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JP3748563B2 - 検波器およびアレイアンテナ装置 - Google Patents
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JP3748563B2 - 検波器およびアレイアンテナ装置 - Google Patents

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本発明は、拡散符号によって多重化された変調信号を逆拡散処理して検波する検波器および当該検波器を用いたアレイアンテナ装置に関する。
ディジタル通信システムにおいては、1つの物理的な伝送路で複数のチャンネルの信号を多重化して伝送し、装置の小型化を図る方式が広く用いられている。その一つに符号拡散多重化方式がある。この方式では、信号生成側においては複数の信号のそれぞれに対し、相互に直交化された拡散符号信号を掛け合わせ、それらを加算合成し、符号拡散多重化信号を生成する。信号再生側においてはその多重化信号に対し再度、直交化された拡散符号信号を掛け合わせ、拡散符号区間に亘り積分することにより信号を再生する。ここに、符号が直交するとは2つの符号を互いに乗じて積分したときに値が零になる関係をいう。互いに直交する符号の性質を利用すれば、信号再生側においては自らが再生しようとする信号以外の信号は再生されることはなく、複数のチャンネルの信号を多重化したものから信号を分離再生することができる。符号拡散多重化方式は、移動通信システムの送受信波や、通信システム内における多チャンネル伝送路、例えばアレイアンテナの給電部などに用いられている。符号拡散多重化方式については以下の文献に開示されている。
丸林元、中川正雄、河野隆二 共著「スペクトル拡散通信とその応用」、(社)電子情報通信学会、1998年10月
一般に信号生成側で符号拡散多重化された信号は、アナログ信号で伝送されることが多い。例えば図6に示すアレイアンテナ装置3では、各アンテナ32から受信された信号は、符号拡散多重化器34によって符号拡散多重化される。多重化された変調信号は、アナログ受信部38で中間周波数帯に周波数変換された後、検波装置1でディジタル直交検波および逆拡散処理が施される。ディジタル直交検波および逆拡散処理は、図7に示すような検波装置1によって行われる。アナログ回路から入力された符号拡散多重化変調信号は、A/D変換器10によってディジタル信号に変換された後、各アンテナ32に対応する検波器2に入力される。入力された符号拡散多重化変調信号は、拡散符号乗算器14によって拡散符号が掛け合わされた後、ディジタル直交検波器16によって同相成分および直交成分が抽出され、積分器24において拡散符号区間に亘り積分が施される。このような処理によって、積分器24の出力からはIチャンネル、Qチャンネルからなるベースバンド信号が得られる。Iチャンネル信号とQチャンネル信号をI−Q座標系にプロットすると、時間変化と共に図8に示すようなベースバンド信号の複素振幅ベクトル軌跡に対応する図形、いわゆるコンスタレーションが得られ、軌跡に対応したディジタル信号が再生される。
一般にアナログ回路では、周波数有効利用のため、あるいは回路の周波数特性により伝送信号の周波数帯域を広げることができないため、伝送信号は必然的に帯域制限を受ける。したがって、図6におけるアナログ受信部38においても、符号拡散多重化変調信号が周波数帯域制限を受けることは十分考慮されなければならない。
当該信号が周波数帯域制限を受けることによる問題としては波形歪みがある。符号拡散多重化変調信号は、矩形波の拡散符号信号が掛け合わされることで生成されるため、拡散符号の符号変化点において不連続点を有する。急峻な振幅変化を呈する信号は、その周波数スペクトラムが広がるため幅広い周波数帯域幅を占有する。図9(e)にはこのような不連続点を有する、多重化信号を構成する信号のうち一つの符号拡散変調信号(以下、単一符号拡散変調信号とする。)の例を示す。この信号は、図9(a)に示すQPSK変調信号と、図9(b)に示す拡散符号信号を掛け合わせることによって得られる信号であり、図9(c)から図9(e)では時間を引き延ばして示している。拡散符号信号の区間は、QPSK信号の1シンボル区間のn分の1(nは自然数)に設定する。このような幅広い周波数帯域幅を占有する信号がアナログ回路に伝送されると、当該信号は周波数帯域制限を受け、特に振幅変化が急峻な不連続点近傍の波形が歪むこととなる。図9(f)にはこのように周波数帯域を受け、波形が歪んだ単一符号拡散変調信号の例を示す。このような波形歪みは、ディジタル直交検波信号の位相および振幅に誤差を生ずる。図10は、検波誤差を生じた場合におけるコンスタレーションを示しており、この状態では軌跡に対応するディジタル信号を得ることが困難であることがわかる。
