JP3727004B2 - 衝撃吸収式ステアリング装置及びこれに用いる取付部材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車両に搭載され、衝突時に運転手とステアリングホイールとの間で起こる2次衝突の衝撃を吸収する衝撃吸収式ステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
自動車の衝突時に、運転手とステアリングホイールとの間で起こる2次衝突の衝撃を吸収する衝撃吸収式ステアリング装置は、種々のものが提案されている(例えば、特開平5−105088号公報及び特開平6−329032号公報参照)。
しかし、従来の衝撃吸収式ステアリング装置は、衝撃吸収の構成のために用いられる部材点数が多いという共通の問題点があった。
【0003】
上記のような従来の問題点に鑑み、本発明は、部材点数を低減した衝撃吸収式ステアリング装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ステアリングシャフトと、前記ステアリングシャフトを支持するステアリングコラムと、前記ステアリングコラムを車体に保持するとともに、前記ステアリングシャフトの軸方向に車体に対して相対的に作用する衝撃荷重のエネルギーを吸収する取付部材とを備えた衝撃吸収式ステアリング装置において、前記取付部材は、車体側及び前記ステアリングコラムのいずれか一方に取り付けられる単一部材からなるブラケットと、このブラケットに係合して他方に固定されるボルトと、このボルトの外周に設けたカラーとによって構成され、前記ブラケットには、前記軸方向と交差する方向に前記ボルト及びカラーを挿通させるボルト通孔が設けられ、このボルト通孔から連続して、当該ボルト通孔より幅の狭い形態が連続する通路が前記軸方向に沿って設けられ、この通路の縁辺部は、衝撃荷重を受けて当該ブラケットが前記軸方向に相対移動するとき、衝撃のエネルギーを全部吸収する位置まで前記カラーにより塑性変形させられる衝撃吸収部となっており、かつ、前記軸方向と直交する断面から見たとき、塑性変形を生じさせようとする方向に予め曲げられていることを特徴とするものである(請求項1)。
上記のように構成された衝撃吸収式ステアリング装置では、単一部材からなるブラケットにおける通路の縁辺部が、ボルトの外周に設けたカラーにより、衝撃のエネルギーを全部吸収する位置まで塑性変形させられる。また、衝撃荷重により、縁辺部に、予め曲げられた方向への塑性変形が生じて、所定の衝撃吸収特性を得ることができる。
【0005】
また、前記通路と平行に、前記縁辺部に溝が形成されていてもよい(請求項2)。
この場合、溝の部分が変形時の折れ目となり、所定の衝撃荷重で所定の塑性変形を生じさせることができるので、所定の衝撃吸収特性を確実に得ることができる。
【0006】
また、本発明は、ステアリングシャフトと、前記ステアリングシャフトを支持するステアリングコラムと、前記ステアリングコラムを車体に保持するとともに、前記ステアリングシャフトの軸方向に車体に対して相対的に作用する衝撃荷重のエネルギーを吸収する取付部材とを備えた衝撃吸収式ステアリング装置において、前記取付部材は、車体側及び前記ステアリングコラムのいずれか一方に取り付けられる単一部材からなるブラケットと、このブラケットに係合して他方に固定されるボルトと、このボルトの外周に設けたカラーとによって構成され、前記ブラケットには、前記軸方向と交差する方向に前記ボルト及びカラーを挿通させるボルト通孔と、このボルト通孔に連接して前記軸方向に沿って設けられ、衝撃荷重を受けて当該ブラケットが前記軸方向に相対移動するとき前記カラーにより塑性変形する衝撃吸収部とが設けられ、また、前記ステアリングコラムは、前記取付部材及びフックによって車体に2箇所で取り付けられるものであって、当該取付部材は前記ボルトにより、当該フックはこれを車体側へ引っかけることにより、それぞれ取り付けられることを特徴とするものである(請求項3)。
