JP3728808B2 - 偽造防止用記録シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電プリント用トナーをもって情報を記録する記録シートに関し、さらに詳しくは、記録シートのトナー定着性を著しく向上させると共に、トナーの削り取りによる情報の偽造を防止する偽造防止用記録シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザプリンタやデジタルプリンタなどの静電印刷システムにおける画像形成用の色材としてトナーが使用される。これは、静電印刷システムには液体現像剤や静電誘導型乾式現像剤を用いる方式も含まれるが、通常は乾式の粉体トナーを用いる方式が一般的であり、本発明の対象も基本的には粉体トナーにある。
【0003】
トナー画像の定着方式としては熱ロール式、フラッシュ定着式、圧力定着式などがあり、現状では熱ロールによる方式が主流となっている。熱ロール式では、トナー像が転写された記録シートが定着部に搬送され、熱ロールとの接触によりトナーが瞬間的に溶融し、自然冷却により固着してトナー像がシート面に接着固定される。トナー画像の定着強度はトナー皮膜強度、トナー皮膜とシート面との界面接着強度、あるいはシート自体の強度に支配されるため、トナーの定着性は直接的にはトナーおよび記録シートの性質によるところが大きい。
【0004】
従来の記録シートのトナー定着性は画質の点から非常に重要であるが、実際の使用にあたり、トナーの定着性が未だ不十分とする指摘がある。例えば、記録シートを折り込んだ場合、折り目の印字部分のトナーが剥がれて判読不能となったり、トナーをナイフで簡単に削り取りことができるため、改ざんが容易に行えるなどというものである。
【0005】
このような記録シートのトナー定着性を改善した技術として、シート基材面にトナー受容層を設けたものでは、例えば、シート基材面にホットメルト型接着剤の塗布層を設ける技術(特開平3-274058号公報)、シート基材面に酸化マグネシウムあるいは酸化アルミニウムおよび結着剤を含有する塗布層を設ける技術(特開平4-158093号公報)、シート基材面に微細シリカ粉末と結着剤との混合物の塗布層を設ける技術(特開平5-132898号公報)、あるいはシート基材自体に炭酸カルシウムやカチオン性の内添サイズ剤を添加して改質し、さらにその表面にカチオン性サイズ剤および水溶性高分子からなる表面サイズ剤の塗布層を設ける技術(特開平5-221113号公報)などがあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の記録シートにおいては、何れのトナー受容層も接着剤や結着剤を主体としたものであるので、未だ十分満足するトナーの定着性を有するものではなく、故意にトナーを削り取り、文字を改ざんすることは可能であった。
【0007】
そこで、本発明の課題とするところは、トナー受容層をトナーを構成する樹脂を含有する紫外線硬化型インキ組成物にて構成し、記録シートのトナー定着性を著しく向上させると共に、トナー受容層とシート基材の間に着色層を設け、トナーの削り取りによるトナー情報の改ざんを防止することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、本発明者らは、シート基材面のトナー記録部に、トナーの色相と異なる色相からなる着色層を設け、この着色層に静電プリント用トナーを構成する任意の熱可塑性樹脂と同種の熱可塑性樹脂成分を含有した紫外線硬化型インキ組成物からなり、着色層と異なる色相のトナー受容層を積層して本発明を完成させたものである。
【0009】
【発明の実施形態】
以下、本発明の偽造防止用記録シートについて、好適な実施例および添付図面に基づきさらに詳述する。なお、ここにおいて、図1はタイトル、記入欄等の印刷が施された本発明の偽造防止用記録シートの表面斜視図、図2は図1のA−A線断面図、図3はトナーを印字した状態を示す断面説明図、図4は図1の偽造防止用記録シートにトナー情報を記録した後にトナー情報の改ざん状態を示す部分拡大説明図である。
【0010】
図1および図2に示したものは、本発明の偽造防止用記録シート1を預り証書に適用したものであり、レーザプリンタをもって各顧客毎の個別情報が記録されるものである。これは、シート基材2面のトナー記録部に紫外線硬化型インキ組成物からなるトナー受容層3が設けられてなり、個別情報印字欄や説明文などの印刷4が施されているものである。そして、トナー受容層3とシート基材2の間に、有色顔料または染料を含有する着色インキで着色層5が設けられてなるものである。この偽造防止用記録シート1に情報をトナーインキで印字すると、図3の如く、トナー6はトナー受容層3とトナー6の加熱加圧定着により相溶し、トナー受容層3の内部に及んでトナー6が定着するものである。
