JP3724726B2 - 反響消去装置、反響消去方法、および反響消去プログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、反響消去装置、反響消去方法、および反響消去プログラムに関し特に、多チャネル再生経路を有する通信会議装置の如き拡声通話装置において、ハウリングの原因および聴覚上の障害となる室内反響信号を消去する反響消去装置、反響消去方法、および反響消去プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
拡声通話装置にはハウリングの原因および聴覚上の障害となる室内反響信号を消去する反響消去装置が使用されているが、この従来例を図3を参照して説明する。
拡声通話において、相手の発話により得られる音声信号は再生信号として受話端子11に受信されるが、この再生信号はそのままスピーカ12により再生される場合と、スピーカ12に入力されるに先だって、再生信号の振幅、或はパワーの大きさに応じて自動的に利得を調節するという様な何らかの加工を施された後にスピーカ12から再生される場合とがある。従って、この明細書における再生信号x1(k)とは、相手から送信された再生信号そのものの他に、何等かの処理が施された後の再生信号をも意味するものとする。kは離散時間を表す。反響消去装置14は、再生信号x1(k)がスピーカ12から反響路15を経て、マイクロホン16に収音されて得られる反響信号y1(k)を消去する装置である。反響信号y1(k)は、時刻kにおける反響路15のインパルス応答をh11(k、n)として、
y1(k)=Σh11(k,n)x1(k−n)・・・・・・(1)
Σはn=0から(L−1)までの総和
の様な畳み込み演算で得られるもの、とモデル化することができる。Lはタップ数であり、反響路15の残響時間に対応させて、予め設定しておく定数である。
【0003】
先ず、再生信号蓄積ベクトル生成部17において、再生信号x1(k)を(L−1)時刻過去のものまでを蓄積しておく。蓄積された信号は、再生信号ベクトルx 1(k)、即ち
として出力される。但し、T はベクトルの転置を表す。擬似反響信号生成部18では、式(2)の再生信号ベクトルx 1(k)と、反響路推定部19から得
られる擬似反響ベクトルh 11^(k)との内積演算
y1^(k)=h 11^T(k)x 1(k)・・・・・・(3)
を行い、その結果として、擬似反響信号y1^(k)を生成する。この内積演算は式(1)のような畳み込み演算と等価である。反響路推定部19では、擬似反響信号生成部18で用いる擬似反響路ベクトルh 11^(k)を生成する。この
反響路推定に用いるもっとも一般的なアルゴリズムは、NLMSアルゴリズム(学習同定法)である。NLMSアルゴリズムでは時刻kにおける再生信号ベクトルx 1(k)と、残留反響信号e1(k)、即ち差回路21でマイクロホン16
の出力y1(k)から擬似反響信号y1^(k)を差し引いた信号
e1(k)=y1(k)−y1^(k)・・・・・・(4)
とから、時刻k+1において用いる擬似反響路ベクトルh 11^(k+1)を次
式のように求める。
【0004】
但し、μはステップサイズパラメータと呼ばれ0<μ<2の範囲の定数で適応動作の調整に用いる。以上のような処理を繰り返すことにより、反響路推定部19は、次第に擬似反響路ベクトルh 11^(k)を真の反響路15のインパルス
応答h11(k、n)の時系列を各要素として持つ反響路ベクトルh 11(k)、
即ち
と一致させることが可能となり、その結果、式(4)の残留反響信号e1(k)を小さくすることができる。
【0005】
一般にN(≧2)チャネルの再生系とM(≧1)チャネルの収音系とで構成される通信会議システムの場合の反響の消去は、図4に示すような構成により行われる。即ち再生側の全Nチャネルと収音側の各1チャネルとの間にN入力1出力時系列信号を処理するNチャネル反響消去装置221 、222 、…、22M をそれぞれ接続した反響消去システム23として実現される。この場合システム全体でN×M個の反響路15nm(1≦n≦N、1≦m≦M)が存在する。このシステムの構成単位である再生側の全Nチャネルと収音側の各1チャネルとの間に接続されるNチャネル反響消去装置221 、222 、…、22M については、図3に示した反響消去装置14の構成を拡張して、図5に示すように構成される。これは例えば電子情報通信学会誌、86/10.Vol.J69−A No.10「多チャネル適応ディジタルフィルタ」に詳しく述べられている。ここで、収音側が第m収音チャネル(1≦m≦M)に接続されているNチャネル反響消去装置22m を考える。第mチャネルのマイクロホン16m で収音される反響信号は、各再生チャネルの再生信号がそれぞれの反響路151m〜15Nmを経て収音側ですべて加算されることにより得られるために、反響路推定をどの再生チャネルについても、統一的に同じ1つの残留反響信号em(k)のみを評価して行うための工夫が必要となる。まず、各再生チャネルの再生信号について、再生信号蓄積・ベクトル生成部(171 ,172 ,…,17N )により、再生信号ベクトル
