JP3746587B2 - スピーカ - Google Patents
スピーカ Download PDFInfo
- Publication number
- JP3746587B2 JP3746587B2 JP10066797A JP10066797A JP3746587B2 JP 3746587 B2 JP3746587 B2 JP 3746587B2 JP 10066797 A JP10066797 A JP 10066797A JP 10066797 A JP10066797 A JP 10066797A JP 3746587 B2 JP3746587 B2 JP 3746587B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- diaphragm
- contact portion
- polymer resin
- foamable polymer
- thermally foamable
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Details Of Audible-Bandwidth Transducers (AREA)
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Audible-Bandwidth Dynamoelectric Transducers Other Than Pickups (AREA)
- Diaphragms For Electromechanical Transducers (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は音響機器等に用いられるスピーカの振動板に関し、詳しくは、振動板に設けられたハトメで発生する熱を効果的に断熱するための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スピーカは、アンプからの電気信号を音波に変換する機器であり、図7に示すように、マグネット21、センターポール22およびヨーク23で構成される磁気回路20と、ボイスコイル31と、ボイスコイルボビン32と、ダンパ40と、スピーカフレーム50と、振動板12等とを用いて構成されている。
【0003】
この図7に示されるスピーカにおいては、センターポール22とヨーク23との間でマグネット21により磁界が発生する。そして、一様に生じているこの磁界の向きに対して垂直に交差して電流が流れるように設けられているボイスコイル31に信号電流を流すと、ボイスコイル31およびボイスコイルボビン32に力が加わり、ボイスコイルボビン32に接着された振動板12がこれらと共にピストン運動して空気を振動させ音波を放射する。
【0004】
以上のように構成され機能するスピーカにおいては、ボイスコイル31に、外部からの信号電流を導くためのワイヤ(図示省略)を接続する必要がある。このワイヤは、スピーカフレーム50に設置されたターミナル51からボイスコイル31に導かれて接続されている。この接続方法としては、次の2通りの方法が用いられている。第一の方法は、ボイスコイル31から伸びる銅線を振動板12に設けたハトメ11にハンダ結合し、さらにハトメ11からターミナル51までを金糸線で結ぶ方法であり、第二の方法は、コイルワイヤとハンダ結合された金糸線を直接ボイスコイルボビン32に接着しボイスコイル31からターミナル51までを金糸線で結ぶ方法である。
【0005】
第一の方法であるハトメ経由の配線(以下「ハトメ経由配線」という)は、金糸線の重量による振動系の偏心が原因となる異常振幅を防ぎ、また、金糸線の共振による歪の発生をも防ぐため、入力の大きい大口径、または大振幅が要求されるスピーカに用いられている。第二の方法は、入力の小さい小口径で低振幅のスピーカに主に用いられている。
【0006】
この「ハトメ経由配線」を用いて構成されているスピーカにおいては、定格入力を上回る過大電流がワイヤに流れた際に、線材に用いられている銅やアルミに比較して抵抗値の大きいハトメやそのハトメのハンダ部分で発熱を起こす場合がある。ハトメ部分において発熱が起こり急激な温度上昇が発生すると、その熱がハトメから振動板に伝わることによって、振動板の温度が上昇し、スピーカに故障が発生するおそれがある。
【0007】
この場合、スピーカが通常の動作を行っておれば、振動板が振幅することによって生じる空気の流れにより、発熱したハトメやそのハンダ部分は冷却されるので特に問題は生じない。
【0008】
また、ハトメと振動板との間の熱伝達を遮断するために、耐熱ゴム、耐熱繊維および耐熱樹脂フィルム等をハトメと振動板との間に挟んでハトメを圧着する試みもなされている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術に係るスピーカにおいては、大口径、大振幅のスピーカにおける大入力の際に、ボイスコイルボビンが、トッププレートを乗り上げたり、変形して磁気ギャップ内で固定されることがある。このような状態になると、振動板は通常の動作を行うことができず、空気の流れも生じない。そうすると、ハトメ部分で発生した熱が、ハトメから振動板に伝わることによって、振動板の温度が上昇し、スピーカに故障発生のおそれがある。
