JP3733703B2 - 高低圧一体型蒸気タービン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は新規な耐熱鋼を用いた高低圧一体型蒸気タービン用動翼とそれを用いた高低圧一体型蒸気タービン及びコンバインド発電システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、蒸気タービン用翼には12Cr−Mo−Ni−V−N鋼が使用されている。近年、省エネルギーの観点から火力プラントの熱効率の向上が、省スペースの観点から機器のコンパクト化が望まれている。
【0003】
熱効率を向上及び機器のコンパクト化には蒸気タービン翼の長翼化が有効な手段である。そのために低圧蒸気タービン最終段の翼長は年々上昇の傾向にある。これに伴って、蒸気タービンの翼の使用条件も厳しくなり、これまでの12Cr−Mo−Ni−V−N鋼では強度不足で、より強度の高い材料が必要である。長翼材の強度としては、機械的特性の基本である、引張強さが要求される。
【0004】
また、破壊に対する安全性確保の観点から、ある程度の靭性も要求される。
【0005】
引張強さが従来の12Cr−Mo−Ni−V−N鋼(マルテンサイト系鋼)より高い構造材料として、Ni基合金及びCo基合金が一般に知られているが、熱間加工性,切削性及び振動減衰特性が劣るので、翼材としては望ましくない。
【0006】
ガスタービンのディスク用として特開昭63−171856号があるが、高い引張強さは得られていない。
【0007】
また、10万KW未満の小容量及び10から30万KWの中容量のタービン省スペースの観点から、高圧部から低圧部まで一体化した、いわいる一体型タービンが実用化される様になってきた。この一体型タービンの最終段翼長は、ロータ及び翼材の強度の制約から、高々33.5 インチである。しかし、この翼長は、出力向上のために、もっと長くしたい。
【0008】
特開平3−130502 号に12%Cr系鋼を用いた高低圧一体型蒸気タービン用翼が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、近年の低圧蒸気タービン翼の長大化に対処するために、特開平3− 130502号公報に記載の鋼では引張強さが低いものである。
【0010】
本発明の目的は引張強さの高いマルテンサイト系鋼を用いた高低圧一体型蒸気タービン用動翼とそれを用いたコンパクトな高低圧一体型蒸気タービン及び高効率のコンバインド発電システムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、重量比で、C0 . 08〜0 . 2%,Si0.25%以下,Mn0.90%以下,Cr8.0〜13.0%,Ni2%を超え3%以下,Mo1.5〜3.0%,Nb及びTaの1種又は2種の合計量が0 . 02%を超え0 . 2%未満、及びN0.02〜0.10%を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなり、又はこれにVを0 . 01%以上0 . 05%未満含有したものからなり、全焼戻しマルテンサイト組織を有し、室温の引張強さが120 kg f/ mm 2 以上,20℃Vノッチシャルピー衝撃値が7 kg f−m/ cm 2 以上であるマルテンサイト鋼からなる最終段動翼を有することを特徴とする高低圧一体型蒸気タービンにある。
【0016】
本発明は、更にMn/Ni比が0 . 1以下であることを特徴とする。
【0017】
本発明は、高速で流れる燃焼ガスによって駆動されるガスタービンと、該ガスタービンの排ガスのエネルギーによって水蒸気を得る排熱回収ボイラと、前記水蒸気によって駆動される蒸気タービンと、前記ガスタービン及び蒸気タービンによって駆動される発電機とを備えた複合発電プラントにおいて、前記ガスタービンはブレードが3段以上、前記燃焼ガスのタービン入口温度が1200℃以上、好ましくは1300℃以上、より好ましくは1400℃〜1600℃、タービン出口の排ガス温度が500℃以上、好ましくは530℃以上、より好ましくは538〜593℃であり、前記排熱回収ボイラによって530℃以上の水蒸気とし、前記蒸気タービンは高低圧一体型で、全ベーナイト組織を有し全体が同等の特性を有する低合金鋼又は高圧側の高温強度が低圧側のそれより高い低合金鋼よりなるロータシャフトを有し、前述の蒸気タービンによって構成されるものである。
【0018】
本発明は、8〜13重量%クロームを含むマルテンサイト系ステンレス鋼からなり、40インチ以上、好ましくは43インチ以上の長翼を取り付けた50サイクル発電用一体型蒸気タービンが好ましい。
【0019】
本発明は、更に前述のマルテンサイト系ステンレス鋼からなり、34インチ以上、好ましくは35インチ以上の長翼を取り付けた60サイクル発電用一体型蒸気タービンが好ましい。
【0020】
更に本発明は、重量比で、C0.18〜0.28%,Si0.1%以下,Mn0.1〜0.3%,Cr1.5〜2.5%,Ni1.5〜2.5%,Mo1〜2%,V0.1〜0.35%及びO0.003%以下を有し、高圧部の538℃・105h平滑及び切欠クリープ破断強度が13kg/mm2 以上、低圧部の引張強さが84kg/mm2 以上、破面遷移温度が35℃であるマルテンサイト系耐熱鋼からなるロータシャフトに、引張強さ128.5kg/mm2以上の前述の長翼を取り付けた高低圧一体型蒸気タービンにある。
【0021】
本発明に係る最終段動翼は〔翼長さ(インチ)×回転数(rpm)〕が122,400以上のCr8〜13重量%を有するマルテンサイト鋼よりなるブレードを有することを特徴とする複合発電システムにある。
【0022】
(1)高低圧一体型蒸気タービン用長翼材の成分限定理由
本発明は、重量比で、C0 . 08〜0 . 2%,Si0.25%以下,Mn0.90%以下,Cr8.0〜13.0%,Ni2%を超え3%以下,Mo1.5〜3.0%,Nb及びTaの1種又は2種の合計量が0 . 02%を超え0 . 2%未満、及びN0 . 02〜0 . 10%を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなり、又はこれにVを0 . 01%以上0 . 05%未満含有したものからなり、全焼戻しマルテンサイト組織を有し、室温の引張強さが120 kg f/ mm 2 以上,20℃Vノッチシャルピー衝撃値が7 kg f−m/ cm 2 以上であるマルテンサイト鋼からなる最終段動翼を有することを特徴とする高低圧一体型蒸気タービンにある。
【0023】
この蒸気タービン長翼は、高速回転による高い遠心応力と振動応力に耐えるため引張強さが高いと同時に、高サイクル疲労強度が高くなければならない。そのために、翼材の金属組織は、有害なδフェライトが存在すると、疲労強度を著しく低下させるので、全焼戻しマルテンサイト組織でなければならない。
【0024】
本発明鋼は後述の式で計算されるCr当量が10以下になるように成分調整され、δフェライト相を実質的に含まないようにすることが必要である。
【0025】
長翼材の引張強さは120kgf/mm2 以上、好ましくは128.5kgf/mm2以上である。
【0026】
また均質で高強度の蒸気タービン長翼材を得るために、調質熱処理として、溶解・鍛造後に、1000℃〜1100℃(好ましくは1000〜1055℃)で好ましくは0.5〜3 時間加熱保持後室温まで急冷する(特に油焼入れが好ましい)焼入れを行い、次に、550〜620℃で焼戻し、特に550℃〜570℃で好ましくは1〜6時間加熱保持後室温まで冷却する1次焼戻しと、560℃〜590℃で好ましくは1〜6時間加熱保持後室温まで冷却する2次焼戻しの2回以上の焼戻し熱処理が施されるのが好ましい。2次焼戻し温度は1次焼戻し温度より高くするのが好ましく、特に10〜30℃高くするのが好ましく、より15〜20℃高くするのが好ましい。
【0027】
本発明は、低圧タービン最終段翼部長さを864mm(34″)以上、好ましくは914mm(36″)以上、より好ましくは965mm(38″)以上にした60サイクル発電用の3600rpm 蒸気タービン及び低圧タービン最終段翼長を1041mm(41″)以上、好ましくは1092mm(43″)以上、より好ましくは1168mm(46″)以上にした50サイクル発電用の3000rpm 蒸気タービンにし、〔翼部長さ(インチ)×回転数(rpm)〕値を122,400以上、好ましくは125,000 以上、より好ましくは129,000〜150,000としたものである。
【0028】
また本発明の耐熱鋼からなるブレード材においては、全マルテンサイト組織となるように合金組成を調整して高い強度と低温靭性並びに疲労強度を得るために、次式の各元素の含有量を重量%として計算されるCr当量を4〜10に成分調整することが好ましい。
【0029】
Cr当量=Cr+6Si+4Mo+1.5W+11V+5Nb−40C−30N−30B−2Mn−4Ni−2Co+2.5Ta
Cは高い引張強さを得るために最低0.08% 必要である。あまりCを多くすると、靭性を低下させるので0.2%以下にしなければならない。特に、0.10〜0.18% が好ましい。より、0.12〜0.16%が好ましい。
【0030】
Siは脱酸剤、Mnは脱硫酸・脱酸剤で鋼の溶解の際に添加するものであり、少量でも効果がある。Siはδフェライト生成元素であり、多量の添加は、疲労及び靭性を低下させる有害なδフェライト生成の原因になるので、0.25% 以下にしなければならない。なお、カーボン真空脱酸法及びエレクトロスラグ溶解法などによればSi添加の必要がなく、Si無添加がよい。特に、0.10% 以下、より0.05% 以下が好ましい。
【0031】
小量のMn添加は靭性を向上するが多量の添加は靭性を低下させるので、0.9 %以下にすべきである。特に、Mnは脱酸剤として有効なので、靭性向上の点から0.05〜0.4%、より0.1〜0.4%が好ましい。
【0032】
Crは耐食性と引張強さを高めるが、13%以上添加するとδフェライト組織生成の原因になる。8%より少ないと耐食性と引張強さが不十分なので、Crは8〜13%に決定された。特に強度の点から10.5〜12.5%が、より11〜12%好ましい。
【0033】
Moは固溶強化及び析出強化作用によって引張強さを高める効果がある。Moは引張強さ向上効果が不十分であり3%以上になるとδフェライト生成原因になるので1.5〜3.0%に限定される。特に、1.8〜2.7%、より2.0〜2.5%が好ましい。なお、W及びCoもMoと同じ様な効果がある。
【0034】
Vを含有しないもの、又はVを0 . 01%以上0 . 05%未満含む場合には、V及びNbは炭化物を析出し引張強さを高めると同時に靭性向上効果がある。Nb0.02%以下ではその効果が不十分であり、Nb0.2%以上ではδフェライト生成の原因となる。Nbは0.04〜0.15%、より0.06〜0.12%が好ましい。Nbの代わりにTaを全く同様に添加でき、複合添加することができる。
【0035】
Niは低温靭性を高めると共に、δフェライト生成の防止効果がある。この効果は、Ni2%以下では不十分で、3%を超える添加で効果が飽和する。特に、2.3〜2.9%が好ましい。より好ましくは2.4〜2.8%である。
【0036】
Nは引張強さの向上及びδフェライトの生成防止に効果があるが0.02% 未満ではその効果が十分でなく、0.1% を超えると靭性を低下させる。特に、0.04〜0.08%、より0.06〜0.08%の範囲で優れた特性が得られる。
