JP3738010B2 - カラー受像管装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蛍光体スクリーン面の全域において高い解像度が得られるように構成したカラー受像管用電子銃に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カラー受像管装置の解像度特性は、ビームスポットの大きさおよび形状に大きく依存する。高い解像度を得るためには小径の円形ビームスポットが生成されるように電極を構成しなければならないが、電子銃の主レンズ電界を通過する電子ビーム径はビーム電流の増大に伴って大きくなり、主レンズ電界の球面収差によってビームスポットがさらに径大化する。そこで、主レンズ電界の口径をできるだけ大きくして、球面収差の影響を少なくする必要がある。
【0003】
特開昭55−17963号公報に開示されているカラー受像管装置では、図7に示すように、断面長円形の筒体3とその開口端から内側に後退した位置に設けた二枚の遮蔽板4とで集束電極1を構成することによって、インライン配列した3本の電子ビームを分離している。また、最終加速電極2についても集束電極1と同様に、断面長円形の筒体5の開口端から内側に後退した位置に設けた二枚の遮蔽板6で3本の電子ビームを分離している。このとき、集束電極1と最終加速電極2において、三つの主レンズ電界が隣合うもの同士でオーバーラップするので大口径の主レンズ電界を生成することができる。このため、主レンズ電界を通過するビームの径が電流の増大に伴い径大化しても、球面収差による悪影響を少なくすることができる。
【0004】
【発明が解決しようという課題】
このような構成によって、ネック径を拡大することなく主レンズ電界の口径を径大化できるが、それには限度がある。もし、集束電極と最終加速電極の最大外形をガラスバルブのネック部の内径に近い値まで大きくすると、ネックガラス部の壁電界が主レンズに侵入して悪影響を及ぼす。また、ネック部を径大化すると、偏向感度が低下する。
【0005】
そこで、本発明の目的は、ガラスバルブのネック径を径大化することなく電子銃の主レンズ電界の口径を更に拡大して、解像度をさらに高めたカラー受像管装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明による第1のカラー受像管装置の特徴は、フォーカス電圧が印加される集束電極とアノード電圧が印加される最終加速電極との間には、抵抗層が形成された、前記集束電極及び前記最終加速電極の断面形状と略同等の断面形状を有する筒状の絶縁体が3本の電子ビームを取り囲むように配置され、前記抵抗層の最終加速電極側にはアノード電圧と同等以下の高位の電圧が、集束電極側にはフォーカス電圧と同等以上の低位の電圧が印加されるとともに、絶縁体に対向する集束電極及び最終加速電極の端面にはインライン配列された3つの電子ビーム通過孔がそれぞれ設けられている点にある。
【0007】
また、好ましくは、前記インライン配列された3つの電子ビーム通過孔のうちの中央のビーム通過孔が非円形、例えば長円形に形成され、その長軸がインライン方向と垂直な方向にある。
【0008】
別の構成として、インライン配列された3つの電子ビーム通過孔を有する端面板に代えて、遮蔽板のような電極手段を用いた構成にも本発明は適用される。つまり、本発明による第2のカラー受像管装置は、フォーカス電圧が印加される集束電極とアノード電圧が印加される最終加速電極のそれぞれは、インライン配列された3本の電子ビームを取り囲む筒体からなり、その筒体の内部に電界を3つの主レンズ電界に分離する電極手段が設けられている構成において、前記集束電極と前記最終加速電極との間には、抵抗層が形成された、前記集束電極及び前記最終加速電極の断面形状と略同等の断面形状を有する筒状の絶縁体が前記3本の電子ビームを取り囲むように配置され、前記抵抗層の最終加速電極側にはアノード電圧と同等以下の高位の電圧が、集束電極側にはフォーカス電圧と同等以上の低位の電圧が印加されることを特徴とする。
【0009】
前記絶縁体は耐熱ガラスまたはセラミックで形成されることが好ましい。あるいは、金属等の導電体表面に絶縁コーティング処理を施して形成してもよい。
【0010】
前記抵抗層の最終加速電極側にアノード電圧と同等以下の高位の電圧を、集束電極側にフォーカス電圧と同等以上の低位の電圧を印加する簡便な方法として、抵抗層の最終加速電極側を最終加速電極に、集束電極側を集束電極に、それぞれ接続するようにしてもよい。また、絶縁体を構成する筒体の開口端面とこれに対向する集束電極及び最終加速電極の端面とが同軸の楕円形又はこれに類似の形状の断面であることが好ましい。