本発明はこのような課題に対してなされたものであり、周波数帯域制限によって生じた波形歪みに基づく検波誤差を低減させた、符号拡散多重化変調信号に対する検波器を提供する。
本発明は、拡散符号によって多重化され、振幅値をサンプリングしたサンプル値として入力される多重化信号を逆拡散処理して検波する検波器であって、前多重化信号のサンプル値の一部を前記逆拡散処理に寄与させない間引き処理を行い、前記間引き処理を、サンプリングされる前における前記多重化信号の不連続点に最も近いサンプル点のサンプル値に対して行うことによって、前記不連続点の存在によって前記多重化信号に生じる波形歪み成分の前記逆拡散処理への寄与を低減することを特徴とする。
また、本発明に係る検波器においては、前記間引き処理は、前記拡散符号の符号変化点を検出し、当該検出結果に基づいて前記逆拡散処理に寄与させない前記サンプル値を指定し、当該指定された前記サンプル値を前記逆拡散処理に寄与させない処理を行う間引き器によって行われる構成とすることが好適である。
また、本発明は、拡散符号によって多重化され、振幅値をサンプリングしたサンプル値として入力される多重化信号を逆拡散処理して検波する検波器であって、前記多重化信号のサンプル値の一部を前記逆拡散処理に寄与させない間引き処理を行い、前記間引き処理は、サンプリングされる前における前記多重化信号の不連続点に最も近いサンプル点のサンプル値に対して行い、前記間引き処理は、前記拡散符号の符号変化点を検出し、当該検出結果に基づいて前記逆拡散処理に寄与させない前記サンプル値を指定し、当該指定された前記サンプル値を前記逆拡散処理に寄与させない処理を行う間引き器によって行われることを特徴とする。
また、本発明に係る検波器においては、前記多重化信号と前記拡散符号とを乗算して出力する拡散符号乗算器と、前記拡散符号乗算器によって前記拡散符号が乗算された後の信号を積分する積分器と、を備え、前記逆拡散処理は、前記拡散符号乗算器と前記積分器とによって行われる構成とすることが好適である。また、本発明に係る検波器においては、前記間引き処理は、前記積分器の入力において行われる構成とすることが好適である。また、本発明に係る検波器においては、前記間引き処理は、前記検波器の入力において行われる構成とすることが好適である。
また、本発明は、拡散符号によって多重化され、振幅値をサンプリングしたサンプル値として入力される多重化信号を逆拡散処理して検波する検波器であって、前記拡散符号と前記多重化信号とを乗算し、拡散符号乗算信号として出力する拡散符号乗算器と、前記拡散符号乗算信号の同相成分を抽出する同相成分抽出器と、前記拡散符号乗算信号の直交成分を抽出する直交成分抽出器と、前記同相成分のサンプル値の一部を零と置き換えて間引き同相成分として出力する同相成分間引き器と、前記直交成分のサンプル値の一部を零と置き換えて間引き直交成分として出力する直交成分間引き器と、前記間引き同相成分を積分して出力する同相成分積分器と、前記間引き直交成分を積分して出力する直交成分積分器と、を備え、前記同相成分間引き器は、前記同相成分のサンプル値のうち前記拡散符号の符号が変化するタイミングに最も近いタイミングで前記同相成分間引き器に入力されるサンプル値を零と置き換える手段を備え、前記直交成分間引き器は、前記直交成分のサンプル値のうち前記拡散符号の符号が変化するタイミングに最も近いタイミングで前記直交成分間引き器に入力されるサンプル値を零と置き換える手段を備えることを特徴とする。
また、本発明は、拡散符号によって多重化され、振幅値をサンプリングしたサンプル値として入力される多重化信号を逆拡散処理して検波する検波器であって、前記多重化信号のサンプル値の一部を零と置き換えて間引き多重化信号として出力する入力間引き器と、前記間引き多重化信号と前記拡散符号とを乗算し、間引き拡散符号乗算信号として出力する拡散符号乗算器と、前記間引き拡散符号乗算信号の同相成分を抽出する同相成分抽出器と、前記間引き拡散符号乗算信号の直交成分を抽出する直交成分抽出器と、前記同相成分を積分して出力する同相成分積分器と、前記直交成分を積分して出力する直交成分積分器と、を備え、前記入力間引き器は、前記多重化信号のサンプル値のうち前記拡散符号の符号が変化するタイミングに最も近いタイミングで前記入力間引き器に入力されるサンプル値を零と置き換える手段を備えることを特徴とする。
また、本発明は、拡散符号によって多重化され、振幅値をサンプリングしたサンプル値として入力される多重化信号を逆拡散処理して検波する検波器であって、前記拡散符号と、前記多重化信号とを乗算し、拡散符号乗算信号として出力する拡散符号乗算器と、サンプリングした正弦波信号のサンプル値の一部を零と置き換えて前記拡散符号乗算信号に乗じ、前記拡散符号乗算信号の同相成分を抽出する同相成分抽出器と、サンプリングした余弦波信号のサンプル値の一部を零と置き換えて前記拡散符号乗算信号に乗じ、前記拡散符号乗算信号の直交成分を抽出する直交成分抽出器と、前記同相成分抽出器が抽出した前記同相成分を積分して出力する同相成分積分器と、前記直交成分抽出器が抽出した前記直交成分を積分して出力する直交成分積分器と、を備え、前記同相成分抽出器は、前記拡散符号乗算信号のサンプル値のうち前記拡散符号の符号が変化するタイミングに最も近いタイミングで前記同相成分抽出器に入力されるサンプル値が前記同相成分抽出器に入力されるタイミングで、前記正弦波信号のサンプル値を零と置き換える手段を備え、前記直交成分抽出器は、前記拡散符号乗算信号のサンプル値のうち前記拡散符号の符号が変化するタイミングに最も近いタイミングで前記直交成分抽出器に入力されるサンプル値が前記直交成分抽出器に入力されるタイミングで、前記余弦波信号のサンプル値を零と置き換える手段を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る検波器においては、受信した複数の信号を拡散符号によって多重化して出力する符号拡散多重化部と、前記符号拡散多重化部が出力する信号の振幅値をサンプリングして出力するサンプリング部と、を含む受信装置、に備えられ、前記サンプリング部が出力する多重化信号を逆拡散処理して検波する構成とすることが好適である。また、本発明は、複数のアンテナによって指向性が決定されるアレイアンテナ装置であって、前記複数のアンテナによって受信された複数の信号を多重化する符号拡散多重化部と、前記符号拡散多重化部が多重化した信号を逆拡散して検波する検波部とを備え、前記検波部は上述の本発明に係る検波器を備えることを特徴とする。
本発明によれば、符号拡散多重化変調信号がアナログ回路の特性などによって帯域制限を受け、拡散符号の符号変化点に生じる振幅不連続点近傍に波形歪みを生じた場合であっても、検波誤差が低減される検波装置を実現することができる。
図1に本発明に係る検波装置の第1の実施形態の構成を示す。この検波装置1は、多重化された複数の変調信号のそれぞれに対応する検波器2から構成され、例えば図6に示すアレイアンテナの検波装置1などに用いることができる。それぞれの検波器2には互いに直交する拡散符号が割り当てられ、拡散符号を時系列で表した信号である拡散符号信号が、拡散符号生成部12から供給される。
この構成では、図1に示す検波器2の積分器24に、拡散符号の符号変化点付近のディジタルサンプルデータを破棄する手段である間引き器22が前置されている。間引き器22は、サンプルデータを破棄するタイミングを拡散符号生成手段から得て、そのタイミング近傍のサンプルデータのうち逆拡散処理に寄与させないサンプルデータを抽出し破棄する処理を行う。
ここではまず、単一符号拡散変調信号と当該単一符号拡散変調信号に対応する1つの検波器2の動作の概要について説明する。実際には、単一符号拡散変調信号が単独で伝送されることはないが、伝送路が線形であるとすれば重ねの理が成立し、各検波器2においては符号の直交性に基づいた分離再生が可能である。したがって、各検波器2の動作は入力信号が多重化されているか否かによらず同様であると考えられるため、単一符号拡散変調信号を以って検波器2の動作を説明しても一般性は失われない。
図2(c)、図2(d)、図2(e)および図2(f)はそれぞれQPSK変調信号、拡散符号信号、理想的な単一符号拡散変調信号および帯域制限された単一符号拡散変調信号の例を示す。ここで、拡散符号信号の区間は、QPSK信号の1シンボル区間のn分の1に設定する。図2(a)および図2(b)は単一符号拡散変調信号および拡散符号信号を長周期で示したものである。また、ここではA/D変換器10は搬送波周波数の4倍の固定クロックでディジタルサンプリングするものとし、図2(f)のようにサンプリング点を黒丸で示す。白丸は歪みが生じていない理想的な信号に対するサンプリング点を示す。拡散符号は+1と−1の2シンボルで構成される信号であり、当該2値のシンボルのうち1つを呈する区間を1チップと定義すると、図2の例では1チップは4ディジタルサンプルで構成される。
さて、図2(d)および図2(f)に示されるように拡散符号内のデータ変化点付近に対応する符号拡散信号の振幅不連続点においては、帯域制限のため大きな波形歪みが生じている。先述したように、この波形歪みがディジタル直交検波の際の誤差となるため、拡散符号の符号変化点に対応する点近傍でのディジタルサンプルデータを破棄し、逆拡散処理に寄与させないようにすれば、復調誤差が低減されたベースバンドデータを得ることができる。この動作は、図1の積分器24に前置された間引き器22によって、拡散符号の符号変化点付近のディジタルサンプルデータを積分計算において加算しない構成とすることで実現することができる。
積分器24は、1拡散符号区間で積分演算を行う毎にQPSKベースバンド信号の1サンプルデータを出力する。動作原理上、QPSK信号のシンボル周波数は、A/D変換器10におけるディジタルサンプル周波数よりも低く、積分演算においては1拡散符号区間内で入力されたデータを一括処理して1サンプルデータを出力するため、デジタルサンプルデータが等時間間隔で入力される必要はない。そのため、積分区間内でディジタルサンプルデータの一部が破棄されてもQPSK信号の出力シンボルデータの波形に影響を与えることはない。
次に、検波器2に、符号拡散多重化変調信号が入力されたときの動作と、各部の動作の詳細について説明する。符号拡散多重化変調信号は、互いに異なる拡散符号が割り当てられた複数の単一符号拡散変調信号を足し合わせたものである。上述のように、伝送路には重ねの理が成立するため、各検波器2における動作は、自らに割り当てられた単一符号拡散変調信号が入力された場合と全く同様のものとなる。
A/D変換器10は符号拡散多重化変調信号が入力されると、図2(f)に示すようなサンプリング間隔でディジタルサンプリングデータを出力する。A/D変換器10が出力したディジタルサンプリングデータは、拡散符号乗算器14によって拡散符号が掛け合わされ、ディジタル直交検波器16に入力される。同相成分は正弦乗算器18によって符号系列(0、−1、0、1)(図1においては−sinと記載されている。)が掛け合わされることで、直交成分は余弦乗算器20によって符号系列(1、0、−1、0)(図1においてはcosと記載されている。)が掛け合わされることでそれぞれ抽出される。ここで、拡散符号乗算器14、正弦乗算器18および余弦乗算器20における処理は、0、1または−1を乗ずる処理であるため実際に乗算器を設ける必要はなく、掛け合わせようとする符号系列に従って動作する符号反転回路およびスイッチ回路によって実現することができる。
ディジタル直交検波器16によって処理された信号は、積分器24に入力される。積分器24は、拡散符号区間に得られる信号系列を合算することで、符号拡散信号の中から直交関係にない信号成分を取り出す処理、すなわち逆拡散処理を完了し、各検波器2に割り当てられたベースバンド信号を分離再生する。ここで、積分器24には間引き器22が前置されており、拡散符号内の符号変化点付近に対応するディジタルサンプルデータを破棄した上で合算を行うため、当該データが逆拡散処理に寄与することはない。
間引き器22は、拡散符号生成部12から、拡散符号クロック信号の供給を受ける。拡散符号生成部12は、多重化拡散符号から逆拡散処理を行うシステムにおいては必ず設けられているものであり、システム仕様で定められた拡散符号信号を発生させるためのクロック信号発生回路と、仕様で定められた拡散符号系列を生成する手段などを備えているものである。
