JP3727466B2 - ネットワーク評価方法及びその実施装置並びにその処理プログラムを記録した媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はネットワークの性能を評価するネットワーク評価システムに関し、特にネットワークに接続された情報処理装置やネットワーク接続装置或いはネットワークシステム全体の実効性能を評価し問題個所を抽出するネットワーク評価システムに適用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、情報処理装置やネットワーク接続装置からなるネットワークの性能評価を行う場合には、シミュレータ(アナライザ)等の専用装置を利用している。この場合、シミュレータから発信されたデータフレームの応答時間からフレームの通過したネットワークの転送遅延時間(レイテンシ)を測定できるが、シミュレータ自身が擬似的にデータフレームを作り出し、そのフレームを発信し続け、正常に通過したフレーム数をカウントするという処理を行っている為、転送エラー時の再送等といったエンドノードのプロトコル処理を含むデータ転送能力を示す実効性能を測定することは出来ない。
【0003】
そこで、エンドノード間の実効転送性能評価を行う場合は、対象となる装置に転送性能測定用アプリケーションプログラムを個別にインストールし、各装置毎に実行して測定を行っている。
【0004】
この例としては、本願出願人が先に出願した特願平8−269205号に記載されているネットワーク検証システムに示される様に、ネットワークにおける任意のノード間のネットワーク性能の自動検証を行うものがある。
【0005】
この技術では、ネットワーク内に測定用コントロールセンタサーバーのノードと、ネットワーク性能測定の送信側評価ノードと相手先評価ノードを設け、両評価ノードはノード間ネットワーク性能を測定するネットワーク性能測定プログラムを備えており、前記測定用コントロールセンタサーバーから測定実施者が入力したネットワーク性能測定の送信側評価ノード及び相手先評価ノードの情報並びにそれらのノード間のネットワーク性能測定時に用いるパラメータによって、指定ノード間で自動的に測定を行う。
【0006】
測定用コントロールセンタサーバーは、この自動測定の結果を受け取り、集中して登録及び管理を行うので、多数のノードが接続されるネットワークシステムのネットワーク性能測定にかかる時間の短縮及び人員の省力化が出来る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来のネットワークの性能評価においては、次の様な問題がある。すなわち、前記従来のネットワーク検証システムは、該ネットワーク上の1対1のエンドノード間でのネットワーク性能測定プログラムにおける性能検証であった。この為、通信性能測定の結果はどちらか一方の能力の劣るエンドノードの性能に依存し、相手側の高い能力を持つノードの性能を検証することは出来ないという問題がある。
【0008】
また、前記従来のネットワーク検証システムは、該ネットワーク上の1対1のエンドノード間での性能検証である為、1対多の組み合わせでの有効な結果を得ることができないという問題がある。
【0009】
更に、その測定時にエンドノード間で経由するネットワーク接続装置やネットワークシステムの性能は、通常、単一のエンドノードの性能よりは上回っているが、このノード間通信性能測定ではそれらの限界性能を測ることはできないという問題がある。
【0010】
また、能力の高いネットワーク接続装置の性能を測る方法として、前記シミュレータを用いて大量のフレームを送出することにより性能測定を行うことが可能だが、この測定は、通常エンドノード上で処理される転送エラー時の再送等といったプロトコル処理を全く無視した測定である為、その結果から実環境での限界時のネットワークシステム全体の動作を類推することは困難である。
【0011】
この様に従来のネットワークの性能評価では、実ネットワーク環境上での自動測定を行おうとすればエンドノードの性能を超えるネットワーク接続装置やサーバーの限界ネットワーク性能を測定することは不可能で、一方、大量のフレームを送出して測定をする為にシミュレータを用いると、エンドノード上のプロトコル処理を全く行わない為に実環境と同様の結果を得ることが出来ないことから実際の運用時の最大性能を測定出来ず、運用時の問題の調査も困難であるという問題がある。
【0012】
本発明の目的は上記問題を解決し、ネットワーク処理能力の高いネットワーク接続装置やサーバー等のネットワーク性能を評価することが可能な技術を提供することにある。
【0013】
本発明の他の目的は多数の情報処理装置及びネットワーク接続装置が接続されているネットワークシステム上の問題個所を抽出することが可能な技術を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数の情報処理装置をネットワーク接続装置を介して接続したネットワークの性能を評価するネットワーク評価方法において、1対多または多対多の複数の被評価ノードの組み合わせでネットワークの転送性能を測定し、当該被評価ノード及び当該被評価ノード間のネットワークの性能の評価を行うものである。
【0015】
本発明では前記の課題を解決する為に以下の手段を設ける。まず本発明のネットワーク評価システムは、被評価ノードとなる任意のノード(情報処理装置及びネットワーク接続装置)に転送性能測定プログラムを備えている。
【0016】
この転送性能測定プログラムを用いた測定では、測定フレームの送信側となるノード及び受信側となるノードを用意し、ノード間でのスループット性能及びレスポンス性能、送信側ノードの送出フレーム数、受信側ノードのNIC上の受信フレーム数、受信側ノードのアプリケーション上の受信フレーム数、各ノードのCPU利用率を測定する。
【0017】
また本発明のネットワーク評価システムでは、前記転送性能測定プログラムの実行を管理するエージェントプログラムを同一ノード上に備え、前記エージェントプログラムが転送性能測定プログラムを実行する為に必要な測定パラメータをスケジューラによって登録している。更に、転送性能測定プログラムを実行する際に送信側ノードとなる被評価ノード及び受信側ノードとなる被評価ノードの1組以上の組み合わせとその各組み合わせで用いられる前記測定パラメータのリストとを登録する評価パラメータ、並びに前記転送性能測定プログラム実行により得られる結果を記録する測定結果テーブルを備えている。
【0018】
前記評価パラメータの登録内容に従って前記転送性能測定プログラムを起動して1組以上の被評価ノードの組み合わせでの転送性能測定を全ての組み合わせで実行し、得られた結果を測定結果テーブルに出力するスケジューラを備える装置(ノード)を評価コントロールサーバーとするネットワーク評価システムを構築することにより、前記装置により多数の送信側被評価ノードと受信側被評価ノードとの間の転送性能を同時に測定でき、単一のエンドノードの処理能力を大きく上回るネットワーク接続装置やサーバー等やネットワークシステム全体の性能を測定が可能となる。
【0019】
