JP3721159B2 - 不揮発性半導体記憶装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気的書き換え可能な不揮発性半導体記憶装置(EEPROM)に係わり、特に1つのメモリセルに1ビットより多い情報を記憶させる多値記憶を行うEEPROMに関する。
【0002】
【従来の技術】
EEPROMのメモリセルの1つとして、半導体基板上に電荷蓄積層と制御ゲートが積層形成されたMOSFET構造を有するものが知られている。通常、電荷蓄積層に蓄えられた電荷量によって、データ“0”又は“1”を記憶し、1つのセルに1ビットのデータを記憶する。これに対して、より高密度なEEPROMを実現させるため、1つのセルに多ビット分のデータを記憶させる多値記憶方式も知られている。例えば4値記憶方式では、データ“0”,“1”,“2”,“3”を1つのセルに記憶させるため、データに対応した4つの電荷量を電荷蓄積層に蓄える。
【0003】
4値方式を例にデータの記憶状態の一例を説明する。電荷蓄積層の電荷量が0の状態を中性状態とし、中性状態より正の電荷を蓄えた状態を消去状態とする。また、消去状態をデータ“0”に対応させる。例えば、基板に高電圧(〜20V)を印加し、制御ゲートを0Vとして消去は行われる。中性状態より負の電荷を蓄えた状態をデータ“1”の状態とする。データ“2”の状態も中性状態より負の電荷を蓄えた状態であるが、負の電荷量がデータ“1”の状態の負の電荷量より多くされる。データ“3”の状態はさらに負の電荷量が多くされる。例えば、基板,ソース,ドレインを0V、制御ゲートを高電圧(〜20V)として負の電荷は電荷蓄積層に蓄えられる。
【0004】
一般的に、EEPROMのデータ保持は10年間保証される。電荷蓄積層に蓄えられた電荷は、極僅かずつであるがリークしていく。このリークによってデータ“0”,“1”,“2”,“3”の区別がつかなくなるのを防ぐため、通常、各データに対応した電荷量は離散的に設定される。また、その電荷量の差を電荷量マージンという。
【0005】
しかしながら、電荷量マージンが少なすぎると10年間保証できなくなる。一方、電荷量マージンを多くしていくと、例えばデータ“3”に対応する電荷量も多くしていかなければならない。このため、書き込み時間が長くなったり、書き込み電圧が高くなったりする。さらに、蓄えた電荷量が多いほどリーク電荷量は多くなるので、電荷量マージンを多くしたほどはデータ保証時間は長くならないという問題があった。
【0006】
また、EEPROMの1つとして、複数のバイト分のデータを一括して書き込むものが知られている。これは、書き込み時間を短縮するためであり、複数バイト分のデータを一時記憶するためのデータ回路を備えている。このようなEEPROMで多値記憶する場合、データ回路も多値記憶できなければならない。このため、データ回路の回路面積が大きくなるという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、多値記憶方式は高密度化のための有効な手段であるが、データ保証の信頼性が低下するという問題があった。また、メモリセル以外のデータ回路等の制御回路が大きくなるという問題があった。
【0008】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、その目的とするところは、メモリセル以外の制御回路面積の増大を抑えることのできる多値記憶方式EEPROMを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(構成)
上記課題を解決するために本発明は、次のような構成を採用している。
【0010】
即ち、本発明(請求項1)は、多値(n(≧3)値)データ記憶可能な不揮発性半導体記憶装置において、電荷蓄積部を有するメモリセルと、書き込みデータを一時的に記憶するデータ回路を備え、前記データ回路はn−1個の入力端子を有するn個の論理回路から構成されることを特徴とする。さらに、前記n−1個入力端子を有するn個の論理回路は、それぞれの出力端子が他のn−1個の各前記論理回路のn−1個の入力端の中の1つの入力端子に互いに接続されてデータ回路を構成することを特徴とする。
【0011】
また、本発明(請求項2)は、多値(n(≧3)値)データ記憶可能な不揮発性半導体記憶装置において、電荷蓄積部を有するメモリセルと、前記メモリセルに記憶されたデータを読み出すセンス回路と、前記センス回路で読み出されたデータを一時的に記憶するデータ回路を備え、前記センス回路は読み出しデータの値に応じてオン・オフするn−1個のスイッチ回路から構成され、前記データ回路はn−1個の入力端子を有するn個の論理回路から構成されることを特徴とする。さらに、前記n−1個のスイッチ回路は、それぞれ異なるセンス信号が入力される第1のMOSトランジスタと前記読み出しデータが入力される第2のMOSトランジスタとを直列接続してセンス回路を構成し、前記n−1個の入力端子を有するn個の論理回路は、それぞれの出力端子が他のn−1個の各前記論理回路のn−1個の入力端の中の1つの入力端子に互いに接続されてデータ回路を構成することを特徴とする。
【0012】
また、本発明(請求項5)は、多値(n(≧3)値)データ記憶可能な不揮発性半導体記憶装置において、電荷蓄積部を有する複数のメモリセルから構成されるメモリセルアレイと、複数のビット線と、複数のワード線と、複数のプログラム制御回路を備え、前記複数のプログラム制御回路は、1)それぞれ対応する前記メモリセルに印加される書き込み電圧を決める書き込み制御データを保持し、2)前記保持された書き込み制御データに従ってそれぞれ対応する前記メモリセルに前記書き込み電圧を同時に印加し、3)前記メモリセルの書き込み状態を検出し、4)書き込み不十分な前記メモリセルのみ予め決められた書き込み状態にするように前記書き込み電圧が印加されるように、前記メモリセルの書き込み状態と前記書き込み制御データから予め決められた論理関係に従って、保持されている前記書き込み制御データを選択的に変更し、各前記プログラム制御回路は前記書き込み制御データを保持するためのデータ回路を備える、ことを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明の望ましい実施態様としては、次のものがあげられる。
【0014】
(1)データ回路は、n−1個の入力端子を有するn個の論理回路から構成される。
【0015】
(2)n−1個の入力端子を有するn個の論理回路は、それぞれの出力端子が他のn−1個の各前記論理回路のn−1の入力端の中の1つの入力端子に互いに接続されて前記データ回路を構成する。
【0016】
(3)各プログラム制御回路は、ビット線の信号に従ってデータ回路に保持されている書き込み制御データを変更するためのセンス回路を備えている。
【0017】
(4)各プログラム制御回路は、ビット線の信号に従ってデータ回路に保持されているデータを変更するためのn−1個のセンス回路を備えている。
【0018】
(5)センス回路は、ビット線の信号に従ってオン・オフするn−1個のスイッチ回路から構成されている。
【0019】
また、本発明(請求項9)は、多値(n(≧3)値)データ記憶可能な不揮発性半導体記憶装置において、電荷蓄積部を有する複数のメモリセルから構成されるメモリセルアレイと、複数のビット線と、複数のワード線と、複数のプログラム制御回路と、複数のデータ回路を備え、
この複数のプログラム制御回路は、1)前記メモリセルを選択し、2)前記選択したメモリセルに書き込み電圧を印加し、前記複数のデータ回路は、1)前記プログラム制御回路によって選択されたそれぞれ対応する前記メモリセルに印加される書き込み制御電圧を制御する第1,2,…,nの論理レベルの書き込み制御データを保持し、2)前記書き込み制御電圧をそれぞれ対応する前記メモリセルに印加し、3)前記第1以外の論理レベルの書き込み制御データを保持している前記データ回路に対応する前記メモリセルの書き込み状態のみ選択的に検出し、4)予め決められた書き込み状態に達したメモリセルに対応する前記データ回路の前記書き込み制御データの論理レベルを前記第1の論理レベルに変更し、5)予め決められた書き込み状態に達していないメモリセルに対応する前記データ回路の前記書き込み制御データの論理レベルを保持し、6)前記第1の論理レベルの書き込み制御データを保持している前記データ回路の書き込み制御データの論理レベルを前記第1の論理レベルに保持する、ことを特徴とする。
【0020】
さらに、本発明の望ましい実施態様としては、次のものがあげられる。
