JP3748685B2 - 扉操作機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、扉を開閉操作するための扉操作機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば家具などの扉は向かって左側あるいは右側にて蝶番等により本体側に連結され、その蝶番等を軸として揺動させることで開閉されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような構造であると、扉の開閉範囲に扉と干渉する物体を置くわけにいかないので、例えば左側を軸として開閉されるドアの左側に家具などを置くことができなかった。また、これが家具の扉であれば、その左側または右側を壁から離して設置して扉が壁などに当たらないようにする必要があった。すなわち、扉の周囲での物の配置あるいは扉を備える家具などの置き場所が制限されることがあった。
【0004】
あるいは、例えばゴルフ場のクラブハウスのロッカー等のように扉が並ぶ場合に、扉の開く方向が左側であれば、自分が使おうとするロッカーの左側のロッカーを使用している人があると扉を開けにくく、隣の人が立ち去るのをまってから扉を開いたり、隣の人に当たらないように遠慮しながら扉を開くといった不自由なことがあった。
【0005】
このように扉の開放される方向が決まっている場合には避けられない不都合があった。本発明は、このような不都合を回避することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記課題を解決するための請求項1記載の扉操作機構は、前面側に矩形の開放口を有する箱状あるいは枠状の本体側に対して開閉される扉を開閉操作するための扉操作機構であって、軸芯を前記開放口の上下方向に沿わせ且つ互いの先端を対向させて前記本体側に固定された上下一対のヒンジ軸の組を前記開放口の左右の辺に沿ってそれぞれ1組ずつ配置し、前記ヒンジ軸を挿通可能な幅で前記扉を閉じた際に前記本体側になる端が開放端で他端が閉鎖端とされて前記ヒンジ軸のそれぞれに対応して前記扉に設けられた軸挿通溝と、前記軸挿通溝のそれぞれに対応して配され、前記軸挿通溝の閉鎖端側に挿通された前記ヒンジ軸の前記開放端側への移動を阻止する拘束位置と該挿通された前記ヒンジ軸の前記開放端側への移動を許す解放位置とに変位可能で、付勢部材により前記拘束位置側に付勢され、前記開放端から閉鎖端に向かって前記ヒンジ軸を相対移動させた際には該ヒンジ軸によって押圧されることにより前記付勢手段による付勢力に抗して前記解放位置側に変位し該ヒンジ軸の通過を許す規制部材と、
前記扉を開く際に手をかけるために、前記扉の右辺に開口して設けられた右凹陥部及び前記扉の左辺に開口して設けられた左凹陥部と、
前記扉の右辺側に配されて前記扉を開くための外力を及ぼされると該外力によって閉扉位置から開扉位置に変位し、該変位に伴って前記右辺側の上下の規制部材を共に前記解放位置に変位させる右側開扉手段であって、
横断面形状がL字状で、その片葉が取っ手部、他葉が駆動部とされ、前記取っ手部を前記右凹陥部内に突出させて前記扉の内部に配され、前記取っ手部と前記駆動部との連結部分を貫通する軸を介して前記扉に取付けられた解錠部材と、
前記取っ手部に前記扉を開くための外力を及ぼされて前記解錠部材が前記軸を中心にして揺動変位させられると、前記駆動部によって回転変位させられる上下一対の回動部材と、該回転変位させられた上の回動部材によって押し上げられて前記上の規制部材を前記解放位置に変位させる突上棒と、該回転変位させられた下の回動部材によって押し下げられて前記下の規制部材を前記解放位置に変位させる押下棒とを含んで構成される右側開扉手段と、
前記右側開扉手段と左右対称な構造であり、前記扉の左辺側に配されて前記扉を開くための外力を及ぼされると該外力によって閉扉位置から開扉位置に変位し、該変位に伴って前記左辺側の上下の規制部材を共に前記解放位置に変位させる左側開扉手段とを前記扉に備えたことを特徴としている。
【0007】
