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JP3721797B2 - 車両用制動制御装置 - Google Patents
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JP3721797B2 - 車両用制動制御装置 - Google Patents

車両用制動制御装置

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用制動制御装置に係り、詳しくは、ステアリングホイールに設けたスイッチの操作にて車両の制動力を制御するようにした車両用制動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ブレーキペダルの操作量を制動油圧系のマスタシリンダのピストン軸に伝えるような構成に加えて、ステアリングホイールに設けられたスイッチの操作量に対応した量だけ当該マスタシリンダのピストン軸を独立して作動させるようにした制動装置が提案されている(特開平9−58426)。このような制動装置によれば、車両走行時において急制動を行う場合、アクセルペダルからブレーキペダルに踏み替える間、ステアリングホイールに設けられたスイッチを即座に操作することによって、アクセルペダルからブレーキペダルに踏み替える間の制動を補うことができる(プレブレーキ)。その結果、急制動時の車両空走距離を短縮することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、ステアリングホイールに設けられたスイッチ操作による制動を急制動時の車両空走距離短縮のために利用することを考慮すると、そのスイッチは、ステアリングホイールの運転者が常時握る位置あるいはその近傍に設けることが好ましい。しかし、このような位置にスイッチを設けると、通常の運転操作時に誤ってスイッチを操作してしまうおそれがある。
【0004】
上述した従来の制動装置は、スイッチ操作に基づく電気信号にて駆動されるモータにて、ブレーキペダルの場合と同様に、マスタシリンダのピストン軸を直接動かす機構となっている。このように特に制限なくマスタシリンダを直接動かすようになっているため、運転操作中に誤ってスイッチを操作した場合に、より大きな制動力が発生して、ドライバビリティが悪化してしまう可能性がある。
【0005】
そこで、本発明の課題は、ステアリングホイールに設けたスイッチの操作に基づいて車両の制動力を制御するようにした車両制動制御装置において、誤ってスイッチ操作を行ってもできるだけドライバビリティの悪化を抑えることができるような車両用制動制御装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、請求項1に記載されるように、ステアリングホイールに設けられた操作体の操作及びブレーキペダルの操作に基づいて車両の制動系にて発生する制動力を制御するようにした車両用制動制御装置において、当該操作体の操作に基づいて発生しうる制動力をブレーキペダルの操作によって当該制動系にて発生しうる最大制動力より小さい所定の上限値に制限する制動力制限手段と、上記所定の上限値を上記最大制動力より小さい範囲内で上記操作体の操作開始から時間の経過と共に増加させる上限値制御手段と、を有するように構成される。
【0007】
このような制動制御装置では、車両の運転操作中(ステアリングホイールの操作中)に誤って操作体(例えば、スイッチ)を操作しても、制動系にて発生しうる最大制動力までは発生せずに、高々、その最大制動力より小さい上限値までしか制動力として発生しない。
制動力が当該上限値まで発生するのは、操作体を所定の状態(例えば、最大量の操作や最大力での操作等)にて操作する場合である。運転操作中に誤って操作体をそのような所定の状態での操作することはまれである。従って、実際に誤って操作体を操作してしまった場合に発生する制動力は、その上限値より更に小さい値である。この場合、操作体の操作に基づいて発生しうる制動力の上限値がその制動系での最大制動力より小さくなった分、操作体を誤って操作してしまったときに実際に発生する制動力も従来の場合より小さいものとなる。
【0009】