【0021】
(1)それぞれのデータ回路は、n−1個の入力端子を有するn個の論理回路から構成されるデータ保持回路を備えている。
【0022】
(2)n−1個の入力端子を有するn個の論理回路は、それぞれの出力端子が他のn−1個の各論理回路のn−1の入力端の中の1つの入力端子に互いに接続されてデータ保持回路を構成する。
【0023】
(3)各データ回路は、ビット線の信号に従ってデータ回路に保持されている書き込み制御データの論理レベルを変更するためのセンス回路を備えている。
【0024】
(4)各データ回路は、ビット線の信号に従ってデータ回路に保持されているデータの論理レベルを変更するためのn−1個のセンス回路を備えている。
【0025】
(5)センス回路は、ビット線の信号に従ってオン・オフするn−1個のスイッチ回路から構成されている。
【0026】
また本発明は、多値(n(≧3)値)データ記憶可能な電荷蓄積部を有する複数のメモリセルから構成されるメモリセルアレイと、複数のビット線と、複数のワード線と、複数のプログラム制御回路を備え、前記複数のプログラム制御回路は、1)それぞれ対応する前記メモリセルに印加される書き込み電圧を決める書き込み制御データを保持し、2)前記保持された書き込み制御データに従ってそれぞれ対応する前記メモリセルに前記書き込み電圧を同時に印加し、3)前記メモリセルの書き込み状態を検出し、4)書き込み不十分な前記メモリセルのみ予め決められた書き込み状態にするように前記書き込み電圧が印加されるように、前記メモリセルの書き込み状態と前記書き込み制御データから予め決められた論理関係に従って、保持されている前記書き込み制御データを選択的に変更し、各前記プログラム制御回路は前記書き込み制御データを保持するためのデータ回路を備え、各前記プログラム制御回路は、さらに前記ビット線の信号に従って前記データ回路に保持されている前記書き込み制御データを変更するためのセンス回路を備えることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【0027】
さらに本発明は、多値(n(≧3)値)データ記憶可能な電荷蓄積部を有する複数のメモリセルから構成されるメモリセルアレイと、複数のビット線と、複数のワード線と、複数のプログラム制御回路を備え、前記複数のプログラム制御回路は、1)それぞれ対応する前記メモリセルに印加される書き込み電圧を決める書き込み制御データを保持し、2)前記保持された書き込み制御データに従ってそれぞれ対応する前記メモリセルに前記書き込み電圧を同時に印加し、3)前記メモリセルの書き込み状態を検出し、4)書き込み不十分な前記メモリセルのみ予め決められた書き込み状態にするように前記書き込み電圧が印加されるように、前記メモリセルの書き込み状態と前記書き込み制御データから予め決められた論理関係に従って、保持されている前記書き込み制御データを選択的に変更し、各前記プログラム制御回路は前記書き込み制御データを保持するためのデータ回路を備え、各前記プログラム制御回路は、さらに前記ビット線の信号に従って前記データ回路に保持されているデータを変更するためのn−1個のセンス回路を備えることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【0028】
ここで、前記データ回路はn−1個の入力端子を有するn個の論理回路から構成されることを特徴とする。さらに、前記n−1個の入力端子を有するn個の論理回路は、それぞれの出力端子が他のn−1個の各前記論理回路のn−1の入力端の中の1つの入力端子に互いに接続されて前記データ回路を構成することを特徴とする。
【0029】
また本発明は、多値(n(≧3)値)データ記憶可能な電荷蓄積部を有する複数のメモリセルから構成されるメモリセルアレイと、複数のビット線と、複数のワード線と、複数のプログラム制御回路と、複数のデータ回路を備え、この複数のプログラム制御回路は、1)前記メモリセルを選択し、2)前記選択したメモリセルに書き込み電圧を印加し、前記複数のデータ回路は、1)前記プログラム制御回路によって選択されたそれぞれ対応する前記メモリセルに印加される書き込み制御電圧を制御する第1,2,…,nの論理レベルの書き込み制御データを保持し、2)前記書き込み制御電圧をそれぞれ対応する前記メモリセルに印加し、3)前記第1以外の論理レベルの書き込み制御データを保持している前記データ回路に対応する前記メモリセルの書き込み状態のみ選択的に検出し、4)予め決められた書き込み状態に達したメモリセルに対応する前記データ回路の前記書き込み制御データの論理レベルを前記第1の論理レベルに変更し、5)予め決められた書き込み状態に達していないメモリセルに対応する前記データ回路の前記書き込み制御データの論理レベルを保持し、6)前記第1の論理レベルの書き込み制御データを保持している前記データ回路の書き込み制御データの論理レベルを前記第1の論理レベルに保持し、各前記データ回路は、さらに前記ビット線の信号に従って前記データ回路に保持されている前記書き込み制御データの論理レベルを変更するためのセンス回路を備える、ことを特徴とすることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【0030】
さらに本発明は、多値(n(≧3)値)データ記憶可能な電荷蓄積部を有する複数のメモリセルから構成されるメモリセルアレイと、複数のビット線と、複数のワード線と、複数のプログラム制御回路と、複数のデータ回路を備え、この複数のプログラム制御回路は、1)前記メモリセルを選択し、2)前記選択したメモリセルに書き込み電圧を印加し、前記複数のデータ回路は、1)前記プログラム制御回路によって選択されたそれぞれ対応する前記メモリセルに印加される書き込み制御電圧を制御する第1,2,…,nの論理レベルの書き込み制御データを保持し、2)前記書き込み制御電圧をそれぞれ対応する前記メモリセルに印加し、3)前記第1以外の論理レベルの書き込み制御データを保持している前記データ回路に対応する前記メモリセルの書き込み状態のみ選択的に検出し、4)予め決められた書き込み状態に達したメモリセルに対応する前記データ回路の前記書き込み制御データの論理レベルを前記第1の論理レベルに変更し、5)予め決められた書き込み状態に達していないメモリセルに対応する前記データ回路の前記書き込み制御データの論理レベルを保持し、6)前記第1の論理レベルの書き込み制御データを保持している前記データ回路の書き込み制御データの論理レベルを前記第1の論理レベルに保持し、各前記データ回路は、さらに前記ビット線の信号に従って前記データ回路に保持されているデータの論理レベルを変更するためのn−1個のセンス回路を備えることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【0031】
ここで、それぞれ前記データ回路はn−1個の入力端子を有するn個の論理回路から構成されるデータ保持回路を備えることを特徴とする。さらに、前記n−1個の入力端子を有するn個の論理回路は、それぞれの出力端子が他のn−1個の各前記論理回路のn−1の入力端の中の1つの入力端子に互いに接続されて前記データ保持回路を構成することを特徴とする。
【0032】
(作用)
本発明に係わる多値(n(≧3)値)データ記憶可能なEEPROMは、n値データをメモリセルの電荷蓄積層に蓄えられるn個の電荷量に対応させて記憶させる。そして、n値の書き込みデータを一時記憶するためのn値記憶データ回路を、n−1個の入力端子を有するn個の論理回路で構成することにより、制御回路面積を抑えることができる。
【0033】
また、n個の電荷量は離散的に設定し、その電荷量差である電荷量マージンを電荷量が多いほど多く設定する。これにより、比較的多い電荷量に対応するデータの信頼性を確保しながら、比較的少ない電荷量に対応するデータのための電荷量マージンを削ることによって、最大電荷量を低下させることができる。従って、書き込み時間や書き込み電圧の増加を抑えつつ信頼性の高いEEPROMを実現することが可能となる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細を図示の実施形態によって説明する。
【0035】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態におけるメモリセルMの構造を示している。p型半導体基板(又はp型ウェル)1上にトンネル絶縁膜3を介して浮遊ゲート(電荷蓄積層)4が形成され、この上にゲート絶縁膜5を介して制御ゲート6が形成される。また、基板1の表面にはn型拡散層2がソース・ドレインとして形成される。浮遊ゲート4に蓄積される電荷量を制御することで、メモリセルMにデータは記憶される。