【0010】
また、ハトメと振動板との間に耐熱ゴム等を挟む構成においては、振動板を構成する紙パルプ等の発火温度と、耐熱ゴム、耐熱繊維および耐熱樹脂フィルム等を構成する高分子素材の分解および破壊温度は、それぞれ400℃前後とほぼ等しく、一方、コイルに過大電流が流れたときに瞬間的に発生する温度は1000℃レベルにおよぶため実用的ではない。
【0011】
さらに、このような問題点を有する「ハトメ経由配線」ではあるが、大口径、大振幅のスピーカにおける音響特性を鑑みると、他の配線方法に代替することは困難である。
【0012】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、ハトメと振動板との間の熱伝達を効果的に遮断し、安価でその製造が容易であるスピーカを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第一の構成に係るスピーカは、振動板に接点部が形成され、信号電流を導くためのワイヤが前記接点部を介してボイスコイルに接続され、前記振動板の全面あるいは前記振動板の前記接点部の周辺部分に、熱発泡性高分子樹脂層が形成されていることを特徴とする。この第一の構成に係るスピーカによれば、定格を越える過剰な入力電圧がかかることによって、銅ワイヤやアルミワイヤに比べて電気抵抗値の大きい半田等による前記接点部が発熱したとしても、その熱によって前記熱発泡性高分子樹脂が発泡し、前記接点部の周辺に発泡炭化層が形成されるため、前記接点部における熱が前記振動板に伝わるのを効果的に防止することができる。
【0014】
本発明の第二の構成に係るスピーカは、振動板に第一の接点部と第二の接点部とが形成され、前記第一の接点部に信号電流を導くためのワイヤが接続され、前記第二の接点部にボイスコイルからのワイヤが接続され、前記第一の接点部と前記第二の接点部とが導電性樹脂膜により電気的に接続されており、前記各接点部の温度が一定値以上のときに前記導電性樹脂膜が破断して前記第一の接点部と前記第二の接点部との電気的接続が遮断されるように、前記振動板の所定領域に、熱発泡性高分子樹脂層が形成されていることを特徴とする。この第二の構成に係るスピーカによれば、前記第一の構成と同様に、前記各接点部の周辺に発泡炭化層が形成されることにより、前記各接点部における熱を効果的に断熱するとともに、前記第一の接点部と前記第二の接点部との電気的接続を遮断するため、前記各接点部を結ぶ接点部分における熱の発生を防止することができる。
【0015】
また、本発明の第二の構成に係るスピーカにおいては、前記振動板の一方の面において、前記第一の接点部と前記第二の接点部とを含む周辺部分に前記熱発泡性高分子樹脂層が形成され、前記振動板の他方の面において、前記第一の接点部または前記第二の接点部のどちらか一方の接点部のみを含む周辺部分に前記熱発泡性高分子樹脂層が形成され、前記振動板の他方の面に形成されている前記熱発泡性高分子樹脂層に重ねて、前記振動板の他方の面の前記第一の接点部と前記第二の接点部とを含む周辺部分に前記導電性樹脂膜が形成されていることが好ましい。この好ましい例によれば、前記各接点部および前記各接点部を結ぶ接点部分においてる熱が発生した場合、その熱によって前記熱発泡性高分子樹脂が発泡し、前記接点部の周辺に発泡炭化層が形成され、さらに、前記発泡炭化層によって前記導電性樹脂膜が持ち上げられて断線する。したがって、前記各接点部における熱を効果的に断熱するとともに、各接点部を結ぶ接点部分における熱の発生を防止することができる。
【0016】
また、本発明の第二の構成に係るスピーカにおいては、前記導電性樹脂膜の破断時に生ずる火花が、前記振動板に直接接触しないように、前記振動板に前記熱発泡性高分子樹脂層が形成されていることが好ましい。この好ましい例によれば、前記導電性樹脂膜の破断時に火花が発生しても、その火花が前記振動板に直接接触しないように前記熱発泡性高分子樹脂層が形成されているので、前記火花によって前記振動板が発火することがない。
【0017】
また、本発明の第二の構成に係るスピーカにおいては、前記振動板の他方の面の前記第一の接点部と前記第二の接点部との間の領域における前記導電性樹脂膜の破断時の断線部分の延長線上に、前記熱発泡性高分子樹脂層が形成されていることが好ましい。この好ましい例によれば、前記導電性樹脂膜の破断時に発生する火花は断線部分の延長線上に落ちることが多いため、前記火花が前記振動板に直接接触することを効果的に防止することができる。
【0018】
