JP3746093B2 - 周波数多重光スイッチ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバなどの光による周波数多重伝送路と接続され、入方路の任意の周波数チャネルを任意の出方路に出力する周波数多重光スイッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周波数多重光スイッチの従来装置に関する文献には、行松健一編著「光スイッチング技術入門」があり、これには3つの方式が記載されている。その1つは、入方路の周波数多重光信号を周波数チャネル選択素子に入力して周波数別に分離し、この分離された各周波数光を光マトリクス・スイッチに入力して所望の出方路に出力する回線交換方式である。その2は、入方路の光信号を出方路数だけパワー分岐して多周波数選択フィルタに入力し、所望の周波数の光のみを出方路に出力する方式である。3番目の方式は、入力される多周波数の光信号の各周波数ごとに回線設定できる回線交換スイッチを、例えば音響光学(AO)素子の2x2 スイッチにより構成する方式である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来方式のなかで、パワー損失が少なく、多数の方路のスイッチングが容易に実現できる点で第1番目の方式が有利である。周波数多重度Nの多重回線をM本、扱う従来のスイッチN(M、Nは自然数)は、1多重回線ごとに周波数チャネル選択素子を接続してN個の周波数別の出力に分離し、同一周波数ごとにマトリクス・スイッチに接続するように構成されている。したがって、入力段のみを考えても、NxM 本の接続線が立体的に交差することになり、スペースファクタが悪く、製造に手間がかかるという欠点があった。
【0004】
本発明はこのような従来技術の欠点を解消し、構成が簡素な周波数多重光スイッチを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、多重度Nに周波数多重された周波数多重光信号を伝送するM本の光伝送路に入出力端が接続(MおよびNはそれぞれ自然数)され、入出力端の間で周波数多重光信号をスイッチングする周波数多重光スイッチにおいて、光スイッチは、M本の光伝送路に接続され周波数多重光信号が入力されるM本の入力端を有し周波数多重光信号を多重分離して互いに周波数の異なるN個の光信号をM組、NxM 本の出力端に出力する多重分離素子と、互いに周波数の異なるN個の光信号がM組、入力されるNxM 本の入力端を有し、M組のN個の光信号を多重度Nの周波数多重光信号に多重化してM本の出力端より出力する多重化素子と、同一周波数の光信号が入力されるM本の入力端を有し、この入力された光信号をM本の出力端の所望のポートに出力するN個のマトリクス・スイッチと、多重分離素子のNxM 本の出力端から得られる光信号のうち同一周波数のM個の光信号をN個のマトリクス・スイッチのうちの同一スイッチの入力端に接続する第1の接続手段と、N個のマトリクス・スイッチのうちの同一スイッチのM本の出力端をそれぞれ多重化素子の入力端のうちの同一周波数のM本の入力端に接続する第2の接続手段とを含む。
【0006】
本発明によればまた、それぞれ多重度Nの周波数多重光信号を伝送するM本の第1のポートと、互いに周波数の異なるN個の光信号をM組、伝送するNxM 本の第2のポートとを有し、M本の第1のポートに周波数多重光信号が到来すると、これを多重分離してNxM 本の第2のポートに出力し、NxM 本の第2のポートに互いに周波数の異なるN個の光信号が到来すると、これを多重化してM本の第1のポートに出力する光周波数ルータが提供される。
【0007】
このように、周波数多重伝送路に接続されるM本の入出力端と、N個のマトリクス・スイッチの各M本の入出力端に接続される多重分離素子のM本の出力端および多重化素子のM本の入力端は、それぞれ隣接している。したがって、スイッチの入出力端間を接続する光ファイバまたは光配線基板上の光接続路の接続手段は、平行な配置となり、かつ入出力段の周波数ルータの内部で多重度Nの分離と多重化が行われるので、従来方式に比べて接続配線の本数も減少する。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に添付図面を参照して本発明による周波数多重光スイッチの実施例を詳細に説明する。図1は本発明による周波数多重光スイッチの実施例を示す機能ブロック図である。実施例の周波数多重光スイッチ10は、2つの周波数ルータ11および12を有し、一方の、すなわち入り側の周波数ルータ11には入方路13の光ファイバケーブルの周波数多重光伝送路が収容され、他方の、すなわち出側の周波数ルータ12には出方路14の光ファイバケーブルの周波数多重光伝送路が収容されて、入方路13の任意の周波数チャネルを任意の出方路14に出力する回線交換装置である。