また、前記転送性能の測定結果を用い、各被評価ノード上や被評価ネットワークシステム上でのフレームのロストを検出する。ネットワーク上の多数のノードを用いて測定された測定結果テーブルを収集した評価コントロールサーバーは、測定結果中にパケットのロストが存在するかを調査し、存在した場合にはロストした個所において限界性能を超えたと認識することにより最大ネットワーク性能が測定される。パケットのロストが存在しなければ測定に用いたノードではいずれの個所でも限界性能に達していないと認識し、ネットワーク構成へのノードの増加や高性能ノードとの入れ替えが可能であると評価結果を返す。
【0020】
評価の対象をクライアントサーバー型システムとし、各クライアントで実行される転送性能測定プログラムの相手側ノードを同一のサーバーに指定し、上記手段を実行することで単体のクライアントより性能の高いノードであるサーバーのネットワーク性能の測定及び評価が可能となる。
【0021】
同様にあるネットワークシステムを評価の対象とし、前記ネットワークシステムを経由する様に転送性能測定プログラムを実行する被評価ノードの組み合わせを指定し上記手段を実行することによりネットワークシステムの性能測定及び評価が可能となる。また、最大性能時の被評価ノードのCPU負荷の状態や最高性能を発揮出来るネットワーク構成も合わせて評価可能となる。
【0022】
以上述べた様に、本発明によれば、複数の被評価ノードを用い複数の組み合わせによる転送性能測定プログラムを同時に実行し、ネットワークシステムやサーバーへ一斉に負荷をかけることで、高性能のノードやネットワークデバイス及びそれらで構成されたシステムの、アプリケーションを用いたときの再送等のプロトコル処理を含んだネットワーク性能の測定を行う事が可能である。
【0023】
また、各被評価ノード上若しくはネットワーク上でのロストを検出することで、ノードやネットワークがネックになっているかどうかを判別することができる。
【0024】
更に、上記測定方法により、転送性能測定プログラムに用いられる被評価ノードの組み合わせの内1組を選んで測定し、次に1組追加し同様の測定という様にユーザーに指定された全ての組み合わせを用いるまで組み合わせ数を増加させながら繰り返し測定を行う事により、性能の高いネットワークデバイスやサーバー及びネットワークシステムの最大性能の測定が可能となる。
【0025】
また、パケットロストを生じることなく最大性能を発揮するノード数も合わせて調べることで現在のネットワーク環境において最大性能での通信が可能な構成がわかり、最大性能を超える入力パケットがあったときのロストを調べることで、ネックになっている部分としてサーバーかネットワークか、ネットワークならばどのルートでネックになっているのかを切り分けることが出来る。
【0026】
以上の様に本発明のネットワーク評価システムによれば、複数の被評価ノードの組み合わせによりネットワークシステムやサーバーへ一斉に負荷をかけて再送等のプロトコル処理を含んだネットワーク性能の測定を行うので、ネットワーク処理能力の高いネットワーク接続装置やサーバー等のネットワーク性能を評価することが可能である。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下にネットワークに接続された情報処理装置やネットワーク接続装置或いはネットワークシステム全体の実効性能を評価し問題個所を抽出する一実施形態のネットワーク評価システムについて説明する。
【0028】
図1は本実施形態のネットワーク評価システムの基本概念を示す図である。図1に示す様に本実施形態のネットワーク評価システムは、評価コントロールサーバー11と、被評価ノード12と、被評価ネットワークシステム13と、被評価ノード14とを有している。
【0029】
評価コントロールサーバー11はネットワーク評価システム全体の動作を制御するサーバーである。被評価ノード12は評価の対象となる送信側ノードであり転送性能測定プログラムを備えるノードである。
【0030】
被評価ネットワークシステム13は評価の対象となるネットワークシステムであり被評価ノード12及び被評価ノード14が接続されるネットワークシステムである。被評価ノード14は評価の対象となる受信側ノードであり転送性能測定プログラムを備えるノードである。
【0031】
評価コントロールサーバー11は、スケジューラ111と、エージェント管理プログラム112とを有している。
【0032】
スケジューラ111は測定及び評価全体のスケジュール管理を行う機能を有する処理部であり、転送性能を測定する複数の被評価ノード12及び被評価ノード14の組み合わせを設定し、前記組み合わせ中の被評価ノード12または被評価ノード14の数を変化させて転送性能の測定をエージェント管理プログラム112に指示し、エージェント管理プログラム112から渡された複数のノードでの転送性能の測定結果により当該被評価ノードまたは当該被評価ノード間のネットワークで発生しているロスト数を算出し、当該被評価ノード及び当該被評価ノード間のネットワークの性能の評価を行う処理部である。
【0033】
エージェント管理プログラム112は全被評価ノードの測定を管理する処理部であり、スケジューラ111からの指示により複数の被評価ノード12のエージェントプログラム121へ転送性能の測定を指示し、複数の被評価ノード12から転送性能の測定結果を受信してスケジューラ111に渡す処理部である。
【0034】
被評価ノード12はエージェントプログラム121を有している。エージェントプログラム121は被評価ノード12上で動作する送信側のエージェント処理部であり、評価コントロールサーバー11のエージェント管理プログラム112からの指示により転送性能測定プログラムへ転送性能の測定を指示し、転送性能測定プログラムから転送性能の測定結果を受け取ってエージェント管理プログラム112に送信する処理部である。
【0035】
被評価ノード14はエージェントプログラム141を有している。エージェントプログラム141は被評価ノード14上で動作する送信側のエージェント処理部であり、評価コントロールサーバー11のエージェント管理プログラム112からの指示を被評価ノード12を介して受け取って転送性能測定プログラムへ転送性能の測定を指示し、転送性能測定プログラムから転送性能の測定結果を受け取ってエージェント管理プログラム112に送信する処理部である。
【0036】
スケジューラ111及びエージェント管理プログラム112のそれぞれの機能は1台のノード上に評価コントロールサーバー11として論理的に備えられている場合や、それぞれの機能が2台のノードに分散して備えられている場合がある。
【0037】
またエージェントプログラム121及びエージェントプログラム141は、スケジューラ111やエージェント管理プログラム112と同一ノードで機能することも出来るし、複数のエージェントプログラム121及びエージェントプログラム141が一台のノード上に存在し、それぞれが独立して機能することも出来る。
【0038】
被評価ノード12及び被評価ノード14は、最低でも送信側及び受信側の役割を果たす2台のノードがあり、それぞれ複数台づつ存在する場合もある。
【0039】
図2は本実施形態のネットワーク評価システムが動作するハードウェアの概略構成を示す図である。図2に示す様に本実施形態の情報処理装置201は、CPU202と、バス203と、メモリー204と、出力装置205と、入力装置206と、NIC207とを有している。
