でPUFAを添加することができる。
その結果、第一側面の粒子により、当業者は食料品製造工程中のPUFA添加段階または添加時点を変更することが可能になる。またそれによって高温および/または高圧へのPUFAの暴露を最小限に抑えることができ、さらには防止することさえできる。これらの粒子の一つの利点は、それらを水などの水性溶液に容易に分散させうるということである。この現象は純粋なPUFA(またはPUFA含有液)を使用した場合には通常起こらない。このことが利点でありうるのは、食料品製造工程では相対的に言ってPUFAは少量しか必要でないからである。また、これらの粒子が当該PUFAまたは当該各PUFA(そこには2種類以上が存在しうる)の安定性を増進しうるという、もう1つの利点も見つかった。
第一側面の粒子には、マイクロカプセル型のPUFAより有利な点もありうる。粒子からのPUFAの放出は還元(例えば水相への添加)後に迅速に起こりうるからである。これは、通常は開放的または多孔性であるという粒子の構造によって起こりうる。粒子の表面はPUFAの薄層で覆うことができ、また粒子の細孔は水が浸入できるように開いていることができる。また、水溶性粒子を使用することもできる。
次の段階を含む多不飽和脂肪酸(PUFA)含有食料品の好ましい製造法:
a)油相および水相を用意する;
b)その油相と水相を混合および均質化してエマルジョンを得る;
c)そのエマルジョンを滅菌および/または乾燥して滅菌液体または乾燥物質を得る;
d)少なくとも1種類のPUFAを吸収させた固形担体粒子もしくは少なくとも1種類のPUFAでコーティングされた固形担体粒子を添加する。
このように本発明の第二の側面では、食料品の製造中に比較的遅い段階でPUFAを添加できることがわかるだろう。そうすることの利点は、当該PUFAまたは当該各PUFAが分解の原因となりうる条件にさらされるのを最小限に抑えうるということである。
PUFAを含有する食料品の従来の製造工程における分解の主な原因は通常3つある。それらは加熱、乾燥および均質化である。加熱は先行技術の製造工程中にいくつかの箇所で起こりうる。これには油相の加熱や、均質化と滅菌の際の加熱が含まれ、また当然、低温殺菌も含まれる。本発明の方法は、PUFAを最大限保存するため、したがって分解を最小限に抑えるために、これら様々な段階へのPUFAの暴露を最小限に抑えようとするものである。したがって、このPUFA含有食料品製造法では、PUFAを分解する可能性がある1またはそれ以上の段階を通過した後の段階で、第一側面の粒子を加えることができる。したがってPUFAは、1またはそれ以上の加熱および/または乾燥段階後に添加することができる。好ましくは(c)の乾燥段階の後でPUFAを添加する。この乾燥には噴霧乾燥が含まれうる。
食料品は、乳児および/または幼児などの人間による消費に適したものであることが好ましい。したがってそれは乳児用調合乳であってもよい。通常、このような調合乳にはミルクが含まれる。しかしその食料品はミルクまたはミルク代用品であってもよい。したがってその食料品は粉乳製品であってもよい。
食料品は固形であってもよく(この場合、好ましくは乾燥される)、また最適には粉末状であってもよい。それは水などの水性液体中で混和性または分散性を持つことが好ましい。したがってこのような食料品は水への添加時にミルク様のものになりうる。
また食料品は、すぐに使用できる液状(例:乳児用調合乳の場合)であってもよく、使用前に水で希釈することができる濃縮液状であってもよい。その食料品が液体である場合は、(c)での乾燥を省略することができる。
あるいは、乳児用調合乳は粉末製品であってもよく、その場合、それは水に添加することができる。(その結果得られた脂質組成物はしばしば(例えば35℃に)温められてから投与される。)固形の場合、その食料品は乳児用調合乳に限らず、コーヒー、紅茶、チョコレート、その他の飲み物への添加に適した粉ミルクであってもよい。
PUFAは様々な形態の粒子にコーティングしたり、あるいはそれに吸収させることができる。しかし、通常それは液体組成物の一部または一成分である。液体である場合、これは液体組成物および/または油でありうる。その油はPUFAだけを含有してもよいし、他のいくつかの成分を含有してもよい。
