JP3724715B2 - 接合強度測定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は接合強度測定方法に関し、より詳細には、二つの部材を重ね合わせ、鑞付けや溶接若しくは接着剤を用いて接合した接合面のせん断方向の接合強度を正確に測定するための接合強度測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
平板状の二つの試験片を重ね合わせて接合した接合面のせん断方向の接合強度を測定するために従来用いられていた方法を図2(a)に示す。この図に示すように、試験片21と試験片22とはその一端から一定の範囲で重ね合わされており、その重ね合わせ部分が鑞付けや溶接若しくは接着剤などにより接合されている。なお、Bは接合面、F、F’は引張荷重を作用する様子を表したものである。
【0003】
この図2に示す従来の測定方法では、平板状の二つの試験片を各他端部における面のほぼ中央に引張荷重F、F’を加え接合面にせん断力を作用させ、接合面がせん断したときの引張荷重を測定することによって、接合面の接合強度を測定していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来の二つの試験片を重ね合わせて接合したタイプの従来の接合強度測定方法では、F、F’の作用軸が一致せず、FとF’との高さ方向のズレH(図2(b)参照)に比例したモーメントが生じる。そのため、せん断時の引張荷重F(=F’)の大きさを測定しただけでは、それを接合面の正確な接合強度とすることはできなかった。
【0005】
すなわち、引張荷重F、F’の作用軸が一致せずモーメントが試験片21、22に作用すると、試験片に図2(c)に示すような反りが生じ、加えた引張荷重の全てがせん断方向に作用しないこととなる結果、せん断時の引張荷重の大きさを測定してもそれそのまま接合強度とすることはできなかった。
【0006】
そこで、従来の方法ではせん断時の引張荷重の測定値に補正項を用いた補正計算を行い、間接的にせん断方向の接合強度を求めていた。
【0007】
また、試験片が曲げに弱く、かつ低延性(脆性)の金属等である場合で、試験片が強力に接合されているときには、接合面がせん断する前に試験片自体が曲げ(反り)によって破断してしまうようなこともあった。
【0008】
本発明は、接合面に作用させる引張荷重の作用軸を一致させることにより、補正項を用いて間接的に接合面のせん断方向の接合強度を測定するのではなく、せん断時の引張荷重をそのまま接合強度として採用することができる接合強度測定方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の接合強度測定方法は、平板状のベース材(2、2’)と薄い平板状の連結材(4)の一部を重ね合わせて接合した接合面(B)のせん断方向の接合強度を測定するための接合強度測定方法であって、二枚のベース材をその上面(8)を面一として対向して位置決めし、その上面に連結材を掛け渡してベース材と連結材とを接合した上で、二枚のベース材に引張荷重(F、F’)を加えることにより接合面にせん断力を作用させ、ベース材が連結材からせん断されるときの引張荷重を測定し、
前記薄い平板状の連結材(4)の上面には補強材(12)を接合してあり、
前記補強材(12)は、引張荷重を加える引張方向に対し平行に立設されており、引張荷重を加えた時に連結材に反りがほとんど生じないようにする厚みを、連結材の上面と垂直な方向に有するフランジ状の厚板(14)である、ことを特徴とするものである。
【0010】
本発明の接合強度測定方法によれば、引張荷重(F、F’)の作用軸を一致させることができるので、ベース材(2、2’)および連結材(4)にほとんど反りを生じることなく、せん断時の引張荷重の測定値をそのまま接合強度として採用することができる。なお、作用反作用の法則によりFとF’とはその作用方向を反対とし、その大きさを同じくする。
【0014】
ベース材に加える引張荷重と接合面に作用するせん断力とが完全に同一平面上にないときは、連結材には曲げモーメントが作用し、連結材に反りが生じ、これに伴い連結材と密着接合したベース材にも反りが生じる。ベース材が反ると、接合面にはせん断力と引張力とが作用することとなるため、接合面がせん断する時の引張荷重値をそのまま接合強度とすることができなくなる。そこで、連結材の上面に補強材を接合することによってこれを補強し、連結材の反りを抑制してやる。これにより、接合面のせん断時の引張荷重値をそのまま接合強度として採用することが可能となる。なお、補強材を接合する代わりに、連結材自体を厚くすることも連結材の反りを抑制する上で有効である。その意味で、本発明は連結材自体に薄い平板を用いた場合の測定方法を提供することにあるといえる。
【0016】
上記本発明では、連結材の上面にフランジ状の厚板を引張方向に対し平行に立設して取り付けるので、連結材に生じる反りを有効に抑制することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0018】