上記のように構成された衝撃吸収式ステアリング装置では、単一部材からなるブラケットの衝撃吸収部が、ボルトの外周に設けたカラーにより塑性変形して衝撃のエネルギーを吸収する。また、フックを車体側に引っかけることにより、装置全体をぶら下げることができ、その状態で取付部材を車体に固定することができる。
【0007】
また、本発明は、ステアリングシャフトと、前記ステアリングシャフトを支持するステアリングコラムと、前記ステアリングコラムを車体に保持するとともに、前記ステアリングシャフトの軸方向に車体に対して相対的に作用する衝撃荷重のエネルギーを吸収する取付部材とを備えた衝撃吸収式ステアリング装置において、前記取付部材は、車体側及び前記ステアリングコラムのいずれか一方に取り付けられる単一部材からなるブラケットと、このブラケットに係合して他方に固定されるボルトと、このボルトの外周に設けたカラーとによって構成され、前記ブラケットには、前記軸方向と交差する方向に前記ボルト及びカラーを挿通させるボルト通孔が設けられ、このボルト通孔から連続して、当該ボルト通孔より幅が狭く、かつ、当該ボルト通孔から離れる程その幅が漸減する形態の通路が前記軸方向に沿って設けられ、この通路の縁辺部は、衝撃荷重を受けて当該ブラケットが前記軸方向に相対移動するとき、衝撃のエネルギーを全部吸収する位置まで前記カラーにより塑性変形させられる衝撃吸収部となっていることを特徴とするものである(請求項4)。
上記のように構成された衝撃吸収式ステアリング装置では、単一部材からなるブラケットにおける通路の縁辺部が、ボルトの外周に設けたカラーにより、衝撃のエネルギーを全部吸収する位置まで塑性変形させられる。また、幅が漸減する形態の通路により、相対移動のストロークの増大に対して吸収されるエネルギーの増大率を増加させることができる。
【0008】
また、本発明は、ステアリングコラムを車体に保持するとともに、ステアリングシャフトの軸方向に車体に対して相対的に作用する衝撃荷重のエネルギーを吸収する取付部材であって、車体側及びステアリングコラムのいずれか一方に取り付けられる単一部材からなるブラケットと、このブラケットに係合して他方に固定されるボルトと、このボルトの外周に設けたカラーとによって構成され、前記ブラケットには、前記軸方向と交差する方向に前記ボルト及びカラーを挿通させるボルト通孔と、このボルト通孔から連続して前記軸方向に沿って当該ボルト通孔より幅の狭い形態が連続する通路と、前記ボルト通孔とは反対側の前記通路の終端側に、前記通路の縁辺部より引っ込んだ凹部とが形成され、前記縁辺部は、前記軸方向と直交する断面から見たときテーパ状に形成され、それによって、所定の衝撃荷重に対して所定の塑性変形を生じさせるものであることを特徴とするものである(請求項5)。
上記のように構成された取付装置では、単一部材からなるブラケットにおける通路の縁辺部が、ボルトの外周に設けたカラーにより、衝撃のエネルギーを全部吸収する位置まで塑性変形させられる。また、テーパ状の縁辺部は先端ほど板厚が薄いので、所定の方向への塑性変形が生じて、所定の衝撃吸収特性を得ることができる。このとき、凹部の存在は縁辺部を終端させるので、その塑性変形を助ける。
また、前記通路と平行に、前記縁辺部に溝が形成されている場合には(請求項6)、溝の部分が変形時の折れ目となり、所定の衝撃荷重で所定の塑性変形を生じさせることができるので、所定の衝撃吸収特性を確実に得ることができる。
また、ボルト通孔から離れる程、その幅が漸減する形態の通路により(請求項7)、相対移動のストロークの増大に対して吸収されるエネルギーの増大率を増加させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態による衝撃吸収式ステアリング装置を示す側面図である。図において、右端部にステアリングホイール1が接続されるステアリングシャフト2は、筒状のステアリングコラム3により、回転自在に支持されている。ステアリングシャフト2の左端部には、ユニバーサルジョイント4が接続されている。上記ステアリングコラム3には、取付部材としてのロアブラケット5及びチルトブラケット6が溶接されている。
