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JP3725591B2 - 小型電気泳動装置 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気泳動を利用した液体試料の分析や、液体試料中の成分の分離、分取等に好適に用いることのできる電気泳動装置、特に小型電気泳動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気泳動は、液体試料の分析、及び液体試料中の成分の分離、分取に用いられるが、近年、キャピラリ電気泳動がその分離能力の高さから注目を集めている。キャピラリ電気泳動装置は、キャピラリと高電圧装置と検出器(光学的検出系)から構成することができる。
【0003】
キャピラリは本電気泳動の心臓部であり、一般に、溶融石英ガラスを中空円筒状に細長く引き延ばし、更に、その周囲をポリイミド樹脂でコーティングすることにより補強したものが用いられる。この方法の特徴は直径が150μ以下の細管の中で分析が行われるため、体積に比し界面の面積の影響が強い場での分析である。これにより、キャピラリ電気泳動は界面での電気浸透流を有効に利用した分析方法といわれている。
図8は、その心臓部を示したものであり、キャピラリ74、電圧を印加するための電極75及びキャピラリ74に導入する緩衝液部76を図示してある。
【0004】
また、近年のマイクロマシン技術の発達により、上述のキャピラリを使わずにシリコン基板やガラス基板にリソグラフィ技術を用いて溝を形成し、そこで電気泳動を行うことも試みられるようになっている。特開平4−191634号公報(文献1)の「液体試料分析装置」に、このような例が開示されている。この技術を用いることにより自由な形状のキャピラリを形成することができ、その応用範囲が拡大することが期待されている。
【0005】
更に、分析感度を向上させるため電気浸透流を積極的に制御することも試みられている。これは外部電場の印加により表面電位を制御し、それにより電気浸透流を制御しようとするものである。例えば、「アナリティカル ケミストリー(Analytical Chemistry)」Vol.65,No.1,第27〜31頁(1993年1月)(文献2)に述べられているように、径の異なるキャピラリを同心円状に2重に配列したシステムを作製し、内側管内は分離用に、外側管には分離用と同じ緩衝液を満たすようにし、内側キャピラリに放射状電場を印加できるようになっている。このような構成にすることにより内側管内の表面電位を電場印加により変化させ、電気浸透流を制御できるようになる。
【0006】
一方、電気泳動を利用した試料の前処理システムにも、マイクロマシン技術の応用が試みられるようになってきている。「アナリティカル ケミストリー(Analytical Chemistry)」Vol.66,No.18,第2858〜2865頁(1994年9月)(文献3)には、フリーフロー電気泳動を応用した試料の前処理システムが述べられている。この装置は、図9に示す如き構成のものとして説明でき、緩衝液導入口78と、電気泳動を行うための緩衝液を連続的に流すための流路と、その流路に対し直角に電場を印加する電極79が配置されている。
【0007】
緩衝液導入口78から緩衝液を連続的に流し込み、同時に試料導入口77から試料を導入すると、試料は緩衝液によって運ばれてゆくが、同時に流れと直角方向に電場を印加することにより泳動が行われ、矢印81のように試料が分離される。泳動の終了する地点の流路80を更に細分化し、分離された目的の成分のみを取り出すことにより前処理が行われる。このように連続的に前処理が行うことができるため、マイクロマシン技術を用いた微小なシステムでも、システムのサイズを変えることなく必要な試料量に応じて処理を行うことが可能になる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記において、キャピラリ電気泳動においては界面の状態が強く影響すると述べたが、キャピラリ内面を化学修飾することにより電気浸透流を制御する試みもかなり行われている。化学修飾する物質はその目的により適宜選択されるが、一般のキャピラリは非常に細いため単管のみで構成されており、一種類の物質を表面処理することは可能であるが、キャピラリ表面を部分的に多種類の表面処理をすることは困難である。また、マイクロマシン技術のリソグラフィとエッチングを用いてガラスまたはシリコン基板に溝を形成してキャピラリとする方法も提案されているが、しかし、多種類の物質を部分的に修飾することは考えられていない。
【0009】
更に、付言すると、電気泳動を行う際に電極からは電気分解により気泡が発生するが、この気泡が電極表面を覆ったり、キャピラリの流路を遮ると良好な泳動を行うことができなくなる。従って、一般には、図8に示すように、キャピラリ74の一端及び電極75を緩衝液の入った容器に差し込み、電極で発生する気泡がキャピラリ中に入らないようになっている。しかし、このような構成では全体を小型化することは難しい。
【0010】
また、一般のキャピラリ電気泳動において、試料の導入は緩衝液の導入部と共用ぜざるを得ないが、リソグラフィとエッチングを用いてガラスまたはシリコン基板に溝を形成してキャピラリとする方法はまた、試料の導入部を独立に任意に形成することができる。しかし、その際には試料の導入時に気泡の混入をできるだけ少なくする必要がある。
【0011】
また、キャピラリ電気泳動の検出は光学的に行われるが、キャピラリの径が細いため光路長も小さく検出も高感度が要求される。
また、内側管内の表面電位を電場印加により変化させ、電気浸透流を制御する方法としては、前記に述べたように文献2に記載の方法が考えられるが、構成が複雑である。
【0012】
一方、フリーフロー電気泳動では、前記文献3に述べられているような試料の前処理システムが提案されている。しかして、分離された成分をできるだけ純粋に取り出すためには流路の末端を細分化する必要があるが、細分化すればするほど細分化された流路から試料の成分を取り出すことが困難になる。この点に関しての考慮も、従来なされてはいない。
【0013】
電気泳動を行う際に電極からは電気分解により気泡が発生して、その気泡により悪影響が生じることについては、上記で既に述べたが、これはフリーフロー電気泳動でも同じである。従って、発生した気泡が電極付近のそこに滞留せずまた、泳動される流路に拡散しないような対策が必要となる。
また、フリーフロー電気泳動では、泳動が行われる流路では液が層流となって流れる必要があるが、注入される試料も、層流となって流れている緩衝液中に導入される必要がある。もし、緩衝液が拡散または乱流となって流れているところに試料が導入されると、成分の分離が悪くなる。
【0014】
本発明は、上述のような考察に基づき、特にフリーフロー電気泳動に適用して好適で、分離された成分を純度良く、かつ確実に採取することのできる、しかも流路末端の細分化とも両立を図ることのできる小型電気泳動装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の小型電気泳動装置は、シリコン基板またはガラス基板のいずれかからなる第1の基板と、ガラス基板またはシリコン基板のいずれかからなる第2の基板とを有し、これら第1,第2の基板のうちの一方の基板の片面に溝が形成されるとともに、その他方の基板で該溝を覆うことにより液流路を形成し、その流路でフリーフロー電気泳動を行う装置であって、流路の流出口が複数の流路に分割され、該分割された流路液分取口に向かう液の流れ方向に従い徐々に流路の間隔が広がっている、ことを特徴とするものである。