図3には間引き器22の構成を示す。間引き器22に設けられているタイミング検出部26は、拡散符号クロック信号に基づいて拡散符号信号の符号変化点が現れるタイミングを検出し、検出したタイミングでタイミングパルスを出力する。そのタイミングは、図2(d)および図2(g)のように符号拡散多重化変調信号に不連続点が生ずるタイミングに一致し、ディジタルサンプルデータの破棄は、少なくとも拡散符号の符号が変化するタイミングに最も近いサンプルデータを含む、当該タイミング近傍のサンプルデータに対して行われる。破棄範囲決定部28は、タイミング検出部26が出力するタイミングパルスに基づいて、図2(h)に示すような使用者があらかじめ設定したパルス幅の信号である破棄信号を出力する。破棄範囲決定部28内部においては、タイミングパルスの立ち下がりからτの時間をカウントし、破棄信号のパルスを立ち上げるといった動作がなされる。パルス幅を大きく設定しておけば、破棄されるディジタルサンプル点の数は多くなり、波形歪みに起因する検波誤差を十分回避することができるが、データ破棄に起因する信号対雑音比(SNR)の劣化が現れるため、使用者はかかる点を考慮してパルス幅を決定する必要がある。
破棄信号の入力を受けた切り換えスイッチ30は、ディジタルサンプルデータを破棄するタイミングにおいてデータの値を強制的に零とする。図2の例では、符号変化点すなわち不連続点近傍の2つのディジタルサンプルデータを破棄している。
第1の実施形態では、積分器24に間引き器22を前置し、サンプルデータを破棄する処理を行っている。すなわち処理は、A/D変換、拡散符号の乗算、直交検波、データ破棄、積分という順序で行っている。逆拡散による分離再生処理は、拡散符号の乗算および積分の処理の組み合わせによって実現されるため、データ破棄の処理からは独立した処理である。第1の実施形態は逆拡散による分離再生処理の過程において、データ破棄の処理を介入させて処理する形態であるといえる。このように、データ破棄の処理は分離再生処理とは独立に行い得るため、これを必ずしも積分器24の直前で行う必要はなく、以下のような実施形態も考えられる。
図4に示す第2の実施形態ではデータ破棄を拡散符号を掛け合わせる前に行うものであり、間引き器22は拡散符号乗算器14に前置される。
図5に示す第3の実施形態では、データ破棄をディジタル直交検波器16において行うものである。図5に示されるように、符号系列(0、−1、0、1)(図5においては−sinと記載されている。)は間引き器22を介して正弦乗算器18に入力され、符号系列(1、0、−1、0)(図5においてはcosと記載されている。)は間引き器22を介して余弦乗算器20に入力される。
以上説明した第1から第3の実施形態における検波器2の構成要素はデジタル回路で構成される。ディジタル回路は入力されたディジタル信号を、それによって表された2進数に対する演算処理を施した上でディジタル信号として出力するものであり、演算処理は2進数の加算、減算、桁のシフト等に帰着される。2進数の演算処理は、各計算ステップ毎にスイッチング回路を対応付けたハードウエアによって構成することが可能である。
また、DSP(Digital Signal Processor)によって構成することも可能である。DSPはあらかじめ作成されたプログラムによって動作する、基本的な演算処理を行う回路を備えたものである。乗算器と加減算器で構成される高速な積和演算器を有しており、各種の命令を原則として1命令1ステップで実行できるように構成されている。DSPを動作させるためにはプログラムが必要であり、各部の動作に応じたプログラムは周知の技術によって作成される。
DSPによって検波器2を構成する場合は、例えば間引き器22におけるタイミング検出部26が出力するタイミングパルス、破棄範囲決定手段が出力する破棄信号などが実際の信号として生成される構成とする必要はない。ただし、これらの信号を表した図2(g)および図2(h)はDSPによる設計において動作タイミングチャートとして用いられる。そして、DSPによって構成された間引き器22は、図2(g)および図2(h)に示すようなタイミングで信号が実際に生成され、各構成部がこれに基づいて動作した場合と全く同様の動作が実現されるよう演算処理を行う。なお、ここでは間引き器22がDSPで構成されるものと説明したが、その他の構成部がDSPで構成された場合についても、動作タイミングチャートに基づいて演算処理が行われるよう構成されることはいうまでもない。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものではない。たとえば上述の説明では、本発明に係る検波装置がアレイアンテナ装置3の給電部に適用されたものを例として採りあげたが、多チャンネルの信号を多重化して伝送し、それを検波する構成を有するその他の通信システムにも適用できる。また、符号拡散される変調信号の方式としてQPSK方式を採りあげたが、その他の一般のPSK方式にも適用可能である。このように、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施可能である。
本発明に係る検波装置の第1の実施形態の構成を示す図である。 本発明に係る検波装置で扱われる信号を示す図である。 間引き器の構成を示す図である。 本発明に係る検波装置の第2の実施形態の構成を示す図である。 本発明に係る検波装置の第3の実施形態の構成を示す図である。 アレイアンテナ装置の構成を示す図である。 検波装置の構成を示す図である。 コンスタレーションを示す図である。 検波装置で扱われる信号を示す図である。 符号拡散信号が周波数帯域制限を受け、波形歪みを生じた場合におけるコンスタレーションを示す図である。
符号の説明
1 検波装置、2 検波器、3 アレイアンテナ装置、10 A/D変換器、12 拡散符号生成部、14 拡散符号乗算器、16 ディジタル直交検波器、18 正弦乗算器、20 余弦乗算器、22 間引き器、24 積分器、26 タイミング検出部、28 破棄範囲決定部、30 切り換えスイッチ、32 アンテナ、34 符号拡散多重化器、36 指向性調整器、38 アナログ受信部。

Claims (11)

  1. 拡散符号によって多重化され、振幅値をサンプリングしたサンプル値として入力される多重化信号を逆拡散処理して検波する検波器であって
    多重化信号のサンプル値の一部を前記逆拡散処理に寄与させない間引き処理を行い、
    前記間引き処理を、サンプリングされる前における前記多重化信号の不連続点に最も近いサンプル点のサンプル値に対して行うことによって、前記不連続点の存在によって前記多重化信号に生じる波形歪み成分の前記逆拡散処理への寄与を低減することを特徴とする検波器。
  2. 請求項1に記載の検波器であって、
    前記間引き処理は、
    前記拡散符号の符号変化点を検出し、当該検出結果に基づいて前記逆拡散処理に寄与させない前記サンプル値を指定し、当該指定された前記サンプル値を前記逆拡散処理に寄与させない処理を行う間引き器によって行われることを特徴とする検波器。
  3. 拡散符号によって多重化され、振幅値をサンプリングしたサンプル値として入力される多重化信号を逆拡散処理して検波する検波器であって
    多重化信号のサンプル値の一部を前記逆拡散処理に寄与させない間引き処理を行い、
    前記間引き処理は、サンプリングされる前における前記多重化信号の不連続点に最も近いサンプル点のサンプル値に対して行い、
    前記間引き処理は、
    前記拡散符号の符号変化点を検出し、当該検出結果に基づいて前記逆拡散処理に寄与させない前記サンプル値を指定し、当該指定された前記サンプル値を前記逆拡散処理に寄与させない処理を行う間引き器によって行われることを特徴とする検波器。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の検波器であって、
    前記多重化信号と前記拡散符号とを乗算して出力する拡散符号乗算器と、
    前記拡散符号乗算器によって前記拡散符号が乗算された後の信号を積分する積分器と、
    を備え、
    前記逆拡散処理は、前記拡散符号乗算器と前記積分器とによって行われることを特徴とする検波器。
  5. 請求項に記載の検波器であって、
    前記間引き処理は、前記積分器の入力において行われることを特徴とする検波器。
  6. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の検波器であって、
    前記間引き処理は、前記検波器の入力において行われることを特徴とする検波器。
  7. 拡散符号によって多重化され、振幅値をサンプリングしたサンプル値として入力される多重化信号を逆拡散処理して検波する検波器であって、
    前記拡散符号と前記多重化信号とを乗算し、拡散符号乗算信号として出力する拡散符号乗算器と、
    前記拡散符号乗算信号の同相成分を抽出する同相成分抽出器と、
    前記拡散符号乗算信号の直交成分を抽出する直交成分抽出器と、