PUFAはリン脂質、トリグリセリドまたはそれらの混合物の形態をとりうる。しかし、PUFAは脂肪酸または脂肪酸エステルの形態をとることもできる。
PUFAを含有する組成物が液体の場合、それは油であることが好ましい。その油は植物、動物および微生物供給源を含む様々な供給源に由来しうる。植物供給源にはクロフサスグリ油がある。動物供給源には魚油や卵黄脂質がある。ただし微生物供給源が好ましい。これらにはケカビ目(Mucorales)などの菌類供給源が含まれる。例えばその菌類はモルティエレラ・アルピナ(Mortierella alpina)種などのクサレケカビ属(Mortierella)に属するものでありうる。このような生物はアラキドン酸(ARA)を産生しうる。
他の微生物供給源には藻類がある。藻類としては、渦鞭毛藻類および/またはクリプセコジニウム属(Crypthecodinium)に属するものが考えられる。具体的に述べると、その藻類はクリプセコジニウム・コーニイ(Crypthecodinium cohnii)である。
好ましいPUFAはC18、C20またはC22ω−3もしくはC18、C20またはC22ω−6多不飽和脂肪酸である。C20またはC22ω−3もしくはC20またはC22ω−6多不飽和脂肪酸が好ましい。これらにはアラキドン酸(ARA)だけでなく、エイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)も含まれる。これらPUFAの好ましい製造法は、本願と同日に、やはりヒストブロカデス社の名義で出願された、「Preparation of microbial polyunsaturated fatty acid containing oil from a pasteurised biomass(低温殺菌されたバイオマスからの微生物多不飽和脂肪酸含有油の製造)」と題する同時係属国際出願に開示されている。
2種類以上のPUFAを添加することができる。この場合、2種類またはそれ以上のPUFAは異なる供給源に由来してもよく、したがって食料品製造工程では、それらのPUFAを(別個の組成物として)別々に添加してもよいし、また2種類のPUFAを混合して(単一の組成物として)から添加してもよい。例えば魚油はDHAを含有し、これは別のPUFA(例:ARA)を含有する1種類またはそれ以上の微生物油と混合することができる。
本発明の方法では、出発油相がPUFAを一切含有しないことが好ましい。それらは後で添加する方が適当だからである。(c)での随意の乾燥は、噴霧乾燥が好ましいものの、当技術分野で知られる適当などの技術でも行ないうる。(c)では油相と水相を最初に混合した後で均質化することが適当である。そのようにして生成したエマルジョンは通常、水中油型エマルジョンになるだろう。
PUFAの供給源は微生物油および/または魚油であることが好ましい。この場合は、トウモロコシ、大豆および/または穀物油などの植物油単品(すなわち混合物または配合物の一部でないもの)を除外することができる。食料品は2,2,4−トリメチル−2,2−ジヒドロキノリン成分を含む化合物を含有しないことが好ましいだろう。
水相は含水相とみなすことができる。したがってこの水相は、例えばミルクやミルク製品(無糖練乳、脱脂乳または半脱脂乳など)などのエマルジョンであることもできる。このように水相という用語は、その連続(またはバルク)相が水性である物質を指すことができる。
(PUFA)粒子は、好ましくは(c)での乾燥直後に添加される。好ましい態様での乾燥は噴霧乾燥粉末をもたらす。その場合は粒子をその噴霧乾燥粉末に添加することができる。PUFAは、例えば0.2〜0.3%のレシチンをも含む油の一成分であってもよい。
好適な食料品製造法の概略を、特に乳児用調合乳について後掲の図に示す。
この図には、先行技術においてPUFAが添加される時点が示されている。この場合、PUFAは油性配合物に加えられる。また、本発明に従った場合の当該PUFAまたは当該各PUFAの好ましい添加段階も、その乳児用調合乳(IF)製造工程のずっと後の方に示されている。