この扉操作機構では、軸芯を開放口の上下方向に沿わせ且つ互いの先端を対向させて、すなわち一方は本体側の上辺側から下向きに他方は下辺側から上向きに本体側に固定された上下一対のヒンジ軸の組を、開放口の左右の辺に沿ってそれぞれ1組ずつ配置している。つまり左辺側に2本、右辺側に2本、合計4本のヒンジ軸がある。なお、対をなすヒンジ軸の軸芯は、扉の開閉を妨げなければ同軸でなくてもよい。また、例えば家具類ならその箱状の部分が本体側となり、部屋のドア等であれば出入口を形成する枠状の部分が本体側となる。
【0008】
これらヒンジ軸の相手方となる軸挿通溝は、ヒンジ軸を挿通可能な幅であり、扉を閉じた際に本体側になる端が開放端で他端が閉鎖端とされて扉に設けられる。この軸挿通溝は、例えば扉をプラスチック製として、その一部を溝状に成形して設けることもできるし、例えば金属製の部品を用いて扉とは別体で製造しておいて、これを扉に取付ける手法も採用できる。
【0009】
軸挿通溝のそれぞれに対応して配される規制部材は、例えば揺動により、軸挿通溝の閉鎖端側に挿通されたヒンジ軸の開放端側への移動を阻止する拘束位置と挿通されたヒンジ軸の開放端側への移動を許す解放位置とに変位する部材である。この規制部材は、付勢部材により拘束位置側に付勢され、開放端から閉鎖端に向かってヒンジ軸を相対移動させた際にはヒンジ軸によって押圧されることにより付勢手段による付勢力に抗して解放位置側に変位し該ヒンジ軸の通過を許す。
【0010】
したがって、扉の各軸挿通溝を対応する各ヒンジ軸に合わせるようにして扉を本体側に対面させ、そのまま扉を本体側に押し付けるようにすれば、扉の移動に伴ってヒンジ軸が軸挿通溝の開放端から閉鎖端に向かって相対移動し、そのヒンジ軸は規制部材を押圧して付勢手段による付勢力に抗してこれを解放位置側に変位させ、軸挿通溝の開放端から閉鎖端へと通過する。ヒンジ軸が通過してしまえば、規制部材は付勢手段の付勢力によって拘束位置に復帰するから、軸挿通溝の閉鎖端側に挿通されたヒンジ軸の開放端側への移動は阻止される。こうして、扉は本体側に取付けられる。
【0011】
このように、扉を本体側に対面させ、そのまま本体側に押し付けるようにするだけで扉を本体側に取付けることができる。すなわち、扉の平行移動という一動作で取付けができるから、その作業能率は向上し、扉の取付けに当たって扉を長時間にわたって持ち上げておく必要もない。
【0012】
しかも、例えば右側開扉手段に扉を開くための外力を及ぼせば、それによって右辺側の上下の規制部材を共に解放位置に変位させることができるので、右辺側の上下のヒンジ軸は軸挿通溝の閉鎖端側から開放端側への移動が可能になる。一方、左辺側の上下のヒンジ軸は軸挿通溝内に拘束されている。よって、扉を左辺側のヒンジ軸を軸として開放できる。同様に、左側開扉手段に扉を開くための外力を及ぼした場合には右辺側のヒンジ軸を軸として扉を開放できる。
【0013】
また、開放した扉を閉じる方向に揺動させれば、上述の取付けの場合と同様に、右辺側の上下のヒンジ軸がそれぞれ軸挿通溝の開放端から閉鎖端に向かって相対移動し、そのヒンジ軸は規制部材を押圧して付勢手段による付勢力に抗してこれを解放位置側に変位させ、軸挿通溝の開放端から閉鎖端へと通過する。ヒンジ軸が通過してしまえば、規制部材は付勢手段の付勢力によって拘束位置に復帰するから、軸挿通溝の閉鎖端側に挿通されたヒンジ軸の開放端側への移動は阻止され、扉は閉鎖状態にされる。同様に、左側開扉手段に扉を開いた場合には右辺側のヒンジ軸を軸として扉を閉鎖できる。
【0014】
このように、扉を左右任意の側で開閉できるから、例えば扉の左側に家具や壁があったり誰か他の人が居るようなときには右側に開放すればよいし、右側にこれらのような障害物があれば左側に開放すればよい。よって、扉の周囲での物の配置あるいは扉を備える家具などの置き場所が制限されることはなくなり、また、ロッカー等で隣の人が立ち去るのをまってから扉を開いたり、隣の人に当たらないように遠慮しながら扉を開くといった不自由なこともなくなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例を図面を参照して説明することにより、発明の実施の形態を具体的に説明する。
【0016】
【実施例】
この例は、本発明を冷蔵庫の扉に適用した例である。