Si,P及びSの低減は、引張強さを損なわず、低温靭性を高める効果があり、極力低減することが望ましい。低温靭性向上の点からSi0.1% 以下,P0.015%以下,S0.015% 以下が好ましい。特に、Si0.05%以下,P0.010%以下,S0.010%以下が望ましい。Sb,Sn及びAsの低減も、低温靭性を高める効果があり、極力低減することが望ましいが、現状製鋼技術レベルの点から、Sb0.0015%以下,Sn0.01%以下、及びAs0.02%以下に限定した。特に、Sb0.001%以下,Sn0.005%及びAs0.01%以下が望ましい。
【0037】
さらに、本発明においては、Mn/Ni比を0.11 以下にするのが好ましい。
【0038】
本発明材の熱処理は、まず完全なオーステナイトに変態するに十分な温度,最低1000℃,最高1100℃に均一加熱し、急冷し(好ましくは油冷)、次いで550〜570℃の温度に加熱保持・冷却し(第1次焼戻し)、次いで560〜680℃の温度に加熱保持し第2次焼戻しを行い、全焼戻しマルテンサイト組織とするものが好ましい。
【0039】
(2)本発明の高低圧一体型蒸気タービンロータを構成する低合金鋼の組成及び熱処理条件の限定理由について説明する。
【0040】
Cは焼入性を向上し強度を確保するのに必要な元素である。その量が0.15 %以下では十分な焼入性が得られず、ロータ中心に軟らかいフエライト組織が生成し、十分な引張強さ及び耐力が得られない。また0.4% 以上になると靭性を低下させるので、Cの範囲は0.15〜0.4%に限定される。特にCは0.20 〜0.28% の範囲が好ましい。
【0041】
Si及びMnは従来脱酸剤として添加していたが、真空C脱酸法及びエレクトロスラグ再溶解法などの製鋼技術によれば、特に添加しなくとも健全なロータが溶製可能である。長時間使用による脆化の点から、Si及びMnは低目にすべきであり、それぞれ0.1% 及び0.5% 以下に限定され、特にSi0.05% 以下,Mn0.05〜0.25%、より前者が0.01% 以下,後者が0.20% 以下が好ましい。
【0042】
一方、極少量のMn添加は、熱間加工性を悪くする有害なSを、硫化物MnSとして固定する作用があるために、Mnの極微量添加は、前述のSの害を減少する効果があるので、蒸気タービン用ロータシャフトのような大型鍛造品の製造においては0.01% 以上含有するのが好ましい。しかし、製鋼上Sを少なくできればMnの添加は靭性,高温強度を低めるので、S及びP量を低めるスパークリーン化できればゼロがよく、0.01〜0.2%が好ましい。
【0043】
Niは焼入れ性を向上させ、靭性向上に不可欠の元素である。1.5% 未満では靭性向上効果が十分でない。また2.7% を超える多量の添加は、クリープ破断強度を低下させてしまう。特に1.6〜2.0%より1.7〜1.9%の範囲が好ましい。更に、Ni量はCr量より0.20% まで高く又はCr量より0.30%以下に低くする範囲内とすることにより高い高温強度と靭性とを兼ね備えた特性が得られる。
【0044】
Crは焼入れ性を向上させ、靭性及び強度向上効果がある。また蒸気中の耐食性も向上させる。1.5% 未満ではこれらの効果が十分でなく、2.5% を超える添加は、クリープ破断強度を低下させる。特に1.7〜2.3%、より1.9〜 2.1%が好ましい。
【0045】
Moは焼戻し処理中に結晶粒内に微細炭化物を析出させ、高温強度向上及び焼戻し脆化防止効果がある。0.8% 未満ではこれらの効果が十分でなく、2.5 %を超える多量の添加は靭性を添加させる。特に強度と靭性の点から1.0〜1.5%、より1.1〜1.3%が好ましい。
【0046】
Vは、焼戻し処理中に結晶粒内に微細炭化物を析出させ、高温強度及び靭性向上効果がある。0.15%未満ではこれらの効果が十分でなく、0.35%を超える添加は効果が飽和してしまう。特に0.20〜0.30%、より0.25 を超え0.30 %以下の範囲が好ましい。
【0047】
また上記の組成からなる低合金を溶製するときに、希土類元素,Ca,Zr及びAlのいずれかを添加することにより靭性が向上する。希土類元素は0.05 %未満では効果が不十分で、0.4% を超える添加はその効果が飽和する。Caは少量の添加で靭性向上効果があるが、0.0005% 未満では効果が不十分で、0.01%を超える添加はその効果が飽和する。Zrは0.01%未満では靭性向上効果が不十分であり、0.2% を超える添加はその効果が飽和する。Alは0.001% 未満では靭性向上効果が不十分であり、0.02% を超える添加はクリープ破断強度を低下させる。
【0048】
さらに、酸素は高温強度に関与し、本発明鋼においては、O2 を5〜25ppm の範囲に制御することにより、より高いクリープ破断強度が得られる。
【0049】
Nb及びTaの少なくとも1種を0.005〜0.15%添加するのが好ましい。これらの含有量が0.005% 未満では強度の向上に十分な効果が得られず、逆に0.15% を超えると蒸気タービン用ロータシャフトの如く大型構造物ではこれらの巨大な炭化物が晶出し強度及び靭性を低めるので0.005〜0.15%とする。特に0.01〜0.05%が好ましい。
【0050】
Wは強度を高めるため0.1% 以上加えるのが好ましいが、1.0% を超えると大型鋼塊においては偏析の問題が生じる等強度を低めるので、0.1〜1.0%とするのが好ましい。好ましくは0.1〜0.5%である。
【0051】
Mn/Ni比又は(Si+Mn)/Ni比は各々0.13又は0.18以下が好ましい。これにより、ベーナイト組織を有するNi−Cr−Mo−V低合金鋼における加熱脆化を顕著に防止でき、高低圧一体型ロータシャフトとして適用できる。また、(Ni/Mo)比が1.25 以上及び(Cr/Mo)比が1.1 以上、又は(Cr/Mo)比が1.45 以上及び(Cr/Mo)比が〔−1.11× (Ni/Mo)+2.78〕によって求められる値以上とすることにより全体を同じ条件で熱処理することにより538℃,105 時間クリープ破断強度が12kg/mm2 以上の高い強度が得られる。
【0052】
また、Ni量をCr量に対して特定の範囲で含有させることにより高圧側でより高強度で、低圧側でより靭性の高い強度とを兼ね備えたものが得られる。
【0053】
本発明は、高低圧一体型蒸気タービン用ロータシャフトとして、その高圧部の538℃,105h 平滑及び切欠クリープ破断強度が13kg/mm2 以上、低圧部の引張強さが84kg/mm2 以上、破面遷移温度が35℃以下とするのが好ましい。このように優れた機械的性質を得るため次の様な傾斜調質熱処理を施すのが好ましい。この調質熱処理を施す前に、金属組織を微細にするために、650℃〜710℃で70時間以上保持のパーライト処理を施すのが好ましい。
【0054】
ロータシャフトの高圧部又は高圧部と中圧部:高い高温強度を得る。
【0055】
○焼入れ:930〜970℃に加熱・保持後冷却
○焼戻し:570〜670℃に加熱・保持後徐冷
(2回焼戻しが好ましく、うち1回は650〜670℃に加熱・保持するのが好ましまい)
ロータシャフトの低圧部又は中圧部と低圧部:高い引張強さと低温靭性を得る。
【0056】
○焼入れ:880〜910℃に加熱・保持後急冷
○焼戻し:570〜640℃に加熱・保持後徐冷
(2回焼戻しが好ましく、うち1回は615〜635℃に加熱・保持するのが好ましい)
即ち、本発明は高圧側を低圧側より高い焼入温度で焼入れすることにより高圧側では550℃,30kg/mm2 で180hr以上のクリープ破断時間が得られるように低圧側より高温強度を高くし、低圧側は高圧側より遷移温度を中心孔で10℃以下とするように傾斜熱処理することが好ましい。焼戻温度においても高圧側を低圧側にくらべ高い温度で焼戻しするのがよい。
【0057】
本発明における熱処理は全体を同じ熱処理とすることが可能である。
【0058】
このようにクリープ破断強度が高く、衝撃値が高い両者の特性を備えた鋼を得ることができ、本発明の高低圧一体型ロータシャフトにおいてブレードとして50サイクル発電に対しては41インチ以上好ましくは43インチ以上、60サイクル発電に対しては34インチ以上好ましくは35インチ以上の長さのものを植設することができる。
【0059】
このような新しい材料をロータシャフトとして使用することにより、最終段ブレードとして上述の長翼を植設できるとともに、ロータシャフト軸受間の長さ(L)と翼直径(D)との比(L/D)を1.4〜2.3とコンパクトにでき、好ましくは1.6〜2.0とすることができる。又、ロータシャフト最大径(d)と最終段長翼の長さ(l)との比(d/l)を1.5〜2.0とすることができ、これにより蒸気量をロータシャフトの特性との関係から最大限に増すことができ、小型で大容量の発電が可能となる。特に、この比を1.6〜1.8とすることが好ましい。1.5 以上とすることはブレード数との関係から求められ、その数は多い程よいが、遠心力による強度上の点から2.0 以下が好ましい。
【0060】
本発明の高低圧一体型ロータシャフトを用いた蒸気タービンは小型で10〜30万KWの発電出力が可能であり、そのロータシャフトとして軸受間距離を発電出力として1万KW当り0.8m 以下の非常に短い軸受間距離とすることができる。好ましくは1万KW当り0.25〜0.6mである。
【0061】
前述のNi−Cr−Mo−V低合金鋼を高低圧一体型ロータシャフトに用いることにより少なくとも最段階に30インチ以上、特に33.5 インチ以上の長さの動翼を設けることができ、単機出力の向上と効率の向上とともに、小型化できる。
【0062】
本発明の蒸気タービンにおける動翼及び静翼は以下のとおりである。
【0063】
前述の最終段前記高圧側ブレードは初段又は初段〜3段を重量で、C0.2〜 0.3%,Si0.5%以下,Mn1%以下,Cr10〜13%,Ni0.5% 以下,Mo0.5〜1.5%,W0.5〜1.5%,V0.15〜0.35%を含むマルテンサイト鋼、それ以外の前記26インチ未満の低圧側ブレードは重量で、C0.05〜0.15%,Si0.5%以下,Mn1%以下、好ましくは0.2〜1.0 %,Cr10〜13%,Ni0.5% 以下,Mo0.5% 以下を含むマルテンサイト鋼が好ましい。
【0064】
最終段のブレードの先端リーデングエッチ部にはエロージョン防止層が設けられているのが好ましい。具体的な翼部の長さとして、33.5″,40″,46.5″等のものを用いることができる。エロージョン防止層として重量で、C0.5〜1.5% ,Cr25〜31%及びW2〜6%を含むCo基合金が好ましく、板材の張り合せ溶接構造,肉盛層の形成又は局部的な焼入れ等によって設けることができる。
【0065】
本発明における静翼は重量で、C0.05〜0.15%,Si0.5% 以下,Mn0.2〜1%,Cr10〜13%,Ni0.5%以下,Mo0.5% 以下を含む焼戻し全マルテンサイト鋼からなるものが好ましい。
【0066】
本発明におけるケーシングは、重量でC0.10〜0.20%,Si0.75% 以下,Mn1%以下,Cr1〜2%,Mo0.5〜1.5%,V0.05〜0.2%,Ti0.05% 以下を含むベーナイト組織を有するCr−Mo−V鋳鋼よりなるものが好ましい。
【0067】
前述に記載の組成を有するNi−Cr−Mo−V鋼からなるロータシャフトは、その鋼塊を特にエレクトロスラグ再溶解又はアーク炉にて大気中溶解後に取鍋下部より非酸化性ガス(特にArガス)を吹き込みを行った後、真空炭素脱酸した鋼塊を製造し、該鋼塊を熱間鍛造し、次いでオーステナイト化温度に加熱し所定の冷却速度で冷却する焼入れを施した後焼戻し処理を施し、主にベーナイト組織を有するものとするのがよい。
【0068】
本発明に係るガスタービンは以下の構成を有する。
【0069】