【0036】
例えば、データの記憶は以下のように行われる。基板電圧Vsub ,ソース電圧Vs及びドレイン電圧Vdを高電圧Vpp(例えば20V)、制御ゲート電圧VCGを0Vとすると、絶縁膜3を介して電荷が移動し、浮遊ゲート4には正の電荷が蓄積される。この状態をデータ“0”の状態に対応させる。データ“0”の状態から、制御ゲート電圧VCGを高電圧Vpp(例えば20V)、基板電圧Vsub ,ソース電圧Vs及びドレイン電圧Vdを0Vにすると、浮遊ゲート4には負の電荷が蓄積される。負の電荷量を3つの領域に制御することでデータ“1”,“2”,“3”が記憶される。浮遊ゲート4の電荷量によってメモリセルのしきい値Vtが変化し、実際にはこのVtの値を検出することでデータが読み出される。
【0037】
浮遊ゲート4に蓄えられた電荷は、長い時間をかけてリークしていく。図2は、メモリセルMのしきい値Vtの経時変化の一例を示している。浮遊ゲート4の電荷量が0の場合のしきい値(中性しきい値)をVeとする。負の電荷が多いほどしきい値Vtは高くなり、メモリセルのしきい値Vtの初期値として3つの値V1,V2,V3(V1<V2<V3)が示してある。浮遊ゲート4に蓄えられた電荷のリークは、電荷量が0になると止まる。よって、V1,V2,V3は放置時間とともにVeに漸近していく。また、しきい値が高いほどVeに近づく速度dV/dtが速い。これは、電荷量が多いほどリーク量が多いためである。例えば、10年放置後のしきい値の変化量は、ΔV1<ΔV2<ΔV3となる。
【0038】
図3は、メモリセルのしきい値とデータの関係を示している。複数のメモリセルを有するEEPROMでは、全てのメモリセルのしきい値を同一の値に制御することは困難であるので、一般に、あるデータに対応するしきい値はあるしきい値分布幅を持つ。図3では、データ“0”に対応するしきい値はVr1以下に設定される。ここでは、中性しきい値Ve以下に設定され、浮遊ゲートの電荷量が正である場合である。データ“1”に対応するしきい値はVr1以上Vr2以下とされる。データ“2”に対応するしきい値はVr2以上Vr3以下とされ、データ“3”に対応するしきい値はVr3以上とされる。ここではVe<Vr1とされ、浮遊ゲートの負の電荷量が多い順にデータ“3”,“2”,“1”に対応する。電圧Vr1,Vr2,Vr3は参照電圧と呼ばれる。メモリセルのしきい値とこれら参照電圧との大小関係からデータは読み出される。
【0039】
データ“1”に対応するしきい値の最小値とVr1の間にはΔVだけマージンが設けられる。データ“1”に対応するしきい値が放置時間とともにVeに近づきVr1以下になると、データ“1”がデータ“0”に化けるため、メモリセルのデータ保持期間を長くするためである。同様に、データ“2”或いは“3”に対応するしきい値の最小値とVr2或いはVr3の間にも、ΔVだけそれぞれマージンが設けられる。
【0040】
図2を用いて説明したように、浮遊ゲートの電荷が多いほどしきい値の経時変化量は多いので、図3に示した例では、データ“1”が“0”に化けるまでの時間より、データ“2”が“1”に化けるまでの時間の方が短く、さらにデータ“3”が“2”に化けるまでの時間の方が短い。各データ保持のためのしきい値マージンΔVが一定であるためである。
【0041】
図4は、本発明におけるメモリセルのしきい値とデータの関係を示している。データ“1”に対応するしきい値の最小値とVr1の間にはΔV1だけマージンが設けられる。データ“2”に対応するしきい値の最小値とVr2の間にはΔV2だけマージンが設けられる。データ“3”に対応するしきい値の最小値とVr3の間にはΔV3だけマージンが設けられる。ここで、ΔV1<ΔV2<ΔV3とされる。それぞれデータが“1”から“0”、“2”から“1”、“3”から“2”に化けるまでの時間が等しくなるようにされるのが最も理想的である。ΔV1<ΔV2<ΔV3とすることで、例えばデータ“1”保持のためのしきい値マージンΔV1を余分に設ける必要がなくなる。
【0042】
このように、対応するしきい値の経時変化が小さいデータのためのしきい値マージンを小さくすることで、各データに対応するしきい値を低下させることができる。よって、浮遊ゲートに蓄える電荷量を低減でき、書き込み時間の短縮或いは書き込み電圧の低電圧化が実現される。
【0043】
図4では、中性しきい値Veが参照電圧Vr1以下となっているが、例えば、VeがVr1とVr2の間に位置する場合を考える。ΔV2<ΔV3としておくと、データ“2”からデータ“1”に化ける時間とデータ“3”からデータ“2”に化けるまでの時間をほぼ等しくできる。データ“1”は化けることがない。よって、ΔV1<ΔV2<ΔV3と設定する。
【0044】
メモリセルのしきい値を検出しデータを読み出す方法として、制御ゲートに参照電圧を印加してドレインとソース間に電流が流れるか否かをセンスする方法がある。この場合、参照電圧を制御ゲートに印加することで電圧ストレスがメモリセルに印加される。このストレスによってデータが化ける場合もある。
【0045】
図4で、Vr1<Vr2<Vr3<0Vである場合、読み出し時に制御ゲートに負の電圧が印加され、基板,ソース,ドレインが0V又は正の電位であれば、しきい値はこのストレスによって負の方向へ変化する。メモリセルのしきい値が放置時間とともに中性しきい値Veに漸近する速度より、この電圧ストレスによるしきい値変化速度の方が顕著な場合、VeがVr1以下の場合はもとより、VeがVr3より大きくても、ΔV1<ΔV2<ΔV3と設定する。Ve>Vr3の場合、データ“1”に対応するしきい値はデータ“2”に対応するしきい値より低く、浮遊ゲートに蓄えられた正の電荷が多い。よって、上述のような電圧ストレスについては、データ“1”に対応するしきい値の変化速度の方がデータ“2”に対応するしきい値の変化速度より遅い。同様に、データ“2”に対応するしきい値の変化速度の方がデータ“3”に対応するしきい値の変化速度より遅い。
【0046】
しきい値マージンが大きいということは、電荷量マージンも大きいということである。実際のメモリ装置では、メモリセルのしきい値以外にもメモリセルを介して流れる電流(以下、セル電流と呼ぶ)によって対応づけることもある。例えば、制御ゲートにある一定の電圧を印加し、ドレインからソースに流れるセル電流を検出する。nチャネル型のメモリセルでは、しきい値が高いほどセル電流が少なくなる。
【0047】
図5は、メモリセルにおけるセル電流とデータとの関係を示している。浮遊ゲートに蓄えられた電荷量が0の場合の中性セル電流をIeとする。データ“1”に対応するセル電流の最大値と参照電流Ir1の間には、ΔI1だけマージンが設けられる。データ“2”に対応するセル電流の最大値と参照電流Ir2の間には、ΔI2だけマージンが設けられる。データ“3”に対応するセル電流の最大値と参照電流Ir3の間には、ΔI3だけマージンが設けられる。ΔI1<ΔI2<ΔI3とされる。それぞれデータが“1”から“0”、“2”から“1”、“3”から“2”に化けるまでの時間が等しくなるようにされるのが最も理想的である。ΔI1<ΔI2<ΔI3とすることで、例えば、データ“1”保持のためのセル電流マージンΔI1を余分に設ける必要がなくなる。
【0048】
このように、対応するセル電流の経時変化が小さいデータのためのセル電流マージンを小さくすることで、各データに対応するセル電流を増加させることができる。よって、浮遊ゲートに蓄える電荷量を低減でき、書き込み時間の短縮或いは書き込み電圧の低電圧化が実現される。
【0049】
図6は、浮遊ゲートに正の電荷を蓄えた場合のしきい値の経時変化を示している。正の電荷量が多いほどしきい値は低く、経時変化率は大きい。図7は、図4とは逆に、しきい値が高い順にデータ“0”,“1”,“2”,“3”としている。よって、ΔV1<ΔV2<ΔV3とする。図8は、図5とは逆に図7に対応させて、セル電流が少ない順にデータ“0”,“1”,“2”,“3”としている。よって、ΔI1<ΔI2<ΔI3とする。
【0050】
図2、4、5及び図6、7、8で説明したように、種々様々な原因によってデータが変化し記憶情報が壊れるのを防ぐために、浮遊ゲートに蓄えられた電荷量マージン、或いはしきい値マージン、或いはセル電流マージンを、データ毎に設定することによって、浮遊ゲートに蓄える電荷量を低減することができる。よって、書き込み時間の短縮或いは書き込み電圧の低電圧化が実現される。マージンを電荷量で確保するか、しきい値で確保するか、セル電流で確保するかは、メモリ装置の制御回路に依存する。