を生成する。但し、L1,L2 ,…,LNはタップ数で、各反響路151,152,…,15Mの残響時間に対応させて、あらかじめ設定する定数である。これらのベクトルをベクトル結合部24によって、
と結合する。また、反響路推定部19Mにおいても、各再生チャネルと第m収音チャネルとの間のN個の反響路を模擬するための、各擬似反響路ベクトルh 1m
^(k),h 2m^(k),…,h Nm^(k)を結合して、
として扱う。擬似反響路結合ベクトルh m^(k)の更新は、NLMSアルゴ
リズムを用いた場合、
のように行われる。擬似反響信号生成部18mでは、内積演算
ym^(k)=h m^T(k)X(k)・・・・・・(13)
により、第m収音チャネルで収音された反響信号ym(k)に対する擬似反響信号ym^(k)を生成する。このように、各チャネル毎のベクトルを結合して1つのベクトルとして扱うことにより、基本的な処理の流れは、図3に示した1チャネル反響消去装置と同様となる。
【0006】
この多チャネル反響消去方法において、チャネル間の信号の相互相関が強いと適応アルゴリズムは,真値に収束できなくなる。そこで、各チャネルの再生信号に非線形前処理を用い、相互相関を変動させることにより、真値を求められることが知られている。非線形前処理後の信号をx 1 -(k),x 2 -(k),…,
x N -(k)とし、非線形処理をf1(),f2(),…,fN()で表すものと
すると、例えば、以下の様に表すことができる。
【0007】
x 1 -(k)=x 1(k)+α1f1(x 1(k))・・・・・・(14)
x 2 -(k)=x 2(k)+α2f2(x 2(k))・・・・・・(15)
…
x N -(k)=x N(k)+αNfN(x N(k))・・・・・・(15')
即ち、元の再生信号にαi (i=1,2,…,N)倍した非線形成分を加えることにより、チャネル間の信号の相互相関を変動させることにより適応フィルタによる真値への収束が期待できる。
【0008】
ここで、各再生信号に加える非線形成分はαi の大きさに依存するが、この値は再生音質と収束速度のトレードオフとなる。即ち、加算する非線形成分が大きくなると、再生音質が劣化するが収束速度が速くなり、小さくなると再生音質の劣化が小さく押さえられる反面、収束速度が遅くなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述した通り、Nチャネル再生信号の相互相関を変動させるために加算する非線形成分の大きさは、再生音質の面から小さく抑える必要があり、その結果適応フィルタの収束速度が遅くなる。従来、非線形成分は各チャネルの信号強度に関して所定の一定の比率で各チャネルの信号に加算されていた。
この発明は、再生信号の各チャネル毎のパワーの比が異なる時に、再生信号の小さい方のチャネルの音は大きい方のチャネルの音にマスキングされて聞こえづらいことを利用し、強度が最大のチャネルに対しては所定の非線形成分比率を、強度が最大のチャネル以外のチャネルに対しては強度が最大のチャネルで用いられる非線形成分比率よりも大きい非線形成分比率をそれぞれ用いる構成を採用して、受聴者には再生音質劣化を感じさせずに、適応フィルタの収束速度を改善する反響消去装置、反響消去方法、および反響消去プログラムを提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