【0010】
図2及び図3の(a)はそれぞれ、図1におけるII−II線断面図及びIII−III線断面図である。また、図3の(b)は(a)におけるB方向から見た側面図である。図1及び図2に示すように、ロアブラケット5は、車体側の固定部材7に、ボルト8によって取り付けられている。ボルト8の外周には、カラー81が設けられ、カラー81とロアブラケット5との間にはブッシュ82が装着されている。一方、図1及び図3に示すように、チルトブラケット6には、ステアリングシャフト2の傾きを変えるためのチルトレバー9が、チルトレバー軸10を介して回動可能に取り付けられている。また、このチルトレバー軸10を介して、鞍型のワンウェイブラケット11が接続されている。ワンウェイブラケット11は、ボルト12により、車体側の支持部材13に取り付けられている。また、ワンウェイブラケット11には図3の(b)に示すように湾型に入り込んだ切欠部11aが設けられており、ここにチルトレバー軸10が通されている。ステアリングシャフト2の軸方向に所定の衝撃荷重がかかったとき、チルトレバー軸10が切欠部11aから抜け出ることにより、チルトブラケット6が車体側から外れる構造になっている。
【0011】
図4は、上記ロアブラケット5を単体で示す図であり、(a)は側面図、(b)は、(a)におけるB−B線断面図である。図示のように、ロアブラケット5は、鞍型に成形された鋼板からなる単一部材であり、下方へ「ハ」の字状に突設された取付座5aにおいてステアリングコラム3に溶接される。ロアブラケット5の両側面には、ボルト通孔5bが設けられている。一対のボルト通孔5bは、ステアリングシャフト2の軸方向と直交する方向(図4の(a)における紙面に垂直な方向)に並び、カラー81を介してボルト8を挿通させる(図2参照)。また、ボルト通孔5bから連続して、ボルト通孔5bより幅の狭い通路5cが(a)の右方向へ直線的に設けられている。この通路5cは、ロアブラケット5をステアリングコラム3に取り付けたとき、ステアリングシャフト2の軸方向に沿って延びる。通路5cの幅Wは、カラー81の外径より若干小さい。従って、通常は、カラー81を通路5cに通すことはできない。通路5cの上方側の縁辺部(衝撃吸収部)5dは、通路5c右端上方側に凹部5eが設けられることにより、(b)に示すように内側に所定角度(例えば45度)曲げられている。なお、通路5cの幅W、上記の所定角度、及びロアブラケット5の板厚等は、必要とする衝撃吸収特性に合わせて設計される。
【0012】
上記のように構成された衝撃吸収式ステアリング装置において、衝突事故などにより運転手の体がステアリングホイール1に所定値以上の衝撃荷重で当たると、ステアリングシャフト2を介して、ステアリングコラム3に対して、その軸方向(ステアリングシャフト2の軸方向と同じ)に衝撃荷重が付与される。これにより、チルトブラケット6に衝撃荷重が付与され、チルトブラケット6はワンウェイブラケット11から外れて自由になる。一方、ロアブラケット5にも衝撃荷重が付与され、上記軸方向と平行にボルト8及びカラー81を強く押す。これによって、縁辺部5dを内方に塑性変形させつつ、ボルト8及びカラー81が相対的に通路5cに入り込む。このとき、縁辺部5dが曲がることにより衝撃のエネルギーが吸収される。そして、衝撃のエネルギーが全部吸収される位置まで、ボルト8及びカラー81が通路5cに入り込み、縁辺部5dに連続的な曲げ変形を生じさせる。
【0013】
上記の衝撃吸収式ステアリング装置によれば、図4に示す単一部材からなるロアブラケット5と、カラー81を設けたボルト8とによって、衝撃のエネルギーを吸収することができる。従って、衝撃吸収に関わる部材の点数は最小限である。また、装置の車体への取付が、わずか2本のボルト8及び12によって可能であるため、取付が容易である。