また、本発明に係るスピーカにおいては、前記熱発泡性高分子樹脂層または前記導電性樹脂膜の少なくとも一方が、スクリーン印刷またはスプレー印刷によって形成されていることが好ましい。この好ましい例によれば、前記スピーカを構成する前記振動板の量産性を向上させることができる。
【0019】
また、本発明に係るスピーカにおいては、前記熱発泡性高分子樹脂層が、前記振動板上に形成された熱発泡性高分子樹脂膜であることが好ましく、さらに、前記熱発泡性高分子樹脂層が、熱発泡性高分子樹脂を前記振動板に含浸して形成された熱発泡性高分子樹脂含浸層であることが好ましい。この好ましい例によれば、比較的容易に、前記熱発泡性高分子樹脂層を形成することができる。
【0020】
また、本発明に係るスピーカにおいては、前記接点部が、ハトメを用いて構成されていることが好ましい。この好ましい例によれば、比較的容易かつ安価で、前記接点部を構成することが可能となる。
【0021】
また、本発明に係るスピーカにおいては、前記振動板が、ハロゲン系またはリン系の難燃剤を含浸させた基材を用いて構成されていることが好ましい。この好ましい例によれば、前記振動板の不燃性が向上する。
【0022】
また、本発明に係るスピーカにおいては、前記熱発泡性高分子樹脂層を構成する樹脂が、アクリル樹脂であることが好ましい。なお、前記アクリル樹脂とは、アクリル酸およびその誘導体を重合したものの総称であり、アクリル酸およびそのエステル、アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリル酸およびそのエステルなどの重合体および共重合体などが含有される。
【0023】
また、本発明に係るスピーカにおいては、前記熱発泡性高分子樹脂層を構成する樹脂が、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、またはメタクリル酸メチルの重合体およびそれらの共重合体から選択された少なくとも一つの樹脂、またはこれらの成分を含むアクリル系高分子樹脂であることが好ましい。
【0024】
また、本発明に係るスピーカにおいては、前記熱発泡性高分子樹脂層を構成する発泡剤が、ポリリン酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウム、酢酸アミル、酢酸ブチル、ジアゾアミノベンゼンから選択された少なくとも一つであることが好ましい。
【0025】
また、本発明に係るスピーカにおいては、前記熱発泡性高分子樹脂層が、所定の温度で発泡を開始し、樹脂部分が炭化層を形成することが好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第一の実施形態)
図1は、本発明の第一の実施形態に係るスピーカを構成している振動板の上面図を示している。図2は、図1のX−X断面図を示している。以下、本実施形態に係るスピーカを構成する振動板の製造方法、およびその機能について説明する。
【0027】
図1および図2に示される振動板2は、例えば紙を用いて形成されている。まずはじめに、この振動板2のハトメ1を装着する部分(接点部)の周辺部分に、熱発泡性高分子樹脂を塗布する。本実施形態においては、熱発泡性高分子樹脂を塗布することにより、厚さがおよそ100μm、半径がハトメ1の直径のおよそ1.5倍である熱発泡性高分子樹脂膜3を振動板2の両面に形成させる。その後、熱発泡性高分子樹脂膜3を50℃雰囲気下で1時間乾燥させ、熱発泡性高分子樹脂膜3のほぼ中央に、ハトメ1を装着する。なお、本実施形態においては、接点部を2箇所設けている状態を示しているが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、必要に応じて1箇所あるいは3箇所以上設けてもよい。
【0028】
ここで用いられている熱発泡性高分子樹脂は、例えば、アクリル系樹脂を基材として、それにポリリン酸アンモニウム等の発泡剤を添加したものである。この熱発泡性高分子樹脂は、200℃付近で発泡を開始し、同時に基材であるアクリル系樹脂が発泡炭化層を形成する。このアクリル系樹脂としては、アクリロニトリル、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸メチルの重合体及びそれらの共重合体から選択された少なくとも一つの樹脂が好ましい。また、発泡剤としては、炭酸アンモニウム、酢酸アミル、酢酸ブチル、ジアゾアミノベンゼン等が挙げられる。
【0029】
本実施形態に係るスピーカは、以上のようにして得られた振動板2を用いて構成されている。スピーカの構成は、基本的に図7と同様である。
次に、本実施形態に係るスピーカの機能について図2および図3を用いて説明する。まず、スピーカを構成するボイスコイルからのワイヤと金糸線とをハトメ1で半田接合した後、金糸線の一方を外部端子(ターミナル)と接合する。図3に示すように、ハトメ1には半田接合部8が接続されている。次に、スピーカに電圧を印加するために、スピーカの電極に電圧コードを接続し、さらにスライダックを接続する。そして、スライダックを調整しながら、徐々に電圧を上昇させていく(つまり、ハトメ1部分の温度を徐々に上昇させていく)。その結果、電圧40V付近でハトメ1周辺の熱発泡性高分子樹脂膜3が発泡を開始し、ボイスコイルが断線して破壊するまで熱発泡性高分子樹脂膜3の発泡は続いたが、ハトメ1からの熱による振動板2の発火は起こらなかった。
