JP3744317B2 - アルカリ蓄電池用ニッケル正極およびこれを用いたアルカリ蓄電池 - Google Patents
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Description
【発明の従属する技術分野】
本発明は、アルカリ蓄電池用正極およびアルカリ蓄電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、アルカリ蓄電池用正極は、基板形状、活物質形状、活物質組成および添加物などの改良により、容量密度が飛躍的に向上し、現在では容量密度600mAh/cc程度の正極が実用化されている。
【0003】
しかしながら、機器側からは一層の高出力化が求められ、高率放電時のエネルギー密度の向上が強く求められている。高率放電特性の向上を図るためには、従来から、電極の集電性を高める方法(または、抵抗を下げる方法)や活物質の充放電効率を高める方法が検討されてきた。これに対して、放電電位そのものを高い方向(貴な方向)へシフトさせることができれば、飛躍的な高出力化が期待できる。我々は、これまでに異種金属を固溶させることで水酸化ニッケルの改質を図ってきた。そのなかで、マグネシウムを固溶した水酸化ニッケルは放電電位が高いことに注目し、電極材料としての物性の適正化を検討してきた。
【0004】
このマグネシウムを固溶した水酸化ニッケルに関しては、従来から広く提案されており、以下のようなものがある。
【0005】
(1)特開平2−109261号公報では、マグネシウムを1〜3重量%固溶させた水酸化ニッケルにおいて、内部細孔半径が30Å以下で、全細孔容積が0.05ml/g以下であるものを正極活物質とすることが提案されている。これは、水酸化ニッケル粉末をより高密度化し、更に、マグネシウムの添加によってγ−NiOOHの生成を防止することで長寿命化するとともに、活物質の利用率を向上させたニッケル電極用活物質を提供することを目的とするものである。
【0006】
(2)特開平5−21064号公報では、正極作成時にマグネシウム等を1〜7重量%水酸化ニッケル粉末中に含有させ、球状または球状に類似した粒子と非球状粒子との混合物からなるものを正極活物質とすることが提案されている。これは、水酸化ニッケルの充填密度を向上させ、かつ、マグネシウムを含む異種金属群を添加することで、過充電時にγ−NiOOHの生成を抑制しサイクル寿命特性を向上させることを目的とするものである。
【0007】
(3)特開平5−41212号公報では、マグネシウム等を1〜7重量%水酸化ニッケル粉末中に含有させ、0.1μm以下の一次粒子が無数に集合した粒子であり、30Å以上の細孔半径を有する空間体積が全空間体積に対して20〜70%である水酸化ニッケルを正極活物質とすることが提案されている。これは、電解液の粒子内部への浸入を容易にすることで、電解液の粒子内部での偏在によるγ−NiOOHの生成を抑制し、更に、充放電初期の活物質利用率を向上させることを目的とするものである。なお、マグネシウムを含む異種金属群の添加は、前記(2)の提案と同様に、γ−NiOOHの生成を抑制しサイクル寿命特性を向上させることを目的とするものである。
【0008】
(4)特開平5−182662号公報では、内部細孔容積が0.14ml/g以下で、結晶格子が添加元素により一部置換された組織を有する水酸化ニッケル粉末を正極活物質とすることが提案されている。特に、水酸化ニッケルに固溶添加元素としては、活物質としての水酸化ニッケルの特性を損なう物であってはならないという条件から、Zn、Mg、Cd、Baが選ばれる。これは、内部細孔容積が小さい高密度水酸化ニッケル粉末において、マグネシウムを含む異種元素でニッケルの一部を置換することによって、水酸化ニッケル結晶格子に格子欠陥を形成し、プロトン移動の自由度を増加させることで、γ−NiOOHの生成を抑制しサイクル寿命特性を向上させることを目的とするものである。
【0009】
(5)特開平5−182663号公報では、内部細孔容積が0.14ml/gで、結晶格子がCo及びその他の添加元素により複合的に一部置換された組織を有する水酸化ニッケルを正極活物質とすることが提案されている。とくに、水酸化ニッケルに固溶される添加元素としては、Zn、Mg、Cd、Baが選ばれる。これは、Co及びその他のマグネシウムを含む異種元素でニッケルの一部を置換することによって、高温における充電効率を向上させ、同時に、γ−NiOOHの抑制しサイクル寿命特性を向上させることを目的としている。しかしながら、この技術は高率放電時に利用率が低下しやすいという課題が改善されておらず、高率放電特性と高温充電効率とを両立することは困難であった。
【0010】