また、このような車両用制動制御装置では、ステアリングホイールに設けられた操作体を操作を開始するとその操作体の操作に基づいて発生する制動力の上限値が上記最大制動力より小さい範囲内で時間とに増加する。従って、ブレーキペダルへの踏み替えが遅い場合であっても、操作体の操作を制動力の上限値が発生するような状態に保持することによって、実際に発生する制動力が次第に増大する。その結果、急制動時の車両空走距離の増大を極力低減させることができる。
【0010】
上記制動力の上限値を時間と共にステップ状に増加させるという観点から、本発明は、請求項に記載されるように、上記車両用制動制御装置において、上記上限値制御手段は、所定の時間毎に、上記所定の上限値を所定の値だけ増加させるステップ増加制御手段を有するように構成することができる
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。
図1は、車両の制動液圧(油圧)系の一例を示す図である。図1において、車両の前輪(FR、FL)には、それぞれ車輪制動用のホイルシリンダ25、26が設けられ、車両の後輪(RR、RL)にも、それぞれ車輪制動用のホイルシリンダ27、28が設けられている。ブレーキペダル10がマスタシリンダ11のピストン軸に連結され、ブレーキペダル10の踏み込み操作によってマスタシリンダ11からその踏み込み操作量に応じた液圧(マスタ圧)が発生するようになっている。
【0013】
マスタシリンダ11からの液圧がソレノイド弁12を介して右前輪(FR)のホイルシリンダ25に伝達し、また、マスタシリンダ11からの液圧がソレノイド弁13を介して左前輪(FL)のホイルシリンダ26に伝達している。上記各ソレノイド弁12、13は、正常な場合に遮断状態に保持されており、マスタシリンダ11からの液圧が両前輪の各ホイルシリンダ25、26に伝達しないようになっている。一方、各ソレノイド弁12、13は、システムの異状時(フェール時)に導通状態に切り換わり、マスタシリンダ11からの液圧が両前輪のホイルシリンダ25、26に伝達するようになっている。上記の構成により、システムのフェール時にブレーキペダル10の操作量に対応したマスタシリンダ11からの液圧によって両前輪FR、FLの制動が行われる。
【0014】
リザーバタンク16からの液圧がモータ18で作動するポンプ17及びアキュムレータ19によって昇圧され、その昇圧された液圧が、昇圧弁21aを介して右前輪FRのホイルシリンダ25に、昇圧弁22aを介して左前輪FLのホイルシリンダ26に、昇圧弁23aを介して右後輪RRのホイルシリンダ27に、昇圧弁24aを介して左後輪RLのホイルシリンダ28にそれぞれ並列的に供給されている。また、各ホイルシリンダ25、26、27、28には減圧弁21b、22b、23b、24が接続され、各ホイルシリンダ25、26、27、28の液圧が対応する減圧弁21b、22b、23b、24bを介してリザーバタンク16に戻されるようになっている。
【0015】
マスタシリンダ11からの液圧(マスタ圧)を検出するマスタ圧センサ30、ポンプ17からの液圧を検出するブレーキ圧センサ31及び各ホイルシリンダ25、26、27、28の液圧を検出するホイルシリンダ圧センサ32、33、34、35がそれぞれ制御ユニット(ECU)100に接続されている。更に、ブレーキペダル10の操作ストロークを検出するストロークセンサ40が制御ユニット100に接続されている。
【0016】
ステアリングホイール50の通常の握り位置には、制動スイッチ51が設けられている。この制動スイッチ51は運転者が指で操作するもので、指による操作力に応じた制御信号を発する。この制御信号は制御ユニット100に提供される。
制御ユニット100は、マスタ圧センサ30及びブレーキ圧センサ31にて検出されるマスタ圧及びブレーキ圧を常時監視している。また、制御ユニット100は、各ホイルシリンダ圧センサ32、33、34、35にて検出されるホイルシリンダ圧を監視しつつ、ストロークセンサ40にて検出されるブレーキペダル11の操作ストロークに応じた制動力が発生するように、各ホイールシリンダ25、26、27、28に接続された昇圧弁21a、22a、23a、24a及び減圧弁21b、22b、23b、24bの開閉制御を行う。
【0017】