その食料品が液体であるべき場合は、粒子は単に最終液体食料品を形成する液体に加えるだけでよい。しかしその食料品が固体(例えば粉末)であるべき場合は、粒子をその粉末と混合することが好ましい。粒子上のPUFAは室温では液体のままであって、それゆえにその粉末を構成する粒子に吸収させうるか、その粒子にコーティングできることが好適である。PUFAは液状のものが好適だろう(すなわちPUFAは凝固しないことが好ましい)。実際、当該PUFAまたは当該各PUFAは室温で液体であることが好適である。PUFAは好ましくは5℃〜−10℃の融点を持つだろう。粉末型の場合、その食料品は好ましくは5重量%未満、好ましくは1または2重量%未満の水分含量を持つ。
本発明のもう1つの態様では、粒子が「プレミックス」の一部を構成する。これは、さらに乳糖と乳清タンパク質を含み、任意にビタミン類と無機質を含んでもよい乳児用調合乳成分であることができる。これは、乳児用調合乳となるべき既存の粉末に添加することができる。したがってプレミックスでは、粒子の一部を乳児用調合乳に添加できる種々の成分と混合する。
好ましくは、段階(b)に関して油相と水相を混合する前またはその混合中に、粒子を添加することができる。次に、その結果得られた混合物に対して均質化を行ないうる。ここではその混合物を高圧で、また好ましくは高せん断力で、小さなノズルまたは孔に通すことができる。これは当技術分野で良く知られるどの技術でも達成できる。
上述のように、その食料品が固体(粉末など)であるべき場合、好ましいエマルジョン乾燥法は噴霧乾燥によるものである。この場合は、エマルジョンの水分含量を2〜5%に減らすことができる。噴霧乾燥技術は当技術分野でよく知られており、通常は、先端が回転板またはノズルであって、そこにエマルジョンを通すようになっている塔を準備する。これにより(しばしば微細な)霧状またはエアロゾル状の小滴が生じる。その結果生じた粒子は70または80℃から140℃までの温度で乾燥される。
その結果得られた粒子は5〜1000μm(例えば50〜200μm)の平均直径を持つ。一般的に言って、これは、水相に含まれていた成分のマトリックスと、その内部に含まれていて、以前は水中油型エマルジョン中に存在していた油粒子とからなる。
得られた粒子は例えば流動床などでさらに乾燥することができる。その場合、粒子は熱風にさらされ、コンベヤーベルト上または振動表面上を移送させうる。温度勾配(例えば80℃から20℃への勾配)があることが好ましい。粒子は3〜10分(例えば4〜6分)乾燥させることができる。好ましくは、それらは0.5〜6重量%(例えば1〜3重量%)の最終水分含量を持つだろう。
次にPUFAを添加することができる。これは液体として添加してもよいし、固体(例えば脂質組成物)として添加してもよい。PUFAは噴霧乾燥のすぐ後、噴霧乾燥中(その温度が低い場合)、もしくはビタミン類、無機質、微量元素、濃縮乳清タンパク質および/または炭水化物などの1種類またはそれ以上の他の成分を加える時と同時に、添加することができる。
例えばPUFAは粉末が流動床上にある(あるいはその上で乾燥されている)時に添加してもよい。
Figure 0003720375
先行技術では、PUFAは油性配合物に添加された後、他の成分と混合され加熱される。次に、これは均質化されてエマルジョンを形成する。このエマルジョンは次いで冷却される。次に、製造しようとする乳児用調合乳(IF)製品の種類に応じて種々の製法に分かれる。
PUFAが本発明に従って(好ましく)添加される場合も示されている。製法AとBはどちらも液体IF製品を製造するもので、後者の製品は希釈に適した濃縮物である。どちらの経路でも、PUFAは均質化工程の後かつ滅菌工程の前に添加される。PUFAは通常、乳児用調合乳が滅菌に備えて容器に添加(または充填)される前に添加される。
製法Cを採用した場合、固形(例:粉末)IF製品が生産されることになり、PUFAは乾燥段階(先に(c)段階と呼んだ段階)の後に添加されることが好ましい。これもやはり材料を容器に添加または充填する前に行なわれるだろう。滅菌はその粉末製品を水に加えた後で行なうことができるので、この場合は滅菌段階がない。
このように、好ましい製法では、本発明は、その第一の側面として次の段階を含む:
