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JP3743482B2 - オルガノハロシラン合成用金属銅触媒及びオルガノハロシランの製造方法並びに金属銅触媒の選定方法 - Google Patents
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JP3743482B2 - オルガノハロシラン合成用金属銅触媒及びオルガノハロシランの製造方法並びに金属銅触媒の選定方法 - Google Patents

オルガノハロシラン合成用金属銅触媒及びオルガノハロシランの製造方法並びに金属銅触媒の選定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロコー(Rochow)反応によるオルガノハロシランの製造方法及びこれに用いる銅触媒並びに該銅触媒の選定方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
メチルクロロシラン等のオルガノハロシランの合成は、工業的には、ハロゲン化アルキルやハロゲン化フェニル等の有機ハロゲン化物と金属珪素粒子との銅触媒を触媒としての直接反応であるいわゆるRochow反応によって250〜500℃で行われている。この反応において、反応速度を高く保ちつつ、メチルクロロシラン合成においては最も需要の多いジメチルジクロロシランの選択率を上げること、またフェニルシラン合成にあっては需要の多いジフェニルジクロロシラン、フェニルトリクロロシランの需要に見あった組成で得ることがキーテクノロジーである。
【0003】
即ち、オルガノハロシランは、このように金属珪素と銅触媒及び少量の助触媒からなる触体に塩化メチル等の有機ハライドガスを通気し、気相で直接反応させるといういわゆるRochow反応によって合成されているが、この反応では、原材料費の中に占める金属珪素のコストが高いため、金属珪素の反応率を高めると同時に、通常、主成分のジオルガノジクロロシランのほかに多種類の副生成物が副生するが、この副生成物の生成比率をオルガノクロロシランの需給バランスに沿った反応条件で制御することが重要である。この反応は、工業的には通常、反応系の中に触体を追加する方式で流動床、振動流動床、撹拌流動床等の反応器を用いて行っているが、反応を定常状態に至らしめるための賦活に要する時間=賦活時間の短縮及び反応の進行に伴う失活触体の堆積による活性の低下、即ち反応速度、選択率の低下の防止、並びに全くの不要成分である反応釜残(ジシランなど高留分)の増加を最小限に抑えつつ反応させることがこの反応では極めて重要である。
【0004】
しかしながら、この反応は、反応が定常状態になるまでの賦活に要する時間が長く、その一方で定常状態は比較的短く、時間と共に触体活性が低下することにより、ジオルガノジクロロシランの収率が低下し、例えばメチルクロロシラン合成にあっては、副反応によるジシラン等の高留分やメチルトリクロロシラン等が増加し、反応器内の触体交換が必要となる。このうち、特に初期の賦活時間を短縮するためには、銅触媒の熱履歴によるシンタリングを防止するために、予め金属珪素粉末のみを反応温度近くまで昇温した後に銅触媒を添加することが有効であるとの提案がある(特開平10−309465号公報)。
【0005】
ところが、この方法を利用して同じように反応を行っても、反応の成績にばらつきが大きく、この点の解決が望まれた。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記要望に応えるべく、同じように反応を行っても反応の成績にばらつきが大きくなる原因を解析した結果、本反応に用いる銅触媒の活性には、銅触媒の所有している結晶格子の歪エネルギー(以下、単に歪エネルギーと略す)の大小が大きく関わっており、この歪エネルギーが大きくかつ表面積が大きいことが高い活性を発現するための必須条件であることがわかった。即ち、この反応において、銅触媒は金属珪素粉末と混合され、塩化メチル等のハロゲン化アルキル、塩化フェニル等のハロゲン化アリールと作用して対応するオルガノクロロシランを生成するが、触媒である銅触媒の活性によってその反応性は大きく左右される。この反応は、基本的には高温で気体状態である有機ハロゲン化物と高温でも固体である銅触媒及び金属珪素粉末との気体−固体の不均一系反応、いわゆる気−固不均一系反応であるので、銅触媒表面の活性度が重要であることは十分予想されることではあるが、このような銅触媒の作用そのものはもとより、銅触媒として必要な特性についても明らかになっていなかった。ところで、この反応において酸化銅を触媒として用いる場合には、活性に関して酸化銅粉末中の歪エネルギーが重要であることは既に公知のことであるが(特開平9−173844号、米国特許第4520130号及び米国特許第4504597号公報)、ここにおいては具体的な計測方法についての記述はなく、概念的なものであり、特に金属銅触媒について開示することもなく、金属銅触媒では工業的に実施できない欠点があったものである。