【0011】
前記絶縁体は、1個に限る必要はなく、2個以上設けてもよい。この場合、それぞれの絶縁体の間に、インライン配列された3つの電子ビーム通過孔を有する補助電極板が配置され、前記補助電極板と両側の絶縁体の抵抗層とが電気的に接続されている構成が好ましい。
【0012】
また、前記抵抗層は、螺旋状のパターンで形成することによって容易に高抵抗値を得ることができる。また、抵抗層を形成する材料の主成分としては、パラジウム、ルテニウム系の酸化物を用いることができる。
【0013】
上記のような本発明の構成によれば、3つの主レンズ電界のオーバーラップ部は従来と同様の電界になり、かつ、主レンズ電界域におけるZ軸上の電位分布が緩やかな勾配となるため、主レンズ電界の球面収差を軽減することが可能になる。また、ガラスバルブのネック部の壁電界による主レンズ形成領域への侵入を前記絶縁体によるシールド効果で防止することができる。このようにして、ビームスポット径がより小さくなり、その結果、蛍光体スクリーンで高い解像度を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図3に示すように、本実施形態に係るカラー受像管装置は、ガラスバルブ18のネック部18aに、インライン配列された3つの陰極15、制御電極16、集束電極、最終加速電極8等で構成された電子銃を備えている。この電子銃の主レンズ部の電極構成を図1に示す。図1及び3は受像管の上面からみた断面図である。
【0016】
図1に示すように、本実施形態に係るカラー受像管装置の電子銃にあっては、集束電極7と最終加速電極8との間に絶縁体9が設けられ、これらによってインライン型主レンズが構成されている。集束電極7及び絶縁体9のZ軸方向から見た正面図を図2(a)及び(b)に示す。
【0017】
集束電極7は絶縁体9側の端面10にインライン配列された3個のビーム通過孔10a〜cを有し、中央の孔10bはインライン方向と垂直の方向に長軸を有する楕円形状に形成されている。最終加速電極8も同様に絶縁体側端面にインライン配列された3個のビーム通過孔12a〜cを有し、中央の孔12bはインライン方向と垂直方向に長軸を有する楕円形状である。
【0018】
絶縁体9は3本の電子ビームを取り囲む筒体であり、その内面に高抵抗値の抵抗体層(以下、「高抵抗層」という)14を有している。高抵抗層14は、例えば図8に示すように、最終加速電極側から集束電極側にかけて螺旋状に形成されている。そして、抵抗層14の一端側14aが集束電極7と電気的に接続され、他端側14bが最終加速電極8と接続されている。これによって、以下のようなレンズ電界が形成される。
【0019】
絶縁体9は3本の電子ビームを取り囲む筒体であるため、その内部には3本の電子ビームに共通のレンズ電界が形成される。また、図6に実線で示すように、主レンズ電界域におけるZ軸上の電位分布は従来の破線で示すものに比べて勾配が緩やかになる。これらの2つの作用の相乗効果により、実効レンズ口径が著しく拡大する。なお、図6において、Z=0は絶縁体9のZ軸方向における中間点にとっている。集束電極7と最終加速電極8のそれぞれの端面にあるインライン配列されたビーム通過孔10a〜c,12a〜cは、レンズ電界を3つのレンズ電界に分離するとともに、その孔形状によりインライン方向(X軸方向)とそれに垂直な方向(Y軸方向)とのレンズ集束力を調整する。また、ネック部18a(図3)の壁電界は絶縁体9でシールドされるため、主レンズ電界への悪影響を防止できる。
【0020】
次に、図4に示す第2の実施形態は、集束電極27および最終加速電極28のそれぞれの端面30及び32を電極内側方向に後退させている点が第1の実施形態と異なっている。このような構成であっても、基本的な効果は第1の実施形態の場合と変わらない。もちろん、一方の端面30または32のみを後退させてもよい。逆に、端面30及び32の両方または一方のうち、端面の少なくとも一部を絶縁筒体内部へ突出させてもよい。さらに、レンズ電界を3つに分離する電極手段としてインライン配列された3つの孔を有する端面平板を用いる代わりに、図7に示したような2枚の遮蔽板を用いてもよい。
【0021】