更に、制御ユニット100は、ステアリングホイール50に設けた制動スイッチ51からの制御信号に対応した制動力が発生するように、各ホイールシリンダ25、26、27、28に接続された昇圧弁21a、22a、23a、24a及び減圧弁21b、22b、23b、24bの開閉制御を行う。具体的には、制動スイッチ51は、例えば、その操作力(操作量でもよい)に対応したレベルの制御信号を出力するようになっており、制動スイッチ51がある操作力にて(操作量だけ)操作されると、その操作力(操作量)に対応したレベルの制御信号が制動スイッチ51から出力される。そして、制御ユニット100は、その制動スイッチ51からの制御信号レベルに基づいて上記昇圧弁、減圧弁の開閉制御を行う。
【0018】
なお、図1において、ストロークシュミレータ15は、運転者のブレーキペダル10の操作に対して適度な反発力を発生し、剛性感等、操作フィーリングを向上させるためのものである。
制御ユニット(ECU)100は、例えば、図2に示す手順に従って、制動制御(各ホイールシリンダに接続された昇圧弁、減圧弁の開閉制御)に係る処理を実行している。
【0019】
運転者のブレーキペダル10の操作による通常の制動操作時は、次のような処理が行われる。
図2において、処理が開始されると、まず、制動スイッチ51の操作がなされているか否かが判定される(S1)。ここで、制動スイッチ51の操作がなされていないと判定されると、ブレーキペダル10の操作量を検出するストロークセンサ40からの検出信号に対応した制動圧PF が目標制御圧PTOTAL として設定される(S4)。そして、制御ユニット100は、各ホイールシリンダ圧センサ32、33、34、35からの検出信号を監視しつつ、上記目標制御圧PTOTAL が得られるように、各昇圧弁21a、22a、23a、24a及び減圧弁21b、22b、23b、24bの開閉制御を行う(S8)。運転者がブレーキペダル10の操作をやめてストークセンサ40の検出信号がオフ状態となるまで(S9、S10)、上述したようなブレーキペダル10の操作量(ストローク)に応じた制動圧PF が発生するような制動制御が行われる。
【0020】
また、急制動時に、運転者が即座にステアリングホイール50に設けた制動スイッチ51を操作した後に、アクセルペダルからブレーキペダル10に踏み替えた場合、次のような処理が行われる。
制動スイッチ51が操作されたと判定されると(S1、YES)、制動スイッチ51からの制御信号に基づいて定められる制動圧PH が予め定めた上限値PHMAXより小さいか否かが判定される(S2)。この制動スイッチ51の操作に基づいた制動圧の上限値PHMAXは、通常の運転時に誤って制動スイッチ51を操作しても、車両のドライバビリティにほとんど影響を及ぼさない程度の減速度(例えば、0.2G)しか発生しない値に設定される。
【0021】
制動スイッチ51の操作直後は、その操作に基づく制動圧PH はまだ上限値PHMAXに達していないので(S2、YES)、その制動スイッチ51の操作に基づいた制動圧PH が制御すべき目標制動圧PTOTAL として設定される(S5)。そして、ストロークセンサ40からの検出信号がオンされたか(ブレーキペダル10の操作がなされたか)否かが判定され(S6)、まだ、ストロークセンサ40からの検出信号がまだオフ状態であれば、上記のように目標制動圧PTOTAL として設定された制動スイッチ51の操作に基づいた制動圧PH が発生するように制動制御が行われる(S8)。その後、制動スイッチ51がオフされたか否かが判定される(S9)。
【0022】
制動スイッチ51の操作が継続され、その操作力(操作量)が上昇し、それに伴って制動圧PH が上昇する(S1、S2、S5、S6、S8、S9の繰り返し)。その結果、例えば、図3の特性QH に示すように、車両の減速度が時間と共に増してゆく。その過程で、アクセルペダルからブレーキペダル10への踏み替えが行われると(図3における踏み替え時間τ1 後)、ストロークセンサ40からの検出信号がオンされて、ブレーキペダル10の操作開始が判定される(S6、YES)。すると、制動スイッチ51からの制御信号に基づいて定まる制動圧PH とストロークセンサ40からのブレーキペダル10の操作量(ストローク)に対応した検出信号にて定まる制動圧PF のうち大きいほうの値MAX(PH 、PF )が制御目標値PTOTAL として設定される(S7)。
【0023】
ブレーキペダル10への踏み替え直後においては、まだ、制動スイッチ51の操作に基づいた制動圧PH のほうがブレーキペダル10の操作量に基づいた制動圧PF より大きいので、制動スイッチ51の操作に基づいた制動圧PH での制動制御が継続される(S8)。
ブレーキペダル10の急激な操作により、その操作量に基づいた制動圧PF が例えば、図3の時刻t1 において、制動スイッチ51の操作に基づいた制動圧PH を超えると、値MAX(PH 、PF )がブレーキペダル10の操作量に基づいた制動圧PF となり、その制動圧PF が目標制動圧PTOTAL として設定される(S7)。その結果、以後、ブレーキペダル10の操作量に基づいた制動圧PF での制動制御が行われ、例えば、図3の特性QF に示すように、車両の減速度がブレーキペダル10の操作量に応じて急激に上昇する。そして、そのまま車両停止に至る。
【0024】
一方、運転者のアクセルペダルからブレーキペダル10への踏み替えが比較的遅い場合、次のような制動制御が行われる。
制動スイッチ51の操作に基づいた制動圧PH での制動制御が行われている過程で、ストロークセンサ40からの検出信号がオンになったことよってブレーキペダル10操作の開始されたことが判定されても(S6、YES)、上記と同様に、ブレーキペダル10の操作量に基づいた制動圧PF が制動スイッチ51の操作に基づいた制動圧PH に達するまで、その制動スイッチ51の操作に基づいた制動圧PH での制動制御が継続される。そして、ブレーキペダル10への踏み替えの遅れにより、制動スイッチ51の操作に基づいた制動圧PH が上限値PHMAXに達すると(S2、NO)、制動圧PH がその上限値PHMAXに制限される(S3)。そして、その上限値PHMAXに制限された制動圧PH 、が目標制動圧PTOTAL として設定される(S5)。
【0025】
この上限値PHMAXがブレーキペダル10の操作量に基づいた制動圧PF より大きい状態では、その上限値PHMAXでの制動制御が行われる(S7)。その結果、車両は、その制動圧の上限値PHMAXに対応した減速度GHMAX(例えば、0.2G)にて減速してゆく。その過程で、例えば、図4の時刻t2 において、ブレーキペダル10の操作量に基づいた制動圧PF が上記上限値PHMAXを超えると、その制動圧PF が目標制動圧PTOTAL として設定される(S7)。その結果、以後、ブレーキペダル10の操作量に基づいた制動圧PF での制動制御が行われ、例えば、図4の特性QF に示すように、車両の減速度がブレーキペダル10の操作量に応じて急激に上昇する。そして、そのまま車両停止に至る。
【0026】
車両が停車に至り、制動スイッチ51がオフされ(S9、YES)、ストロークセンサ40の検出信号のオフによりブレーキペダル10の操作終了が判定されると(S10、YES)、当該制動制御が終了される。
次に、制御ユニット100が実行する制動制御の他の例を説明する。
急制動時にアクセルペダルからブレーキペダル10への踏み替えに要する時間(反応時間)は、個人差がある。そして、反応時間が長くなると、車両空走距離も延びる。そこで、以下に説明する制動制御では、反応時間が長くなったとしても、その車両空走距離の増加をできるだけ低減できるようにしている。
【0027】
制御ユニット100は、例えば、図5及び図6に示す手順に従って処理を実行する。
図5において、処理が開始されると、前述した例と同様に、まず、制動スイッチ51のオン操作がなされたか否かが判定される(S21)。そして、その制動スイッチ51のオン操作がなされていない場合、ブレーキペダル10の操作量で決まる制動圧PF での制動制御(上昇弁21a、22a、23a、24a及び減圧弁21b、22b、23b、24bの制御)がおこなわれる(S32、図6におけるS35、S36、S37、S38、図5におけるS21の繰り返し)。
【0028】
一方、急制動時に運転者が制動スイッチ51を操作すると(S21、YES)、制御ユニット100の内部タイマTがオンされているか否かが判定され(S22)、まだ、オンされていない場合は、そのタイマTがスタートされると共に(S23)、変数nの初期設定(n=1)がなされる(S24)。そして、スタートされたタイマTが所定値n・t0 (n=1であるので所定値t0 )以上であるか否かが判定される(S25)。タイマTが所定値to にまだ達していなければ、更に、制動スイッチ51の操作に基づいた制動圧PH が上限値PHMAX以下であるか否かが判定される(S29)。そして、その制動圧PH が上限値PHMAXに達していなければ、その操作スイッチ51の操作に基づいた制動圧PH が目標制動力PTOTAL として設定される(S31)。その結果、この制動スイッチ51の操作に基づいた制動圧PH での制動制御が実行される(図6におけるS33、S35、S36及び図5におけるS21、S22、S25、S29、S31の繰り返し)。
【0029】
上記の過程で、タイマTが所定値t0 に達したと判定されると(S25、YES)、更に、上限値PHMAXが最大値PMAXOに達したか否かが判定される(S26)。そして、上限値PHMAXが、まだ、最大値PMAXOに達していない場合は、上記上限値PHMAXがδだけ増加され(PHMAX=PHMAX+δ)(S27)、更に、変数nが+1だけ増加される(n=n+1=2)(S28)。以後、同様に、制動スイッチ51の操作に基づいた制動圧PH が上限値PHMAXを超えていないという条件のもとで、その制動圧PH での制動制御が継続される。
【0030】
また、制動スイッチ51の操作に基づいた制動圧PH が上限値PHMAXに達すると(S29、NO)、その上限値PHMAXが目標制動圧PTOTAL (S30、S31)として設定される。その結果、以後、上記上限値PHMAXでの制動制御が行われる。
上記のような制御の過程において、タイマTが時間t0 経過する毎に、上記上限値PHMAXがδずつ増加される(PHMAX=PHMAX+δ)(S25、S26、S27、S28)。その結果、制動スイッチ51の操作に基づく制動圧の上限値にて得られるべき車両の減速度Gが、例えば、図7に示すように、初期値G0 から時間t0 毎に、制動圧の増量δに対応したΔずつ増加していく。このような状況において、制動スイッチ51の操作に基づいた制動圧の増加速度が早く、ステップ状に増加する上限値を超えると、制動スイッチ51の操作に基づいた制動特性は、例えば、図7の特性QH (実線)に示すように、その上限値の変化と共に減速度が増加するように変化する。
【0031】
制動スイッチ51による上記のような特性QH での制動制御がなされている過程で、アクセルペダルからブレーキペダル10への踏み替えが行われると(図8における反応時間τ1 に対応)、制御ユニット100は、ストロークセンサ40からの検出信号がオンされたことを判定する(S33、YES)。すると、上記のようにして決まる制動スイッチ51の操作に基づく制動圧PH と上限値PHMAXのいずれか小さいほう(PH として設定される)とブレーキペダル10の操作量(ストロークセンサ40の検出値)に基づいた制動圧PF のうちの大きい方MAX(PH 、PF )が目標制動圧PTOTAL として設定される(S34)。そして、その目標制動圧PTOTAL での制動制御が行われる(S35)。
ブレーキペダル10の操作開始直後は、制動スイッチ51の操作に基づく制動圧PH または上記のようにステップ状に変化する上限値PHMAXよりブレーキペダル10の操作量基づいた制動圧PF が小さいことから、上記制動スイッチ51の操作に基づく制動圧PH または上限値PHMAXでの制動制御が行われる。この状態で、ブレーキペダル10の急激な操作により、その操作量に基づいた制動圧PF が例えば、図8の時刻t1 において、制動スイッチ51の操作に基づいた制動圧PH の上限値PHMAX(減速度G0 +2Δに対応)を超えると、値MAX(PH 、PF )がブレーキペダル10の操作量に基づいた制動圧PF となり、その制動圧PF が目標制動圧PTOTAL として設定される(S34)。その結果、以後、ブレーキペダル10の操作量に基づいた制動圧PF での制動制御が行われ(S35)、例えば、図8の特性QF に示すように、車両の減速度がブレーキペダル10の操作量に応じて急激に上昇する。そして、そのまま車両停止に至る。
【0032】
一方、運転者のアクセルペダルからブレーキペダル10への踏み替えが比較的遅い場合(図9における反応時間τ2 に対応)、次のような制動制御が行われる。
制動スイッチ51の操作に基づいた制動圧PH での制動制御が行われている過程で、ストロークセンサ40の検出信号がオンになったことによってブレーキペダル10操作の開始されたことが判定されても(S33、YES)、上記と同様に、ブレーキペダル10の操作量に基づいた制動圧PF が制動スイッチ51の操作に基づいた制動圧PH またはその上限値PHMAXに達するまで、その制動スイッチ51の操に基づいた制動圧PH または上限値PHMAXでの制動制御が継続される。
【0033】
その過程で、例えば、図9に示す時刻t2 において、ブレーキペダル10の操作量に基づいた制動圧PF が上限値PHMAX(減速度G0 +3Δに対応)を超えると、そのときの制動圧PF が目標制動圧PTOTAL として設定される(S34)。その結果、以後、ブレーキペダル10の操作量に基づいた制動圧PF での制動制御が行われ、例えば、図9の特性QF に示すように、車両の減速度がブレーキペダル10の操作量に応じて急激に上昇する(S35)。そして、そのまま車両停止に至る。
【0034】
車両が停車に至り、制動スイッチ51がオフされ(S36、YES)、上記タイマTがリセットされる(S37)。そして、更に、ストロークセンサ40からの検出信号のオフによりブレーキペダル10の操作終了が判定されると(S38、YES)、当該制動制御が終了される。
なお、図5、図6に示す手順に従った処理において、ステップ状に増加する上限値PHMAXが最大値PMAXOに達すると(S26、YES)、その上限値は、それ以上増加されることはない。
【0035】
上述した例によれば、急制動時にアクセルペダルからブレーキペダル10に踏み替えるための反応時間が長くなっても、制動スイッチ51を即座に操作することにより、その制動スイッチ51の操作に基づく制動圧PH の上限値PHMAXが、時間と共に増加するので、ブレーキペダル10の操作量に基づいた制動圧PF がその増大する上限値PHMAXに追いつくまで、実際の制動圧が増大する。従って、反応時間が長くなることに起因した車両空走距離の増大を極力低減することができる。
【0036】
なお、上記例において、ステップ状に変化する上限値PHMAXの初期値(最大値PMAXO)に対応した減速度G0 は、例えば、0.1G程度に設定され、Δずつステップ状に増加する減速度G0 +iΔは、所定の上限値、例えば、第一の例における上限値GHMAX(例えば、0.2G)に制限される。
【0037】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1及び2に記載される発明によれば、操作体(制動スイッチ51)の操作に基づいて発生しうる制動力を当該制動系に発生しうる最大制動力より小さい所定値に制限するようにしたため、誤ってその操作の操作を行っても大きな制動力の発生を防止することができ、車両の挙動変動を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】制動系の構造の一例を示す図である。
【図2】制御ユニットでの処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】図2に示す手順にて行われる制動制御の状態の一例を示す図である。
【図4】図2に示す手順にて行われる制動制御の状態の他の例を示す図である。
【図5】制御ユニットでの処理の手順の他の例を示すフローチャートである(その1)。
【図6】制御ユニットでの処理の手順の他の例を示すフローチャートである(その2)。
【図7】図5及び図6に示す手順にて行われる制御スイッチの操作に基づいた制動制御の状態の例を示す図である。
【図8】図5及び図6に示す手順にて行われる制動制御の状態の一例を示す図である。
【図9】図5及び図6に示す手順にて行われる制動制御の状態の他の例を示す図である。
【符号の説明】
10 ブレーキペダル
11 マスタシリンダ
21a、22a、23a、24a 昇圧弁
21b、22b、23b、24b 減圧弁
25、26、27、28 ホイルシリンダ
32、33、34、25 ホイルシリンダ圧センサ
50 ステアリングホイール
51 制動スイッチ
100 制御ユニット

Claims (2)

  1. ステアリングホイールに設けられた操作体の操作及びブレーキペダルの操作に基づいて車両の制動系にて発生する制動力を制御するようにした車両用制動制御装置において、
    当該操作体の操作に基づいて発生しうる制動力をブレーキペダルの操作によって当該制動系にて発生しうる最大制動力より小さい所定の上限値に制限する制動力制限手段と、
    前記所定の上限値を前記最大制動力より小さい範囲内で前記操作体の操作開始から時間の経過と共に増加させる上限値制御手段と、を有することを特徴とする車両用制動制御装置。
  2. 請求項1記載の車両用制動制御装置において、
    前記上限値制御手段は、所定の時間毎に、前記所定の上限値を所定の値だけ増加させるステップ増加制御手段を有する、ことを特徴とする車両用制動制御装置。
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