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JP3723596B2 - 処理種子 - Google Patents
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、常套の始働(primed)種子と比較して長い貯蔵寿命を有する処理始働種子、そのような種子を得る方法およびそれ由来の植物に関する。
【0002】
【従来の技術】
始働種子およびそれらを得る方法は当分野で既知である。始働種子は、未始働種子と比較して、一般に速い発芽および発芽時の良好な同調性を示す。既知の種子始働法は、欧州特許第309511B1号および欧州特許第254569B1号に記載されている。
【0003】
【発明の構成】
本発明は始働種子を水ストレス、熱処理またはそれらの組み合わせ処理に付し、その後必要に応じて所望の水分含量(MC)までドライ・バック(dry back)させることを特徴とする、所望により常套法によりドライ・バックさせた実質的に同じMCを有する同種の始働種子と比較して貯蔵寿命の延長をもたらす、始働種子の処理方法を提供する。
【0004】
上記のような種子のドライ・バックは、種子MCの減少を含むものであって、ドライ・バックは任意の所望のMCまでなし得るが、好ましい態様において未処理種子、即ち始働していない乾燥種子のMCまでである。
以後、「MC」および「水分含量」の語を同義に使用するが、MCは特記しない限り生種子重量に基づいて%で表す。
【0005】
水ストレスは、より低いMCを有する種子をもたらすであろう当分野で既知の任意の方法でなし得る。
一般に水ストレスは、常套法で始働させた種子のMCを5%単位またはそれ以上、即ち既知の始働種子が当初MC25%を有する場合、20%またはそれ以下に減少させ、既知の始働種子が当初MC55%を有する場合、50%またはそれ以下に減少させて得られる。更に具体的には、水ストレスは一般にMCを5〜20%単位減少させて得られ、それにより一般にMCの値が15%より少なくならないことが有利である。
【0006】
水ストレスは、とりわけ温度に依存して長時間、一般に1〜7日維持されるべきであり、最適条件は種子の種に依存し、標準試験により決定できる。これは常套法で始働させた種子のMCをその所望の減少レベル(便宜的には既知の始働種子のMCより5から20%単位低いレベル)に一定に維持するか、または既知の始働種子を水ストレス下で十分に長期間生き残るようにゆっくり乾燥させることにより達成されることは認められるであろう。
【0007】
従って、延長した貯蔵寿命は、水ストレスを誘導する水ポテンシャルで始働種子をインキュベーションすることにより達成され得る。当該水ストレスの誘導は、始働種子のMCをゆっくりと減少させることにより、または始動種子がなお水ストレスに付されているMCまで初めに迅速なMC減少を行い、次いでここに得られた部分的に乾燥された始働種子をインキュベーションするかまたはゆっくりとしたMC減少を行うことにより、または熱ショックを行うことにより達成することが出来る。遅い、すなわちゆっくりとしたMC減少は、自体常套の方法により、例えば緩和な条件下で乾燥するか、または始働種子をそれに対して毒性を示さない、0MPa以下の水ポテンシャルを有する浸透物質と接触させることにより、達成することができる。以下の工程(a)、(b)および(c)の記載は、始働種子を水ストレスに付する典型的な条件を説明するものである。
【0008】
水ストレスは:
a)始働種子を3から40℃の温度で3から7日間ゆっくり乾燥する、または
b)始働種子のMCを、常套の乾燥条件下5から20%単位まで減少させ、このように乾燥させた種子を1から7日間最少空気および水分交換容器内で、3から40℃に保存する、または
c)始働種子のMCを5から20%単位減少させるために選択した水ポテンシャルで浸透物質中で1から7日間インキュベーションする
ことにより達成し得る。
【0009】
熱処理は、始働種子を25から45℃の範囲で、約1から5時間熱ショックに付することにより、達成し得る。
【0010】
本発明の方法により製造された種子は、常套法で始働させた種子と比較して、大きい乾燥耐性胚を有し、後記の環境保存条件下で長い保存期間生き残る。
【0011】
乾燥耐性胚を有する種子は、脱水種子に典型的な値、例えば約5〜7%までの種子のMCの減少が、実質的に種子の生存率に不利に働かない種子を意味し、生存率は、好適な成育条件下に置いた場合、または、環境保存条件で持続保存期間の前または後の好適な標準試験、例えば制御低下試験(後記参照)の後の発芽の能力に関して測定する。
【0012】
種子の胚は、子葉、軸および非突出幼根頂端のような種子の発育に必要な重要な構造から成り、集合的にまたは部分的に乾燥耐性を獲得することが可能である。
【0013】
始働種子は数週間約5℃で保存できるが、環境保存条件下で長期間保存するには不適である。
【0014】
始働種子の語は(特記しない限り)、種子が後記のような常套の始働技術に付され、20から55%(種に依存)のMCを有し、常套の始働種子に典型的な乾燥耐性を有すること意味する。全未始働種子が乾燥耐性、即ち乾燥して生存することができ、乾燥耐性の程度は種依存性であることは認められるであろう。常套の方法による始働において、種子は低乾燥耐性となり(この乾燥耐性の喪失は始働の期間の増加とともに増加する)、種子は種子がもはや乾燥耐性であると言えなくなるまで低乾燥耐性となり、この乾燥耐性の完全な損失は種子の発芽の時点でおこる。後記のような本発明の方法は、常套の始働法で始働した未発芽種子に適用される。未発芽種子は、本明細書では幼根および/または胚軸が種子殻または果皮から突出または出現していない種子と定義する。幼根および/または胚軸は、種子殻の中裂またはひび割れの原因となり得るが、それは中裂またはひび割れから突出しない。胚の回りの内乳は、中裂またはひび割れを通して見ることができる。本発明の方法を適用した未発芽既知の始働種子は、以後処理種子と呼ぶ。本発明の方法を適用していない未発芽既知の始働種子は以後常套法で始働させた種子と呼ぶ。始働していない商業的に許容される種子は、未処理種子と呼ぶ。
【0015】
