JP3742287B2 - 使い捨て型のカバー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は使い捨て型のカバーに関するものであり、正面ファスナ(例えばベルクロファスナ)型などの係合要素を全然備えることなく座席などの被装着物に装着可能なものである。
【0002】
【従来の技術】
航空機や鉄道車両の座席に使用することを意図した使い捨て型のカバーとしては実用新案登録第2588266号、実用新案登録第2547079号、特許第2650085号などの各公報に開示の技術がある。これらの技術においてはカバーはその素材として従来の織布の代替として不織布を使用している。座席にはベルクロファスナ型の係合要素(所謂ベルクロフック)を数カ所(例えば座席背面側の幅方向に離間した2箇所)に設けており、座席側にはこのベルクロフックに係合する係合用突出部材を設けている。係合用突出部材としては上記の実用新案、特許では不織布の一端側において幅方向に延びるように接着した合成繊維糸条(合成繊維フィラメント撚糸)により構成されている。撚糸はカバーの長さ方向一端において不織布面上より幾分突出しており、カバーを座席に装着するとき、不織布面より突出する撚糸を座席背面側のベルクロフックに係合せしめることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の先行実用新案又は特許に開示された従来技術においてはカバーと座席との止着はベルクロファスナ型の係合方式を採用している。即ち、座席側には合成樹脂製のベルクロフックを固定し、カバー側にはこれに係合するよう合成樹脂フィラメント撚糸を接着している。そのためコスト的には高くなっており、より低コスト化が希求されている。
【0004】
この発明はこのような従来の技術の問題点に鑑みてなされたものであり、ベルクロファスナ方式を使用することなく確実な装着をなしうる使い捨て型のカバーを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、正面ファスナ型などの係合要素を全然備えることなく座席などの被装着物に装着可能な使い捨て型のカバーであって、不織布にて形成されたカバー本体を備え、前記カバー本体の少なくとも一端における片面にはカバー本体の幅方向に延びるように粘着剤が所定幅の領域にわたって塗付され、剥離シートがカバー本体の前記端部から近接した側における粘着剤塗付層の適当な幅の領域は被覆し粘着剤塗付層の残余の領域は粘着剤有効作用領域として露出するように粘着剤塗付層に貼着され、粘着剤塗付層側と対向した剥離シートの表面上にはシリコーンなどの粘着剤が付着しにくい材料の表面処理層が形成されており、この表面処理層と粘着剤塗布層との境界線付近においてカバー本体は折り返され、剥離シートにおける粘着剤が付着しにくい材料よりなる前記表面処理層により粘着剤塗付層における前記粘着剤有効作用領域が被覆されていることを特徴とする使い捨て型のカバーが提供される。
【0006】
請求項1の発明の作用・効果を説明すると、カバーの使用前の状態ではカバー本体が折り返されることにより剥離シートにおけるシリコーンなどの粘着剤が付着しにくい材料の表面処理層がカバー本体上の粘着剤有効作用領域に接触することにより粘着剤有効作用領域の粘着剤は被覆され、意図せずに粘着剤塗布層に接触してしまうことがないようになっている。カバーの使用時にはカバー本体の折り返し部分が開かれ、粘着剤有効作用領域は露出される。粘着剤有効作用領域に接触していた剥離シートの表面はシリコーンなどの粘着剤が付着しにくい材料の表面処理を受けているため、粘着剤有効作用領域の粘着剤の粘着性は当初の状態から実質的に損なわれることはない。そして、剥離シートが貼着され粘着剤有効作用領域が開放した状態でカバーは座席に当てがわれ、粘着剤有効作用領域の粘着力によりカバーは座席に装着される。そして、交換時にはカバーを座席より剥がしそのまま廃棄する。カバーの装着時には粘着剤有効作用領域が露出されるように折り返し部を開き、粘着剤有効作用領域における粘着剤により座席への装着を行い剥離シートはそのままであるため、作業性は良好である上、カバー装着に伴う廃棄物もない。そして、座席側に従来のようベルクロフックは必要がないため、カバー自体の構造単純ともあいまってカバー装着のためのトータルとしての構成は極めて単純化され、コストの実質的な低減を実現することができる。
【0007】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明において、粘着剤の前記付着層は実質的に全幅にわたってカバー本体の近接した端縁から幾分離間しており、実質的に全幅にわたって無粘着剤部となっていることを特徴とする使い捨て型のカバーが提供される。