(6)特開平11−219703号公報には、マグネシウムを水酸化ニッケルに固溶させかつ水酸化ニッケル中のニッケルに対してマグネシウムを0.5重量%〜0.5重量%含有させたマグネシウム固溶水酸化ニッケル粒子からなる基体粒子に、ナトリウムを含有したコバルト化合物からなる被覆層を形成させた複合粒子と、イットリウム金属及び/又はイットリウム化合物からなる活物質であって、前記基体粒子中のニッケルに対して、前記イットリウム金属及び/又はイットリウム化合物が、イットリウム元素換算で0.05重量%〜5.0重量%含有させるアルカリ蓄電池用正極活物質、およびそれを用いた非焼結式ニッケル極が提案されている。これにより、マグネシウムを固溶することでγ−NiOOHの生成を抑制しサイクル寿命特性を向上させることができ、さらに、ナトリウムを含有したコバルト化合物からなる被覆層を形成させ、イットリウム金属及び/またはイットリウム化合物を添加することで、充電受け入れ性を向上させることが可能であることを開示している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の提案は、いずれも充放電効率の向上、サイクル寿命特性の向上を狙いとしており、本発明者らのようにマグネシウムを固溶状態で含む水酸化ニッケルの高い放電電位を利用して、一層の高出力化を図ることを目的としたものではなかった。事実、上記提案に基づいて電池を試作したところ、目標とする満足な高率充放電特性を示す電池を得ることはできなかった。
【0012】
さらに、マグネシウムを固溶状態で含む水酸化ニッケルは高温における充電効率が低下するという問題がある。上記(5)の提案において、高温充電効率を向上させる技術が開示されているが、高率放電時に利用率が低下しやすいという課題が改善されていないため、高率放電特性と高温充電効率とを両立することは困難であった。
【0013】
従って、本発明は、放電電圧が高く、かつ、高率放電時に高い利用率を発現する(高率放電特性の優れた)アルカリ蓄電池用ニッケル正極およびそれを用いたアルカリ蓄電池を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らが鋭意検討した結果、マグネシウムを固溶状態で含む水酸化ニッケルは高率放電時に利用率が低下しやすいことを見出した。この原因として、マグネシウムを固溶することで、水酸化ニッケルの結晶内に硫酸根が取り込まれやすくなると共に、マグネシウム固溶水酸化ニッケルの結晶構造が乱れやすくなり、高率放電時の分極が大きくなるとともに、導電性も著しく低下するため、高率放電特性が著しく低下するものと考えている。尚、結晶が乱れる(結晶性が低くなる)ことによって高率放電時の分極が大きくなる現象は、プロトン移動の自由度が低下するためと考えている。上記提案では、このような課題を改善する技術は開示されておらず、従って、高出力化のための活物質およびニッケル正極を得ることができなかったものと考えられる。
【0015】
この観点より、本発明者らの目的を達成すべく、本発明のマグネシウムを固溶した水酸化ニッケルを主成分とするニッケル正極は、水酸化ニッケルを、第1にマグネシウムの含有割合を水酸化ニッケル中の全金属元素に対して2モル%以上7モル%以下とし、第2に粉末のタップ密度を1.9g/cm3以上とし、第3にCuKα線を使用するX線回折の2θ=37〜40゜付近に位置する(101)面のピークの半価幅が0.7゜以上1.2゜以下の範囲となるようにし、第4に結晶内に含まれる硫酸根が0.5重量%以下となるようにすることを特徴とし、かつ、前記水酸化ニッケルとともに正極中にY、Yb、Lu、Ti、Caからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む酸化物粉末を含有させるものである。
【0016】
まず、水酸化ニッケルに固溶する異種元素として選択すると、放電電位が高くなるため高出力な電池を得るには好ましい。但し、マグネシウムの含有量が2モル%より少ないと放電電位が高くなる効果が乏しく、逆に7モル%より多い場合は低率放電時においても利用率が低下するとともに、活物質である水酸化ニッケルの量が少なくなるため十分な電池容量が得られなくなる。
【0017】
水酸化ニッケルに固溶する異種元素としてマグネシウムを選択し、その含有量を2〜7モル%とするのみでは、目的とする高出力な正極は得られず、以下のように水酸化ニッケルの諸物性を適正化することで尚一層の飛躍的な高出力化を達成することができる。
【0018】
タップ密度としては1.9g/cm3以上が好ましく、さらに、2.1g/cm3以上であると特に好ましい。これは、1.9g/cm3より小さい場合では電極への充填密度が低下し高エネルギー密度化を図ることが困難であるとともに、異種固溶元素がマグネシウムで、硫酸根が結晶内に取り込まれやすいことから、活物質粉末の空隙が硫酸根との間で何らかの原因として関与しているものと考えられる。
【0019】
CuKα線を使用するX線回折の2θ=37〜40゜付近に位置する(101)面のピークの半価幅が0.7゜以上1.2゜以下であることが望ましい。この数値範囲にあると、多少の硫酸根では結晶構造が乱れにくくなり、従ってプロトン移動の自由度が低下することがない。
【0020】
また、結晶内に含まれる硫酸根は0.5重量%以下であることが望ましい。特定のピークの半価幅が特定の値になるように水酸化ニッケルを作製しても、硫酸根が多すぎると、サイクルに伴い結晶構造が乱れてしまうからである。従って、上記結晶構造の適正化によりあまりに低い値を求める必要はないものの、通常、マグネシウム固溶の水酸化ニッケルを合成した場合の硫酸根量よりもわずかに低い値に設定するとよい。
【0021】
なお、マグネシウムを固溶状態で含む水酸化ニッケルにおいて、結晶が乱れる(結晶性が低くなる)ことによって高率放電時の分極が大きくなる現象は、プロトン移動の自由度が低下するためと考えている。
【0022】