図1に示すように、冷蔵庫10は箱状の本体12および本体12に対して開閉される扉14を備えている。本体12の前面側の上部は、上縁部12aとして扉14の上側に突出し、同じく下部は下縁部12bとして扉14の下側で突出している。扉14の左右の辺には扉14を開く際に手をかけるための凹陥部18a、18bが設けられている。また、扉14の四隅には本発明の扉操作機構の一部となるヒンジ機構16a、16b、16c、16dが配され、ヒンジ機構16a、16b間には、それらヒンジ機構16a、16bを操作するための右側開扉手段に該当する右解錠機構20aが配され、ヒンジ機構16c、16d間には、それらヒンジ機構16c、16dを操作するための左側開扉手段に該当する左解錠機構20bが配されている。なお、冷蔵庫10の冷却のための機構や本体12の内部の棚等は周知であるので図示および説明を省略する。
【0017】
次に、これらヒンジ機構16a〜16dについて説明するが、ヒンジ機構16aとヒンジ機構16bとは互いに上下を反転させた対称形態で、ヒンジ機構16a、16bとヒンジ機構16c、16dとは互いに左右対称な形態であるので、ヒンジ機構16aにて代表して構造を詳細に説明し、ヒンジ機構16b〜16dの説明は省略する。
【0018】
図2に示すように、本体12の上縁部12aには、下向きにヒンジ軸22が取付けられ、ヒンジ軸22の基部にはリング状の滑部材24が外嵌されている。また、図4および図5に示すように、下縁部12bには、ヒンジ軸22とほぼ同軸にヒンジ軸26が立設され、滑部材28が外嵌されている。
【0019】
一方、図2に示すように、扉14には、扉14を閉じた際にヒンジ軸22に対面する位置に軸受62が設置されている。詳しくは図2(b)、(c)に示されるように軸受62は扉14の内部に収容されており、扉14を閉じたときには軸受62の軸挿通溝78にヒンジ軸22が挿通される。なお、これらヒンジ軸22と軸受62とでヒンジ機構16aが構成され、他のヒンジ機構16b〜16dも同様である。
【0020】
図2および図3に示すように、軸受62は、L字状の軸受本体64、規制部材に該当する揺動板66、軸受本体64に立設されたピン68と揺動板66とに掛け渡された付勢手段としての引っ張りコイルバネ70とから構成されている。
軸受本体64には、鉛直部72から水平部74にかけて打抜孔76が設けられ、その打抜孔76の内で水平部74に設けられている部分が軸挿通溝78となっている。図2(b)および図3(c)に示されるように、軸挿通溝78は入口側(鉛直部72側)で広がる略U字状をしており、図2(c)に示されるように、この入口側が冷蔵庫10の本体12側に向けられている。
【0021】
また、図3に示すように、打抜孔76の鉛直部72に設けられた部分の一辺側には段差80が設けられている。揺動板66には、一対のくびれ82a、82bが設けられており、このくびれ82a、82b部分を打抜孔76の下辺部に位置させて、打抜孔76を貫通している。揺動板66の一方のくびれ82aは段差80と互いに噛み合っており、他方のくびれ82bは鉛直部72の一部を挿通させている。また、揺動板66にはバネ孔84が穿設され、このバネ孔84に引っ張りコイルバネ70の一方の端が連結されている。このため、揺動板66には、くびれ82a、82b付近を支点として揺動可能であり、通常は引っ張りコイルバネ70の付勢力によって先端86を水平部74の下面に当接させている。このとき、図2(b)および図3(c)に示されるように揺動板66の先端86が軸挿通溝78を閉じる状態になっている。なお、くびれ82aは、揺動板66が軸受本体64から離脱するのを防止している。
【0022】
さらに、図2に示すように、扉14の内部には、揺動板66の先端86の揺動のための空間87が設けられ、軸受62の鉛直部72を挟んで空間87の反対側には、ヒンジ軸22を通過させるための空間89が本体12側に開口して設けられており、その空間89の下方に連通して棒用空間91が設けられている。この棒用空間91内には突上棒94が挿通されている。なお、突上棒94は、その軸方向に昇降可能に、図示しないサポート部材によって保持されている。
【0023】