ディスク,デイスタントピース,タービンスペーサ,タービンスタッキングボルト,コンプレッサスタッキングボルト及びコンプレッサディスクの少なくとも最終段の1種以上を重量でC0.05〜0.2%,Si0.5% 以下,Mn1%以下,Cr8〜13%,Ni3%以下,Mo1.5〜3%,V0.05〜0.3%, Nb0.02〜0.2%,N0.02〜0.1%を含む全焼戻しマルテンサイト組織を有する耐熱鋼によって構成することができる。これらの部品の全部をこの耐熱鋼によって構成することによってより高いガス温度にすることができ、熱効率の向上が得られる。特にこれらの部品の少なくとも1種は重量で、C0.05〜0.2%,Si0.5%以下,Mn0.6%以下,Cr8〜13%,Ni2〜3%,Mo1.5〜3% ,V0.05〜0.3%,Nb0.02〜0.2%,N0.02〜0.1%を含み、(Mn/Ni)比が0.13以下、特に0.04〜0.10が好ましく、全焼戻しマルテンサイト組織を有する耐熱鋼によって構成するのが好ましい。
【0070】
尚、これらの部品に使用する材料として450℃での105h クリープ破断強度が40kg/mm2 以上で、20℃Vノッチシャルピー衝撃値が5kg−m/cm2 以上のマルテンサイト鋼が用いられるが、特に好ましい組成においては450℃での105h クリープ破断強度が50kg/mm2 以上及び500で105h 加熱後の20℃Vノッチシャルピー衝撃値が5kg−m/cm2 以上を有するものが得られる。
【0071】
これらの材料には更に、W1%以下,Co0.5%以下,Cu0.5%以下,B0.01%以下,Ti0.5%以下,Al0.3%以下,Zr0.1%以下,Hf0.1%以下,Ca0.01%以下,Mg0.01%以下,Y0.01%以下,希土類元素0.01%以下の少なくとも1種を含むことができる。
【0072】
コンプレッサディスクの少なくとも最終段又はその全部を前述の耐熱鋼によって構成することができるが、初段から中心部まではガス温度が低いので、他の低合金鋼を用いることができ、中心部から最終段までを前述の耐熱鋼を用いることができる。空気上流側の初段から中心部までの上流側を重量で、C0.15〜 0.30%,Si0.5%以下,Mn0.6%以下,Cr1〜2%,Ni2.0〜4.0%,Mo0.5〜1%,V0.05〜0.2%を含み、室温の引張強さ80kg/mm2 以上,室温のVノッチシャルピー衝撃値が20kg−m/cm2 以上のNi−Cr−Mo−V鋼、中心部から少なくとも最終段を除き重量で、C0.2〜0.4%,Si0.1〜0.5%,Mn0.5〜1.5%,Cr0.5〜1.5%,Ni0.5%以下,Mo1.0〜2.0%,V0.1〜0.3%を含み、室温の引張強さが80kg/mm2 以上,伸び率18%以上,絞り率50%以上を有するCr−Mo−V鋼を用いることができる。
【0073】
コンプレッサスタブシャフト及びタービンスタブシャフトは上述のCr−Mo−V鋼を用いることができる。
【0074】
本発明のコンプレッサ用ロータはディスク状又は複数段のブレードを一体にした分割型、全ブレードを一体型のいずれでも良く、ディスク状、分割型には外側部分にスタッキングボルト挿入用の穴が複数個全周に設けられる。
【0075】
コンプレッサ用ロータ材の一例として、17段からなる場合には初段から12段目までを前述のNi−Cr−Mo−V鋼,13段目から16段目をCr−Mo−V鋼及び17段目を前述のマルテンサイト鋼によって構成することができる。
コンプレッサのブレードはC0.07〜0.15%,Si0.15% 以下,Mn1%以下,Cr10〜13%又はこれにMo0.5%以下及び、Ni0.5%以下を含むマルテンサイト鋼によって構成されるのが好ましい。
【0076】
タービンブレードの先端部分と摺動接触しリング状に形成されるシュラウドの初段部分には重量で、C0.05〜0.2%,Si2%以下,Mn2%以下,Cr17〜27%,Co5%以下,Mo5〜15%,Fe10〜30%,W5%以下,B0.02% 以下を含むNi基鋳造合金が用いられ、他の部分には重量で、C0.3〜0.6%,Si2%以下,Mn2%以下,Cr20〜27%,Ni20〜30%以下,Nb0.1〜0.5%,Ti0.1〜0.5%を含むFe基鋳造合金が好ましい。これらの合金は複数個のブロックによってリング状に構成されるものである。
【0077】
タービンノズルを固定するダイヤフラムには初段のタービンノズル部分が重量で、C0.05% 以下,Si1%以下,Mn2%以下,Cr16〜22%,Ni8〜15%を含むオーステナイト鋳鋼、他のタービンノズル部分には高C−高
Ni系鋼鋳物によって構成するのが好ましい。
【0078】
タービンブレードは重量で、C0.07〜0.25%,Si1%以下,Mn1%以下,Cr12〜20%,Co5〜15%,Mo1.0〜5.0%,W1.0〜 5.0% ,B0.005〜0.03%,Ti2.0〜7.0%,Al3.0〜7.0%と、Nb1.5% 以下,Zr0.01〜0.5%,Hf0.01〜0.5%,V0.01〜0.5% の1種以上とを含み、オーステナイト相基地にγ′相及びγ″相が析出したNi基鋳造合金が用いられる。
【0079】
また、タービンブレードは高温の燃焼ガスによる腐食を防止するためにAl,Cr又はAl+Cr拡散コーティングを施すこと、更にその上に安定化ZrO2 系セラミックスからなる遮熱コーティング層を設けるのが好ましい。コーティング層の厚さは30〜150μmで、ガスに接する翼部に設けるのが好ましい。
【0080】
ガスタービン用ノズルにはNi基超合金及びCo基合金が用いられる。燃焼ガス温度が1260℃以下に対しては初段に以下のNi基合金及び初段以外には重量で、C0.20〜0.60%,Si2%以下,Mn2%以下,Cr25〜35%,Ni5〜15%,W3〜10%,B0.003〜0.03%及び残部が実質的にCoからなり、又は更にTi0.1〜0.3%,Nb0.1〜0.5%及びZr0.1〜0.3% の少なくとも1種を含み、オーステナイト相基地に共晶炭化物及び二次炭化物を含むCo基鋳造合金が好ましい。これらの合金はいずれも溶体処理された後時効処理が施され、前述の析出物を形成させ、強化される。
【0081】
ガスタービン用ノズルの初段には、重量でC0.05〜0.20%,Co15〜25%,Cr15〜25%,Al1.0〜3.0%,Ti1.0〜3.0%,Nb1.0〜3.0%,W5〜10%を含み、42%以上のNiを含むNi基鋳造合金が好ましい。特に、Al+Ti量とW量とは、A(2.5%,10%),B(5%,10%),C(5%,5%),D(3.5%,5%),E(2.5%,7.5%)の各点を結ぶ範囲内のものが好ましい。特に、Cが0.08〜0.16%、Coが20〜25%、Al+Tiが3.0〜5.0%、Ti/Alが0.7〜1.5%、Nbが0.6〜1.0%、Taが0.9〜1.3%、Zrが0.05% 以下、Bが0.001〜0.03%、Wが6〜8%、Reが2%以下、Y,Scの1種以上0.5% 以下とするのが好ましい。Si,Mnは0.5% 以下、より0.01〜 0.1% が好ましい。
【0082】
本Ni基鋳造合金は900℃,14kg/mm2 で300時間以上の破断強度を有し、特に1000〜5000時間有するものが好ましい。
【0083】
本発明に係るガスタービンは、燃焼ガス温度1300℃以下では燃焼ガス入口側の初段又は全段を重量でC0.05〜0.20%,Co20〜25%,Cr15〜25%,Al1.0〜3.0%,Ti1.0〜3.0%,Nb1.0〜3.0%,W5〜10%及び42%以上のNiを含むNi基鋳造合金よりなること、初段に該Ni基合金を用い、2段目以降が重量でC0.2〜0.6%,Si2%以下,Mn2%以下,Cr25〜35%,Ni5〜15%,W3〜10%,B0.003〜 0.03% 及びCo50%以上を有するCo基鋳造合金よりなることが好ましい。また、燃料ガス温度1300℃を超える場合には初段を除き2段,3段に前述のNi基合金又はCo基合金が好ましい。初段はNi基又はCo基合金の単結晶合金鋳物が好ましい。以上のノズルの構成によりその定検を年に1度行っていたものを少なくとも2年に1度にできる。Ni基合金にはMo2%以下,Zr0.3 %以下,Hf0.5% 以下,Re0.5% 以下,Y0.2% 以下の少なくとも1種を含むことが好ましい。
【0084】
燃焼器はタービンの周囲に複数個設けられるとともに、外筒と内筒との2重構造からなり、内筒は重量でC0.05〜0.2%,Si2%以下,Mn2%以下,Cr20〜25%,Co0.5〜5% ,Mo5〜15%,Fe10〜30%,W5%以下,B0.02% 以下を含むNi基合金又はFeの代りにNi25〜40%を含む耐熱鋼からなり、板厚2〜5mmの塑性加工材を溶接又は一体鋳造,遠心鋳造によって構成され、円筒体全周にわたって空気を供給する三ケ月形のルーバ孔又は外表面に冷却フィンが設けられ、全オーステナイト組織を有する溶体化処理材が用いられる。冷却フィンは円筒体外周に所定の間隔と高さで一体にリング状に形成することによりルーバ孔なしに出来る。特にら旋状に形成するのも好ましい。鋳造管においては厚さ2〜5mmとなるのが好ましい。
【0085】
【発明の実施の形態】
〔実施例1〕
図1は定格出力125MW,回転数3000rpm の再熱型高低圧一体型蒸気タービンの構成例を示す断面図である。538℃,126atg の蒸気は入口21から入り、高低圧一体型ロータシャフト3の高圧部を通って温度367℃,38atgとなって高圧蒸気出口22より出て、更に再熱器により538℃,35atg に加熱された蒸気が再熱蒸気入口23より入り高低圧一体型ロータシャフト3の中圧部へと入るとともに低圧へと通り、約46℃,0.1atgの蒸気として出口より排出される再熱型のものである。22から出た蒸気は一部他の熱源として使用され、24よりタービンの熱源として再び供給される。
【0086】
本発明に係る蒸気タービンは再熱型で高低圧一体型ロータシャフト3に植設されたブレード4を高圧側7段,中圧側6段,低圧側5段の18段備え、高圧側の段数が中圧側及び低圧側より多く、順次中圧側及び低圧側に段数が少なくなっている。高圧蒸気は蒸気のコントロールバルブを通って蒸気入口21より前述の如く538℃,169atg の高温高圧側に流入する。高圧蒸気は入口より一方向に流れ、高圧蒸気出口22より出て、再び538℃に加熱されて再熱蒸気入口23より中圧タービン部に送られる。中圧タービン部に入った蒸気は低圧タービン部へと送られるとともに低圧蒸気入口24からも蒸気が送られる。そして蒸気温度33℃,722mmHgとなって最終段のブレード4より排出される。本発明に係る高低圧一型体ロータシャフト3は538℃蒸気から33℃の温度までさらされるので、前述した特性のNi−Cr−Mo−V低合金鋼の鍛鋼が用いられる。高低圧一体型ロータシャフト3のブレード4の植込み部はディスク状になっており、高低圧一体型ロータシャフト3より一体に切削されて製造される。ディスク部の長さはブレードの長さが短いほど長くなり、振動を少なくするようになっている。
【0087】
蒸気入口に対し高圧タービン部のブレードは5段以上の7段あり、初段から最終段の前まではほぼ同じ間隔で配置され、最終段とその前との間隔は2段以降の間隔の1.1〜1.3倍である。更にブレード植込み部の軸方向の幅は初段及び最終段が最も厚く、初段と最終段を除きほぼ同じ厚さである。初段の厚さは2段目の厚さの2〜2.6 倍である。
【0088】
中圧タービン部は6段あり、ブレード中心間間隔は初段と2段目までが最も大きく、2段目以降最終段までほぼ同じ間隔である。初段と2段目との間隔はそれ以降の間隔の1.1〜1.5倍である。
【0089】
