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JP3733956B2 - 分注装置 - Google Patents
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JP3733956B2 - 分注装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、分注ティップを装着して液体の吸引・吐出を行う分注ヘッドを備えた分注装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
創薬スクリーニング分野、バイオテクノロジー、物質の生化学的反応などの試験を系統的に行う際には、試料収容用のマイクロプレートに試薬、検体等の液体を分注する分注装置が用いられる。この分注装置として、液体を吸引・吐出するポンプ機構を備えた分注ヘッドに、使い捨てタイプの分注ティップを装着する方式のものが知られている(特許文献1参照)。この方式では、必要に応じて分注ティップを容易に交換することが出来るため、分注操作時に異種成分が混入するコンタミネーションが防止できるという利点がある。
【0003】
【特許文献1】
実用新案登録第3002709号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の使い捨てティップを用いる分注装置には、分注可能な液体種類の制約や分注精度などに関して次のような課題があった。すなわち従来の分注装置は、ピペット形状の樹脂製の分注ティップを分注ヘッドのノズル部に装着した状態で、分注ティップ内部の空気をポンプ機構によってポンピングすることにより液体の吸引・吐出を行う方式であるため、分注ティップ内部の空気の圧縮性の影響によって、吸引・吐出時にポンプ動作に液体が良好に追従せず、高精度の分注が困難であった。この傾向は液体の粘度が高くなるとともに顕著になり、使い捨てティップを用いる分注装置では、高粘度液体を分注対象とすることが困難であった。
【0005】
そこで本発明は、高精度の分注を行うことができる分注装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の分注装置は、下端部に使い捨ての分注ティップを装着して液体の分注を行う分注ヘッドを有する分注装置であって、分注ティップの根本部に挿入されることによりこの分注ティップを装着するティップ装着部と、前記ティップ装着部に形成された貫通孔に挿入され先端部がこのティップ装着部に装着された分注ティップの内部に突出するプランジャと、前記プランジャの先端部を分注ティップの内部に突出させた状態でこのプランジャを軸方向に移動させることにより分注ティップに液体の吸引・吐出を行わせるプランジャ駆動機構とを備え、前記プランジャの先端部は先細り形状に形成されている
【0008】
請求項記載の分注装置は、請求項1記載の分注装置であって、前記プランジャ駆動機構は、前記プランジャの先端部を前記ティップ装着部に装着された分注ティップの内壁面に接触させることなく移動させる。
請求項3記載の分注装置は、請求項1記載の分注装置であって、前記プランジャの下降限は、前記分注ティップの内部形状に応じて設定する。
【0009】
本発明によれば、液体を吸引・吐出するためのプランジャをティップ装着部に装着された分注ティップの内部に突出させ、この状態でプランジャを軸方向に移動させて分注ティップに液体の吸引・吐出を行わせることにより、空気の圧縮性がプランジャ移動に対する液体の吸引・吐出の追従性に与える影響をできるだけ小さくすることができ、高粘度の液体を対象として高精度の分注を行うことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の分注装置の透視斜視図、図2は本発明の一実施の形態の分注装置に使用される結晶化プレートの斜視図、図3は本発明の一実施の形態の分注装置に使用される結晶化プレートの部分断面図、図4は本発明の一実施の形態の分注装置の分注ヘッド部の正面図、図4は本発明の一実施の形態の分注装置の分注ヘッドの側面図、図6は本発明の一実施の形態の分注装置による蛋白質結晶化プレート作製動作における分注操作の説明図、図7は本発明の一実施の形態の分注装置による液体吸引・吐出動作の説明図である。