【0009】
周波数ルータ11および12は、同じ構成でよく、本実施例では最大ポート数が9で扱える最大の周波数多重数が9の9x9 型の光ルーティング素子である。その論理構成は、図3に示すように、#1〜#9の9本のポートa、および同じく#1〜#9の9本のポートbを備え、周波数多重された入力ポートaの光信号を出力ポートbにルーティングする。各ポートa1〜a9およびb1〜b9は、マトリクス15として同図に示すような周波数選択特性を有する。より詳細には、ポートa1〜a9に、互いに異なる周波数f0〜f8を有する光信号が入力すると、マトリクス15における各列に示す周波数の光信号をポートb1〜b9に出力する。同様に、ポートb1〜b9に周波数f0〜f8の光信号が入力すると、マトリクス15における各行に示す周波数の光信号をポートa1〜a9に出力する。このような光ルーティング素子を入側の周波数ルータ11に適用する場合は、入力ポートa1、a2およびa3のみを使用し、出側の周波数ルータ12に適用する場合は、出力ポートa1、a2およびa3のみを使用する。この例では、使用する周波数はf2、f5およびf8である。
【0010】
図4は、図1の周波数ルータ11および12の使用するポートとその周波数の関係を示す機能図である。図3において、入側の周波数ルータ11に適用される場合、たとえば、互いに隣接するポートa1、a2およびa3に多重周波数f2、f5およびf8の光信号が入力されると、マトリクス15内に実線のブロック16、17および18で示すように、周波数f2の光信号は互いに隣接するポートb1、b2およびb3に、同様に周波数f5はポートb4、b5およびb6に、さらに周波数f8はポートb7、b8およびb9に、それぞれ出力される。つまり、同じ周波数がまとまって隣接するポートに出力される。逆に、出側の周波数ルータ12に適用される場合は、マトリクス15内に点線のブロック16、19および20で示すように、互いに隣接するポートb1〜b3、b4〜b6およびb7〜b9にそれぞれ周波数f2、f5およびf8の光信号が入力されると、互いに隣接するポート1a〜3aに多重周波数f2、f5およびf8の光信号が出力される。このようにして、周波数ルータ11または12の周波数f0〜f8を適切に選択することにより、隣接するポートを用いて多重周波数の分離と、周波数の多重化が実現される。
【0011】
図3に示す周波数ルータ11または12の入出力ポートaおよびbの数を自然数nとすると(入出とも同一)、周波数多重度Nのポート数がMである関係から、NxM=n となる。入/出力ポート数nは144 が限界と考えられるので、M=12およびN=12程度の周波数ルータが実現される。周波数間隔は、最密状態のM倍の波長、すなわち周波数f(M0+Mi)の光を用いる。ただし、i=1、2、3、・・・・であり、M0は定数である。
【0012】
図2は、図4に示す光周波数ルータ11または12の機構の例を概念的に示す。本実施例では光周波数ルータ11および12はそれぞれ、光配線基板30の上に平面状に形成されている。光配線基板30の上には平面導波路21および23が形成され、両者は導波路アレイ25を介して互いに接続されている。一方の平面導波路21は、ポートa1、a2およびa3を有し、これらに導波路アレイ22が接続されている。他方の平面導波路23はポートb1〜b9を有し、これらに別な導波路アレイ24が接続されている。相互接続の導波路アレイ25は、互いに長さの異なる複数、NW本の個別の導波路25a がピッチdで平面導波路21および23に接続されて平面状に配列されて構成されている。導波路アレイ22は、ポートa1、a2およびa3に対応して、隣接する相互間の角度すなわち導差角度が△θで配列された3本の個別導波路を含み、入方路13または出方路14に対応している。本実施例では、導波路アレイ24における隣り合う導波路も導差角度△θで配列されている。平面導波路21および23の屈折率をns、導波路アレイ25における隣り合う導波路25a の間の光路長の差を△L、使用する波長の平均をλ0 とすると、波長λi とλi+1 との間の波長間隔△λW は、△λW =2nsdΔθ/m、ただしm=2nc ΔL/λ0 であり、ncは導波路アレイ25における等価屈折率である。また、分波波長半値幅△λFWは、△λFW=λ0/(NWm) である。
【0013】
前述のように、波長間隔は、最密状態のM倍、すなわちM△λW =△λFWでよいので、導波路アレイ22の隣接する導波路の間の角度△θは、Δθ=λ0/2nsdMNW とすることもできる。
【0014】
図1に戻って、周波数ルータ11の出ポートb1〜b3と周波数ルータ12の入りポートb1〜b3との間には、光マトリクス・スイッチ43が図示のように配設されている。同様に、周波数ルータ11の出ポートb4〜b6と周波数ルータ12の入りポートb4〜b6との間には光マトリクス・スイッチ44が、また周波数ルータ11の出ポートb7〜b9と周波数ルータ12の入りポートb7〜b9との間には、光マトリクス・スイッチ45が、それぞれ図示のように配設されている。光マトリクス・スイッチ43、44および45は、本実施例では、光配線基板30上に配設され、入ポート31、32および33のそれぞれにおいて単一の周波数の入力信号を外部からの制御信号に応動して任意の出ポート34、35および36にスイッチングし出力する入出力3x3 のスイッチである。これによって、周波数多重光スイッチ10は全体として、従来技術に関連して第1番目の方式として説明したものと同等の機能を、光配線基板30上に平面状に、すなわち複雑な立体配線や交差配線を設けずして、実現することができる。
【0015】
光配線基板30に設けられた入力段の周波数ルータ11は、ポートa1、a2およびa3に接続された入方路13より周波数f2、f5およびf8の多重化光信号が入力されると、隣接配置のポートb1〜b3、b4〜b6、およびb7〜b9にそれぞれ周波数f2、f5およびf8の光信号を分配して出力する。周波数ルータ11は、光配線基板30上に形成された光接続路、または光ファイバのリンク41を介して各周波数f2、f5およびf8に対応する光マトリクス・スイッチ43、44および45の入ポート31〜33と接続されている。各スイッチ43、44および45の出ポート34〜36は、リンク41と同様のリンク42を介して周波数ルータ12の周波数f2、f5およびf8の入ポートb1〜b3、b4〜b6およびb7〜b9に接続されている。一方のリンク41は、対応する周波数ルータ11と各スイッチ43、44および45における隣接配置の3ポート31〜33との間の経路であり、また他方のリンク42は、対応する周波数ルータ12と各スイッチ43、44および45における隣接配置の3ポート34〜36との間の光信号経路を構成し、平行して整然と設けられている。したがって、従来におけるような光スイッチ間の経路配線の立体交差の交錯がない。
【0016】
同様に、光配線基板30上に設けられた出力段の周波数ルータ12は、入ポートb1〜b3、b4〜b6およびb7〜b9から入力されるそれぞれ周波数f2、f5およびf8の光信号を多重化して出方路14に多重化信号として出力する。
【0017】
動作状態において、たとえば周波数ルータ11のポートa1のチャネルf5の光信号を周波数ルータ12のポートa3に接続する場合は、外部からの制御信号に応動して以下の経路で転送が行われる。すなわち、(周波数ルータ11のポートa1)−(同ポートb4〜b6)−(リンク41)−(光マトリクス・スイッチ20のポート31〜33)−(同ポート34〜36)−(リンク42)−(周波数ルータ12のポートb4〜b6)−(同ポートa3)。こうして本発明によれば、複数のポート間、および周波数チャネル間の完全な回線交換が複雑な立体配線や交差配線を設けずして実現される。
【0018】
【発明の効果】
このように本発明によれば、入力段で周波数多重チャネルを分離する周波数分離素子と、出力段で周波数多重化を行なう周波数多重化光素子は、同一の構成の周波数ルータを使用し、また入出力段から光マトリクス・スイッチに接続される同一周波数の複数の端子は、隣接して配置されている。したがって、光ファイバまたは光配線基板上の光接続路が整然と平行に配置され、それらの本数も少ないので、従来技術における立体配線や交差配線がなくなり、スペースファクタがよく、製造工数が低減された周波数多重光スイッチを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による周波数多重光スイッチの実施例を示す機能ブロック図である。