【0007】
本発明者は、これらを解決し、Rochow反応における安定して高活性を有するオルガノハロシラン合成用銅触媒として、金属銅触媒内に大きな歪エネルギーを有し、それに伴う高活性な表面をもつ金属銅粉末を使用すること、特には所有する結晶格子の歪エネルギーが300℃以下の温度で緩和し、BET比表面積又は空気透過式比表面積が0.05〜2m2/gである金属銅触媒、乃至は空気中で加熱するときにその歪エネルギーの緩和に伴って表面が急速に酸化し、空気通気系示差熱分析(DTA)による発熱開始温度が300℃以下であり、その発熱量が1〜80cal/gである金属銅触媒を用いることにより、従来のRochow反応の問題点を解決して反応成績のばらつきなく、望ましいジオルガノジハロシランの選択率を高めることができ、ひいては反応成績の向上を達成することができることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0008】
従って、本発明は、
空気通気系示差熱分析による発熱開始温度が300℃以下であり、その発熱量が1〜80cal/gである歪エネルギーを有し、BET比表面積又は空気透過式比表面積が0.05〜2m 2 /gである金属銅粉末からなるオルガノハロシラン合成用金属銅触媒、及び
金属珪素粒子に有機ハロゲン化物を金属銅触媒の存在下に反応させてオルガノハロシランを製造する方法において、上記金属銅触媒として上記の銅触媒を選定使用することを特徴とするオルガノハロシランの製造方法、並びに
金属珪素粒子に有機ハロゲン化物を反応させてオルガノハロシランを製造する方法に用いる金属銅触媒として、空気通気系示差熱分析による発熱開始温度が300℃以下であり、その発熱量が1〜80cal/gである歪エネルギーを有し、BET比表面積又は空気透過式比表面積が0.05〜2m 2 /gである金属銅粉末を選定することを特徴とするオルガノハロシラン合成用金属銅触媒の選定方法を提供する。この場合、上記金属銅粉末としては、銅箔粉、スタンピング銅粉、又はミクロ銅粉を用いることができる。
【0009】
本発明においては、このように大きな内部歪エネルギーを有する、例えば圧延金属銅箔の粉砕粉、裁断粉、圧延銅箔又は研削銅板をスタンピング等によって延伸し粉砕したスタンピング銅粉、及び微細な粒子であって、それを空気中で加熱したときにその歪エネルギーが300℃以下の温度で一気に緩和されることに伴い、表面の急激な酸化が起こり、大きな発熱が観察される銅触媒を用いることにより、塩化メチル等ハロゲン化アルキル又は塩化ベンゼン等ハロゲン化アリールと金属珪素の銅触媒及び助触媒存在下におけるオルガノハロシラン合成反応(いわゆるRochow反応)において、シラン生成の反応速度や選択率の定常状態に至るまでの賦活時間(誘導期)は極めて長いのに、その一方で定常状態が比較的短く、この改善が重要な課題を解決したものである。
【0010】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明のオルガノハロシランの製造方法は、シラン直接反応(Rochow反応)によるものであり、金属珪素粉末にハロゲン化アルキル、ハロゲン化アリール等の有機ハロゲン化物ガス又は蒸気を金属銅触媒の存在下で作用させてオルガノハロシランを合成するものであり、この場合、本発明においては、上記金属銅触媒として、大きな歪エネルギーをもつ金属銅粉末を用いるものであり、これによりRochow反応のネックであったところの反応が定常反応に至るまでの賦活に要する時間、即ち誘導期を短縮し、定常状態における高活性を持続できるものである。
【0011】
ここで、このような大きな歪エネルギーをもつ銅粉末としては、圧延銅箔を粉砕した銅箔粉、圧延銅箔、電解銅箔、切削粉等を叩いて延伸、粉砕したスタンピング銅粉又は噴霧銅などのミクロ銅粉であり、内部に大きな歪エネルギーをもつ熱的に活性な銅触媒を用いることができる。より具体的には、銅粉中に存在する歪エネルギーは大きいほど低温で緩和するが、その緩和温度が300℃以下の温度で、かつ活性部位である表面がBET比表面積又は空気透過式比表面積で0.05〜2m2/gである金属銅触媒、あるいは空気中で加熱するときに、その歪エネルギーの緩和に伴って表面が急速に酸化する性質があるので、銅触媒を空気通気系示差熱分析(DTA)により測定すると大きな発熱ピークが測定されるが、この発熱開始温度が300℃以下であり、その発熱量が1〜80cal/gである金属銅触媒が好適に用いられる。
【0012】
更に詳述すると、本発明のポイントは金属銅触媒に内包する歪とそのエネルギーである。金属銅は、展性が大きいので低温でも圧延、鍛造等により容易に加工ができるが、このような加工によってその結晶中には大きな格子歪が発生し、加熱しない限りその歪は保存されている。この歪は、不活性ガス中で加熱することにより消失し、物性も大きく変化することから、この処理は一般的にアニーリングといわれ、加工においては重要な操作である。この結晶学的な変化を測定した結果を図1に示し、これをもってこのときに起こる変化について説明する。これはX線回折装置を用いて結晶面と結晶軸を解析し、結晶の配向性を測定できる極点図のデータである。実際の銅触媒は粉末であり、当該測定は困難であるので、結晶格子が大きく歪んでいる圧延銅箔について測定したものである。図1(A)の結果より、圧延銅箔の表面は(111)面からなっているが、[200]軸がその面から約70度の角度で一方向に強く配向しており、これは図中Bと表示した安定な理論値とは大きく異なっている。これに対して、図1(B)に示したように、これを不活性ガス中で300℃で加熱したものは、[200]軸が約35度の角度でかつ各々の軸間がほぼ90度の角度で等間隔で配向していて、これは安定な理論値通りの配向で安定な結晶構造となっており、圧延銅箔を不活性ガス中、300℃で熱処理することによりアニーリングが起こり、圧延時に生じた格子の歪が緩和した状態になったことがわかる。
【0013】
図2には、スタンピング銅粉の空気中での示差熱天秤測定の結果を示したが、220℃付近より急激な発熱が起こり、それに伴い急激な重量増加が観察される。この後も、徐々に重量増加は起こってはいるが、これはゆっくり内部まで酸化が進むことを表している。なお、試料を予め不活性ガス中で300℃で加熱したものでは、このような変化は全く観察されない。このようなことより、この変化は、この歪エネルギーの緩和に伴い原子の再配列が起こり、この時にその表面が極めて活性になることを示している。即ち、この発熱開始温度と発熱量がまさに金属銅触媒の表面活性度を表しているものである。
【0014】
而して、本発明のRochow反応用の銅触媒としての活性は、銅触媒中に大きな結晶格子の歪を有するもので、この緩和温度以上にあるRochow反応系に導入されると、この歪が一気に緩和される。このときに銅原子の再配列が起こることによって活性な銅表面が急激に発現するものであることから、銅触媒の活性度は、空気雰囲気又は空気通気下の示差熱分析DTA又は差動熱量計DSCによる酸化の開始温度である発熱開始温度及び発熱量、及び触媒そのものの表面積であるBET比表面積、空気透過式比表面積によって測ることができる。
【0015】
このうち、熱分析は、示差熱分析DTAについては測定雰囲気(この場合は空気雰囲気)下で、試料及びその測定雰囲気下で熱的に安定な標準物質を一定の速度で昇温し(例えば5℃/分の速度で)、そのときの試料と標準試料(この場合、α−アルミナ粉)の温度差を測定することによって、試料に発生する熱的変化を温度差として測定する方法である。そして、この歪はそのエネルギーが大きいものほど低温で緩和するので、より低温で発熱が開始し、また表面積が大きいものほど大きな発熱ピークとして測定される。また、BET比表面積は気体の吸着により、また空気透過式比表面積はその空気抵抗より測定するものであり、気体との接触のしやすさそのものと相関するものである。
【0016】
そこで、種々の銅触媒についてこれら物性と反応性を比較したところ、Rochow反応触媒として、昇温速度5℃/分の昇温速度で示差熱測定を行ったとき、発熱開始温度が300℃以下、発熱量が1〜80cal/gであって、比表面積が0.05〜2m2/gである銅触媒が好ましいことを見出したものである。
【0017】
この場合、発熱開始温度は好ましくは100〜300℃、より好ましくは100〜250℃、更に好ましくは150〜250℃、最も好ましくは150〜230℃であり、発熱量は好ましくは1.0〜80cal/g、より好ましくは10〜60cal/gである。また、比表面積は好ましくは0.05〜2.0m2/g、より好ましくは0.3〜1.0m2/gである。
【0018】
なお、本発明において、上記銅触媒の粒径は適宜選定されるが、レーザー回折式粒度測定装置により測定した値が通常0.05〜100μm、特に20〜80μmとすることが好ましい。
【0019】