【0030】
これは、ハトメ1部分において急激な温度上昇が起こっても、ハトメ1部分で生じた熱により熱発泡性高分子樹脂膜3が発泡して発泡炭化層4が形成され、この発泡炭化層4がハトメ1部分における急激な温度上昇から振動板2を保護するためである。このときの振動板断面図を図3に示す。この図3に示すように、ハトメ1と振動板2との間に発泡炭化層4が介在することとなるため、本実施形態に係るスピーカ(ハトメ周辺の構造)においては、ハトメ1部分における急激な温度上昇から振動板2を保護することが可能となる。
【0031】
以下、さらに具体的に、発泡炭化層の生成過程におけるハトメ部周辺の状況について説明する。
発泡炭化層が生成する際には、水蒸気および二酸化炭素が発生するため、ハトメ部周辺の酸素濃度は低下する。つまり、振動板を構成する紙(パルプ)等の基材が燃焼する際に必要な酸素濃度が低下して窒息効果を与える。また、それと同時に、反応熱を奪い冷却効果をも生む。また、形成された発泡炭化層は外界からの酸素の進入を妨げ、基材の表面を完全に覆うため、炎の発生を押さえる働きがある。
【0032】
さらに、発泡炭化層がハトメそのものをも覆ってしまうため、発泡炭化層内部に形成された気泡セルが断熱効果を生み、基材のパルプに熱を伝達する時間を遅らせる効果がある。また、このように、ハトメが発泡炭化層に覆われた状態では、それ以上にハトメ部分の温度が上昇し続けても、発泡炭化層内部では基材が蒸し焼き状態となって炭化するのみであり、発泡炭化層に十分覆われている限り発火に至ることはない。
【0033】
なお、振動板上の接点部周辺に、ハロゲン系、リン系等の難燃性を付与する物質を含浸させれば、さらに、接点部(ハトメ部分の周辺)から振動板への熱伝達を緩和することが可能となり、振動板の燃焼の可能性を低減させることができる。
【0034】
(第二の実施形態)
図4は、本発明の第二の実施形態に係るスピーカを構成している振動板の上面図を示している。図5は、図4のX−X断面図を示している。以下、本実施形態に係るスピーカを構成する振動板の製造方法、およびその機能について説明する。
【0035】
本実施形態に係る振動板2は、第一の実施形態と同様に、例えば紙を用いて構成されている。本実施形態と第一の実施形態との異なる点は、振動板2上に形成されている熱発泡性高分子樹脂膜3a,3bの形状と、2箇所に設けられている接点部(第一のハトメ1a,第二のハトメ1b)を導電性樹脂膜5を用いて導通させている点である。本実施形態において使用する熱発泡性高分子樹脂等は、基本的に第一の実施形態と同様である。以下、具体的に説明する。
【0036】
まず、振動板の表面2aの第一のハトメ1aの周辺に熱発泡性高分子樹脂膜3aを形成し、振動板の裏面2bの第一のハトメ1aと第二のハトメ2bとを含む領域の周辺に熱発泡性高分子樹脂膜3bを形成する。ここで、熱発泡性高分子樹脂膜3a,3bは、100μm程度の厚さとする。そして、50℃雰囲気下で1時間乾燥させる。
【0037】
次に、振動板の表面2aの第一のハトメ1aと第二のハトメ2bとを含む領域であり、かつ振動板の表面2aに形成された熱発泡性高分子樹脂膜3aに重なるように導電性樹脂膜5を形成する。ここで、導電性樹脂膜5は、100μm程度の厚さとする。そして、室温で24時間乾燥させる。熱発泡性高分子樹脂膜3aと導電性樹脂膜5とが重なり合った境界部分6の延長線上には、熱発泡性高分子樹脂膜3aがやや長めに形成されている。
【0038】
本実施形態に係るスピーカは、以上のようにして得られた振動板2を用いて構成されている。スピーカの構成は、図7と同様である。
次に、本実施形態に係るスピーカの機能について図5および図6を用いて説明する。まず、スピーカを構成するボイスコイルからのワイヤと金糸線とを第一のハトメ1aおよび第二のハトメ1bで半田接合した後、金糸線の一方を外部端子(ターミナル)と接合する。図6に示すように、半田接合部8は、ハトメ1a,1bに接続されている。上述したように、第一のハトメ1aと第二のハトメ1bとは、振動板の表面2aに設けられている導電性樹脂膜5によって電気的に接続されている。
【0039】
そして、第一の実施形態と同様に、スピーカに電圧を印加するために、スピーカの電極に電圧コードを接続し、さらにスライダックを接続する。そして、スライダックを調整しながら、徐々に電圧を上昇させていく(つまり、ハトメ1部分の温度を徐々に上昇させていく)。その結果、本実施形態においても、電圧40V付近でハトメ1a,1b周辺の熱発泡性高分子樹脂膜3は発泡を開始した。
【0040】