【0014】
なお、上記のロアブラケット5において、予め内側に曲げられた縁辺部5dは、塑性変形を所定の方向に生じさせて所定の衝撃吸収特性を得るための一種の変形誘導形態であるが、必要により、さらに塑性変形を生じやすくする変形誘導形態部を設けてもよい。図5は、その一例を示す図であり、(a)は側面図、(b)は(a)におけるB−B線断面図である。これは、(a)に示すように、縁辺部5dの塑性変形の折れ目Lとなるべき内側に、溝5fを形成して意図的に機械的強度の弱い部分を設けたものである。これにより、常に所定の衝撃荷重で所定の塑性変形を生じさせることができるので、所望の衝撃吸収特性を確実に得ることができる。
また、図6は他の例を示す図であり、図5の(b)と同じ方向から見た図である。この場合、縁辺部5dを予め内方に曲げることなく、端面に図示のようなテーパ5gを形成しておく。テーパ部5gの傾斜により、先端ほど板厚が薄くなっている。従って、ボルト8に設けたカラー81に押し当てられた縁辺部5dは塑性変形する。
【0015】
また、上記実施形態では、ロアブラケット5の通路5cの幅Wが一定である。この場合、カラー81の相対的な移動のストロークと、吸収される衝撃のエネルギーとは直線的な関係となるが、例えば、ストロークの増大とともに幅Wが漸減する通路5cとすれば、ストロークの増大に対して吸収されるエネルギーの増大率を増加させることができる。
また、上記実施形態では、ロアブラケット5により、衝撃のエネルギーを吸収するが、これに代えて、ロアブラケット5と同様な形態のアッパーブラケットをチルトレバー軸10に対して設けることもできる。
【0016】
図7〜図11は、第2の実施形態による衝撃吸収式ステアリング装置に関する図であり、図7及び図8はそれぞれ、同装置の側面図及び平面図である。図9は、図7におけるIX−IX線断面図である。また、図10の(a)は、図8における(X-A)−(X-A)線断面図であり、(b)は図8における(X-B)矢視図である。当該装置において、第1の実施形態と同一の符号を付したものは、第1の実施形態と同様の部材である。図7において、取付部材としてのロアブラケット15は、車体側の固定部材7に、ボルト8によって取り付けられている。また、ロアブラケット15は、固定された車体側部材7aに当接している。図9に示すように、ボルト8の外周には、カラー81が設けられ、カラー81とロアブラケット15との間にはブッシュ82が装着されている。
【0017】
図11の(a)及び(b)はそれぞれ、ロアブラケット15の平面図及び側面図である。本実施形態のロアブラケット15は、第1の実施形態のロアブラケット5よりやや厚めの鋼板からなり、図示の形状に成形された単一部材である。図において、ロアブラケット15の一端部に形成される取付座15aは、ステアリングコラム3の外形に合わせた曲面状に成形されている。また、取付座15aの端部から筒状に湾曲させたボルト通孔部15bが設けられている。ボルト通孔部15bの内部は、カラー81を介してボルト8が挿通されるボルト通孔15cとなっている。また、ボルト通孔部15bの端部から細片状に延設されたベンディングプレート部(衝撃吸収部)15dは、車体側部材7aに当接するとともに、図7に示すようにステアリングコラム3に沿って、ステアリングコラム3との間に、ボルト通孔15cから連続し、かつ、ボルト通孔15cより幅の狭い隙間15eを形成している。ベンディングプレート部15dの端部は、ステアリングコラム3に溶接されている。通常は、ボルト通孔15cにボルト8及びカラー81が挿通されていることにより、ステアリングコラム3は軸方向に動かない。なお、ベンディングプレート部15dの曲げ具合や板厚等は、必要とする衝撃吸収特性に合わせて設計される。
【0018】
