JP3725366B2 - 混合繊維マットの継ぎ方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【従来の技術】
従来、連続繊維強化熱可塑性シートの製造方法としては、強化繊維と熱可塑性樹脂繊維とからなる複数の混合繊維マットを接続して巻き取ったものを連続加熱加圧することによって、マット中の熱可塑性樹脂を溶融させ、繊維強化熱可塑性シートのような連続成形品を形成しているものが知られている(特公昭61−130345号参照)。
【0002】
この混合繊維マットから連続的な長尺の繊維強化熱可塑性シートを成形する際、多数の混合繊維マットを継ぐ必要性がある。これは、混合繊維マットは、厚みが厚いので、紙芯等に巻きつけた際、長尺ものを巻くことができないため、繊維強化熱可塑性シートの連続成形品を得るには多数の混合繊維マットを継ぐ必要が生じるからである。
【0003】
従来、2つの混合繊維マットの端部同士を接続する方法としては、図7に示したように、2つの混合繊維マット1,1の端部1a,1a同士を突き合わせ、この端部1a,1a同士をミシン等を用いて有機繊維またはガラス等の糸2で縫い合わせることが行われている。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】
この様な従来の方法において混合繊維マット1,1を継いだ場合、接合部A(緩ぎ目部分)の引張強度はミシン等で接合した糸2の強度に基因する。このため、多数の混合繊維マット1から連続的な長尺の繊維強化熱可塑性シートを形成する際に、接合部Aに引っ張り力が加わると、この引張りにて接合部Aが破断してしまうといった問題が挙げられる。
【0005】
また、接合した縮ぎ方法により混合繊維マットを連続的にシート化する際、重なりの少ない部分が薄肉または、すける(穴があく)といった問題が生じる。更に、逆に重なり合いが大きいと、接合部A(継ぎ部)の厚みが厚くなり、繊維強化熱可塑性シートとしての品質を満足しない場合が生じる。
【0006】
そこで、この発明は、混合繊維マットを成形してシート化する際、接合部が破断せず且つ接合部の品質が低下することのない混合繊維マットの継ぎ方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【発明を解決するための手段】
この目的を達成するため、請求項1の発明は、強化繊維と熱可塑性樹脂織維からなる少なくとも2つの混合繊維マットの端部同士を接合する混合繊維マットの継ぎ方法において、前記2つの混合繊維マットの継がれる端部に繊維絡み解放の加工を施して、この加工を施した2つの端部を重ね合わせた後、この端部同士の重ね合わせ部の厚みを厚み測定手段で測定して、その測定値が所定の厚みのときに、前記端部同士の重ね合わせ部をニードルパンチでパンチングして一体化する混合繊維マットの継ぎ方法としたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形熊】
次に、本発明の実施の形態を図1〜図4に基づいて説明する,
[構成]
図1は図2のマット製造装置で製造される混合繊維マットの接合(継ぎ(繋ぐ))方法を示す説明図、図2は適当な長さに切断された強化繊維と熱可塑性樹脂繊維の混合繊維10から混合繊維マットを製造してロールにする混合繊維マットロール製造装置を示し、図3は図2の混合繊維マットロール製造装置で製造された混合繊維マットロールから繊維強化熱可塑性シートを製造する繊維強化熱可塑性シート製造装置を示したものである。
まず、混合繊維10の材料を説明し、次に混合繊維マットロール製造装置及び繊維強化熱可塑性シート製造装置について説明する。
<合繊維10の材料>
混合繊維10は、適当な長さに切断された強化繊維と熱可塑性樹脂材料を有する。
(強化繊維)
ここに強化繊維は、用いられる熱可塑性樹脂の溶融温度において熱的に安定なもので、たとえばガラス繊維、カーボン繊維、セラミック繊維等の無機繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維等の有機繊維、また金属繊維が用いられ、その引張弾性率が10GPa以上の繊維であれば使用可能である。
【0009】
強化繊維のモノフィラメントの直径は、1〜50μmが好ましく、望ましくは2〜30μmである。直径が1μm未満の場合には、得られる繊維強化熱可塑性シートの強度が十分ではないし、逆に50μmを越える場合には、繊維間に樹脂を広げて繊維同士を樹脂にて繋ぐことが困難で強度が発現出来ない。