【0051】
また、ここではnチャネル型のメモリセルを例に説明したが、pチャネル型メモリセルでも同様に実施できる。
【0052】
図9は、図1に見られるメモリセルMを用いて構成される、多値記憶式EEPROMの基本構成を示している。ここでは、3値記憶式を例として示す。メモリセルMがマトリクス状に配置されて構成されるメモリセルアレイ7に対して、メモリセルを選択したり、制御ゲートに書き込み電圧及び読み出し電圧を印加するワード線選択・駆動回路11が設けられる。ワード線選択・駆動回路11はアドレスバッファ10につながりアドレス信号を受ける。データ回路8は、書き込みデータを一時的に保持したり、メモリセルのデータを読み出したりするための回路である。データ回路8はデータ入出力バッファ9につながり、アドレスバッファ10からのアドレス信号を受ける。
【0053】
データ入出力バッファ9は、EEPROM外部とのデータ入出力制御を行うものである。また、メモリセルアレイ7は、図10に見られるようにp型基板13に形成されるn型ウェル14内のp型ウェル15上に形成される。そして、n型ウェル14、p型ウェル15の電圧制御をするセルウェル制御回路12が設けられる。
【0054】
図11は、メモリセルアレイ7の具体的構成とこれにつながるデータ回路8を示している。メモリセルM1〜M4が直列に接続されてNAND型セルを構成している。その両端は、選択トランジスタS1,S2を介して、それぞれビット線BL、ソース線Vsに接続される。制御ゲートCGを共有するメモリセル群は、“ページ”と呼ばれる単位を形成し、同時に書き込み・読み出しされる。また、4本の制御ゲートCG1〜CG4に繋がるメモリセル群でブロックを形成する。“ページ”,“ブロック”はワード線選択・駆動回路11によって選択される。各ビット線BL0 〜BLm には、データ回路8-0〜8-mが接続され、対応するメモリセルへの書き込みデータを一時的に記憶したりする。
【0055】
図12は、図9、11に見られるデータ回路8の具体的な構成を示している。NAND論理回路G1,G2,G3で、多値データラッチ回路を構成する。ノードN1,N2,N3の中、1つだけ“L”レベルとなり、残り2つは“H”レベルである。3つのノードの中のどれが“L”レベルであるかによって3値データをラッチする。
【0056】
3入力NAND論理回路を4つ用いて、それぞれの出力を他の3つのNAND論理回路に入力して互いに接続すれば、4値データをラッチできる。一般的に、(n−1)入力NAND論理回路をn個用いて、それぞれの出力を他の(n−1)個のNAND論理回路に入力して互いに接続すると、n値データをラッチできる。NAND論理回路以外に、図16に示すようにNOR論理回路などの回路を用いても構成できる。図16では、3つのノードN4,N5,N6の中、1つだけ“H”レベルとなる。
【0057】
図17は、インバータI2,I3で構成される1ビットデータラッチ回路と、I4,I5で構成される1ビットデータラッチ回路の2つで3値データをラッチする従来のデータラッチ回路を示している。図17のデータラッチ回路の構成を図18に、NAND論理回路G1,G2,G3で構成される多値データラッチ回路の構成を図19に示す。pチャネルMOS領域からnチャネルMOS領域に配線される配線数は、図17のデータラッチ回路では4本必要であるが、NAND論理回路G1,G2,G3で構成される多値データラッチ回路では3本である。NAND論理回路G1,G2,G3で構成される多値データラッチ回路の利点は、こうした少ない配線によって回路面積が小さくできることがあげられる。
【0058】
前記図12において、データ入出力線IOA,IOBと多値データラッチ回路は、nチャネルMOSトランジスタQn11 ,Qn12 を介して接続される。データ入出力線IOA,IOBは、図9中のデータ入出力バッファ9にも接続される。nチャネルMOSトランジスタQn11 ,Qn12 のゲートは、NAND論理回路G4とインバータI1で構成されるカラムアドレスデコーダの出力に接続される。nチャネルMOSトランジスタQn1,Qn2、或いはQn3,Qn4で構成される回路は、それぞれ活性化信号SEN1或いはSEN2が“H”となって、ビット線電圧をセンスして多値データラッチ回路のデータを変更する。
【0059】
nチャネルMOSトランジスタQn5,Qn6,Qn7,Qn8、pチャネルMOSトランジスタQp1で構成される回路は、信号BLC2が“H”となって、多値データラッチ回路のデータに応じて書き込み時のビット線電圧を制御したりする。nチャネルMOSトランジスタQn9は、信号BLC1が“H”となって、データ回路8とビット線BLを接続する。nチャネルMOSトランジスタQn10 は、信号PREが“H”となって、ビット線BLを電圧VBLP にする。高耐圧nチャネルMOSトランジスタHn33 は、消去時にビット線BLに印加される高電圧がデータ回路に印加されるのを防ぐためのもので、消去時以外は信号ERSBは“H”である。
【0060】
次に、このように構成されたEEPROMの動作を、図13、14、15に従って説明する。図13は読み出し時のタイミング、図14は書き込み時のタイミング、図15は書き込みベリファイ時のタイミング、をそれぞれ示している。
【0061】
図13に従って、読み出し動作を説明する。まず、電圧VBLPが電源電圧Vcc(例えば5V)となって、ビット線は“H”レベルになる。同時に、電圧VSRもVccとなり、信号SEN1,SEN2は“H”となって、ノードN1,N3は“H”、ノードN2は“L”にリセットされる。信号PREが“L”となって、ビット線はフローティング状態になる。続いて、ワード線選択・駆動回路11によって選択されたブロックの選択された制御ゲートCG2は0V、非選択制御ゲートCG1,CG3,CG4と選択ゲートSG1,SG2はVccにされる。
【0062】
選択されたメモリセルのしきい値が0V以下なら、ビット線電圧は“L”となる。選択されたメモリセルのしきい値が0V以上なら、ビット線電圧は“H”のままとなる。この後、信号SEN1が“H”となる。もし、ビット線が“L”ならnチャネルMOSトランジスタQn1は“OFF”で、ノードN1は“H”のままである。もし、ビット線が“H”ならnチャネルMOSトランジスタQn1は“ON”で、ノードN1は0Vの電圧VSRによって“L”とされる。
【0063】
次に、選択された制御ゲートが2Vにされる。選択されたメモリセルのしきい値が2V以下なら、ビット線電圧は“L”となる。選択されたメモリセルのしきい値が2V以上なら、ビット線電圧は“H”のままとなる。この後、信号SEN2が“H”となる。もし、ビット線が“L”ならnチャネルMOSトランジスタQn3は“OFF”で、ノードN3は“H”のままである。もし、ビット線が“H”ならnチャネルMOSトランジスタQn3は“ON”で、ノードN3は0Vの電圧VSRによって“L”とされる。
【0064】
最後に、カラムアドレスデコーダに入力されるカラム活性化信号CENBが“H”となると、アドレス信号によって選択されたデータ回路に保持されているデータがデータ入出力線IOA,IOBに出力され、データ入出力バッファ9を介してEEPROM外部へ出力される。
【0065】
メモリセルに記憶されているデータとしきい値と読み出し後のノードN1,N2,N3の関係は、次の(表1)の通りである。
【0066】
【表1】
【0067】
隣り合う2つのメモリセルで9つの記憶状態ができる。このうち8状態を用いて3ビット分のデータを記憶している。データ入出力線IOA,IOBに出力された信号は、隣り合う偶数、奇数2カラム分の3値情報をもとに3ビットのデータにデータ入出力バッファ9で変換されて出力される。例えば、次の(表2)のように対応させる。
【0068】
【表2】
【0069】
図14は、書き込み動作を示している。書き込み動作前に、入力された3ビット分のデータは、(表2)のようにデータ入出力バッファ9で2つの3値データに変換されて、隣り合う偶数、奇数カラムのデータ回路に入力される。3値データとデータ入出力線IOA,IOB、ノードN1,N2,N3の関係は、次の(表3)の通りである。
【0070】
【表3】
【0071】
変換された3値データは、カラム活性化信号CENBが“H”で、アドレス信号で指定されたカラム番地のデータ回路に転送される。
【0072】
書き込み動作は、まず信号PREが“L”となってビット線がフローティングにされる。
【0073】