以下、本発明の実施例を図1を参照して詳細に説明する。図1は本発明の接合強度測定方法の実施態様を表している。ここで、図1(a)は本接合強度測定方法の実施態様の斜視図、図1(b)はその側面図を表している。本実施態様では、接合面Bの接合強度を測定するものである。
【0019】
本発明の接合強度測定方法を実施するため、薄い短冊状の金属板からなる2枚のベース材2、2’が、その長手軸を一致させ短辺側の一端を対向した状態で平面台の上に一定の間隔を開けて位置決めして置かれている。ここでベース材2、2’は同じ厚さを有しており、したがって二枚のベース材はその上面を面一とする。
【0020】
また、ベース材2、2’の間には連結材4が掛け渡されており、ベース材2、2’と連結材4とは鑞付けによって接合されている。ベース材2、2’と連結材4との接合は、両ベース材の対向する一端から一定の範囲において行われており、ベース材2’と連結材4との接合面B’の面積は、ベース材2と連結材4との接合面Bの面積よりも大きく、ベース材2’と連結材4との接合はベース材2と連結材4との接合よりも強固に行われている。したがって接合面でせん断が起こる際には、ベース材2と連結材4との接合面Bで起こることとなる。
【0021】
ここで連結材4は、ベース材2、2’の短辺と同じ幅を有する矩形状の金属板(ベース材と同じ金属であっても良いし異なる金属であっても良い)からなり、その上面には、連結されたベース材の長手方向に平行に厚板14がフランジ状に2枚溶接されて立設している。
【0022】
ベース材2’の短辺側の他端は、固定壁にしっかりと固定され、ベース材2の短辺側の他端は、図示しない油圧シリンダ等からなる引張装置に備えられたロッドの先端のチャック機構によって挟まれている。ベース材2には、この引張装置によって長手方向水平の同一平面内で引張荷重Fが加えられる。
【0023】
ベース部2に引張荷重Fが加えられると、連結材4には曲げモーメントが作用するため、連結材は図1(c)に示すように下向きに凸の反りを生じようとする。しかしながら、連結材4の上面にはフランジ状の厚板14が溶接により接合されており、この厚板14が連結材4の反りを妨げる。そのため、実際には連結材4にはほとんど反りを生じることがなく、よって、これに密着接合したベース材2、2’にもほとんど反りが生じることはない。連結材4およびベース材2、2’の平面状態が保持されると、加えられた引張荷重Fのほぼ全てが接合面Bへのせん断力として作用する。このせん断力が接合強度を上回った時に接合面Bは破断することとなる。
【0024】
したがって本実施態様に示した接合強度測定方法によれば、破断時の引張荷重値をそのまま接合面の接合強度として採用することができる。
【0025】
また、ベース材2、2’がある程度の厚さを有する場合には、ベース材に加える引張荷重をベース材の上面8とほぼ同一平面内で作用させることが好ましい。
【0026】
すなわち、ベース材に加える引張荷重と接合面に作用するせん断力とをほぼ同一平面上とすることによって、連結材4に作用する曲げモーメントを減少させ、より正確に接合面のせん断方向の接合強度を測定することができる。
【0027】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、連結材に生じる反りを防止して、接合面に作用させる引張荷重の作用軸を一致させることによって、補正項を用いて間接的に接合面のせん断方向の接合強度を測定するのではなく、せん断時の引張荷重値をそのまません断方向の接合強度として採用することができる接合強度測定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の接合強度測定方法の実施態様を表わす図である。
【図2】 従来の接合強度測定方法の実施態様を表わす図である。
【符号の説明】
2、2’ ベース材
4 連結材
8 上面
12 補強材
14 厚板
21、22 試験片
B、B’ 接合面
F、F’ 引張荷重
H ズレ
Claims (3)
- 平板状のベース材(2、2’)と薄い平板状の連結材(4)の一部を重ね合わせて接合した接合面(B)のせん断方向の接合強度を測定するための接合強度測定方法であって、二枚のベース材をその上面(8)を面一として対向して位置決めし、その上面に連結材を掛け渡してベース材と連結材とを接合した上で、二枚のベース材に引張荷重(F、F’)を加えることにより接合面にせん断力を作用させ、ベース材が連結材からせん断されるときの引張荷重を測定し、
前記薄い平板状の連結材(4)の上面には補強材(12)を接合してあり、
前記補強材(12)は、引張荷重を加える引張方向に対し平行に立設されており、引張荷重を加えた時に連結材に反りがほとんど生じないようにする厚みを、連結材の上面と垂直な方向に有するフランジ状の厚板(14)である、ことを特徴とする接合強度測定方法。 - 記補強材(12)は、引張方向と垂直であり、かつ、連結材の上面と平行な方向に薄くなっており、引張方向と垂直であり、かつ、連結材の上面と平行な方向に間隔を置いて2つ設けられていることを特徴とする請求項1に記載の接合強度測定方法。
- 前記補強材(12)は、引張方向に前記連結材の一端部から他端部まで延びている、ことを特徴とする請求項2に記載の接合強度測定方法。
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