【0010】
ここにおいて、強化繊維は、たとえばカーボン繊維(CF)で直径10μm、平均長さ約50mmである。
(熱可塑性樹脂繊維)
熱可塑性樹脂繊維としては、繊維状として得られるものであれば使用可能である。
たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂、ナイロン、アクリニトリル、ポリエチレンテレフタレート(PET)等である。また、熱可塑性樹脂材料としては、粉体状のもの、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフエニレンサルファイド、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン等の他、熱可塑性エラストマーが挙げられる。
【0011】
この熱可塑性樹脂は、単独で使用され、あるいは他のものと併用されてもよく、熱安定剤、可塑剤、滑材、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、無機充填材、補強単繊維等の添加剤、充填材、加工助剤、改質剤等などが添加されてもよい。
【0012】
ここにおいて、熱可塑性樹脂繊維は、たとえばPET繊維で直径20μmで、平均長さ50mmである。
<混合繊維マットロール製造装置>
図2の混合繊維マットロール製造装置は、繊維受タンク(材料受部)11,11と、繊維タンク11,11に供給された混合繊維10を取り出す繊維取出装置(繊維取出手段)12,12と、繊維取出装置12,12により取り出された混合繊維10を解繊する解繊装置(解繊手段))13,13と、解繊装置13,13により解繊された解繊混合繊維10a,10bを送り出す繊維搬送装置14,14と、繊維搬送装置14,14で搬送される解繊混合繊維10a,10bを受けて積層させる積層コンベア15と、積層した解繊混合繊維10a,10b同士を圧縮して混合繊維マットとする圧縮ローラ16を有する。
【0013】
また、混合繊維マットロール製造装置は、圧縮ローラ16で圧縮された混合繊維マット1を予め設定した適当な長さに切断する切断装置31を有する。
この切断装置31は、混合繊維マット1の移動通路の上方に配設され且つ図示しない駆動手段で上下に駆動される可動切断刃31aと、混合繊維マット1の移動通路の下方に配設された固定刃31bを有する。
【0014】
更に、混合繊維マットロール製造装置は、切断された混合繊維マット1を送る駆動ロール32,32と、駆動ロール32,32と協働して混合繊維マット1の端部に引き裂き加工を施す引き裂き治具(端部繊維絡み解放手段すなわち端部繊維絡み解放治具)33と、先に送られた混合繊維マット1の後端部上に後から供給される混合繊維マット1の送り側端部を重ねる駆動ロール34,34と、高さ測定センサ(厚さ測定手段)35のフィーラー35aと、順次供給される混合繊維マット1,1の端部同士の重ね合わせ部Bを接合する(継ぐ(繋ぐ))ニードルパンチ17と、ニードルパンチ17で接合された混合繊維マットを巻き取るマット巻取機18を有する。18aはマット巻取機18に巻かれた混合繊維マットロールである。17bは、ニードルパンチ17の受け部材であるプレートである。
【0015】
図2では、図示の便宜上ニードルパンチ17と高さ測定センサー37を混合繊維マット1の送り方向に並設して図示したが、実際には図1(b)の如く混合繊維マット1,1の重ね合わせ部Bの両側に配置する。しかも、ニードルパンチ17と高さ測定センサー37を、図示しない駆動手段で重ね合わせ部B上に移動可能に設ける共に、図示しない駆動手段(昇降駆動手段)で昇降駆動可能に設ける。
【0016】
尚、図1(b)では、引き裂き治具33を説明の便宜上ニードルパンチ17に近接して図示してある。この引き裂き治具33,34は、図1(b)に示したように、プレート33a及びプレート33a上に突設され且つ幅方向に等ピッチで配列された多数の刃33bを有する。
【0017】
繊維取出装置(繊維取出手段)12は、繊維受タンク11に供給された混合繊維10をタンク外に取り出すコンベア19と、取り出された混合繊維10を下方に移動させるコンベア20と、コンベア20により送られる混合繊維10を水平方向に解繊装置13まで移動させるコンベア21を有する。
【0018】
この解繊装置13は、大径の解繊ローラ22と、解繊ローラ22の上側の周囲に配設された小径及び中径の多数の解繊ローラ23〜27を有する。
【0019】 繊維搬送装置14は、水平方向に向けられた上部コンベア29と、下方に傾斜する傾斜コンベア30を有する。
<繊維強化熱可塑性シート製造装置>
図3の繊維強化熱可塑性シート製造装置は、マット繰出機40と、マット繰出機40の混合繊維マットロール18aと、マット繰出機40に隣接して配置された加熱炉41と、加熱炉41内の上下に設けられて混合繊維マット1を加熱する遠赤外線ヒータ42,42を有する。
【0020】
また、樹脂製造装置は、加熱した混合繊維マット1を上下から挟持して送り出すことにより、加熱した混合繊維マット1を薄いシートSに成形する加熱ピンチロール43,43と、この薄くした樹脂シートSを上下から挟持して送り出すことにより、薄く圧延された樹脂シートS冷却する冷却ピンチロール44,44を有する。
【0021】
更に、繊維強化熱可塑性シート製造装置は、冷却された樹脂シートSを引き取る引取ロール45,45と、引取ロール45,45で引き取られた樹脂シートSを巻き取るシート巻取機46を有する。47は、シート巻取機46で巻き取られたシートロールである。
[作用]
・ 混合繊維マットロールの製造方法
次に、上述の混合繊維マットロール製造装置を用いて混合繊維マットロールを製造する方法を説明する。
【0022】
まず、適当な長さに切断された強化繊維と熱可塑性樹脂繊維の混合繊維10,10をエア等で繊維受タンク(材料受部)11,11に供給する。この各繊維受けタンク11,11に供給された混合繊維10は、繊維受タンク11からコンベア19により取り出された後、コンベア20で下方に移動させられ、コンベア21で水平方向に各解繊装置13,13まで移動させられる。この解繊装置13,13は、供給される混合繊維を大径の解繊ローラ22と小径及び中径の多数の解繊ローラ23〜27とにより解繊して、解繊した解繊混合繊維10a,10bを繊維搬送装置14,14のコンベア29,29上へ供給する。この解繊混合繊維10a,10bは、互いに反対方向にコンベア29,29で搬送された後、下方に傾斜する傾斜コンベア30,30で積層コンベア15上に移動させる。この積層コンベア15は、供給される解繊混合繊維10a,10aを圧縮ローラ16側に移動させて、解繊混合繊維10aの上に解繊混合繊維10bを積層させる。
【0023】
この積層された解繊混合繊維10a,10aは、圧縮ローラ16で圧縮されて混合繊維マットに形成される。この混合繊維マット1は、切断装置31で予め設定した適当な長さに切断された後、駆動ロール32,32により引き裂き治具33上まで送り側端部が移動させる。
【0024】
そして、図示しない押さえ手段により混合繊維マット1の移動側端部が上方に移動するのを押さえた状態で、引き裂き治具33を上方に図示しない駆動手段により上昇させて、混合繊維マット1の移動側端部を引き裂き治具33のプレート33aの上に載せる。これにより、引き裂き治具33のプレート33aの多数の刃33aが混合繊維マット1の移動側端部に突き刺さって上方に先端部が突出することになる。次に、駆動ロール32,32で混合繊維マット1を図1(d),図2中左方に移動させて、混合繊維マット1の送り側端部に図1に示した様な引き裂き部1bを形成させる。これにより、引き裂き部1bの繊維の一部の解放が行われる(図1(a)の(a1),(b1)の上側の混合繊維マット1参照)。
【0025】
この後、引き裂き治具33を下方に図示しない駆動手段により降下させて、混合繊維マット1の移動側端部から引き裂き治具33のプレート33aを下方に離反させて、駆動ロール32,32により混合繊維マット1を図2中右方に送り、混合繊維マット1の送り側に対して後端部を引き裂き治具33上まで送り側端部が移動させる。
【0026】
そして、図示しない押さえ手段により混合繊維マット1の後端部部が上方に移動するのを押さえた状態で、引き裂き治具33を上方に図示しない駆動手段により上昇させて、混合繊維マット1の移動側端部を引き裂き治具33のプレート33aの上に載せる。これにより、引き裂き治具33のプレート33aの多数の刃33aが混合繊維マット1の後端部に突き刺さって上方に先端部が突出することになる。
【0027】
次に、駆動ロール34,34で混合繊維マット1を図2中右方に移動させて、混合繊維マット1の後端部に図1(a)に示した様な引き裂き部1bを形成させる。これにより、引き裂き部1bの繊維の一部の解放が行われる(図1(a)の(a2)参照)。尚、図1(a2)は図1(a)の(a1)の下側の混合繊維マット1の形状を示すために図示したものである。
【0028】
この後、引き裂き治具33を下方に図示しない駆動手段により降下させて、混合繊維マット1の移動側端部から引き裂き治具33のプレート33aを下方に離反させて、駆動ロール34,34により混合繊維マット1を図2中右方に送り、混合繊維マット1の送り側端部を先に送られた混合繊維マット1の後端部上に重ねて、混合繊維マット1,1の端部同士の重ね合わせ部Bを設ける。
【0029】
次に、高さ測定センサー35を図示しない駆動手段により重ね合わせ部B上に移動させて降下させることにより、高さ測定センサー35のフィーラー35aを重ね合わせ部B上に当接させ、重ね合わせ部Bの厚さaを測定させる。
【0030】
この測定により厚さaが所定値であれば、高さ測定センサー35を図示しない駆動手段により上方に移動させた後、図示しない駆動手段で重ね合わせ部B上から退出させて、図示しない駆動手段によりニードルパンチ17を重ね合わせ部B上に移動させた後、ニードルパンチ17を図示しない駆動手段により降下させて、ニードルパンチ17のニードル(針)17aにて重ね合わせ部Bをニードリング(ニードルパンチング)することにより、混合繊維マット1,1の重ね合わせ部Bの繊維同士を絡ませて、混合繊維マット1,1の端部同士を一体化する。この接合により一体化された混合繊維マット1,1を巻取ローラ18で巻き取って混合繊維マットロール18aにする。
・ 繊維強化熱可塑性シート製造装置による樹脂シート製造方法
また、この様にして製造された混合繊維マットロール18aを図3の繊維強化熱可塑性シート製造装置のマット繰出機40に保持させて、マット繰出機40の混合繊維マットロール18aから混合繊維マット1を繰り出し、この繰り出された混合繊維マット1を加熱炉41内を通過させる。この際、混合繊維マット1を加熱炉41内の上下の遠赤外線ヒータ42,42により加熱させる。
【0031】
そして、加熱された混合繊維マット1を加熱ピンチロール43,43で上下から挟持して送り出すことにより、加熱した混合繊維マット1を加熱ピンチロール43,43で圧延して薄くしてシートSに形成し、この薄くしたシートSを冷却ピンチロール44,44で冷却する。次に、この冷却したシートSを、引取ロール45,45で引き取った後、シート巻取機46で巻き取ることにより、シートロール47が形成される。
[実施例の説明]
【0032】
【実施例1】
1.熱可塑性樹脂と強化繊維からなる混合繊維のマット状混合物
混合繊維10の材料としては、直径約10μm、平均長さ約50mmのカーボン繊維(CF)と直径約20μm、平均長さ約50mmのポリエチレンテレフタレート(PET)繊維を用いた。そして、図2の混合繊維マットロール製造装置を用いて、混合繊維10を解繊装置13により解繊しながら平均的に混合し、平均的に混合された解繊混合繊維10a,10bを積層コンベア15上に積層させる。この積層コンベア15上に積層された解繊混合繊維10a、10bを圧縮ローラ16で圧縮して混合繊維マットとし、この混合繊維マットを適当な長さに切断する。
2.混合繊維マットの継ぎ方法
上述したように、混合繊維マット1,1の互いに対応する継ぎ端部に引き裂き部1b,1bを形成して、この混合繊維マット1,1の互いに対応する継ぎ端部同士を重ね合わせ、この継ぎ端部同士の重ね合わせ部Bを高さ測定センサー35のフィーラー35aで測定し、重ね合わせ部Bの厚さが所定の厚みの場合に、ニードルパンチ17で重ね合わせ部Bをパンチングして、重ね合わせ部Bの繊維同士を絡み合わせ、重ね合わせ部Bを一体化した。
3.その他
本実施例における、混合繊維マットの成形速度は3m/minであった。
得られた混合繊維マットは、目付け量約450g/m2、CF:PET:40:60(wt%)であった。また、混合繊維マットの厚みは平均で7mmであった。
【0033】
更に、得られた混合繊維マットは、巻取ローラ18を用いて紙芯に100mを巻き取り、図2に示したような混合繊維マットロール18aを得た。
【0034】
また、PETの溶融温度は255℃である。
【0035】
そして、図3に示す繊維強化熱可塑性シート製造装置を用いて得られた混合繊維マットロール18aから繊維強化熱可塑性シートの成形を行った。
尚、図3に示す繊維強化熱可塑性シート製造装置の仕様は以下の様に設定した。
(1)繊維強化熱可塑性シート製造装置の仕様
加熱炉41
・上下に各6本の遠赤外線ヒータ42を設置
・加熱炉41内内のマット通過部の雰囲気温度を285℃に設定
加熱ピンチロール43,43
・加熱ピンチロール43はロール表面温度を100℃に設定
・加熱ピンチロール43の径は250mm
・加熱ピンチロール43,43による挟持圧(加圧力)は線圧で50kgf/cmであった。
冷却ビンチロール44,44
・冷却ピンチロール44は口一ル表面温度を30℃に設定
・冷却ピンチロール44の径は250mm
・冷却ピンチロール44,44による挟持圧(加圧力)は線圧で50kgf/cmであった
(2)この装置により得られる繊維強化熱可塑性シート
図3に示す繊維強化熱可塑性シート製造装置を用いて混合繊維マットから繊維強化熱可塑性シートを製造する場合において、ラインスピード1.5m/分であった。
そして、この装置により巾500mmの繊維強化熱可塑性シートを得た。
【0036】
【実施例2】
<混合繊維マットの端部継ぎ方法>
図4は、この発明の実施例2を示したものである。
本実施例では実施例1の構成に加えて、引き裂き加工が端部1a,1aに施された混合繊維マット1,1を図4(a)の如く重ね合わせ、混合繊維マット1,1の端部1a,1aの重ね合わせ部Bをニードルパンチ17でパンチングする際、ニードルパンチ17の多数のニードル17aの周囲を押さえプレート(押さえ部材)50で図4(b)の如く押さえつけて、押さえプレート50に設けた多数の挿通孔50aを介してニードルパンチ17のニードル17aで重ね合わせ部Bをパンチングするようにした例を示したものである。
【0037】
この押さえ部材50を用いた点以外は実施例1と同じであるので、その説明は省略する。
【0038】
【実施例3】
図5はこの発明の実施例3を示したものである。
本実施例は、実施例1,2で用いた引き裂治具33の代わりに、図5(a)に示した複数(多数)の針51aが設けられた針付き治具(ブラシ)51を用いて混合繊維マット1の端部の繊維の絡みを一旦解放し、この絡みの解放された混合繊維マット1,1の端部1a,1a同士を図5(b)の位置で重ね合わせた後、この端部1a,1a同士の重ね合わせ部Bをニードルパンチ17でパンチングして、重ね合わせ部Bの繊維同士を絡ませ、重ね合わせ部Bを一体化する様にしたものである。
1cは混合繊維マット1の端部1aに設けた繊維絡み解放部である。
【0039】
この針付き治具(ブラシ)51を端部繊維絡み解放手段(端部繊維絡み解放治具)として用いた点以外は実施例1と同じであるので、その説明は省略する。
【0040】
【実施例4】
図6はこの発明の実施例4を示したものである。
本実施例では、図6(a)に示した混合繊維マット1,1の端部1a,1a同士を重ね合わせて、この端部1a,1aの重ね合わせ部Bを図6(b)の如く引き裂治具33のプレート33aに同時に押しつけて、引き裂治具33の多数の刃33bで突き刺し、混合繊維マット1,1を図5(b)の矢印の様に互いに反対方向に引っ張ることにより、混合繊維マット1,1の端部1a,1aに引き裂き部1b、1bを同時に形成している。そして、図6(c)に示したように、この引き裂き部1b,1bが同時に形成された混合繊維マット1,1の端部1a,1aの重ね合わせ部Bをニードルパンチ17でパンチングすることにより、重ね合わせ部Bの繊維同士を絡ませ、重ね合わせ部Bを一体化する様にした。
【0041】
なお、この点以外は実施例1と同じであるので、その説明は省略する。
[比較例の説明]
【0042】
【比較例1】
混合繊維マット1,1の端部を図7の如く突き合わせてガラス糸2にて縫い合わせて繋いだものを図3の繊維強化熱可塑性シート製造装置で繊維強化熱可塑性シートとした。この繊維強化熱可塑性シート製造装置の仕様は実施例1と同じである。
【0043】
【比較例2】
2つの混合繊維マットの繋ぎあわせる端部に引き裂き加工をそれぞれ別々に施し、この加工された2つの端部同士を重ね合わせて、この2つの端部の重ね合わせ部を二ードルパンチにてパンチングすることにより、重ね合わせ部の繊維を絡ませて、2つの端部を一体化した。この様にして繋ぎ合わせられた混合繊維マットを図3の繊維強化熱可塑性シート製造装置で繊維強化熱可塑性シートとした。この繊維強化熱可塑性シート製造装置の仕様は実施例1と同じである。
[実施例と比較例との比較]
(1)実施例1〜3と比較例1との比較
上述の実施例1〜3及び比較例1において得られた混合繊維マットを100mごとに繋ぎ、混合繊維マット1,1を500m作成し、図3に示す繊維強化熱可塑性シート製造装置にて繊維強化熱可塑性シートの成形を行った結果を以下の表1に示す。
【0044】
【表1】
成形時の破断 シートの引張強度
実施例1(0/5)回 8.5kgf/mm2
実施例2(0/5)回 8.0kgf/mm2
実施例3(0/5)回 8.0kgf/mm2
比較例1(2/5)回 3.2kgf/mm2
この比較結果から分かるように、実施例1〜3のものは、比較例1に示した従来の混合繊維マットの継ぎ方法よりも遙かに大きいシートの引っ張り強度が得られた。
(2)実施例4と比較例1,2との比較
上述の実施例4及び比較例1,2において得られた混合繊維マットを100mごとに繋ぎ、混合繊維マット1,1を500m作成し、図3に示す繊維強化熱可塑性シート製造装置にて繊維強化熱可塑性シートの成形を行った結果を以下の表2に示す。
【0045】
【表2】
成形時の破断 シートの引張強度 端部加工時間
実施例4(0/5)回 7.5kgf/mm2 80秒
比較例1(2/5)回 3.2kgf/mm2 180秒
比較例2(2/5)回 7.0kgf/mm2 200秒
この比較結果から分かるように、実施例4のものは、比較例1に示した従来の混合繊維マットの継ぎ方法よりも遙かに大きい強度が得られた。また、実施例4のものは、2つの混合繊維マットの端部に個別に引き裂き加工を施したものをニードルパンチで繋いだ比較例2のものよりも、大きいシートの引っ張り強度を得ることができた。
【0046】
尚、以上説明した発明の実施の形態で示した方法及び各実施例1〜4の方法は単独で行うこともできるし、これらを組み合わせて行うことができる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明は、強化繊維と熱可塑性樹脂繊維からなる少なくとも2つの混合繊維マットの端部同士を接合する混合繊維マットの継ぎ方法において、前記2つの混合繊維マットの継がれる端部に繊維絡み解放の加工を施して、この加工を施した2つの端部を重ね合わせた後、この端部同士の重ね合わせ部の厚みを厚み測定手段で測定して、その測定値が所定の厚みのときに、前記端部同士の重ね合わせ部をニードルパンチでパンチングして一体化する混合繊維マットの継ぎ方法としたので、2つの混合繊維マットの端部同士の重なり部のニードルパンチによる一体化の際に、端部同士を安定的に繋ぐことができる。しかも、混合繊維マットを成形してシート化する際、接合部が破断せず且つ接合部の品質が低下するのを防止できる。即ち、継ぎ部分の形態は継ぎ以外の部分と同等となり、継ぎ部分(接合部)が引張により破断するといった問題が解決される。また、重なり合い部分の厚みも継ぎ以外の部分とほぼ同等であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はこの発明にかかる混合繊維マットの継ぎ方法の説明図、(b)は図2の高さ測定センサやニードルパンチ等の説明図、(c)は(a),(b)の引き裂き治具の説明図である。
【図2】混合繊維マットロール製造装置の一例を示す説明図である。
【図3】繊維強化熱可塑性シート製造装置の一例を示す説明図である。
【図4】この発明にかかる混合繊維マットの継ぎ方法の他の例を示す説明図である。
【図5】この発明にかかる混合繊維マットの継ぎ方法の更に他の例を示す説明図である。
【図6】(a),(b)は混合繊維マットの端部の引き裂き方法の説明図、(c)は(a),(b)により端部が引き裂かれた混合繊維マットの継ぎ方法を示す説明図である。
【図7】従来の混合繊維マットの継ぎ方法の説明図である。
【符号の説明】
1 混合繊維マット
1a 端部
1b 引き裂き部
17 ニードルパンチ
33 引き裂き治具
33a プレート
33b 刃
35 高さ測定センサ
50 押さえプレート(押さえ部材)
51 針付き治具(ブラシ)
51a 針
B 重ね合わせ部
Claims (1)
- 強化繊維と熱可塑性樹脂織維からなる少なくとも2つの混合繊維マットの端部同士を接合する混合繊維マットの継ぎ方法において、
前記2つの混合繊維マットの継がれる端部に繊維絡み解放の加工を施して、この加工を施した2つの端部を重ね合わせた後、この端部同士の重ね合わせ部の厚みを厚み測定手段で測定して、その測定値が所定の厚みのときに、前記端部同士の重ね合わせ部をニードルパンチでパンチングして一体化することを特徴とする混合繊維マットの継ぎ方法。
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