次に、信号BLC2が“H”、電圧VLHが2.5V、VLLが0Vとされる。これによって、データ“0”が保持されているデータ回路からはVcc、データ“1”が保持されているデータ回路からはVLH、データ“2”が保持されているデータ回路からはVLLがビット線に出力される。nチャネルMOSトランジスタQn8,Qn9、高耐圧nチャネルMOSトランジスタHn33 のしきい値分の電圧降下分が問題になるときは、信号BLC1,BLC2,ERSBを昇圧すればよい。
【0074】
ワード線選択・駆動回路11によって、選択されたブロックの選択ゲートSG1、制御ゲートCG1〜CG4がVccとなる。選択ゲートSG2は0Vである。次に、選択された制御ゲートCG2が高電圧Vpp(例えば20V)、非選択制御ゲートCG1,CG3,CG4と選択ゲートSG1がVM(例えば10V)となる。
【0075】
データ“2”が保持されているデータ回路に対応するメモリセルでは、0Vのチャネル電位と制御ゲートのVppの電位差によって、浮遊ゲートに電子が注入されしきい値が上昇する。データ“1”が保持されているデータ回路に対応するメモリセルでは、2.5Vのチャネル電位と制御ゲートのVppの電位差によって、浮遊ゲートに電子が注入されしきい値が上昇する。チャネル電位を2.5Vにしているのは、“2”データ書き込みより電子の注入量が少なくてよいからである。データ“0”が保持されているデータ回路に対応するメモリセルでは、チャネル電位と制御ゲートのVppの電位差が小さいため、実効的には浮遊ゲートに電子は注入されない。よって、メモリセルのしきい値は変動しない。
【0076】
書き込み動作後、メモリセルのしきい値を検出する(書き込みベリファイ)。もし、所望のしきい値に達していれば、データ回路のデータを“0”に変更する。もし、所望のしきい値に達していなければ、データ回路のデータを保持して再度書き込み動作を行う。書き込み動作と書き込みベリファイは、全ての選択されたメモリセルが所望のしきい値に達するまで繰り返される。
【0077】
図15を用いて、この書き込みベリファイ動作を説明する。まず、電圧VBLPが電源電圧Vcc(例えば5V)となって、ビット線は“H”レベルになる。信号PREが“L”となって、ビット線はフローティング状態になる。続いて、電圧VLHがVcc、電圧VLLが0Vとされ信号BLC2が“H”となると、データ回路に“2”データが保持されされているデータ回路に対応するビット線BLのみ0Vとされる。
【0078】
次に、ワード線選択・駆動回路11によって選択されたブロックの選択された制御ゲートCG2は0.5V、非選択制御ゲートCG1,CG3,CG4と選択ゲートSG1,SG2はVccにされる。選択されたメモリセルのしきい値が0.5V以下なら、ビット線電圧は“L”となる。選択されたメモリセルのしきい値が0.5V以上なら、ビット線電圧は“H”のままとなる。この後、信号SEN1が“H”となる。もし、ビット線が“L”ならnチャネルMOSトランジスタQn1は“OFF”で、ノードN1は変わらない。もし、ビット線が“H”ならnチャネルMOSトランジスタQn1は“ON”で、ノードN1は0Vの電圧VSRによって“L”とされる。つまり、ここまでの“1”データベリファイ動作で、“1”書き込みに成功したメモリセルに対応するデータ回路のデータが“1”である場合、“0”に変更される。その他のデータは変更されない。
【0079】
続いて、電圧VBLPが電源電圧Vcc(例えば5V)となって、ビット線は“H”レベルになる。次に、ワード線選択・駆動回路11によって選択されたブロックの選択された制御ゲートCG2は3V、非選択制御ゲートCG1,CG3,CG4と選択ゲートSG1,SG2はVccにされる。選択されたメモリセルのしきい値が3V以下なら、ビット線電圧は“L”となる。選択されたメモリセルのしきい値が3V以上なら、ビット線電圧は“H”のままとなる。この後、信号SEN1が“H”となる。もし、ビット線が“L”ならnチャネルMOSトランジスタQn1は“OFF”で、ノードN1は変わらない。もし、ビット線が“H”ならnチャネルMOSトランジスタQn1は“ON”で、ノードN1は0Vの電圧VSRによって“L”とされる。つまり、ここまでの“2”データベリファイ動作で、“2”書き込みに成功したメモリセルに対応するデータ回路のデータが“2”である場合、“0”に変更される。その他のデータは変更されない。
【0080】
全てのメモリセルが所望のしきい値に達すると、全てのデータ回路のノードN1は“L”となるので、全てのデータ回路のノードN1のレベルが“L”になるとデータのメモリセルへの書き込みは終了させられる。書き込みベリファイ時の、データ回路のデータ変換則は次の(表4)の通りである。
【0081】
【表4】
【0082】
図14、15で説明したように、ベリファイしながら書き込みを行うことで、“1”データに対応するメモリセルのしきい値はベリファイ参照電圧の0.5V以上で2V以下、“2”データに対応するメモリセルのしきい値はベリファイ参照電圧の3V以上でVcc以下に制御される。図13で説明したように、読み出し時の参照電圧は、0Vと2Vであるから、“1”データのしきい値マージンは0.5V、“2”データのしきい値マージンは1.0Vとされる。“0”データに対応するしきい値は0V以下であり、これは消去状態と同じである。消去は、セルウェルを高電圧Vpp(例えば20V)にして、制御ゲートCGを0Vとして行われる。電子が浮遊ゲートから放出されしきい値は0V以下となる。
【0083】
図20は、図9中のセルウェル制御回路12の具体的な構成を示している。高耐圧nチャネルMOSトランジスタHn17〜Hn28は昇圧回路を構成している。ポンプ活性化信号PMPが“H”で、振動する信号Φが入力されると、出力VqqはVcc以上の高電圧となる。電圧Vqqは電圧リミッタ16によってリミットされる。昇圧回路リセット信号RSTBが“L”となると、VqqはVccにリセットされる。デバイス待機信号STNBYが“H”となると、昇圧回路への電源供給は遮断される。これは、電圧転送効率を上げるため、高耐圧nチャネルMOSトランジスタHnのしきい値を下げると、待機時にリーク電流のため待機消費電力が大きいためである。昇圧されたVqqは、信号CWPMPBが“L”となると、高耐圧nチャネルMOSトランジスタHn10 ,Hn11 を介してセルウェルに印加される。
【0084】
図21を用いて、セルウェル制御回路12の動作を説明する。待機時、信号STNBYは“H”である。信号RSTB,CWPMPBも“H”、PMPとΦは“L”である。よって、セルウェルは0Vとなっている。
【0085】
非待機時で消去時以外は、信号STNBY,RSTB,PMPは“L”、CWPMPBは“H”である。信号Φは振動する。電圧VqqはVccとなり、セルウェルは0Vである。
【0086】
消去時には、信号RSTB,PMPが“H”となって電圧VqqはVppに昇圧される。続いて、信号CWPMPBが“L”となるとセルウェルはVppとなる。CWPMPBが“H”となってセルウェルは0Vにリセットされ、信号RSTB,PMPが“L”となってVqqはVccにリセットされる。
【0087】
(第2の実施形態)
図22は、図9、11に見られるデータ回路8の他の実施形態を示す具体的な構成図である。3値記憶を例に構成されている。図22(a)に示すように、クロック同期式インバータCI1,CI2とCI3,CI4でそれぞれ構成される2つのフリップ・フロップFF1,FF2に、書き込み/読み出しデータをラッチする。また、これらはセンスアンプとしても動作する。クロック同期式インバータCIの具体的な構成は、図22(b)に示される。クロック同期式インバータCIの回路しきい値は、例えば電源電圧Vcc(例えば5V)の半分とする。
【0088】
フリップ・フロップFF1は、「“0”書き込みをするか、“1”又は“2”書き込みをするか」を書き込みデータ情報としてラッチし、メモリセルが「“0”の情報を保持しているか、“1”又は“2”の情報を保持しているか」を読み出しデータ情報としてセンスしラッチする。フリップ・フロップFF2は、「“2”書き込みをするか、“1”又は“0”書き込みをするか」を書き込みデータ情報としてラッチし、メモリセルが「“2”の情報を保持しているか、“1”又は“0”の情報を保持しているか」を読み出しデータ情報としてセンスしラッチする。
【0089】