【0011】
まず図1を参照して、分注装置の全体構造を説明する。分注装置1は、蒸気拡散法による蛋白質結晶化方法の一種であるシッティグドロップ法における蛋白質の結晶化条件をスクリーニングするための結晶化容器作製に使用されるものであり、結晶化容器である結晶化プレートを対象として分注操作を行う。
【0012】
分注装置1は、箱形の筐体2の内部に後述する各機能部を収容した構成となっている。筐体2の内部に設けられた基台10の上面は、結晶化プレートを対象として各種の処理や操作が実行される作業エリア11となっている。基台10の手前側の側面には、消耗品を収容するストック部12が設けられている。ストック部12はプレートストック部13および2つのラックストック部14,15を備えている。
【0013】
プレートストック部13は昇降プレート13aを備えており、昇降プレート13a上には結晶化用のマイクロプレート6(以下、単に「結晶化プレート6」と略記する)が多段積みの積層状態で収納される。昇降プレート13aが上昇することにより、積層された結晶化プレート6が上昇し、最上層の結晶化プレート6が後述する搬送部20によって取り出される。結晶化プレート6は、蛋白質溶液中の蛋白質を結晶化させるために用いられる結晶化容器である。
【0014】
ここで、図2,図3を参照して、結晶化プレート6について説明する。図2に示すように、結晶化プレート6には複数のウェル6aが格子状に形成されている。ウェル6aは、円形の凹部の中心に円柱状の液保持部6bが設けられたいわゆるカルデラ状の液体収納用の凹部であり、ウェル6a内には、結晶化の対象となる試料、すなわち結晶化対象の蛋白質を含んだ蛋白質溶液26aと、結晶化に用いられる結晶化溶液25aとが分注される。
【0015】
図3はこれらの試料を収容した1つのウェル6aの断面を示している。ウェル6a内では、液保持部6bの頂部に設けられたポケット内に液滴状の蛋白質溶液26aが載置状態で保持されており、液保持部6bを囲むリング状の貯液部6cには、結晶化溶液25aが貯溜されている。ウェル6aは、結晶化の対象となる蛋白質溶液を載置状態で下方から保持する液保持部6bと結晶化溶液25aを貯溜する貯液部6cとを有する溶液収容部となっている。後述するように結晶化の開始に際しては、液保持部6bに保持された蛋白質溶液26aに所定量の結晶化溶液25aを貯液部6cから取り出して分注して混合した後、各ウェル6a上面に密封用のシール部材56が貼着される(図2参照)。
【0016】
この状態の結晶化プレート6を所定の温度雰囲気下で保管することにより、蛋白質溶液26a中の溶媒成分を蒸発させ、これにより蛋白質溶液26aの蛋白質濃度を過飽和状態にまで高めて蛋白質結晶を生成する。このとき、蛋白質溶液26aから蒸発する溶媒と結晶化溶液25aに吸収される蒸気とが平衡状態を保ちながら蛋白質溶液26aからの溶媒の蒸発が緩やかに進行することにより、安定した結晶生成が行われる。
【0017】
ラックストック部14,15は、昇降プレート14a、15aを備えており、昇降プレート14a、15aには、ティップラック7,8が、結晶化プレート6と同様に積層状態で収納され、搬送部20によって取り出される。ティップラック7,8には、分注操作において結晶化溶液25aの分注に使用される使い捨て型の分注ティップが格子状配列で複数保持されている。結晶化溶液25aの分注には、後述するように大小2種類の分注ティップが用いられ、ティップラック7、8は、それぞれ小型サイズ、大型サイズの結晶化溶液分注用ティップを収納している。
【0018】
これらの結晶化プレート6やティップラック7,8は、後述する搬送部20によって作業エリア11に搬送され、ここでティップラック7,8から取り出された分注ティップが分注操作に使用される。使用された分注ティップは、ティップラック7,8に戻し入れされる。ストック部12には、使用後の消耗部品を回収するための廃棄ボックス19が設けられており、使用後の分注ティップを収容したティップラック7,8は、搬送部20によってこの廃棄ボックス19内に投棄される。
【0019】
搬送部20について説明する。基台10の上方には、2条のX軸機構24がX方向に配設されており、X軸機構24に架設されたY軸機構23には、Zθ軸機構22が装着されている。Zθ軸機構22から下方に延出した軸部22aには、搬送ヘッド21が結合されている。X軸機構24、Y軸機構23、Zθ軸機構22を駆動することにより、搬送ヘッド21は作業エリア11内でX方向、Y方向およびZθ方向に移動し、結晶化プレート6やティップラック7,8をクランプして搬送する。
【0020】
次に作業エリア11について説明する。作業エリア11の略中央部には、分注ステージ11aが設けられており、ストック部12から取り出された結晶化プレート6は、分注ステージ11aにセットされる。分注ステージ11aとストック部12との間のエリアには、ティップラック7,8や、後述する蛋白質溶液分注ノズルを収容するノズルラック27が載置される。また分注ステージ11aの奥側のエリアには、スクリーニングの対象となる蛋白質溶液26aを貯溜した蛋白質溶液供給リザーバ26および結晶化に使用される結晶化溶液25aを貯溜した結晶化溶液供給リザーバ25が載置されている。
【0021】
スクリーニングにおいて試験の対象となる結晶化プレートを準備する結晶化プレート作製処理は、空の結晶化プレート6に対して、蛋白質溶液供給リザーバ26から取り出した蛋白質溶液26aおよび結晶化溶液供給リザーバ25から取り出した結晶化溶液25aを、以下に説明する分注手段によって分注することにより行われる。
【0022】
分注ステージ11aを含んだ作業エリア11の上方には、X軸テーブル31がX方向に配設されており、X軸テーブル31に結合されたY軸テーブル32には、下端部に使い捨ての分注ティップを装着して液体の分注を行う分注ヘッドを複数備えた分注ヘッド部33が装着されている。X軸テーブル31およびY軸テーブル32を駆動することにより、分注ヘッド部33は分注ステージ11aを含んだ作業エリア11上で移動する。
【0023】
次に分注ヘッド部33および分注ヘッド部33に装着される分注ヘッドの構造について、図4,図5を参照して説明する。図4に示すように、X軸テーブル31は、Xガイド31e、スライダ31dより成るガイド機構によってガイドされる移動ブロック32fを、送りねじ31a、ナット31bより成る直動機構によってブロック31cを介してX方向に駆動する構成となっている。またY軸テーブル32は、Yガイド32e、スライダ32dより成るガイド機構によってガイドされる移動プレート33aを、送りねじ32a、ナット32bより成る直動機構によってブロック32cを介してY方向に駆動する構成となっている。
【0024】
次に分注ヘッド部33について説明する。移動プレート33aの下面には、垂直な分注ヘッドベース部材34が結合されている。分注ヘッドベース部材34には昇降板35がZ方向にスライド自在に配設されており、昇降板35は分注ヘッドベース部材34に固定された昇降用モータ36によって昇降する。分注ヘッドベース部材34および昇降用モータ36は、Z軸テーブルを構成している。このZ軸テーブルおよびX軸テーブル31、Y軸テーブル32は、分注ヘッド部33を移動させる分注ヘッド移動機構を構成する。
【0025】
昇降板35には、第1分注ヘッド37、第2分注ヘッド38、第3分注ヘッド39の3つの分注ヘッドが装着されている。これらの分注ヘッドのうち、第1分注ヘッド37、第2分注ヘッド38はいずれも結晶化溶液25aを対象とする結晶化溶液分注ヘッドであり、第1分注ヘッド37は大容量の結晶化溶液25aを短時間で分注する用途に、また第2分注ヘッド38は、小容量の結晶化溶液25aを高精度で分注する用途に用いられる。第3分注ヘッド37は、蛋白質溶液26aを対象とする蛋白質溶液分注ヘッドである。
【0026】
これらの分注ヘッドの構成について説明する。第1分注ヘッド37、第2分注ヘッド38、第3分注ヘッド39は、装着される分注ティップが異なるものの、液体の吸引・吐出などの基本機能は同一であり、ここでは第2分注ヘッド38を対象として説明し、第1分注ヘッド37、第3分注ヘッド39については、共通部分の説明は省略する。
【0027】
第2分注ヘッド38は昇降板35に設けられており、第2の昇降部材38aを垂直なガイド38dに沿って昇降板35に対してスライド自在に配設した構成となっている。第2の昇降部材38aは、第2ヘッド選択シリンダ41によって所定ストロークだけ昇降する。
【0028】
図5に示すように、第2の昇降部材38aにはプランジャ昇降機構38bおよびシリンダ部38eが配設されており、プランジャ昇降機構38bによって昇降するプランジャ38fがシリンダ部38e内で移動することにより、分注ティップに液体の吸引・吐出を行わせるポンプ機構として機能するようになっている。
【0029】
プランジャ昇降機構38bは、第2の昇降部材38aに配設されたガイド機構(ガイドレール46f、スライダ46eより成る)によってガイドされるプランジャ昇降板46dを、直動機構(モータ46a、送りねじ46b、ナット部46より成る)によって昇降させる構成となっている。プランジャ昇降板46dには結合ブロック46gを介してプランジャ38fが結合されており、モータ46aを回転駆動することにより、プランジャ38fは昇降する。
【0030】
シリンダ部38eについて説明する。シリンダ部38eは、第2の昇降部材38aに固着された固定ブロック47aの上部にシリンダブロック47bを延長して設けた構成となっており、さらに固定ブロック47aの下部にはティップ装着部48が結合されている。そして固定ブロック47a、シリンダブロック47b、ティップ装着部48を上下に貫通して設けられた貫通孔には、プランジャ38fが上下に挿通している。
【0031】
ここでプランジャ38fの下端部側には、径がテーパ状に順次絞られた先細り形状の先端部38gが形成されており、先端部38gはティップ装着部48を挿通して、ティップ装着部48に装着された第2分注ティップ44の内部に突出している。プランジャ駆動機構38bによって第2分注ティップ44に液体の吸引・吐出を行わせる際には、プランジャ38fの先端部38gを第2分注ティップ44の内部に突出させた状態で、プランジャ38fを軸方向に移動させる。
【0032】
第2分注ティップ44は、小型サイズの結晶化溶液分注用ティップであり、ティップラック7によって供給される。第2分注ティップ44の装着に際しては、まず分注ヘッド部33を第2分注ティップ44を保持したティップラック7の上方に移動させる。そしてティップ装着部48を下降させて、第2分注ティップ44の上端の装着用開孔にティップ装着部48を挿入する。すなわちティップ装着部48は、第2分注ティップ44の根本部に挿入されることにより、この第2分注ティップ44を第2分注ヘッド38に装着する機能を有している。
【0033】
ティップ装着部48にはティップ離脱板47gが嵌着されており、ティップ離脱板47gに結合された2つのティップ離脱板昇降ロッド47c、47dは、固定ブロック47aによってスライドガイド47fを介して保持されている。ティップ離脱板昇降ロッド47dにはスプリング47eが装着されており、これによりティップ離脱板昇降ロッド47c、47dは、ティップ離脱板47gとともに常に上方に付勢されている。
【0034】
モータ46aを駆動してプランジャ38を分注を行う場合の下限位置よりも更に下降させて、結合ブロック46gが下降して突部46hがティップ離脱板昇降ロッド47cに当接することにより、ティップ離脱板47gが押し下げられて下方に移動する。第2分注ティップ44が装着された状態でティップ離脱板48gが下方に移動することにより、第2分注ティップ44はティップ装着部48から離脱する。このように、第2分注ヘッド38への第2分注ティップ44の着脱は、全て自動的に行うことができるようになっている。
【0035】
第1分注ヘッド37、第3分注ヘッド39について説明する。図4において、第1分注ヘッド37、第3分注ヘッド39は、上述のプランジャ駆動機構38b、シリンダ部38fと同様の機構が配設された第1の昇降部材37a、第3の昇降部材39aを、それぞれ第1ヘッド選択シリンダ40,第3ヘッド選択シリンダ42によって昇降させる構成となっている。第1分注ヘッド37、第3分注ヘッド39には、それぞれ第1分注ティップ43,分注ノズル45が装着される。
【0036】
第1分注ティップ43は、大型サイズの結晶化溶液分注用ティップであり、ティップラック8によって供給される。分注ノズル45は、蛋白質溶液分注ノズルであり、ノズルラック27によって供給される。第1分注ティップ43,分注ノズル45の装着および離脱も、第2分注ティップ44の場合と同様である。
【0037】
次に、分注ヘッド部33による分注動作について説明する。第1分注ヘッド37、第2分注ヘッド38、第3分注ヘッド39は、第1ヘッド選択シリンダ40,第2ヘッド選択シリンダ41,第3ヘッド選択シリンダ42によって所定のストロークS1,S2,S3だけ昇降するようになっており、また第1分注ヘッド37、第2分注ヘッド38、第3分注ヘッド39を一括して昇降させるZ軸テーブル(昇降用モータ36)によって同時にストロークS4だけ昇降する。
【0038】
分注動作を行う際には、上述の3つの分注ヘッドのうちのいずれかを当該分注動作における対象・目的に応じて選択し、選択された分注ヘッドに対応するヘッド選択シリンダを駆動して選択された分注ヘッドのみを下降させて、該当する分注ティップまたは分注ノズルの下端を、選択されなかった他の分注ティップまたは分注ノズルよりも下方へ突出させる。例えば、第1分注ヘッド37が選択された場合には、第1分注ティップ43がストロークS1だけ下降し、同様に第2分注ヘッド38、第3分注ヘッド39が選択された場合には、第2分注ティップ44,分注ノズル45がそれぞれストロークS2,S3だけ下降する。これらのストロークS1,S2,S3は、対象とする分注部位の高さに応じて、個別に設定される。
【0039】
そしていずれかの分注ヘッドが下降した状態で、昇降板35を同一のストロークS4だけ下降させることにより、第1分注ティップ43、第2分注ティップ44,分注ノズル45のうちのいずれかが、結晶化プレート6に対して接近し、分注ティップやノズルの下端部は分注対象に応じた所定の高さレベルで停止する。
【0040】
上記構成において、分注ヘッド部33および前述の分注ヘッド移動機構は、分注ステージ11aにセットされた結晶化プレート6のウェル6aについて貯液部6cに結晶化溶液25aを分注し液保持部6bに蛋白質溶液26aを分注する分注手段を構成する。そしてこの分注手段は、単一の分注ヘッド部33に、結晶化溶液25aを分注する結晶化溶液分注ヘッド(第3分注ヘッド39)と、蛋白質溶液26aを分注する蛋白質溶液分注ヘッドとを備えた形態となっている。
【0041】
図6は、この分注ヘッド部33を用いて行われる結晶化プレート作製動作における分注操作を示している。まず最初に第1分注ヘッド37を選択して、第1分注ティップ43に結晶化溶液リザーバ25から結晶化溶液25aを取り出し、次いで図6(a)に示すように、第1分注ティップ43によってウェル6aの貯液部6c内に結晶化溶液25aを分注する。このとき、第1分注ティップ43は大型サイズの結晶化溶液用ティップであることから、貯液部6c内への分注量が多い場合でも短時間で分注を完了することができる。
【0042】
そしてこの後、第3分注ヘッド39を選択し、蛋白質溶液リザーバ26から蛋白質溶液26aを取り出し、図6(b)に示すように、貯液部6c内に結晶化溶液25aが分注されたウェル6aを対象として、液保持部6bの頂部のポケット内に蛋白質溶液26aを分注する。
【0043】
次いで第2分注ヘッド38が選択され、図6(c)に示すように、第2分注ティップ44によって貯液部6c内の結晶化溶液25aの一部を吸引し、液保持部6bに既に分注されている蛋白質溶液26aに所定量の結晶化溶液25aを加え合わせる。この分注操作における液体の吸引・吐出動作について、図7を参照して説明する。
【0044】
図7(a)は、第2分注ヘッド38に装着された第2分注ティップ44に結晶化溶液25aを吸引する動作を示している。この吸引動作においては、先端部38gが第2分注ティップ44の内部の空隙部44a内に突出した状態のプランジャ38fを上昇させることにより、空隙部44a内の空気を吸引する。そしてこれによって空隙部44a内に生じた負圧により、第2分注ティップ44の下端部から結晶化溶液25aを吸引する。
【0045】
図7(b)は、このようにして第2分注ティップ44に吸引した結晶化溶液25aを吐出する動作を示している。この吐出動作においては、上昇状態にあるプランジャ38fを下降させて先端部38gを空隙部44a内に突出させ、空隙部44a内の空気を圧縮する。そしてこれによって生じた正圧により、第2分注ティップ44の下端部から結晶化溶液25aを吐出する。
【0046】
上述の液体吸引・吐出動作においては、プランジャ38fの先端部38gが第2分注ティップ44内の空隙部44aに突出した状態で、プランジャ38fを昇降移動させるようにしている。このため、空隙部44aの内部容積が先端部38gの体積分だけ減少した状態で、液体吸引・吐出動作を行うことができる。これにより、空隙部44a内の空気の圧縮性が、プランジャ移動に対する液体の吸引・吐出の追従性に与える影響をできるだけ小さくすることができる。したがって、結晶化溶液25aの吸引・吐出をプランジャ38fの昇降移動に良好に追従させることができ、蛋白質溶液26aに加え合わせる結晶化溶液の量が微量である場合にも、精度の良い分注が行われる。
【0047】
そしてプランジャ駆動機構38bによってプランジャ38fを昇降移動させる上述の液体吸引・吐出動作においては、プランジャ下降限を第2分注ティップ44に内部形状に応じて設定することにより、プランジャ38fの先端部38gを第2分注ティップ44の内壁面に接触させることなく移動させるようにしている。これにより、プランジャ38fの下端部38gに分注対象の液体が付着することがなく、種類の異なる液体を連続して分注する場合においても、分注動作毎に洗浄処理を行うことなく、コンタミネーションを防止することが可能となっている。
【0048】
図2において、分注ステージ11aの側方(ストック部12の反対側)に配設されたシール貼付部50について説明する。作業エリア11上には、スライドテーブル51が配設されている。スライドテーブル51上には結晶化プレート6を保持するプレート保持部52がY方向にスライド自在に装着されており、プレート保持部52は移動手段(図示省略)によりY方向に往復動する。プレート保持部52には、分注ステージ11aにて分注操作が完了した結晶化プレート6が載置され保持される。
【0049】
スライドテーブル51の上方には、シール貼付ヘッド55が昇降自在に配設されている。シール貼付ヘッド55には、シール供給部53から引き出されたシート状のシール部材56が供給される。シール材部56は剥型紙に積層された状態で供給され、シール貼付動作においては、シール貼付ヘッド55をプレート保持部52に保持された結晶化プレート6の上面に押圧した状態で結晶化プレート6をシール貼付ヘッド55に対して水平方向(Y方向)に相対移動させる。
【0050】
これにより、結晶化プレート6の上面には、シール部材56が貼着され、そしてシール部材56が剥離された後の剥型紙は、剥型紙回収部54に巻き取られて回収される。このシール部材56の貼着により全てのウェル6aの上面が塞がれて密閉される(図2、図3参照)。シール貼付部50は、結晶化溶液25aと蛋白質溶液26aとが分注されたウェル6aを密閉する密閉手段となっている。
【0051】
筐体2の側面には、シール貼付部50に隣接した位置に結晶化プレート搬出用の開口部2cが設けられている。シール貼付部50にて上面にシール部材56が貼り付けられた結晶化プレート6は、搬送ヘッド21によって開口部3cを介して蛋白質結晶観察装置などの下流側装置に搬出される。
