JP3732373B2 - トラクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耕深自動制御手段およびエンジン回転負荷制御手段を備えるトラクタの技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種トラクタは、作業部の耕深を検出する耕深センサの検出値に基づいて作業部を自動的に昇降制御する耕深自動制御手段を備えているが、作業部が設定耕深を維持していても、作業部の負荷は土質等の圃場条件に応じて変動するため、作業部の過負荷に基づいてエンスト等の不都合が生じる可能性がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、エンジン回転数が低下したことに応じて作業部を所定量退避上昇させるエンジン回転負荷制御手段を設けると共に、該エンジン回転負荷制御を耕深自動制御と複合的に実行することによって過負荷によるエンスト等を防止することが提案されているが、従来のものでは、退避上昇させた作業部を、直ちに耕深自動制御の設定耕深まで下降させるようにしていたため、再びエンジン回転数が低下して作業部が退避上昇する可能性が高く、そのため、作業部が上昇・下降を繰り返すハンチング現象が発生して作業精度や安定性が低下する不都合があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、走行機体に昇降自在に連結される作業部と、該作業部の作業負荷に応じて変化するエンジン回転数を検出するエンジン回転数センサと、前記作業部のリヤカバー姿勢に基づいて作業部耕深を検出する耕深センサと、該耕深センサの検出値に基づいて作業部の耕深自動制御をする耕深自動制御手段と、エンジン回転数が退避上昇判断用回転数まで低下したことに応じて耕深自動制御を一時的に停止して作業部を所定量退避上昇させるエンジン回転負荷制御手段とを備えるトラクタであって、該トラクタに、作業部を退避上昇させた後のエンジン回転変動を判断し、エンジン回転数の低下が止まらない場合には再度作業部を所定量退避上昇させ、エンジン回転数が所定回転数まで上昇した場合には耕深自動制御を再開させ、エンジン回転数が上昇せずに安定状態を維持した場合には耕深自動制御への復帰を規制して作業部を退避上昇位置に待機させる手段を設けたことを特徴とするトラクタである。つまり、作業部を退避上昇させた後にエンジン回転が安定している場合は、作業部を退避上昇位置に待機させるため、作業部を退避上昇させた後に直ちに耕深自動制御に復帰するものの様に、再びエンジン回転数が低下して作業部が退避上昇することを回避でき、その結果、作業部が上昇・下降を繰り返すハンチング現象の発生を抑制して作業精度や安定性の向上を計ることができる。
請求項2の発明は、請求項1記載のトラクタにおいて、エンジン回転負荷制御を単独で実行する単独制御モードと、耕深自動制御およびエンジン回転負荷制御を複合的に実行する複合制御モードとを設定するにあたり、作業部のリヤカバー姿勢に基づいて単独制御モードと複合制御モードとを自動的に切換えるモード自動切換手段を設けたことを特徴とするトラクタである。つまり、単独制御モードと複合制御モードとの切換操作が不要になるため、オペレータの操作労力を軽減できる許りでなく、誤ったモード切換に伴う作業精度の低下も防止することができる。
請求項3の発明は、請求項1記載のトラクタにおいて、退避上昇判断用回転数は、無負荷時のエンジン回転数を基準回転数とし、該基準回転数に対して所定比率の回転数として演算されるものであることを特徴とするトラクタである。つまり、作業部が退避上昇するエンジン回転数を、無負荷時のエンジン回転数から一定比率で設定しているため、低回転作業時でも適切な退避上昇に基づいてエンストを防止することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態の一つを図面に基づいて説明する。図面において、1はトラクタの走行機体であって、該走行機体1の後部には、昇降リンク機構2を介して作業部3が昇降自在に連結されている。そして、前記作業部3は、昇降リンク機構2を吊持するリフトアーム4の油圧昇降作動に伴って昇降するが、これらの基本構成は何れも従来通りである。
【0006】
前記作業部3は、複数の耕耘爪5が取付けられる耕耘軸6、該耕耘軸6の上方を覆う耕耘カバー7、該耕耘カバー7の後端部に上下揺動自在に設けられるリヤカバー8、該リヤカバー8の揺動角度に基づいて作業部3の耕深を検出する耕深センサ9等を備えている。つまり、本実施形態の作業部3は、耕耘爪5の回転駆動に基づいて圃場を耕耘し、該耕耘土をリヤカバー8で均平するロータリ作業機であるが、該ロータリ作業機においては、例えば耕耘爪5の後方に畝立てアタッチメント(図示せず)を取付けて行う畝立て作業の如く、リヤカバー8を跳ね上げ姿勢に保持する場合がある。
【0007】