【0040】
CPU202は評価コントロールサーバー11若しくは被評価ノード12または被評価ノード14となる情報処理装置201全体の動作を制御する処理装置である。バス203は情報処理装置201各部を接続する信号伝送路である。
【0041】
メモリー204は情報処理装置201全体の動作を制御する為の各種プログラムや情報処理装置201をネットワーク評価システムとして動作させる為のスケジューラ111、エージェント管理プログラム112、エージェントプログラム121及びエージェントプログラム141等の各種プログラムを格納する記憶装置である。
【0042】
出力装置205は被評価ノード12、被評価ノード14及び被評価ネットワークシステム13の評価結果等を出力する装置である。入力装置206は被評価ノード12、被評価ノード14及び被評価ネットワークシステム13の評価を行う為の評価パラメータ等の入力を行う装置である。NIC207は被評価ノード12、被評価ノード14及び被評価ネットワークシステム13の評価を行う際に通信フレーム208の送受信を行うネットワークインタフェースカードである。
【0043】
通信フレーム208は被評価ノード12、被評価ノード14及び被評価ネットワークシステム13の評価の際に情報処理装置201で送受信されるフレームである。
【0044】
図2は本実施形態のネットワーク評価システムの動作するハードウェアの構成の例を表しており、評価コントロールサーバー11若しくは被評価ノード12または被評価ノード14となる情報処理装置201では、バス203を介してCPU202、メモリー204、出力装置205、入力装置206及びNIC207が接続されている。
【0045】
本実施形態のネットワーク評価システムのソフトウェアはメモリー204内に格納され、CPU202によって実行される。ユーザーは入力装置206によって評価システムの起動や評価の為の設定を行い、出力装置205によってその結果を知る。評価コントロールサーバー11と各被評価ノード12及び被評価ノード14との間、また被評価ノード12と被評価ノード14との間の通信では、NIC207によって通信フレーム208の送受信が行われる。
【0046】
図3は本実施形態のネットワーク評価システムのソフトウェア構成を示す図である。図3に示す様に本実施形態のネットワーク評価システムは、操作画面制御部31と、評価条件設定部32と、評価スケジュール管理部33と、測定結果編集部34と、エージェント管理プログラム35と、エージェントプログラム36と、転送性能測定プログラム37とを有している。
【0047】
操作画面制御部31は評価コントロールサーバー11の操作画面を制御する処理部である。評価条件設定部32は被評価ノード12、被評価ネットワークシステム13及び被評価ノード14の評価条件を格納し、転送性能を測定する複数の被評価ノード12及び被評価ノード14の組み合わせを設定する処理部である。
【0048】
評価スケジュール管理部33は被評価ノード12、被評価ネットワークシステム13及び被評価ノード14の評価スケジュールを管理する処理部であり、前記組み合わせ中の被評価ノード12または被評価ノード14の数を変化させて転送性能の測定をエージェント管理プログラム112に指示する処理部である。
【0049】
測定結果編集部34は被評価ノード12及び被評価ノード14から送信された各種測定結果を編集する処理部であり、エージェント管理プログラム112から渡された複数のノードでの転送性能の測定結果により当該被評価ノードまたは当該被評価ノード間のネットワークで発生しているロスト数を算出し、当該被評価ノード及び当該被評価ノード間のネットワークの性能の評価を行う処理部である。
【0050】
エージェント管理プログラム35は被評価ノード12及び被評価ノード14のエージェントプログラム36へ測定の命令を行い、それらの動作を管理する処理部である。エージェントプログラム36は被評価ノード12及び被評価ノード14で転送性能測定プログラム37の動作を管理する処理部である。
【0051】
転送性能測定プログラム37は被評価ノード12及び被評価ノード14で転送性能に関する各種測定を行う処理部であり、エージェントプログラム36からの指示によりアプリケーションプログラムのプロトコル処理を含めた転送性能の測定を行う処理部である。
【0052】
コンピュータをネットワーク評価システムとして機能させる為の操作画面制御部31、評価条件設定部32、評価スケジュール管理部33、測定結果編集部34、エージェント管理プログラム35、エージェントプログラム36及び転送性能測定プログラム37は、CD−ROM等の記録媒体に記録され磁気ディスク等に格納された後、メモリーにロードされて実行されるものとする。なお前記プログラムを記録する媒体はCD−ROM以外の他の媒体でも良い。
【0053】
図3に示したソフトウェアは図2のメモリー204に格納される。なお評価コントロールサーバー11の操作画面制御部31、評価条件設定部32、評価スケジュール管理部33、測定結果編集部34は図1に示したスケジューラ111の役割を担っており、その下位にエージェント管理プログラム35が属し、被評価ノード12及び被評価ノード14のエージェントプログラム36へ測定の命令及び管理を行う。
【0054】
被評価ノード12及び被評価ノード14上ではエージェントプログラム36と転送性能測定プログラム37が用意されている。この転送性能測定プログラム37の測定フレームはドライバからソケットまでのプロトコル処理を経由してきており、転送性能測定プログラム37は再送等のエラー処理を含んだ性能測定を行うことができる。
【0055】
図4は本実施形態の評価が行われる代表的なネットワークの構成例を示す図である。被評価ノード41は評価の対象となるサーバーである。評価コントロールサーバー兼被評価ノード42は評価コントロールサーバー11の機能を備えると共に評価の対象となるパーソナルコンピュータ(PC)である。
【0056】
被評価ノード43〜45は評価の対象となり被評価ノード41のクライアントとして動作するPCである。被評価ネットワークシステム46はLANスイッチ、ルーター及びネットワークケーブルで構成されるネットワークシステムであり、被評価ノード41、評価コントロールサーバー兼被評価ノード42及び被評価ノード43〜45が接続され、評価の対象となるネットワークシステムである。
【0057】
図4に示した様な代表的なネットワークを評価する際の評価項目は、主に、経由する被評価ネットワークシステム46の通信性能評価と、クライアントサーバー型ネットワークにおけるサーバー及びクライアントとなる被評価ノード41及び被評価ノード43〜45の通信性能評価の2つに分けることができる。
【0058】
経由する被評価ネットワークシステム46の通信性能評価を行う場合には、転送性能測定プログラム37を動作させる送信側及び受信側の組み合わせを被評価ノード43〜45の組み合わせによって被評価ネットワークシステム46を通過する様に設定し、それらの組み合わせで転送性能測定プログラム37を動作させることで被評価ネットワークシステム46の転送性能、またそのときのクライアントの転送性能を測定して評価する。
【0059】