N個(Nは2以上の整数)のチャネルの再生信号をそれぞれN個の擬似反響路に通してN個の擬似反響信号を求め、N個の擬似反響信号の和を総合擬似反響信号とし、前記N個の再生信号を同時に再生して収音された反響信号から前記総合擬似反響信号を差し引くことにより残差信号を求め、前記N個の再生信号と前記残差信号とを用いてN個の疑似反響路を逐次推定する反響消去装置において、前記Nチャネル再生信号に各々非線形処理を行って非線形成分信号を生成する非線形前処理部9と、前記Nチャネル再生信号の強度をそれぞれ測定する信号測定部7と、前記強度が最大のチャネルに対しては所定の非線形成分比率を、前記強度が最大のチャネル以外のチャネルに対しては前記強度が最大のチャネルの信号の強度との強度差または強度比に基づく所定の非線形成分比率を算出する非線形成分比率演算部8とを有し、前記非線形成分信号に各々対応するチャネルの非線形成分比率で前記Nチャネル再生信号に加算して、再生信号を再生する反響消去装置を構成した。
【0011】
そして、先の反響消去装置において、前記非線形成分演算部8は、前記強度が最大のチャネルに対しては、所定の非線形成分比率を、前記強度が最大のチャネル以外のチャネルに対しては、前記強度が最大のチャネルで用いられる非線形成分比率よりも大きい非線形成分比率をそれぞれ用いる反響消去装置を構成した。また、N個(Nは2以上の整数)のチャネルの再生信号をそれぞれN個の擬似反響路に通してN個の擬似反響信号を求め、N個の擬似反響信号の和を総合擬似反響信号とし、前記N個の再生信号を同時に再生して収音された反響信号から前記総合擬似反響信号を差し引くことにより残差信号を求め、前記N個の再生信号と前記残差信号とを用いてN個の疑似反響路を逐次推定する反響消去方法において、前記Nチャネル再生信号に各々非線形処理を行い非線形成分信号を生成し、前記Nチャネル再生信号の強度をそれぞれ測定し、前記強度が最大のチャネルに対しては所定の非線形成分比率を、前記強度が最大のチャネル以外のチャネルに対しては前記強度が最大のチャネルの信号の強度との強度差または強度比に基づく所定の非線形成分比率を算出し、前記非線形成分信号に各々対応するチャネルの非線形成分比率で前記Nチャネル再生信号に加算し、再生信号を再生する反響消去方法を構成した。
【0012】
更に、Nチャネル再生信号に各々非線形処理を行い非線形成分信号を生成し、前記Nチャネル再生信号の強度をそれぞれ測定し、前記強度が最大のチャネルに対しては所定の非線形成分比率を、前記強度が最大のチャネル以外のチャネルに対しては前記強度が最大のチャネルの信号の強度との強度差または強度比に基づく所定の非線形成分比率を算出し、前記非線形成分信号に各々対応するチャネルの非線形成分比率で前記Nチャネル再生信号に加算し、再生信号を再生することを実行させる反響消去プログラムを構成した。
【0013】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を図1の実施例を参照して説明する。
図1においては、説明を簡単にするために、受話2チャネル、収音1チャネルとした場合の例が説明される。各チャネルの周波数領域に変換された再生信号は信号測定部7に入力されて各周波数の信号の強度が測定される。非線形成分演算部8は、その信号強度を入力として、各チャネルに加えることのできる非線形成分を求める。非線形成分演算部8により求められた非線形成分は、非線形前処理部91および92において再生信号に加えられる。この場合、各チャネル間において、強度が最大のチャネルに対しては、所定の非線形成分比率を、前記強度が最大のチャネル以外のチャネルに対しては、前記強度が最大のチャネルで用いられる非線形成分比率よりも大きい非線形成分比率をそれぞれ用いて、再生信号の小さいチャネルにより大きい非線形成分を加えることにより、信号の相互相関を大きく変動させる、即ち、小さくすることができる。非線形処理された再生信号はスピーカ2を介して反響路15に送出されると共に、各Nチャネル反響消去装置10にも送出され、各反響消去装置10により反響路から収音チャネルに混入する反響信号を低減することができる。
【0014】
実際に加える非線形成分に関して、聴覚実験により求める方法を説明する。先ず、使用した非線形前処理は以下の式で得られる。非線形成分量は式(16)および(17)のα1、α2により制御される。
x1(k)=u1(k)+α1((u1(k)+|u1(k)|)/2)・・・(16)
x2(k)=u2(k)+α2((u2(k)−|u2(k)|)/2)・・・(17)
|u(k)|は、u(k)の絶対値を示す。αi(i=1、2)は、元の再生信号に加える非線形成分の割合を示す。信号測定部7で信号強度Pを求める式を、例えば、以下の通りにして求める。
【0015】
Px1(k)=Σx1 2(k-i)(i=0〜適応フィルタタップ数−1)・・・(18)
Px2(k)=Σx2 2(k-i)(i=0〜適応フィルタタップ数−1)・・・(19)
式(18)、(19)で求められたパワーの差が15dBあった場合、即ち、