10は前記走行機体1に設けられる制御部であって、該制御部10は、マイクロコンピュータ(CPU、ROM、RAM等を含む)を用いて構成されており、その入力側には、前述した耕深センサ9、リフトアーム4のアーム位置を検出するリフトアームセンサ11、ポジションレバー12のレバー位置を検出するポジションセンサ13、自動制御の切換えを行う自動制御切換ボリューム14、後述する「耕深自動制御」の目標耕深を設定する耕深設定ボリューム15、エンジン回転数を検出するエンジン回転センサ16、スロットルレバー(図示せず)の位置を検出するスロットルセンサ17等が所定の入力インタフェース回路を介して接続される一方、出力側には、リフトアーム用電磁切換バルブ18の上昇用ソレノイド18aおよび下降用ソレノイド18b、「耕深自動制御」の状態表示を行う耕深自動制御ランプ19、「エンジン回転負荷制御」の状態表示を行うエンジン回転負荷制御ランプ20等が所定の出力インタフェース回路を介して接続されている。即ち、前記制御部10は、ポジションセンサ値に対するリフトアームセンサ値の偏差に応じて作業部3(リフトアーム4)を昇降制御する「ポジション制御」、耕深設定ボリューム値に対する耕深センサ値の偏差に応じて作業部3を昇降制御する「耕深自動制御」、エンジン回転センサ値の低下に応じて作業部3を所定量退避上昇させる「エンジン回転負荷制御」、「耕深自動制御」および「エンジン回転負荷制御」を複合的に実行する「ミックス制御」、各制御の切換えを行う「モード切換制御」、上記「ミックス制御」において作業部3を退避上昇させるエンジン回転数を設定する「エンジン回転数設定」等の制御プログラムを具備しており、以下、本発明の要部である「ミックス制御」、「モード切換制御」および「エンジン回転数設定」の制御手順をフローチャートに基づいて説明する。
【0008】
前記「モード切換制御」は、まず、自動制御切換ボリューム14の操作位置等に基づいて「耕深自動制御」および「エンジン回転負荷制御」のON/OFF操作状態を判断し、ここで「耕深自動制御」がOFF操作状態であると判断した場合は、「耕深自動制御」の実行状態をOFFにすると共に、耕深自動制御ランプ19およびエンジン回転負荷制御ランプ20を消灯する。また、「耕深自動制御」がON操作状態で、かつ「エンジン回転負荷制御」がOFF操作状態であると判断した場合は、「耕深自動制御」の実行状態をONにすると共に、耕深自動制御ランプ19を点灯する。さらに、「耕深自動制御」および「エンジン回転負荷制御」が共にON操作状態であると判断した場合は、原則として「ミックス制御」の実行状態をONにすると共に、耕深自動制御ランプ19およびエンジン回転負荷制御ランプ20を点灯するが、「耕深自動制御」および「エンジン回転負荷制御」が共にON操作状態であっても、リヤカバー8が跳ね上げ姿勢に保持されていると判断(耕深センサ値>跳ね上げ判断値)した場合には、「エンジン回転負荷制御」を単独で実行すると共に、エンジン回転負荷制御ランプ20を点灯させるようになっている。つまり、リヤカバー8を跳ね上げ姿勢に保持した状態では、耕深センサ値が無効であるため、耕深センサ値を利用する「ミックス制御」の実行を規制して「エンジン回転負荷制御」を単独で実行するようになっている。ところで、耕耘作業中においては、耕深センサ値が跳ね上げ判断値を越えて誤った判断をする可能性があるが、本実施形態では、仮令耕深センサ値が跳ね上げ判断値を越えても、耕耘作業中であると判断した場合(リフトアーム下降状態で、かつ運転始めではない場合)には、制御モードの切換えを実行しないため、誤った判断に基づく制御切換を防止できるようになっている。
【0009】
また、「エンジン回転数設定」は、リフトアーム4が上昇した際に、無負荷状態のエンジン回転数を基準回転数として格納すると共に、該基準回転数に対して所定比率(例えば80%)の回転数を演算し、該回転数を退避上昇判断用回転数として設定するようになっている。つまり、作業部3が退避上昇するエンジン回転数を、無負荷時のエンジン回転数から一定比率で設定しているため、低回転作業時でも適切な退避上昇に基づいてエンストを防止することができるようになっている。
【0010】
また、「ミックス制御」は、ミックス制御モードにおいて「耕深自動制御」を実行しつつエンジン回転数を監視し、ここでエンジン回転数が前記退避上昇判断用回転数まで低下した場合には、「耕深自動制御」を一時的に中止して作業部3(リフトアーム4)を所定量退避上昇させるが、作業部3を退避上昇させた後もエンジン回転数の変動を監視している。そして、作業部3を退避上昇させてもエンジン回転数の低下が止らない場合には、再び作業部3を所定量退避上昇させる一方、エンジン回転数が所定回転数まで上昇した場合には、「耕深自動制御」を再開させ、それに伴って作業部3が「耕深自動制御」の設定耕深まで下降することになるが、作業部3を退避上昇させてもエンジン回転数が上昇せずに安定状態を維持した場合には、「耕深自動制御」への復帰を規制して作業部3を退避上昇位置に待機させるようになっている。従って、作業部3を退避上昇させた後に直ちに「耕深自動制御」に復帰するものの様に、再びエンジン回転数が低下して作業部3が退避上昇することを回避でき、その結果、作業部3が上昇・下降を繰り返すハンチング現象の発生を抑制して作業精度や安定性の向上を計ることができるようになっている。
【0011】
叙述の如く構成されたものにおいて、走行機体1に昇降自在に連結される作業部3と、該作業部3の作業負荷に応じて変化するエンジン回転数を検出するエンジン回転センサ16と、前記作業部3のリヤカバー姿勢に基づいて作業部耕深を検出する耕深センサ9と、該耕深センサ9の検出値に基づいて作業部3を昇降制御する「耕深自動制御」と、エンジン回転数が低下したことに応じて作業部3を所定量退避上昇させる「エンジン回転負荷制御」とを備えるものであるが、作業部3を退避上昇させた後のエンジン回転変動を判断し、そして、作業部3を退避上昇させてもエンジン回転数の低下が止らない場合には、再び作業部3を所定量退避上昇させる一方、エンジン回転数が所定回転数まで上昇した場合には、「耕深自動制御」を再開させ、それに伴って作業部3が「耕深自動制御」の設定耕深まで下降することになるが、作業部3を退避上昇させてもエンジン回転数が上昇せずに安定状態を維持した場合には、「耕深自動制御」への復帰を規制して作業部3を退避上昇位置に待機させるようになっている。このため、作業部3を退避上昇させた後に直ちに「耕深自動制御」に復帰するものの様に、再びエンジン回転数が低下して作業部3が退避上昇することを回避でき、その結果、作業部3が上昇・下降を繰り返すハンチング現象の発生を抑制して作業精度や安定性の向上を計ることができる。