クライアントサーバー型ネットワークにおけるサーバー及びクライアントの各ノードの通信性能評価を行う場合には、例えばサーバーとして被評価ノード41を指定し、クライアントとして被評価ノード43及び被評価ノード44を指定して、クライアント側の各被評価ノードからの転送性能測定プログラム37の通信相手をサーバーである被評価ノード41とする。
【0060】
この様に設定しそれらの組み合わせで転送性能測定プログラム37を動作させることで、被評価ノード41はクライアント側の全被評価ノードと同時に通信を行い、被評価ノード41のネットワーク性能を測定して評価する事が出来る。
【0061】
以下に、本実施形態のネットワーク評価システムの動作の詳細について述べる。まず、動作の概要と得られる結果について述べ、その後、転送性能測定時の動作の詳細を述べる。
【0062】
図5は本実施形態の評価全体の管理を行うスケジューラ111の処理手順を示すフローチャートである。本実施形態のネットワーク評価システムはステップ501でユーザーが評価条件を指定することで開始される。ユーザーから指定される評価条件は図6に示す評価パラメータである。
【0063】
図6は本実施形態の評価パラメータの概要を示す図である。図6に示す様に本実施形態の評価パラメータは、評価形態601と、測定パラメータ602と、送信側被評価ノード603と、受信側被評価ノード604とを有している。
【0064】
評価形態601は評価の内容が1ノード対多ノードの評価であるか多ノード対多ノードの評価であるかを示す情報である。測定パラメータ602は転送性能測定プログラム37に用いられるパラメータである。
【0065】
送信側被評価ノード603は送信側の被評価ノード12を識別する情報である。受信側被評価ノード604は受信側の被評価ノード14を識別する情報である。
【0066】
ユーザーは、サーバー及びクライアントやネットワーク接続装置等のノードを転送性能測定プログラム37の送信側と受信側に対応させて、評価の対象として1組以上を指定する。
【0067】
ルーター等のネットワークデバイスを含めたネットワークの評価を行うときには、評価形態601を多ノード対多ノードとし、その対象デバイスを含むネットワークを経由する様に送信側被評価ノード603及び受信側被評価ノード604の組合わせを設定する。
【0068】
またサーバーの様な高性能のエンドノードの評価を行う場合には、評価形態601を1ノード対多ノードとし、評価対象のサーバーであるエンドノードと複数のクライアントをそれぞれ送信側被評価ノード603及び受信側被評価ノード604の組み合わせとして指定する。
【0069】
前記サーバーの評価を行う場合に送信性能か受信性能のどちらの評価を行うのかは選択する事もできるし、自動で両方の評価を行う事もできる。すなわち、前記の指定に応じて、測定の各被評価ノードの組み合わせの送信側被評価ノード603または受信側被評価ノード604のどちらか一方がサーバーに集中して設定され、複数のクライアントを対象に同時に転送性能測定プログラム37を動作させることで、サーバーの送信性能または受信性能の評価を行うことが出来る。
【0070】
次に、各送信側被評価ノード603及び受信側被評価ノード604の組合わせに対して転送性能測定プログラム37用の測定パラメータ602を設定する。
【0071】
図7は本実施形態の測定パラメータ602の概要を示す図である。図7に示す様に本実施形態の測定パラメータ602は、通信時間701と、送信メッセージサイズ702と、送信側バッファサイズ703と、受信側バッファサイズ704とを有している。
【0072】
通信時間701は転送性能の測定を行う時間である。送信メッセージサイズ702は送信するメッセージのサイズである。送信側バッファサイズ703は送信側の被評価ノード12のバッファサイズである。受信側バッファサイズ704は受信側の被評価ノード14のバッファサイズである。
【0073】
図7に示す様に通信時間701、送信メッセージサイズ702、送信側バッファサイズ703、受信側バッファサイズ704を保存する測定パラメータ602を設定する。測定パラメータ602の送信メッセージサイズ702、送信側バッファサイズ703、受信側バッファサイズ704に複数の組み合わせを指定すると、その全ての組み合わせについての測定を自動的に繰り返し行う。
【0074】
以上の設定が終了すると、指定された被評価ノード12及び被評価ノード14の組み合わせの内、まず一組だけ用いて転送性能測定を行う(ステップ502)。このとき、測定パラメータ602に複数の値が登録されている場合は、その全てのパラメータついて測定を行う。
【0075】
次に、この評価パラメータをエージェント管理プログラム112へ渡すことで測定の要求を出し、結果を待つ(ステップ503及びステップ504)。エージェント管理プログラム112から一定時間経過して測定結果の返信がない場合には、測定失敗としてユーザーにそれを知らせる(ステップ510)。エージェント管理プログラム112から測定失敗と返信があった場合にも同様にユーザーに知らせる(ステップ505)。測定成功の場合は、測定結果を保存する(ステップ506)。
【0076】
次に、測定に用いる被評価ノード12及び被評価ノード14の組み合わせをユーザーに指定されたノードの中から一組追加し、同様に測定を行う(ステップ507及びステップ508)。
【0077】
この様に一組づつ測定する組み合わせを増やしていき、最後は指定された全ての組み合わせを用いて同様の測定をする。各測定において、同時に測定した各組み合わせから返ってきたスループット性能若しくはレスポンス性能の測定結果の和を計算し、経由したネットワークの転送性能若しくはサーバー等エンドノードの転送性能として結果をGUI(Graphical User Interface)に表示する(ステップ509)。測定結果の評価については後述する。
【0078】
また、測定パラメータ602に複数組み合わせの指定を行うと、それらの全ての組み合わせについて自動的に繰り返し測定を行い、その結果の内で最大転送性能を示した組み合わせを、最適なメッセージサイズ及びバッファサイズとし、結果を表示する。
【0079】
以上で本実施形態のネットワーク評価システムの全体的な動作の概要を述べた。以下にエージェント管理プログラム112が評価パラメータを受け取ってからエージェントプログラム121に測定を要求して測定結果を受け取るまで、つまり一回の転送性能測定の動作を詳細に説明する。
【0080】
図8は本実施形態のネットワーク評価システムのデータの流れを示す図である。図9は本実施形態のエージェント管理プログラム112の処理手順を示すフローチャートである。図10は本実施形態の送信側のエージェントプログラム121の処理手順を示すフローチャートである。図11は本実施形態の受信側のエージェントプログラム141の処理手順を示すフローチャートである。
【0081】
転送性能測定は、エンドノード間でのスループット性能及びレスポンス性能を測定する機能を持つ転送性能測定プログラム37、転送性能測定プログラム37の起動、動作監視、結果抽出を行うエージェントプログラム121及びエージェントプログラム141、全てのエージェントプログラム121及びエージェントプログラム141に対して測定パラメータ602の通知、起動命令、動作監視、測定結果収集を行うエージェント管理プログラム112によって行われる。