本実施形態においては、図5に示すように、熱発泡性高分子樹脂膜3a,3bと導電性樹脂膜5とを振動板2上に塗布し、部分的に熱発泡性高分子樹脂膜3aと導電性樹脂膜5とが二層構造(熱発泡性高分子樹脂膜3aが下層)となるように構成したので、熱発泡性高分子樹脂膜3aが発泡することによって、熱発泡性高分子樹脂膜3a上の導電性樹脂膜5が持ち上げられ、境界部分6が破壊されて断線し、導通が失われて、振動板2のさらなる温度上昇を未然に防止することができる。つまり、本実施形態においては、熱発泡性高分子樹脂膜3aと導電性樹脂膜5との二層構造部分が、いわゆる「ヒューズ」として機能することとなる。この状態を示しているのが図6である。図6に示すように、本実施形態においては、過大入力等により電気的に抵抗値の高い接点部が、振動板またはボイスコイル等の部材を破壊する高温に至っても、下層の熱発泡性高分子樹脂膜3aが反応して発泡炭化層4となり上層の導電性樹脂膜5を持ち上げるため、境界部分6が破壊されて断線部分7が生ずる。この場合は、接点部よりもむしろ導電性樹脂膜部分の発熱によって断線部分7が生ずることとなる。また、この図6から明らかなように、熱発泡性高分子樹脂膜3がハトメ1や振動板2を保護しながら発泡して発泡炭化層4を形成し、この発泡炭化層4の形成にともなって導電性樹脂膜5が持ち上げられ、破断部分7が生じている。
【0041】
以上のように、本実施形態においては、熱発泡性高分子樹脂3を用いたハトメ1周辺の不燃化と、熱発泡性高分子樹脂膜3aと導電性樹脂膜5とを用いた印刷型の「ヒューズ」との両者を併用することにより、ハトメ等で構成される接点部付近の温度が上昇して紙パルプの発火点温度を越えた場合であっても、振動板への引火等を未然に防止することができる。
【0042】
また、本実施形態においては、熱発泡性高分子樹脂膜3a上の導電性樹脂膜5が持ち上げられて境界部分6が破壊され、断線部分7が生ずるときに、破断面に沿って火花が発生する可能性がある。この火花が振動板2に直接接触すると、振動板2が発火するおそれもあるので好ましくない。そこで、本実施形態においては、上述したように、境界部分6の延長線上に、熱発泡性高分子樹脂膜3aがやや長めに形成されている(図4参照)。このような構造とすることにより、破断面に沿って発生する火花は、熱発泡性高分子樹脂膜3a上に落ちることとなり、振動板2と火花とが直接接触することを防止することができる。
【0043】
なお、本実施形態においては、振動板の表面に導電性樹脂膜を形成して境界部分(ヒューズ部分)を構成する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、振動板の裏面に導電性樹脂膜を形成して境界部分(ヒューズ部分)を構成してもよい。
【0044】
また、以上の各実施形態においては、振動板に樹脂膜を形成する際にスクリーン印刷やスプレー印刷等によってプリント処理すれば、量産性を向上させることができる。
【0045】
さらに、以上の各実施形態においては、振動板の一方の面あるいは、両方の面上に熱発泡性高分子樹脂を塗布して熱発泡性高分子樹脂膜を形成する場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、例えば、シート状の熱発泡性高分子樹脂膜を所定の位置に配置したり、熱発泡性高分子樹脂を振動板に含浸させるような構成でもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ハトメと振動板との間の熱伝達を効果的に遮断し、安価でその製造が容易であるスピーカを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態に係るスピーカを構成する振動板の上面図
【図2】図1のX−X断面図
【図3】熱発泡性高分子樹脂膜発泡後(発泡炭化層形成後)の図1のX−X断面図
【図4】本発明の第二の実施形態に係るスピーカを構成する振動板の上面図
【図5】図4のX−X断面図
【図6】熱発泡性高分子樹脂膜発泡後(発泡炭化層形成後)の図4のX−X断面図
【図7】スピーカの概略構成図
【符号の説明】
1 ハトメ
1a 第一のハトメ
1b 第二のハトメ
2 振動板
2a 振動板の表面
2b 振動板の裏面
3,3a,3b 熱発泡性高分子樹脂膜
4 発泡炭化層
5 導電性樹脂膜
6 境界部分
7 断線部分
8 半田接合部
Claims (14)
- 振動板に接点部が形成され、信号電流を導くためのワイヤが前記接点部を介してボイスコイルに接続され、前記振動板の全面あるいは前記振動板の前記接点部の周辺部分に、熱発泡性高分子樹脂層が形成されているスピーカ。
- 振動板に第一の接点部と第二の接点部とが形成され、前記第一の接点部に信号電流を導くためのワイヤが接続され、前記第二の接点部にボイスコイルからのワイヤが接続され、前記第一の接点部と前記第二の接点部とが導電性樹脂膜により電気的に接続されており、前記各接点部の温度が一定値以上のときに前記導電性樹脂膜が破断して前記第一の接点部と前記第二の接点部との電気的接続が遮断されるように、前記振動板の所定領域に、熱発泡性高分子樹脂層が形成されているスピーカ。