データ入出力線IOA,IOBとフリップ・フロップFF1は、nチャネルMOSトランジスタQn101,Qn102を介して接続される。データ入出力線IOC,IODとフリップ・フロップFF2は、nチャネルMOSトランジスタQn103,Qn104を介して接続される。データ入出力線IOA,IOB,IOC,IODは、図9中のデータ入出力バッファ9にも接続される。nチャネルMOSトランジスタQn101,Qn102,Qn103,Qn104のゲートは、NAND論理回路G101とインバータI101で構成されるカラムアドレスデコーダの出力に接続される。nチャネルMOSトランジスタQn105,Qn109は、フリップ・フロップFF1,FF2とMOSキャパシタQd101の接続を制御する。nチャネルMOSトランジスタQn106,Qn107,Qn108、pチャネルMOSトランジスタQp102,Qp103で構成される回路は、活性化信号VRFYB或いはPROによって、フリップ・フロップFF1,FF2のデータに応じて、MOSキャパシタQd101のゲート電圧を変更する。MOSキャパシタQd101は、ディプリーション型nチャネルMOSトランジスタで構成され、ビット線容量より十分小さくされる。pチャネルMOSトランジスタQp105は、信号PRECによってMOSキャパシタQd101を充電する。全てのデータ回路8-0,8-1,…,8-mの書き込みデータが“0”書き込みか否かを検出信号PENDに出力するため、フリップ・フロップFF1のデータを検出するpチャネルMOSトランジスタQp101が設けられる。
【0090】
nチャネルMOSトランジスタQn110、pチャネルMOSトランジスタQp104は、信号BLCN,BLCPによって、データ回路8とビット線BLの接続を制御する。nチャネルMOSトランジスタQn111は、信号PREが“H”となって、ビット線BLを電圧VBLP にする。高耐圧nチャネルMOSトランジスタHn101は、消去時にビット線に印加される高電圧がデータ回路に印加されるのを防ぐためのもので、消去時以外は信号ERSBは“H”である。
【0091】
次に、このように構成されたEEPROMの動作を、図23、24、25に従って説明する。図23は読み出し時のタイミング、図24は書き込み時のタイミング、図25は書き込みベリファイ時のタイミング、をそれぞれ示している。
【0092】
図23に従って、読み出し動作を説明する。まず、電圧VBLPが電源電圧Vcc(例えば5V)となって、ビット線は“H”レベルになる。同時に、信号BLCNが“L”、BLCPが“H”となって、ビット線とMOSキャパシタQd101は切り離される。信号PREが“L”となって、ビット線はフローティング状態になる。続いて、ワード線選択・駆動回路11によって選択されたブロックの選択された制御ゲートCG2は0V、非選択制御ゲートCG1,CG3,CG4と選択ゲートSG1,SG2はVccにされる。信号PRECが“L”となってMOSキャパシタQd101はVccに充電される。
【0093】
選択されたメモリセルのしきい値が0V以下なら、ビット線電圧は“L”となる。選択されたメモリセルのしきい値が0V以上なら、ビット線電圧は“H”のままとなる。この後、信号BLCNが例えばVcc以下の1.5Vとされる。nチャネルMOSトランジスタQn110 のしきい値が1Vの場合、もしビット線が0.5V以下ならnチャネルMOSトランジスタQn110は“ON”で、ノードN101は0.5V以下となる。もし、ビット線が0.5V以上ならnチャネルMOSトランジスタQn110は“OFF”で、ノードN101はVccに保たれる。
【0094】
再度、信号BLCNが“L”となって、ビット線BLとMOSキャパシタQd101は切り離される。信号LAT1,SEN1が“L”となってフリップ・フロップFF1が非活性化された後、信号SAC1が“H”となる。再度、信号SEN1が“H”となり続いて信号LAT1が“H”となることで、ノードN101の電圧がセンスされラッチされる。これで、メモリセルのデータが“0”か否かがフリップ・フロップFF1によってセンスされ、その情報はラッチされる。
【0095】
次に、選択された制御ゲートが2Vにされる。選択されたメモリセルのしきい値が2V以下なら、ビット線電圧は“L”となる。選択されたメモリセルのしきい値が2V以上なら、ビット線電圧は“H”のままとなる。この後、信号BLCNが例えばVcc以下の1.5Vとされる。nチャネルMOSトランジスタQn110のしきい値が1Vの場合、もしビット線が0.5V以下ならnチャネルMOSトランジスタQn110は“ON”で、ノードN101は0.5V以下となる。もし、ビット線が0.5V以上ならnチャネルMOSトランジスタQn110は“OFF”で、ノードN101はVccに保たれる。
【0096】
再度、信号BLCNが“L”となって、ビット線BLとMOSキャパシタQd101は切り離される。信号LAT2,SEN2が“L”となってフリップ・フロップFF2が非活性化された後、信号SAC2が“H”となる。再度、信号SEN2が“H”となり続いて信号LAT2が“H”となることで、ノードN101の電圧がセンスされラッチされる。これで、メモリセルのデータが“2”か否かがフリップ・フロップFF2によってセンスされ、その情報はラッチされる。
【0097】
読み出し中、信号ERSBは“H”、VRFYBは“H”、PROは“L”である。また、電圧VBLMとVsは0Vとする。
【0098】
カラムアドレスデコーダに入力されるカラム活性化信号CENBが“H”となると、アドレス信号によって選択されたデータ回路に保持されているデータがデータ入出力線IOA,IOB,IOC,IODに出力され、データ入出力バッファ9を介してEEPROM外部へ出力される。
【0099】
メモリセルに記憶されているデータ、しきい値、データ入出力線IOA,IOB,IOC,IODに読み出し後に出力されるレベル、の関係は次の(表5)の通りである。
【0100】
【表5】
【0101】
隣り合う2つのメモリセルで9つの記憶状態ができる。このうち8状態を用いて3ビット分のデータを記憶している。データ入出力線IOA,IOB,IOC,IODに出力された信号は、隣り合う偶数、奇数2カラム分の3値情報をもとに3ビットのデータにデータ入出力バッファ9で変換されて出力される。例えば、前記(表2)のように対応させる。
【0102】
図24は、書き込み動作を示している。書き込み動作前に、入力された3ビット分のデータは、前記(表2)のようにデータ入出力バッファ9で2つの3値データに変換されて、隣り合う偶数、奇数カラムのデータ回路8に入力される。3値データとデータ入出力線IOA,IOB,IOC,IODの関係は、次の(表6)の通りである。
【0103】
【表6】
【0104】
変換された3値データは、カラム活性化信号CENBが“H”で、アドレス信号で指定されたカラム番地のデータ回路に転送される。
【0105】
書き込み動作は、まず信号PREが“L”となってビット線がフローティングにされる。
【0106】
次に、信号VRFYBが“L”、信号PROが“H”、電圧VBLMが2.5Vとされる。これによって、データ“0”が保持されているデータ回路からはVcc、データ“1”が保持されているデータ回路からは2.5Vがビット線に出力される。信号SAC2が1.5Vとされると、データ“2”が保持されているデータ回路からは0Vがビット線に出力される。nチャネルMOSトランジスタQ109 のしきい値を1Vとすると、“0”又は“1”書き込み時にはnチャネルMOSトランジスタQn109は“OFF”、“2”書き込み時には“ON”となる。高耐圧nチャネルMOSトランジスタHn101のしきい値分の電圧降下分が問題になるときは、信号ERSBを昇圧すればよい。
【0107】
ワード線選択・駆動回路11によって、選択されたブロックの選択ゲートSG1、制御ゲートCG1〜CG4がVccとなる。選択ゲートSG2は0Vである。次に、選択された制御ゲートCG2が高電圧Vpp(例えば20V)、非選択制御ゲートCG1,CG3,CG4がVM(例えば10V)となる。データ“2”が保持されているデータ回路に対応するメモリセルでは、0Vのチャネル電位と制御ゲートのVppの電位差によって、浮遊ゲートに電子が注入されしきい値が上昇する。データ“1”が保持されているデータ回路に対応するメモリセルでは、2.5Vのチャネル電位と制御ゲートのVppの電位差によって、浮遊ゲートに電子が注入されしきい値が上昇する。チャネル電位を2.5Vにしているのは、“2”データ書き込みより電子の注入量が少なくてよいからである。
【0108】
データ“0”が保持されているデータ回路に対応するメモリセルでは、チャネル電位と制御ゲートのVppの電位差が小さいため、実効的には浮遊ゲートに電子は注入されない。よって、メモリセルのしきい値は変動しない。書き込み中、信号SEN1,LAT1,SEN2,LAT2は“H”、信号SAC1は“L”、信号PRECは“H”、信号BLCN,BLCPはそれぞれ“H”,“L”、信号ERSBは“H”である。