10log10(Px1(k))−10log10(Px2(k))=15・・・・・・・・(20)
であり、x1(k)>x2(k)であり、α1=0.5である場合、α2=1.0としても音の劣化はα2=0.5としたときと同等であった。同じく、パワー比が10dBであった場合、x1(k)>x2(k)、α1=0.5、α2=0.83で音の劣化が同程度であった。パワー比が0dB、即ち、等パワーステレオ信号の場合、α1=α2=0.5と考えられるので、増加させることのできる非線形成分付加量とパワー比が比例していると考えられる。x1(k)>x2(k)の場合の非線形成分加算パラメータは、
α2=α1+β・・・・・・・・(21)
で与えられ、βは、信号の比がγdBとすると、
β=γ/30・・・・・・・・(22)
で求められる。
【0016】
x1(k)>x2(k)で、式(20)を満たしたとき、即ち、信号比が15dBあったときの従来例の式(16)、式(17)でα1=α2=0.5 とした場合と、同様に、α1=0.5、α2=1.0としたときの実施例の場合の適応フィルタの推定精度を図2に示す。波線により示される従来例と比較して、実線により示される実施例の方が、速く収束していることが分かる。また、信号のパワー比がないときはγ=0となり、式(21)でβ=0となるので、従来例と比較して性能が低下するということはない。
【0017】
以上においては、受話2チャネル、収音1チャネルとした場合を例として説明したが、以下、チャネル数をNチャネルに一般化した説明をする。
この発明は、再生信号に加算する非線形成分の再生信号に対する比率を各チャネル毎に設定する。Nチャネル再生信号の信号強度を各々測定し、各受話チャネルの内の再生信号強度の最大のチャネルを決定する。再生信号強度最大チャネル以外のチャネルについて、強度最大チャネルの再生信号強度との間の強度差或いは強度比を求める。ここで、各再生信号をxi(k)(i=1〜N,N:チャネル数)とし、加算する非線形成分をf1(xi(k))、非線形成分比率をαi(k)とすると、非線形処理されスピーカから出力される信号ui(k)は、
ui(k)=xi(k)+αi(k)f1(xi(k))
となる。ここで、非線形処理には、例えば、半波整流付加を用いる。半波整流付加は、以下の様に与えられる。
f1(xi(k))=xi(k)+0.5(xi(k)+(−1)^i|xi(k)|)
ここで、強度最大チャネルがチャネルjであると判定されたとき、非線形成分比率αi(k)は以下のように得られる。
【0018】
ここで、kは現在のサンプル、tはパワーを求める時定数、αは強度最大チャネルに使用される非線形成分比率、bは信号強度差もしくは信号強度比から非線形成分比率を決定する定数である。α、bは再生音を受聴し、その再生品質の優劣を評価する主観評価を用いて決定されたものを用いてもよい。
【0019】
例えば、N=2チャネルの場合は、α=0.5、b=30となる。一般に、非線形成分比率を多くするほど再生音の音質は劣化するが、時不変で各チャネルに対して同じ値の非線形成分比率を用いる従来法において、α1(k)=α2(k)=0.5(固定)を用いた場合と同等な音質が得られる。例えば、チャネル間のレベル差が15dBであったとすると、再生信号と非線形成分の比は、従来例は50%、実施例では約70%となり、実施例の方が加算する非線形成分の量が多い。
【0020】
N=2、チャネル間レベル差が15dBである場合の適応フィルタの推定精度の計算機シミュレーション結果を図2に示す。反響路を推定する適応アルゴリズムには、学習同定法(NLMS)、適応フィルタ長は512タップ、サンプリング周波数は16kHz、再生信号は白色雑音に、実測したインパルス応答を畳み込みステレオ信号を生成したものを用いている。図2は、32、000サンプルのときに、反響路を変動させ、その時点からの収束速度を示している。従来例(破線)は、推定精度を−10dBまで推定するのに、268、000サンプル必要であるのと比較して、実施例(実線)は同様に推定精度を−10dBまで推定するのに、148、000サンプル必要となり、同じ推定精度(−10dB)まで推定するのに、約1.8倍高速化されていることが分かる。
【0021】
一般的な通信会議の強度(受聴位置で約70dBspl)付近(+−6dB)においては、絶対強度を変化(受聴位置で64dBspl〜76dBspl程度)させても非線形成分比率を求める定数αとbに、上述した値α=0.5、b=30を用いても、以上と同様に再生音を受聴させた場合、実施例と従来例とで再生音の音質は同等となる。即ち、受聴位置において絶対強度が変化しても、実施例の効果は同様に得られると言える。
なお、以上の反響消去装置を電子計算機を主要な構成部材として構成してもよい。そして、この発明を、CDその他の記憶媒体からダウンロードし或いは通信回線を介してダウンロードしたプログラムをこの電子計算機にインストールして実施することができる。
【0022】
【発明の効果】
以上の通りであって、この発明によれば、各チャネルの再生信号の強度を測定し、従来の如く一定の比率ではなしに信号強度差或いは信号強度比に応じた量の非線形成分を再生信号に加算することにより、受聴者に対して再生音質の劣化を感じさせることなく、反響消去装置の収束速度を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例を説明する図。
【図2】適応フィルタの推定精度を説明する図。
【図3】従来例を説明する図。
【図4】他の従来例を説明する図。
【図5】反響消去装置の詳細を説明する図。
【符号の説明】
7 信号測定部
8 非線形成分演算部
9 非線形前処理部
Claims (4)
- N個(Nは2以上の整数)のチャネルの再生信号をそれぞれN個の擬似反響路に通してN個の擬似反響信号を求め、N個の擬似反響信号の和を総合擬似反響信号とし、前記N個の再生信号を同時に再生して収音された反響信号から前記総合擬似反響信号を差し引くことにより残差信号を求め、前記N個の再生信号と前記残差信号とを用いてN個の疑似反響路を逐次推定する反響消去装置において、
前記Nチャネル再生信号に各々非線形処理を行って非線形成分信号を生成する非線形前処理部と、前記Nチャネル再生信号の強度をそれぞれ測定する信号測定部と、前記強度が最大のチャネルに対しては所定の非線形成分比率を、前記強度が最大のチャネル以外のチャネルに対しては前記強度が最大のチャネルの信号の強度との強度差または強度比に基づく所定の非線形成分比率を算出する非線形成分比率演算部とを有し、前記非線形成分信号に各々対応するチャネルの非線形成分比率で前記Nチャネル再生信号に加算して、再生信号を再生することを特徴とする反響消去装置。 - 請求項1に記載される反響消去装置において、
前記非線形成分演算部8は、前記強度が最大のチャネルに対しては、所定の非線形成分比率を、前記強度が最大のチャネル以外のチャネルに対しては、前記強度が最大のチャネルで用いられる非線形成分比率よりも大きい非線形成分比率をそれぞれ用いることを特徴とする反響消去装置。 - N個(Nは2以上の整数)のチャネルの再生信号をそれぞれN個の擬似反響路に通してN個の擬似反響信号を求め、N個の擬似反響信号の和を総合擬似反響信号とし、前記N個の再生信号を同時に再生して収音された反響信号から前記総合擬似反響信号を差し引くことにより残差信号を求め、前記N個の再生信号と前記残差信号とを用いてN個の疑似反響路を逐次推定する反響消去方法において、
前記Nチャネル再生信号に各々非線形処理を行って非線形成分信号を生成し、
前記Nチャネル再生信号の強度をそれぞれ測定し、前記強度が最大のチャネルに対しては所定の非線形成分比率を、前記強度が最大のチャネル以外のチャネルに対しては前記強度が最大のチャネルの信号の強度との強度差または強度比に基づく所定の非線形成分比率を算出し、前記非線形成分信号に各々対応するチャネルの非線形成分比率で前記Nチャネル再生信号に加算し、再生信号を再生することを特徴とする反響消去方法。 - N個(Nは2以上の整数)のチャネルの再生信号をそれぞれN個の擬似反響路に通してN個の擬似反響信号を求め、N個の擬似反響信号の和を総合擬似反響信号とし、前記N個の再生信号を同時に再生して収音された反響信号から前記総合擬似反響信号を差し引くことにより残差信号を求め、前記N個の再生信号と前記残差信号とを用いてN個の疑似反響路を逐次推定する反響消去プログラムであって、
前記Nチャネル再生信号に各々非線形処理を行って非線形成分信号を生成し、
前記Nチャネル再生信号の強度をそれぞれ測定し、前記強度が最大のチャネルに対しては所定の非線形成分比率を、前記強度が最大のチャネル以外のチャネルに対しては前記強度が最大のチャネルの信号の強度との強度差または強度比に基づく所定の非線形成分比率を算出し、前記非線形成分信号に各々対応するチャネルの非線形成分比率で前記Nチャネル再生信号に加算し、再生信号を再生することを実行させる反響消去プログラム。
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