- 前記振動板の一方の面においては、前記第一の接点部と前記第二の接点部とを含む周辺部分に前記熱発泡性高分子樹脂層が形成され、前記振動板の他方の面においては、前記第一の接点部または前記第二の接点部のどちらか一方の接点部のみを含む周辺部分に前記熱発泡性高分子樹脂層が形成され、前記振動板の他方の面に形成されている前記熱発泡性高分子樹脂層に重ねて、前記振動板の他方の面の前記第一の接点部と前記第二の接点部とを含む周辺部分に前記導電性樹脂膜が形成されている請求項2に記載のスピーカ。
- 前記導電性樹脂膜の破断時に生ずる火花が、前記振動板に直接接触しないように、前記振動板に前記熱発泡性高分子樹脂層が形成されている請求項2または3に記載のスピーカ。
- 前記振動板の他方の面の前記第一の接点部と前記第二の接点部との間の領域における前記導電性樹脂膜の破断時の断線部分の延長線上に、前記熱発泡性高分子樹脂層が形成されている請求項4に記載のスピーカ。
- 前記熱発泡性高分子樹脂層または前記導電性樹脂膜の少なくとも一方が、スクリーン印刷またはスプレー印刷によって形成されている請求項1から5のいずれか1項に記載のスピーカ。
- 前記熱発泡性高分子樹脂層が、前記振動板上に形成された熱発泡性高分子樹脂膜である請求項1から6のいずれか1項に記載のスピーカ。
- 前記熱発泡性高分子樹脂層が、熱発泡性高分子樹脂を前記振動板に含浸して形成された熱発泡性高分子樹脂含浸層である請求項1から6のいずれか1項に記載のスピーカ。
- 前記接点部が、ハトメを用いて構成されている請求項1から8のいずれか1項に記載のスピーカ。
- 前記振動板が、ハロゲン系またはリン系の難燃剤を含浸させた基材を用いて構成されている請求項1から9のいずれか1項に記載のスピーカ。
- 前記熱発泡性高分子樹脂層を構成する樹脂が、アクリル樹脂である請求項1から10のいずれか1項に記載のスピーカ。
- 前記熱発泡性高分子樹脂層を構成する樹脂が、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、またはメタクリル酸メチルの重合体およびそれらの共重合体から選択された少なくとも一つの樹脂、またはこれらの成分を含むアクリル系高分子樹脂である請求項1から10のいずれか1項に記載のスピーカ。
- 前記熱発泡性高分子樹脂層を構成する発泡剤が、ポリリン酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウム、酢酸アミル、酢酸ブチル、ジアゾアミノベンゼンから選択された少なくとも一つである請求項1から12のいずれか1項に記載のスピーカ。
- 前記熱発泡性高分子樹脂層が、所定の温度で発泡を開始し、樹脂部分が炭化層を形成する請求項1から13のいずれか1項に記載のスピーカ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10066797A JP3746587B2 (ja) | 1997-04-17 | 1997-04-17 | スピーカ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10066797A JP3746587B2 (ja) | 1997-04-17 | 1997-04-17 | スピーカ |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10294991A JPH10294991A (ja) | 1998-11-04 |
| JP3746587B2 true JP3746587B2 (ja) | 2006-02-15 |
Family
ID=14280140
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10066797A Expired - Lifetime JP3746587B2 (ja) | 1997-04-17 | 1997-04-17 | スピーカ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3746587B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007194828A (ja) * | 2006-01-18 | 2007-08-02 | Pioneer Electronic Corp | スピーカー装置用振動体及びスピーカー装置 |
| US8794373B1 (en) * | 2013-03-15 | 2014-08-05 | Bose Corporation | Three-dimensional air-adsorbing structure |
-
1997