蒸気入口に対して低圧タービン部のブレードは5段である。中心部での間隔は初段から最終段にかけて徐々に広くなり最終段は初段の4.0〜4.8倍である。ブレード植込み部の軸方向の幅は最終段が最も厚く、最終段より上流側に向って段階的に小さくなり、最終段の厚さはその直前の厚さの2.0〜2.8倍、最終段の直前の厚さはその直前の厚さの1.0〜1.5倍である。初段は、最終段の0.20〜0.25倍の厚さである。
【0090】
ブレードの翼部長さは低圧側タービン部が初段から最終段にかけて徐々に大きくなり、最終段の長さは43インチの長さを有し、最終段の前段に対する長さは1.8〜2.2倍、その前段はその前段の1.7〜2.1倍有し以降前段に対し1.1 〜1.5 倍で長くなる。
【0091】
中圧側タービン部のブレードの翼部長さは初段より最終段にかけて除々に大きくなり、最終段は初段の3〜3.5 倍である。
【0092】
本実施例における中圧部25から低圧部26の各段の長さは1.6″,2.1″,2.1″,2.6″,3″,4.7″,6.2″,9.3″,11.9″,22.2″及び最終段の43″である。
【0093】
本実施例における軸受間距離は約6.6m であり、最終段動翼の翼部長さに対する軸受間距離の比は6.0 及び定格出力(MW)に対する軸受間距離(mm)の比が52.4 である。また、最終段での翼先端での直径は382cmであり、その直径に対する軸受間比は1.72 である。
【0094】
14は内部ケーシング、15は外部ケーシングである。
【0095】
本実施例における各部の材料組成と製造方法は次の通りである。
【0096】
(1)ロータシャフト
図2は本発明に係る高低圧一体型ロータシャフト3の形状である。本実施例のロータシャフトは表1に示す合金組成の鍛鋼を後述の実施例2と同様の方法によって各々製造し、最大直径1.7m ,長さ約8mに鍛造し、高圧と中圧側を950℃,10時間,低圧側7を880℃,10時間加熱保持した後、ロータシャフト中心の芯部で約100℃/hとなるようにシャフトを回転しながら水噴霧冷却を行った。次いで高圧と中圧側を655℃で40時間,低圧側7を620℃で40時間加熱保持炉冷の焼戻しを行った。中圧部と低圧部との熱処理の境界は図中点線で示す位置である。このロータシャフト中心部より試験片を切り出しクリープ破断試験,Vノッチ衝撃試験(試験片の断面積0.8cm2),引張試験を行った試験結果を表2に示す。高圧部の538℃,105h クリープ破断強度はロータ内外とも17kg/mm2 であった。また低圧部の衝撃値は外周部28kg−m/cm2 、中心部19kg−m/cm2 であった。50%破面遷移温度は外周部−55℃,中心部−13℃であった。
【0097】
【表1】
【0098】
【表2】
【0099】
最終段ブレード部の直径は380cmであり、その直径に対する軸受間比は1.72であり、1.60〜1.85が好ましい。軸受間距離は発電出力1万KW当り前者が0.52m であり、0.45〜0.70が好ましい。
【0100】
高圧部及び中圧部での動翼部及び静翼部でのロータシャフト直径は各ブレードの段で同じであり、中圧部での動翼最終段で若干その直径が大きくなっている。低圧部での直径は動翼部及び静翼部で段階的に大きくなっており、最終段とその前での直径はいずれも同じである。最終段ブレードの翼部長さに対する翼植込み部の軸方向幅は0.30 倍で、0.28〜0.32倍とするのが好ましい。また、最終段での翼植込み部直径は翼部長さに対し1.50 倍で、1.46〜1.55倍とするのが好ましい。
【0101】
図3は翼部長さが1092mm(43″)である最終段ブレードの斜視図である。51は、高速蒸気が突き当たる翼部、52はロータシャフトへの植込部、53は翼の遠心力を支えるためのピンを挿入する穴、54は蒸気中の水滴によるエロージョンを防止するためのエロージョンシールド(重量で、C1.0%,Cr28.0%及びW4.0% を含むCo基合金のステライト板を溶接で接合)、57はカバーである。本実施例においては全体一体の鍛造後に切削加工によって形成されたものである。尚、カバー57は機械的に一体に形成することもできる。
【0102】
43″長翼は、エレクトロスラグ再溶解法により溶製し、鍛造熱・処理を行ったものである。鍛造は850〜1150℃の温度範囲内で、熱処理は実施例1に示した条件(焼入れ:1050℃,1次焼戻し:560℃,2次焼戻し:580℃)で行った。表1のNo.7はこの長翼材の化学組成(重量%)を示す。この長翼の金属組織は全焼戻しマルテンサイト組織であった。
【0103】
表1のNo.7には室温引張及び20℃Vノッチシャルピー衝撃値を示す。本
43″長翼の機械的性質は、要求される特性,引張強さ128.5kgf/mm2以上,20℃Vノッチシャルピー衝撃値4kgf−m/cm2 以上を有し、十分満足することが確認された。
【0104】
図4は本実施例におけるエロージョンシールド(ステライト合金)54を電子ビーム溶接又はTIG溶接56によって接合した状態を示す断面と斜視図である。図に示すようにシールド54は表と裏側との2個所で溶接される。シールド54の長さは約330mmである。
【0105】
(2)ブレード
表3は本実施例における高低圧一体型蒸気タービン用長翼材特に、最終段動翼に係る12%Cr鋼の化学組成(重量%)を示すものである。試料No.1〜No.6はそれぞれ150kg真空高周波溶解し、1150℃に加熱し鍛造して実験素材とした。試料No.1は、1000℃で1h加熱後油焼入れにより室温まで冷却し、次いで、570℃に加熱し、2h保持後室温まで空冷した。No.2は、1050℃で1h加熱後油焼入れにより室温まで冷却し、次いで、570℃に加熱し2h保持後室温まで空冷する焼戻しを施した。試料No.3〜No.7は、1050℃で1h加熱後油焼入れにより室温まで冷却し、次いで、560℃に加熱し2h保持後室温まで空冷し(1次焼戻し)、更に580℃に加熱し2h保持後室温まで炉冷した(2次焼戻し)。
【0106】
【表3】
【0107】
表3において、No.3〜7は比較材、No.1及び2は、現用の長翼材である。
【0108】
表4はこれら試料の室温の機械的性質を示す。N o.3,4及び7は、蒸気タービン用長翼材として要求される引張強さ(120kgf/mm2 以上)を十分満足する。また低温靭性(20℃Vノッチシャルピー衝撃値4kgf−m/cm2以上)を有する。
【0109】
これに対し、比較材のNo.1,No.5及び6は、蒸気タービン用長翼に使用するには、引張強さと衝撃値とで示される両方又はいずれかの値が低い。比較材試料2は、引張強さ及び靭性が低い。No.5は、衝撃値が3.8kgf−m/cm2と若干低く、43″以上に対しては4kgf−m/cm2 以上の要求に若干不足である。
【0110】
【表4】
【0111】
図5は(Ni−Mo)量と引張強さとの関係を示す線図である。本実施例においてはNiとMo量とは同等の含有量で含有させることによって低温における強度と靭性とをともに高めるものであり、両者の含有量の差が大きくなるに従って強度が低下する傾向を示す。Ni量がMo量より0.6% 以上少なくなると急激に強度が低下し、逆に1.0% 以上多くなることによっても急激に強度が低下する。従って、(Ni−Mo)量が−0.6〜1.0%が高い強度を示す。
【0112】
図6は(Ni−Mo)量と衝撃値との関係を示す線図である。図に示す如く、(Ni−Mo)量は−0.5% 付近で衝撃値が低下するがその前後では高い値を示す。
【0113】
図7〜図10は、試料No.3の引張強さ及び衝撃値に及ぼす熱処理条件(焼入れ温度及び2次焼戻し温度)の影響を示す線図である。焼入れ温度は975〜1125℃,1h焼戻し550〜560℃で行った後、2次焼戻し温度は560〜590℃である。図に示すように、長翼材として要求される特性(引張強さ≧128.5kgf/mm2,20℃ノッチシャルピー衝撃値≧4kgf−m/cm2)を、満足することが確認された。尚、図7及び図9の2次焼戻し温度は、575℃であり、図8及び図10の焼入れ温度は1050℃である。
【0114】
本発明に係る12%Cr鋼は特に、C+Nb量が0.18〜0.35%で(Nb/C)比が0.45〜1.00、(Nb/N)比が0.8〜3.0が好ましい。
【0115】
表5は前述と同様に蒸気タービン用長翼材に係る12%Cr系鋼の化学組成(重量%)を示すものである。各試料は真空アーク溶解し、1150℃付近で鍛造したものである。
【0116】
表6は各試料の熱処理とその室温の機械的性質及び金属組織を示すものである。全試料とも全焼戻しマルテンサイト組織を有している。各試料の平均結晶粒径は粒度番号(GSNo.)で5.5〜6.0である。
【0117】
【表5】
【0118】
【表6】
【0119】
図11は本実施例の試料と合せて20℃Vノッチシャルピー衝撃値と引張強さとの関係を示す線図である。図に示すように本実施例での衝撃値はいずれも2.5 kgf−m/cm2以上の高い値であり、更に衝撃値(y)は77.2 から引張強さ(x)に0.6 倍した値を差し引いた値以上とするのが好ましく、より80.4 から同様に差し引いた値以上、特に84.0 から差し引いた値以上とするのがより好ましい。
【0120】
図12は0.2% 耐力と引張強さとの関係を示す線図である。本発明に係る材料は特に、0.2% 耐力(y)が36.0 に引張強さ(x)を0.5 倍した値を加えた値以上とするものが好ましい。
【0121】
図13は0.2% 耐力と0.02% 耐力との関係を示す線図である。本発明に係る材料は特に0.2%耐力(y)が58.4に0.02%耐力(x)を0.54倍した値を加えた値以上とするものが好ましい。
【0122】
前述の最終段動翼に代えて、表7に示す組成(重量%)の試料についても同様に実施した。これらはそれぞれ150kg溶解し、1150℃に加熱し鍛造して素材とした。試料No.1は、1000℃で1h加熱後油焼入れにより室温まで冷却し、次いで、570℃に加熱し2h保持後室温まで空冷した。試料No.2は、1050℃で1h加熱後油焼入れにより室温まで冷却し、次いで、570℃に加熱し2h保持後室温まで空冷した。試料No.3〜No.6は、1050℃で1h加熱後油焼入れにより室温まで冷却し、次いで、560℃に加熱し2h保持後室温まで空冷し(1次焼戻し)、更に570℃に加熱し2h保持後室温まで炉冷した(2次焼戻し)。
【0123】
熱処理後素材から引張試験片および及びVノッチシャルピー衝撃試験片を採取し実験に供した。
【0124】
表7において、試料N o. 12及び13は本発明材であり、試料N o. 14及び
15は比較材である。
【0125】
表8はこれら試料の機械的性質を示す。本発明材(試料N o. 12及び13)は、蒸気タービン用長翼材として要求される引張強さ(≧120kgf/mm2 又は128.5kgf/mm2)及び低温靭性(20℃Vノッチシャルピー衝撃値≧7kgf−m/cm2)を十分満足することが確認された。
【0126】
これに対し、比較材の試料N o.1及び2は、蒸気タービン用長翼に使用するには、引張強さが低く、試料N o. 14及び15は靭性が低い。
【0127】
【表7】
【0128】
【表8】
【0129】
高温高圧側の3段の翼部長さが約40mmで、重量でC0.20〜0.30%,Cr10〜13%,Mo0.5〜1.5%,W0.5〜1.5%,V0.1〜0.3%,Si0.5% 以下,Mn1%以下及び残部Feからなるマルテンサイト鋼の鍛鋼で構成した。
【0130】
中圧部は低圧側になるに従って徐々に長さが大きくなり、重量でC0.05〜 0.15%,Mn1%以下,Si0.5% 以下,Cr10〜13%,Mo0.5%以下,Ni0.5% 以下,残部Feからなるマルテンサイト鋼の鍛造で構成した。
【0131】
本実施例の最終段には重量で、C1.0%,Cr28.0%及びW4.0% を含むCo基合金のステライト板からなるエロージョン防止のシールド板が溶接によってその先端で、リーデングエッヂ部に設けられる。またシールド板以外に部分的な焼入れ処理が施される。更に、3000rpm の50サイクルには43インチ以上の翼部長さのものが同様のマルテンサイト鋼の鍛造材が用いられる。エロージョンシールド板を溶接によって設ける以外に、溶射による被膜形成又は高周波部分焼入れによる方法もある。
【0132】
これらのブレード先端部には、ブレードに一体に形成されたコンティニュアスカバーが設けられている。
【0133】
(3)静翼7には、高圧の3段までは動翼と同じ組成のマルテンサイト鋼が用いられるが、他には前述の中圧部の動翼材と同じものが用いられる。
【0134】
(4)ケーシング6には、重量でC0.15〜0.3%,Si0.5% 以下、Mn1%以下,Cr1〜2%,Mo0.5〜1.5%,V0.05〜0.2%,Ti0.1 %以下のCr−Mo−V鋳鋼が用いられる。
【0135】
〔実施例2〕
図14に本発明に係る定格出力220MW,回転数3600rpm 再熱型高低圧一体型蒸気タービンの部分断面図を示す。
【0136】
本発明に係る蒸気タービンは再熱型で高低圧一体型のロータシャフト3に植設されたブレード4を高圧部6段,中圧部4段,低圧部4段の14段備えており、高圧蒸気は蒸気のコントロールバルブ5を通って蒸気入口21より前述の如く566℃,169atg の高温高圧側に流入する。蒸気は入口より左側方向に流れ、高圧蒸気出口22より出て、再び566℃に加熱されて再熱蒸気入口23より中圧タービン部に送られる。中圧タービン部に入った蒸気は低圧タービン部へと送られるとともに低圧蒸気入口24からも蒸気が送られる。そして蒸気温度33℃,722mmHgとなって最終段のブレード4より排出される。本発明に係る高低圧一型体ロータシャフト3は566℃蒸気から33℃の温度までさらされるので、前述した特性のNi−Cr−Mo−V低合金鋼の鍛鋼が用いられる。高低圧一体型ロータシャフト3のブレード4の植込み部はディスク状になっており、高低圧一体型ロータシャフト3より一体に切削されて製造される。ディスク部の長さはブレードの長さが短いほど長くなり、振動を少なくするようになっている。
蒸気入口に対し高圧側のブレード4は5段以上の6段あり、2段以降同じ間隔で配置され、初段と2段との間隔は2段以降の間隔の1.5〜2.0倍であり、更にブレード植込み部の軸方向の幅は初段が最も厚く、2段目より最終段にかけて段階的に徐々に厚く、初段の厚さは2段目の厚さの2〜2.6 倍である。
【0137】
蒸気入口に対して中圧側のブレード4は4段あり、ブレード植込み部の軸方向の幅は初段と最終段が同等の厚さで最も厚く、2段及び3段目と下流側に向って大きくなる。低圧部は4段で、ブレード植込み部の軸方向の幅は最終段の厚さはその直前の厚さの2.7〜3.3倍、最終段の直前の厚さはその直前の厚さの1.1〜1.3 倍である。中圧部の初段から4段目までのブレードの中心間の間隔はほぼ同じ間隔であり、低圧部は初段以降最終段にかけて間隔が大きくなり、各段の間隔の前段の間隔に対する比が下流側で大きくなっており、更に初段の間隔の前段の間隔に対する比が1.1〜1.2倍及び最終段と前段との間隔の前段における間隔に対する比が1.5〜1.7倍である。本実施例に示すように、高圧部の動翼の段数は中圧部又は低圧部の段数より多く構成されている。
【0138】
ブレードの長さは中圧・低圧側が初段から最終段にかけて徐々に大きくなり、各段の前段に対する長さは1.2〜2.1倍有し、5段目まで1.2〜1.35倍で長くなり、低圧部2段目が1.5〜1.7倍、3段及び4段が各々1.9〜2.1倍である。
【0139】
本実施例における各段の長さは中圧部より2.5″,3″,4″,5″,6.3″,10″,20.7″ 及び最終段が40″である。14は内部ケーシング、15は外部ケーシングである。
【0140】
本実施例における軸受間距離は約6.3m であり、最終段動翼の翼部長さに対する軸受間距離の比は6.15 及び定格出力(MW)に対する軸受間距離(mm)の比が28.4 である。
【0141】
図15は本発明に係る高低圧一体型ロータシャフト3の形状である。本実施例のロータシャフトは実施例1の表1に示す合金組成の鍛鋼をアーク溶解炉にて溶解後、取鍋に注湯し、次いで取鍋の下部よりArガスを吹き込み真空精錬して、造塊した。次いで、900〜1150℃で最大直径1.7m ,長さ約8mに鍛造し、6段の動翼の植込み部を有する高圧側16を950℃,10時間,8段の動翼の植込み部を有する中圧・低圧側17を880℃,10時間加熱保持した後、中心部で約100℃/hとなるようにシャフトを回転しながら水噴霧冷却を行った。次いで高圧側6を650℃で40時間,低圧側7を625℃で40時間加熱保持の焼戻しを行った。このロータシャフト中心部より試験片を切り出しクリープ破断試験,Vノッチ衝撃試験(試験片の断面積0.8cm2),引張試験を行った試験結果は実施例1の表2に示す通りのものである。
【0142】
尚、図に示すように高圧側16及び中圧・低圧側17の各ブレードの植込み部18の軸方向の幅と間隔は前述のとおりである。19は軸受の部分、20はカップリングである。
【0143】
高圧部の動翼部及び静翼部における直径は各段において同一であり、中圧部から低圧部においては動翼部では徐々に直径が大きくなり、中圧部初段から4段までは静翼部での直径は同じ、4段〜6段間での静翼部での直径は同じ、6段〜8段までの静翼部での直径は同じで、後段になるにつれて直径が大きくなった。
【0144】
また、最終段の翼植込み部の軸方向幅は翼部長さに対し0.3 倍であり、0.28〜0.35 倍とするのが好ましい。
【0145】
ロータシャフトはその最終段での翼部直径が最も大きく、その直径は翼部長さの1.72 倍であり、1.60〜1.85倍とするのが好ましい。
【0146】
更に、軸受間長さは最終段ブレードにおける翼部先端間の直径に対して1.65倍であり、1.55〜1.75倍とするのが好ましい。
【0147】
また、本実施例において、最終段動翼の翼部長さが40インチであり、その外径は369cmとなり、この外径に対する軸受間比が1.69 となる。これにより発電出力22万KWが可能であり、1万KW当りの軸受間距離が0.28m となる。最終段動翼の40″には重量で6.0%Al 及び4.0%V を含むTi基合金を用いた。
【0148】
これらの最終段ブレードの長さに対するロータシャフトのブレード植込み部の外径との比は33.5″ブレードでは1.70及び40″ブレードでは1.71 である。
【0149】
本実施例では蒸気温度を538℃としても適用でき、その圧力を121,169及び224atg の各々の圧力に適用できる。
【0150】
表9は前述のロータシャフト材に代えて試みた本実施例に係る高低圧一体型蒸気タービン用ロータシャフトに係る代表的な試料の化学組成(重量%)である。No.41及び42は各々高圧ロータシャフト及び低圧ロータシャフトとして使用されている従来鋼,No.43〜52が本発明に係る鋼である。本発明に係る鋼はいずれも高周波真空溶解炉にて溶解後、造塊後900〜1150℃で熱間鍛造を行った。これら試料は、高低圧一体型蒸気タービンロータシャフト中心部の条件をシミレートして、前述と同様に高圧部に対して950℃に加熱しオーステナイト化した後、芯部で100℃/hの速度になるように冷却し焼入れした。次いで、665℃×40h加熱し炉冷し、焼戻し処理した。本発明に係るNi−Cr−Mo−V鋼はフェライト相を含まず、全ベーナイト組織であった。
【0151】
【表9】
【0152】
本発明に係る鋼のオーステナイト化温度は870〜1000℃にする必要がある。870℃未満では高い靭性が得られるものの、クリープ破断強度が低くなってしまう。1000℃を超える温度では高いクリープ破断強度が得られるものの、靭性が低くなってしまう。焼戻し温度は610℃〜700℃にする必要がある。610℃未満では高い靭性が得られず、700℃を超える温度では高いクリープ破断強度が得られない。
【0153】
表10は引張,衝撃及び切欠クリープ破断試験結果を示す。靭性は温度20℃で試験したVノッチシャルピー衝撃吸収エネルギーで示した。クリープ破断強度はラルソンミラー法で求めた538℃,105h 強度で示した。表から明らかなように本発明材は、室温の引張強さが88kg/mm2 以上,0.2%耐力70kg/ mm2以上,FATT40℃以下,衝撃吸収エネルギーが加熱前後でいずれも2.5kg−m以上及びクリープ破断強度が約12kg/mm2 以上と高く、高低圧一体型タービンロータとしてきわめて有用であると言える。特に、33.5 インチ長翼を植設するタービンロータ材としては約15kg/mm2 以上の強度を有するものがよい。
【0154】
【表10】
【0155】
試料No.47〜No.52は、それぞれ、希土類元素(La−Ce),Ca,Zr、及びAl添加材であるが、これらの元素添加により靭性が向上する。特に希土類元素の添加が靭性向上に有効である。La−CeのほかY添加材についても調べ、著しい靭性向上効果のあることを確認している。
【0156】
更に、(Ni/Mo)比が1.25以上及び(Cr/Mo)比が1.1以上、又は(Cr/Mo)比が1.45以上、及び(Cr/Mo)比が〔−1.11×(Ni/Mo)+2.78〕によって求められる値以上とすることにより全体を同じ熱処理とすることにより538℃,105 時間クリープ破断強度が12kg/mm2 以上の高い強度が得られる。
【0157】
538℃,105 時間クリープ破断強度は、Ni量が増加するにつれて低下傾向を示し、特に、Ni量が2%以下では約11kg/mm2 以上の強度を示す。特に、1.9% 以下では12kg/mm2 以上の強度を有する。
【0158】
上述の500℃,3000時間加熱後の衝撃値とNi量との関係から(Si+Mn)/Ni比が0.18 以下又はMn/Ni比が0.12 以下のものはNi量の増加によって高い衝撃値が得られるが、比較のNo.12〜No.14の(Si+Mn)/Ni比が0.18 を超えるもの又はMn/Ni比が0.12 を超えるものは2.4kg−m 以下の低い値であり、Ni量が高くてもあまり関係しないこと、また、Mn量が0.2% 以下又はSi+Mn量が0.25 以下できわめて高い衝撃値を有し、従って、Mn/Ni比が0.12 以下、(Si+Mn)/Ni比が0.18以下で2.5kg−m以上の高い衝撃値を示すことが明らかとなった。
【0159】
炭化物生成元素であるVとMoの和と焼入れ性向上元素であるNiとCrの和の比とクリープ破断強度及び衝撃吸収エネルギーとの関係成分比(V+Mo)/(Ni+Cr)が約0.7 までは、成分比が大きくなるにつれて高くなる。衝撃吸収エネルギーは上記の成分比が大きくなるにつれて低くなる。高低圧一体型タービンロータとして必要な靭性及びクリープ破断強度は(V+Mo)/(Ni+Cr)0.30〜0.55にすることによって優れた特性が得られる。
【0160】
加熱脆化後の衝撃値とNi量1.6〜1.9%を含むもののMn量又はSi+Mn量との関係を調べた結果、特定のNi量において衝撃値に及ぼすMn又はSi+Mnの影響がきわめて大きく、Mn量が0.2% 以下又はSi+Mn量が0.07〜0.25 できわめて高い衝撃値を有することがわかった。
【0161】
Ni量が1.52〜2.0%を含むもののMn/Ni又は(Si+Mn)/Ni比との関係を調べた結果、Mn/Ni比が0.12 以下、Si+Mn/Ni比が0.04〜0.18で2.5kg−m 以上の高い衝撃値を示すことが分った。
【0162】
また、表2に示す各合金に対して前述と同様に中・低圧部に対して880℃に加熱しオーステナイト化した後、芯部で100℃/hの速度になるように冷却して焼入れした。次いで、590℃で40h加熱し炉内による焼戻しの処理を施した。本熱処理によって表3に示される引張強さよりいずれも約10kg/mm2 程度高くなり、伸び率が数%高められ、絞り率が5%以上高められ、衝撃値が約2倍となり、50%FATTはいずれもマイナスの温度のものであった。
【0163】
本実施例における他の動翼,静翼,ケーシングについては実施例1と同様である。
【0164】
〔実施例3〕
図16に本発明に係る非再熱型,定格出力100MW,回転数3600rpm の高低圧一体型蒸気タービンの部分断面図を示す。この高低圧一体型蒸気タービンの主蒸気入口部の蒸気圧力100atg ,温度536℃に上昇させることによりタービンの単機出力の増加を図ることができる。単機出力の増加は、最終段動翼の翼長を増大し、蒸気流量を増す必要がある。例えば、最終段動翼の翼長を26インチを超えて33.5 インチ長翼にすると環帯面積が1.7 倍程度増える。したがって、従来出力100MWから170MWに、さらに40インチまで翼長を長くすれば、単機出力を2倍以上に増大することができる。
【0165】
本発明に係る蒸気タービンは高低圧一体型ロータシャフト3に植設されたブレード4を13段備えており、蒸気は蒸気コントロールバルブ5を通って蒸気入口1より前述の如く538℃,88atg の高温高圧で流入する。蒸気は入口1より一方向に流れ、蒸気温度33℃,722mmHgとなって最終段のブレード4より蒸気出口2より排出される。本発明に係る高低圧一体型ロータシャフト3は538 ℃蒸気から33℃の温度までさらされる。高低圧一体型ロータシャフト3のブレード4の植込み部はディスク状になっており、高低圧一体型ロータシャフト3より一体に切削されて製造される。ディスク部の長さはブレードの長さが短いほど長くなり、振動を少なくするようになっている。
【0166】
ロータシャフト材として表11の合金組成をエクレトロスラグ再溶解によって各々製造し、直径1.2m に鍛造し、950℃,10時間加熱保持した後、中心部の冷却速度が約100℃/hとなるようにシャフトを回転しながら水噴霧冷却を行った。次いで665℃で40時間加熱保持の焼戻しを行った。このロータシャフト中心部より試験片を切り出しクリープ破断試験,加熱前後(500℃,3000時間加熱後)のVノッチ衝撃試験(試験片の断面積0.8cm2 ),引張試験を行った。いずれの材料も全ベーナイト組織であった。
【0167】
【表11】
【0168】
本発明に係る鋼のオーステナイト化温度は900〜1000℃にする必要がある。900℃未満では高い靭性が得られるもので、クリープ破断強度が低くなってしまう。1000℃を超える温度では高いクリープ破断強度が得られるものの、靭性が低くなつてしまう。焼戻し温度は630℃〜700℃にする必要がある。630℃未満では高い靭性が得られず、700℃を超える温度では高いクリープ破断強度が得られない。
【0169】
表12は引張,衝撃及びクリープ破断試験結果を示す。靭性は温度20℃で試験したVノッチシャルピー衝撃吸収エネルギーで示した。クリープ破断強度はラルソンミラー法で求めた538℃,105h 強度で示した。表から明らかなように本発明に係る材料は、室温の引張強さが88kg/mm2 以上,0.2% 耐力70kg/mm2 以上,FATT40℃以下、衝撃吸収エネルギーが加熱前後でいずれも2.5kg−m 以上及びクリープ破断強度が約11kg/mm2 以上と高く、高低圧一体型タービンロータとしてきわめて有用であると言える。特に、33.5 インチ長翼を植設するタービンロータ材としては約15kg/mm2 以上の強度を有するものがよい。
【0170】
【表12】
【0171】
最終段として、3600rpm の60サイクルに対して翼部長さ35インチでは、一周で約90本あり、重量でC0.08〜0.18%,Mn1%以下,Si0.25%以下,Cr8〜13%,Ni2.0〜3.5%,Mo1.5〜3.0%,V0.05〜0.35%,N0.02〜0.10%,Nb及びTaの1種以上を合計量で0.02〜0.20% を含むマルテンサイト鋼の鍛造によって構成した。特に、本実施例では実施例1の表3のNo.2の合金を用いた。また、この最終段には前述のCo基合金のステライト板からなるエロージョン防止のシールド板が溶接によってその先端で、リーデングエッヂ部に設けられる。エロージョンシールド板を溶接によって設ける以外に、溶射による被膜形成又は高周波部分焼入れによる方法もある。
【0172】
これらのブレード先端部には、ブレードに一体に形成されたコンティニュアスカバーが設けられている。
【0173】
更に、静翼7及び高圧の3段までケーシング6は前述と同様の材料が用いられる。
【0174】
8は発電機であり、この発電機により10〜20万KWの発電ができる。本実施例におけるロータシャフトの軸受12の間は約520cm、最終段ブレードにおける外径316cmであり、この外径に対する軸間比が1.65 である。定格出力100MWに対する軸受間距離(mm)の比が52.0 である。また、最終段動翼の翼部長さに対する比が5.85である。
【0175】
また、本実施例において、最終段ブレードとして40インチを用いた場合の外径は365cmとなり、この外径に対する軸受間比が1.43 となる。これにより発電出力20万KWが可能であり、1万KW当りの軸受間距離が0.26m となる。
【0176】
これらの最終段ブレードの長さに対するロータシャフトのブレード植込み部の外径との比は33.5″ブレードでは1.70及び40″ブレードでは1.71 である。
【0177】
本実施例では蒸気温度を566℃としても適用でき、その圧力を121,169及び224atg の各々の圧力でも適用できる。
【0178】
〔実施例4〕
図17はガスタービン2台と、実施例1〜3の高低圧一体型蒸気タービン1台と併用した多軸型コンバインドサイクル発電システムを示す概略図である。
【0179】
ガスタービンを利用して発電を行う場合、近年では液化天然ガス(LNG)を燃料としてガスタービンを駆動するとともにガスタービンの排ガスエネルギーを回収して得た水蒸気で蒸気タービンを駆動し、この蒸気タービンとガスタービンとで発電機を駆動するようにした、いわゆる複合発電方式を採用する傾向にある。この複合発電方式を採用すると、従来の蒸気タービン単独の場合の熱効率40%に比べ約44%と熱効率を大幅に向上させることが可能となる。
【0180】
このような複合発電プラントにおいて、最近ではさらに、液化天然ガス(LNG)専焼から液化石油ガス(LPG)との両用を図ったり、LNG,LPGの混焼の実現によって、プラント運用の円滑化,経済性の向上化を図ろうとするものである。
【0181】
まず空気は吸気フィルタと吸気サイレンを通ってガスタービンの空気圧縮機に入り空気圧縮機は、空気を圧縮し圧縮空気を低NOx燃焼器へ送る。
【0182】
そして、燃焼器では、この圧縮空気の中に燃料が噴射され燃焼して1200℃以上の高温ガスを作りこの高温ガスは、タービンで仕事をし動力が発生する。
【0183】
タービンから排出された530℃以上の排気は、排気消音装置を通って排熱回収ボイラへ送られ、ガスタービン排気中の熱エネルギーを回収して530℃以上の高圧水蒸気を発生する。このボイラには乾式アンモニア接触還元による脱硝装置が設けられている。排ガスは3脚集合型の数百mもある煙突から外部に排出される。
【0184】
発生した高圧および低圧の蒸気は高低圧一体型ロータからなる蒸気タービンに送られる。また、蒸気タービンを出た蒸気は、復水器に流入し、真空脱気されて復水になり、復水は、復水ポンプで昇圧され給水となってボイラへ送られる。そして、ガスタービンと蒸気タービンは夫々、発電機をその両軸端から駆動して、発電が行われる。このような複合発電に用いられるガスタービン翼の冷却には、冷却媒体として蒸気タービンで利用される蒸気を用いることもある。
【0185】
一般には翼の冷却媒体としては空気が用いられているが、蒸気は空気と比較して比熱が格段に大きく、また重量が軽いため冷却効果は大きい。比熱が大きいために冷却に利用された蒸気を主流ガス中に放出すると主流ガスの温度低下がはげしくプラント全体の効率を低下させるので蒸気タービン内の比較的低温(例えば約300〜400℃程度)の蒸気をガスタービン翼の冷却媒体供給口から供給し、翼本体を冷却,熱交換して比較的高温になった冷却媒体を回収して蒸気タービンに戻すように構成して、主流ガス温度(約1300℃〜1500℃程度)の低下を防止すると共に蒸気タービンの効率向上、ひいてはプラント全体の効率を向上させることができる。この多軸型コンバインド発電システムによりガスタービンが5〜30万KW、蒸気タービンにより5〜20万KWのトータルで10〜50万KWの発電を得ることができ、本実施例における蒸気タービンはコンパクトとなり、また複数のガスタービン及び蒸気タービン全体で70〜100万KWの発電が可能で、大型蒸気タービンに比べ同じ発電容量に対し経済的に製造可能となり、発電量の変動に対して経済的に運転できる大きなメリットが得られる。
図18は本実施例のガスタービンの回転部分の部分断面図である。
【0186】
30はタービンスタブシャフト、33はタービンブレード、43はタービンスタッキングボルト、38はタービンスペーサ、39はディスタントピース、40はタービンノズル、36はコンプレッサディスク、37はコンプレッサブレード、48はコンプレッサスタッキングボルト、39はコンプレッサスタブシャフト、34はタービンディスクである。本発明のガスタービンはコンプレッサディスク36が17段あり、又タービンブレード33が2段〜4段のものがある。
【0187】
本実施例におけるガスタービンは3段のノズルとブレードとを有し、初段ノズル40a,初段ブレード33aは燃焼ガス流に沿った翼部長さが入口及び出口側ともに同じであるが、2段目以降のノズル及びブレードともに翼部長さが入口側より出口側が長くなる。2段ノズル40bは1.25〜1.45倍、2段ブレード33bは1.0〜1.2倍、3段ノズル40cは1.1〜1.3倍、3段ブレード33cは1.00〜1.05倍いずれも出口側が入口側より長くなる。ノズルとブレードの軸間距離は初段に対し、2段目が1.85〜2.05倍、3段目が2.3 〜2.5倍の距離を有する。
【0188】
タービンブレード33はいずれも翼部,プラットフォーム,シャンク及びタービンディスク34への植込み部となる逆クリスマストリー型のダブティルを有し、シャンク部にシールフィン41が設けられ、更に内部に空気又は水蒸気冷却用の冷却孔が設けられる。冷却孔は初段では翼部の先端とトレーリングエッジとから外部に冷却媒体が出るように設けられ、2段ブレードは先端部に出るように設けられる。シールフィン41は初段には両側に2ケずつ、2段,3段には1ケずつ設けられる。2段,3段の先端にはシュラウド50との摺動が円滑に行われるように2ケの突起を有するシール用部材が設けられる。
【0189】
タービンノズル40は初段が翼部にリーデングエッジ,トレーリングエッジに冷却媒体が外部に出るように冷却孔が設けられ、翼部表面に冷却媒体による層流が得られるように設けられる。2段目にはトレーリングエッジに冷媒が出るように冷却孔が設けられる。3段目には冷却孔は設けていないが、燃焼ガス温度が1300℃を超える場合には2段目と同様に冷却孔を設けるのが好ましい。
【0190】
本実施例におけるガスタービンは、主な形式がヘビーデューティ形,一軸形,水平分割ケーシング,スタッキング式ロータからなり、圧縮機が17段軸流形,タービンブレードが3段インパルス形,1,2段空気冷却による静動翼,燃焼器がバースフロー形,16缶,スロットクール方式を有するものである。
【0191】
表13に示す材料(重量%)について実物相当の大形鋼を、エレクトロスラグ再溶解法により溶製し、鍛造・熱処理を行った。鍛造は850〜1150℃の温度範囲内で、熱処理は表13に示す条件で行った。表13には試料の化学組成(重量%)を示す。これら材料の顕微鏡組織は、No.60〜63が全焼戻しマルテンサイト組織、No.64及び65が全焼戻しベーナイト組織であった。No.20はディスタントピース及び最終段のコンプレッサディスクに使用し、前者は厚さ60mm×幅500mm×長さ1000mm、後者は直径1000mm,厚さ180mm、No.61はディスクとして直径1000mm×厚さ180mmに、No.62はスペーサとして外径1000mm×内径400mm×厚さ100mmに、No.63はタービン,コンプレッサのいずれのスタッキングボルトとして直径40mm×長さ500 mm、No.63の鋼を用い同様にディスタントピースとコンプレッサディスクとを結合するボルトも製造した。No.64及び65はそれぞれタービンスタブシャフト及びコンプレッサスタブシャフトとして直径250mm×長さ300mmに鍛伸した。更に、No.64の合金をコンプレッサディスク6の13〜16段に使用し、No.65の鋼をコンプレッサ6の初段から12段まで使用された。これらはいずれもタービンディスクと同様の大きさに製造した。試験片は熱処理後、試料の中心部分から、No.63を除き、軸(長手)方向に対して直角方向に採取した。この例は長手方向に試験片を採取した。
【0192】
【表13】
【0193】
本発明に係るNo.60〜63(12Cr鋼)を見ると、450℃,105h クリープ破断強度が51kg/mm2 以上,20℃Vノッチシャルピー衝撃値が7kg−m/cm2 以上であり、高温ガスタービン用材料として必要な強度を十分満足することが確認された。
【0194】
次にスタブシャフトのNo.64及び65(低合金鋼)は、450℃クリープ破断強度は低いが、引張強さが86kg/mm2 以上,20℃Vノッチシャルピー衝撃値が7kg−m/cm2 以上であり、スタブシャフトとして必要な強度(引張強さ≧81kg/mm2,20℃Vノッチシャルピー衝撃値≧5kg−m/cm2)を十分満足することが確認された。
【0195】
このような条件におけるディスタントピースの温度及び最終段のコンプレッサディスクの温度は最高450℃となる。前者は25〜30mm及び後者は40〜70mmの肉厚が好ましい。タービン及びコンプレッサディスクはいずれも中心に貫通孔が設けられる。タービンディスクには貫通孔に圧縮残留応力が形成される。
【0196】
更に、本発明のガスタービンはタービンスペーサ38,ディスタントピース49及びコンプレッサディスク36の最終段に重量で、C0.12%,Si0.04 %,Mn0.21%,Cr11.10%,Ni2.55%,Mo2.03%,Nb0.04%,V0.23%,N0.05% を含む全焼戻しマルテンサイト鋼からなる耐熱鋼を用い、構成した結果、圧縮比14.7 ,温度350℃以上,圧縮効率86以上,初段ノズル入口のガス温度が1260℃と可能となり、32%以上の熱効率が得られるとともに、前述の如くクリープ破断強度及び加熱脆化後の高い衝撃値が得られ、より信頼性の高いガスタービンが得られるものである。
【0197】
タービンディスク34は3段有しており、ガス流の上流側より初段及び2段目には中心孔が設けられている。更に、本実施例ではコンプレッサディスク36のガス流の下流側での最終段、ディスタントピース49,タービンスペーサ38,タービンスタッキングボルト43及びコンプレッサスタッキングボルト48に表14に示す耐熱鋼を用いたものである。その他のタービンブレード33,タービンノズル40,燃焼器のライナ,コンプレッサブレード37,コンプレッサノズル,ダイヤフラム及びシュラウドを表12に示す合金によって構成した。特に、タービンノズル40及びタービンブレード33は鋳物によって構成される。
【0198】
タービンブレード33には初段に重量で、C0.15〜0.20%,Si0.5 %以下,Mn0.5%以下,Cr15〜17%,Co7.5〜9.5%,Mo1.5〜2.5%,B0.005〜0.015%,W2.1〜3.0%,Ti3〜4%,Al3〜4%,Nb0.5〜1.5%,Zr0.2% 以下,Ta1.5〜2.5%を含むNi基合金、2段,3段にC0.10〜0.2%,Si0.5%以下,Mn0.5%以下,Cr14〜16%,Co8〜10%,Mo2.5〜3.7%,B0.01〜 0.02%,W2.5〜4.5%,Ti3.5〜4.5%,Al4〜6%,Zr0.1%以下を含むNi基合金で、γ相にγ′相を含むものが好ましい。
【0199】
タービンノズルには表14に示す初段がNi基合金、2,3段がCo基鍛造合金が好ましい。初段は翼部が1つであるが、2,3段は2ケとした。全段を1ケとしてもよい。
【0200】
コンプレッサディスク36は各1連のブレードに対応した分割のもの、3連〜5連を一体にした分割のもの、全体を一体にしたもののいずれも可能であり、これらの材料に蒸気タービン用ロータシャフトに用いた材料を用いることができ、本実施例において同様に達成される。
【0201】
シュラウドセグメント(1)はガス上流側の1段目に使用したもので、(2)は2段及び3段目に使用したものである。
【0202】
【表14】
【0203】
ライナ,動翼及び静翼には外表面にY2O3安定化ジルコニア溶射層の遮熱コーティング層が火炎に接する部分に設けられる。特に、ベース金属とコーティング層との間に重量でAl2〜5%,Cr20〜30%,Y0.1〜1% を含む残部Ni又はNi+Coからなる合金層が設けられる。
【0204】
以上の構成によって、圧縮比14.7 ,温度350℃以上,圧縮効率86%以上,初段タービンノズル入口のガス温度1260℃,排気温度530℃が可能になり、32%以上の熱効率が得られるとともに、タービンディスク,ディスタントピース,スペーサ,コンプレッサディスクの最終段,スタッキングボルトを前述の如く高いクリープ破断強度及び加熱脆化の少ない耐熱鋼が使用されるとともに、タービンブレードにおいても高温強度が高く、タービンノズルは高温強度及び高温延性が高く、燃焼器ライナは同様に高温強度及び耐疲労強度が高い合金が使用されているので、総合的により信頼性が高くバランスされたガスタービンが得られるものである。使用燃料として、天然ガス,軽油が使用される。
【0205】
ガスタービンにはインタークーラーがあるものがほとんどであるが、本発明はインタークーラーのない場合ノズルがより高温になるので、それに特に好適である。本実施例でのタービン用ノズルは全周で初段で40ケ前後設けられる。
【0206】
ガスタービン用ノズルはワックス模型をメチルエチルケトンにアクリル樹脂を溶解した液に浸漬し、通風乾燥した後、スラリー(ジルコンフラワー+コロイダルシリカ+アルコール)に浸漬してスタック(初層ジルコンサンド,2層以降シャモットサンド)を吹き付け、これを何回か繰り返して鋳型を形成した。鋳型は脱ろうした後に900℃で焼成した。
【0207】
次に、この鋳型を真空炉に設けるとともに、真空溶解によってNo.7の合金組成のものを溶解し、真空中で鋳型に鋳込んだ。このノズルは初段がサイドウォール間の翼部の幅が約74mm,長さ110mm,最も厚い部分で25mm,肉厚が3〜4mmで、先端で約0.7mm の空気通路のスリットが設けられている鋳物である。本実施例におけるノズルはピンフィン冷却,インピジメント冷却及びフィルム冷却用の穴が設けられている。先端のスリット部の肉厚は約1mmである。得られたノズルは前述と同様に溶体化処理を時効処理が非酸化性雰囲気中で行われる。
【0208】
本実施例のノズルは1段及び2段目,3段目が表に示す構成であるが、2段及び3段目にも同様にNi基合金からなる2つの翼部からなるノズルとすることもできる。1段ノズルは両端が拘束されるが、2段,3段目は片側拘束である。2段目,3段目は1段のものより翼部幅が大きくなる。
【0209】
インピジメント冷却孔を有するSUS304ステンレス管は本体に全周にわたってTIG溶接され、その部分より冷却空気が流入され、溶接部からの空気もれのないようにする。燃焼ガス出口側の内側にも冷却空気が出る穴が設けられている。
【0210】
1段ノズルはサイドウォール両端で拘束される構造を有するが、2段目以降はサイドウォール外周側の片側で拘束される構造を有する。
【0211】
また、プラントの構成として、ガスタービン,排熱回収ボイラ,蒸気タービン,発電機各1基からなる1組の発電システムを6組組み合わせた1軸型とすることもできる。
【0212】
本実施例では、ガスタービン2台に蒸気タービン1台の多軸型であるが、4〜6台の各ガスタービンにて発電するとともに、各ガスタービンに設置された排熱回収ボイラより得た蒸気を1つにまとめて蒸気タービンを回転し発電する多軸型とすることもできる。
【0213】
ガスタービンでは、空気を圧縮してこの中でLNGを燃焼させ、高温度の燃焼ガスにして、タービンを回すものである。
【0214】
排熱回収ボイラでは、ガスタービンから出てくる燃焼ガスの熱を有効に回収して、蒸気を発生させ、この蒸気を蒸気タービンに導き、発電機を駆動するものである。
【0215】
発電出力の割合は、約2/3をガスタービンが、残りの約1/3を蒸気タービンが分担させた。
【0216】
以上の複合発電方式には次のような効果が得られた。
【0217】
従来の火力発電に比べ熱効率が2〜3%高くなります。また、部分負荷でもガスタービンの運転台数を減らすことにより、運転中の設備を熱効率の高い定格負荷付近で運転することが出来るため、プラント全体として高い熱効率が維持出来た。
【0218】
複合発電は、起動停止が短時間で容易なガスタービンと小型で単純な蒸気タービンの組み合わせで成り立っており、このため、出力調整が容易に出来、需要の変化に即応した中間負荷火力として最適である。
【0219】
ガスタービンの信頼性は、最近の技術の発展により飛躍的に増大しており、また、複合発電プラントは、小容量機の組み合わせでシステムを構成しているので、万一故障が発生してもその影響を局部にとどめることが出来、信頼性の高い電源である。
【0220】
複合発電の蒸気タービンの分担する出力は、プラント全体の約3分の1と小さいため、温排水量は同容量の従来汽力に比べ7割程度となる。
【0221】
本実施例におけるガスタービンは、燃焼ガス温度として1300℃以上、好ましくは1400℃以上、特に次世代の1500℃級以上の高温度に対して対応させるには次の構成とすることが好ましい。
【0222】
初段ブレードにはNi基合金の単結晶鋳造物あるいは一方向凝固鋳造物を用いる。ここで単結晶鋳造物とは、一方向凝固させて製造全体が実質的にマトリックスのγ相には結晶粒界を有しない鋳造物である。また一方向凝固柱状晶鋳造物とは、一方向凝固させてできる実質的に凝固方向に平行な結晶粒界のみを有する鋳造物である。これらは普通に鋳造して得られる等軸晶組織鋳造物よりも高い高温クリープ強度を有し、特に単結晶鋳造物が最も耐用温度が高い。一方向凝固鋳造物を用いた場合でも、遮熱コーティングを併用することにより単結晶ブレードを用いた場合と同様の効果が実現可能である。
【0223】
初段ノズル材には、耐熱疲労性,耐食性、また補修を考慮した溶接性が要求されるが、これらの特性を同時に満足するためには、セラミックス層を有する遮熱コーティングを備えたCo基合金,遮熱コーティングを備えたNi基合金一方向凝固鋳造物あるいはNi基合金の単結晶鋳造物を用いることが最適である。