a)水相または含水相を準備する。これには任意に水、乳清タンパク質(通常は固体:チーズ製造の副産物)、乳糖および/またはマルトデキストリンなどの他の成分を添加してもよい。これらの添加物はすべて混合および/または加熱できる。この相は実際にはエマルジョンであってもよく、ミルクに由来することが好ましい;
b)油相を準備する。この相はビタミン類および/または乳化剤を含有してもよい。添加後直ぐに、油相を混合および/または加熱することができる;
c)油相と水相を混合してエマルジョンを形成させる。好ましくはこれを均質化する;
d)任意に(例えば均質化した)エマルジョンを冷却する。これは保存することができる;
e)任意に、ビタミン類、無機質および/またはpH調節剤などのさらなる成分をを添加する;
f)任意に、得られた物質を濃縮する;
g)その食料品が液体であるべき場合は、任意に、予熱しかつ/または超高温(UHT)処理にかける;
h)任意に、その食料品が液体であるべき場合は均質化し、またその食料品が粉末などの固体であるべき場合は乾燥(噴霧乾燥など)を行なう;
i)1種類またはそれ以上の第一側面の粒子と、任意にビタミン類および/または無機質を添加する;
j)得られた物質を容器に充填する;
k)その物質が液体であれば、それを滅菌する。
とりわけ好ましい本発明の方法では、食料品は次のように製造される:
a)濃縮乳清タンパク質、無機質、水溶性ビタミン類、微量元素および/または炭水化物の添加によってミルク(低温殺菌乳、脱脂乳、半脱脂乳または脂肪半減乳(half−fat milk))を規格化する。この規格化は混合および/または例えば50〜70℃での加熱によって達成される;
b)油(例:植物油)、脂溶性乳化剤、脂溶性ビタミン類および/または抗酸化剤を含有する油相を調製する。これらの成分を混合した後、好ましくは(混合を改善するために)例えば50〜70℃で加熱することができる;
c)油相を水相と混合し、エマルジョンが形成されるように、任意に加熱する;
d)そのエマルジョンを均質化する。これは高温および/または高圧で行なうことができる。また、一段階もしくは多段階(例えば二段階)で行なうこともできる。加熱を行なう場合は、50〜70℃が好ましい。高圧を使用する場合は、例えば第一段階では120〜180バール(例えば140〜160バール(気圧))で行なう。第二段階では、圧力を15〜45バール(例えば25〜35バール(気圧))にする;
e)均質化したエマルジョンを冷却する。これは、3〜7℃(例えば4〜6℃)の温度への冷却とすることができる;
f)冷却されたエマルジョンに、水溶性ビタミン類、無機質および/または微量元素などの他の成分を添加する;
g1)その食料品が液体であるべきもので、したがって滅菌される場合は、(f)のエマルジョンを例えば超高温(例:少なくとも100℃、例えば110〜140℃)で滅菌する;
g2)噴霧乾燥粉末などの乾燥物質を得るには、(f)のエマルジョンを低温殺菌し、それを(噴霧乾燥などにより)乾燥する(水分含量は微生物が増殖できないほど低くなりうるので、ここでは滅菌は必要ないだろう);
h)第一側面の固形粒子を添加し、任意に例えばビタミン類、無機質、微量元素、濃縮乳清タンパク質および/または炭水化物などといった他の(通常は乾燥)成分を添加する。
既に明らかだと思うが、他の様々な成分のいくつかを食料品に添加することができる。これには、糖類、タンパク質、ビタミン類、乳化剤、無機質および/またはpH調節剤が含まれる。最終食料品には、それらのタンパク質が0〜35重量%の濃度で存在ことが好ましく、ビタミン類は0〜2重量%の濃度で存在しうる。また乳化剤も0〜2重量%の濃度で存在でき、無機質は0〜3重量%の濃度で存在しうる。
好適な無機質は、乳酸カルシウム、塩化カルシウム、硫酸亜鉛および/または硫酸銅が含まれる。好ましい炭水化物には、マルトデキストリンおよび/または乳糖一水和物を含めることができる。