- 1997-04-17 JP JP10066797A patent/JP3746587B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH10294991A (ja) | 1998-11-04 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP3229404U (ja) | パウチリチウム電池パックの延焼防止構造 | |
| EP3906702B1 (en) | Systems and methods for unconstrained battery spring tab assemblies for in-ear headphone | |
| US11115745B2 (en) | Systems and methods for antenna and ground plane mounting schemes for in-ear headphone | |
| CN110572746B (zh) | 一种用于发声装置的导电膜以及发声装置 | |
| JP3746587B2 (ja) | スピーカ | |
| US5602931A (en) | Connection line | |
| CN113784261A (zh) | 振动组件、扬声器及电子设备 | |
| CN116367056A (zh) | 一种适用于消防救援设备的扬声器 | |
| JP3353491B2 (ja) | スピーカ | |
| JPS5843335Y2 (ja) | 複合スピ−カ | |
| JP3824764B2 (ja) | スピーカ | |
| KR20220126915A (ko) | 평판형 방염 시스템 하네스 및 이를 가지는 배터리 모듈 | |
| JP3658107B2 (ja) | スピーカ | |
| JPH11353993A (ja) | 端子台 | |
| CN211125702U (zh) | 动力电池的安全盖板组件及具有其的动力电池 | |
| CN115484530B (zh) | 盆架组件、音频模组和电子设备 | |
| JPH10294994A (ja) | スピーカ | |
| CN223502560U (zh) | 一种喇叭温度防护电路及喇叭装置 | |
| TW202505564A (zh) | 使用保險絲以防止一喇叭單體燒毀之用途、揚聲器、喇叭結構、車用喇叭接頭以及車用喇叭 | |
| CN212677442U (zh) | 一种负离子高压电路板 | |
| JPH08289395A (ja) | スピーカ構造 | |
| JP2002247692A (ja) | スピーカ | |
| JP2003179991A (ja) | スピーカ保護装置 | |
| JPH01233999A (ja) | スピーカ用ボイスコイルリードの配線方法 | |
| CN120601215A (zh) | 一种时钟弹簧 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040220 |
|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20051115 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20051121 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20051124 |
|
| R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091202 Year of fee payment: 4 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091202 Year of fee payment: 4 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101202 Year of fee payment: 5 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111202 Year of fee payment: 6 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111202 Year of fee payment: 6 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121202 Year of fee payment: 7 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121202 Year of fee payment: 7 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131202 Year of fee payment: 8 |
|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |