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JP3720563B2 - 振動子、振動型ジャイロスコープおよび回転角速度の測定方法 - Google Patents
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振動子、振動型ジャイロスコープおよび回転角速度の測定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転系内の回転角速度を検出するために使用される角速度センサに用いられる振動子、振動型ジャイロスコープおよび回転角速度の測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、回転系内の回転角速度を検出するための角速度センサとして、圧電体を用いた振動型ジャイロスコープが、航空機や船舶、宇宙衛星などの位置の確認用として利用されてきた。最近では、民生用の分野としてカーナビゲーションや、VTRやスチルカメラの手振れの検出などに使用されている。
【0003】
このような圧電振動型ジャイロスコープは、振動している物体に角速度が加わると、その振動と直角方向にコリオリ力が生じることを利用している。そして、その原理は力学的モデルで解析される(例えば、「弾性波素子技術ハンドブック」、オーム社、第491〜497頁)。そして、圧電型振動ジャイロスコープとしては、これまでに種々のものが提案されている。例えば、スペリー音叉型ジャイロスコープ、ワトソン音叉型ジャイロスコープ、正三角柱型音片ジャイロスコープ、円筒型音片ジャイロスコープ等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の振動子においては、駆動振動に付随して発生する種々のノイズの中に検出振動が含まれてしまい、検出振動の振幅の寄与を検出信号から正確に分離することが困難であり、感度が低く、また信号/雑音比率が低かった。
【0005】
本発明の課題は、新しい原理によって、回転系の回転角速度を検出するのに使用できる振動子および振動型ジャイロスコープを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一対の振動片からなる第一の音叉型振動系と、一対の振動片からなる第二の音叉型振動系とを備えている振動子であって、前記第一の音叉型振動系と前記第二の音叉型振動系とが互いに逆向きに伸び、かつ、お互いの前記振動片部が振動子の回転軸と駆動方向とを含む面内において重なり合うように配置されており、前記第一の音叉型振動系の前記各振動片を保持し、かつ前記第二の音叉型振動系の前記各振動片を保持している基部を備えていることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、所定面に平行に延びる回転軸を中心とする回転成分の回転角速度を検出するための振動型ジャイロスコープであって、請求項1−4のいずれか一つの請求項に記載の振動子を備えており、第一の音叉型振動系と第二の音叉型振動系との一方に設けられている励振手段と、第一の音叉型振動系と第二の音叉型振動系との他方に設けられている検出手段とを備えていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、所定面に平行に延びる回転軸を中心とする回転成分の回転角速度を検出する方法であって、前記の振動子を使用し、第一の音叉型振動系と第二の音叉型振動系との一方に駆動振動を励振し、この駆動振動に応じて振動子に励起される検出振動のうち、第一の音叉型振動系と第二の音叉型振動系との他方に現れる振動成分を検出することを特徴とする。
【0009】
本発明者は、振動型ジャイロスコープに使用できる振動子の振動原理について基礎研究を行ってきたが、この過程で、新しい原理に基づく振動子および振動型ジャイロスコープを開発することに成功した。この点について、図1−図4の一実施形態を参照しつつ、説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係る振動子1を示す斜視図であり、図2(a)は、振動子1において、駆動電極および駆動回路の構成を模式的に示す回路図であり、(b)は、検出電極および検出回路の構成を模式的に示す回路図である。図3は、振動子1の駆動振動1Aを示す斜視図であり、図4は、振動子1の検出振動1Bを示す斜視図である。