発芽工程の段階を、物理的因子、例えば大きさ、容量または密度により測定することもまた可能である。本方法により、本発明で処理すべき種子の選択をすることができる。
【0016】
従って、下記に記載のように、処理種子は同じ種およびMCの既知の始働種子と比較して長い貯蔵寿命を有する。長い貯蔵寿命は、制御低下試験、または環境条件下での保存の後、同じまたは類似の条件、例えば標準成育条件(下記に定義)下での発芽%を測定することにより示すことができる;処理種子は、同様の制御低下試験または保存条件下に付した既知の始働種子と比較して、正常植物の高い発芽%を有する。
【0017】
標準成育条件は、空気および水の存在下で15から20℃の範囲の温度を意味する。
【0018】
本明細書で使用の貯蔵寿命の語は、生存率として(即ち、環境保存条件下で保存後、例えば、制御低下(CD)試験(ターキス、エー・エムおよびブラッドフォールド・ケー・ジェー、Exptal.Bot.、43巻、1982、248号、307−317頁)に付した後、発芽し、正常植物を発生する能力として)表す。CD試験に付した種子の生存率は、国際規約(ISTA、1976)による研究室試験で測定し得る。CD試験結果間の差は、環境保存条件下で保存した後の貯蔵寿命の差と一般に相関がある。
【0019】
常套の始働法の一般的な例は、種子を浸透物質(とりわけハイデッカーにより記載されているような、および例えばドラム・プライミング法(Drum Priming Method)のようなその変法、固体マトリックス(とりわけ欧州特許第309551B1号に記載のような)中の水による処理)で処理すること等を含む。
【0020】
“環境保存条件”は、環境温度および相対湿度(RH)で保存することを意味する。
本明細書で使用の“環境温度”の語は、約3℃から約25℃を意味する。“環境RH”の語は、約20%から約90%の範囲のRHを意味する。
【0021】
下記に記載のような本発明の方法(a)、(b)または(c)の適用が、種子MCの減少に含まれる。
【0022】
本発明の方法(a)は始働種子の遅い速度での水分損失を含む(以後、遅い乾燥と呼ぶ)。従って、始働種子を、水分損失の速度が約0.1種子乾燥重量%から1.0種子乾燥重量%時間-1、好ましくは約0.2種子乾燥重量%から約0.4種子乾燥重量%h-1の範囲に維持されるインキュベーション相に付する。遅い乾燥は、ドラム缶中で行い(ドラム缶始働)得、酸素化ガスまたは酸素を積極的に供給するか、空気を系中に、単に混合により挿入し得る(受動条件)。水分損失の速度は、インキュベーションの異なった時点で種子を秤量し、期間中の種子重量をプロットすることにより決定する。長い貯蔵寿命の導入に必要である水分損失の速度が、種により、上記定義の範囲内で変化することは認められるであろう。このような条件下に置かれた種子は、始働種子より低い、約5%から約20%、一般に約5%から約15%の間の最終MCを有するであろう。
【0023】
遅い乾燥において、種子は3℃から約40℃までの任意の温度でインキュベーションできる。好ましくは、種子を約20℃から約35℃の温度範囲でインキュベーションする。インキュベーション期間は、インキュベーション温度に依存して約24時間から約1週間またはそれ以上まで続く。従って、例えば、種子の型に依存して、温度が20℃でインキュベーション期間は24時間から約3日またはそれ以上であり、8℃のような低い温度では種に依存してまたは1週間またはそれ以上まであり得る。低温が、例えば病原菌への感染の危険性を少なくするために用いることができる。
【0024】
以後加湿度保存と呼ぶ方法(b)により、始働種子を始働種子の種子MCより少ない種子MCでインキュベーションする。従って始働種子のMCは、(常套の乾燥条件、例えば“速い乾燥条件”により)3から20%単位の間、好ましくは5%から15%単位の間、24時間より少ない時間、例えば8時間またはそれ以下で減少する。種子を乾燥する最少MC値は約15%である。その後、そのように乾燥した種子を、最少空気および水分交換の容器内で、温度およびインキュベーション期間は上記の遅い乾燥に従ってインキュベーションすることにより水ストレスに付する。
【0025】
上記(および下記)方法(b)に関して使用している既知の乾燥条件の語は、常套の乾燥条件、例えば当分野で既知で、一般に既知の始働種子の乾燥に適用される環境温度での高速空気流の手段でドライ・バックすることを意味する。
【0026】
始働種子を水ストレスに付する更なる方法、本発明の方法(c)によるインキュベーションは、PEG(または他の好適な浸透溶液)処理を含み、それは水ポテンシャルが0MPaより少ない溶液内でインキュベーションすることにより始働工程に付した種子の種子MCの減少を含む。インキュベーションの間、種子水分含量は、溶液の浸透ポテンシャルを、約−0.5から約−4.0Mpaの間の特異的値に維持することにより、方法(b)で記載のように3から20%単位ゆっくり減少する。この段階において、種子は、遊離水の利用能の欠乏により、緩和な水ストレスを経験する。インキュベーションは、好ましくは水カラム(液体インキュベーション)内で、好ましくは通気条件下で行われる。浸透溶液で飽和させた濾紙上に予備発芽種子を置くことによりまた行うことができる。
【0027】
方法(b)および(c)のための好適なインキュベーション条件(長さ、温度)は、とりわけ方法(a)で述べたような条件を含む。
【0028】
方法(c)によるインキュベーションは、始働種子から水を出させるのに十分低い水ポテンシャルを有する浸透物質中で典型的には行われる。種子を傷付けない任意の好適な浸透物質、例えばPEG8000(ブリティッシュ・ペトロリウム(British Peroleum))のようなポリエチレングリコール(PEG)溶液が使用できる。一般に、種子をPEG8000、マンニトールまたはNaClのような塩等の溶液に接触させる。浸透ポテンシャルは、種子MCが乾燥耐性の導入を起こすのに十分低い濃度に維持させるものでなければならない。
【0029】
植物成長調整因子を、約10-2Mから10-8Mの間の濃度で、最初のインキュベーションに加え得る。好適な調整因子はジベレリン、アブシシン酸(ABA)およびインドール酪酸(IBA)のようなオーキシンを含む。