次に、図5に示す第3の実施形態では、集束電極47と最終加速電極48との間に2個の絶縁体49,51を設け、その間にインライン配列されたビーム通過孔を有する補助電極板50を設けている。この補助電極板50と両側の絶縁体の抵抗層54,55とは電気的に接続されている。この補助電極板により、インライン方向とそれに垂直方向のレンズ集束力のバランス調整が容易になり、絶縁体に形成された抵抗層54,55のZ軸方向の領域を実効的に大きくできるために、Z軸方向の電位分布を更に緩やかにしてレンズ口径をいっそう拡大することができる。2個以上の補助電極板を用いて絶縁体を3個以上に分割してもよい。
【0022】
なお、この発明はフォーカス電圧とアノード電圧で形成される主レンズに限定されるものではなく、カラー受像管用電界レンズ一般に適用可能である。また、絶縁体は少なくとも内面の抵抗層に隣接する部分が絶縁体であればよく、例えば、金属表面に絶縁コーティング等の処理を施したようなものであってもよい。また、抵抗層はZ軸方向に高抵抗値が得られるならば、必ずしも螺旋状に形成する必要はない。
【0023】
【発明の効果】
以上のように本発明によると、3個の主レンズ電界が隣合うもの同士でオーバラップする構成に加えて、主レンズ部の軸上電位分布の勾配が緩やかになる。この2つの作用の相乗効果により、実効的な主レンズ口径は著しく拡大され、球面収差、および、レンズ倍率が共に低減されるので、ビームスポット径をより小さくでき、蛍光体スクリーンで高い解像度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るカラー受像管装置における主レンズ部の構成を示す断面図
【図2】図1のレンズ部を構成する集束電極及び絶縁体のZ軸方向から見た正面図
【図3】図1のカラー受像管装置の主要部の上面から見た断面図
【図4】第2の実施形態に係るカラー受像管装置における主レンズ部の構成を示す断面図
【図5】第3の実施形態に係るカラー受像管装置における主レンズ部の構成を示す断面図
【図6】主レンズ部のZ軸上電位分布について、従来のものと本発明によるものとを比較して示すグラフ
【図7】従来のカラー受像管装置の主レンズ部の構成を示す断面図及び正面図
【図8】抵抗層の構造の一例を示す図
【符号の説明】
1,7,27,47 集束電極
4,6 遮蔽板
2,8,28,48 最終加速電極
9,29,49,51 絶縁体
14,34,54,55 抵抗層
50 補助電極板
【発明の属する技術分野】
本発明は、蛍光体スクリーン面の全域において高い解像度が得られるように構成したカラー受像管用電子銃に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カラー受像管装置の解像度特性は、ビームスポットの大きさおよび形状に大きく依存する。高い解像度を得るためには小径の円形ビームスポットが生成されるように電極を構成しなければならないが、電子銃の主レンズ電界を通過する電子ビーム径はビーム電流の増大に伴って大きくなり、主レンズ電界の球面収差によってビームスポットがさらに径大化する。そこで、主レンズ電界の口径をできるだけ大きくして、球面収差の影響を少なくする必要がある。
【0003】
特開昭55−17963号公報に開示されているカラー受像管装置では、図7に示すように、断面長円形の筒体3とその開口端から内側に後退した位置に設けた二枚の遮蔽板4とで集束電極1を構成することによって、インライン配列した3本の電子ビームを分離している。また、最終加速電極2についても集束電極1と同様に、断面長円形の筒体5の開口端から内側に後退した位置に設けた二枚の遮蔽板6で3本の電子ビームを分離している。このとき、集束電極1と最終加速電極2において、三つの主レンズ電界が隣合うもの同士でオーバーラップするので大口径の主レンズ電界を生成することができる。このため、主レンズ電界を通過するビームの径が電流の増大に伴い径大化しても、球面収差による悪影響を少なくすることができる。
【0004】
【発明が解決しようという課題】
このような構成によって、ネック径を拡大することなく主レンズ電界の口径を径大化できるが、それには限度がある。もし、集束電極と最終加速電極の最大外形をガラスバルブのネック部の内径に近い値まで大きくすると、ネックガラス部の壁電界が主レンズに侵入して悪影響を及ぼす。また、ネック部を径大化すると、偏向感度が低下する。
【0005】
