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JP3720403B2 - 現像剤担持体 - Google Patents
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、電子写真複写機や電子写真プリンタ等、電子写真方式を採用した画像形成装置の現像機に組み込まれ、静電潜像を現像する現像位置に現像剤を搬送する現像剤担持体に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真複写機や電子写真プリンタ等の画像形成装置においては、静電潜像保持体(感光体)に形成された静電潜像を現像する現像方法として、従来から、使用する現像剤の種類等に応じた各種の方法が提案されている。米国特許第289547号の明細書には、現像剤(トナー)を表面に担持して、静電潜像が現像される現像位置に現像剤を搬送する現像剤担持体(現像スリーブ)を使用する現像方法が開示されており、この方法として、次の(1)〜(3)の3つの方式が開示されている。
(1)現像剤担持体に担持された現像剤と感光体とを非接触にして、現像剤を感光体へ飛翔させて現像する方式
(2)現像剤担持体に担持された現像剤と感光体とを接触させながら、現像剤担持体と感光体を同期して回転させて、現像剤を感光体に移動させて現像する方式(3)現像剤担持体に担持された現像剤が感光体表面で摺動するように現像剤と感光体とを接触させながら、現像剤担持体と感光体を回転させて、現像剤を感光体に移動させて現像する方式
図2を参照して上記各方式のうち(1)の方式を、現像剤担持体を使用する現像方法の一例として説明する。
【0003】
現像機10は、矢印20aで示される方向に回転する感光体20との間に微小間隙を保って矢印12aで示される方向に回転自在に配置され、現像剤との摩擦により磁性一成分系現像剤19に電荷を付与する現像スリーブ12と、現像スリーブ12の内部に現像スリーブ12と同軸に配置され、固定された5極のマグネットロール14と、現像スリーブ12の外周面における現像剤層の厚みを規制する層厚規制部材16を備えており、ホッパ18に収容された磁性一成分系現像剤19が現像スリーブ12に担持されて現像位置20bに搬送される。現像スリーブ12は、通常、ステンレスやアルミニウム合金からなる円筒状の支持体12bとこの支持体の外周面を被覆するコート層12cとから構成されている。この現像スリーブ12には交流電源30と直流電源32から直流重畳交流電圧が印加され、現像位置20bで生じる振動電界によって、現像位置20bに移動してきた静電潜像22に現像剤を飛翔させ、これにより静電潜像が現像される。
【0004】
上記した現像スリーブ12のコート層12bは現像剤が直接に接触するものであり、従来から種々のコート層が提案されている。
例えば,特開昭63−311367号公報には、階調性を向上させるために、109 〜1013Ω・cmという高い抵抗値をもつ樹脂製コート層を備えた現像剤担持体が開示されている。
【0005】
また、特開平4−166864号公報には、現像機の立ち上がり時では現像剤の撹拌が不十分で現像剤の帯電量が低く、この結果、感光体に移動する現像剤が少なくて画像濃度が低下するので、この濃度低下を防止するために、結晶性グラファイトと正帯電性樹脂粒子を含むコート層が開示されている。
また、特開平4−246676号公報には、同じ画像パターンを繰り返して用紙に印刷すると用紙の送り方向に沿って用紙の一部の濃度が薄くなる現象を防止するために、表面研磨処理によって、表面の算術平均粗さRaを0.5μm以上3.5μm以下の範囲内にし、表面の平均間隔Smを10μm以上90μm以下の範囲内としたコート層が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開昭63−311367号公報に開示された樹脂製コート層を有する現像剤担持体では、コート層の抵抗が高いため、コート層表面のうち前回の現像の際に感光体に移動した現像剤が担持されていた部分の電荷が移動せずに残りこの部分では電荷が他の部分に比べ多くなり、新たに担持された現像剤がコート層に強く引かれて感光体に移動しにくくなり、この結果、今回現像された現像像のうち前回に現像された現像像に相当する部分が薄くなる現像ゴーストが生じて画質が低下するという問題がある。
【0007】
また、特開平4−166864号公報に開示されたコート層を有する現像剤担持体では、正帯電性樹脂粒子の分散が局部的に不均一になってコート層の抵抗が不均一になり、コート層のうち抵抗の低い部分では電荷が流れ易くなり、この部分と感光体との間に放電(バイアスリーク)が発生して感光体の表面が破壊され、この結果、形成された画像の粒子が粗くなり画質が低下するという問題がある。
【0008】
また、特開平4−246676号公報に開示されたコート層を有する現像剤担持体では、コート層表面の平均間隔Smが小さいのでコート層表面の凹部に現像剤粒子が嵌り込んで移動しにくく、この嵌り込んだ現像剤粒子の上にある現像剤粒子の帯電が不十分になり、画像濃度が低下するという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑み、従来よりも画質が向上した画像を得ることができる現像剤担持体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の現像剤担持体は、円筒状の支持体とこの支持体の外周面を被覆するコート層とを備え、このコート層表面に磁性一成分現像剤を担持して、静電潜像が現像される現像位置に上記現像剤を搬送する現像剤担持体において、上記コート層が、カーボンブラックとグラファイトと結着樹脂とからなるコート層であり、上記コート層の表面が、1.0μm以上2.2μm以下の範囲内の算術平均粗さRaを有し、かつ、120μm以上140μm以下の範囲内の平均間隔Smを有するものであることを特徴とする。
【0011】
こで、図1を参照して算術平均粗さRaと平均間隔S.を説明する。
算術平均粗さRaとは、日本工業規格(JISBO601)で規定されている通り、粗さ曲線(対象面に直角な平面で対象面を切断したときにその切り口に現れる輪郭を表す断面曲線から、所定の波長より長い表面うねり成分を位相補償形高域フィルタで除去した曲線)Cからその平均線mの方向に基準長さLだけ抜き取り、この抜取り部分の平均線mの方向にX軸を取り、縦倍率の方向にY軸を取り、粗さ曲線Cをy=f(x)で表したときに、次の式によって求められる値をマイクロメートル(μm)で表したものをいう。
【0012】
【数1】
Figure 0003720403
【0013】
また、平均間隔Sm とは、日本工業規格(JIS B0601)で規定されている通り、粗さ曲線Cからその平均線mの方向に基準長さLだけ抜き取り、この抜取り部分において1つの山及びそれに隣り合う1つ谷に対応する平均線の長さ(凹凸の間隔)S1 ,S2 ,…,Si …,Sn の和を求め、この多数の凹凸の間隔の算術平均値をマイクロメートル(μm)で表したものをいい、次の式で表される。
【0014】
【数2】
Figure 0003720403
【0015】
【作用】
本発明は、現像剤担持体のコート層の表面粗さのうち、表面の算術平均粗さRaが主として画像の濃度に影響を及ぼし、表面の平均間隔Smが主として現像ゴーストに影響を及ぼすことに着目してなされたものである。
現像剤担持体のコート層表面の算術平均粗さRaが0.8μm未満の場合は、コート層表面が平滑すぎて現像剤の搬送量が少なく、この結果、画像濃度が薄くなる。一方、算術平均粗さRaが2.5μmを超える場合は、現像剤の搬送量が多すぎて現像剤の帯電量が低くなり、この結果、画像濃度が薄くなる。すなわち、コート層表面の算術平均粗さRaが、0.8μm以上2.5μm以下の範囲内から外れると、形成された画像の濃度が薄くなる。また、コート層表面の平均間隔Smが95μm以上150μm以下の範囲を外れると、形成された画像に現像ゴーストが生じて画質が低下する。
【0016】
ここで、上記算術平均粗さRaが1.0μm以上2.2μm以下の範囲内である場合は、画質がいっそう良好な画像が形成される。
また、上記平均間隔Smが100μm以上140μm以下の範囲内である場合は、形成された画像に現像ゴーストが発生せず画質が向上する。
【0017】
【実施例】
以下、本発明の現像剤担持体の実施例を比較例と共に説明する。
ここでは、アルミニウム合金製の円筒状の支持体とこの支持体の外周面を被覆する樹脂製のコート層とを備え、コート層の表面粗さが後述するように変えられた複数種類の現像剤担持体を用いた。これら各現像剤担持体をレーザープリンター(商品名 FX4109)に組み込んでプリントテストを行い、画質を比較した。コート層は下記の組成の塗料を用いて形成した。
【0018】
Figure 0003720403