【0109】
書き込み動作後、メモリセルのしきい値を検出する(書き込みベリファイ)。もし、所望のしきい値に達していれば、データ回路のデータを“0”に変更する。もし、所望のしきい値に達していなければ、データ回路のデータを保持して再度書き込み動作を行う。書き込み動作と書き込みベリファイは全ての選択されたメモリセルが所望のしきい値に達するまで繰り返される。
【0110】
図25を用いて、この書き込みベリファイ動作を説明する。まず、電圧VBLPが電源電圧Vcc(例えば5V)となって、ビット線は“H”レベルになる。同時に、信号BLCNが“L”、BLCPが“H”となって、ビット線とMOSキャパシタQd101は切り離される。信号PREが“L”となって、ビット線はフローティング状態になる。続いて、ワード線選択・駆動回路11によって選択されたブロックの選択された制御ゲートCG2は0.5V、非選択制御ゲートCG1,CG3,CG4と選択ゲートSG1,SG2はVccにされる。信号PRECが“L”となってMOSキャパシタQd101はVccに充電される。
【0111】
選択されたメモリセルのしきい値が0.5V以下なら、ビット線電圧は“L”となる。選択されたメモリセルのしきい値が0.5V以上なら、ビット線電圧は“H”のままとなる。この後、信号BLCNが例えばVcc以下の1.5Vとされる。nチャネルMOSトランジスタQn110 のしきい値が1Vの場合、もしビット線が0.5V以下ならnチャネルMOSトランジスタQn110は“ON”で、ノードN101は0.5V以下となる。もし、ビット線が0.5V以上ならnチャネルMOSトランジスタQn110は“OFF”で、ノードN101はVccに保たれる。
【0112】
再度、信号BLCNが“L”となって、ビット線BLとMOSキャパシタQd101は切り離される。信号VRFYBが“L”となると、“0”書き込みデータが保持されているデータ回路のみ、pチャネルMOSトランジスタQp103が“ON”であり、ノードN101はVccとなる。信号SAC2が1.5Vとなると、“2”書き込みデータが保持されているデータ回路のみ、ノードN101が0Vにされる。“1”書き込みデータが保持されているデータ回路では、0.5V以上のノードN101の電圧は変化しない。0.5V以下のノードN1の電圧は0.5Vまでは充電される。信号LAT1,SEN1が“L”となってフリップ・フロップFF1が非活性化された後、信号SAC1が“H”となる。再度、信号SEN1が“H”となり続いて信号LAT1が“H”となることで、ノードN101の電圧がセンスされラッチされる。
【0113】
これで、“1”書き込みデータを保持しているデータ回路のみ、対応するメモリセルのデータが十分“1”書き込み状態となったか否かを検出する。メモリセルのデータが“1”であれば、フリップ・フロップFF1でノードN101の電圧をセンスしラッチすることで書き込みデータは“0”に変更される。メモリセルのデータが“1”でなければ、フリップ・フロップFF1でノードN101の電圧をセンスしラッチすることで書き込みデータは“1”に保持される。“0”又は“2”書き込みデータを保持しているデータ回路の書き込みデータは変更されない。
【0114】
次に、選択された制御ゲートが3Vにされる。選択されたメモリセルのしきい値が3V以下なら、ビット線電圧は“L”となる。選択されたメモリセルのしきい値が3V以上なら、ビット線電圧は“H”のままとなる。この後、信号BLCNが例えばVcc以下の1.5Vとされる。nチャネルMOSトランジスタQn110のしきい値が1Vの場合、もしビット線が0.5V以下ならnチャネルMOSトランジスタQn110は“ON”で、ノードN101は0.5V以下となる。もし、ビット線が0.5V以上ならnチャネルMOSトランジスタQn110は“OFF”で、ノードN101はVccに保たれる。
【0115】
再度、信号BLCNが“L”となって、ビット線BLとMOSキャパシタQd101は切り離される。信号VRFYBが“L”となると、“0”書き込みデータが保持されているデータ回路のみ、pチャネルMOSトランジスタQp103が“ON”であり、ノードN101はVccとなる。信号LAT1,SEN1が“L”となってフリップ・フロップFF1が非活性化された後、信号SAC1が“H”となる。再度、信号SEN1が“H”となり続いて信号LAT1が“H”となることで、ノードN101の電圧がセンスされラッチされる。
【0116】
続いて、信号PROが“H”、電圧VBLMがVccとなる。“1”書き込みデータを保持しているデータ回路のみで、そのノードN101は“H”に変更される。信号LAT2,SEN2が“L”となってフリップ・フロップFF2が非活性化された後、信号SAC2が“H”となる。再度、信号SEN2が“H”となり続いて信号LAT2が“H”となることで、ノードN101の電圧がセンスされラッチされる。
【0117】
これで、“2”書き込みデータを保持しているデータ回路のみ、対応するメモリセルのデータが十分“2”書き込み状態となったか否かを検出する。メモリセルのデータが“2”であれば、フリップ・フロップFF1,FF2でノードN101の電圧をセンスしラッチすることで書き込みデータは“0”に変更される。メモリセルのデータが“2”でなければ、フリップ・フロップFF1,FF2でノードN101の電圧をセンスしラッチすることで書き込みデータは“2”に保持される。“0”又は“1”書き込みデータを保持しているデータ回路の書き込みデータは変更されない。
【0118】
書き込みベリファイ中、信号ERSBは“H”、電圧Vsは0Vとする。
【0119】
全ての選択されたメモリセルが所望のしきい値に達したか否かは、信号PENDを検出することで分る。全ての選択されたメモリセルが所望のしきい値に達していれば、書き込みデータが全て“0”となり、個々のデータ回路8-0,8-1,…,8-mのデータ検出用pチャネルMOSトランジスタQp101が全て“OFF”となる。電源電圧Vccから信号線PENDが切り離されたか否かを検出すると、全ての選択されたメモリセルが所望のしきい値に達したか否かが分る。書き込みベリファイ時の、データ回路のデータ変換則は前記(表4)の通りである。
【0120】
図24、25で説明したように、ベリファイしながら書き込みを行うことで、“1”データに対応するメモリセルのしきい値はベリファイ参照電圧の0.5V以上で2V以下、“2”データに対応するメモリセルのしきい値はベリファイ参照電圧の3V以上でVcc以下に制御される。図23で説明したように、読み出し時の参照電圧は、0Vと2Vであるから、“1”データのしきい値マージンは0.5V、“2”データのしきい値マージンは1.0Vとされる。“0”データに対応するしきい値は0V以下である。これは消去状態と同じである。
【0121】
(変形例)
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。実施形態ではEEPROMを例に説明したが、本発明はEPROMでも同様に実施できる。また、NAND型メモリセルを用いて説明したが、種々様々なメモリセルでも同様に実施できる。
【0122】
NAND型メモリセルを用いた説明では、読み出し時の参照電位と書き込みベリファイ時の参照電位を制御することでしきい値マージンを確保した。セル電流マージンを確保する場合は、読み出し参照電流とベリファイ時の参照電流を制御することで実施できる。また、実施形態では3値或いは4値記憶を例に説明したが、何値でも同様に実施できる。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
【0123】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、多値記憶可能なメモリセルにおいて、一時記憶のためのn値記憶データ回路をn−1個の入力端子を有するn個の論理回路で構成することにより、メモリセル以外の制御回路面積の増大を抑えることができる。また、これに加えて、電荷量マージンを電荷量が多いほど多く設定することにより、書き込み時間や書き込み電圧の増加を抑えつつ、信頼性の高いEEPROMを実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態におけるメモリセルの構成を示す断面図。
【図2】第1の実施形態におけるメモリセルのデータ保持特性を示す図。
【図3】従来のメモリセルのしきい値分布を示す図。
【図4】第1の実施形態におけるメモリセルのしきい値分布を示す図。
【図5】第1の実施形態におけるメモリセルのセル電流分布を示す図。