【図2】図1に示す実施例の周波数ルータの光配線基板上の機構の例を概念的に示す構成図である。
【図3】同実施例における周波数ルータのポートの周波数特性のマトリクスの例を示す図である。
【図4】図3に示す周波数ルータのポートと周波数の関係を例示する機能図である。
【符号の説明】
10 周波数多重光スイッチ
11、12 周波数ルータ
13 入方路
14 出方路
15 マトリクス
43、44、45 光マトリクス・スイッチ
Claims (4)
- 多重度Nに周波数多重された周波数多重光信号を伝送するM本の光伝送路に入出力端が接続(MおよびNはそれぞれ自然数)され、該入出力端の間で前記周波数多重光信号をスイッチングする周波数多重光スイッチにおいて、該光スイッチは、
前記M本の光伝送路に接続され前記周波数多重光信号が入力されるM本の入力端を有し、該周波数多重光信号を多重分離して互いに周波数の異なるN個の光信号をM組、NxM 本の出力端に出力する多重分離素子と、
該互いに周波数の異なるN個の光信号がM組、入力されるNxM 本の入力端を有し、該M組のN個の光信号を多重度Nの周波数多重光信号に多重化してM本の出力端より出力する多重化素子と、
同一周波数の光信号が入力されるM本の入力端を有し、該入力された光信号をM本の出力端の所望のポートに出力するN個のマトリクス・スイッチと、
前記多重分離素子のNxM 本の出力端から得られる光信号のうち同一周波数のM個の光信号を前記N個のマトリクス・スイッチのうちの同一スイッチの入力端に接続する第1の接続手段と、
前記N個のマトリクス・スイッチのうちの同一スイッチのM本の出力端をそれぞれ前記多重化素子の入力端のうちの同一周波数のM本の入力端に接続する第2の接続手段とを含み、
前記多重分離素子および多重化素子は、入力端に到来する光信号を周波数に応じて出力端に分配する光周波数ルータをそれぞれ、含み、
さらに、該光周波数ルータは、最密状態における波長にて M × i ( i は自然数)倍の波長を光信号の波長間隔として加えた波長を用い、該波長に対応した特性を有する一つのポートに多重度 N の周波数多重光信号および周波数が異なる N 個の光信号の供給に応じてそれぞれ、配される第1および第2の平面導波路手段と、
第1および第2つの平面導波路手段を相互に接続するアレイ状の導波路手段とを含むことを特徴とする周波数多重光スイッチ。 - 請求項1に記載の周波数多重光スイッチにおいて、前記周波数ルータは、前記多重分離素子のNxM 本の出力端のうちの同一周波数のM本の出力端が互いに隣接して配列されるポートと、前記多重化素子の入力端のうちの同一周波数のM本の入力端が互いに隣接して配列されるポートを有するように、前記使用周波数が選択され、該選択された使用周波数で動作する周波数特性が配置されていることを特徴とする周波数多重光スイッチ。
- 最密状態における波長にて M × i ( i は自然数)倍の波長を光信号の波長間隔として加えた波長を使用周波数条件に用い、それぞれ多重度Nの周波数多重光信号を伝送するM本の第1のポートと、互いに周波数の異なるN個の光信号をM組、伝送するNxM 本の第2のポートとを有し、前記M本の第1のポートに前記周波数多重光信号が到来すると、これを多重分離して前記NxM 本の第2のポートに出力し、前記NxM 本の第2のポートに互いに周波数の異なるN個の光信号が到来すると、これを多重化して前記M本の第1のポートに出力することを特徴とする光周波数ルータ。
- 請求項3に記載の光周波数ルータにおいて、該光周波数ルータは、
光配線基板と、
該光配線基板上に配設され、M本の第1のポートに接続された第1の平面導波路と、
前記光配線基板上に配設され、NxM 本の第2のポートに接続された第2の平面導波路と、
前記光配線基板上に配設され、互いに光路長の異なる複数本の平面導波路を含み、第1および第2の平面導波路を相互に接続する平面導波路アレイとを含むことを特徴とする光周波数ルータ。
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