次に、右解錠機構20aと左解錠機構20bについて説明する。ただし、左解錠機構20bは、右解錠機構20aと左右対称な構造であるので、右解錠機構20aについてだけ説明し左解錠機構20bの説明は省略する。なお、右解錠機構20aとヒンジ機構16a、16bの動きをわかりやすくするために、図4および図5ではヒンジ機構16a、16b部分(図4(c)、(d)、図5(c)、(d))は鉛直軸回りに90度回転させた状態で図示している。
【0024】
図4および図5に示すように、突上棒94の下端には受板96が取付けられており、その受板96の下側には回動部材98が配されている。この回動部材98は円盤状の本体部100、本体部100の半径方向に沿って外周から突出して設けられた径方向突起102、本体部100に対して直角方向に突出して設けられた軸方向突起104および本体部100の裏面側に立設された軸106からなり、扉14の内部に設けられた軸受孔108に軸106を挿通させており、軸106を中心にして回動自在である。
【0025】
この回動部材98が収容されている空間110は、貫通孔112を介して凹陥部18aに通じており、空間110から凹陥部18aにわたって、L字状の断面形状の解錠部材114が配されている。この解錠部材114は、凹陥部18aに突出する取っ手部116と先端部を回動部材98の軸方向突起104に接触させている駆動部118とからなり、取っ手部116と駆動部118の連結部分を貫通する軸120を介して扉14に取付けられており、軸120を中心にして揺動自在である。取っ手部116の背面側には一方の端部を扉14に固定された板バネ122の自由端側が当接され、取っ手部116(すなわち解錠部材114)を図において反時計回り方向に付勢している。ただし、図4に示されるように、駆動部118が空間110に突出している回転規制部124に当たるので、解錠部材114は、図4に示される状態よりもさらに反時計回り方向に変位することはない。
【0026】
また、取っ手部116に外力を及ぼせば、板バネ122の付勢力に抗して解錠部材114を時計回り方向に変位させることができる。ただし、この場合には、図5に示されるように取っ手部116が凹陥部18aの内面に接触すれば、それよりもさらに時計回り方向に変位させることはできない。なお、このとき板バネ122は、扉14に設けられた凹み126に収容されるので、取っ手部116の揺動変位を妨げない。
【0027】
さらに、図4および図5に示すように、解錠部材114の下側には、回動部材98と同様の、円盤状の本体部100a、本体部100aの外周から突出する径方向突起102a、本体部100aから直角に突出する軸方向突起104aおよび本体部100aの裏面側に立設された軸106aからなり、回動部材98とは上下対称の回動部材98aが、図示しない軸受孔に軸106aを回動自在に挿通させて扉14に取付けられている。
【0028】
この回動部材98aの径方向突起102aの下側には受板96aが当接され、その受板96aの下面には突上棒94と同様の押下棒94aが取付けられている。この押下棒94aは、棒用空間91と同様の空間(図示略)を貫通しており、その先端は右下隅のヒンジ機構16bの揺動板66に接触している。なお、押下棒94aは、その軸方向に昇降可能に、図示しないサポート部材によって保持され、また図示しないバネによって上向きに(回動部材98a側に)付勢されており、受板96aおよび押下棒94aが、その荷重で揺動板66を押し下げることはない。
【0029】
次に、この右解錠機構20aの動作について図4および図5を参照して説明する。前述したように、ヒンジ機構16a、16b部分は鉛直軸回りに90度回転させた状態で図示されている。
この右解錠機構20aでは、取っ手部116に外力が及ぼされていないときには、図4に示されるように、解錠部材114は最も反時計回り方向に変位した位置にあり、回動部材98、98aは径方向突起102、102aの向きをほぼ水平方向としている。このため、突上棒94は下降位置にあり押下棒94aは上昇位置にある。
【0030】
ここで、凹陥部18a内に指を差し込んで扉14を開ける方向に力をかけると、その力はまず取っ手部116に作用し、これを時計回り方向に揺動変位させる。すると、図5に示されるように、時計回り方向に揺動変位させられた駆動部118が、回動部材98の軸方向突起104および回動部材98aの軸方向突起104aを押すので、回動部材98は反時計回り方向に、回動部材98aは時計回り方向に回動させられる。これに伴って、径方向突起102が受板96と共に突上棒94を押し上げ、径方向突起102aが受板96aと共に押下棒94aを押し下げる。押し上げられた突上棒94は、ヒンジ機構16aの揺動板66を押して、その先端86を下降させる方向に揺動変位させる。また、押し下げられた押下棒94aは、ヒンジ機構16bの揺動板66を押して、その先端86を上昇させる方向に揺動変位させる。これにより、両ヒンジ機構16a、16bの揺動板66はヒンジ軸22、26を拘束しなくなり、扉14の右辺側では扉14と本体12との連結が解除される。そして、さらに凹陥部18a内に差し込んだ指にて扉14の右辺を引っ張れば、左辺側のヒンジ機構16c、16dを軸として扉14を開放することができる。
【0031】
同様に、左辺側の凹陥部18bに指を掛けて左解錠機構20bを操作すれば、ヒンジ機構16c、16dによる本体12と扉14との連結を解除して、右辺側のヒンジ機構16a、16bを軸として扉14を開放することができる。
そして、このようにして開放した扉14を閉じる方向に揺動させれば、開放された側の上下のヒンジ軸(例えばヒンジ軸22、26)がそれぞれ軸挿通溝78の開放端から閉鎖端に向かって相対移動し、そのヒンジ軸22、26は揺動板66を押圧して引っ張りコイルばね70による付勢力に抗して揺動板66の先端86を解放位置側に変位させながら、軸挿通溝78の開放端から閉鎖端へと通過する。ヒンジ軸22、26が通過してしまえば、揺動板66は引っ張りコイルばね70の付勢力によって復帰して先端86を水平部74に当接させるから、軸挿通溝78の閉鎖端側に挿通されたヒンジ軸22、26の開放端側への移動は阻止され、扉14は閉鎖状態にされる。扉14を左側で開いた場合も、同様にして閉鎖できる。
【0032】
このように扉14を左右どちらにでも開閉ができるから、例えば扉14の左側に家具や壁があったり誰か他の人が居るようなときには右側に開放すればよいし、右側にこれらのような障害物があれば左側に開放すればよい。よって、扉14の周囲での物の配置あるいは冷蔵庫10の置き場所が制限されることはなくなるし、扉14の側に人がいるときでも、その人が立ち去るのをまってから扉14を開いたり、その人に当たらないように遠慮しながら扉14を開くといった不自由なこともなくなる。しかも、右利きの人にとっては右解錠機構20aを操作しやすく、左利きの人には左解錠機構20bを操作しやすいから、誰でも利き手によって扉14を開閉操作できる。
【0033】
また、右解錠機構20aおよび左解錠機構20bを同時に操作してヒンジ機構16a、16bおよびヒンジ機構16c、16dによる本体12と扉14との連結を解除し、扉14を本体12から引き離せば、扉14を本体12から取外すことができる。
【0034】
製造時に扉14を本体12に取付ける場合、あるいは上述のようにして扉14を外した後に扉14を本体12に取付ける場合には、図6に示されるように、軸挿通溝78内にヒンジ軸22が入る位置(図6(a)参照、他のヒンジ機構16b、16c、16dも同様)にして、扉14を本体12に向けて平行移動させる。すると、ヒンジ軸22が揺動板66に当たってこれを引っ張りコイルバネ70の付勢力に抗して、先端86を下降させる方向に揺動変位させる(図6(b)参照)。さらに扉14と本体12とが接近しほぼ接触する状態になったときには、ヒンジ軸22が揺動板66上を通過して軸挿通溝78の端部に達する。すると、ヒンジ軸22による押圧を解除された揺動板66は、引っ張りコイルバネ70の付勢力によって先端86を上昇させて水平部74の下面に当接させる(図6(c)参照)。これにより、先端86が軸挿通溝78を閉じるので、ヒンジ軸22は軸挿通溝78の開放端側への移動を阻止される。このとき他のヒンジ機構16b、16c、16dも同様の状態となっており、扉14が本体12に取付けられたことになる。
【0035】
このように、扉14を本体12に対面させ、そのまま本体12に押し付けるようにするだけで扉14を本体12に取付けでき、右解錠機構20aおよび左解錠機構20bを同時に操作して扉14を本体12から引き離せば、扉14を本体12から取外すことができる。すなわち、扉14の平行移動という一動作で取付けまたは取り外しができるから、その作業能率は向上し、扉14の取付け、取り外しに当たって扉14を長時間にわたって持ち上げておく必要もない。
【0036】
以上、実施例に従って、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは言うまでもない。
例えば、実施例は冷蔵庫の扉に本発明を適用しているが、ロッカーや洋箪笥等の家具類の扉、あるいは建具としての扉に本発明を適用することもできる。
【0037】
また、規制部材を解放位置側に変位させるために、棒で突き上げまたは押し下げる構造を採用しているが、ワイヤ等で引っ張ることによって規制部材を解放位置側に変位させることもできる。
さらに、規制部材を変位させる力を棒やワイヤ等に伝達するための構造も、実施例のような構造に限るものではなく、さまざまな形態とできる。
【0038】
あるいは、規制部材(揺動板)を上下方向に揺動させる構成としているが、水平方向に揺動させる構成とすることもできる。その二例を図7、図8を参照して、変形例1、2として説明する。
(変形例1)
図7に示すように、この軸受161は、L字状の本体163、規制部材に該当する揺動板165、本体165に立設されたピン167に遊嵌された付勢手段としての捻れコイルばね169とから構成されている。
【0039】
本体163には、鉛直部171ら水平部173にかけて打抜孔177が設けられ、その打抜孔177の内で水平部173に設けられている部分が軸挿通溝177aとなっている。軸挿通溝177aは入口側(鉛直部171側)で広がる略U字状をしており、この入口側がヒンジ軸(図示略)側に向けられる。なお、水平部173の下面側には、軸挿通溝177aの一縁に沿って垂下されたストッパ177bが設けられている。
【0040】
揺動板165には、ピン167を挿通させる軸受部181が設けられており、ピン167を軸として揺動自在である。また、捻れコイルばね169の一方の端部183は本体163の鉛直部171に係止され、他方の端部185は揺動板165を貫通している。
このため、揺動板165は、通常は捻れコイルばね169の付勢力によって先端187をストッパ177bに当接させている。このとき、図7(a)に示されるように揺動板165の先端187が軸挿通溝177aを閉じる状態になっている。
【0041】
このような構造であるので、扉14を本体12に取付ける場合には、実施例の場合と同様に、軸挿通溝177a内にヒンジ軸が入る位置にして、扉14を本体12に向けて平行移動させる。すると、ヒンジ軸が揺動板165に当たってこれを捻れコイルばね169の付勢力に抗して、先端187を図7(a)における反時計回り方向に揺動変位させる。さらに扉14と本体12とが接近しほぼ接触する状態になったときには、ヒンジ軸が揺動板165の面上を通過して軸挿通溝177aの端部に達する。すると、ヒンジ軸による押圧を解除された揺動板165は、捻れコイルばね169の付勢力によって先端187を時計回り方向に揺動させてストッパ177bに当接させる。これにより、先端187が軸挿通溝177aを閉じるので、ヒンジ軸は軸挿通溝177aの開放端側への移動を阻止される。このとき他のヒンジ機構も同様の状態となっており、扉14が本体12に取付けられたことになる。
【0042】
さらに、実施例で示した解錠機構と同様に、扉14を開くための力が及ぼされたときに揺動板165を図7(a)における反時計回り方向に揺動変位させる機構を用いれば、実施例の場合と同様に扉14を左右どちら側でも開くことができる。
(変形例2)
図8に示すように、この軸受162は、L字状の本体164、規制部材に該当する揺動板166、本体164に立設されたピン168と揺動板166とに掛け渡された付勢手段としての引っ張りコイルばね170とから構成されている。
【0043】
本体164には、鉛直部172から水平部174にかけて打抜孔176が設けられ、その打抜孔176の内で水平部174に設けられている部分が軸挿通溝178となっている。軸挿通溝178は入口側(鉛直部172側)で広がる略U字状をしており、この入口側がヒンジ軸(図示略)側に向けられる。なお、水平部174の下面側には、軸挿通溝178の一縁に沿って垂下されたストッパ175が設けられている。また、打抜孔176の鉛直部172に設けられた部分には、横方向に延びる板保持部179が設けられており、その板保持部179の下辺側には段差180が設けられている。