ビタミン類には、水溶性または脂溶性ビタミンが含まれうる。水溶性ビタミンには、ビタミンB1(チアミン塩酸塩)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB6(ピリドキシン塩酸塩)、ビタミンB12(シアノコバラミン)、葉酸、ナイアシンアミド、D−パントテン酸カルシウム、ビオチン、アスコルビン酸ナトリウム、カルニチン(HCl)および/またはタウリンが含まれうる。脂溶性ビタミン類にはビタミンA(アセテート)、ビタミンD(カルシフェロール)、ビタミンE(酢酸トコフェロール)、ビタミンK1(フェイメナジオン)が含まれうる。
製造工程には好ましいPUFA添加段階が2つある。
第一に、噴霧乾燥の直後、好ましくは乾燥物質を流動床上にある間に、PUFAをその乾燥物質に添加する。
第二に、噴霧乾燥後に、好ましく従来型ミキサーなどで乾燥物質と混合することによって、PUFAを添加することができる。
第一側面の固形担体粒子は、PUFAを安定化することがわかった。言い換えると、この形状ではPUFAが分解に対してより耐性になり、酸化に対する感受性が低くなる。これは、PUFAの少なくとも一部が担体粒子の細孔の一部の中に存在するからだろう。
また、これらの粒子は水相に容易に分散するので、調合乳製造工程の比較的早い段階でこれらの粒子を添加することができる。
好ましくは、準備工程中に水相にPUFAを添加する。例えばこれらの固形粒子を最初の水相に加えた後、それを油相と混合して、エマルジョンを形成させることができる。しかしまた、均質化の前または後にエマルジョンに添加することもできる。さらに、エマルジョンを噴霧乾燥などによる乾燥工程にかける前に、粒子をエマルジョンに添加することも考えられる。つまり噴霧乾燥の直前に、噴霧乾燥器の上端で粒子を添加することもできるだろう。
また、工程中のさらに後の段階で、エマルジョンが乾燥された直後に粒子を添加することもできる。つまり噴霧乾燥器の底部に、もしくは乾燥段階の開始時点、中間時点または終了時点で(例えば噴霧乾燥器の直後に続きうる流動層乾燥器中で)粒子を添加してもよい。
さらに、これらの担体粒子を既存の乳児用調合乳に添加するか、噴霧乾燥粉末に添加することも考えられ、この場合はPUFAをビタミン類、無機質、微量元素、乳清タンパク質および/または炭水化物などの他の(通常は乾燥)成分と共に添加できる。
固形担体に対するPUFAの量は使用する担体に依存するが、参考までに述べると、PUFAの濃度は担体粒子の5〜200重量%(例えば10〜20重量%)とすることができる。二酸化ケイ素粒子を使用するとPUFAをとりわけ高レベルにすることができ、その場合、固形担体粒子のほとんど2倍の重量のPUFAが存在できる。例えば乳糖などを含む食用粒子の場合は、より少量のPUFA(例えば粒子に対して重量で約1/5までのPUFA)が好ましい。
粒子サイズは50μmから800μmまで(例えば50μmから400μmまで)、好ましくは50μmから250μmまで変動しうる。好ましい粒子は例えばα−乳糖一水和物などの乳糖を含む。これはZEPAROXという商標で入手でき、50〜300μmの粒子サイズを持つ。もう1つの好ましい粒子はマルトデキストリンを含み、これはGLUCIDEX 19という商標で入手でき、50〜250μmの粒子サイズを持つ。これら2つの例は炭水化物を含む粒子の例である。粒子がタンパク質を含むものである場合は、乳清タンパク質を使用することが好ましい。好適な粒子はMIPRODAN 30という商標で入手でき、20〜400μmの粒子サイズを持つ。粒子が乳糖を含む場合、約75ミクロンの平均粒子サイズを持つものが適当だろう。
PUFAは単に混合するだけで固形担体粒子に吸収させることができる。好ましくはこれにより、粉末などの均質な混合物が生成するだろう。好適な種類の混合機には、タンブルミキサー、櫂形撹拌機、スクリューまたはブレードミキサーもしくは連続ミキサーが含まれる。また、注入や噴霧によってPUFAを粒子に加えることもできる。とりわけ好ましいPUFA含有組成物には、藻類または魚類(DHA)油、菌類(ARA)油、植物(GLA)油がある。これらの油の1つまたはそれ以上の配合物および/または混合物も使用できる。
食料品や粒子には様々な他の成分も存在しうる。これらには抗酸化剤および/またはキレート剤が含まれる。これらには、天然トコフェロール、アスコルビン酸、アスコルビン酸パルミテート、β−カロチン、レシチンがある。PUFA含有組成物は食用油または乳児用調合乳での使用に適した油で希釈することができ、これにはある種の植物油が含まれる。また、PUFA含有組成物(通常は液体)に例えば脂溶性ビタミン類などの他の材料を添加して、それを担体に吸着させることもできる。