【0224】
2段及び第3段目のタービンブレードは、第1段ブレードほど温度の点で苛酷ではないが、やはり高い高温強度が必要となるためクリープ強度の高い一方向凝固柱状晶のNi基合金を用いる。2段目以降のタービンノズルも初段ノズルに比べ温度的な厳しさは低減するので、通常の等軸晶Ni基合金が用いられる。しかし、初段ノズルは翼部の両端に設けられたサイドウォール部でケーシングに固定されるのに対して、2段目以降のノズルは両端のサイドウォール部のうち一方のみで固定されるため拘束力が弱く高いクリープ強度が要求される。したがって2段目以降ノズルにも、Co基合金よりも使用温度域でクリープ強度の有利なNi基合金を用いる。
【0225】
初段タービンブレードにNi基合金の単結晶鋳造物を使用する場合、高温でクリープ強度を劣化させる原因となる結晶粒界が存在しないため、高い耐用温度が得られる。しかしながら単結晶ブレードは製造プロセスが困難であり、歩留まりが低い。それは、ブレードの形状が複雑であること、内部に複雑な形状を持つ冷却孔を有することにより、製造中の異結晶が発生する確率が高いからである。従来の単結晶用合金による単結晶鋳造物ブレードに1つでも異結晶が存在すれば、粒界部分が弱いためブレード全体の強度が低下し使用できない。さらに、ブレード外表面に発生した異結晶は目視により確認できるが、冷却孔に添って発生した内部異結晶は検出する技術が確立されていない。そこで、単結晶鋳造物を製造するNi基合金中に結晶粒界を強化する添加元素B,C,Hf,Zrのうち1種以上を合計で1重量%以下含ませることが有効となる。万が一冷却孔内壁に異結晶が発生しても、結晶粒界に炭化物等の微細析出物が存在することで粒界の強度を大きく低下させずブレード全体の強度も維持できる。これらの元素を合計で1重量%以上添加した場合、合計系の液相化温度が著しく低下し、所定の高温強度を発揮させることが困難になり好ましくない。
【0226】
ガスタービンの熱効率を向上させるためには、前述したように燃焼ガス温度を上昇させることが最も効果的である。高度なブレード,ノズルの冷却技術,遮熱コーティング技術の併用を考え、初段タービンブレードのメタル温度を920℃以上にすれば、初段タービンノズルへのガス入り口温度を1450〜1550℃にすることが可能となる。そのことによりガスタービンの発電効率を37%以上にすることができる。この場合の発電効率は、LHV方式の表示である。また、その時にタービン排ガス温度を590℃〜650℃とすれば、蒸気タービンとの複合発電システムにした場合の総合発電効率を55%以上にすることができ、優れた高効率発電システムが提供できる。
【0227】
ガスタービンのブレードは燃焼ガス流に対してノズルの下流側に位置し、そのガス流が持つ運動エネルギーを回転ロータに伝達する部品である。ガスタービンの回転数は約1万〜数千回/分であり、ブレードには大きい遠心力,運転中のクリープ応力,起動停止による急激な熱応力が生じる。また、燃焼ガス中に含まれる成分による高温腐食にも耐えなければならない。特に初段ブレードはガスタービンの高温部材中で最も苛酷な使用条件である。本発明のガスタービンでは、初段ブレードに105時間14kgf/mm2耐用温度が920℃以上の合金を用い、材料としてはNi基合金の単結晶鋳造物あるいは一方向凝固鋳造物を使用する。これらは普通に鋳造して得られる等軸晶組織鋳造物と比較して、高い高温クリープ強度を有し耐用温度が向上する。特に単結晶ブレードは、特別に合金成分を調整した単結晶用Ni基超合金を用いることにより105時間14kgf/mm2耐用温度が920℃以上が可能になる。初段ブレードに一方向凝固鋳造物を用いる場合は、一般に単結晶鋳造物よりも耐用温度が劣る。そのためメタル温度を低くして使用するが、遮熱コーティングを施せば、メタル温度を52℃〜100℃下げることができ、単結晶ブレードを用いた場合と同様の強度が実現できる。
【0228】
実際の腐食雰囲気を模擬した75重量%Na2SO4−25重量%NaCl混合塩中に全浸漬させて940℃,50時間加熱後の腐食減量が600mg/cm2 以下の耐食性を有する合金を初段ブレードに使用した場合、タービン入り口温度が1450℃以上でも十分耐えうる特性を有することとなる。そのような合金を初段タービンブレードに用いることは、ガスタービンの高寿命化,高効率化が実現できる。
【0229】
2段目以降のブレードは初段ブレードほど温度条件が苛酷ではないが、やはり高速回転に起因する強い遠心力を受けることなどから、高い高温強度が必要となる。そのため2段目以降のタービンブレードには、前述の組成を有し、14kgf/mm2で105時間耐える耐用温度が800℃以上の合金を用いる。材料としてはCo基合金よりも高温強度の優れたNi基合金を使用する。このNi基超合金は、溶接性は考慮せずに強度重視の成分構成を持ち、普通鋳造の等軸晶を有する鋳造組織でも所定の強度を達成することが可能である。このような材料からなる2段目以降のブレードと、より強度の高い材料からなる初段ブレードとの組み合わせによって、初めてタービン入り口温度として1500℃前後とする高効率ガスタービンの実現が可能になる。
【0230】
本発明に係る2段目以降のガスタービンブレードは、遠心応力方向に一方向に伸びた複数の結晶粒を有する柱状晶からなり、全長が35cm以上、特に、3段目以降に対して70cm以上が好ましい。
【0231】
そして、本発明に係るガスタービンブレードの内部空洞は、突起を有した中子によって形成される。
【0232】
また、本発明に係るガスタービン用動翼の内部空洞は、動翼を鋳造する鋳型で支持され、鋳型キャビティー内部に突き出した、シリカ,アルミナ,ジルコニア,マグネシアの1種又は2種以上の酸化物で形成された耐火物で支持固定された中性子によって形成される。
【0233】
本発明に係る柱状晶Ni基合金は前述の合金組成により構成することができる。
【0234】
ガスタービンの初段ノズル及び初段ブレードに用いられるNi基超合金の単結晶鋳造物としては、重量でCr4〜10%,Mo0.5〜1.5%,W4〜10%,Re1〜4%,Al3〜6%,Ta4〜10%,Co0.5〜10% 及びHf0.03〜0.2%を有する合金が好ましい。初段ブレードは翼部130mm、その全長は約220mmである。この単結晶鋳造物の105時間14kgf/mm2の耐用温度は930〜940℃であり、いずれも内部に複雑な水蒸気冷却孔を設けており運転中は圧縮水蒸気により冷却する。冷却方式はクローズド方式で、タブティルによって入って翼部の内部に設けられた複数の通路を通って再びダブティルに戻る経路を有するものである。本単結晶鋳造物は1250〜1350℃で固溶化処理後、1000〜1100℃及び850〜950℃での2段時効処理を行い、一辺が1μm以下の長さのγ′相を50〜70体積%を析出させたものである。
【0235】
初段ノズルは初段ブレードよりCr量を1〜3%高くしたものを用い、Cr量を6〜10%としたものが好ましい。
【0236】
【発明の効果】
本発明によれば、より高温度で最終段動翼として33インチ以上の長翼を有する高低圧一体型蒸気タービンが製作できるので、小型で単機出力が増大でき、その結果熱効率の向上は勿論発電コストの低減効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】高低圧一体型蒸気タービンの断面図。
【図2】高低圧一体型蒸気タービン用ロータシャフトの断面図。
【図3】最終段ブレードの斜視図。
【図4】ブレード先端部の斜視図。
【図5】引張強さと(Ni−Mo)との関係を示す線図。
【図6】衝撃値と(Ni−Mo)との関係を示す線図。
【図7】引張強さと焼入温度との関係を示す線図。
【図8】引張強さと焼戻温度との関係を示す線図。
【図9】衝撃値と焼入温度との関係を示す線図。
【図10】衝撃値と焼戻温度との関係を示す線図。
【図11】衝撃値と引張強さとの関係を示す線図。
【図12】0.2% 耐力と引張強さとの関係を示す線図。
【図13】0.2% 耐力と0.02% 耐力との関係を示す線図。
【図14】高低圧一体型蒸気タービンの断面図。
【図15】高低圧一体型蒸気タービン用ロータシャフトの断面図。
【図16】高低圧一体型蒸気タービンの断面図。
【図17】コンバインド発電システム図。
【図18】ガスタービンの断面図。
【符号の説明】
1,21…蒸気入口、2…蒸気出口、3…高低圧一体型ロータシャフト、4…ブレード、5…コントロールバルブ、6…ケーシング、7…静翼、8…発電機、12…軸受、14…内部ケーシング、15…外部ケーシング、22…高圧蒸気出口、23…再熱蒸気入口、24…低圧蒸気入口、30…タービンスタブシャフト、33…タービンブレード、34…タービンディスク、36…コンプレッサディスク、37…コンプレッサブレード、38…タービンスペーサ、40…タービンノズル、43…タービンスタッキングボルト。
Claims (5)
- 重量比で、C0.08〜0.2%,Si0 . 1%未満,Mn0.90%以下,Cr8.0〜13.0%,Ni2 . 3〜2 . 9%,Mo1.5〜3.0% ,Nb及びTaの1種又は2種の合計量が0.02%を超え0.2% 未満、及びN0.02〜0.10% を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなり、全焼戻しマルテンサイト組織を有し、室温の引張強さが120kgf/mm2 以上,20℃Vノッチシャルピー衝撃値が7kgf−m/cm2 以上であるマルテンサイト鋼からなる最終段動翼を有することを特徴とする高低圧一体型蒸気タービン。
- 請求項1において、更に重量比でVを0.01%以上0.05%未満含むことを特徴とする高低圧一体型蒸気タービン。
- 請求項1または2において、Mn/Niの比が0.1 以下であることを特徴とする高低圧一体型蒸気タービン。
- 請求項1〜3のいずれか1つにおいて、Nb/Cの比が0.45〜1.00であることを特徴とする高低圧一体型蒸気タービン。
- 請求項1〜4のいずれか1つにおいて、Nb/Nの比が0.8〜3.0であることを特徴とする高低圧一体型蒸気タービン。
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| JP21290997A JP3733703B2 (ja) | 1997-08-07 | 1997-08-07 | 高低圧一体型蒸気タービン |
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| JP21290997A Expired - Lifetime JP3733703B2 (ja) | 1997-08-07 | 1997-08-07 | 高低圧一体型蒸気タービン |
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Families Citing this family (1)
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|---|---|---|---|---|
| CN105676899A (zh) * | 2016-03-01 | 2016-06-15 | 侯如升 | 一种全自动粘合机稳压器 |
-
1997
- 1997-08-07 JP JP21290997A patent/JP3733703B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
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