そこで、本発明の目的は、ガラスバルブのネック径を径大化することなく電子銃の主レンズ電界の口径を更に拡大して、解像度をさらに高めたカラー受像管装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明による第1のカラー受像管装置の特徴は、フォーカス電圧が印加される集束電極とアノード電圧が印加される最終加速電極との間には、抵抗層が形成された、前記集束電極及び前記最終加速電極の断面形状と略同等の断面形状を有する筒状の絶縁体が3本の電子ビームを取り囲むように配置され、前記抵抗層の最終加速電極側にはアノード電圧と同等以下の高位の電圧が、集束電極側にはフォーカス電圧と同等以上の低位の電圧が印加されるとともに、絶縁体に対向する集束電極及び最終加速電極の端面にはインライン配列された3つの電子ビーム通過孔がそれぞれ設けられている点にある。
【0007】
また、好ましくは、前記インライン配列された3つの電子ビーム通過孔のうちの中央のビーム通過孔が非円形、例えば長円形に形成され、その長軸がインライン方向と垂直な方向にある。
【0008】
別の構成として、インライン配列された3つの電子ビーム通過孔を有する端面板に代えて、遮蔽板のような電極手段を用いた構成にも本発明は適用される。つまり、本発明による第2のカラー受像管装置は、フォーカス電圧が印加される集束電極とアノード電圧が印加される最終加速電極のそれぞれは、インライン配列された3本の電子ビームを取り囲む筒体からなり、その筒体の内部に電界を3つの主レンズ電界に分離する電極手段が設けられている構成において、前記集束電極と前記最終加速電極との間には、抵抗層が形成された、前記集束電極及び前記最終加速電極の断面形状と略同等の断面形状を有する筒状の絶縁体が前記3本の電子ビームを取り囲むように配置され、前記抵抗層の最終加速電極側にはアノード電圧と同等以下の高位の電圧が、集束電極側にはフォーカス電圧と同等以上の低位の電圧が印加されることを特徴とする。
【0009】
前記絶縁体は耐熱ガラスまたはセラミックで形成されることが好ましい。あるいは、金属等の導電体表面に絶縁コーティング処理を施して形成してもよい。
【0010】
前記抵抗層の最終加速電極側にアノード電圧と同等以下の高位の電圧を、集束電極側にフォーカス電圧と同等以上の低位の電圧を印加する簡便な方法として、抵抗層の最終加速電極側を最終加速電極に、集束電極側を集束電極に、それぞれ接続するようにしてもよい。また、絶縁体を構成する筒体の開口端面とこれに対向する集束電極及び最終加速電極の端面とが同軸の楕円形又はこれに類似の形状の断面であることが好ましい。
【0011】
前記絶縁体は、1個に限る必要はなく、2個以上設けてもよい。この場合、それぞれの絶縁体の間に、インライン配列された3つの電子ビーム通過孔を有する補助電極板が配置され、前記補助電極板と両側の絶縁体の抵抗層とが電気的に接続されている構成が好ましい。
【0012】
また、前記抵抗層は、螺旋状のパターンで形成することによって容易に高抵抗値を得ることができる。また、抵抗層を形成する材料の主成分としては、パラジウム、ルテニウム系の酸化物を用いることができる。
【0013】
上記のような本発明の構成によれば、3つの主レンズ電界のオーバーラップ部は従来と同様の電界になり、かつ、主レンズ電界域におけるZ軸上の電位分布が緩やかな勾配となるため、主レンズ電界の球面収差を軽減することが可能になる。また、ガラスバルブのネック部の壁電界による主レンズ形成領域への侵入を前記絶縁体によるシールド効果で防止することができる。このようにして、ビームスポット径がより小さくなり、その結果、蛍光体スクリーンで高い解像度を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図3に示すように、本実施形態に係るカラー受像管装置は、ガラスバルブ18のネック部18aに、インライン配列された3つの陰極15、制御電極16、集束電極、最終加速電極8等で構成された電子銃を備えている。この電子銃の主レンズ部の電極構成を図1に示す。図1及び3は受像管の上面からみた断面図である。
【0016】
図1に示すように、本実施形態に係るカラー受像管装置の電子銃にあっては、集束電極7と最終加速電極8との間に絶縁体9が設けられ、これらによってインライン型主レンズが構成されている。集束電極7及び絶縁体9のZ軸方向から見た正面図を図2(a)及び(b)に示す。
【0017】
集束電極7は絶縁体9側の端面10にインライン配列された3個のビーム通過孔10a〜cを有し、中央の孔10bはインライン方向と垂直の方向に長軸を有する楕円形状に形成されている。最終加速電極8も同様に絶縁体側端面にインライン配列された3個のビーム通過孔12a〜cを有し、中央の孔12bはインライン方向と垂直方向に長軸を有する楕円形状である。
【0018】
絶縁体9は3本の電子ビームを取り囲む筒体であり、その内面に高抵抗値の抵抗体層(以下、「高抵抗層」という)14を有している。高抵抗層14は、例えば図8に示すように、最終加速電極側から集束電極側にかけて螺旋状に形成されている。そして、抵抗層14の一端側14aが集束電極7と電気的に接続され、他端側14bが最終加速電極8と接続されている。これによって、以下のようなレンズ電界が形成される。
【0019】
絶縁体9は3本の電子ビームを取り囲む筒体であるため、その内部には3本の電子ビームに共通のレンズ電界が形成される。また、図6に実線で示すように、主レンズ電界域におけるZ軸上の電位分布は従来の破線で示すものに比べて勾配が緩やかになる。これらの2つの作用の相乗効果により、実効レンズ口径が著しく拡大する。なお、図6において、Z=0は絶縁体9のZ軸方向における中間点にとっている。集束電極7と最終加速電極8のそれぞれの端面にあるインライン配列されたビーム通過孔10a〜c,12a〜cは、レンズ電界を3つのレンズ電界に分離するとともに、その孔形状によりインライン方向(X軸方向)とそれに垂直な方向(Y軸方向)とのレンズ集束力を調整する。また、ネック部18a(図3)の壁電界は絶縁体9でシールドされるため、主レンズ電界への悪影響を防止できる。
【0020】
次に、図4に示す第2の実施形態は、集束電極27および最終加速電極28のそれぞれの端面30及び32を電極内側方向に後退させている点が第1の実施形態と異なっている。このような構成であっても、基本的な効果は第1の実施形態の場合と変わらない。もちろん、一方の端面30または32のみを後退させてもよい。逆に、端面30及び32の両方または一方のうち、端面の少なくとも一部を絶縁筒体内部へ突出させてもよい。さらに、レンズ電界を3つに分離する電極手段としてインライン配列された3つの孔を有する端面平板を用いる代わりに、図7に示したような2枚の遮蔽板を用いてもよい。
【0021】
次に、図5に示す第3の実施形態では、集束電極47と最終加速電極48との間に2個の絶縁体49,51を設け、その間にインライン配列されたビーム通過孔を有する補助電極板50を設けている。この補助電極板50と両側の絶縁体の抵抗層54,55とは電気的に接続されている。この補助電極板により、インライン方向とそれに垂直方向のレンズ集束力のバランス調整が容易になり、絶縁体に形成された抵抗層54,55のZ軸方向の領域を実効的に大きくできるために、Z軸方向の電位分布を更に緩やかにしてレンズ口径をいっそう拡大することができる。2個以上の補助電極板を用いて絶縁体を3個以上に分割してもよい。
【0022】
なお、この発明はフォーカス電圧とアノード電圧で形成される主レンズに限定されるものではなく、カラー受像管用電界レンズ一般に適用可能である。また、絶縁体は少なくとも内面の抵抗層に隣接する部分が絶縁体であればよく、例えば、金属表面に絶縁コーティング等の処理を施したようなものであってもよい。また、抵抗層はZ軸方向に高抵抗値が得られるならば、必ずしも螺旋状に形成する必要はない。
【0023】
【発明の効果】
以上のように本発明によると、3個の主レンズ電界が隣合うもの同士でオーバラップする構成に加えて、主レンズ部の軸上電位分布の勾配が緩やかになる。この2つの作用の相乗効果により、実効的な主レンズ口径は著しく拡大され、球面収差、および、レンズ倍率が共に低減されるので、ビームスポット径をより小さくでき、蛍光体スクリーンで高い解像度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るカラー受像管装置における主レンズ部の構成を示す断面図
【図2】図1のレンズ部を構成する集束電極及び絶縁体のZ軸方向から見た正面図
【図3】図1のカラー受像管装置の主要部の上面から見た断面図
【図4】第2の実施形態に係るカラー受像管装置における主レンズ部の構成を示す断面図
【図5】第3の実施形態に係るカラー受像管装置における主レンズ部の構成を示す断面図
【図6】主レンズ部のZ軸上電位分布について、従来のものと本発明によるものとを比較して示すグラフ
【図7】従来のカラー受像管装置の主レンズ部の構成を示す断面図及び正面図
【図8】抵抗層の構造の一例を示す図
【符号の説明】
1,7,27,47 集束電極
4,6 遮蔽板
2,8,28,48 最終加速電極
9,29,49,51 絶縁体
14,34,54,55 抵抗層
50 補助電極板
Claims (10)