【0011】
本例の振動子1は、所定面に平行に延びている。振動子1においては、固定片部2が平板状の枠部をなしており、固定片部の中に中空部3が設けられている。固定片部2の中には、細長い真直な基部5が設けられており、基部5の両方の端部が、固定片部2の内周縁2aで連結されている。4は、この連結部分である。
【0012】
基部5には、第一の音叉型振動系8(本例では駆動振動系とする)と、第二の音叉型振動系6(本例では検出振動系とする)とが設けられている。第一の音叉型振動系8は、一対の振動片9Aと9Bとからなり、第二の音叉型振動系6は、一対の振動片7Aと7Bとからなる。本例では、振動片7A、7Bと、振動片9A、9Bとが、それぞれ基部5の長さ方向に平行に延びており、かつ互いに反対方向に向かって延びている。更に、検出側の振動片7Aと7Bとの間隔は、駆動側の振動片9Aと9Bとの間隔よりも小さい。検出側の振動片7A、7Bの各先端側は、駆動側の振動片9Aと9Bとの間に挟まれるように延びている。なお、GDは駆動振動系の振動の全体の重心(非回転時)である。
【0013】
本例では、所定面内において、a軸が3回対称の形で存在しており、所定面に対して垂直な方向にC軸が延びている。この場合には、図1および図2(a)に示すように、第一の音叉型振動系8の各振動片9A、9Bの各側面に、駆動電極10A、10Bを設ける。また、図1および図2(b)に示すように、第二の音叉型振動系6の各振動片7A、7Bの各側面に、検出電極11A、11B、11C、11Dを設ける。なお、13は駆動電源であり、14は検出部である。
【0014】
そして、各駆動電極10A、10Bに交流電圧を印加し、図3に示すように、第一の音叉型振動系8の各振動片9A、9Bに、X軸方向の振動AXを励振する。ここで、振動片9Aにおける振動と、振動片9Bにおける振動とが逆相になるようにする。
【0015】
この状態で、振動子1を、Ωで示すようにY軸を中心として回転させると、図4に示すように、第一の音叉型振動系8の各振動片9A、9Bに、Z軸方向の振動BZが励起される。これに対応して、第二の音叉型振動系6の各振動片7A、7Bには、Z軸方向の検出振動CZが励振される。振動片7Aにおける振動と、振動片7Bにおける振動とは、逆相になる。各振動片による歪みを、図2(b)に示すように、検出電極11A、11B、11C、11Dによって検出する。
【0016】
従来の振動型ジャイロスコープにおいては、いずれも駆動振動アームの駆動振動が、何らかの形で検出アームにも歪みとして影響を及ぼし、検出信号にノイズを発生させていた。本発明によれば、第一の音叉型振動系の各振動片と第二の音叉型振動系の各振動片とを、共通の基部から突出するように設けることによって、検出信号に不可避的に発生していたノイズを、抑制ないし防止することができる。この点で、本発明は、振動型ジャイロスコープに内在していた根本的な問題点を解決したものである。
【0017】
本発明では、第一の音叉型振動系、第二の音叉型振動系および基部は、所定面内に延びることが好ましく、振動子の全体が所定面内に延びていることを特に好ましい。振動子または振動系が所定面内に延びているとは、厳密に幾何学的意味で所定面内に延びていることを言うものではなく、本技術分野において常識的な値、即ち、厚さにして1mm以下の範囲内に振動子が形成されていることを意味する。
【0018】
本発明の振動型ジャイロスコープにおいては、第一の音叉型振動系と第二の音叉型振動系との一方を振動させ、ここで、振動子が回転していないときには、第一の振動系と第二の振動系との他方が実質的に振動しないことが好ましい。振動系が実質的に振動しないとは、例えば駆動振動を励起したときの検出振動系の振動の振幅が、駆動振動の最大振幅の1000分の1以下である場合を含む。
【0019】
また、特に駆動振動系(好ましくは第一の音叉型振動系8)の振動の全体の重心GDが、基部5内にあることが好ましく、これによって検出振動系(好ましくは第二の音叉型振動系6)への影響を抑制できる。
【0020】
振動子1を支持する方法は限定されないが、例えば、駆動振動系の全体の重心GDの近傍か、あるいは固定片部2内を支持することが好ましい。
【0021】
振動子を支持する具体的方法については特に限定せず、あらゆる支持方法、固定方法を採用できる。例えば、圧電材料の接着方法として公知のあらゆる接着方法を使用できる。その一例として、振動子に所定の支持孔を設け、支持孔内に、何らかの支持具を挿入して振動子を固定できる。例えば、振動子を支持するための治具から支持具を突出させ、支持具を支持孔内に挿入し、固定できる。支持具を支持孔中に挿入し、固定する際には、支持具の表面にメタライズ層を設け、および/または支持孔の内周面にメタライズ層を設け、次いで支持具と支持孔の内周面とをハンダ付け又はロウ付けする。あるいは、支持具と支持孔との間に樹脂を配することにより、振動子を固定できる。
【0022】
この支持孔は、振動子を貫通していてもよく、また振動子を貫通していなくともよい。支持孔が、振動子を貫通する貫通孔である場合には、支持孔に支持具を貫通させることもできるが、支持具を貫通させなくともよい。
【0023】
また、振動子に支持孔を設けない場合には、振動子の表面および/または裏面に、支持具をハンダ付けしたり、あるいは樹脂によって接着できる。
【0024】
本発明の振動子の全体を、同一の圧電単結晶によって形成することができる。この場合には、まず圧電単結晶の薄板を作製し、この薄板をエッチング、研削により加工することによって、振動子を作製できる。振動子の各部分は、別の部材によってそれぞれ形成することもできるが、一体で構成することが好ましい。
【0025】
平板形状の材料、例えば水晶等の圧電単結晶の平板状の材料から、エッチングプロセスによって振動子を形成する場合には、振動子の各屈曲振動片等の各構成片に特定形状の突起、例えば細長い突起が生成することがある。このような突起は、厳密には設計時に予定された振動子の対称性を低下させる原因となる。しかし、この突起は存在していても良く、突起の高さは小さい方が好ましいが、突起の高さが振動子の構成片の幅の1/5以下であれば一般に問題なく使用できる。他の製造上の原因による突起以外の非対称部分が振動子に存在する場合にも同様である。
【0026】
なお、このように突起などが振動子に存在する場合には、エッチング加工後に、この突起の一部をレーザー加工等によって削除することによって、または振動子の突起以外の部分をレーザー加工等によって削除することによって、調整できる。これによって、駆動振動系の全体の重心の位置を調整できる。
【0027】
本発明の好適例では、例えば図1に示すように、基部5が細長い形状をしており、第一の音叉型振動系の各振動片9A、9Bと、第二の音叉型振動系の各振動片7A、7Bとが、それぞれ基部5の長さ方向に対して平行に延びている。ただし、ここで言う平行とは、本技術分野における製造上の不可避的誤差は許容するものであり、具体的には角度にして5°以下は含まれる。
【0028】
振動子の材質は特に限定するものでないが、水晶、LiNbO3 、LiTaO3 、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体(Li(Nb,Ta)O3 )単結晶、ホウ酸リチウム単結晶、ランガサイト単結晶等からなる圧電単結晶を使用することが好ましい。
【0029】
前記した単結晶の中では、LiNbO3 単結晶、LiTaO3 単結晶、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体単結晶が、電気機械結合係数が特に大きい。また、LiNbO3 単結晶とLiTaO3 単結晶とを比較すると、LiTaO3 単結晶の方がLiNbO3 単結晶よりも電気機械的結合係数が一層大きく、かつ温度安定性も一層良好である。
【0030】
本発明の振動子を圧電性材料によって形成した場合には、この振動子に駆動電極および検出電極を設ける。圧電性材料としては、圧電単結晶の他に、PZT等の圧電セラミックスがある。
【0031】
また、本発明の振動子を、エリンバー等の恒弾性金属によって形成することもできる。この場合には、振動子の所定箇所に圧電体を取り付ける必要がある。
【0032】
本発明の振動子は、圧電材料や恒弾性合金の他に、シリコンマイクロマシンにおいて使用されるように、シリコン半導体プロセスによって形成することもできる。この場合には、振動子を駆動する際には、静電力等を利用する。
【0033】
具体的には静電検出電極を利用できる。また、静電検出電極のかわりに、特定の金属がドープされた半導体ドーピング領域を設け、この半導体ドーピング領域によってピエゾ抵抗素子を構成できる。この場合には、振動子が回転するときに、各屈曲振動片の各ピエゾ抵抗素子に加わる応力による抵抗値の変化を測定し、回転角速度の指標として検出する。