一方、チルトブラケット6には、チルトレバー軸10を介して、図7及び図8に示すワンウェイブラケット16が接続されている。ワンウェイブラケット16には取付孔16a(図8)が2個設けられ、ここにボルト(図示せず)を通して、ワンウェイブラケット16が車体に取り付けられる。また、ワンウェイブラケット16の上部には、一対のフック16bがワンウェイブラケット16と一体に設けられている。これらのフック16bを車体側の対応部分に引っかけることにより、装置全体をぶら下げることができる。すなわち、このようにして仮止めした後、ロアブラケット15をボルト8により車体に固定し、ワンウェイブラケット16をボルトにより車体側に固定する。従って、装置全体を手で支えながら下からボルト締めするという面倒な作業が排除され、取付作業が容易である。なお、第1の実施形態と同様に、ワンウェイブラケット16には図10の(b)に示す切欠部16cが設けられ、ここにチルトレバー軸10が通されている。従って、ステアリングシャフト2の軸方向に所定の衝撃荷重がかかったとき、ワンウェイブラケット16は車体側に残り、チルトブラケット6が外れる構造になっている。
【0019】
上記のように構成された第2の実施形態の衝撃吸収式ステアリング装置において、衝突事故などにより運転手の体がステアリングホイール1に所定値以上の衝撃荷重で当たると、ステアリングシャフト2を介して、ステアリングコラム3に対して、その軸方向に衝撃荷重が付与される。これにより、衝撃荷重が付与されたチルトブラケット6が車体から外れて自由になる。一方、ロアブラケット15にも衝撃荷重が付与され、上記ステアリングシャフト2の軸方向と平行にボルト8及びカラー81を強く押す。この結果、カラー81と、車体側部材7aとによって、ベンディングプレート部15dが塑性変形させられる。このとき、塑性変形により衝撃のエネルギーが吸収される。そして、衝撃のエネルギーが全部吸収される位置までベンディングプレート部15dが塑性変形して、ステアリングコラム3の移動が停止する。
【0020】
上記の衝撃吸収式ステアリング装置によれば、第1の実施形態と同様に、図11に示す単一部材からなるロアブラケット15と、カラー81を介したボルト8と、車体側部材7aとによって、衝撃のエネルギーを吸収することができる。従って、衝撃吸収に関わる部材の点数は最小限である。また、装置の車体への取付にあたって、仮止めができるので、取付が容易である。しかもフック16bは、ワンウェイブラケット16と一体ものであるので、部材点数は増えない。
【0021】
なお、上記各実施形態では、ロアブラケット5又は15がステアリングコラム3に固定され、ボルト8及びカラー81が車体側に固定されるが、逆の関係すなわち、ロアブラケット5又は15が車体側に固定され、ボルト8及びカラー81がステアリングコラム3に固定される構成であってもよい。
【0022】
【発明の効果】
以上のように構成された本発明は以下の効果を奏する。
請求項1の衝撃吸収式ステアリング装置によれば、単一部材からなるブラケットにおける通路の縁辺部が、ボルトの外周に設けたカラーにより、衝撃のエネルギーを全部吸収する位置まで塑性変形させられる。このようにして衝撃のエネルギーを吸収するので、衝撃吸収に関わる部材点数を低減することができる。また、衝撃荷重により、縁辺部に、予め曲げられた方向への塑性変形が生じて、所定の衝撃吸収特性を得ることができる。
【0023】
請求項2の衝撃吸収式ステアリング装置によれば、溝の部分が変形時の折れ目となり、所定の衝撃荷重で所定の塑性変形を生じさせることができるので、所定の衝撃吸収特性を確実に得ることができる。
【0024】
請求項3の衝撃吸収式ステアリング装置によれば、単一部材からなるブラケットの衝撃吸収部が、ボルトの外周に設けたカラーにより塑性変形して衝撃のエネルギーを吸収するので、衝撃吸収に関わる部材点数を低減することができる。また、フックを車体側に引っかけることにより、装置全体をぶら下げることができ、その状態で取付部材を車体に固定することができる。