【0052】
このようにして作製された結晶化プレート6は、前述のように高粘度の液体を対象として分注を行う場合にも高精度の分注が可能な分注ヘッド(第2分注ヘッド38)を使用していることから、蛋白質溶液と結晶化溶液との混合比率が正しき保たれ、スクリーニング精度を向上させることが可能となっている。また、使用する分注ティップとして、一般に使用されている使い捨て型の分注ティップを用いることができることから、他種類の溶液が混入することによるコンタミネーションを防止して、試験の信頼性を確保することができる。
【0053】
従来の分注装置においては、高粘度の液体を高精度で分注することが求められる場合には、吸引・吐出系に空気を介在させないポジティブディスペンス型の液体吐出装置を必要としていた。そしてこの場合には、専用の吐出ノズルを使用する必要があるとともに、分注対象の液体の種類を変えるたびに吸引・吐出系内部の接液部を洗浄する処理を必要としており、低コストで効率のよい分注作業が困難であった。
【0054】
これに対し、本実施の形態に示す分注装置では、プランジャを移動させることによるポンピング動作に液体の吸引・吐出が良好に追従することから、高粘度の液体を対象として高精度の分注を行う場合においても、従来より使用されている使い捨て型の分注ティップを用いることができ、低コストで効率の良い分注作業が実現される。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、液体を吸引・吐出するためのプランジャをティップ装着部に装着された分注ティップの内部に突出させ、この状態でプランジャを軸方向に移動させて分注ティップに液体の吸引・吐出を行わせるようにしたので、空気の圧縮性がプランジャ移動に対する液体の吸引・吐出の追従性に与える影響をできるだけ小さくすることができ、高粘度の液体を対象として高精度の分注を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の分注装置の透視斜視図
【図2】本発明の一実施の形態の分注装置に使用される結晶化プレートの斜視図
【図3】本発明の一実施の形態の分注装置に使用される結晶化プレートの部分断面図
【図4】本発明の一実施の形態の分注装置の分注ヘッド部の正面図
【図5】本発明の一実施の形態の分注装置の分注ヘッドの側面図
【図6】本発明の一実施の形態の分注装置による蛋白質結晶化プレート作製動作における分注操作の説明図
【図7】本発明の一実施の形態の分注装置による液体吸引・吐出動作の説明図
【符号の説明】
1 分注装置
11a 分注ステージ
6 結晶化プレート
33 分注ヘッド部
37 第1分注ヘッド
38 第2分注ヘッド
38b プランジャ駆動機構
38e シリンダ部
38f プランジャ
38g 先端部
39 第3分注ヘッド
43 第1分注ティップ
44 第2分注ティップ

Claims (3)

  1. 下端部に使い捨ての分注ティップを装着して液体の分注を行う分注ヘッドを有する分注装置であって、分注ティップの根本部に挿入されることによりこの分注ティップを装着するティップ装着部と、前記ティップ装着部に形成された貫通孔に挿入され先端部がこのティップ装着部に装着された分注ティップの内部に突出するプランジャと、前記プランジャの先端部を分注ティップの内部に突出させた状態でこのプランジャを軸方向に移動させることにより分注ティップに液体の吸引・吐出を行わせるプランジャ駆動機構とを備え、前記プランジャの先端部は先細り形状に形成されていることを特徴とする分注装置。
  2. 前記プランジャ駆動機構は、前記プランジャの先端部を前記ティップ装着部に装着された分注ティップの内壁面に接触させることなく移動させることを特徴とする請求項1記載の分注装置。
  3. 前記プランジャの下降限は、前記分注ティップの内部形状に応じて設定することを特徴とする請求項1記載の分注装置。
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