【図6】第1の実施形態におけるメモリセルのデータ保持特性を示す図。
【図7】第1の実施形態におけるメモリセルのしきい値分布を示す図。
【図8】第1の実施形態におけるメモリセルのセル電流分布を示す図。
【図9】第1の実施形態に係わるEEPROMの構成を示すブロック図。
【図10】第1の実施形態におけるEEPROMの構造を示す断面図。
【図11】第1の実施形態におけるメモリセルアレイの回路構成を示す図。
【図12】第1の実施形態におけるデータ回路の具体的な構成を示す図。
【図13】第1の実施形態におけるデータ読み出し動作を示すタイミング図。
【図14】第1の実施形態におけるデータ書き込み動作を示すタイミング図。
【図15】第1の実施形態における書き込みベリファイ動作を示すタイミング図。
【図16】第1の実施形態における多値記憶データラッチ回路の変形例を示す図。
【図17】従来のデータラッチ回路を示す図。
【図18】従来のデータラッチ回路の構成を示す図。
【図19】第1の実施形態における多値記憶データラッチ回路の構成を示す図。
【図20】第1の実施形態におけるセルウェル制御回路の具体的な構成を示す図。
【図21】第1の実施形態におけるセルウェル制御回路の動作を示すタイミング図。
【図22】第2の実施形態におけるデータ回路の具体的な構成を示す図。
【図23】第2の実施形態におけるデータ読み出し動作を示すタイミング図。
【図24】第2の実施形態におけるデータ書き込み動作を示すタイミング図。
【図25】第2の実施形態における書き込みベリファイ動作を示すタイミング図。
【符号の説明】
1…p型半導体基板
2…n型拡散層
3…絶縁膜
4…浮遊ゲート(電荷蓄積層)
5…ゲート絶縁膜
6…制御ゲート
7…メモリセルアレイ
8…データ回路
9…データ入出力バッファ
10…アドレスバッファ
11…ワード線選択・駆動回路
12…セルウェル制御回路
13…p型半導体基板
14…n型ウェル
15…p型ウェル
16…電圧リミッタ
M…メモリセル
SG…選択ゲート
CG…制御ゲート
BL…ビット線
Qn…nチャネルMOSトランジスタ
Qp…pチャネルMOSトランジスタ
Hn…高耐圧nチャネルMOSトランジスタ
Qd…ディプリーション型nチャネルMOSトランジスタ
CI…クロック同期式インバータ
FF…フリップ・フロップ
Claims (12)
- 多値(n(≧3)値)データ記憶可能な電荷蓄積部を有するメモリセルと、書き込みデータを一時的に記憶するデータ回路を備え、前記データ回路はn−1個の入力端子を有するn個の論理回路から構成されることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
- 前記n−1個の入力端子を有するn個の論理回路は、それぞれの出力端子が他のn−1個の各前記論理回路のn−1個の入力端の中の1つの入力端子に互いに接続されてデータ回路を構成することを特徴とする請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。
- 多値(n(≧3)値)データ記憶可能な電荷蓄積部を有するメモリセルと、前記メモリセルに記憶されたデータを読み出すセンス回路と、前記センス回路で読み出されたデータを一時的に記憶するデータ回路を備え、
前記センス回路は読み出しデータの値に応じてオン・オフするn−1個のスイッチ回路から構成され、前記データ回路はn−1個の入力端子を有するn個の論理回路から構成されることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。 - 前記n−1個のスイッチ回路は、それぞれ異なるセンス信号が入力される第1のMOSトランジスタと前記読み出しデータが入力される第2のMOSトランジスタとを直列接続してセンス回路を構成し、前記n−1個の入力端子を有するn個の論理回路は、それぞれの出力端子が他のn−1個の各前記論理回路のn−1個の入力端の中の1つの入力端子に互いに接続されてデータ回路を構成することを特徴とする請求項3記載の不揮発性半導体記憶装置。
- 多値(n(≧3)値)データ記憶可能な電荷蓄積部を有する複数のメモリセルから構成されるメモリセルアレイと、複数のビット線と、複数のワード線と、複数のプログラム制御回路とを備え、
前記複数のプログラム制御回路は、それぞれ対応する前記メモリセルに印加される書き込み電圧を決める書き込み制御データを保持し、前記保持された書き込み制御データに従ってそれぞれ対応する前記メモリセルに前記書き込み電圧を同時に印加し、前記メモリセルの書き込み状態を検出し、書き込み不十分な前記メモリセルのみ予め決められた書き込み状態にするように前記書き込み電圧が印加されるように、前記メモリセルの書き込み状態と前記書き込み制御データから予め決められた論理関係に従って、保持されている前記書き込み制御データを選択的に変更し、
かつ前記各プログラム制御回路は前記書き込み制御データを保持するためのデータ回路を備え、該データ回路はn−1個の入力端子を有するn個の論理回路から構成されることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。 - 前記n−1個の入力端子を有するn個の論理回路は、それぞれの出力端子が他のn−1個の各前記論理回路のn−1個の入力端の中の1つの入力端子に互いに接続されて前記データ回路を構成することを特徴とする請求項5記載の不揮発性半導体記憶装置。
- 前記プログラム制御回路は、前記ビット線の信号に従って前記データ回路に保持されている前記書き込み制御データを変更するためのセンス回路を備えることを特徴とする請求項6記載の不揮発性半導体記憶装置。
- 前記プログラム制御回路は、前記ビット線の信号に従って前記データ回路に保持されているデータを変更するため、前記ビット線の信号に従ってオン・オフするn−1個のスイッチ回路を備え、各々のスイッチ回路はそれぞれ異なるセンス信号が入力される第1のスイッチ素子と前記ビット線の信号が入力される第2のスイッチ素子を直列接続してなることを特徴とする請求項6記載の不揮発性半導体記憶装置。
- 多値(n(≧3)値)データ記憶可能な電荷蓄積部を有する複数のメモリセルから構成されるメモリセルアレイと、複数のビット線と、複数のワード線と、複数のプログラム制御回路と、複数のデータ回路とを備え、
前記複数のプログラム制御回路は、前記メモリセルを選択し、前記選択したメモリセルに書き込み電圧を印加し、
前記複数のデータ回路は、前記プログラム制御回路によって選択されたそれぞれ対応する前記メモリセルに印加される書き込み制御電圧を制御する第1,2,…,nの論理レベルの書き込み制御データを保持し、前記書き込み制御電圧をそれぞれ対応する前記メモリセルに印加し、前記第1以外の論理レベルの書き込み制御データを保持している前記データ回路に対応する前記メモリセルの書き込み状態のみ選択的に検出し、予め決められた書き込み状態に達したメモリセルに対応する前記データ回路の前記書き込み制御データの論理レベルを前記第1の論理レベルに変更し、予め決められた書き込み状態に達していないメモリセルに対応する前記データ回路の前記書き込み制御データの論理レベルを保持し、前記第1の論理レベルの書き込み制御データを保持している前記データ回路の書き込み制御データの論理レベルを前記第1の論理レベルに保持し、
かつ前記各データ回路はn−1個の入力端子を有するn個の論理回路から構成されるデータ保持回路を備えることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。 - 前記n−1個の入力端子を有するn個の論理回路は、それぞれの出力端子が他のn−1個の各前記論理回路のn−1個の入力端の中の1つの入力端子に互いに接続されて前記データ保持回路を構成することを特徴とする請求項9記載の不揮発性半導体記憶装置。
- 前記データ回路は、さらに前記ビット線の信号に従って前記データ保持回路に保持されている前記書き込み制御データの論理レベルを変更するためのセンス回路を備えることを特徴とする請求項10記載の不揮発性半導体記憶装置。
- 前記データ回路は、前記ビット線の信号に従って前記データ保持回路に保持されているデータを変更するため、前記ビット線の信号に従ってオン・オフするn−1個のスイッチ回路を備え、各々のスイッチ回路はそれぞれ異なるセンス信号が入力される第1のスイッチ素子と前記ビット線の信号が入力される第2のスイッチ素子を直列接続してなることを特徴とする請求項10記載の不揮発性半導体記憶装置。
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