【0011】
トナー6が印字定着された記録シートのトナー情報のうち、図4の如く、例えば304の数字の「0」の数字をカッターナイフ等の鋭利な刃先で削り取り、「1」の数字に改ざんすれば、トナーを削り取る際、数ミクロンの厚さからなるトナー受容層3の内部に及んで定着しているトナー6を、トナー受容層3の部分のみ削り取ることは極めて困難であり、実質的に不可能なものである。したがって、トナー6を削り取った部分は着色層5が表出し、着色層5により「0」の数字が表出されるので、改ざんの発見および防止が容易に行えるものである。
【0012】
本実施例の場合、シート基材2は一般の上質紙を使用しているが、従来の記録シートであるPPCシート、NIPシート、あるいは樹脂フィルム、合成紙などをシート基材としても良い。また、着色層5は、トナー受容層3と異なる色相とするものであり、シート基材2とも異なる色相とすることが好ましい。
【0013】
トナー受容層3を構成する紫外線硬化型インキ組成物は、紫外線照射により生じるインキビヒクルの重合反応をインキの乾燥手段に応用した従来の紫外線硬化型インキに基づくものである。すなわち、光重合性オリゴマ(プレポリマ)、光重合性モノマ、光重合開始剤、帯電防止剤および必要に応じて顔料、マット剤、光重合促進剤、安定剤、ワックスなどの各種添加剤からなる。そして、その特徴とするところは、静電プリント用トナー6を構成する熱可塑性樹脂と同種の熱可塑性樹脂成分を含有した点にある。この特徴により、加熱溶融時にトナー6とトナー受容層3の相溶融性が非常に高くなり、トナー定着性が著しく向上する。
【0014】
本発明の対象とする静電プリント用トナーは、熱可塑性樹脂、着色材、電荷制御剤および必要に応じて添加される離型剤、可塑剤などからなる。熱可塑性樹脂は融点や粘弾性などの熱特性を考慮して決められ、一般的にはエポキシ系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などの単体、混合物あるいは共重合体などからなるものである。
【0015】
したがって、紫外線硬化型インキ組成物に含有される熱可塑性樹脂成分は、これらの熱可塑性樹脂と同種のものであり、その含有形態は、該熱可塑性樹脂を光重合反応で形成する光重合性オリゴマないしモノマの状態で存在させたり、トナーを構成する熱可塑性樹脂を微細粒子状に粉砕し、これをインキ組成物中に分散させたり、あるいはこれらを共存させるものである。
【0016】
そして、特に好ましくは、スチレンアクリル系熱可塑性樹脂もしくはエポキシアクリル系熱可塑性樹脂を重合形成する光重合性オリゴマないし光重合性モノマあるいは該熱可塑性樹脂の微細粒子である微細粒子である。これらの熱可塑性樹脂成分を含有したトナー受容層3を設けた場合には、その他の樹脂のものに比べ、トナー定着性が格段に優れることが判明している。
【0017】
紫外線硬化型インキ組成物中における熱可塑性樹脂成分の含有率は、50重量%以下であると所定のトナー定着性が得られず、反面95重量%を越えると印刷インキとしての適性が損なわれるため、その含有率は50〜95重量%である必要あり、好ましくは60〜90重量%、さらに好ましくは70〜80重量%であるのが良い。なお、光重合性モノマの量が多いとトナー受容層3の硬度が高くなりすぎてシート基材2面への定着や擦れによる剥離が生じるため、所望の硬度が得られるように適宜調整するものである。また、熱可塑性樹脂の微細粒子を含有させる場合には、その割合が高いと印刷インキとしての適性が低下するため、その含有率は20重量%以下が好ましい。
【0018】
光重合開始剤は、従来のラジカル重合タイプのもので良く、例えば、ベンゾエーテル類、アセトフェノン類、ケタール類、チオキサントン類が挙げられ、具体的には、4,4ビスジメチルアミノベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、オルベンゾイル安息香酸メチルエステルなどである。
【0019】
また、シート基材2に樹脂フィルムを使用する場合、本発明のトナー受容層3を構成する紫外線硬化型インキ組成物には、好ましくは帯電防止剤を添加するのが良い。帯電防止剤は従来のもので良く、例えばアンモニウム塩類、複素環式アミン類、ホスホニウム塩類、スルホニウム塩類、ベタイン系両性塩類などが好適に利用でき、特に良好なトナー画像が得られるものとして、メタクリル酸メチル−2−メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリドなど、カチオン系の第四級アンモニウム塩類が好ましい。なお、帯電防止剤は、多すぎるとトナー定着性が低下し、反面少なすぎるとトナー転写率が低下して画像が不鮮明となるため、その含有率としては0. 1〜5重量%とするのが適当である。