- フォーカス電圧が印加される集束電極とアノード電圧が印加される最終加速電極との間には、抵抗層が形成された、前記集束電極及び前記最終加速電極の断面形状と略同等の断面形状を有する筒状の絶縁体が3本の電子ビームを取り囲むように配置され、前記抵抗層の前記最終加速電極側には前記アノード電圧と同等以下の高位の電圧が、前記集束電極側には前記フォーカス電圧と同等以上の低位の電圧が印加されるとともに、絶縁体に対向する前記集束電極及び前記最終加速電極の端面にはインライン配列された3つの電子ビーム通過孔がそれぞれ設けられていることを特徴とするカラー受像管装置。
- インライン配列された3つの電子ビーム通過孔のうちの中央のビーム通過孔が非円形に形成され、その長軸がインライン方向と垂直な方向にあることを特徴とする請求項1のカラー受像管装置。
- フォーカス電圧が印加される集束電極とアノード電圧が印加される最終加速電極のそれぞれは、インライン配列された3本の電子ビームを取り囲む筒体からなり、その筒体の内部に電界を3つの主レンズ電界に分離する電極手段が設けられ、前記集束電極と前記最終加速電極との間には、抵抗層が形成された、前記集束電極及び前記最終加速電極の断面形状と略同等の断面形状を有する筒状の絶縁体が前記3本の電子ビームを取り囲むように配置され、前記抵抗層の前記最終加速電極側にはアノード電圧と同等以下の高位の電圧が、前記集束電極側には前記フォーカス電圧と同等以上の低位の電圧が印加されることを特徴とするカラー受像管装置。
- 絶縁体が耐熱ガラスまたはセラミックであることを特徴とする請求項1、2又は3記載のカラー受像管装置。
- 絶縁体が金属等の導電体表面に絶縁コーティング処理を施して形成されたものであることを特徴とする請求項1、2又は3記載のカラー受像管装置。
- 絶縁体に形成された抵抗層の最終加速電極側が最終加速電極に、集束電極側が集束電極に、それぞれ電気的に接続されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のカラー受像管装置。
- 絶縁体を構成する筒体の開口端面とこれに対向する集束電極及び最終加速電極の端面とが同軸の楕円形又はこれに類似の形状の断面であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のカラー受像管装置。
- 絶縁体が2個以上設けられ、それぞれの絶縁体の間に、インライン配列された3つの電子ビーム通過孔を有する補助電極板が配置され、前記補助電極板と両側の絶縁体の抵抗層とが電気的に接続されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載のカラー受像管装置。
- 前記抵抗層が螺旋状のパターンで形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載のカラー受像管装置。
- 抵抗層の主成分がパラジウム、ルテニウム系の酸化物で形成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載のカラー受像管装置。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP2003007399A JP3738010B2 (ja) | 2003-01-15 | 2003-01-15 | カラー受像管装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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|---|---|---|---|
| JP2003007399A JP3738010B2 (ja) | 2003-01-15 | 2003-01-15 | カラー受像管装置 |
Related Parent Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP29133095A Division JP3409951B2 (ja) | 1995-11-09 | 1995-11-09 | カラー受像管装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003197121A JP2003197121A (ja) | 2003-07-11 |
| JP3738010B2 true JP3738010B2 (ja) | 2006-01-25 |
Family
ID=27606925
Family Applications (1)
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