【0008】
請求項2の発明の作用・効果を説明すると、粘着剤の前記付着層は実質的に全幅にわたってカバー本体の近接した端縁から幾分離間しているため、粘着剤の付着層に近接したカバー本体縁部側に粘着剤が付着されていない部位が帯状に形成され、この帯状の粘着剤非付着層はカバー本体を折り返した場合において庇のように突出される。そのため、粘着剤層が保護されるとともに、カバーを座席などに装着時この庇部分をめくるようにすることによりカバー本体を開くことができ、航空機や鉄道車両の座席のように大量のカバーを装着する場合における作業性の高めることができる。
【0009】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明において、折り返し状態において剥離シートは前記粘着剤有効作用領域を幾分越えるように延出していることを特徴とする使い捨て型のカバーが提供される。
【0010】
請求項3の発明の作用・効果を説明すると、折り返し状態において剥離シートは前記粘着剤有効作用領域を幾分越えるように延出しているため、粘着剤有効作用領域が外部に食み出すことがないため、その保護を図ることができ、また、粘着剤が誤って他の部分に付着してしまったりすることがない。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1において、この発明の使い捨て型のカバーは不織布にて形成されたカバー本体10を備える。不織布は木材繊維若しくは衣料用繊維などの天然繊維若しくはレーヨンのような再生繊維又はナイロン若しくはポリエステルなどの合成繊維又はこれらの各種の繊維の複合繊維をバインダ(粘着剤)を使用して又は使用せず又はニードルパンチのような機械的手段又は空気流若しくは水流などの流体力学的手段によって相互に交絡するようにウエブ状にしたもので、湿式法又は乾式法によるもの又はスパンボンドやメルトブローなどの各種の方式が提案されており、この発明ではこれらの公知の製法により市場で入手可能な適当なものから適宜選択して使用可能である。カバー本体10は航空機や車両座席のヘッドレストなどの被被覆部位を余裕をもってカバーしうる幅及び長さを有していなければならないことはいうまでもない。
【0012】
カバー本体10の長さ方向の一端に近接して粘着剤塗布層12が形成される。粘着剤としては航空機や車両座席のヘッドレストなどの被被覆部位にカバー本体10を通常の使用状態においては離脱しないが交換時にカバーを引っ張ることによって簡単に被装着部位から離脱せしめることができる適当な粘着強度にて粘着しうる素材のものを採用することができる。このような目的として適当な素材としてはゴム系のものであり、例えば、スチレンゴムラテックスを乳化重合して得られたものが採用しうる。即ち、粘着剤はアプリケータに収容され、アプリケータのノズルからの粘着剤はカバー本体10に所定の幅にて塗付され、図1に示される粘着剤塗付層12が形成される。この実施形態では粘着剤塗付層12の塗付は近接したカバー本体10の縁部10-1 に対して幅の狭い余白部10A(カバー本体10上の粘着剤の未塗付層)が形成されるように行われている。
【0013】
このようにカバー本体10の片面に形成された粘着剤塗付層12上に剥離シート14が当てがわれる。剥離シートはクラフト紙又はポリエステルフィルムなどの基材シート上にシリコーンなどの剥離剤を塗工したものである。剥離シート14はこの実施形態においてはその幅が粘着剤塗付層12の半分より幾分大きい。剥離シート14は剥離剤の塗工面14-1を上にして粘着剤の塗付層12に粘着剤塗付層12の概ね半分の幅は被覆し、残りの半分の領域は粘着剤が露出した粘着剤有効作用領域12A(図2)となる。塗工面14-1の反対側14-2では剥離シート14は基材が剥き出しのままであるから、この剥き出し面に対しては粘着剤塗布層12は強固な粘着状態下にある。図2は剥離シート14の貼着後の状態を示し、(ロ)に示すように剥離シート14は側縁14Aがカバー本体10の近接した縁部10-1に向けて粘着剤塗布層12から幾分突出するように配置されている。剥離シート14は図1〜図3の実施形態においてはその幅が粘着剤塗付層12の概ね半分であるが、必ずしもこれに限らず、剥離シートの幅をもう少し大きくしてもよい。この場合の添付位置としては図2の(ロ)より上方にずれ、その分粘着剤有効作用領域12Aの幅が大きくなるが、この幅が拡大された粘着剤有効作用領域12Aは折り返したときに剥離シート14の剥離剤塗工面14-1により完全に被覆されるようにする必要がある。
【0014】