さらに、正極活物質である上記水酸化ニッケルの適正化のみならず、正極に次のような技術を取り入れることで、高率放電特性の低下及び高温充電効率の低下の両課題を同時に改善できる。すなわち、前記活物質粉末を主成分とするニッケル正極には、Y、Yb、Lu、Ti、Caからなる群より選ばれた少なくとも一種を含む酸化物粉末を含むことが好ましい。これらの金属酸化物粉末は充電末期の酸素発生過電圧を上昇させ、高温充電効率を向上させることが可能となる。
【0023】
この本発明のニッケル正極を用いて、アルカリ蓄電池を構成すると、放電電圧の向上、高率放電特性の向上及び高温充電効率の向上を図ることができる。
【0024】
また、上記水酸化ニッケルを主成分とするニッケル正極と、負極と、電解液とからなるアルカリ蓄電池において、電解液中に水酸化ナトリウムを添加することで、充電末期の酸素発生過電圧が著しく上昇し高温充電効率も向上させることが可能となる。また、上記水酸化ニッケルを使用していることから同時に高出力化を図ることもできる。
【0025】
【発明の実施の形態】
また、Y、Yb、Lu、Ti、Caからなる群より選ばれた少なくとも一種を含む酸化物粉末の含有量は、水酸化ニッケルに対して0.5重量%以上3重量%以下であると好ましい。0.5重量%より少ないと酸素発生過電圧がほとんど上昇しないため、高温充電効率向上の効果が乏しい。また、3重量%より多いと放電反応が阻害され高率放電特性が低下する。
【0026】
また、本発明の水酸化ニッケル粉末は、CuKα線を使用するX線回折の2θ=37〜40゜付近に位置する(101)面のピークAに対する、2θ=18〜21゜付近に位置する(001)面のピーク強度Bの比B/Aが1.1以上であると好ましい。前記ピーク強度比B/Aが1.1より大きい場合、すなわち、水酸化ニッケルの結晶におけるC軸方向の配向性が高い場合、高率放電時の分極を更に抑制することができ、高率放電特性を一層向上させることができる。これは、結晶において結晶面方向の結晶成長が優れており結晶面方向の結晶の均一性を示すものであり、結晶の乱れが少なくプロトン移動の自由度が一層向上したものと考えている。
【0027】
また、本発明の水酸化ニッケルは、コバルト酸化物により、その表面が被覆されていると好ましい。これにより、導電材としてのコバルト化合物の分布が均一になり導電性が向上することから、導電材の充填量を減らすことが可能となる。また、導電性の向上により、高率放電特性を一層向上させることができる。
【0028】
前記コバルト酸化物のコバルトの平均価数が3価より大きいと特に好ましい。コバルトの平均価数が3価より大きいことでコバルト化合物の導電性が著しく向上し、高率放電特性を一層向上させることができる。
【0029】
電解液中には、水酸化ナトリウムを含むことが望ましい。これは、先述したように、充電末期の酸素発生過電圧が著しく上昇し高温充電効率も上記電池よりもさらに向上させることが可能となるからである。水酸化ナトリウムの含有量が、電解液に対して1mol/l以上5mol/l以下であることが望ましい。1mol/lより少ないと、酸素発生過電圧がほとんど上昇しないため高温充電効率の向上の効果が乏しくなる。また、5mol/lより多いと、高率放電時の利用率が低下する。
【0030】
【実施例】
次に、本発明の実施例を説明する。
【0031】
(実施例1)
まず、活物質粒子の合成方法について説明する。
【0032】
硫酸ニッケルと硫酸マグネシウムを含む混合水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、アンモニア水溶液を準備し、40℃に保持された反応装置内に、それぞれ0.5ml/minの流量で連続的に供給した。ここで、硫酸ニッケルと硫酸マグネシウムからなる混合水溶液の濃度を2.4mol/lとし、そのうち硫酸ニッケルと硫酸マグネシウムの混合比を、ニッケルとマグネシウムの総モル数に対するマグネシウムのモル数が5モル%になるようにした。また、アンモニア水溶液の濃度は5mol/lとし、水酸化ナトリウム水溶液の濃度は5mol/lとした。
【0033】
続いて、反応装置内のpHが一定となり、金属塩濃度と金属水酸化物粒子濃度のバランスが一定となり、定常状態になったところで、オーバーフローにて得られた懸濁液を採取し、デカンテーションにより沈殿物を分離した。これをpH13〜14の水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ処理し、金属水酸化物粒子中の硫酸イオン等のアニオンを除去し、水洗し、乾燥した。このようにして、平均粒径10μmの粉末を得た。なお、前記pH13〜14の水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ処理を行う時間や回数により、金属水酸化物中の硫酸イオン(硫酸根)含有量をコントロールすることができる。とくに、マグネシウムを固溶した水酸化ニッケルは硫酸根が取り込まれやすいため、温度を高温(60℃)とし、処理を行う回数を多くすることで、硫酸根の含有量が少なくなるようにした。
【0034】
組成分析を実施した結果、得られた金属水酸化物中のマグネシウム固溶量は、合成に用いた水溶液の混合比と同様に、5モル%であった。また、硫酸根量は0.3重量%であった。また、CuKα線を用いたX線回折パターンを記録したところ、β−Ni(OH)2型の単相であることが確かめられ、マグネシウムは水酸化ニッケルに固溶していることが確認された。また、2θ=37〜40゜付近の(101)面のピーク半価幅は0.892゜であった。また、タップ密度を測定したところ、2.03g/cm3を示し、高エネルギー密度化のために適した材料(電極支持体への充填性に優れた材料)であることが確かめられた。
【0035】
次に、上記方法にて得られた活物質を用いたニッケル正極の作製方法について説明する。
【0036】
上記のような製造条件で得られた金属水酸化物粉末100gに、10gの水酸化コバルト粉末、2gのY2O3粉末、30gの水を加え、混練してペースト状にした。このペーストを多孔度95%の発泡ニッケル基板に充填し、乾燥後、加圧成形することによって、ニッケル正極板を得た。このようにして得られた正極板を切断し、電極リードをスポット溶接し、理論容量1200mAhのニッケル正極を得た。ただし、ここで示すニッケル電極の容量密度は、活物質中のニッケルが一電子反応をするものとして計算したものである。
【0037】
ここでは、Y2O3粉末を含むニッケル正極の作製方法を示したが、同様にして、Yb2O3粉末、Lu2O3粉末、TiO2粉末、CaO粉末を含むニッケル正極も作製した。
【0038】
次に、アルカリ蓄電池の作製方法について説明する。
【0039】
負極には、公知のアルカリ蓄電池用負極を用いた。ここでは、約30μmの水素吸蔵合金MmNi3.55Co0.75Mn0.4Al0.3粉末からなる負極を用いた。これに水と結着剤のカルボキシメチルセルロースを加えてペースト状に混練した。このペーストを電極支持体に加圧充填して、水素吸蔵合金負極板を得た。この負極板を切断し、容量1920mAhの負極とした。前記の正極と負極を厚さ0.15mmのスルフォン化ポリプロピレン不織布からなるセパレータを間に介して渦巻状の電極群を構成した。この電極群を電池ケース内に挿入し、7mol/lの水酸化カリウム水溶液を2.2ml注入した後、作動弁圧約2.0MPaの安全弁を持つ封口板により電池ケースの開口部を密閉し、AAサイズの円筒密閉型ニッケル水素蓄電池を作製した。
【0040】
(比較例1)
実施例1に記載のニッケル正極作製方法において、Y2O3粉末を添加しないでペーストを調製した以外は実施例1と同様にして、ニッケル正極、および、それを用いた円筒密閉電池を作製した。
【0041】
実施例1および比較例1の円筒密閉電池を用い、それらの電池特性を評価した。20℃において、120mAの電流で15時間充電し、240mAの電流で電池電圧1.0Vまで放電する充放電サイクルを繰り返し、放電容量が安定した後、平均放電電圧と活物質の利用率A(20℃充電時)を算出した。また、次のサイクルでは、45℃において、120mAの電流で15時間充電し、20℃において、240mAの電流で電池電圧1.0Vまで放電し、その放電容量から活物質の利用率B(45℃充電時)を算出した。(表1)に、それらの結果を示す。なお、実施例1において、Y2O3を添加したニッケル正極を用いた電池を(A)とし、同様に、Yb2O3、Lu2O3、TiO2、CaOを添加したニッケル正極を用いた電池をそれぞれ(B)〜(E)とした。また、比較例1の電池を(F)とした。
【0042】
【表1】
【0043】
(表1)から明らかなように、Y、Yb、Lu、Ti、Caからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む酸化物粉末を含むことによって、高温における充電効率が著しく向上することがわかる。なお、放電電圧に関しては、マグネシウムを固溶した水酸化ニッケルを用いたことにより、いずれも高い値を示した。なお、ここでは、Y2O3、Yb2O3、Lu2O3、TiO2、CaOの組成からなる粉末を用いたが、これ以外の酸化物、または、水酸化物、または、それらの混合粉末に関しても同様な効果が認められた。
【0044】
(実施例2)
実施例1に記載のニッケル正極作製方法において、Y2O3粉末を水酸化ニッケルに対して0〜5重量%となるように添加した。それ以外は実施例1と同様にして、Y2O3粉末の含有量が異なるニッケル正極、および、それを用いた円筒密閉電池を作製し、それらの電池特性を評価した。評価方法は、20℃において、120mAの電流で15時間充電し、240mAの電流で電池電圧1.0Vまで放電する充放電サイクルを繰り返し、放電容量が安定した後、45℃において、120mAの電流で15時間充電し、20℃において、240mAの電流で電池電圧1.0Vまで放電し、その放電容量から活物質の利用率Bを算出した。また、次のサイクルでは、20℃において、120mAの電流で15時間充電し、20℃において、3600mAの電流で電池電圧1.0Vまで放電し、その放電容量から活物質の利用率Cを算出した。
【0045】
図1は、前記実験の結果を表す図であって、Y2O3粉末の含有量と45℃で充電した際の利用率および3600mA放電時の利用率との関係を示す特性図である。この図から、Y2O3粉末の含有量が0.5重量%以上で高温充電(45℃)時に高い利用率を示し、かつ、3重量%以下で高率放電(3600mA)時に高い利用率を示すことがわかる。従って、高温充電効率および高率放電特性を高めるためには、Y2O3粉末の含有量が0.5重量%以上3重量%以下であることが好ましい。なお、ここではY2O3粉末を用いた例を示したが、これ以外のY、Yb、Lu、Ti、Caからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む酸化物粉末においても、同様な傾向が認められた。