【0025】
請求項4の衝撃吸収式ステアリング装置によれば、単一部材からなるブラケットにおける通路の縁辺部が、ボルトの外周に設けたカラーにより、衝撃のエネルギーを全部吸収する位置まで塑性変形させられる。このようにして衝撃のエネルギーを吸収するので、衝撃吸収に関わる部材点数を低減することができる。また、幅が漸減する形態の通路により、相対移動のストロークの増大に対して吸収されるエネルギーの増大率を増加させることができる。
【0026】
請求項5の取付装置によれば、単一部材からなるブラケットにおける通路の縁辺部が、ボルトの外周に設けたカラーにより、衝撃のエネルギーを全部吸収する位置まで塑性変形させられる。このようにして衝撃のエネルギーを吸収するので、衝撃吸収に関わる部材点数を低減することができる。また、テーパ状の縁辺部は先端ほど板厚が薄いので、所定の方向への塑性変形が生じて、所定の衝撃吸収特性を得ることができる。このとき、凹部の存在は縁辺部を終端させるので、その塑性変形を助ける。
また、前記通路と平行に、前記縁辺部に溝が形成されている場合には(請求項6)、溝の部分が変形時の折れ目となり、所定の衝撃荷重で所定の塑性変形を生じさせることができるので、所定の衝撃吸収特性を確実に得ることができる。
また、ボルト通孔から離れる程、その幅が漸減する形態の通路とすれば(請求項7)、相対移動のストロークの増大に対して吸収されるエネルギーの増大率を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による衝撃吸収式ステアリング装置を示す側面図である。
【図2】図1におけるII−II線断面図である。
【図3】図1におけるIII−III線断面図である。
【図4】上記第1の実施形態におけるロアブラケットを単体で示す図であり、(a)は側面図、(b)は、(a)におけるB−B線断面図である。
【図5】上記第1の実施形態におけるロアブラケットの他の例を示す図であり、(a)は側面図、(b)は(a)におけるB−B線断面図である。
【図6】上記第1の実施形態におけるロアブラケットのさらに他の例を示す図であり、図5の(b)と同じ方向から見た図である。
【図7】本発明の第2の実施形態による衝撃吸収式ステアリング装置の側面図である。
【図8】上記第2の実施形態による衝撃吸収式ステアリング装置の平面図である。
【図9】図7におけるIX−IX線断面図である。
【図10】図8における(X-A)−(X-A)線断面図、及び、図8における(X-B)矢視図である。
【図11】上記第2の実施形態におけるロアブラケットの平面図及び側面図である。
【符号の説明】
2 ステアリングシャフト
3 ステアリングコラム
5 ロアブラケット
5b ボルト通孔
5c 通路
5d 縁辺部(衝撃吸収部)
5f 溝
5g テーパ
6 チルトブラケット
8 ボルト
11 ワンウェイブラケット
12 ボルト
15 ロアブラケット
15b ボルト通孔部
15c ボルト通孔
15d ベンディングプレート部(衝撃吸収部)
15e 隙間
16 ワンウェイブラケット
81 カラー
Claims (7)
- ステアリングシャフトと、
前記ステアリングシャフトを支持するステアリングコラムと、
前記ステアリングコラムを車体に保持するとともに、前記ステアリングシャフトの軸方向に車体に対して相対的に作用する衝撃荷重のエネルギーを吸収する取付部材とを備えた衝撃吸収式ステアリング装置において、
前記取付部材は、車体側及び前記ステアリングコラムのいずれか一方に取り付けられる単一部材からなるブラケットと、このブラケットに係合して他方に固定されるボルトと、このボルトの外周に設けたカラーとによって構成され、