図3はこの発明のカバーとしての製品形態(未使用状態)を示すものであり、図2において得られたカバー本体上の粘着剤塗付層12に剥離シート14を張り付けた状態においてカバー本体10を剥離シート14の内側縁に沿って折り返したものである。剥離シート14の剥離剤塗付面14-1は粘着剤有効作用領域12Aと接触しているが容易に剥離可能であり、他方剥離シート14の基材面14-2はカバー本体10と強固に粘着した状態にある。そして、カバー本体10の縁部10A及び剥離シート14の縁部14Aは粘着剤塗付層12を幾分超えて延びており、粘着剤塗布層12が直接露出することはなく、その保護を図ることができる。
【0015】
次ぎに、座席ヘッドレストに対するこの発明のカバーの装着作業を説明すると、カバーの製品状態は図3に示す通りであり、剥離シート14の内側縁に沿ってそってカバー本体10は折り返された状態にある。そして、作業に先だって、カバー本体10の縁部10Aをつまむことにより折り返し部分においてカバー本体10は開かれ、このとき剥離シート14の剥離剤塗工面14-1はカバー本体10上の粘着剤塗付層12から簡単に剥がれ、他方、剥離シート14の基材面14-2は粘着剤塗付層12に強固に粘着したままであり、図2の(ロ)と同様な状態となる。図4において16はカバーすべき座席ヘッドレストの部分であり、カバー本体10は剥離シート14に隣接した粘着剤露出層としての粘着剤有効作用領域12Aにおいてヘッドレスト16の背面側に粘着される。そして、カバー本体10の残余の部分はヘッドレスト16の先端部分を巡らされ、ヘッドレスト16の前面部分に沿って垂下され、これによってこの発明のカバーの装着作業が完了である。即ち、この発明においては、座席ヘッドレストに対するカバーの装着作業はカバー本体10の一端の剥離シート14の部分における折り返しを開き、粘着剤の露出部分(粘着剤有効作用領域12A)をヘッドレスト背面に粘着させ、残余の部分をヘッドレストを巡らせるだけで装着が完了し、剥離シート14はカバー装着時は剥がす必要はなくそのままで良いためカバー装着作業は極めて簡単であり、カバー装着時において廃棄物が出ず、剥離シート14はカバー交換時に他の部分と一括して廃棄することができる。そして、被装着部である座席に従来のようなベルクロフックが不要であるため、また、カバーの構造自体を簡単であるためカバー交換コストのトータルとしては大幅なコストダウンを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の実施形態としての座席ヘッドレストカバーの製造の第1 段階を示し、(イ)はカバーの平面図、(ロ)は(イ)のA−A線に沿って表されるカバーの断面図である。
【図2】図2はこの発明の実施形態としての座席ヘッドレストカバーの製造の第2段階を示し、(イ)はカバーの平面図、(ロ)は(イ)のB−B線に沿って表されるカバーの断面図である。
【図3】図3はこの発明の実施形態としての座席ヘッドレストカバーの完成状態を示し、(イ)はカバーの平面図、(ロ)は(イ)のC−C線に沿って表されるカバーの断面図である。
【図4】図4はこの発明の実施形態としての座席ヘッドレストカバーの座席ヘッドレストへの装着状態を示す図である。
【符号の説明】
10…カバー本体
10A…カバー本体の余白部
12…粘着剤塗布層
12A…粘着剤塗布層における粘着剤有効作用領域
14…剥離シート
14-1…剥離シートの剥離剤塗工面
14-2…剥離シートの基材面
16…座席ヘッドレスト
Claims (3)
- 正面ファスナ型などの係合要素を全然備えることなく座席などの被装着物に装着可能な使い捨て型のカバーであって、不織布にて形成されたカバー本体を備え、前記カバー本体の少なくとも一端における片面にはカバー本体の幅方向に延びるように粘着剤が所定幅の領域にわたって塗付され、剥離シートがカバー本体の前記端部から近接した側における粘着剤塗付層の適当な幅の領域は被覆し粘着剤塗付層の残余の領域は粘着剤有効作用領域として露出するように粘着剤塗付層に貼着され、粘着剤塗付層側と対向した剥離シートの表面上にはシリコーンなどの粘着剤が付着しにくい材料の表面処理層が形成されており、この表面処理層と粘着剤塗布層との境界線付近においてカバー本体は折り返され、剥離シートにおける粘着剤が付着しにくい材料よりなる前記表面処理層により粘着剤塗付層における前記粘着剤有効作用領域が被覆されていることを特徴とする使い捨て型のカバー。
- 請求項1に記載の発明において、粘着剤の前記付着層は実質的に全幅にわたってカバー本体の近接した端縁から幾分離間しており、実質的に全幅にわたって無粘着剤部となっていることを特徴とする使い捨て型のカバー。
- 請求項1に記載の発明において、折り返し状態において剥離シートは前記粘着剤有効作用領域を幾分越えるように延出していることを特徴とする使い捨て型のカバー。
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