【0046】
(実施例3)
実施例1に記載の活物質粒子合成条件において、硫酸ニッケルと硫酸マグネシウムからなる混合水溶液中の硫酸ニッケルと硫酸マグネシウムの混合比を、ニッケルとマグネシウムの総モル数に対するマグネシウムのモル数が0.5〜10モル%の範囲になるようにした。それ以外は実施例1と同様にして金属水酸化物粉末を得た。
【0047】
得られた金属水酸化物粉末は、いずれも平均粒径10μmの球状粉末であり、タップ密度は1.9g/cm3以上であった。組成分析を実施した結果、得られた金属水酸化物中のマグネシウム固溶量は、合成に用いた水溶液の混合比と同様に、0.5〜10モル%であった。また、硫酸根量は0.3±0.01重量%の範囲であった。また、CuKα線を用いたX線回折パターンを記録したところ、β−Ni(OH)2型の単相であることが確かめられ、マグネシウムは水酸化ニッケルに固溶していることが確認された。また、2θ=37〜40゜付近の(101)面のピーク半価幅は0.9±0.02゜であった。
【0048】
前記マグネシウム固溶量の異なるサンプルを正極活物質として、実施例1と同様にしてニッケル正極、および、それを用いた円筒密閉電池を作製し、それらの電池特性を評価した。評価方法は、20℃において、120mAの電流で15時間充電し、240mAの電流で電池電圧1.0Vまで放電する充放電サイクルを繰り返し、放電容量が安定した後、平均放電電圧と活物質の利用率を算出した。なお、利用率は、活物質中のニッケルが一電子反応したときの理論電気量に対して算出した。
【0049】
図2は、これらの実験の結果を表す図であって、マグネシウム固溶量に対する利用率と平均放電電圧との関係を示す特性図である。この図から、マグネシウム固溶量が2モル%以上で平均放電電圧が顕著に上昇する傾向があることがわかる。また、マグネシウム固溶量が7モル%より多くなると利用率が低下する傾向があることがわかる。従って、マグネシウム固溶量としては、2モル%以上7モル%以下が適切であると考えられる。なお、前記範囲の正極活物質を用いた場合においても、実施例1と同様に、ニッケル正極中Y2O3を含むことで、いずれも高温充電効率に優れていた。
【0050】
(実施例4)
実施例1に記載の活物質粒子合成条件において、結晶性の異なるサンプルを得ることを目的として、水酸化ナトリウム水溶液の濃度を4.2〜6mol/lとした。なお、前記水酸化ナトリウム濃度の違いにより、pH値は11〜12.5の範囲で異なる値を示した。これ以外は実施例1と同様にして金属水酸化物粉末を得た。
【0051】
得られた金属水酸化物粉末は、いずれも平均粒径10μmの球状粉末であり、タップ密度は1.9g/cm3以上であった。また、いずれもβ−Ni(OH)2型の単相であり、マグネシウム固溶量は5モル%であった。また、硫酸根量は0.3±0.01重量%の範囲であった。また、CuKα線を用いたX線回折パターンを記録したところ、前記水酸化ナトリウムの濃度の違い(pH値の違い)により、2θ=37〜40゜付近の(101)面のピーク半価幅が異なり、0.63〜1.31゜であった。
【0052】
前記の半価幅が異なるサンプルを活物質として、実施例1と同様にして円筒密閉電池を作製し、それらの電池特性を評価した。評価方法は、20℃において、120mAの電流で15時間充電し、240mAの電流で電池電圧1.0Vまで放電する充放電サイクルを繰り返し、放電容量が安定した後、利用率A(240mA放電時)を算出した。また、次のサイクルでは、120mAの電流で15時間充電し、3600mAで放電し、その放電容量から利用率C(3600mA放電時)を算出した。
【0053】
図3は、前記実験の結果を表す図であって、(101)面の半価幅と前記240mA放電時および3600mA放電時の利用率との関係を示す特性図である。この図から、(101)面の半価幅が0.7゜以上で低率放電(240mA)時に高い利用率を示し、かつ、1.2゜以下で高率放電(3600mA)時に高い利用率を示すことがわかる。従って、高利用率で、かつ、高率放電特性を高めるためには、CuKα線を使用するX線回折の2θ=37〜40゜付近の(101)面のピーク半価幅0.7以上1.2以下であることが好ましい。なお、前記範囲の正極活物質を用いた場合においても、実施例1と同様に、ニッケル正極中にY2O3を含むことで、いずれも高温充電効率に優れていた。
【0054】
(実施例5)
実施例1に記載の活物質粒子合成条件において、沈殿物を分離した後、アルカリ処理を行う時間や回数を変えることで、金属水酸化物中の硫酸イオン(硫酸根)含有量の異なる活物質粉末を得た。これ以外は実施例1と同様にして金属水酸化物粉末を得た。
【0055】
得られた金属水酸化物粉末は、いずれも平均粒径10μmの球状粉末であり、タップ密度は1.9g/cm3以上であった。また、いずれもβ−Ni(OH)2型の単相であり、マグネシウム固溶量は5モル%であった。また、硫酸根量は0.05〜1.0重量%の範囲であった。また、CuKα線を用いたX線回折パターンを記録したところ、2θ=37〜40゜付近の(101)面のピーク半価幅は0.9±0.1゜であった。
【0056】
前記の硫酸根含有量が異なるサンプルを活物質として、実施例1と同様にして円筒密閉電池を作製し、それらの電池特性を評価した。評価方法は、20℃において、120mAの電流で15時間充電し、240mAの電流で電池電圧1.0Vまで放電する充放電サイクルを繰り返し、放電容量が安定した後、120mAの電流で15時間充電し、3600mAで放電し、その放電容量から利用率(3600mA放電時)を算出した。