上記組成の塗料を製造するに当たっては、上記各材料をサンドミルで6時間撹拌した。このようにして製造した塗料をエタノールで1.5倍に希釈して周知の霧化装置を用いて支持体に塗布し、この支持体を熱風乾燥炉を用いて160℃で30分間加熱し塗料を乾燥・硬化させて現像剤担持体を製造した。
【0019】
表1に示す実施例1から実施例までの各現像剤担持体、及び比較例1から比較例6までの各現像剤担持体それぞれのコート層表面の算術平均粗さRaと平均間隔Smが表1に示す値になるように、霧化装置の回転数、霧化装置からの塗料の吐出量、支持体と霧化装置の吐出口との距離などの塗装条件を変えた。また、コート層の膜厚を20μmにし、体積固有抵抗率を5×10-2Ω・cmにした。尚、コート層表面の算術平均粗さRaと平均間隔Smを測定するに当たっては、接触式粗さ計(商品名サーフコム 東京精密(株))を使った。測定条件は、触針の半径を2μm、触針の移動速度(トレーシングスピード)を0.3mm/sec、カットオフ値を0.25mmとし、それぞれ15回測定して平均を求めた。また、上述の基準長さL(図2参照)を2.5mmにした。
【0020】
上記のプリントテストで得られたプリントサンプルの画像の濃度をX−Rite社のModel404Aで測定し、濃度1.5以上を○(良好)で表し、濃度1.3以上1.5未満を△(実用上問題なし)で表し、濃度1.3未満を×(実用不可)で表した。プリントサンプルの画像に現れた現像ゴーストは目視で評価し、その程度によって、○(発生なし)、△(発生あるが実用上問題なし)、×(発生多く実用不可)で表した。また、バイアスリークによる画像欠陥も目視で評価し、○(発生なし)、×(発生あり)で表した。これらの結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
Figure 0003720403
【0022】
表1に示すように、バイアスリークによる画像欠陥は、各実施例と各比較例ともに発生しなかった。また、プリントサンプルの濃度は、各実施例では「実用不可」は全く無く、特に、コート層表面の算術平均粗さRaを1.0μm以上2.2μm以下の範囲内にしたものでは「良好」な濃度であった。一方、各比較例のプリントサンプルの濃度は、比較例4,5を除いて「実用不可」であり、比較例4,5では「実用上問題なし」であるものの、以下に示すように現像ゴーストについては「実用不可」であった。現像ゴーストについては、各実施例では「発生多く実用不可」は全く無く、特に、コート層表面の平均間隔Smを100μm以上140μm以下の範囲内にしたものでは「発生なし」であった。一方、各比較例では、比較例3,6を除いて「発生多く実用不可」であり、比較例3,6では「発生あるが実用上問題なし」であるものの、上記したように濃度については「実用不可」であった。尚、上記実施例で使用したレーザープリンターは、上記した従来の(1)〜(3)の方式のうち(1)の方式を採用したものであるが、(2)、(3)の方式を採用したものでも同様の効果が得られる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の現像剤担持体によれば、コート層表面の算術平均粗さRaと平均間隔Smを所定範囲内に限定したため、濃度不良、現像ゴースト、バイアスリークといった画質欠陥が発生せず、従来よりも画質が向上した画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コート層表面の算術平均粗さRaと平均間隔Smを説明する説明図である。
【図2】従来の一成分磁性現像剤を用いる現像機の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
10 現像機
12 現像スリーブ(現像剤担持体)
12b 支持体
12c コート層
19 現像剤
20 感光体

Claims (1)

  1. 円筒状の支持体と該支持体の外周面を被覆するコート層とを備え、
    該コート層の表面に磁性一成分現像剤を担持して、静電潜像が現像される現像位置に前記現像剤を搬送する現像剤担持体において、
    前記コート層が、カーボンブラックとグラファイトと結着樹脂とからなるコート層であり、
    前記コート層の表面が、1.0μm以上2.2μm以下の範囲内の算術平均粗さRaを有し、かつ、
    120μm以上140μm以下の範囲内の平均間隔Smを有するものであることを特徴とする現像剤担持体。
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