【0034】
駆動電極、検出電極の形態は、振動子を構成する材質の結晶軸の方向に応じて適宜変化させ得る。また、励振手段、検出手段は、電極の他、前述した圧電体、静電電極など公知のものを使用できる。
【0035】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、新しい原理によって回転系の回転角速度を検出するのに使用できる振動子および振動型ジャイロスコープを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る振動子1を示す斜視図である。
【図2】(a)は、振動子1において、駆動電極および駆動回路の構成を模式的に示す回路図であり、(b)は、検出電極および検出回路の構成を模式的に示す回路図である。
【図3】振動子1の駆動振動1Aの形態を示す斜視図である。
【図4】振動子1の検出振動1Bの形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 振動子、 1A 駆動振動、 1B 検出振動、 2 固定片部(枠部)、 3 枠部2の中空部、 5 基部、 6 第二の音叉型振動系、 7A,7B 第二の音叉型振動系の各振動片、 8 第一の音叉型振動系、9A,9B 第一の音叉型振動系の各振動片、 10A,10B 駆動電極、11A,11B,11C,11D 検出電極、 13 駆動電源、 AX X軸方向の駆動振動、 BZ Y軸を中心とする回転成分によって励振された、第一の音叉型振動系の各振動片のZ軸方向の振動、 CZ Y軸を中心とする回転成分によって励振された、第二の音叉型振動系の各振動片のZ軸方向の検出振動

Claims (7)

  1. 一対の振動片からなる第一の音叉型振動系と、一対の振動片からなる第二の音叉型振動系とを備えている振動子であって、前記第一の音叉型振動系と前記第二の音叉型振動系とが互いに逆向きに伸び、かつ、お互いの前記振動片部が振動子の回転軸と駆動方向とを含む面内において重なり合うように配置されており、前記第一の音叉型振動系の前記各振動片を保持し、かつ前記第二の音叉型振動系の前記各振動片を保持している基部を備えていることを特徴とする、振動子。
  2. 前記振動子が固定片部を備えており、前記基部の少なくとも一端が前記固定片部に連結されていることを特徴とする、請求項1記載の振動子。
  3. 前記基部が細長い形状をしており、前記第一の音叉型振動系の前記各振動片と、前記第二の音叉型振動系の各振動片とが、それぞれ前記基部の長さ方向に対して平行に延びていることを特徴とする、請求項1または2記載の振動子。
  4. 前記振動子が所定面に対して平行に延びるように形成されており、前記各第一の音叉型振動系の各振動片の各振動が、前記所定面内で振動する面内振動成分を含んでおり、前記各第二の音叉型振動系の各振動片の各振動が、前記所定面に対して垂直な方向で振動する面垂直振動成分を含んでいることを特徴とする、請求項1−3のいずれか一つの請求項に記載の振動子。
  5. 所定面に平行に延びる回転軸を中心とする回転成分の回転角速度を検出するための振動型ジャイロスコープであって、請求項1−4のいずれか一つの請求項に記載の振動子を備えており、前記第一の音叉型振動系と前記第二の音叉型振動系との一方に設けられている励振手段と、前記第一の音叉型振動系と前記第二の音叉型振動系との他方に設けられている検出手段とを備えていることを特徴とする、振動型ジャイロスコープ。
  6. 前記第一の音叉型振動系と前記第二の音叉型振動系との一方に対して駆動振動を励振したときに、前記振動子が回転していないときには、前記第一の音叉型振動系と前記第二の音叉型振動系との他方が振動しないことを特徴とする、請求項5記載の振動型ジャイロスコープ。
  7. 所定面に平行に延びる回転軸を中心とする回転成分の回転角速度を検出する方法であって、請求項1−4のいずれか一つの請求項に記載の振動子を使用し、前記第一の音叉型振動系と前記第二の音叉型振動系との一方に駆動振動を励振し、この駆動振動に応じて前記振動子に励起される検出振動のうち、前記第一の音叉型振動系と前記第二の音叉型振動系との他方に現れる振動成分を検出することを特徴とする、回転角速度の検出方法。
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