【0057】
図4は、前記実験の結果を表す図であって、硫酸根の含有量と3600mA放電時の利用率との関係を示す特性図である。この図から、硫酸根量が0.5重量%以下で高率放電(3600mA)時に高い利用率を示すことがわかる。従って、高率放電特性を高めるためには、結晶内に含まれる硫酸根が0.5重量%以下であることが好ましい。なお、前記範囲の正極活物質を用いた場合においても、実施例1と同様に、ニッケル正極中にY2O3を含むことで、いずれも高温充電効率に優れていた。
【0058】
(実施例6)
実施例1に記載の活物質粒子合成条件において、結晶の配向性の異なるサンプルを得ることを目的として、反応装置内の温度を20〜70℃の範囲内で変化させて合成した。これ以外は実施例1と同様にして金属水酸化物粉末を得た。
【0059】
得られた金属水酸化物粉末は、いずれも平均粒径10μmの球状粉末であり、タップ密度は1.9g/cm3以上であった。また、いずれもβ−Ni(OH)2型の単相であり、マグネシウム固溶量は5モル%であった。また、硫酸根量は0.3±0.01重量%の範囲であった。また、CuKα線を用いたX線回折パターンを記録したところ、2θ=37〜40゜付近の(101)面のピーク半価幅は0.9±0.1゜であった。また、反応装置内の温度の違いにより、2θ=37〜40゜付近の(101)面のピーク強度Aに対する、2θ=37〜40゜付近の(001)面のピーク強度Bの比B/Aが1.0〜1.3の範囲となった。
【0060】
前記のピーク強度比が異なるサンプルを活物質として、実施例1と同様にして円筒密閉電池を作製し、それらの電池特性を評価した。評価方法は、20℃において、120mAの電流で15時間充電し、240mAの電流で電池電圧1.0Vまで放電する充放電サイクルを繰り返し、放電容量が安定した後、利用率A(240mA放電時)を算出した。また、次のサイクルでは、120mAの電流で15時間充電し、3600mAで放電し、その放電容量から利用率C(3600mA放電時)を算出した。
【0061】
図5は、前記実験の結果を表す図であって、(101)面のピーク強度Aに対する、(001)面のピーク強度Bの比B/Aと3600mA放電時の利用率との関係を示す特性図である。この図から、B/Aの値が1.1以上で高率放電(3600mA)時に高い利用率を示すことがわかる。従って、高率放電特性を更に高めるためには、CuKα線を使用するX線回折の2θ=37〜40゜付近に位置する(101)面のピークAに対する、2θ=18〜21゜付近に位置する(001)面のピーク強度Bの比B/Aが1.1以上であることが好ましい。なお、前記範囲の正極活物質を用いた場合においても、実施例1と同様に、ニッケル正極中にY2O3を含むことで、いずれも高温充電効率に優れていた。
【0062】
(実施例7)
実施例1に記載の活物質粒子合成条件において、得られた金属酸化物粉末を硫酸コバルト水溶液中に投入し、水酸化ナトリウム水溶液を徐々に加え、35℃でpHが12を維持するように調整しながら攪拌を続けて、金属酸化物粒子表面に水酸化コバルトを析出させて、水酸化コバルト被覆マグネシウム固溶水酸化ニッケル粉末とした。ここで水酸化コバルトの被覆量については、粒子総重量に対する被覆層重量比率が10重量%となるように調整した。作製した水酸化コバルト被覆粉末は水洗した後、真空乾燥を行った。ここで得られた水酸化コバルト被覆粉末は、平均粒径10μmの球状粉末であり、タップ密度は1.9g/cm3であった。
【0063】
次に、前記水酸化コバルト被覆粉末の改質処理を以下の手順により行った。まず、水酸化コバルト被覆粉末に45重量%の水酸化カリウム水溶液の適量を含浸させ、これをマイクロ波加熱の機能を備えた乾燥装置内に投入して加熱し、酸素を送りながら粒子を完全乾燥まで導いた。この操作によって、粒子表面の水酸化コバルト被覆層は酸化を受け、粒子は藍色に変化した。得られたコバルト酸化物被覆粉末を水洗した後、真空乾燥を行った。
【0064】
ヨードメトリー法により全金属のトータル価数を求め、その値よりコバルトの平均価数を算出したところ、被覆層中のコバルトの平均価数は3.2価を示した。
【0065】
なお、前記水酸化コバルト被覆粉末に含浸させる溶液としては、高濃度の水酸化カリウム水溶液を用いたが、同様にして高濃度の水酸化ナトリウム水溶液を用いても、被覆層中のコバルトの平均価数は3.0価より大きい値を示した。
【0066】
このコバルト酸化物被覆粉末を活物質として、実施例1と同様にして円筒密閉電池を作製し、それらの電池特性を評価した。評価方法は、20℃において、120mAの電流で15時間充電し、240mAの電流で電池電圧1.0Vまで放電する充放電サイクルを繰り返し、放電容量が安定した後、120mAの電流で15時間充電し、3600mAで放電し、その放電容量から利用率(3600mA放電時)を算出した。
【0067】
その結果、利用率90%と高い値を示したことから、コバルト酸化物により表面が被覆されている活物質においても、同様に、高率放電特性に優れることがわかる。なお、前記活物質を用いた場合においても、実施例1と同様に、ニッケル正極中にY2O3を含むことで高温充電効率に優れていた。
【0068】