    前記同相成分のサンプル値の一部を零と置き換えて間引き同相成分として出力する同相成分間引き器と、
    前記直交成分のサンプル値の一部を零と置き換えて間引き直交成分として出力する直交成分間引き器と、
    前記間引き同相成分を積分して出力する同相成分積分器と、
    前記間引き直交成分を積分して出力する直交成分積分器と、
    を備え、
    前記同相成分間引き器は、
    前記同相成分のサンプル値のうち前記拡散符号の符号が変化するタイミングに最も近いタイミングで前記同相成分間引き器に入力されるサンプル値を零と置き換える手段を備え、
    前記直交成分間引き器は、
    前記直交成分のサンプル値のうち前記拡散符号の符号が変化するタイミングに最も近いタイミングで前記直交成分間引き器に入力されるサンプル値を零と置き換える手段を備えることを特徴とする検波器。
  8. 拡散符号によって多重化され、振幅値をサンプリングしたサンプル値として入力される多重化信号を逆拡散処理して検波する検波器であって、
    前記多重化信号のサンプル値の一部を零と置き換えて間引き多重化信号として出力する入力間引き器と、
    前記間引き多重化信号と前記拡散符号とを乗算し、間引き拡散符号乗算信号として出力する拡散符号乗算器と、
    前記間引き拡散符号乗算信号の同相成分を抽出する同相成分抽出器と、
    前記間引き拡散符号乗算信号の直交成分を抽出する直交成分抽出器と、
    前記同相成分を積分して出力する同相成分積分器と、
    前記直交成分を積分して出力する直交成分積分器と、
    を備え、
    前記入力間引き器は、
    前記多重化信号のサンプル値のうち前記拡散符号の符号が変化するタイミングに最も近いタイミングで前記入力間引き器に入力されるサンプル値を零と置き換える手段を備えることを特徴とする検波器。
  9. 拡散符号によって多重化され、振幅値をサンプリングしたサンプル値として入力される多重化信号を逆拡散処理して検波する検波器であって、
    前記拡散符号と、前記多重化信号とを乗算し、拡散符号乗算信号として出力する拡散符号乗算器と、
    サンプリングした正弦波信号のサンプル値の一部を零と置き換えて前記拡散符号乗算信号に乗じ、前記拡散符号乗算信号の同相成分を抽出する同相成分抽出器と、
    サンプリングした余弦波信号のサンプル値の一部を零と置き換えて前記拡散符号乗算信号に乗じ、前記拡散符号乗算信号の直交成分を抽出する直交成分抽出器と、
    前記同相成分抽出器が抽出した前記同相成分を積分して出力する同相成分積分器と、
    前記直交成分抽出器が抽出した前記直交成分を積分して出力する直交成分積分器と、
    を備え、
    前記同相成分抽出器は、
    前記拡散符号乗算信号のサンプル値のうち前記拡散符号の符号が変化するタイミングに最も近いタイミングで前記同相成分抽出器に入力されるサンプル値が前記同相成分抽出器に入力されるタイミングで、前記正弦波信号のサンプル値を零と置き換える手段を備え、
    前記直交成分抽出器は、
    前記拡散符号乗算信号のサンプル値のうち前記拡散符号の符号が変化するタイミングに最も近いタイミングで前記直交成分抽出器に入力されるサンプル値が前記直交成分抽出器に入力されるタイミングで、前記余弦波信号のサンプル値を零と置き換える手段を備えることを特徴とする検波器。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の検波器であって、
    受信した複数の信号を拡散符号によって多重化して出力する符号拡散多重化部と、前記符号拡散多重化部が出力する信号の振幅値をサンプリングして出力するサンプリング部と、を含む受信装置、に備えられ、
    前記サンプリング部が出力する多重化信号を逆拡散処理して検波することを特徴とする検波器。
  11. 複数のアンテナによって指向性が決定されるアレイアンテナ装置であって、
    前記複数のアンテナによって受信された複数の信号を多重化する符号拡散多重化部と、
    前記符号拡散多重化部が多重化した信号を逆拡散して検波する検波部とを備え、
    前記検波部は請求項1から請求項のいずれか1項に記載の検波器を備えることを特徴とするアレイアンテナ装置。
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