【0016】
よって、本発明によれば、その第1の基板または第2の基板に溝を形成して得られる液流路でフリーフロー電気泳動を行わせるようにすることができるのに加え、その分割された流路の液分取口での流路の間隔は広がっており、その液分取口では間隔を十分にとる構成とし得て、容易に目的の成分を取り出すことができるとともに、フリーフロー電気泳動において、分離される成分をできるだけ純粋に取り出すために流路の末端を分割、細分化する場合であっても、細分化すればするほど細分化された流路から試料の成分を取り出すことが困難になるといったことも回避して、分離された成分を純度良くかつ確実に採取することができ、上記した如くのフリーフロー電気泳動に適用して好適な小型電気泳動装置の提供を可能ならしめる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1,2は、本発明とともに開発した小型電気泳動装置の第1参考例を示す。
図1は、本参考例に従い、第1の基板の片面に形成した溝を第2の基板で覆うことで液流路を形成しその流路で電気泳動を行うようにする場合における、液流路、液流入口、液流出口等の主要な要素の配置構成の一例を示すものであり、図2は、かかる配置構成の場合における本参考例に係る装置の、図1のA−A線相当断面を示したものである。
【0018】
図において、参照符号1,2,3,5,8,9,10を付して示すものは、液流入、流出の用に供することのできる液路口を、また4,6は流路を、それぞれ表す。また、16,17はそれぞれ2枚の使用基板を示す。
図示例では、本装置は、第1の基板17としてのシリコン基板、第2の基板16としてのガラス基板を備えるものとする。
【0019】
シリコン基板17には、例えばエッチングにより図1の直線で表されるが如き溝が形成されている。溝の形態の一例は、図2に断面で示される。
本例においては、基本的には、このようにシリコン基板17の片面に溝を形成するものであり、そして、その後、ガラス基板16で溝を覆うことにより電気泳動を行う液流路6を形成することができる。
【0020】
ここに、適用するシリコン基板としては、P型、N型どちらでも使用でき、結晶面も[100]、[110]等種々のものが使用できる。なお、異方性エッチングを使うこともできるが、もっとも、その場合には[111]面のシリコン基板を用いることはできない。
【0021】
電気泳動が行われる流路6は、図1の流路の口3から流路の口10(ここでは、例えば前者を流入口(注入口)とし、後者を流出口とする)に至る経路であるが、その経路とは別に電気泳動の行われる流路6の一部を独立して液の出し入れを行うための液の流入、流出口が形成される。図示例では、流路6はその一部に液を流し、その一部分のみに表面処理(後述の処理部分7,12における処理)ができるように流入、流出口1,9及び2,8の組が配置されている。そして、これらを、電気泳動を行う流路6の途中に部分的に液を流すための液の流入、流出口として機能させる。
【0022】
ここで、図1では一部分のみに液を流しやすいように流路6を屈曲させて形成しているが、直線状でもよい。また、上記で触れた異方性エッチングで溝を形成する場合には、流路が直線の組み合わせとなるが、ICPプラズマエッチング、エキシマレーザによるエッチング等の技術で溝を形成する場合には、曲線的な加工も可能である。従って、流路6の形状は一部分のみに前記表面処理ができるように流入、流出口1,9及び2,8が配置されていればこの限りではない。
また、より多くの流入、流出口を設けることも可能である。
更にまた、液の流入、流出口を適宜変更することも可能である。従って、例えば流出口9の方から液を入れ、流入口2の方から液を出すことも可能であるので、流入口、流出口といった言葉でその機能を限定するものではない。
【0023】
更に、上述のような流路6、流路口1,2,3,5,8,9,10のほかに、電気泳動を行う流路6の途中に試料を注入するための流路4及び注入口5(試料導入口)を設ける。
ここに、基本的には、流路形成のための溝の深さ、幅についても特に制限はないが、本例の装置では、後述の如き観点から、上記流路4の占める体積が流路6の径R(r=R/2)に関し、(4/3)×(πr3)以下(もしくは、ほぼ(4/3)×(πr3)以下)のものとなるようにする。こうした関係にする必要があるので、流路4の径は流路6の径の1/2以下にした方が装置として使いやすくなる。また、キャピラリの効果を発揮させるためには流路6の径を150μ以下にすることが望ましい。
【0024】
上記シリコン基板17は、表面を保護するためにシリコン酸化膜、窒化シリコン膜、アルミナ、酸化タンタル等の絶縁膜で被覆されている(図2では、図示を省略してあるが、この点については、後記第2,第3参考例を参照)。被覆膜の厚さは、絶縁を確実に行うため1000Å以上が望ましい。
【0025】
エッチングされた基板17を覆う基板16には、液の流入、流出口(1,2,3,5,8,9,10)に対応する箇所に貫通孔が形成されており、図2では、流入口3側と流出口10側の2箇所での、基板16に形成の貫通孔部分が参照符号16aで表されている。
こうした貫通孔の径は、形成する流路の径に合わせることが望ましいが、基板16が厚くなるほど加工が困難になる。従って、かかる貫通孔は液の出し入れ口としてのみ用い、泳動のための流路として用いないようにした方が現実的である。その観点からすると、サイズの制限はなくなるが1mm以下にした方が現実的である。
【0026】
上述した2つの基板、即ち基板16と基板17は、加工部分の位置が合わされ、例えば陽極接合で接着されている。ここに、陽極接合は、2つの基板を重ねた状態で500℃程度に加熱し、その状態で基板の両側から800V程度の電圧を印加することにより接着する方法であり、接着剤を用いないため精密加工した部品を接合する場合に適した方法である。
【0027】
上述した基板16の各貫通孔には、更に、図2に如くに、例えばジョイント15を接着し、液の流入、流出口(1,2,3,5,8,9,10)を形成するものとする。
具体的には、ここでは、それらの流入、流出口には配管の用に供するチューブを接続するものとし、そして、電気泳動を行う流路6の両端の液流入、流出口3,10側に関しては、図2のように、更に電極14を配設し、かつ電極14を含む各配管13部分がそれぞれ垂直になるよう構成する。従って、流入口3及び流出口10にはチューブが接続され、それぞれ電極14が垂直に接続されている。
そして、上記電極14は、電気泳動を行わせるため電圧を印加する電源15(高圧電源装置)に接続されている。
【0028】
ここに、電極14としては通常白金が用いることができるが、電気化学的に安定であるならば、これ以外に金や白金/イリジウム等の金属も使用可能である。
また、その形状も円筒状、板状、ワイヤー状等、形状や大きさに限定されることはない。また、電極14の配置を、ここでは垂直としたが、実用的には90°±10°の範囲で許容される。従って、ほぼ垂直でもよい。
【0029】
更に、図1には、泳動によって分離された成分を測定するためのウインドー11が配置されている。光学的な検出部分は、かかるウインドー11を含んで構成されるが、この部分の詳細な構成例のいくつかについては、後記の第2参考例で触れる。
【0030】
次に、上記第1参考例による小型電気泳動装置の作用、使用例等について説明する。
本装置によれば、上述のような構成とされているので、例えば流入口1、流出口9との間でアミノ基を有するシラン処理剤を流通させることにより処理部分12で示される領域にのみ流路6内壁をアミノ基で処理することができる。同様に例えば流入口2と流出口8間で処理部分7に相当する領域をカルボキシル基で処理することができる。このように電気泳動を行う流路6を多種類の物質で部分的に修飾できるので目的に合わせたより高感度な分析が効率よく行えるものである。
【0031】
具体的な手順を含めて説明すると、まず、電気泳動に先立ち、分析目的に合わせて流入口1と流出口9との間に感応基を有するシランカップリング剤を流し、処理部分12を感応基で被覆する。同様に流入口2と流出口8の間も、上記感応基と異なった感応基を有するシランカップリング剤で処理をし、処理部分7での表面処理を実施する。なお、シランカップリング剤としては、上記に例示したアミノ基、カルボキシル基のほか、エポキシ基等種々の感応基を有するものが市販されており、それらが利用できる。
【0032】
しかして、こうした表面処理が終了したら、流路内部を洗浄乾燥してから流入口3と流出口10の間を緩衝液で満たす。
次いで、試料用の流入口5から試料を、流路4を介し流路6に導入し、かくして、電源18を用いて電極14間に電圧を印加すると電気泳動が行われる。
【0033】
このように、例えば処理部分12をアミノ基で処理し、処理部分7をカルボキシル基で処理することができれば、電気泳動による分離に更に、処理表面と分離物質とのアフィニティによる分離効果を重畳させることができるため、より高感度な分析が効率より行えるようになる。
【0034】
また、本装置によれば、以下のような点でも効果的である。
図2からも分かるように、上記電極14は、電気泳動を行う流路6の上部に設けられ、かつ流入、流出口3,10に対し垂直方向に配管がされている。このような構造とすることによって、電極14は垂直(もしくは、ほぼ垂直)に配置されるため、電極14に電圧が印加されて電気分解により気泡が発生しても、その気泡は電気泳動が行われる流路6に拡散することはなく、また、電極14の上部に気泡が抜けて行くため電極表面に気泡が滞留することもない。従って、安定な電気泳動が行えるようになる。
【0035】
それ故に、気泡が電極表面を覆ったり、流路6を遮る等が原因で良好な泳動が妨げられといったことが回避されるとともに、既述の図8の構成の場合であれば小型化するのに難点があるといったような不利もなく、上記を実現できる。
【0036】
更に、試料流路4の体積を、流路6の径R(r=R/2)の(4/3)×(πr3 )以下の関係のものにすることにより試料の導入時に気泡が混入して流路を閉鎖することがないので、この点からも、より安定な泳動が可能である。
この考えで、流路4の径を流路6の径Rの半分(=r)にすると、そのRの4倍の長さの流路を設けることができるので、必要量以上に試料が混入することも少なくなるという効果もある。
【0037】
上記のように選定するのは、次のような理由に基づくものである。
本参考例の小型電気泳動装置では、その一つの特徴は、リソグラフィ技術とエッチングにより電気泳動を行う流路6の形状を任意に設定することが可能なことである。そのため、試料の導入のための流路(4)や導入口(5)を設けることが可能であり、容易に試料を導入することができる。
その一方、前述の手順のように、試料の導入は電気泳動を行う流路6に緩衝液を満たした後に行うため、もし、試料の導入時に気泡が混入して流路を閉鎖してしまうとすると、良好な泳動が行えなくなる。ここで、図1をみるに、その試料導入口5から流路4を介入して試料を導入する場合、流路4の体積に相当する気泡が混入するといったことが考えられる。しかして、この場合、流路6の径R(r=R/2)に球状に気泡が生成すると考えると、その球の体積は(4/3)×(πr3)である。従って、上記不利を回避すべく、流路4の体積をそれ以下(または、ほぼそれ以下)にすることが必要であり、本例では、既述の如く、そのように設定することとしたものである。
そして、この考えで、流路4の径を流路6の径Rの半分にするとRの4倍の長さの流路を設けることができる。
このように形状を設定することにより、本装置では、より安定な泳動を行うことがきるようになり、必要量以上に試料が混入することも少なくなる。
【0038】
なお、本参考例の各構成は、当然、既に触れてきた事項をも含めて、各種の変形、変更が可能である。
〔第1参考例の変形例1〕
例えば、本参考例では、基板17をシリコン基板、基板16をガラス基板としたが、基板17をガラス基板、基板16をシリコン基板とすることも可能である。
【0039】
〔第1参考例の変形例2〕
従って、シリコン基板同士またはガラス基板同士で流路を形成することも、可能であり、また、両方の基板に溝を形成し、流路とすることも可能である。
【0040】
〔第1参考例の変形例3〕
また、図示例では、処理部分に関し、処理部分7及び処理部分12の2箇所による例を示したが、これに限らず、既述の如きより多くの流入、流出口を設けることで、より多くの処理部分を設けることも可能である。
【0041】
次に、図3(A),(B),(C)を参照して、本発明とともに開発した小型電気泳動装置の第2参考例を説明する。
参考例によるものは、光学的な検出部の流路の厚さを電気泳動を行うための流路のそれより大、好ましくは約2倍以上、約10倍以下のものにしようというものである。
図3(A),(B),(C)は、上記第2参考例に従って構成される装置の場合において用いることのできる前記図1の光学的検出部部分11近傍の好適例の拡大断面図を示している。ここに、図3(A),(B),(C)の各具体例の各々における基板23a,23b,23cは、図2の基板17に対応し、また、各例の各々における基板25a,25b,25cは図2の基板16に対応する。2枚の基板の具体的な組合せ態様については、更に後記で述べる。
【0042】
また、それらの各例(A),(B),(C)において、電気泳動の行われる流路24a,24b,24c(24)は、図示の如くに光学検出部21a,21b,21cで流路の幅(図中上下方向の高さ方向寸法(光学検出部21a,21b,21cの厚さ寸法))が広がっている。そして、分離された成分を検出するための入射光19a,19b,19cは、光学検出部21a,21b,21cを通過し、出射光20a,20b,20cは検出器(不図示)に導かれるようになっている。
【0043】
ここで、図3(A),(B),(C)各々の例は、本参考例に従う小型電気泳動装置における光学的な検出部の構造の例であると同時に、その使用第1,第2基板の組合せをも例示している。
そのひとつは、図3(A)に示すように、ガラス基板25a(25)と、片面からエッチングして形成したシリコン基板23aとを組み合わせる構造であり、また他は、図3(B)に示すように、ガラス基板25b(25)と、両面からエッチングして形成したシリコン基板23bとを組み合わせる構造であり、そして、図3(C)に示すように、各々が両面からエッチングして形成したシリコン基板23cとシリコン基板25cとを組み合わせる構造である。
【0044】
更に、具体的に説明すると、次のようである。
図3(A)の場合は、基板23a側がシリコン基板であって、シリコン酸化膜で覆われたそのシリコン基板23aをリソグラフィ技術とエッチング技術を用い片面から異方性エッチングして、図の如くに酸化膜22を残したものである。これにより、光学検出部21aが形成される。
図3(B)の場合は、図3(A)の場合の構成を更に発展させており、同様に基板23aにシリコン基板を用いるが、そのシリコン基板23bを片面づつエッチングしてその酸化膜27を図示のように残すようにしたものである。このような形成方法を用いると、光学検出部21bの厚さ21を任意に設定することができる。
【0045】
図3(C)の構成の場合は、更に上記構成を発展させており、基板23c及び25c双方に、シリコン基板を用いて、図示の如くに酸化膜29,30を残すようにして光学検出部21cを形成した例である。この場合の装置構成は、前記〔第1参考例の変形例2〕における、シリコン基板同士で流路を形成する場合に相当する。
なお、ここでは、本参考例に係る小型電気泳動装置の要部部分について述べたが、上記で特に言及した以外の構成、事項等に関しては、基本的に、前記第1参考例で内容、説明(変形例等も含む)と同様であってよい(この点は、後記の参考例の場合も、これに準ずる)。
【0046】
以下、本参考例による場合の装置の作用等について説明する。
既述のように、キャピラリ電気泳動の検出は光学的に行われるが、キャピラリの径が細いが故に光路長も小さく検出も高感度が要求されるところ、本装置によれば、上述のような構成に基づき、これにも容易に応えられる。
【0047】
即ち、電気泳動によって分離された成分は、上記各例において流路24(24a,24b,24c)の延長上に分布している。これを例えば図1の流入口3の方から流出口10に向かってポンプで液を送り出すか、または泳動を続けると、各成分が順次光学検出部(21a,21b,21c)に送り込まれる。これを測定するわけであるが、図3(A),(B)または(C)で示すように、光学的な検出部21a,21bまたは21cを、流路24(電気泳動を行うための流路)よりも厚くすることにより、光路長を増やすことができ、また、泳動によって分離された成分の分布の幅も検出部21a,21bまたは21cを厚くした分だけ狭くすることができる。従って、検出感度の向上実現と分離パターンのピークも急峻にすることができる。
このことにより高感度の検出が期待できる。もっとも、検出部21a,21b,21cの厚さをあまり厚くすると、分離された成分が重くなってしまうので、この厚さとしては2倍以上、10倍以下(または、ほぼ2倍以上〜ほぼ10倍以下)であることは望ましい態様である。そして、流路24に合わせて、既述のようにその検出部の厚さも任意に設定することも容易に可能である。
また、使用基板として、シリコン基板を使用する場合においては、シリコンは可視、紫外光に対しては不透過性なので検出部に対するスリットとしても用いることができる。
参考例では、前記第1参考例で奏し得る既述の作用効果に加え、更に、上記のことを実現できるものである。
【0048】
なお、本参考例の各構成についても、当然、既に触れてきた事項を含め(第1参考例での変形、変更を含む)、各種の変形、変更が可能である。
〔第2参考例の変形例1〕
例えば、ガラス基板同士でこのような加工も行うことが可能である。もっとも、そのような場合には外部にスリットが必要となる。
【0049】
〔第2参考例の変形例2〕
また、本参考例では、透過光の測定について述べたが、例えば図3(A)の光の入射方向を逆にして斜めに傾いたエッチング面に光を入射するようにし、多重反射を繰り返した後、反対側の斜めのエッチング面から出てくる光を測定するようにすることによって、より光路長を稼ぐことも可能である。この場合、流路の内面を液体より屈折率の低い薄膜で覆うことが必要である。
【0050】
図4、図5は、本発明とともに開発した小型電気泳動装置の第3参考例を示す。
参考例は、使用基板に共にシリコン基を用いるようにし、かつまた、シリコン基板に電圧を印加するための電極を設けることで、簡単な構成をもって、該電極と、電気泳動を行うための電圧印加電極対のうちのどちらか片方との間に電気浸透流制御のための電圧を印加する構成を更に付加する態様とするか、あるいは、かかる内容を更に発展させ、液流路に面するシリコン基板にPN接合を用いて電気的に絶縁された微小領域を当該流路に沿って複数設けて、各々の領域と、上記電気泳動用の電極対のどちらか片方との間で独立に電圧印加することができるようにしようというものである。
参考例は、第1,第2の基板の組合せをシリコン基板同士とする場合の変形例にも相当する。
【0051】
図4,5は、各々その一例の構成を示すものであり、前記第1参考例における断面を示した図2と同様の断面を示す図である。この図4,5では、説明を分かりやすくするために図1の流路を直線状に簡略化したものであるが、図1で示す形状やその他の形状など、いかような流路の形状にも適用可能であることはいうまでもない。
【0052】
図4は、本参考例に従う装置での電気泳動を行う流路に沿った断面図であるが、ここでは、前記図2の基板16と基板17が、各々図4の基板34及び基板37に相当し、両基板34,37にシリコン基板を用いている。なお、シリコン基板37の片面に溝を形成し、その後、別のシリコン基板34で溝を覆うことにより液流路を形成してその流路で電気泳動を行う構成については、前記各参考例のものと同様である(この点は、図5のものも同様である)。
また、それらシリコン基板34,37の表面は、各々絶縁膜35,40で覆われている。絶縁膜35は、上側の位置するシリコン基板34の貫通孔相当部分(図2貫通孔部分参照)内面をも含むその基板34表面絶縁膜であり、絶縁膜40は、下側基板となるシリコン基板37側の流路形成用溝内面をも含むその基板37表面絶縁膜40である(この点は、図5の場合も、これに準ずる)。
【0053】
本例では、基板34,37の一方の面には、絶縁膜35及び40の一部が除去されて電極33,39が形成されており、この電極(33,39)は電気泳動を行うための電極41,41aのうちの片方の電極41との間に電源42(可変電源)を用いて電圧が印加できるようになす。更に、電気泳動を行うためのその片方の電極41は、もう一方の電極41aとの間に電源42aを用いて電圧が印加できるようになっている。そして、上述の2つの電圧は独立に制御できるようになっている。
【0054】
図5の構成の例は、これを更に発展させたものである。上記した図4の場合は、シリコン基板は半導体なので基板の一面に電極を形成し、電気泳動を行うための電極の片方との間に電源42により電圧を印加することにより容易に電気泳動を行う流路の内表面の荷電状態を変化させ得て、かかる手段で電気浸透流の制御を可能にしより精密な分析を達成せしめるようにするものであるが、図5では、以下の改良も加えてある。
【0055】
図5では、図示の如く、既知の半導体技術を用いて、液流路に面するシリコン基板43,51にPN接合を形成し、電気的に絶縁された微小領域を流路に沿って複数(図中は、3箇所を図示)設ける。
これは、ここでは、本参考例の使用基板43及び基板51を例えばN型とすると、図示の基板43,51の絶縁層44a,44b,44c,52a,52b,52cはP型となるようにドーピングされ、分離層45a,45b,45c,53a,53b,53cはN型となるようにドーピングされようにすることによって行い、かくしてそれらの微小領域を得ることができる。従って、各々の領域(45a,45b,45c,53a,53b,53c)は、互いに絶縁されており、かつ、電気泳動を行うための電極41との間で独立に電圧印加できるよう、各々の領域は図示の如くの結線関係で電源56、電源55、電源58(可変電源)に接続するものである。図中、46a,46b,46c,54a,54b,54cは、それら電源と接続される電極を表す。
【0056】
なお、図5中の絶縁膜47及び絶縁膜49は、各々図4の場合の絶縁膜35及び絶縁膜40と同等のものであり、電源57は図4の場合の電源42aに対応する。また、図4,5中の他の構成要素については、前記図2の場合と同様であってよく、符号3,10,13,15は各対応要素を表す。
【0057】
以下、本参考例による場合の作用等について説明するに、本例の場合の装置は、次のようにして使用することができる。
まず、図4の構成の装置の場合にあっては、電気泳動は電極41及び電極41aとの間に電圧を印加することにより行われるが、同時に電極41と電極33との間にも電圧を印加することにより、既述の如く、絶縁膜35及び絶縁膜40の表面の荷電の状態を変化させることができる。このことにより電気浸透流を制御できるようになるため、電気泳動で分離される成分の分離がより精密に行えるようになる。しかも、電気浸透流を制御するに当たり、図2との対比でも理解できるように、構成の複雑化を招くことなくこれを実現できている。
【0058】
図5の場合はまた、基板43,51にシリコンを用いているため、半導体技術を用いることにより液流路に面する該シリコン基板にPN接合を形成し、電気的に絶縁された微小領域を流路に沿って複数設け、各々の領域と電気泳動を行うための電極(41,41a)のどちらか片方との間で独立に電圧印加できる構成の小型電気泳動装置が可能である。
それ故に、更に図5による装置においては、上記の効果に加え、流路に沿って流路表面の荷電の状態を連続的に変化させることができるので、浸透流を加速または抑制することが期待できる。このことにより電気浸透流をより能動的に制御することが可能になり、前述のように精密な泳動が可能になるとともに、それがより一層効果的に行える。
【0059】
本参考例では、前記第1参考例で奏し得る既述の作用効果に加え、更に、上記のことを実現できるものである。
なお、図5においては電圧を印加するための電極46a,46b,46c,54a,54b,54cの具体的な形態は示していないが、絶縁層44a,44b,44c,52a,52b,52c、分離層45a,45b,45c,53a,53b,53cは、通常の半導体技術により任意の形状に形成することができるため、流路の周囲に形成したこれら絶縁層、分離層を伸長させ流路から離れた位置に当該電極を形成することができるので、構成上で問題とはならない。
【0060】
なお、本参考例の各構成についても、当然、既に触れてきた事項を含め(第1,2参考例での変形、変更を含む)、各種の変形、変更が可能である。以下の変形は、図4,5による態様のものに、ともに適用可能である。
〔第3参考例の変形例1〕
例えば、シリコン基板表面の絶縁膜としては、シリコンの酸化膜、窒化膜、アルミナ、酸化タンタル等、絶縁性のあるものであれば何でも使用できる。
また、その膜の単独膜、複合膜でも良い。更に、前記第1参考例で述べたように、それらの膜の表面を有機物で修飾したものにも適用可能である。
【0061】
〔第3参考例の変形例2〕
その他、本構成では、流路の周囲をシリコン基板で覆った構成となっているが、内表面の一部の状態を変化させるとそれが周囲に伝播し、効果を発揮するとの報告もある。この観点からすると片側がガラス基板でも効果が期待できる。
【0062】
次に、本発明の小型電気泳動装置の実施の形態について、図6、及び図7(A),(B),(C)を参照して説明する。
本実施の形態によるものは、前記各参考例と同様、例えば第1の基板の片面に溝を形成し、その後、別の第2の基板でその溝を覆うことにより液流路を形成するものであるが、その流路でフリーフロー電気泳動を行う小型電気泳動装置の態様のものであって、図6は、本実施形態での主要な要素の配置構成の一例を示す。また、図7(A),(B),(C)は、かかる配置構成の場合の小型フリーフロー電気泳動装置における図6のA−A線相当断面、B−B線相当断面、C−C線相当断面を示す。
【0063】
本例では、図7(A),(B),(C)に示す第1の基板としてのシリコン基板72にエッチングにより、図6に見られる形状に溝が形成されている。第2の基板(例えばガラス基板)としての基板71は、該シリコン基板72と図7の如くに組み合わせることができる。
以下、本実施形態の要部につき、主に、図6をもとに液の流れ(図6中、矢印方向)に沿って図6中手前側(図中下部)から反対側(図中上部)向かって説明する。
【0064】
装置の流路は、緩衝液流入口(注入口)68を頂点としてそこから徐々に扇状に広がり、当幅の流路73に到達する(図7(C))。
該流路73の部分では、液が流れると同時に泳動が行われ、泳動の終了する地点には流路を細分割した複数のチャネル58a,59a,60a,61a,・・・62aが形成されている(図7(B))。ここでは、細分割された流路は扇状に広がり、複数のチャネル58a,59a,60a,61a、・・・62aは、更に図中上方へ流れて行くに従ってチャネルの間隔が広がり、液取り出し口58,59,60,61・・・62近傍では相互に十分の間隔がとられている(図7(A))。
【0065】
こうして、流路73の流出口(等幅流路73末端のB−B線付近部分)を複数の流路としてのチャンネルに更に分割し、斯く分割された流路が扇状に広がり、液取り出し口部分(B−B線より更に下流のA−A線近傍部分)でのかかる流路の間隔(隣接チャンネル相互間の間隔)は広げてある。
【0066】
この液取り出し口部分での流路間隔の設定を含めた構成の採用は、以下のような観点からのものである。
適用する基板上の溝の形成については、前記各参考例と同様にして、リソグラフィとエッチング技術を用いることができ、よって、1μレベルの微細な加工が可能である。このため電気泳動により分離された成分を、上記の流路(74)流出口部分で細分割されたチャネル(59a,60a・・・61a等)に導いた後、その成分を各チャネルから適切に取り出すためには、その液分取口となる上記の取り出し口(59,60・・・61等)の間隔が十分に広がっていることが必要である。従って、これらを踏まえ、分離された成分を純度良くかつ確実に採取することができるようにすべく、本例装置では、上述の如き構成を採用することとしたものである。
もっとも、上記では扇状に広がった流路としたが、取り出し口の間隔が、分離された成分を純度良くかつ確実に採取するのに必要な程度に十分広がった構造であれば、扇状でなくともよい。
【0067】
また、本例において、上記流路73、チャネル58a,59a,60a,61a,・・・62a、及び液取り出し口55,59,60,61,・・・62の断面積(断面図で白抜きの部分)は、互いに等しくなるように(もしくは、実質的に、ほぼ等しくなるように)形成されている。なお、チャネルの幅は、目的に合わせて10μから1mmの範囲で設定することが可能であり、深さも10μの範囲とすることが可能である。
【0068】
更に、流路73の両側近傍には、図6及び図7(C)に示すように、細長い電極65,69が設けられる、好ましくは、電極65,69は流路73に平行に配設され、これが電源に接続される。泳動は、その電源からこれら電極65,69に電圧が印加されることにより行われる。
また、かかる電極65,69の各内側(流路73の中央側)位置において、その電極65,69に沿ってガイド64,70が配置され、かつ、好ましくは、ガイド64,70は液路の上面に位置させ、これらガイド64,70の突起部分と反対側基板72との間にはスペースが設けられている(図7(C))。ここに、ガイド64,70の幅はできるだけ狭い方が望ましいが、実用的には1mm以下であればよい。
【0069】
また、試料の注入口67は、流路が等幅となった地点において、上側の基板71に設けられている(図7(C))。注入口67は、好ましくは、平行な壁面を形成している流路73の一部に配置する。
【0070】
本例の小型フリーフロー電気泳動装置は、上述のような構成を基本とするが、ここで、上記断面積の設定について、更に説明を加えておくと、以下のようである。
かかる断面積についての設定は、基本的には、基板部分63による平行な壁面を有する上記等幅の流路73箇所での断面積と、その流路73の末端において更に扇状に分割された上記チャネル58a,59a,60a,61a・・・62a部分の断面積の和と、及び液取り出し口58,59,60,61・・・62での断面積の和との、3者を対象としてみたとき、それらが等しいということを意味する。即ち、図7(A),図7(B),図7(C)で示される液流路の部分(白抜き)の面積が等しくなるように流路及びチャネルを形成するものである。
【0071】
このようにするのは、次の理由に基づくものである。
層流となって流れている流路中で分離された成分を各チャネル(59,60・・・61等)に導く際、分割された流路の断面積の和(チャンネル断面積の総和)と、電気泳動が行われる流路73の断面積とが異なると、チャネル内の流速と泳動が行われる流路での流速が異なり、更には圧力の分布が生じる。この不均衡はチャネルと電気泳動が行われる流路73の境界(B−B線付近部分)で顕著であるため、分離された成分が乱されることになる。従って、これを回避しようと、上述の如くに断面積を等しくする構成を採用することとしてあり、これにより、前記の液取り出し口部分での流路間隔の設定に加えれて、より一層、分離されたものが精度よく分取され、取り出せる。
【0072】
以下、本実施の形態による小型電気泳動装置の作用等について、更に具体的に説明する。
本装置によれば、上述のような構成とされているので、次のようにして分離された成分を純度良くかつ確実に適切に取り出すことができる。 本装置においては、緩衝液を注入口68から連続的に流し続ける。電極65と電極69の間に電圧を印加し泳動を開始する。試料を注入口67より連続的に注入する。ここに、注入される液量は、例えば緩衝液の1/10以下とする。
【0073】
かくして、注入された試料は、緩衝液の流れによって運ばれてゆくが、流れと直角に泳動が行われるため、運ばれるに従って成分の分離が進む。分離された成分は、各々細分されたチャネル58a,59a,60a,61a,・・・62aに流れ込み、それらチャネルを流れる液体には単独の成分のみが含まれるため、液取り出し口58,59,60,61・・・62から必要な成分を取り出すことができる。
【0074】
この場合において、図7(B)で表されるチャネル58a,59a,60a,61a,・・・62aは、成分を取り込むところなので、細分化されかつ狭い領域にチャネルが密集しているが、一方、図7(A)にみるように、本装置では、前述の如くに、その成分を各チャネルから取り出す上記液取り出し口の間隔が十分に広がっており、その取り出し口では間隔を十分に取ることができるため容易に目的の成分を取り出すことができる。
よって、フリーフロー電気泳動でも、分離された成分をできるだけ純粋に取り出すために流路の末端を細分化する場合であっても、細分化すればするほど細分化された流路から試料の成分を取り出すことが困難になるといったことも解消し得て、分離された成分を純度良くかつ確実に採取することができる。
【0075】
また、本装置では、上記の試料の分離の過程で、図7(A)、図7(B)、図7(C)で示される流路の部分(白抜き部分)の面積が等しくなるように流路、チャネル及び液取り出し口が形成されているため、既述の如くに各部分での流速が等しくなり、圧力の分布が生じることがないので、分離された成分が乱されることもない。従って、この点でも、分離された物を精度良く分取できるようになる。
フリーフロー電気泳動では、泳動が行われる流路73では液が層流となって流れる必要があり、注入される試料も層流となって流れている緩衝液中に導入されるが、この場合において、緩衝液が拡散または乱流となって流れているところに試料が導入されれば、それだけ成分の分離も悪くなるところ、本装置では、これも良好に解消されるものである。
【0076】
また、本装置によれば、以下のような点でも効果的である。
既述のように、フリーフロー電気泳動でも電気泳動時には気泡が発生する。しかるに、本例では、泳動が行われる流路73に平行した電極65,69に沿ってそれを囲むよう内側には図6図示の如きガイド64,70を設けられているため、泳動の行われる流路73に気泡が流れ込むことが少なくなり、より確実な泳動が可能となる。
従って、発生した気泡を電極65,69付近のそこに滞留させず、泳動される流路に拡散させないようにする対策として、かかる構成は有用なものとなり、しかもまた、かかるガイドを設けることでより確実な泳動を可能にせしめるよう導入することとした当該ガイド64,70は、本例の場合、そのガイド64,70の突起部分と反対側基板72との間にはスペースを有して設けるよう構成してあり(図7(C))、かかるスペースがあるため、泳動の行われる流路73には均等に電圧が印加されるので泳動の支障とはならない。
【0077】
更に、かかる構成は、そのガイド64,70が上面側(基板71側)に位置することを構造となる結果、ガイド64,70を上面(基板71)に配置することにより(図7(C))、泳動の行われる流路73に気泡が流れ込むことがより少なくなり、この点でからも、より一層確実な泳動が可能となり、効果的なものとなる。
【0078】
また、本装置において、注入口68から導入された緩衝液は流路の形状に従って拡散し、その後流路73の幅が等しいところでは層流となって流れる。一方、試料注入口67は、前述の如くに、平行な壁面を形成している流路73の一部に配置するものであり、従って、平行な壁面を形成している流路73から試料を注入することにより、試料の拡散をできるだけ抑えることができ、泳動による分離をより確実に行うことができる。
試料注入口67は、より好ましくは、流路73の幅が等しく緩衝液が層流となって流れる地点、即ち流路73が等幅となった地点に設けるとよく、この地点から試料を注入することにより、より効果的に試料の拡散をできるだけ抑えることができるので、泳動による分離をより精密に行うことができ、本例ではそのように選定してある。
【0079】
なお、本実施の形態の各構成は、当然、既に触れてきた事項をも含めて、各種の変形、変更が可能である。
変形例1
例えば、シリコン基板72としてはP型、N型どちらでも使用でき、結晶面も[100]、[110]等種々のものが使用できる。なお、異方性エッチングを使う場合には、[111]面のシリコン基板を用いることはできない。また、異方性エッチングで溝を形成する場合には、流路が直線の組み合わせとなるが、ICPプラズマエッチング、エキシマレーザによるエッチング等の技術で溝を形成する場合には、曲線的な加工も可能である(これらの点は、前記参考例の場合と同様である)従って、このフリーフロー電気泳動の場合も、緩衝液を注入し、それが拡散し、層流となり最後に複数のチャネルに分割されそのチャネルが発散する構造を取ることができれば、形状に限定されることはない。
【0080】
変形例2
また、例えば、上記したガイド64,70は、両サイドのチャネル58a,62aを構成する外壁と一体でも別に形成されてもよい。また、流路に沿って配設することとなる電極(65,69)全体またはそれ以上に渡ってガイドが形成されることは望ましい態様である。もっとも、その電極全体またはそれ以上に渡ってガイドが直線的に形成されれば、大きさに限定されることはない。
【0081】
変形例3
また、ガイド64,70の突起部分と反対側基板72とのスペースは、電気的な導通が確保できればその大きさに制限はないが、そのスペースを確実にするためにガイドの突起の上に更にスペースに相当する厚みのポッチを複数設けることも可能である。
【0082】
変形例4
また、試料の注入口67については、その配置は流路の中心でなくとも良い。分離される目的の泳動方向が電極のプラスまたはマイナス方向に限定されるのであれば、泳動方向と反対側の電極付近に試料注入口を配置することにより泳動の距離を有効に利用でき、流路の幅を小さくすることができる。このような態様で、実施してもよい。
【0083】
変形例5
また、前記〔第1参考例の変形例1〕、〔第1参考例の変形例2〕に準じた変形で実施することもできることはいうまでもない。
【0084】
以上の各参考例および実施の形態、それらの変形例等に記載された内容は、以下の発明として捉えることもできるものである。
〔1〕 シリコン基板またはガラス基板の片面に溝を形成し、その後、別のガラス基板またはシリコン基板で溝を覆うことにより液流路を形成してその流路で電気泳動を行う小型電気泳動装置(以下、これを、付記項〔2〕以下において、「電気泳動装置」と略す)であり、
電気泳動を行う流路の途中に部分的に液を流すための液の流入、流出口(1,2,8,9)を少なくとも1組以上配設することを特徴とする小型電気泳動装置(図1)。
この構成によれば、電気泳動が行われる流路に係る経路とは別に、電気泳動の行われる流路の一部を独立して液の出し入れを行うための液の流入、流出口(1,2,8,9)が形成される。これにより、例えば流入口、流出口(1,9)間で液路途中の部分的な領域にのみ流路内壁をアミノ基で処理することができ、あるいはこれと同様に他の流入口、流出口(2,8)間で液路途中の対応する部分的な領域をカルボキシル基で処理することができる。このように電気泳動を行う流路を多種類の物質で部分的に修飾も容易にでき、目的に合わせたより高感度な分析が効率よく行えるようになる。
【0085】
〔2〕 前記「電気泳動装置」において、電気泳動を行う流路の両端の液流入、流出口に電極が配設され、かつ電極(14)を含む配管(13)が垂直になっていることを特徴とする小型電気泳動装置(図2)。
この場合は、電極(14)は電気泳動を行う流路の上部に設けられ、かつ、その流入、流出口(3,10)に対し垂直方向に配管される。このような構造とすることにより、電極に電圧が印加されて電気分解により気泡が発生してもその気泡は電気泳動が行われる流路に拡散することはなく、また、電極の上部に気泡が抜けて行くため電極表面に気泡が滞留することもない。従って、安定な電気泳動が行えるようになる。
【0086】
〔3〕 前記「電気泳動装置」において、電気泳動を行う流路の途中に試料を注入するための流路(4)及び注入口(5)が形成され、試料を注入するための流路(4)の占める体積が電気泳動を行うための流路6の径R(r=R/2)の4/3(πr3)以下であることを特徴とする小型電気泳動装置(図1)。
この場合は、リソグラフィ技術とエッチングにより電気泳動を行う流路の形状を任意に設定することが可能であるとともに、試料の導入のための流路や導入口を設けることが可能であり、容易に試料を導入することができ、しかも、そのような試料の導入部を独立に任意に形成し、そこから試料の導入を行うようにしても、その試料の導入時の気泡の混入をできるだけ少なくすることができ、安定な泳動を行うことがきるようになる。試料を注入するためのその流路(4)の径を電気泳動を行う流路(6)の径Rの半分にするとRの4倍の長さの流路を設けることができる。
【0087】
〔4〕 前記「電気泳動装置」において、光学的な検出部の流路の厚さ(21)が電気泳動を行うための流路(24)の2倍以上、10倍以下であることを特徴とする小型電気泳動装置(図3)。
キャピラリ電気泳動の検出は光学的に行われ、この場合、キャピラリの径が細いため光路長も小さく、検出も高感度が要求されるが、上記の構成によって、光学的な検出部を厚くすることにより光路長を増やすことができ、また、泳動によって分離された成分の分布の幅も検出部を厚くした分だけ狭くすることができる。従って、検出感度の向上と分離パターンのピークも急峻にすることができる。このことにより高感度の検出が期待できる。しかも、検出部の厚さをあまり厚くすることが原因で、分離された成分が重なってしまうといったことも回避しつつ上記のことを実現できる。
光学的な検出部の構造としても、ガラス基板(25)と片面からエッチングして形成したシリコン基板(23a)を組み合わせる構造やガラス基板(25)と両面からエッチングして形成したシリコン基板(23b)を組み合わせる構造、両面からエッチングして形成したシリコン基板(23c)とシリコン基板(26)を組み合わせる構造等、種々の構造が考えられ、検出部の厚さも任意に設定することが可能である(図3(A)〜(C))。
【0088】
〔5〕 シリコン基板の片面に溝を形成し、その後、別のガラス基板で溝を覆うことにより液流路を形成してその流路で電気泳動を行う小型電気泳動装置であり、シリコン基板に電圧を印加するための電極(33)と電気泳動を行うための電極(41,41a)のどちらか片方との間で電圧を印加する手段を有することを特徴とする小型電気泳動装置(図4)。
この場合は、基板にはシリコン基板(34,37)が用いられる。シリコン基板の表面は絶縁膜で覆われる。シリコン基板は半導体なので、基板の一端に電極(33,39)を形成し、電気泳動を行うための電極の片方との間に電圧を印加することにより、容易に電気泳動を行う流路の内表面の荷電状態を変化させることができる。このことにより電気浸透流を制御できるようになり、より精密な分析が行えるようになる。
【0089】
〔6〕 シリコン基板の片面に溝を形成し、その後、別のガラス基板で溝を覆うことにより液流路を形成してその流路で電気泳動を行う小型電気泳動装置であり、液流路に面するシリコン基板にPN接合を用いて電気的に絶縁された微小領域を流路に沿って複数設け、各々の領域(45a,45b,45c,53a,53b,53c)と電気泳動を行うための電極(41,41a)のどちらか片方との間で独立に電圧印加する手段を有することを特徴とする小型電気泳動装置(図5)。
これは、上記付記項〔5〕の内容を更に発展させたもので、基板にシリコン(43,51)を用いているため、半導体技術を用いることにより液流路に面するシリコン基板にPN接合を形成し、電気的に絶縁された微小領域を流路に沿って複数設け、各々の領域(45a,45b,45c,53a,53b,53c)と電気泳動を行うための電極(41,41a)のどちらか片方との間で独立に電圧印加できる構成の電気泳動装置が可能である。よって、この場合は、更に、例えば、流路に沿って流路表面の荷電の状態を連続的に変化させることにより浸透流を加速または抑制することが期待できる。このことにより電気浸透流をより能動的に制御することが可能になり、精密な泳動が可能になる。
【0090】
〔7〕 シリコン基板またはガラス基板の片面に溝を形成し、その後、別のガラス基板またはシリコン基板で溝を覆うことにより液流路を形成してその流路でフリーフロー電気泳動を行う小型電気泳動装置(以下、これを、付記項〔8〕以降において、「フリーフロー電気泳動装置」と略す)であり、
流路の流出口を複数の流路に更に分割し、分割された流路が扇状に広がり、液分取口(59,60,61)での流路の間隔が広がっていることを特徴とする小型フリーフロー電気泳動装置(図6)。
基板上の溝の形成はリソグラフィとエッチング技術を用いるため1μレベルの微細な加工が可能であり、このため電気泳動により分離された成分を細分割されたチャネル(59a,60a,61a等)に導いた後、その成分をチャネルから取り出すためには取り出し口(59,60,61等)の間隔が十分に広がっていることが重要となるが、上記の構造とすることにより分離された成分を純度良くかつ確実に採取することができるようになる。また、この場合、取り出し口の間隔が十分広がった構造であれば扇状でなくともよい。
【0091】
〔8〕 前記「フリーフロー電気泳動装置」において、流路に平行して配設された電極(65,69)の内側に沿ってガイド(64,70)が設けられており、ガイドの突起部分は反対側基板(72)との間にスペースを有していることを特徴とする小型フリーフロー電気泳動装置(図6,図7(C))。
この場合は、上記構成のように電極(65,69)に沿ってガイド(64,70)を設けることにより、電気泳動時に気泡が発生するものの、泳動の行われる流路に気泡が流れ込むことが少なくなり、より確実な泳動が可能となる。また、ガイドの突起部分と反対側基板との間にはスペースがあるため、泳動の行われる流路には均等に電圧が印加されるので泳動の支障とはならない。
【0092】
〔9〕 前記「フリーフロー電気泳動装置」において、ガイド(64,70)が流路の上面に配置されていることを特徴とする小型フリーフロー電気泳動装置(図7(C))。
これは、上記付記項〔8〕の発展型で、ガイド(64,70)を上面に配置することにより泳動の行われる流路に気泡が流れ込むことが、より少なくなる。
【0093】
〔10〕 前記「フリーフロー電気泳動装置」において、試料注入口(67)は平行な壁面を形成している流路の一部に配置されていることを特徴とする小型フリーフロー電気泳動装置(図6)。
緩衝液注入口(68)から導入された緩衝液は流路の形状に従って拡散し、その後流路の幅が等しいところでは層流となって流れるが、この場合、上記構成にようにすると、平行な壁面を形成している流路から試料を注入することにより試料の拡散をできるだけ抑えることができ、泳動による分離をより確実に行うことができる。また、分離される目的成分の泳動方向が電極のプラスまたはマイナス方向に限定されるのであれば泳動方向と反対側の電極付近に試料注入口を配置することにより泳動の距離を有効に利用でき、流路の幅を小さくすることができる。
【0094】
〔11〕 前記「フリーフロー電気泳動装置」において、平行な壁面を有する流路(73)の断面積とその流路の末端において更に扇状に分割されたチャネルの(58a,59a,60a,61a・・・62a)断面積の和及び液取り出し口(58,59,60,61・・・62)が等しいことを特徴とする小型フリーフロー電気泳動装置(図7(A),(B),(C))。
この場合は、液が流れる液流路の部分の面積が等しくなるようにその流路及びチャネルが形成される。層流となって流れている流路中で分離された成分を各チャネル(59,60,61等)に導く際、分割された流路の断面積の和と電気泳動が行われる流路の断面積が異なると、チャネル内の流速と泳動が行われる流路での流速が異なり更には圧力の分布が生じる。この不均衡はチャネルと電気泳動が行われる流路の境界で顕著であるため、分離された成分が乱されることになる。従って、上記構成のように断面積を等しくすることにより分離されたものを精度よく分取できるようになる。
【0095】
【発明の効果】
本発明によれば、第1の基板または第2の基板に溝を形成して得られる液流路でフリーフロー電気泳動を行わせるようにすることができるのに加え、その分割された流路の液分取口での流路の間隔は広がっており、その液分取口では間隔を十分にとる構成とし得て、容易に目的の成分を取り出すことができるとともに、フリーフロー電気泳動において、分離される成分をできるだけ純粋に取り出すために流路の末端を分割、細分化する場合であっても、細分化すればするほど細分化された流路から試料の成分を取り出すことが困難になるといったことも回避して、分離された成分を純度良くかつ確実に採取することができ、フリーフロー電気泳動に適用して好適な小型電気泳動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明とともに開発した小型電気泳動装置の第1参考例を示すもので、主要な要素の配置構成の一例を示す図である。
【図2】図1のA−A線相当断面を示す図である。
【図3】本発明とともに開発した小型電気泳動装置の第2参考例の要部構成を示すもので、光学検出部の例を示す拡大断面図である。
【図4】本発明とともに開発した小型電気泳動装置の第3参考例の説明に供するもので、その一例の構成を示す図である。
【図5】同じく、他の例の構成を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る小型フリーフロー電気泳動装置の説明に供するもので、図1に相当する配置構成の一例を示す図である。
【図7】その配置構成の場合における、図6A−A線相当断面、B−B線相当断面、及びC−C線相当断面を示す図である。
【図8】従来例を示す図である。
【図9】同じく、他の従来例を示す図である。
【符号の説明】
1,2,3,5,8,9,10 流路口(流入口(注入口),流出口)
4,6 流路
7,12 処理部分
11 ウインドー(光学的検出部分)
13 配管(チューブ)
14 電極
15 ジョイント
16 基板(ガラス基板)
16a 貫通口
17 基板(シリコン基板)
18 電源(高電圧装置)
19a,19b,19c 入射光
20a,20b,20c 出射光
21a,21b,21c 光学検出部
22,27,29,30 シリコン酸化膜
23a,23b,23c 基板(シリコン基板)
24,24a,24b,24c 流路
25,25a,25b 基板(ガラス基板)
25c 基板(シリコン基板)
33,39 電極
34,37 シリコン基板
35,40 絶縁膜
41,41a 電極
42,42a 電源
43,51 シリコン基板
44a,44b,44c,52a,52b,52c 絶縁層

Claims (2)

  1. シリコン基板またはガラス基板のいずれかからなる第1の基板と、ガラス基板またはシリコン基板のいずれかからなる第2の基板とを有し、これら第1,第2の基板のうちの一方の基板の片面に溝が形成されるとともに、その他方の基板で該溝を覆うことにより液流路を形成し、その流路でフリーフロー電気泳動を行う装置であって、
    流路の流出口が複数の流路に分割され、該分割された流路液分取口に向かう液の流れ方向に従い徐々に流路の間隔が広がっている、
    ことを特徴とする小型電気泳動装置。
  2. 前記フリーフロー電気泳動を行う流路の断面積と、前記分割された複数の流路の入口の面積の和及び前記液分取口の面積の和がそれぞれ等しいことを特徴とする請求項1に記載の小型電気泳動装置。
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