本発明のオルガノハロシランは、上記銅触媒を用いる以外は、公知の方法及び条件を採用して行うことができる。例えば、原料の金属珪素粒子としては平均粒径が10μm〜10mmのものを用いることができ、有機ハロゲン化物としては、塩化メチル、塩化エチル、塩化フェニル等、製造すべきオルガノハロシランに応じたアルキル基、アリール基をもつハロゲン化アルキル、ハロゲン化アリールを用いることができ、本発明では例えば下記式
nSiX4-n
(但し、Rは炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基等のアリール基を示し、Xは塩素、臭素等のハロゲン原子を示し、nは1〜4の整数である。)
で示されるオルガノハロシラン、特にn=2のジオルガノジハロシランを高収率で製造することができる。
【0020】
なお、上記銅触媒の添加量は、金属珪素100重量部に対し0.1〜10重量部とすることができる。また、この銅触媒には公知の各種助触媒を加えることができる。
【0021】
図3は、オルガノハロシランの製造装置の一例を示し、1は流動床反応器であり、その下部に原料供給管2を介して原料供給槽3が連結しており、これから反応器1の下部に金属珪素及び上記銅触媒又は銅触媒と助触媒との混合触媒が導入される。また、4は加熱器5を介装する原料有機ハロゲン化物管であり、反応器1の底部に連結され、反応器1の底部から有機ハロゲン化物のガス又は蒸気が導入されて、上記金属珪素及び触媒の流動床1aが反応器1内に形成されるものである。なお、図中6は冷却器である。
【0022】
ここで、上記有機ハロゲン化物のガス又は蒸気は、定常状態において線速2〜10cm/秒で導入することが好ましい。また、反応は通常250〜350℃で行うことができる。
【0023】
反応で得られたオルガノハロシランは、反応器1の頂部に連結された排出管7より第1サイクロン8に導入され、随伴する固体粒子を分離した後(この固体粒子は固体粒子返送管9より流動床1aに戻される)、更に第2サイクロン10でなお随伴する固体粒子を分離し(この固体粒子は分離粒状物貯蔵層11に貯蔵される)、次いで第1シラン凝縮器12、更には第2シラン凝縮器13でオルガノハロシランが凝縮され、シラン貯蔵層14に貯蔵される。このように固体粒子が分離され、オルガノハロシランが凝縮、分離された後の排ガスは、その一部又は全部が循環ガスコンプレッサー15が介装された有機ハロゲン化物返送管16を通って再び反応器1に戻される。なお、この返送管16は上記原料有機ハロゲン化物管4に連結されているものである。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、上記した大きな内部歪エネルギーを有し、高活性な銅触媒を用いたことにより、有機ハロゲン化物と金属珪素粉末を直接作用させて対応するオルガノハロシランを合成するための反応においてネックであった定常状態になるまでの賦活時間を短縮し、定常状態にあっては選択性を改善でき、かつ珪素の収率を高めることができる。また、触媒である銅触媒は、重要であるがために、実際に反応触媒として試験を別に実施して、活性度を評価した後に工業的に使用していたが、この迂回プロセス問題も解決することができる。
【0025】
【実施例】
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記例で部は重量部を示す。
【0026】
〔実施例1〕
図3に示したような装置を用いてメチルクロロシランの製造を行った。即ち、スパイラル撹拌機を有した直径8cmのスチール製の反応器に平均粒径50μmの金属珪素粉末100部を仕込み、反応器内に窒素ガスを線速2cm/秒で導入し、スパイラル撹拌機で撹拌しながら流動させ、280℃まで昇温した。その後、スタンピングにより製造した、空気透過式比表面積0.88m2/g、DTA発熱開始温度218℃、発熱ピークでの発熱量24.9cal/gの銅触媒及び真鍮、青銅を主とした助触媒を混合した混合触媒3部を添加し、反応温度を280〜300℃にコントロールしつつ塩化メチルを徐々に添加し、反応させ、最終的に線速7cm/秒にして反応を継続した。反応を6時間継続したところで反応を終了させた。この間の平均シラン生成速度と金属珪素消費率、生成シランの組成を表1に示した。
【0027】
〔実施例2〕
実施例1と同様に、平均粒径50μmの金属珪素粉末100部を仕込んだ反応器を窒素ガス気流下で280℃まで昇温後、スタンピングにより製造した、空気透過式比表面積0.30m2/g、DTA発熱開始温度230℃、発熱ピークでの発熱量7.6cal/gの銅触媒及び真鍮、青銅を主とした助触媒を混合した触媒3部を添加し、反応温度を280〜300℃にコントロールしつつ塩化メチルを徐々に添加し、反応させ、最終的に線速7cm/秒にして反応を継続した。反応を6時間継続したところで反応を終了させた。この間の平均シラン生成速度と金属珪素消費率、生成シランの組成を表1に併せて示した。
【0028】
〔実施例3〕
実施例1と同様に、平均粒径50μmの金属珪素粉末100部を仕込んだ反応器を窒素ガス気流下で280℃まで昇温後、噴霧法により製造した、空気透過式比表面積1.4m2/g、DTA発熱開始温度159℃、発熱ピークでの発熱量52.7cal/gの銅触媒及び真鍮、青銅を主とした助触媒を混合した触媒3部を添加し、反応温度を280〜300℃にコントロールしつつ塩化メチルを徐々に添加し、反応させ、最終的に線速7cm/秒にして反応を継続した。反応を6時間継続し、その間の平均シラン生成速度と金属珪素消費率、生成シランの組成を表1に併せて示した。
【0029】
〔実施例4〕
実施例1と同様に、平均粒径50μmの金属珪素粉末100部を仕込んだ反応器を窒素ガス気流下で280℃まで昇温後、スタンピングにより製造した、空気透過式比表面積0.30m2/g、DTA発熱開始温度230℃、発熱ピークでの発熱量7.6cal/gの銅触媒及び真鍮、青銅を主とし、アンチモンを添加した合金粉を助触媒として混合した触媒3部を添加し、反応温度を280〜300℃にコントロールしつつ塩化メチルを徐々に添加し、反応させ、最終的に線速7cm/秒にして反応を継続した。反応を6時間継続したところで反応を終了させた。この間の平均シラン生成速度と金属珪素消費率、生成シランの組成を表1に併せて示した。
【0030】
〔比較例1,2〕
実施例1と同様に、平均粒径50μmの金属珪素粉末100部を仕込んだ反応器を窒素ガス気流下で280℃まで昇温後、スタンピングにより製造し、空気透過式比表面積0.88m2/g、DTA発熱開始温度218℃、発熱ピークでの発熱量24.9cal/gの銅触媒を予め窒素ガス中、300℃でアニールし、DTA発熱ピークが消失した空気透過式比表面積0.70m2/gの銅触媒及び真鍮、青銅を主とした助触媒の混合触媒3部を添加し、反応温度を280〜300℃にコントロールしつつ塩化メチルを徐々に添加し、反応させ、最終的に線速7cm/秒にして反応を継続した。反応を6時間継続したところで反応を終了させた(比較例1)。また、銅触媒として、空気透過式比表面積0.1m2/g、DTA発熱ピークが観察されない電解銅粉3部を同様に助触媒と混合し、触媒として添加した結果も表1に併記した(比較例2)。
【0031】
【表1】
Figure 0003743482

【図面の簡単な説明】
【図1】圧延銅のX線回折図であり、(100)面に対する[200]軸(Bの方向)の極点図を示し、(A)は圧延銅、(B)はこの圧延銅を300℃でアニールしたもののX線回折図である。
【図2】歪含有銅粉(スタンピング銅)の示差熱天秤測定図である。
【図3】オルガノハロシランの製造装置の一例を示す該略図である。
【符号の説明】
1 流動床反応器
1a 流動床
2 原料供給管
3 原料供給槽
4 原料有機ハロゲン化物管
5 加熱器
6 冷却器
7 排出管
8 第1サイクロン
9 固体粒子返送管
10 第2サイクロン
11 分離粒状物貯蔵層
12 第1シラン凝縮器
13 第2シラン凝縮器
14 シラン貯蔵層
15 循環ガスコンプレッサー
16 有機ハロゲン化物返送管

Claims (5)

  1. 空気通気系示差熱分析による発熱開始温度が300℃以下であり、その発熱量が1〜80cal/gである歪エネルギーを有し、BET比表面積又は空気透過式比表面積が0.05〜2m 2 /gである金属銅粉末からなるオルガノハロシラン合成用金属銅触媒。
  2. 金属銅粉末が、銅箔粉、スタンピング銅粉、又はミクロ銅粉である請求項1記載の銅触媒。
  3. 金属珪素粒子に有機ハロゲン化物を金属銅触媒の存在下に反応させてオルガノハロシランを製造する方法において、上記金属銅触媒として請求項1又は2記載の銅触媒を選定使用することを特徴とするオルガノハロシランの製造方法。
  4. 金属珪素粒子に有機ハロゲン化物を反応させてオルガノハロシランを製造する方法に用いる金属銅触媒として、空気通気系示差熱分析による発熱開始温度が300℃以下であり、その発熱量が1〜80cal/gである歪エネルギーを有し、BET比表面積又は空気透過式比表面積が0.05〜2m2/gである金属銅粉末を選定することを特徴とするオルガノハロシラン合成用金属銅触媒の選定方法。
  5. 金属銅粉末が、銅箔粉、スタンピング銅粉、又はミクロ銅粉である請求項4記載の選定方法。
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