【0012】
また、「エンジン回転負荷制御」を単独で実行するエンジン回転負荷制御モードと、「耕深自動制御」および「エンジン回転負荷制御」を複合的に実行するミックス制御モードとを設定するにあたり、作業部3のリヤカバー姿勢に基づいてエンジン回転負荷制御モードとミックス制御モードとを自動的に切換える「モード切換制御」を備えるため、エンジン回転負荷制御モードとミックス制御モードとの切換操作が不要になり、その結果、オペレータの操作労力を軽減できる許りでなく、誤ったモード切換に伴う作業精度の低下も防止することができる。
【0013】
また、「エンジン回転負荷制御」は、無負荷時のエンジン回転数を基準回転数とし、該基準回転数に対してエンジン回転数が所定比率まで低下した場合に作業部3を退避上昇させるため、低回転作業時でも適切な退避上昇に基づいてエンストを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トラクタの側面図である。
【図2】制御部の入出力を示すブロック図である。
【図3】「モード切換制御」を示すフローチャートである。
【図4】「エンジン回転数設定」を示すフローチャートである。
【図5】「エンジン回転数設定」の作用を示すグラフである。
【図6】「ミックス制御」を示すフローチャートである。
【図7】「ミックス制御」の作用を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 走行機体
3 作業部
8 リヤカバー
9 耕深センサ
10 制御部
16 エンジン回転センサ
Claims (3)
- 走行機体に昇降自在に連結される作業部と、該作業部の作業負荷に応じて変化するエンジン回転数を検出するエンジン回転数センサと、前記作業部のリヤカバー姿勢に基づいて作業部耕深を検出する耕深センサと、該耕深センサの検出値に基づいて作業部の耕深自動制御をする耕深自動制御手段と、エンジン回転数が退避上昇判断用回転数まで低下したことに応じて耕深自動制御を一時的に停止して作業部を所定量退避上昇させるエンジン回転負荷制御手段とを備えるトラクタであって、該トラクタに、作業部を退避上昇させた後のエンジン回転変動を判断し、エンジン回転数の低下が止まらない場合には再度作業部を所定量退避上昇させ、エンジン回転数が所定回転数まで上昇した場合には耕深自動制御を再開させ、エンジン回転数が上昇せずに安定状態を維持した場合には耕深自動制御への復帰を規制して作業部を退避上昇位置に待機させる手段を設けたことを特徴とするトラクタ。
- 請求項1記載のトラクタにおいて、エンジン回転負荷制御を単独で実行する単独制御モードと、耕深自動制御およびエンジン回転負荷制御を複合的に実行する複合制御モードとを設定するにあたり、作業部のリヤカバー姿勢に基づいて単独制御モードと複合制御モードとを自動的に切換えるモード自動切換手段を設けたことを特徴とするトラクタ。
- 請求項1記載のトラクタにおいて、退避上昇判断用回転数は、無負荷時のエンジン回転数を基準回転数とし、該基準回転数に対して所定比率の回転数として演算されるものであることを特徴とするトラクタ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP35454399A JP3732373B2 (ja) | 1999-12-14 | 1999-12-14 | トラクタ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP35454399A JP3732373B2 (ja) | 1999-12-14 | 1999-12-14 | トラクタ |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001161109A JP2001161109A (ja) | 2001-06-19 |
| JP3732373B2 true JP3732373B2 (ja) | 2006-01-05 |
Family
ID=18438268
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP35454399A Expired - Fee Related JP3732373B2 (ja) | 1999-12-14 | 1999-12-14 | トラクタ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3732373B2 (ja) |
-
1999
- 1999-12-14 JP JP35454399A patent/JP3732373B2/ja not_active Expired - Fee Related
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|---|---|
| JP2001161109A (ja) | 2001-06-19 |
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