(実施例8)
実施例7記載の活物質粒子合成条件において、水酸化カリウムの濃度、酸化時間を変えて酸化処理を実施した。その結果、コバルト酸化物被覆層中のコバルト平均価数は3価前後でばらついた。このコバルト酸化物被覆粉末を活物質として、実施例7と同様にして、3600mAでの放電容量から利用率(3600mA放電時)を算出した。
【0069】
その結果、コバルト平均価数が3価より小さいと高率放電特性が著しく劣ることがわかった。従って、コバルト酸化物被覆層中のコバルトの平均価数は、3価より大きいことが好ましい。
【0070】
(実施例9)
実施例1に記載のニッケル正極、円筒密閉電池作製方法において、Y2O3粉末を添加しないでペーストを調製した以外は、実施例1と同様にして作製したニッケル正極を用い、電解液に5mol/lの水酸化カリウムと2mol/lの水酸化ナトリウムの混合液を用いた以外は、実施例1と同様にして円筒型密閉電池を作製した。
【0071】
実施例9と比較例1の円筒型密閉電池を用い、それらの電池特性を評価した。なお、これらの電池は電解液組成のみが異なる。20℃において、120mAの電流で15時間充電し、240mAの電流で電池電圧1.0Vまで放電する充放電サイクルを繰り返し、放電容量が安定した後、平均放電電圧と活物質の利用率A(20℃充電時)を算出した。また、次のサイクルでは、45℃において、120mAの電流で15時間充電し、20℃において、240mAの電流で電池電圧1.0Vまで放電し、その放電容量から活物質の利用率B(45℃充電時)を算出した。(表2)に、それらの結果を示す。
【0072】
【表2】
【0073】
(表2)から明らかなように、電解液が水酸化ナトリウムを含むことによって、高温における充電効率が著しく向上することがわかる。なお、放電電圧に関しては、マグネシウムを固溶した水酸化ニッケルを用いたことにより、いずれも高い値を示した。
【0074】
なお、ここでは実施例1で合成した活物質を用いたが、実施例3〜8で合成した活物質においても、同様に水酸化ナトリウムを含む電解液を用いることによって高温充電効率が向上する効果が認められた。従って、高率放電特性および高温充電効率の向上を図ることができた。
【0075】
(実施例10)
実施例9に記載のアルカリ蓄電池作製方法において、水酸化ナトリウム含有量が、電解液に対して0〜7mol/lとなるようにした。なお、その際、全アルカリ金属水酸化物濃度が7mol/lとなるように水酸化カリウムを混合した。それ以外は実施例1と同様にして、水酸化ナトリウム含有量が異なる円筒密閉電池を作製し、それらの電池特性を評価した。評価方法は、20℃において、120mAの電流で15時間充電し、240mAの電流で電池電圧1.0Vまで放電する充放電サイクルを繰り返し、放電容量が安定した後、45℃において、120mAの電流で15時間充電し、20℃において、240mAの電流で電池電圧1.0Vまで放電し、その放電容量から活物質の利用率Bを算出した。また、次のサイクルでは、20℃において、120mAの電流で15時間充電し、20℃において、3600mAの電流で電池電圧1.0Vまで放電し、その放電容量から活物質の利用率Cを算出した。
【0076】
図6は、前記実験の結果を表す図であって、水酸化ナトリウム含有量と45℃で充電した際の利用率および3600mA放電時の利用率との関係を示す特性図である。この図から、水酸化ナトリウム含有量が1mol/l以上で高温充電(45℃)時に高い利用率を示し、かつ、5mol/l以下で高率放電(3600mA)時に高い利用率を示すことがわかる。従って、高温充電効率および高率放電特性を高めるためには、1mol/l以上5mol/l以下であることが好ましい。
【0077】
(実施例11)
実施例1に記載のアルカリ蓄電池作製方法において、電解液に5mol/lの水酸化カリウムと2mol/lの水酸化ナトリウムの混合液を用いた以外は、実施例1と同様にして円筒型密閉電池を作製した。評価方法は、20℃において、120mAの電流で15時間充電し、240mAの電流で電池電圧1.0Vまで放電する充放電サイクルを繰り返し、放電容量が安定した後、45℃において、120mAの電流で15時間充電し、20℃において、240mAの電流で電池電圧1.0Vまで放電し、その放電容量から活物質の利用率Bを算出した。また、次のサイクルでは、20℃において、120mAの電流で15時間充電し、20℃において、3600mAの電流で電池電圧1.0Vまで放電し、その放電容量から活物質の利用率Cを算出した。その結果、45℃充電での利用率Bは80%となり、高温充電効率の著しい向上が認められた。また、3600mA放電での利用率Cは90%となり、高率放電特性においても優れることが確認された。なお、Y以外に、Yb、Lu、Ti、Caからなる群から選ばれた少なくとも1種を含む酸化物を含む場合においても同等の効果が確認された。
【0078】
以上により、本発明の活物質を用い、さらに、酸化物を正極に含み、電解液が水酸化ナトリウムを含むことで、高率放電特性に優れ、かつ、高温充電効率に優れたニッケル正極が得られることを確認することができた。
【0079】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、放電電圧が高く、かつ、高率放電時に高い利用率を発現する出力特性に優れ、かつ、高温充電効率に優れたアルカリ蓄電池用ニッケル正極およびアルカリ蓄電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるニッケル正極中のY2O3含有量に対する高温充電時の利用率、高率放電時の利用率の変化を示す図
【図2】本発明の実施例によるニッケル正極中の活物質のマグネシウム固溶量に対する利用率、平均放電電圧の変化を示す図
【図3】本発明の実施例によるニッケル正極中の活物質のCuKα線を使用するX線回折の2θ=37〜40゜付近の(101)面のピーク半価幅に対する低率放電時の利用率、高率放電時の利用率の変化を示す図
【図4】本発明の実施例によるニッケル正極中の活物質の硫酸根含有量に対する高率放電時の利用率の変化を示す図
【図5】本発明の実施例によるニッケル正極中の活物質のCuKα線を使用するX線回折の2θ=37〜40゜付近の(101)面のピーク強度Aに対する、2θ=37〜40゜付近の(001)面のピーク強度Bの比B/Aに対する高率放電時の利用率の変化を示す図
【図6】本発明の実施例によるアルカリ蓄電池の電解液中の水酸化ナトリウム含有量に対する高温充電時の利用率、高率放電時の利用率の変化を示す図
Claims (10)
- 少なくともマグネシウムを固溶状態で含む水酸化ニッケルであって、マグネシウムの含有割合は、水酸化ニッケル中の全金属元素に対して2モル%以上7モル%以下であり、タップ密度が1.9g/cm3以上の粉末であって、CuKα線を使用するX線回折の2θ=37〜40゜付近に位置する(101)面のピークの半価幅が0.7゜以上1.2゜以下の範囲にあり、CuKα線を使用するX線回折の2θ=37〜40゜付近に位置する(101)面のピーク強度Aに対する2θ=18〜21゜付近に位置する(001)面のピーク強度Bの比B/Aが1.1以上であり、結晶内に含まれる硫酸根が0.5重量%以下である粉末を主成分とするニッケル正極であって、Y、Yb、Lu、Ti、Caからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む酸化物粉末を、水酸化ニッケルに対して0.5重量%以上3重量%以下含むことを特徴とするアルカリ蓄電池用ニッケル正極。
- 前記水酸化ニッケル粉末は、コバルト酸化物により、その表面が被覆されている請求項1記載のアルカリ蓄電池用ニッケル正極。
- 前記コバルト酸化物のコバルトの平均価数は、3価より大きいことを特徴とする請求項2記載のアルカリ蓄電池用ニッケル正極。
- ニッケル正極、負極、電解液を具備するアルカリ蓄電池において、前記ニッケル正極は、少なくともマグネシウムを固溶状態で含む水酸化ニッケルであって、マグネシウムの含有割合は、水酸化ニッケル中の全金属元素に対して2モル%以上7モル%以下であり、タップ密度が1.9g/cm3以上の粉末であって、CuKα線を使用するX線回折の2θ=37〜40゜付近に位置する(101)面のピークの半価幅が0.7゜以上1.2゜以下の範囲にあり、CuKα線を使用するX線回折の2θ=37〜40゜付近に位置する(101)面のピーク強度Aに対する2θ=18〜21゜付近に位置する(001)面のピーク強度Bの比B/Aが1.1以上であり、結晶内に含まれる硫酸根が0.5重量%以下である粉末を主成分とするニッケル正極であって、かつ、Y、Yb、Lu、Ti、Caからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む酸化物粉末を、水酸化ニッケルに対して0.5重量%以上3重量%以下含むことを特徴とするアルカリ蓄電池。
- 前記水酸化ニッケル粉末は、コバルト酸化物により、その表面が被覆されている請求項4記載のアルカリ蓄電池。
- 前記コバルト酸化物のコバルトの平均価数は、3価より大きいことを特徴とする請求項5記載のアルカリ蓄電池。
- ニッケル正極、負極、電解液を具備するアルカリ蓄電池において、前記ニッケル正極は、少なくともマグネシウムを固溶状態で含む水酸化ニッケルであって、マグネシウムの含有割合は、水酸化ニッケル中の全金属元素に対して2モル%以上7モル%以下であり、タップ密度が1.9g/cc以上の粉末であって、CuKα線を使用するX線回折の2θ=37〜40゜付近に位置する(101)面のピークの半価幅が0.7゜以上1.1゜以下の範囲にあり、CuKα線を使用するX線回折の2θ=37〜40゜付近に位置する(101)面のピーク強度Aに対する2θ=18〜21゜付近に位置する(001)面のピーク強度Bの比B/Aが1.1以上であり、結晶内に含まれる硫酸根が0.5重量%以下である粉末を主成分とし、かつ、Y、Yb、Lu、Ti、Caからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む酸化物粉末を、水酸化ニッケルに対して0.5重量%以上3重量%以下含むニッケル正極であり、前記電解液は少なくとも水酸化ナトリウムを含むことを特徴とするアルカリ蓄電池。
- 前記水酸化ナトリウムの含有量が、電解液に対して1mol/l以上5mol/l以下であることを特徴とする請求項7記載のアルカリ蓄電池。
- 前記ニッケル酸化物粉末は、コバルト酸化物により、その表面が被覆されている請求項7記載のアルカリ蓄電池。
- 前記コバルト酸化物のコバルトの平均価数は、3価より大きいことを特徴とする請求項9記載のアルカリ蓄電池。
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