【0020】
さらに、トナー受容層3に筆記特性を要する場合には、酸化チタン、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどのマット剤を添加させてもよい。
【0021】
以下、本発明のトナー受容層3を構成する紫外線硬化型インキ組成物について、具体的な処方例を示す。
【0022】
【0023】
【0024】
ここで、本発明の偽造防止用記録シート1のサンプルにおけるトナー定着性について述べる。得られたサンプルシートと一般のPPCシートとを比較した結果、サンプルシートの耐摩耗試験における脱落量はPPCシートのそれの40%以下であり、テープピッキング試験における剥離量もPPCシートのそれの60%以下であった。また、シート基材面に微細シリカ粉末と結着剤との混合物からなるトナー受容層を設けた従来の記録シートと比較しても、それぞれについて10%程度の改善が見られた。なお、サンプルシート作成方法およびトナー定着性を見る耐摩耗試験方法、テープピッキング試験方法は以下の記載による。
【0025】
(サンプルシート作成方法)
NIP70シート面に、例示した紫外線硬化型インキ組成物を、RIテスター4分割にて0. 1mlの塗布量にてトナー受容層3を印刷し、これを所定の紫外線照射(80W/cm×2灯、40m/分)により硬化させてトナー受容層3を設け、シート面上に市販のコピー機(リコーSPIRIO-2700 )をもって該トナー受容層3面にトナー印字を施しサンプルを得た。なお、トナー6とトナー受容層3の熱可塑性樹脂は、同種のエポキシアクリル系樹脂のものである。
【0026】
(耐摩耗試験方法)
学振型摩耗試験機(東洋精機)をもって、鋭角部45度、重り300gの条件にてサンプルをセットし、10回摩耗してトナー脱落量を確認した。
【0027】
(テープピッキング試験方法)
サンプル面に市販のセロハンテープを置き、その上に重さ2kgのロールを1回転がして貼付させる。5分程度放置した後、万能引っ張り試験機(オリエンテック)の剥離スピードを30mm/分として剥離を行い、テープへのテープの転移量を確認した。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の偽造防止用記録シートは、静電プリント用トナーを構成する任意の熱可塑性樹脂と同種の熱可塑性樹脂成分を含有した紫外線硬化型インキ組成物をもってトナー受容層が設けられているため、記録シートのトナー定着性を著しく向上させると共に、トナー受容層とシート基材の間にトナー受容層と異なる色相の着色層を設けた構成としたので、トナーを削り取り改ざんすれば、削り取った部分の着色層が出現することとなるので、着色層の視覚により偽造のチェックが容易に行え、改ざん防止に寄与するという効果を泰するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】印刷が施された本発明の偽造防止用記録シートの表面斜視図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】偽造防止用記録シートにトナーを印字した状態を示す断面説明図。
【図4】偽造状態を示す説明図。
【符号の説明】
1 偽造防止用記録シート
2 シート基材
3 トナー受容層
4 印刷
5 着色層
6 トナー
Claims (1)
- シート基材面のトナー記録部に、トナーの色相と異なる色相からなる着色層を設け、この着色層に静電プリント用トナーを構成する任意の熱可塑性樹脂と同種の熱可塑性樹脂成分を含有した紫外線硬化型インキ組成物からなり、着色層と異なる色相のトナー受容層を積層してなる偽造防止用記録シート。
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| JP17596296A JP3728808B2 (ja) | 1996-06-14 | 1996-06-14 | 偽造防止用記録シート |
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| JP17596296A JP3728808B2 (ja) | 1996-06-14 | 1996-06-14 | 偽造防止用記録シート |
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