食料品は乳児用調合乳だけでなく、栄養補助剤であってもよい。例えばこの食料品は、PUFAによる補完を必要とする食餌をとっていて、PUFAが既存の食餌では一般に供給されないような人々に好適でありうる。栄養補助剤の場合は、第一側面の粒子をカプセル(例:ゼラチンカプセル)、錠剤またはサシェに組み込むことができる。
以下、下記の実施例を参照して本発明を例証するが、これらの実施例は単なる例示であって、限定ではない。
実施例1〜6
異なるPUFAでコーティングされた固形担体粒子を調製した。使用した成分と担体粒子の調製を次の表に示す。
Figure 0003720375
Figure 0003720375
Figure 0003720375
実施例7〜10
4種類の乳児用調合乳を製造し、その一部には先の実施例で調製した固形担体粒子を使用した。粒子を乳児用調合乳製造工程の異なる段階で添加した。その詳細を次の表に示す。
Figure 0003720375
Figure 0003720375
比較例11および14と実施例12〜16
PUFAを含有する固形担体粒子の熱安定性をPUFA単体と比較した。使用した熱分析法と得られた結果を次の表に示す。時間は分の単位で、酸化生成物が生成した時点まで測定した。酸化は試料の重量を増大させる。この時間を「開始時間」という。本発明の組成物(実施例12〜16)はすべてその安定性が油そのもの(参照例番号11および14)よりもかなり高くなっていることがわかった。
Figure 0003720375
*熱分析のため、TG/DTA測定(熱重量法/示差熱分析)用TGA−220オーブンを装着したSeiko(5200−H装置を使用して開始時間を決定した。
測定条件は次の通り:
・温度プログラム:毎分30℃で20℃→130℃、次いで130℃で等温
・雰囲気:酸素(100ml/分)
・試料量:Pt試料ホルダー中10mg
・参照:開放したPt試料ホルダー

Claims (14)

  1. 少なくとも1種類の液状多不飽和脂肪酸(PUFA)で外側にコーティングされた固形担体粒子。
  2. 水に分散または混和できる請求項1の粒子。
  3. 食用に適する請求項1または2の粒子。
  4. 乳糖、ブドウ糖、レシチン、マルトデキストリンまたは乳清タンパク質を含む前項いずれかの粒子。
  5. PUFAの量が粒子の少なくとも5重量%である先の請求項のいずれかの粒子。
  6. 前項いずれかの固形担体粒子を含む食料品。
  7. 乳児用調合乳である請求項6の食料品。
  8. 次の段階を含む多不飽和脂肪酸(PUFA)含有食料品の製造法:
    (a)油相と水相を用意する;
    (b)その油相と水相を混合し、任意に均質化して、エマルジョンを得る;
    (c)任意に、そのエマルジョンを滅菌および/または乾燥して、滅菌液体または乾燥物質を得る;および
    (d)少なくとも1種類の液状多不飽和脂肪酸(PUFA)で外側にコーティングされた固形担体粒子を添加する。
  9. PUFAがエマルジョンに添加される請求項8の方法。
  10. その固形担体が乳糖、ブドウ糖、レシチン、デキストリンまたは乳清タンパク質を含む請求項8または9の方法。
  11. 添加されるPUFAが脂質中に含まれる請求項8の方法。
  12. 少なくとも2種類のPUFAがあり、かつ/または、PUFAが少なくとも2つの独立した供給源に由来する異なる脂質の混合物中に存在する請求項8〜11のいずれかの方法。
  13. そのPUFAがトリグリセリドおよび/またはリン脂質の形態にある請求項8〜12のいずれかの方法。
  14. そのPUFAがγ−リノレン酸(GLA)、ジホモ−γ−リノレン酸、アラキドン酸(ARA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)および/またはエイコサペンタエン酸(EPA)である請求項8〜12のいずれかの方法。
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