【0082】
なお転送性能測定を行う場合には、全ての被評価ノード12及び被評価ノード14上でエージェントプログラム121またはエージェントプログラム141が起動されいて、転送性能測定プログラム37が起動可能な状態になければならない。
【0083】
送信側となる被評価ノード12及び受信側となる被評価ノード14のそれぞれで対応する転送性能測定プログラム37を起動し、測定を行う通信先ノード及び測定パラメータ602を送信側に指定すると、エンドノード間のスループット性能、レスポンス性能、測定時の各エンドノードのCPU利用率、送信側ノードの送出パケット数、受信側ノードのNIC207の受信パケット数、受信側ノードのアプリケーション(転送性能測定プログラム37)の受信パケット数を測定する事ができる。
【0084】
エージェントプログラム121またはエージェントプログラム141は、転送性能測定プログラム37を実行する全てのエンドノード上で動作するもので、エージェント管理プログラム112からの測定パラメータ602を受け取ると、転送性能測定プログラム37の起動準備、起動トリガーフレームによる起動、動作監視、終了ステータス確認を行い、得られた測定結果をエージェント管理プログラム112に返信するという作業を行う。
【0085】
エージェント管理プログラム112は、全被評価ノード上のエージェントの管理を行うもので、評価コントロールサーバー11上のスケジューラ111からユーザーによって指定された転送性能測定の為の評価パラメータを受け取り、この評価パラメータによって各被評価ノード上のエージェントへ測定パラメータ602の通知、転送性能測定プログラム37の起動タイミングとなる起動トリガーフレーム送信、エージェントの動作ステータス監視、測定結果収集を自動的に行うプログラムである。
【0086】
まず、エージェント管理プログラム112は、スケジューラ111から評価パラメータを受け取り(ステップ91)、評価パラメータから、各組み合わせの送信側ノードへ指定する通信先ノードを示す受信側被評価ノード604、通信時間701、送信メッセージサイズ702、送信側バッファサイズ703及び受信側バッファサイズ704を設定する(ステップ92)。指定されている送信側被評価ノード603全てに対して、前記設定した測定パラメータ602を送信し、測定の初期設定を要求する(ステップ93)。
【0087】
送信側である被評価ノード12上のエージェントプログラム121は、エージェント管理プログラム112から測定パラメータ602を受け取ると(ステップ1001)、測定の準備として、エージェントプログラム121自身により起動される転送性能測定プログラム37によって得られた測定結果を保存する測定結果テーブルの初期化を行う。
【0088】
図12は本実施形態の測定結果テーブルの概要を示す図である。図12に示す様に本実施形態の測定結果テーブルは、スループット性能1201と、レスポンス性能1202と、送信側ノードCPU利用率1203と、受信側ノードCPU利用率1204と、送信側ノード送出パケット数1205と、受信側ノードNIC受信パケット数1206と、受信側ノードアプリケーション受信パケット数1207とを有している。
【0089】
スループット性能1201は単位時間当たりの送受信パケット数を示す性能である。レスポンス性能1202は送受信に要する時間を示す性能である。送信側ノードCPU利用率1203は転送性能測定中の送信側ノードのCPU利用率である。
【0090】
受信側ノードCPU利用率1204は転送性能測定中の受信側ノードのCPU利用率である。送信側ノード送出パケット数1205は送信側ノードが送出したパケット数である。受信側ノードNIC受信パケット数1206は受信側ノードのNIC207で受信したパケット数である。受信側ノードアプリケーション受信パケット数1207は受信側ノードのアプリケーションが受信したパケット数である。
【0091】
測定結果テーブルでは、スループット性能1201、レスポンス性能1202、送信側ノードCPU利用率1203、受信側ノードCPU利用率1204、送信側ノード送出パケット数1205、受信側ノードNIC受信パケット数1206、受信側ノードアプリケーション受信パケット数1207を保存する。
【0092】
次に、転送性能測定プログラム37の送信側プロセスを起動し、エージェント管理プログラム112から渡された測定パラメータ602によって設定し、測定フレームを送出可能な状態にする(ステップ1002)。
【0093】
また測定パラメータ602に指定されていた受信側の被評価ノード14上のエージェントプログラム141に対して測定パラメータ602を送信し転送性能測定プログラム37の受信側プロセスの起動を要求する(ステップ1003)。
【0094】
受信側の被評価ノード14上のエージェントプログラム141は、この要求を受け取ると(ステップ1101)、転送性能測定プログラム37の受信側プロセスを起動して測定フレーム待ち状態となったことを確認し、また、受信側の被評価ノード14自身の測定結果を保存する測定結果テーブルの初期化を行い(ステップ1102)、正常に測定フレームを受信する事ができる状態になったことを送信側の被評価ノード12上のエージェントプログラム121に報告する(ステップ1103)。
【0095】
送信側の被評価ノード12上のエージェントプログラム121は、受信側のエージェントプログラム141の転送性能測定プログラム37の起動及び測定準備終了を確認すると(ステップ1004)、送信側ノードと受信側ノード双方の測定準備が完了した事をエージェント管理プログラム112に報告する(ステップ1005)。
【0096】
送信側または受信側のどちらかが準備に不具合があった場合には、その組み合わせでは転送性能測定プログラム37を起動できないことをエージェント管理プログラム112に報告する(ステップ1013)。
【0097】
一方、ステップ1005で送信側ノードと受信側ノード双方の測定準備が完了した事をエージェント管理プログラム112に報告した場合には、エージェント管理プログラム112からの転送性能測定プログラム37の開始を知らせる起動トリガーフレームを待つ(ステップ1006)。
【0098】
受信側の被評価ノード14では測定フレーム待ち状態であり(ステップ1104)、最初の測定フレーム到着によって測定を開始する。
【0099】
エージェント管理プログラム112は、評価コントロールサーバー11上のスケジューラ111から与えられた評価パラメータに含まれる送信及び受信ノードの組み合わせによって、送信側ノードとなる全ての被評価ノード12に転送性能測定の準備を要求し、これらの全ての被評価ノード12から準備終了の報告が返ってきたら、起動トリガーフレームを準備が正常に終了している被評価ノード12全てに対して同時に送信する(ステップ94、ステップ95)。
【0100】
準備失敗の返信があるか準備要求の返事が一定時間返ってこないノードがある場合には、測定不能とみなし、測定失敗としてスケジューラ111へ報告する(ステップ99)。
【0101】
エージェント管理プログラム112は起動フレーム送出後は、これらの被評価ノード12及び被評価ノード14からのそれぞれの測定結果の返信を待ち、一定時間経過して測定結果の返信が受信されない場合は測定失敗とする(ステップ96)。
【0102】
各送信側の被評価ノード12上のエージェントプログラム121は、起動トリガーフレームを受け取ると転送性能測定を開始し、転送性能測定プログラム37は既に与えられたパラメータによって測定フレームを一定時間送出し続ける(ステップ1007、ステップ1008)。
【0103】
受信側の被評価ノード14上の転送性能測定プログラム37は最初の測定フレームを受信することで測定を開始する(ステップ1104〜ステップ1106)。
【0104】
受信側のエージェントプログラム141は、受信側の転送性能測定プログラム37のプロセスを監視し、その転送性能測定プログラム37が異常終了したときや、指示された時間で測定が正常終了しない場合には失敗を返す。
【0105】
送信側の被評価ノード12上の転送性能測定プログラム37のプロセスは、パラメータで与えられた通信時間701の間、指定された送信メッセージサイズ702及び送信側バッファサイズ703を用いて測定フレームを送出し続ける。測定中には送出したメッセージ数をカウントする。
【0106】
測定時間が終了し送信側の被評価ノード12上の転送性能測定プログラム37が終了すると、送信側の被評価ノード12上のエージェントプログラム121は受信側の被評価ノード14上のエージェントプログラム141に対して測定終了フレームを送信してテストの終了を通知し(ステップ1009)、テストが正常終了しているかどうか問い合わせる。
【0107】
受信側プロセスは測定終了フレームを受け取ると(ステップ1107)、与えられた時間内に受け取った測定フレームのNIC207上での受信フレーム数、アプリケーションプログラムでの受信フレーム数をカウントし、測定時間終了後に前記カウントした受信フレーム数を測定時間で割ることでスループット性能1201を計算し、また測定時間を受信フレーム数で割ってレスポンス性能1202を求める。なお受信側のスループット性能1201及びレスポンス性能1202はアプリケーションである転送性能測定プログラム37上での受信フレーム数を用いて計算される。
【0108】
また測定中に送信側及び受信側の各プロセスは測定フレームの送出または受信によってCPU202にどの程度の負荷がかかっているかを調べて記録しており、測定時間内の測定フレーム送出によるCPU利用率として出力する。このとき、測定フレームの送受信以外の、エージェントの処理等に掛かっている負荷は取り除かれ、フレーム送受信のみの負荷が計算される。
【0109】
受信側ノード上のエージェントは、テストの終了通知を受けて(ステップ1107)、転送性能測定プログラム37の受信側プロセスを削除し、上記したNIC207上の受信フレーム数、プログラム上の受信フレーム数、計算したスループット性能1201若しくはレスポンス性能1202、受信側ノードCPU利用率1204を測定結果テーブルに保存し、これを送信側エージェントプログラム121に送信することで、測定が正常に終了したことを送信側のエージェントプログラム121に伝える(ステップ1108、ステップ1109)。測定終了フレームが一定時間受信されない場合は送信側エージェントに測定失敗を報告する(ステップ1010)。
【0110】
最後に送信側のエージェントプログラム121は、送信側及び受信側のどちらも正常終了していれば、自身の測定した送信側の送出フレーム数、スループット性能1201若しくはレスポンス性能1202、送信側ノードCPU利用率1203を受信側から送られた測定結果テーブルに加え、エージェント管理プログラム112に送信することで正常終了した事を伝える(ステップ1011、ステップ1012)。異常終了があった場合にはエージェント管理プログラム112にその組み合わせでの測定失敗を報告する。
【0111】
エージェント管理プログラム112は、全ての送信側の被評価ノード12からの測定結果を待つ(ステップ96)。全ての被評価ノード12から測定成功と測定結果が返ってきたときは、これらを評価コントロールサーバー11上の測定結果テーブルに保存し、スケジューラ111に送る(ステップ97、ステップ98)。もし一つ以上の組から失敗と返ってくるか、一定時間待っても応答がない組があるときは、測定失敗として返ってきた結果のみと失敗した組がどの組かを評価コントロールサーバー11上のスケジューラ111に報告する(ステップ99)。以上が転送性能測定の詳細である。
【0112】
次に、この測定によって得られる結果から、被評価ノード12及び被評価ノード14や経由した被評価ネットワークシステム13の性能及び構成の評価を行う手順について述べる。評価のプロセスは全てスケジューラ111によって行われ、評価の結果は画面上でユーザーに知らされる。
【0113】
図13は本実施形態の任意のノードへの入力パケット数とスループット及びロスト数の関係を示す図である。入力パケット数がそのノードのネットワーク性能の限界以内のときは全ての入力パケットを処理する事が出来るが、ある限界点を超えると処理できない入力パケットは全てノード上で廃棄される。限界点を超える入力があったときのノードの動作は様々で、スループットの曲線形状は製品によって異なるが、図13に示す様に廃棄されたパケット数を示すロスト数は確実に増加する。
【0114】
本実施形態のネットワーク評価システムではこのロスト数を調査することによって評価を行う。ロストを検出する個所は2箇所あり、ネットワーク上でのロスト及び受信側の被評価ノード14上でのロストを検出する。
【0115】
ネットワーク上でロストした場合には経由する被評価ネットワークシステム13の帯域が足りないと判断し、受信側の被評価ノード14でロストした場合には被評価ノード14の処理性能不足によりバッファのオーバーフロー等によって廃棄されていると判断する。
【0116】
転送性能測定プログラム37から出力される結果として、送信側ノードの送出パケット数、受信側ノードのNIC207上での受信パケット数、受信側ノードのアプリケーション上での受信パケット数があり、ロスト数は以下の様に計算される。
【0117】
(1)受信側ノードでのロスト数
(NIC受信パケット数)−(アプリケーション受信数)
(2)ネットワーク上でのロスト数
(送信側ノードの送信パケット数)−(受信側ノードのNIC207上の受信パケット数)
評価の内容は、クライアントサーバー型ネットワークにおけるサーバーのネットワーク性能評価を行う場合(図14)、ネットワークシステムの性能評価を行う場合(図15)に分けられる。
【0118】
図14は本実施形態のクライアントサーバー型ネットワークにおけるサーバーのネットワーク性能評価の処理手順を示すフローチャートである。図15は本実施形態のネットワークシステムの性能評価の処理手順を示すフローチャートである。まず、クライアントサーバー型でのサーバーのネットワーク性能の評価について述べる。測定を行ったときと同様に、被評価ノード12及び被評価ノード14の組み合わせの内の1組抜き出し(ステップ1401)測定結果テーブルからその組み合わせでの結果を抽出する(ステップ1402)。このとき、測定時に抜き出した組み合わせと同じ組を抜き出し、以下で組み合わせを追加するときも測定時と同じ組み合わせを用いる。抽出した測定結果から、上記(1)(2)によって各個所でのロスト数を計算する。
