JP3727278B2 - 容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば溶融したアルミニウムの搬送に用いられる容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
多数のダイキャストマシーンを使ってアルミニウムの成型が行われる工場では、工場内ばかりでなく、工場外からアルミニウム材料の供給を受けることが多い。この場合、溶融した状態のアルミニウムを収容した容器を材料供給側の工場から成型側の工場へと搬送し、溶融した状態のままの材料を各ダイキャストマシーンへ供給することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、こうした容器からダイキャストマシーン側への材料供給を圧力差を利用して行う技術を提唱している。すなわち、この技術は、容器内を加圧して容器内に導入された配管を介して容器内の溶融材料を外部に導出するものである。
【0004】
ところで、このような容器を用いた場合、容器が例えばフォークリフトに載った状態で容器から導出する配管の先端がダイキャストマシーンのサーバまで延びる必要があるため、相当長い長さが必要とされる。
【0005】
しかしながら、例えばこのように長い配管を有する容器をフォークリフトに載せた状態で工場内の、特にライン上を搬送しようとすると、配管が搬送の邪魔になったり、或いは配管が工場内の施設にぶつかり、配管や施設を破損するおそれがある。
【0006】
本発明は、このような事情に基づきなされたもので、容器から導出する配管が搬送の作業性を阻害することない容器を提供することを目的としている。
【0007】
本発明の別の目的は、回転可能な配管を容器内の密閉性を向上させつつ、配管を安定した状態で保持することができる配管を提供することにある。
【0017】
本発明の一の観点に係る容器は、溶融金属を保持することができる密閉型の容器本体と、外部から前記容器本体内に加圧気体を供給するための気体の通路と、前記容器本体内により保持された溶融金属を外部に供給するための通路となる配管と、前記容器本体に対して前記配管を回転可能に保持し、前記配管の外周に配置された第1の擦動部材及び第2の擦動部材を有し、前記第2の擦動部材は前記第1の擦動部材よりも上部に配置され、且つ、前記第2の擦動部材は第1の擦動部材よりも軟らかいものである保持部とを具備することを特徴とする。
【0018】
本発明は、第2の擦動部材が第1の擦動部材よりも上部に配置され、第1の硬さよりも軟らかい第2の硬さであるので、回転可能な配管を容器内の密閉性を向上させることができる。また、第1の擦動部材が第2の擦動部材よりも下部に配置され、第2の硬さよりも硬い第1の硬さであるので、配管を安定した状態で保持することが可能である。ここで擦動部材とは、配管を回転可能に当該配管と接触することで容器内部の密閉性を確保できる部材である。
【0019】
本発明の一の形態によれば、前記第1及び第2の擦動部材は、直接前記配管の外周に接触していることを特徴とする。
【0020】
これにより、構成要素の数を抑えたまま上記の効果を得ることができる。
【0021】
本発明の一の形態によれば、前記配管の外周には、スリーブが固定され、前記第1及び第2の擦動部材は、前記スリーブの外周に接触していることを特徴とする。
【0022】
これにより、外径のばらつきのある安価な配管であっても上記の効果をえることができる。
【0023】
本発明の一の形態によれば、前記スリーブは、水平方向に突出する突出部を有し、前記保持部は、前記突出部を回転可能に保持するスラストベアリングを具備することを特徴とする。
【0024】
これにより、配管の重量が重い場合であっても保持部を小型軽量化することができる。
【0025】
本発明の一の形態によれば、前記第1の擦動部材が金属製のブッシュであり、前記第2の擦動部材がグランドパッキン又はOリングであることを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0027】
図1は一実施形態に係る金属供給システムの全体構成を示す図である。
【0028】
同図に示すように、第1の工場10と第2の工場20とは例えば公道30を介して離れた所に設けられている。
【0029】
第1の工場10には、ユースポイントとしてのダイキャストマシーン11が複数配置されている。各ダイキャストマシーン11は、溶融したアルミニウムを原材料として用い、射出成型により所望の形状の製品を成型するものである。その製品としては例えば自動車のエンジンに関連する部品等を挙げることができる。また、溶融した金属としてはアルミニウム合金ばかりでなくマグネシウム、チタン等の他の金属を主体とした合金であっても勿論構わない。各ダイキャストマシーン11の近くには、ショット前の溶融したアルミニウムを一旦貯留する保持炉(手元保持炉)12が配置されている。この保持炉12には、複数ショット分の溶融アルミニウムが貯留されるようになっており、ワンショット毎にラドル13或いは配管を介して保持炉12からダイキャストマシーン11に溶融アルミニウムが注入されるようになっている。また、各保持炉12には、容器内に貯留された溶融アルミニウムの液面を検出する液面検出センサ(図示せず)や溶融アルミニウムの温度を検出するための温度センサ(図示せず)が配置されている。これらのセンサによる検出結果は各ダイキャストマシーン11の制御盤もしくは第1の工場10の中央制御部16に伝達されるようになっている。
【0030】
第1の工場10の受け入れ部には、後述する容器100を受け入れるための受け入れ台17が配置されている。受け入れ部の受け入れ台17で受け入れられた容器100は、配送車18により所定のダイキャストマシーン11まで配送され、容器100から保持炉12に溶融アルミニウムが供給されるようになっている。供給の終了した容器100は配送車18により再び受け入れ部の受け入れ台17に戻されるようになっている。
【0031】
第1の工場10には、アルミニウムを溶融して容器100に供給するための第1の炉19が設けられており、この第1の炉19により溶融アルミニウムが供給された容器100も配送車18により所定のダイキャストマシーン11まで配送されるようになっている。
【0032】
第1の工場10には、各ダイキャストマシーン11において溶融アルミニウムの追加が必要になった場合にそれを表示する表示部15が配置されている。より具体的には、例えばダイキャストマシーン11毎に固有の番号が振られ、表示部15にはその番号が表示されており、溶融アルミニウムの追加が必要になったダイキャストマシーン11の番号に対応する表示部15における番号が点灯するようになっている。作業者はこの表示部15の表示に基づき配送車18を使って容器100をその番号に対応するダイキャストマシーン11まで運び溶融アルミニウムを供給する。表示部15における表示は、液面検出センサによる検出結果に基づき、中央制御部16が制御することによって行われる。
【0033】
第2の工場20には、アルミニウムを溶融して容器100に供給するための第2の炉21が設けられている。容器100は例えば容量、配管長、高さ、幅等の異なる複数種が用意されている。例えば第1の工場10内のダイキャストマシーン11における保持炉12の容量等に応じて、容量の異なる複数種がある。しかしながら、容器100を1種類に統一して規格化しても勿論構わない。
【0034】
この第2の炉21により溶融アルミニウムが供給された容器100は、フォークリフト(図示せず)により搬送用のトラック32に載せられる。トラック32は公道30を通り第1の工場10における受け入れ部の受け入れ台17の近くまで容器100を運び、これらの容器100はフォークリフト(図示せず)により受け入れ台17に受け入れられるようになっている。また、受け入れ部にある空の容器100はトラック32により第2の工場20へ返送されるようになっている。
【0035】
第2の工場20には、第1の工場10における各ダイキャストマシーン11において溶融アルミニウムの追加が必要になった場合にそれを表示する表示部22が配置されている。表示部22の構成は第1の工場10内に配置された表示部15とほぼ同様である。表示部22における表示は、例えば通信回線33を介して第1の工場10における中央制御部16が制御することによって行われる。なお、第2の工場20における表示部22においては、溶融アルミニウムの供給を必要とするダイキャストマシーン11のうち第1の工場10における第1の炉19から溶融アルミニウムが供給されると決定されたダイキャストマシーン11はそれ以外のダイキャストマシーン11とは区別して表示されるようになっている。例えば、そのように決定されたダイキャストマシーン11に対応する番号は点滅するようになっている。これにより、第1の炉19から溶融アルミニウムが供給されると決定されたダイキャストマシーン11に対して第2の工場20側から誤って溶融アルミニウムを供給するようなことをなくすことができる。また、この表示部22には、上記の他に中央制御部16から送信されたデータも表示されるようになっている。
【0036】
次に、このように構成された金属供給システムの動作を説明する。
【0037】
中央制御部16では、各保持炉12に設けられた液面検出センサを介して各保持炉12における溶融アルミニウムの量を監視している。ここで、ある保持炉12で溶融アルミニウムの供給の必要性が生じた場合に、中央制御部16は、その保持炉12の「固有の番号」、その保持炉12に設けられた温度センサにより検出された保持炉12の「温度データ」、その保持炉12の形態(後述する。)に関する「形態データ」、その保持炉12から溶融アルミニウムがなくなる最終的な「時刻データ」、公道30の「トラフィックデータ」、その保持炉12で要求される溶融アルミニウムの「量データ」及び「気温データ」等を、通信回線33を介して第2の工場20側に送信する。第2の工場20では、これらのデータを表示部22に表示する。これらの表示されたデータに基づき作業者が経験的に上記保持炉12から溶融アルミニウムがなくなる直前に保持炉12に容器100が届き、且つその時の溶融アルミニウムが所望の温度となるように該第2の工場20からの容器100の発送時刻及び溶融アルミニウムの発送時の温度を決定する。或いはこれらのデータを例えばパソコン(図示せず)に取り込んで所定のソフトウェアを用いて上記保持炉12から溶融アルミニウムがなくなる直前に保持炉12に容器100が届き、且つその時の溶融アルミニウムが所望の温度となるように該第2の工場20からの容器100の発送時刻及び溶融アルミニウムの発送時の温度を推定してその時刻及び温度を表示するようにしてもよい。或いは推定された温度により第2の炉21を自動的に温度制御しても良い。容器100に収容すべき溶融アルミニウムの量についても上記「量データ」に基づき決定してもよい。
【0038】
発送時刻に容器100を載せたトラック32が出発し、公道30を通り第1の工場10に到着すると、容器100がトラック32から受け入れ部の受け入れ台17に受け入れられる。
【0039】
その後、受け入れられた容器100は、受け入れ台17と共に配送車18により所定のダイキャストマシーン11まで配送され、容器100から保持炉12に溶融アルミニウムが供給される。
【0040】
図2に示すように、この例では、レシーバタンク101から高圧空気を密閉された容器100内に送出することで容器100内に収容された溶融アルミニウムが配管56から吐出されて保持炉12内に供給されるようになっている。なお、図2において、103は加圧バルブ、104はリークバルブである。
【0041】
ここで、保持炉12の高さは各種のものがあり、配送車18に設けられた昇降機構により配管56の先端が保持炉12上の最適位置となるように調節可能になっている。しかし、保持炉12の高さによっては昇降機構だけでは対応できない場合がある。そこで、本システムにおいては、保持炉12の形態に関する「形態データ」として、保持炉12の高さや保持炉12までの距離に関するデータ等を予め第2の工場20側に送り、第2の工場20側ではこのデータに基づき最適な形態、例えば最適な高さの容器100を選択して配送している。なお、供給すべき量に応じて最適な大きさの容器100を選択して配送してもよい。
【0042】
次に、このように構成されたシステムに好適な容器(加圧式溶融金属供給容器)100について、図3及び図4に基づき説明する。図3は容器100の断面図、図4はその平面図である。
【0043】
容器100は、有底で筒状の本体50の上部開口部51に大蓋52が配置されている。本体50及び大蓋52の外周にはそれぞれフランジ53、54が設けられており、これらフランジ間をボルト55で締めることで本体50と大蓋52が固定されている。なお、本体50や大蓋52は例えば外側が金属であり、内側が耐火材407により構成され、外側の金属と耐火材との間には断熱材405が介挿されている。
【0044】
この大蓋52の中心からずれた位置には、曲率形状を有する配管56が接続されている。この配管56は、一端59aが本体50内の下部に配置されるまで延設されており、この他端は、本体50の外側において配管56の曲率形状により下方を向いて配置されている。
【0045】
図5は、配管56と容器100における大蓋52との接続部分を示す拡大断面図である。この配管56と容器100との接続機構80は、配管56に設けられた突起部材81に当接し配管56の周囲を覆うように、スリーブ部材83が配設されている。このスリーブ部材83は突起部材81に当接する位置でフランジ83aが形成されており、突起部材81とフランジ83aとがこれらの間にシール部材91を介挿させて例えばボルト85により固定されている。このシール部材91により本体50内部と外部とをシールしている。
【0046】
大蓋52にはパッキン89を介して、接続筒体82がその下端部においてボルト86により固定されている。この接続筒体82の内周側には、擦動部材として上部にOリング87が、下部にブッシュ部材84が嵌装されている。このOリング87は、例えばゴム等の弾性体からなり、ブッシュ部材84は、Oリング87よりも硬い材料を使用し例えば金属あるいはセラミクスからなっている。また、スリーブ部材83の下端には係合突起83bが形成され、スリーブ部材83は、この係合突起83bにより後述するブッシュ部材84に係合し、所定の位置で配管56が固定される。なお、Oリング87はグランドパッキンであってもよい。
【0047】
接続筒体82には、上記スリーブ部材83がその外周面がOリング87及びブッシュ部材84に接して、この接続筒体82の軸方向に直行する面内で摺動可能に嵌合されている。すなわち、スリーブ部材83が接続筒体82に対して、このスリーブ部材83の軸方向を中心軸Cとして回転するようになっている。そして、スリーブ部材83は、フランジ83aにおいて例えば接続筒体82の上端部に固定されたスラストベアリング88により支持されている。このようにスラストベアリング88を介挿することにより、配管56の重量が重い場合であっても接続筒体82等の部品を小型軽量化することができる。
【0048】
このような接続機構80の構成によって、配管56とスリーブ部材83とが一体的に大蓋52に対して回転するようになっており、このような接続機構80の構成により、図4に示すように、配管56が円を描くように回転するようになっている。
【0049】
このように、配管56が容器本体50の上面の中心からずれた位置に回転可能に接続されているので、この配管56を回転させることで、図4に示すように、平面的に見た実質的な配管56の長さを伸張することが可能となる。従って、図2に示したように、例えば容器100から保持炉12に溶融金属を供給するときには平面的に見た実質的な配管56を延ばして用い、一方、例えばフォークリフトによって容器100を搬送するときには平面的に見た実質的な配管56の長さを縮めることで、配管56が搬送の作業性を阻害することを防止することができる。
【0050】
また、本実施形態において図4に示すように、配管56を容器本体50の上面(大蓋52)の中心と外周との間を二分する位置(R/2)よりも外側に配置することにより、ある程度の配管56の長さを維持したまま配管56が搬送の作業性を阻害すること効果的に防止することができる。
【0051】
また、本発明によれば、特にOリング87がブッシュ部材84よりも上部に配置され、Oリング87の硬さはブッシュ部材84の硬さよりも軟らかいので、配管56を回転可能とした場合であっても、容器100内の密閉性を向上させることができる。また、Oリングよりも硬い擦動部材であるブッシュ部材84をOリング87の配置位置よりも下部に配置させることにより、このような接続部分の根元部分が安定するので、配管56を安定した状態で保持することが可能となり、安全に作業を行うことができる。
【0052】
更に、本実施形態では、配管56と接続筒体82との間にOリング87及びブッシュ部材84に接触するスリーブ部材83を設けているので、外径のばらつきのある安価な配管であっても、確実に配管56を接続筒体82に回転可能に装着することができ、上記のような作用効果を得ることができる。
【0053】
図6は、この配管56の断面図であり、図7は図6におけるB−B線断面図である。この配管56は、例えば2つの配管部材78a及び78bがそれぞれのフランジ部79及び80同士がボルト76により結合されている。この場合、ボルト76の代わりに溶接により結合してもよい。配管56の内部には、内張りとしてライニングが形成されており、このライニングは、外側に断熱材75及び内側に耐火材73を有している。そしてこのライニングの内側が溶融金属の流路72として形成されている。このようなライニングは、溶融金属の保持機能と保温機能とを有するものである。従って、溶融金属の受湯時や給油時における溶融金属の温度低下を抑えることができる。耐火材73としては例えば緻密質の耐火系セラミック材料をあげることができる。また断熱材75としては、断熱キャスター、ボード材料など断熱系のセラミック材料をあげることができる。
【0054】
また、このように配管56を逆U字状(曲率を有する形状)とし、これに対応して流路72を逆U字状の形状とすることにより、配管56の端部開口59a及び59bは下方を向いている。配管56がこのような形状を有することで溶融金属がスムーズに流れるようになる。すなわち、配管56の内側に不連続な面があるとその位置にぶつかる溶融金属が流れようとして、その位置が侵食され、最終的には穴が明く等の不具合がある。これに対して、配管56の流路72が曲率を有する形状であれば不連続な面がなく、上記のような不具合は発生しない。
【0055】
また、配管56のライニングは、当該曲率形状の外周側の厚みt1が内周側の厚みt2に比べ厚く形成されている。このような厚みの比率は、例えば耐火材73の厚みを調整することにより構成することができる。溶融金属が流路72を流通するときには、遠心力により、流路72の内周側よりも外周側に大きな摩擦及び衝撃の力が加わる。よって、ライニングの消耗は内周側よりも外周側の方が激しいこととなる。そこで外周側のライニングを内周側のライニングよりも厚くすることにより、相対的に配管56の耐久性が向上することになる。
【0056】
配管56の有効内径r(図7参照)は、65mm〜85mm程度が好ましい。従来からこの種の配管の内径は50mm程度であった。これはそれ以上であると容器内を加圧して配管から溶融金属を導出する際に大きな圧力が必要であると考えられていたからである。これに対して本発明者等は、配管56の内径rとしてはこの50mmを大きく超える65mm〜85mm程度が好ましく、より好ましくは70mm〜80mm程度、更には好ましくは70mmであることを見出した。
【0057】
すなわち、溶融金属が配管56を上方に向けて流れる際に、配管56に存在する溶融金属自体の重量及び流路や配管の内壁の粘性抵抗の2つパラメータが溶融金属の流れを阻害する抵抗に大きな影響を及ぼしているものと考えられる。ここで、内径rが65mmより小さいときには配管56を流れる溶融金属はどの位置においても溶融金属自体の重量と内壁の粘性抵抗の両方の影響を受けているが、内径rが65mm以上となると流れのほぼ中心付近から内壁の粘性抵抗の影響を殆ど受けない領域が生じ始め、その領域が次第に大きくなる。この領域の影響は非常に大きく、溶融金属の流れを阻害する抵抗が下がり始める。溶融金属を容器内から導出する際に容器内を非常に小さな圧力で加圧すればよくなる。つまり、従来はこのような領域の影響は全く考慮に入れず、溶融金属自体の重量だけが溶融金属の流れを阻害する抵抗の変動要因として考えられており、作業性や保守性等の理由から内径rを50mm程度としていた。一方、内径rが85mmを超えると、溶融金属自体の重量が溶融金属の流れを阻害する抵抗として非常に支配的となり、溶融金属の流れを阻害する抵抗が大きくなってしまう。本発明者等の試作による結果によれば、70mm〜80mm程度の内径rが容器内の圧力を非常に小さな圧力で加圧すればよく、特に70mmが標準化及び作業性の観点から最も好ましい。すなわち、配管径は50mm、60mm70mm、、、と10mm単位で標準化されており、配管径がより小さい方が取り扱いが容易で作業性が良好だからである。
【0058】
また、配管56は、上記のように2つの配管部材78a及び78bを結合させている。この場合、断熱材75及び耐火材73等もこの配管部材78a及び78bにそれぞれ対応させて製造し、これら製造された2つの配管部材を結合させることが好ましい。これにより、配管56の一部分が破損、消耗等したときに、当該部分だけを新しいものに変更することができ、配管全体を取り替える必要がなく経済的かつ合理的である。加えて、配管内で金属の固化による詰まりが発生しても、全体は曲率形状であるが、配管を部分に分解することにより、かかる固化した金属を取り除くことが容易となる。
【0059】
また、このような2つの配管部材78a及び78bを結合する構成とすることにより、この配管56の製造を容易に行うことができる。すなわち、配管56の製造は一般に鋳型成型で行うが、本発明の配管56は曲率形状を有し中空であり、この中空部分の成型はいわゆる「中子」と呼ばれる鋳型を用いて成型される。従って、例えばこの半円状の配管56を一体形成とすると、この中子の型抜きが困難となる等の不具合が生じるからである。
【0060】
更に、配管部材78a及び78bを成型するための鋳型に対する上記中子の配置の精度を高く維持することも高度な技術を要する。しかし、本発明では、ライニングの厚みが曲率形状の外周側と内周側とで積極的に異なるようにしており、ある程度その中子が内周側に偏っていればよいため、そのような高精度な中子の配置を必要とせず、ライニングも容易に製造できる。
【0061】
図8は、本発明の別の実施形態に係る接続機構を示す断面図である。なお、図8において、図5における構成要素と同一のものについては同一の符号を付すものとし、その説明を省略する。本実施形態では、上記の接続機構80におけるスリーブ部材83がなく、接続筒体82と配管56との間には例えばグランドパッキン90が嵌装されており、このグランドパッキン90と、これより下部に配置されたブッシュ部材84とが配管56の外周面に接している。このグランドパッキン90は、例えば金属製又はセラミクス製のブッシュ部材84よりも硬さが軟らかいものを材料として使用し、例えばゴム等を用いている。これにより、上述したように、配管56を回転可能とした場合であっても、容器100内の密閉性を低下させることがないとともに、配管56を安定した状態で保持することが可能となり、安全に作業を行うことができる。
【0062】
また、接続筒体82の上部には、グランドパッキン90を押圧するように、断面L字形状の押さえ部材92が配置されている。この押さえ部材92はフランジ部92aを有し、このフランジ部92aにおいて接続筒体82のフランジとボルト92により固定されている。そして、この押さえ部材92は、配管56に設けられた小突起93により下方に押圧されて保持されている。これにより、所定の位置で配管56が固定されるようになる。
【0063】
本実施形態では、中心軸Cを軸に、容器本体に固定された接続筒体82に対して配管56を回転させることができる。この場合、配管56の外周面自体が擦動面となり回転することになる。このような構成によっても、上記実施形態の接続機構80を有した容器100と同様の作用効果を奏するとともに、部品点数を少なくしてコストを抑えることができる。
【0064】
図9は、本発明の別の実施形態に係る接続機構を示す断面図である。なお、図9において、図5及び図8における構成要素と同一のものについては同一の符号を付すものとし、その説明を省略する。本実施形態では、接続筒体が2つ上下に重ねられそれぞれのフランジにおいてボルト96により固定されている。上部接続筒体82aと配管56との間には、グランドパッキン90が嵌装されており、下部接続筒体82bにはブッシュ部材84が嵌装されている。
【0065】
本実施形態では、図8に示すような配管56の小突起93はなく、これにより配管56を軸Cに沿って上下に移動させることができる。従って、例えば保持炉12に保持された溶融金属の湯面と配管56の先端59aとの高さの最適化が可能であって、配管56から保持炉12に導出された溶融金属の湯跳ねを効果的に防止できる。
【0066】
上記の大蓋52のほぼ中央には開口部60が設けられ、開口部60には取っ手61が取り付けられたハッチ62が配置されている。ハッチ62は大蓋52上面よりも少し高い位置に設けられている。ハッチ62の外周の1ヶ所にはヒンジ63を介して大蓋52に取り付けられている。これにより、ハッチ62は大蓋52の開口部60に対して開閉可能とされている。また、このヒンジ63が取り付けられた位置と対向するように、ハッチ62の外周の2ヶ所には、ハッチ62を大蓋52に固定するためのハンドル付のボルト64が取り付けられている。大蓋52の開口部60をハッチ62で閉めてハンドル付のボルト64を回動することでハッチ62が大蓋52に固定されることになる。また、ハンドル付のボルト64を逆回転させて締結を開放してハッチ62を大蓋52の開口部60から開くことができる。そして、ハッチ62を開いた状態で開口部60を介して容器100内部のメンテナンスや予熱時のガスバーナの挿入が行われるようになっている。
【0067】
また、ハッチ62の中央、或いは中央から少しずれた位置には、容器100内の減圧及び加圧を行うための内圧調整用の貫通孔65が設けられている。この貫通孔65には加減圧用の配管66が接続されている。この配管66は、貫通孔65から上方に伸びて所定の高さで曲がりそこから水平方向に延在している。この配管66の貫通孔65への挿入部分の表面には螺子山がきられており、一方貫通孔65にも螺子山がきられており、これにより配管66が貫通孔65に対して螺子止めにより固定されるようになっている。
【0068】
この配管66の一方には、加圧用又は減圧用の配管67が接続可能になっており、加圧用の配管には加圧気体に蓄積されたタンクや加圧用のポンプが接続されており、減圧用の配管には減圧用のポンプが接続されている。そして、減圧により圧力差を利用して配管56を介して容器100内に溶融アルミニウムを導入することが可能であり、加圧により圧力差を利用して配管56を介して容器100外への溶融アルミニウムの導出が可能である。なお、加圧気体として不活性気体、例えば窒素ガスを用いることで加圧時の溶融アルミニウムの酸化をより効果的に防止することができる。
【0069】
本実施形態では、大蓋52のほぼ中央部に配置されたハッチ62に加減圧用の貫通孔65が設けられている一方で、上記の配管66が水平方向に延在しているので、加圧用又は減圧用の配管67を上記の配管66に接続する作業を安全にかつ簡単に行うことができる。また、このように配管66が延在することによって配管66を貫通孔65に対して小さな力で回転させることができるので、貫通孔65に対して螺子止めされた配管66の固定や取り外しを非常に小さな力で、例えば工具を用いることなく行うことができる。
【0070】
ハッチ62の中央から少しずれた位置で前記の加減圧用の貫通孔65とは対向する位置には、圧力開放用の貫通孔68が設けられ、圧力開放用の貫通孔68には、リリーフバルブ(図示を省略)が取り付けられるようになっている。これにより、例えば容器100内が所定の圧力以上となったときには安全性の観点から容器100内が大気圧に開放されるようになっている。
【0071】
大蓋52には、液面センサとしての2本の電極69がそれぞれ挿入される液面センサ用の2つの貫通孔70が所定の間隔をもって配置されている。これらの貫通孔70には、それぞれ電極69が挿入されている。これら電極69は容器100内で対向するように配置されており、それぞれの先端は例えば容器100内の溶融金属の最大液面とほぼ同じ位置まで延びている。そして、電極69間の導通状態をモニタすることで容器100内の溶融金属の最大液面を検出することが可能であり、これにより容器100への溶融金属の過剰供給をより確実に防止できるようになっている。
【0072】
本体50の底部裏面には、例えばフォークリフトのフォーク(図示を省略)が挿入される断面口形状で所定の長さの脚部71が例えば平行するように2本配置されている。また、本体50内側の底部は、配管56側が低くなるように全体が傾斜している。これにより、加圧により配管56を介して外部に溶融アルミニウムを導出する際に、いわゆる湯の残りが少なくなる。また、例えばメンテナンス時に容器100を傾けて配管56を介して外部に溶融アルミニウムを導出する際に、容器100を傾ける角度をより小さくでき、安全性や作業性が優れたものとなる。
【0073】
このように本実施形態に係る容器100では、ハッチ62に内圧調整用の貫通孔65を設け、その貫通孔65に内圧調整用の配管66を接続しているので、容器100内に溶融金属を供給する度に内圧調整用の貫通孔65に対する金属の付着を確認することができる。従って、内圧調整に用いるための配管66や貫通孔65の詰りを未然に防止することができる。
【0074】
また、本実施形態に係る容器100では、ハッチ62に内圧調整用の貫通孔65が設けられ、しかもそのハッチ62が溶融アルミニウムの液面の変化や液滴が飛び散る度合いが比較的に小さい位置に対応する容器100の上面部のほぼ中央に設けられているので、溶融アルミニウムが内圧調整に用いるための配管66や貫通孔65に付着することが少なくなる。従って、内圧調整に用いるための配管66や貫通孔65の詰りを防止することができる。
【0075】
更に、本実施形態に係る容器100では、ハッチ62が大蓋52の上面部に設けられているので、ハッチ62の裏面と液面との距離が大蓋52の裏面と液面との距離に比べて大蓋52の厚み分だけ長くなる。従って、貫通孔65が設けられたハッチ62の裏面にアルミニウムが付着する可能性が低くなり、内圧調整に用いるための配管66や貫通孔65の詰りを防止することができる。
【0076】
次に、第2の工場20における第2の炉21から容器100への供給システムを図10に基づき説明する。
【0077】
図10に示すように、第2の炉21内には溶融アルミニウムが貯留されている。この第2の炉21には供給部21aが設けられ、この供給部21aには吸引管201が挿入されている。この吸引管201は、供給部21aの溶融されたアルミニウムの液面から一端口(吸引管201の他方の先端部201b)が出没するように配置されている。すなわち、吸引管201の一方の先端部201aは第2の炉21の底部付近まで延在し、吸引管201の他方の先端部201bは供給部21aから外側に導出されている。吸引管201は、保持機構202により基本的には傾斜して保持されている。その傾斜角は例えば垂線に対して10°程度傾いており、上記容器100における配管56の先端部の傾斜と合致するようになっている。この吸引管201の先端部201bは容器100における配管56の先端部に接続されるものであり、このように傾斜を合致されることによって吸引管201の先端部201bと容器100における配管56の先端部との接続が容易となる。
【0078】
そして、配管66に減圧用のポンプ313に接続された配管67を接続する。次に、ポンプ313を作動させて容器100内を減圧する。これにより、第2の炉21内に貯留されている溶融アルミニウムが吸引管201及び配管56を介して容器100内に導入される。
【0079】
本実施形態では、特に、このように第2の炉21内に貯留されている溶融アルミニウムを吸引管201及び配管56を介して容器100内に導入するようにしているので、溶融アルミニウムが外部の空気と接触することはない。従って、酸化物が生じることがなく、本システムを用いて供給される溶融アルミニウムは非常に品質が良いものとなる。また、容器100内から酸化物を除去するための作業は不要となり、作業性も向上する。
【0080】
本実施形態では、特に、容器100に対する溶融アルミニウムの導入と容器100からの溶融アルミニウムの導出を実質的に2本の配管56、312だけを使って行うことができるので、システム構成を非常にシンプルなものとすることができる。また、溶融アルミニウムが外気に接触する機会が激減するので、酸化物の生成をほぼなくすことができる。
【0081】
以上説明した構成要素を合理的に組み合わせた構成は、当然、この明細書の開示の範囲に含まれるものである。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、容器から導出する配管が搬送の作業性を阻害することがない。また、回転可能な配管を容器内の密閉性を向上させつつ、配管を安定した状態で保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る金属供給システムの構成を示す概略図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る容器と保持炉との関係を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る容器の断面図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】接続機構の断面図である。
【図6】一実施形態に係る配管を示す断面図である。
【図7】図6におけるB−B線断面図である。
【図8】本発明の別の実施形態に係る接続機構を示す断面図である。
【図9】更に別の実施形態に係る接続機構を示す断面図である。
【図10】第2の炉から容器への供給システムを示す図である。
【符号の説明】
C…中心軸
50…容器本体
56…配管
67…配管
80…接続機構
81…突起部材
82…接続筒体
83…スリーブ部材
84…ブッシュ部材
87…Oリング
88…スラストベアリング
90…グランドパッキン
100…容器
Claims (5)
- 溶融金属を保持することができる密閉型の容器本体と、
外部から前記容器本体内に加圧気体を供給するための気体の通路と、
前記容器本体内により保持された溶融金属を外部に供給するための通路となる配管と、
前記容器本体に対して前記配管を回転可能に保持し、前記配管の外周に配置された第1の擦動部材及び第2の擦動部材を有し、前記第2の擦動部材は前記第1の擦動部材よりも上部に配置され、且つ、前記第2の擦動部材は第1の擦動部材よりも軟らかいものである保持部と
を具備することを特徴とする容器。 - 前記第1及び第2の擦動部材は、直接前記配管の外周に接触していることを特徴とする請求項1に記載の容器。
- 前記配管の外周には、スリーブが固定され、前記第1及び第2の擦動部材は、前記スリーブの外周に接触していることを特徴とする請求項1に記載の容器。
- 前記スリーブは、水平方向に突出する突出部を有し、前記保持部は、前記突出部を回転可能に保持するスラストベアリングを具備することを特徴とする請求項3に記載の容器。
- 前記第1の擦動部材が金属製のブッシュであり、前記第2の擦動部材がグランドパッキン又はOリングであることを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の容器。
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