前記ブラケットには、前記軸方向と交差する方向に前記ボルト及びカラーを挿通させるボルト通孔が設けられ、このボルト通孔から連続して、当該ボルト通孔より幅の狭い形態が連続する通路が前記軸方向に沿って設けられ、この通路の縁辺部は、衝撃荷重を受けて当該ブラケットが前記軸方向に相対移動するとき、衝撃のエネルギーを全部吸収する位置まで前記カラーにより塑性変形させられる衝撃吸収部となっており、かつ、前記軸方向と直交する断面から見たとき、塑性変形を生じさせようとする方向に予め曲げられていることを特徴とする衝撃吸収式ステアリング装置。 - 前記通路と平行に、前記縁辺部に溝が形成されている請求項1記載の衝撃吸収式ステアリング装置。
- ステアリングシャフトと、
前記ステアリングシャフトを支持するステアリングコラムと、
前記ステアリングコラムを車体に保持するとともに、前記ステアリングシャフトの軸方向に車体に対して相対的に作用する衝撃荷重のエネルギーを吸収する取付部材とを備えた衝撃吸収式ステアリング装置において、
前記取付部材は、車体側及び前記ステアリングコラムのいずれか一方に取り付けられる単一部材からなるブラケットと、このブラケットに係合して他方に固定されるボルトと、このボルトの外周に設けたカラーとによって構成され、
前記ブラケットには、前記軸方向と交差する方向に前記ボルト及びカラーを挿通させるボルト通孔と、このボルト通孔に連接して前記軸方向に沿って設けられ、衝撃荷重を受けて当該ブラケットが前記軸方向に相対移動するとき前記カラーにより塑性変形する衝撃吸収部とが設けられ、また、
前記ステアリングコラムは、前記取付部材及びフックによって車体に2箇所で取り付けられるものであって、当該取付部材は前記ボルトにより、当該フックはこれを車体側へ引っかけることにより、それぞれ取り付けられることを特徴とする衝撃吸収式ステアリング装置。 - ステアリングシャフトと、
前記ステアリングシャフトを支持するステアリングコラムと、
前記ステアリングコラムを車体に保持するとともに、前記ステアリングシャフトの軸方向に車体に対して相対的に作用する衝撃荷重のエネルギーを吸収する取付部材とを備えた衝撃吸収式ステアリング装置において、
前記取付部材は、車体側及び前記ステアリングコラムのいずれか一方に取り付けられる単一部材からなるブラケットと、このブラケットに係合して他方に固定されるボルトと、このボルトの外周に設けたカラーとによって構成され、
前記ブラケットには、前記軸方向と交差する方向に前記ボルト及びカラーを挿通させるボルト通孔が設けられ、このボルト通孔から連続して、当該ボルト通孔より幅が狭く、かつ、当該ボルト通孔から離れる程その幅が漸減する形態の通路が前記軸方向に沿って設けられ、この通路の縁辺部は、衝撃荷重を受けて当該ブラケットが前記軸方向に相対移動す るとき、衝撃のエネルギーを全部吸収する位置まで前記カラーにより塑性変形させられる衝撃吸収部となっていることを特徴とする衝撃吸収式ステアリング装置。 - ステアリングコラムを車体に保持するとともに、ステアリングシャフトの軸方向に車体に対して相対的に作用する衝撃荷重のエネルギーを吸収する取付部材であって、
車体側及びステアリングコラムのいずれか一方に取り付けられる単一部材からなるブラケットと、このブラケットに係合して他方に固定されるボルトと、このボルトの外周に設けたカラーとによって構成され、
前記ブラケットには、前記軸方向と交差する方向に前記ボルト及びカラーを挿通させるボルト通孔と、このボルト通孔から連続して前記軸方向に沿って当該ボルト通孔より幅の狭い形態が連続する通路と、前記ボルト通孔とは反対側の前記通路の終端側に、前記通路の縁辺部より引っ込んだ凹部とが形成され、前記縁辺部は、前記軸方向と直交する断面から見たときテーパ状に形成され、それによって、所定の衝撃荷重に対して所定の塑性変形を生じさせるものであることを特徴とする取付部材。 - 前記通路と平行に、前記縁辺部に溝が形成されている請求項5記載の取付部材。
- 前記通路は、前記ボルト通孔から離れる程その幅が漸減する請求項5記載の取付部材。
Priority Applications (4)
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