【0119】
サーバーの性能測定では複数の被評価ノード12からサーバーへ向け同時に測定フレームが送られており、サーバー上のロストについてはパケット受信数はこれらの和を用いて計算される。この結果から、まずサーバー上でロストがあったかどうかを判断する。ロストの有無についての判定は、偶然の範囲を超える十分な大きさのしきい値を設定し、この値を超えているときにロストがあると判断する(ステップ1403)。
【0120】
ロストがあるときは、現時点でサーバーの最大ネットワーク性能が引き出されたとみなし、現時点のサーバーのスループット性能1201若しくはレスポンス性能1202の測定結果と、組み合わせが1組少ない状態で測定したときの測定結果を比較し、性能の高い方の数値をサーバーの最大性能として出力する(ステップ1404)。
【0121】
またこのときのサーバーのCPU利用率が高いときは、サーバー本体のネットワーク処理能力がネックになっていると判断し、本体の処理能力不足であることを出力する(ステップ1405、ステップ1406)。
【0122】
サーバーのCPU利用率が高くないときは、サーバーのNIC207の性能がネックになっていると判断し、NIC207の性能不足であることを出力する(ステップ1407)。NIC207の性能不足のときは、サーバーのCPU202にどの位の余裕があったか、最大性能時のサーバーCPU利用率も出力する(ステップ1408)。
【0123】
ステップ1403においてサーバーでのロストがなかった場合には、経由したネットワークシステム上でのロストがあったかどうかを判断する(ステップ1409)。ロストの有無の判断についてはサーバーのロストの場合と同様にしきい値を超えるかどうかで判断する。
【0124】
ロストがあった場合には、ネットワークシステムの性能がネックになってサーバーの最大ネットワーク性能が測定できないと判断する。その時点でのネットワーク性能が現ネットワーク構成での最大性能であり、サーバーの場合と同様に現時点の結果と1組少ない状態の結果を比較し性能の高い方を最大性能として出力する(ステップ1410)。
【0125】
またロストの起こった組み合わせについてはその送信側ノードを出力し、サーバーとどのノードの間でロストが起こっているかをユーザーに知らせ(ステップ1411)、更にこの時点でのサーバーのCPU利用率も出力する。
【0126】
ネットワークのロストも無かった場合には、測定した組み合わせが残っていれば実際に測定したときと同様に1組追加し、ステップ1402から処理を繰り返す(ステップ1412、ステップ1413)。
【0127】
ロストが起こらずに全ての測定結果の調査を追えたときには、現在のネットワーク構成(ユーザーに指定されたノード数)ではサーバー及びネットワークどちらも限界点に到達しないと判断する。このときは、クライアント数不足である事、サーバー及びネットワーク帯域共に余裕がある事をユーザーに知らせ(ステップ1414)、全ノードを利用した状態でのサーバーのCPU利用率を出力し(ステップ1415)、終了する。
【0128】
測定中のいずれかでロストが検出された場合には、最後に最大性能時のノード数を現在のネットワーク構成での最適ノード数として出力し(ステップ1416)、処理を終了する。
【0129】
次に、ネットワークシステムの性能評価の場合について述べる。基本的なロストの検出方法等はクライアントサーバー型の場合と同様である。最初は1組のみの場合から開始する(ステップ1501)。
【0130】
測定結果により、被評価ネットワークシステム13によるロストがあったかどうかを調べる(ステップ1502、ステップ1503)。ロストがあった場合は、どの組み合わせでロストが起こっていたかを保存しておく(ステップ1504)。これを測定時と同じ様に測定の組み合わせを増やしながら全ての組み合わせを調査するまでステップ1102から繰り返す(ステップ1505、ステップ1506)。
【0131】
全ての組み合わせでの調査を終えたときに、いずれかでロストが検出されていた場合は(ステップ1507)、被評価ネットワークシステム13の最大性能を引き出す事が出来たと判断し、ロストが起こっているがその量が最も少ない場合と、ロストの起こっていない最も測定組み合わせ数の多い場合との測定結果を比較し、性能の高い方を被評価ネットワークシステム13の最大性能として出力する(ステップ1508)。
【0132】
また、測定中にロストの起こった組み合わせを全て出力し、どの部分がネックになっているかをユーザーに知らせ(ステップ1509)、最大性能時のノード数を現在のネットワーク構成での最適ノード数として出力し(ステップ1510)、処理を終了する。
【0133】
測定中にロストが起こらなかった場合は、現在のネットワーク構成ではネットワーク性能の限界に到達しないと判断し、ネットワーク帯域に余裕があり、ノードの増設が可能である事をユーザーに知らせ(ステップ1511)、処理を終了する。
【0134】
以上説明した様に本実施形態のネットワーク評価システムによれば、複数の被評価ノードの組み合わせによりネットワークシステムやサーバーへ一斉に負荷をかけて再送等のプロトコル処理を含んだネットワーク性能の測定を行うので、ネットワーク処理能力の高いネットワーク接続装置やサーバー等のネットワーク性能を評価することが可能である。
【0135】
また本実施形態のネットワーク評価システムによれば、最大性能を超える入力パケットがあったときのロストを調べることで、ネックになっている部分がサーバーまたはネットワークのどちらか、ネットワークならばどのルートでネックになっているのかを切り分けるので、多数の情報処理装置及びネットワーク接続装置が接続されているネットワークシステム上の問題個所を抽出することが可能である。
【0136】
【発明の効果】
本発明によれば複数の被評価ノードの組み合わせによりネットワークシステムやサーバーへ一斉に負荷をかけて再送等のプロトコル処理を含んだネットワーク性能の測定を行うので、ネットワーク処理能力の高いネットワーク接続装置やサーバー等のネットワーク性能を評価することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のネットワーク評価システムの基本概念を示す図である。
【図2】本実施形態のネットワーク評価システムが動作するハードウェアの概略構成を示す図である。
【図3】本実施形態のネットワーク評価システムのソフトウェア構成を示す図である。
【図4】本実施形態の評価が行われる代表的なネットワークの構成例を示す図である。
【図5】本実施形態の評価全体の管理を行うスケジューラ111の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態の評価パラメータの概要を示す図である。
【図7】本実施形態の測定パラメータ602の概要を示す図である。
【図8】本実施形態のネットワーク評価システムのデータの流れを示す図である。
【図9】本実施形態のエージェント管理プログラム112の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】本実施形態の送信側のエージェントプログラム121の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】本実施形態の受信側のエージェントプログラム141の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】本実施形態の測定結果テーブルの概要を示す図である。
【図13】本実施形態の任意のノードへの入力パケット数とスループット及びロスト数の関係を示す図である。
【図14】本実施形態のクライアントサーバー型ネットワークにおけるサーバーのネットワーク性能評価の処理手順を示すフローチャートである。
【図15】本実施形態のネットワークシステムの性能評価の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11…評価コントロールサーバー、12…被評価ノード、13…被評価ネットワークシステム、14…被評価ノード、111…スケジューラ、112…エージェント管理プログラム、121…エージェントプログラム、141…エージェントプログラム、201…情報処理装置、202…CPU、203…バス、204…メモリー、205…出力装置、206…入力装置、207…NIC、208…通信フレーム、31…操作画面制御部、32…評価条件設定部、33…評価スケジュール管理部、34…測定結果編集部、35…エージェント管理プログラム、36…エージェントプログラム、37…転送性能測定プログラム、41…被評価ノード、42…評価コントロールサーバー兼被評価ノード、43〜45…被評価ノード、46…被評価ネットワークシステム、601…評価形態、602…測定パラメータ、603…送信側被評価ノード、604…受信側被評価ノード、701…通信時間、702…送信メッセージサイズ、703…送信側バッファサイズ、704…受信側バッファサイズ、1201…スループット性能、1202…レスポンス性能、1203…送信側ノードCPU利用率、1204…受信側ノードCPU利用率、1205…送信側ノード送出パケット数、1206…受信側ノードNIC受信パケット数、1207…受信側ノードアプリケーション受信パケット数。
Claims (7)
- 複数の情報処理装置をネットワーク接続装置を介して接続したネットワークの性能を評価するネットワーク評価方法において、
転送性能を測定する複数の被評価ノードの組み合わせを設定し、前記組み合わせ中の被評価ノードの数を変化させて転送性能の測定を指示し、
前記指示により複数の被評価ノードへ転送性能の測定を指示し、
前記指示により当該被評価ノードでアプリケーションプログラムのプロトコル処理を含めた転送性能の測定を行い、前記指示された複数の被評価ノードから転送性能の測定結果を受信し、
前記複数の被評価ノードでの転送性能の測定結果により当該被評価ノードまたは当該被評価ノード間のネットワークで発生しているロスト数を算出し、当該被評価ノード及び当該被評価ノード間のネットワークの性能の評価を行うことを特徴とするネットワーク評価方法。 - 複数の情報処理装置をネットワーク接続装置を介して接続したネットワークの性能を評価するネットワーク評価方法において、
転送性能を測定する複数の被評価ノードの組み合わせを設定し、前記組み合わせ中の被評価ノードの数を変化させて転送性能の測定を指示し、
前記指示により複数の被評価ノードのエージェント処理部へ転送性能の測定を指示し、前記指示された複数の被評価ノードから転送性能の測定結果を受信し、
前記複数の被評価ノードでの転送性能の測定結果により当該被評価ノードまたは当該被評価ノード間のネットワークで発生しているロスト数を算出し、当該被評価ノード及び当該被評価ノード間のネットワークの性能の評価を行うことを特徴とするネットワーク評価方法。 - 複数の情報処理装置をネットワーク接続装置を介して接続したネットワークの性能を評価するネットワーク評価方法において、
評価コントロールサーバーのエージェント管理部からの指示により転送性能測定部へ転送性能の測定を指示し、前記指示によりアプリケーションプログラムのプロトコル処理を含めた転送性能の測定を行い、前記転送性能の測定結果を受け取って評価コントロールサーバーのエージェント管理部に送信することを特徴とするネットワーク評価方法。 - 複数の情報処理装置をネットワーク接続装置を介して接続したネットワークの性能を評価する評価コントロールサーバーにおいて、
転送性能を測定する複数の被評価ノードの組み合わせを設定し、前記組み合わせ中の被評価ノードの数を変化させて転送性能の測定をエージェント管理部に指示し、エージェント管理部から渡された複数の被評価ノードでの転送性能の測定結果により当該被評価ノードまたは当該被評価ノード間のネットワークで発生しているロスト数を算出し、当該被評価ノード及び当該被評価ノード間のネットワークの性能の評価を行うスケジューラと、
前記スケジューラからの指示により複数の被評価ノードのエージェント処理部へ転送性能の測定を指示し、複数の被評価ノードから転送性能の測定結果を受信して前記スケジューラに渡すエージェント管理部とを備えることを特徴とする評価コントロールサーバー。 - 複数の情報処理装置をネットワーク接続装置を介して接続したネットワークの性能を評価する際に評価の対象となる被評価ノードにおいて、
評価コントロールサーバーのエージェント管理部からの指示により転送性能測定部へ転送性能の測定を指示し、転送性能測定部から転送性能の測定結果を受け取ってエージェント管理部に送信するエージェント処理部と、前記エージェント処理部からの指示により他の被評価ノードと測定フレームを送受信してアプリケーションプログラムのプロトコル処理を含めた転送性能の測定を行う転送性能測定部とを備えることを特徴とする被評価ノード。 - 複数の情報処理装置をネットワーク接続装置を介して接続したネットワークの性能を評価する為のプログラムを記録した媒体において、
転送性能を測定する複数の被評価ノードの組み合わせを設定し、前記組み合わせ中の被評価ノードの数を変化させて転送性能の測定をエージェント管理部に指示し、エージェント管理部から渡された複数の被評価ノードでの転送性能の測定結果により当該被評価ノードまたは当該被評価ノード間のネットワークで発生しているロスト数を算出し、当該被評価ノード及び当該被評価ノード間のネットワークの性能の評価を行うスケジューラと、
前記スケジューラからの指示により複数の被評価ノードのエージェント処理部へ転送性能の測定を指示し、複数の被評価ノードから転送性能の測定結果を受信して前記スケジューラに渡すエージェント管理部としてコンピュータを機能させる為のプログラムを記録したことを特徴とする媒体。 - 複数の情報処理装置をネットワーク接続装置を介して接続したネットワークの性能を評価する為のプログラムを記録した媒体において、
評価コントロールサーバーのエージェント管理部からの指示により転送性能測定部へ転送性能の測定を指示し、転送性能測定部から転送性能の測定結果を受け取ってエージェント管理部に送信するエージェント処理部と、前記エージェント処理部からの指示により他の被評価ノードと測定フレームを送受信してアプリケーションプログラムのプロトコル処理を含めた転送性能の測定を行う転送性能測定部としてコンピュータを機能させる為のプログラムを記録したことを特徴とする媒体。
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