【0030】
水カラム内でのインキュベーションにおいて、溶液単位用量当たりの種子の量は、1−200g種子l-1であることができる。好ましくは、種子は約25g種子l-1で存在する。一般に、インキュベーションは数日、数週またはそれ以上まで伸び得る。インキュベーションの後、種子を水で洗浄する。
【0031】
濾紙上でのインキュベーションでは、紙を好適な浸透物質(上記のような)で湿らせる。一般に、吸水し、約25%および55%の間のMCに始働された種子は、高いRH、例えば100%、温度および接触時間は上記の通りの密閉系内で加湿濾紙上にのせることができる。
【0032】
望ましい場合、上記の浸透物質内でのインキュベーションの前に、始働種子のMCを、速い乾燥により、例えば約10%単位減少することができる。しかしながら、このような工程は必須ではない。
【0033】
熱処理において、始働種子を約25℃から45℃、好ましくは35℃から40℃の範囲の熱ショックに、約1から約5時間の時間付する。好ましくは熱ショックに付する種子のMCは、始働後の種子MCより0から20%単位低い。一般に、熱ショックに付する種子のMCは、15%より少なくないことが有利である。熱ショックは、任意の既知の好適な方法により適用し得る。従って、好適には、種子を容器内に置き、それを次にインキュベーター内に置く。
【0034】
所望の結果(長い貯蔵寿命を有する始働種子)は、水ストレスおよび熱ストレスの組み合わせ、即ち熱ショックと工程(a)、(b)または(c)の組み合わせによりまた得られ得ることは認められるであろう。
【0035】
与えられた種のための上記の工程(a)から(c)および熱ショックのための最適な工程および最適な条件は、貯蔵寿命ポテンシャルおよび発芽率(t50)をそれ自身既知の方法で測定することにより確立し得る。
【0036】
上記のような任意の方法(a)から(c)、熱ショックまたはこのような方法の組み合わせおよび続いて−望ましい場合−種子を所望のMCまで乾燥して戻すことによる始働種子の処理は、実質的に同じMCを有する同種の常套法で始働させた種子と比較して長い貯蔵寿命を有する種子をもたらす。
【0037】
従って、本発明は上記のような方法(a)、(b)、(c)、熱ショックまたはこのような方法の組み合わせおよび続いて−望ましい場合−種子を所望のMCまでドライ・バックすることにより得られる種子を提供する。
【0038】
本発明はまた環境保存条件下で保存した場合、実質的に同じMCを有し、そのMCを所望により既知の乾燥条件下で減少させた同種の常套法で始働させた種子より実質的に長い貯蔵寿命を有する、湿ったまたは乾燥形の処理始働種子を提供する。
【0039】
本発明の種子は、乾燥、即ち未処理種子に一般的なMCから発芽的代謝工程以外の代謝工程が続くMCまでの範囲のMCを有する。
【0040】
本発明の種子の典型的な商業的な型は、15%以上から55%までの範囲(以後、本発明の湿った種子と呼ぶ)を有する種子およびおおまかに乾燥種子のMCまでドライ・バックした、即ち種子の約2%から約15%の範囲のMCを有する(以後、本発明の乾燥種子と呼ぶ)種子を含む。
【0041】
本発明の乾燥種子は、本発明の方法(a)、(b)、(c)、熱ショック、熱ショックと(a)、(b)または(c)の組み合わせにより得られた種子を、非発芽、非始働種子(即ち未処理種子)のMCまで、常套の、即ち速い乾燥条件でドライ・バックすることにより得る。常套の乾燥条件下で、10℃から50℃、一般に20℃から約35℃の範囲の温度、30%から90%、一般に30%から約50%の範囲の相対湿度で、滞留空気または種子のドライ・バックに一般的な速度の空気流中で種子をドライ・バックできる。例えば、空気流速度は2m s-1までまたはそれ以上であり得る。期間は、用いる乾燥条件に依存して、24時間までの任意の間隔であり得る。好適な常套の乾燥条件は、例えば16時間にわたる、2m s-1の空気流中20℃の温度、40%の相対湿度を含む。
【0042】
本発明の乾燥種子は、その発芽速度が同種の未処理種子より実質的に短いため、有用である。発芽速度は一般にt50、即ち種子サンプルの50%が発芽した時間として示す。
本発明の湿った種子は、とりわけそれらが既知の方法で本発明の乾燥種子にドライ・バックできるため、有用である。
本発明の−乾燥および湿った−種子は、同種の実質的に同じMCを有する既知の始働種子より長い貯蔵寿命を有するため、さらに有利である。
【0043】
本発明は、従って、種子が未処理種子のMCを有する場合、または常套の乾燥条件下でそのようなMCまでドライ・バックした後、同種の未処理種子より実質的に短いt50を有することを特徴とする、2から55%の範囲のMCを有する未発芽種子を提供する。好適にはt50は同種の未処理種子の60%またはそれより少ない。好適にはt50は50%またはそれより少ない、さらに好ましくは40%またはそれより少ない。未処理種子のMCは、一般的には2から15%の範囲にある。本発明の乾燥種子のt50は、実質的に同じMCを有する同種の既知の始働種子のt50と比較と、一般に、実質的に同じである。
【0044】
50は常套の方法、例えばオーチャード・ティー・ジー(1977)、Seed Sci.&Technol.、5巻、61−69頁の方法に従って測定し得る。一般に、そのような測定は約15から20℃の温度範囲で、例えば水飽和濾紙上で行う。
【0045】
本発明は、環境温度で保存した場合、湿った形または常套の乾燥条件に付した後のいずれかの既知の種子より実質的に長い貯蔵寿命を有する湿ったまたは乾燥形の処理始働種子を提供する。
【0046】
本明細書で使用する貯蔵寿命の語は、種子が環境保存条件下で、実質的にその発芽する能力の損失なしに保存できる期間(期限)を意味する。
本発明の種子の発芽する能力は、従って、一定期間にわたって、既知の始働種子の発芽能力(正常植物発芽%として表現可能)に不利に働く条件下で保存した後、実質的に影響を受けていない。
【0047】
簡便のために、植物の発芽%が保存後20%単位、好ましくは15%単位、さらに好ましくは10%単位より少なく減少していれば、種子がその発芽する能力を実質的に損失しないことは認められよう。
【0048】
従って、“本発明の種子は少なくとも常套法で始働させた種子より35%長い貯蔵寿命を有する”という文は、その発芽能力(正常植物発芽%)を実質的に損失するために、同条件下で保存した同種の既知の始働種子と比較して、本発明の種子が少なくとも35%保存期間単位長くかかることを意味する。
【0049】
本発明の乾燥種子は、同種の実質的に同じMCを有する常套法で始働させた種子と比較して実質的に長い貯蔵寿命を有する。好適には、貯蔵寿命は、既知の始働種子を既知の始働種子の乾燥に一般的に用いる速い乾燥条件下で未処理種子のMCまでドライ・バックした場合、同種の既知の始働種子より少なくとも35%、さらに特異的には少なくとも50%長い。最適なインキュベーション/熱処理条件下で、貯蔵寿命は150%またはそれ以上延長し得る。典型的に、貯蔵寿命は50から120%、余り最適でない条件下でインキュベーション/熱処理後でさえ、50から100%延長する。絶対期間において、本発明の乾燥種子の貯蔵寿命は容易に8カ月、さらに特異的には12カ月、未処理種子に典型的な条件下で保存した場合、24カ月またはそれ以上に伸びる。本発明の乾燥種子は、好ましくは5%から8%の範囲のMCを有する。本発明の種子の貯蔵寿命は、同種の未処理種子より長くない。
【0050】
本発明の乾燥種子に好適な保存条件は環境保存条件であり、未処理種子のための、例えば、種子の型に依存して、相対湿度は一般的に約20%から90%、好ましくは約30%から60%および温度は約3℃から25℃である。
【0051】
本発明の湿った種子のための好適な棚貯蔵条件は、種子の型に依存して、約3℃から10℃の温度で最少空気および水分交換の容器内を含む。このような保存条件下で、種子は約4から6週間の貯蔵寿命を有する。
【0052】
本発明の種子は、常套の始働工程を適用できる任意の所望の種であり得る。好適な種子型の例は、トマト(tomatoes)、トウガラシ(peppers)、メロン(melons)、スイカ(waetr melons)、キュウリ(cucumbers)、アブラナ属(Brassicas)、白ネギ(leeks)、ニンジン(carrots)、タマネギ(onions)、カボチャ(squashes)、小キュウリ(gherkins)、エンダイブ(endives)、ツリフネソウ属(Impatiens)、クマツヅラ属(Verbenas)、サクラソウ属(Primulas)、テンジクアオイ属(Pelargoniums)、スミレ属(Viola)、チゴリウム(Chigoriums)およびシクラメン属(Cyclamen)を含む。アブラナ属の具体的な例は、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワーおよび芽キャベツである。
【0053】
本明細書に記載の種子から成育した植物もまた本発明の範囲内に含まれる。
【0054】
当分野で既知である多くの種子始働法がある。以下は短い復習である:
種に依存して、未始働、即ち未処理種子を数時間、例えば水カラム内の水性溶液に、予備始働処理として浸し得る。このような予備処理は当分野で既知であり、始働の間種子が違いにくっつくのを防ぎ、および/または種子の始働を容易にする。
【0055】
未始働種子または上記予備始働処理を受けた種子を、種子が水を予備発芽代謝工程が開始し、続くが、(上記定義のような)発芽は不可能である条件、例えば時間、温度、種子が摂取する水の下に置く。
【0056】
吸水は任意の吸水法で行い得る。従って、例えば吸水すべき(未発芽)種子を、ドラム缶または水カラム中に、通気しながらまたはせずに、0MPa(もし種子を水中に置くなら)、またはもし種子を浸透溶液中に置くなら約0MPaから約−1.5MPaの間の水ポテンシャルへ置き得る。選択した始働法に依存して、吸水の量は、始働溶液(水カラムのような水性液体始働技術中)および系に添加すべき水の量(例えばドラム缶始働技術)により決める。
【0057】
種子は、そのMCが、一般的に約25%から約55%、好ましくは約30%から約50%まで、種子の型に依存して上昇するまで、添加した水を吸水する。
種子のMCは、以下の式:
【数1】
Figure 0003723596
(式中、Wi=最初の重量、Wa=種子を103℃で16時間、若しくは130℃で2時間にわたって乾燥させた後の重量)
を使用して計算する。
【0058】
吸水は、水の摂取を伝導する任意の温度で行い得、一般に種に依存して、約5℃から約30℃である。吸水を水カラム中で行う場合、通気の割合は、種子を浮かせ続ける、即ち浮遊し続けるのに十分でなければならない。吸水は、24時間までの任意の好適な期間、好ましくは種に依存して約4から約10時間であることができる。始働前の別の工程であり得、または始働の必須部分であり得る。
【0059】
適切な始働のために、種子のMCを相対的に一定の濃度、即ち所望のMC、典型的には種子の約20%から約55%、好ましくは約30%から約50%の±1から3%に維持する。好ましくは始働はドラム缶内で、種に依存して、例えば1から21日、好ましくは約2日から約15日、一般的には約5℃から約30℃の温度範囲、好ましくは約15℃から約25℃の範囲で行う。
【0060】
最適な種子MCおよび始働工程の長さは、使用する具体的な種子の型に依存する。これらの最適な値は既知の方法、例えば種子の異なったMCに合わせ、種子をある制御条件、例えば温度、RHおよび通気下で、異なったインキュベーション時間に付することにより、発見することができる。
【0061】
種子に生物学的物質を添加するのが好ましい場合、生物学的物質は当分野で既知の技術を使用して適用し得る。従って、生物学的物質は、任意の好適な形、例えば好適な媒体中の微生物の懸濁液、乾燥真菌胞子またはフリーズ・ドライまたは凍結乾燥(lyophilised)細菌であり得/あり得ない接種で加え得る。生物学的物質は本発明の方法の任意の好適な段階で加え得る。好ましくは、接種の形で、始働時またはその開始時付近で加え得、あるいは始働前、そのような予備処理時またはその開始時付近で処理を含み得る。
【0062】
好適な生物学的物質は、バシラス(Bacillus)、シュードモナス(Pseudomonas)、トリコデルマ(Trichodesma)およびリゾビア(Rhizobia)のような有益な微生物からなる群から選択し得る。好適な微生物の具体的な例は、シュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescence)、シュードモナス・プティダ(Pseudomonas putida)、キサントモナス・マルトフィリア(Xanthomonas maltophilia)、バシラス・サブチリス(Basillus subtilis)、バシラス・ツリンジェンシス(Bacilus thuringiensis)、バシラス・セレウス(Bacillus cereus)のようなバシラス属、トリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)、トリコデルマ・ハルザリウム(Trichoderma harzarium)、トリコデルマ・コニンギ(Trichoderma koningii)、グリオクラジウム・ビレンス(Gliocladium virens)、フサリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)(非病原性単離物)等を含む。生物学的物質は、特異的な植物病原菌、例えばシュードモナスに対する耐性を、ピチウム(Pythium)に非常に感染していることが知られている土壌に蒔くための種子に加え得るように種子を処理するのが望ましい場合に具体的に選択し得、またはバシラス属はアルテナリア属(Alternaria spp.)に攻撃されやすい種子、例えばニンジンの種子の蒔かなければいけない種子に加え得る。
【0063】
一般に生物学的物質は103から109コロニー形成単位(cfu)種子-1の範囲で、種子および生物学的物質の種に依存して存在しなければならない。従って、例えばリゾビアのcfuは、アルファルファのようなマメ科植物上で、約103種子-1でなければならない。しかしながら、殆どの生物学的物質について、cfu 種子-1は、約104から107の範囲であり得る。
【0064】
種子被覆を適用する場合、インキュベーション期間の前、後または途中および任意の続く乾燥工程の前または後に適用し得る。被覆は種子の被覆に一般的に使用される任意の既知の材料を含み得、既知の被覆またはペレット化技術を使用して添加し得る。被覆はジベレリンまたはオーキシンのような植物成長調節因子および/またはシュードモナスまたはトリコデルマ等のような任意の上記微生物を含み得る。典型的に、成長調節因子を、被覆材料の重量の約0.0001%から約0.1%の範囲で含み得る。
【0065】
被覆は、種子の保護またはペレット化法に通常使用されている任意の既知の材料を含み得る。好適な材料は、サブベントナイト(sub-bentonite)およびベントナイト(bentonite)のような粘土、蛭石(Vermiculite)と、真珠岩(perlite)、軽石(pumice)、金属ステアリン酸、ポリエテン、ポリスチレン、ポリウレタン、滑石粉末(talcum powder)、塩化ポリビニル、澱粉、ローム(loams)、糖、アラビアゴム、有機ポリマー、セルロース、木屑のような細粉、石英粉末等の添加剤と共に含み得る。
【0066】
従って、本発明は種子に有益な生物学的物質が定着している、上記の方法のいずれか一つにより得られる種子を提供する。
更に別の態様において、本発明は、種子が、所望により生物学的物質を添加されていてもよい保護的被覆されて提供される、上記の方法のいずれか一つにより得られる種子を提供する。
【0067】
以下は、本発明を更に説明する実施例が続く。実施例は本発明をいかなる意味においても限定するものでないことは理解されるべきである。
【0068】
実施例1(遅い乾燥)
スミレ属の乾燥予備処理種子60gを、3rpmでその側が回転している6lのドラム缶に、3日間、室温が20℃に制御され、部屋のRHが70%に制御されている部屋の中で置くことにより始働する。ドラム缶は直径7.5cmの口を蓋に有し、その上に綿のメッシュを置き(メッシュサイズ約0.1mm)、種子の通気を可能にする。始働の間の種子のMCは種子の湿重量の35%に維持する。乾燥種子の最初のMCは、種子の重量を、130℃で2時間乾燥前および後で秤量することにより決定する。種子乾燥重量は、当分野で既知の方法を使用して行う。種子のMCを所望の濃度、この場合、湿重量の35%まで上げるために、好適な量の水をドラム缶に加える。蒸発(生重量を基本にして計算して1日当たり1−2%)を、ドラム缶および含量を秤量して追跡し、一日を基本にして、水をつぎたし、秤量の間に観察された重量変化を埋め合わせる。
【0069】
対照始働種子10g(湿重量)を3日後ドラム缶から取り出し、空気流(2m/s)中で、20℃の温度および40%のRHで、16時間乾燥する。乾燥速度は、乾燥種子重量を基本に計算して5−10%水分損失/時間である。乾燥後の種子MCは6%である。
【0070】
試験サンプルのこのように始働した種子(MC35%)70gを、以下の遅い乾燥条件下の温度、相対湿度および水分損失速度の部屋の中で、同じドラム缶内で更に3日間インキュベーションすることにより、更なるインキュベーションに付する:温度20℃、RH90%および水分損失の速度0.1−0.3%MC/時間、上記のように秤量により測定。ドラム缶口は、ポアサイズ約0.6mmのナイロンメッシュで覆い、蒸発を促進する。種子を、次いで、ドラム缶から取り出し、上記の対象種子と同じ条件下で、MC6%まで乾燥させる。
【0071】
種子を、水飽和濾紙上に蒔き、20℃で光の下インキュベーションする。発芽種子の割合を毎日計数し、発芽の平均時間t50をオーチャード・ティー・ジー(1977)Seed Sci.&Technol.、5巻、61−69頁に従って計算する。
【0072】
正常植物の割合を、トレイの、EGO、オランダ(EGO1ピートソイル、pH5.5、電気的導電率0.9mS、全窒素含量5.1mmol/l)から供給された標準鉢植え用砂の3cmの層に蒔いた種子から測定する。トレイを透明な覆いで覆い、光の下(10,000lux)に、20℃の温度で置く。21日後、苗木を、ハンド・ブック・フォー・シードリング・エバルエーション、前掲、64頁に記載のISTA規則に従って、子葉および胚軸を可視により評価する。
【0073】
貯蔵寿命を、上記に引用したターキスら、1991の引用文献に記載のようなCD試験を使用して測定する。CD試験のために、種子MCは、75%RHに3日間、20℃でインキュベーションすることにより斉一に10%まで上昇させた。75%のRHで平衡させた種子のサンプルを、次いで保温機内に密封し、それを48℃で24時間インキュベーションする。低下試験の最後に、種子を20℃で、紙上で発芽させる。正常苗木を、14日後計数する。CDの結果は正常植物の発芽%で示す。
【0074】
種子を18℃、相対湿度30%で、9、14および23カ月保存する。保存の後、種子を土壌で発芽させる。結果は表1に示す。
【表1】
Figure 0003723596
【0075】
上記の表の結果は、既知の始働種子の18℃での保存の間の生存率の損失は、本発明の種子より速いことを意味する。従って、既知の始働種子の生存率は、9から14カ月の間に落ちるが、一方本発明の種子は23カ月以上、即ち、少なくとも既知の始働種子より少なくとも2倍長い期間生存し続ける。
【0076】
実施例2(遅い乾燥)
トウガラシ属(トウガラシ)の乾燥予備処理種子60gを、始働の間種子の湿重量の37%にMCを維持する以外、実施例1のようなドラム缶始働に付する。従って、種子MCを37%までもっていくために十分な量の水を加える。
対照種子10g(湿重量)を3日後ドラム缶から除き、実施例1の対照種子と同様に、種子MC7%まで乾燥させる。
【0077】
試験サンプルのこのように始働した種子(MC37%)70gを、実施例1のようなインキュベーションに付し、その水分損失は0.4%MC/時間である。種子を次いでMC7%まで、実施例1の対照種子と同様の条件下で乾燥させる。貯蔵寿命を、種子が49℃で24および48時間インキュベーションする以外、実施例1のCD試験に付する。結果は下記の表2に示す。
【表2】
Figure 0003723596
【0078】
実施例3(遅い乾燥)
トウガラシ属(トウガラシ)の乾燥種子60gを、水分損失の速度がわずかに違う実施例2に記載の方法に付する。それは0.3%MC/時間である。次いで、種子をドラム缶から取り出し、対照種子と同様の条件下でMC7%に乾燥する。
【0079】
対照種子(既知の始働種子)および本発明の種子は、気密性アルミホイル袋に20℃で8カ月保存する。
種子を水飽和濾紙上に蒔き、20℃で光の下インキュベーションする。発芽種子の割合を毎日に計数し、発芽の平均時間を実施例1の通り計算する。
【0080】
貯蔵寿命は、種子を50℃でインキュベーションした以外、実施例1のようなCD試験を使用する。
土壌での正常植物%を、実施例1に記載のように測定する。
表は、本発明の種子がCD条件および正常保存条件の両方で、対照種子より非常に長い期間生存することを示す。
【0081】
【表3】
表3:本発明の始働種子と比較した既知の処理トウガラシ種子の貯蔵寿命の比較。処理前のt50は3.0日、両方の処理後のt50は0.7日。
Figure 0003723596
【0082】
実施例4(遅い乾燥)
トマトの乾燥種子60gを、始働の時間が7日であり、インキュベーション間のMCを種子の湿重量の38%に維持する以外、実施例1のドラム缶始働に付する。従って、十分な量の水を、種子MCを38%まで維持するために加える。
【0083】
対照種子10g(湿重量)をドラム缶から7日後に除去し、実施例1の対照種子のように、MC6%まで乾燥する。
試験サンプルのこのように始働した種子(MC38%)70gを、水損失速度が0.1−0.3%MC/時間である実施例1のようなインキュベーションに付する。種子を、次いで、実施例1の対照種子と同様の条件でMC6%まで乾燥する。
【0084】
種子を水飽和濾紙に蒔き、20℃で光の下インキュベーションする。発芽種子の割合を毎日計数し、発芽の平均時間を実施例1のように計算する。
種子を50℃で24時間、28時間および72時間インキュベーションする以外、実施例1のCD試験を使用して貯蔵寿命を測定する。結果を表4に示す。
【0085】
【表4】
本発明により始働したトマト種子と比較した既知の始働トマト種子の貯蔵寿命。
始働前の平均t50は4.0日、両方の処理後は0.5日。
CD試験期間(時間) 紙試験での正常植物%
標準始働 遅い乾燥
ロット1 ロット2 ロット1 ロット2
0 87 92 93 92
24 84 90 92 90
48 7 36 69 86
72 2 7 37 69
【0086】
実施例5(遅い乾燥)
カリフラワー・シーブイ・セラノ(Cauliflower cv.Serrano)の乾燥種子1200gを、始働の間室温を15℃に制御し、種子MCを35%に保つ以外、実施例1のドラム缶始働に付する。
対照種子10g(湿重量)を7日後にドラム缶から除き、実施例1の対照種子のようにMC6%まで乾燥する。
【0087】
試験サンプルの種子(MC35%)100gを、6リットルドラム缶内の5日間の、室温を20℃に制御し、室内RHを75%に制御したインキュベーションに付する。ドラム缶口をポアサイズ約0.6mmのナイロンメッシュで覆い、蒸発を促進する。一日目の水分損失速度(0.62%MC/時間)を、上記のように秤量により測定する。種子を、次いでドラム缶から取り出し、対照種子と同様の条件下で乾燥する。
【0088】
貯蔵寿命を、種子を48℃で48時間インキュベーションする以外、実施例1のようなCD試験を用いて測定する。
表5は種子MCの遅い減少を可能にするインキュベーションの期間が、始働種子の貯蔵寿命を、未始働種子、即ち未処理種子の貯蔵寿命まで非常に改善することを示す。
【0089】
【表5】
Figure 0003723596
【0090】
実施例6(遅い乾燥)
ニンジン、シーブイ・オータム・キング・トロフィー(cv. Autumn king Trophy)の乾燥種子1200gを、6日間、実施例5のような始働条件下でドラム缶始働に付し、始働の間の種子MCは種子の湿重量の38%に維持する。水分損失速度(生重量を基本に計算して1日当たり1−2%)を、ドラム缶および含量を毎日秤量して追跡し、秤量の間に観察された重量差を埋め合わせるために毎日水をつぎたす。
【0091】
対照種子10g(湿重量)を7日後にドラム缶から除き、実施例1の対照種子のようにMC6%まで乾燥する。
【0092】
試験サンプルの種子100gを、実施例5のインキュベーション条件と同じインキュベーションに5日間付する。一日目の水分損失速度(0.67%MC h-1)を、上記のように秤量により測定する。種子を、次いでドラム缶から取り出し、対照種子のように乾燥する。
【0093】
貯蔵寿命を、種子を48℃で24時間および48時間インキュベーションする以外、実施例1のようなCD試験を用いて測定する。
表6は種子MCの遅い減少を可能にするインキュベーションの期間が、始働ニンジン種子の貯蔵寿命を非常に改善することを示す。
【0094】
【表6】
Figure 0003723596
【0095】
実施例7(遅い乾燥)
チコリー・ウィットルーフ・シーブイ・リバティー(Chicory witloof cv. Liberty)の乾燥種子1200gを、種子MCを38%に保つ以外、実施例1のドラム缶始働に付する。
対照種子10g(湿重量)を7日後にドラム缶から除き、実施例1の対照種子のようにMC6%まで乾燥する。
【0096】
試験サンプルの種子450gを、24リットルドラム缶内の5日間の、室温を20℃に制御し、部屋RHを75%に制御したインキュベーションに付する。ドラム缶口をポアサイズ約0.1mmの綿布で覆い、蒸発を促進する。一日目の水分損失速度(0.29%MC/時間)を、上記のように秤量により測定する。種子を、次いでドラム缶から取り出し、対照種子と同様の条件下で乾燥する。
【0097】
貯蔵寿命を、種子を50℃で24時間インキュベーションする以外、実施例1のようなCD試験を用いて測定する。
表7は種子MCの遅い減少を可能にするインキュベーションの期間が、始働ウィットルーフ種子の貯蔵寿命を、未始働種子の貯蔵寿命まで非常に改善することを示す。
【0098】
【表7】
Figure 0003723596
【0099】
実施例8(遅い乾燥)
リーキ・シーブイ・ラティナ(Leek cv. Latina)の乾燥種子1200gを、実施例5の始働条件下で4日間始働する。0.01g/種子kgのアートパム(Aatopam)を種子に加える。始働の間の種子MCを種子の湿重量の38%に維持する。
対照種子10g(湿重量)を7日後にドラム缶から除き、実施例1の対照種子のようにMC6%まで乾燥する。
【0100】
試験サンプルの種子200gを、24リットルドラム缶内の5日間の、室温を20℃に制御し、部屋RHを40%に制御したインキュベーションに付する。ドラム缶口をポアサイズ約0.6mmのナイロンメッシュで覆い、蒸発を促進する。一日目の水分損失速度(1.04%MC/時間)を、上記のように秤量により測定する。種子を、次いでドラム缶から取り出し、対照種子と同様の条件下で乾燥する。
【0101】
貯蔵寿命を、種子を48℃で24、48および72時間インキュベーションする以外、実施例1のようなCD試験を用いて測定する。
表8は種子MCの遅い減少を可能にするインキュベーションの期間が、始働リーキ種子の貯蔵寿命を未始働種子の貯蔵寿命まで非常に改善することを示す。
【0102】
【表8】
Figure 0003723596
【0103】
実施例9(加湿保存)
パンジー種子を実施例1記載のように予備処理し始働する。
対照種子10gを3日後にドラム缶から除去し、実施例1の対照のように6%まで乾燥する。
試験サンプル種子(MC34%)10gを、対照種子のようにであるが、MC25%まで乾燥する。
【0104】
次いで、種子を防水であるが気密ではないプラスチック容器に移し、20℃で3日間インキュベーションする。このインキュベーションの後、種子を更に対照種子と同じまで乾燥する。
対照(既知の始働)、本発明の種子(加湿保存)および未処理種子(即ち未始働)種子の貯蔵寿命を、実施例1に記載のように測定する。
【0105】
表9は、未処理種子と比較した相対値で示した、既知の始働種子および本発明の種子のCD試験24時間後の生存を示す。表は、減少したが一定の種子MC(始働後のMCと比較して)が始働種子の貯蔵寿命を回復させることを示す。
【0106】
【表9】
既知のドラム缶始働または本発明により処理した(加湿保存)のパンジー種子のCD試験データ(未処理種子と比較した)。
Figure 0003723596
【0107】
実施例10(加湿種子)
トウガラシ属(トウガラシ)シーブイ・アブデラ(cv.Abdera)を実施例3のようにドラム缶始働する。
始働後の種子MCは35.3%であった。165分において、種子をMC4.8%まで、温度25℃、RH40%および空気流2ms-1で乾燥した。2個の複製の種子サンプルを、MC35.3(最初のMC)、30.6%、25.5%、20.0%、14.8%および9.6%で取り出した。これらのサンプルを密閉容器(0.15dl)内で、一つのサンプルは8℃、他方は20℃で、7日間インキュベーションした。
【0108】
インキュベーションの後、全てのサンプルを最初の乾燥工程と同様の条件で最終MC4.8%まで乾燥した。
対照(既知の始働)、本発明の種子(加湿保存)および未処理種子(即ち未始働)の貯蔵寿命を実施例1に記載のように測定する。
【0109】
表10は、始働直後にMC4.8%までドライ・バックした始働種子は、CD試験後低い生存率を示すが、一方始働後のMCと比較して5から15%減少したMCでインキュベーションした種子は、未処理種子と殆ど同様の貯蔵寿命を有する。
本導入工程の間の温度は方法には重要ではない。
【0110】
【表10】
Figure 0003723596
【0111】
実施例11(加湿保存)
トマト種子を実施例4のように始働し、種子MCを37.1%に維持する。
対照種子10gを6日後にドラム缶から取り出し、実施例1の対照種子のように6%まで乾燥させた。
試験サンプルの種子(MC37.1%)10gを、対照種子のようにであるがMC25%まで乾燥させた。
【0112】
次いで、種子を防水ではあるが気密ではないプラスチック容器に移し、20℃で3日間インキュベーションする。インキュベーション後、種子を更に対照種子のように乾燥する。
発芽速度および貯蔵寿命を実施例4に記載のように測定する。対照種子はt504.4日、本発明により処理した種子はt501.5日であった。
【0113】
表11は種子を50℃で48時間インキュベーションした以外実施例1のようなCD試験を用いた後の生存率を示し、未処理対照種子と比較して相対的に示す。表は、減少しているが一定の種子MC、即ち加湿保存(始働後の種子MCと比較して)が、既知の始働トマト種子の貯蔵寿命を回復することを示す。
【0114】
【表11】
Figure 0003723596
【0115】
実施例12(加熱保存)
トウガラシ属(トウガラシ)シーブイ・アブレダ(cv.Abdera)を実施例3のように始働する。
始働後の種子MCは35.3%であった。165分において、種子をMC4.8%まで、温度25℃、RH40%および空気流2ms-1で乾燥した。種子サンプルを、MC35.3(最初のMC)、30.6%、25.5%、20.0%、14.8%および9.6%で取り出した。これらのサンプルを密閉アルミ袋内で、3時間、40℃の温度の水浴中でインキュベーションした。インキュベーションの後、全てのサンプルを最初の乾燥工程と同様の条件で最終MC4.8%まで乾燥した。
【0116】
対照(既知の始働)、本発明の種子(加湿保存)および未処理種子(即ち未始働)の貯蔵寿命を実施例1に記載のように測定する。
表12は、処理直後にMC4.8%までドライ・バックした始働種子は、CD試験後低い生存率を示すが、一方熱ショックを与えた種子は、良好にCD試験で生存した。熱ショックは種子MCを15%まで有効に減少する。
【0117】
【表12】
Figure 0003723596
【0118】
実施例13(PEG処理)
ペッパー・シーブイ・アブデラ(Pepper cv. Abdera)種子10gを、水飽和濾紙上で、透明なプラスチック箱中で25℃で光の下インキュベーションする。
1gの種子サンプルを、4日目まで毎日回収する。4日目に、種子の40%が発芽したが、3日目には発芽種子は観察されなかった。対照種子を、実施例1のように乾燥した。試験サンプルを浸透ポテンシャル−1.5MPaのポリエチレングリコール溶液で飽和させた濾紙に移し、3日間25℃の温度でインキュベーションした。処理後、これらの種子を洗浄し、対照種子と同様に乾燥した。
【0119】
貯蔵寿命は実施例1のようなCD試験を用いて測定する。
表13は、水中で1日インキュベーションした種子が、いくらか促進された貯蔵寿命を有するが、2および3日のインキュベーションは貯蔵寿命の悪化した損失を示し、一方比較して、本発明の種子(PEG溶液内でインキュベーション)は、延長された貯蔵寿命を示す。
【0120】
【表13】
Figure 0003723596
【0121】
実施例14:水ストレスおよび熱ストレスの組み合わせ。
スミレ属(ロック・イエロー)の乾燥種子50gを実施例1に記載のように始働する。始働3日後、種子を20℃の温度の通気水に移す。通気水に24時間の後、大半の種子に種子殻の裂け目があったが、幼根は包まれている内乳をまだ破っていなかった。種子を、次いで水から回収し、遠心する。種子MCは48.5%である。
【0122】
これらの種子5g(湿重量)を、20℃で、RH40%の滞留空気にさらすことにより乾燥する。24時間乾燥後、種子のMCは6%である。種子の残りを3分割し、各々を2ms-1の空気流、20℃でRH40%にさらす。種子を、3分割の各々が、それぞれ、MC40、35および30に到達するまで数分間空気流にさらす。10gの2個のサンプルを各々の分割から取り出し、最少水分および空気交換プラスチック容器(180ml)に包み、その後、20℃または32℃の温度でインキュベーションする。指示した温度で1および7日インキュベーション後、各々のサンプルの2gを上記のように乾燥前にインキュベーションしていない種子と同様の条件下で乾燥する。
【0123】
処理乾燥種子の貯蔵寿命を、実施例1に記載のCD試験を使用して測定する:実施例1に記載のように種子をRH40%で平衡化し、50℃で96時間インキュベーションし、紙上で20℃で発芽させる。
最終発芽率を14日後計数する:下記の結果は、CD試験なしの対照およびCD試験後(96時間)の発芽%を示す。
【0124】
【表14】
Figure 0003723596

Claims (2)

  1. 生重量基準(fwb)で2〜15%の水分含量(MC)を有する、まだ発芽していないが始働した(primed)種子の貯蔵寿命を、その発芽速度を保持したまま延長する方法であって、当該始働種子を上記水分含量にドライバックする前に
    (a)1時間あたりの水分減少が種子の乾燥重量の約0.1ないし1.0%の範囲内に維持されるインキュベーションに付す、あるいは
    (b)24時間より少ない時間内に生重量基準で水分含量が3%ないし20%単位減少させられ、その後、1時間あたりの水分減少が種子の乾燥重量の0.1ないし1.0%の範囲内に維持されるインキュベーションに付す、あるいは
    (c)−0.5ないし−4.0Mpaの範囲の水ポテンシャルに付す、あるいは
    (d)1ないし5時間、25ないし45℃の熱処理に付す、あるいは
    (e)工程d)と、工程a)、b)およびc)の1つまたはそれ以上の工程との組み合わせに付す
    ことを特徴とする方法。
  2. 種子が、トマト(tomatoes)、トウガラシ(peppers)、メロン(melons)、スイカ(water melons)、キュウリ(cucumbers)、アブラナ属(Brassicas)、白ネギ(leeks)、ニンジン(carrots)、タマネギ(onions)、カボチャ(squashes)、小キュウリ(gherkins)、エンダイブ(endives)、ツリフネソウ属(Impatiens)、クマツヅラ属(Verbenas)、サクラソウ属(Primulas)、テンジクアオイ属(Pelargoniums)、スミレ属(Viola)、チゴリウム(Chigoriums)およびシクラメン属(Cyclamen)の種子からなる群より選択されるものである、請求項1記載の方法。
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