【0044】
揺動板166には、一対のくびれ182a、182bが設けられており、このくびれ182a、182b部分を打抜孔76の板保持部179に位置させて、打抜孔176を貫通している。揺動板166の一方のくびれ182aは段差180と互いに噛み合っており、他方のくびれ182bは打抜孔76の縁を挿通させている。また、揺動板166にはばね孔184が穿設され、このばね孔184に引っ張りコイルばね170の一方の端が連結されている。このため、揺動板166には、くびれ182a、182b付近を支点として水平方向に揺動可能であり、通常は引っ張りコイルばね170の付勢力によって先端186をストッパ175に当接させている。このとき、図8(c)に示されるように揺動板166の先端186が軸挿通溝178を閉じる状態になっている。なお、くびれ182aは、揺動板166が本体164から離脱するのを防止している。
【0045】
このような構造であるので、扉14を本体12に取付ける場合には、実施例の場合と同様に、軸挿通溝178内にヒンジ軸が入る位置にして、扉14を本体12に向けて平行移動させる。すると、ヒンジ軸が揺動板166に当たってこれを引っ張りコイルばね170の付勢力に抗して、先端186を図8(c)における反時計回り方向に揺動変位させる。さらに扉14と本体12とが接近しほぼ接触する状態になったときには、ヒンジ軸が揺動板166の面上を通過して軸挿通溝178の端部に達する。すると、ヒンジ軸による押圧を解除された揺動板166は、引っ張りコイルばね170の付勢力によって先端186を時計回り方向に揺動させてストッパ175に当接させる。これにより、先端186が軸挿通溝178を閉じるので、ヒンジ軸は軸挿通溝178の開放端側への移動を阻止される。このとき他のヒンジ機構も同様の状態となっており、扉14が本体12に取付けられたことになる。
【0046】
さらに、実施例で示した解錠機構と同様に、扉14を開くための力が及ぼされたときに揺動板166を図8(c)における反時計回り方向に揺動変位させる機構を用いれば、実施例の場合と同様に扉14を左右どちら側でも開くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の冷蔵庫の正面図である。
【図2】 実施例のヒンジ機構の説明図であり、図2(a)はヒンジ軸部分の正面図、図2(b)は軸受部分の平面図、図2(c)はヒンジ機構付近の断面図である。
【図3】 実施例の軸受の説明図であり、図3(a)は側面側断面図、図3(b)は正面図、図3(c)は平面図である。
【図4】 実施例の解錠機構が閉扉位置にあるときの説明図であり、図4(a)は扉の凹陥部付近の水平方向断面図、図4(b)は解錠部材、回動部材、受板、突上棒および押下棒の配置の説明図、図4(c)は突上棒とヒンジ機構の関係の説明図、図4(d)は押下棒とヒンジ機構の関係の説明図である。
【図5】 実施例の解錠機構が開扉位置にあるときの説明図であり、図5(a)は扉の凹陥部付近の水平方向断面図、図5(b)は解錠部材、回動部材、受板、突上棒および押下棒の配置の説明図、図5(c)は突上棒とヒンジ機構の関係の説明図、図5(d)は押下棒とヒンジ機構の関係の説明図である。
【図6】 実施例の冷蔵庫において扉を本体に取付ける際の説明図であり、図6(a)は取付け開始時の、図6(b)は取付け途中の、図6(c)は取付け完了時の説明図である。
【図7】 変形例1の軸受の構造の説明図であり、図7(a)は一部破断平面図、図7(b)は一部破断正面図、図7(c)は側面側断面図である。
【図8】 変形例2の軸受の構造の説明図であり、図8(a)は正面図、図8(b)は側面側断面図、図8(c)は平面図である。
【符号の説明】
10…冷蔵庫、12…本体(本体側)、14…扉、16a〜16d…ヒンジ機構、18a…凹陥部、18b…凹陥部、20a…右解錠機構(右側開扉手段)、20b…左解錠機構(左側開扉手段)、22…ヒンジ軸、26…ヒンジ軸、62…軸受、66…揺動板(規制部材)、70…引っ張りコイルバネ(付勢部材)、78…軸挿通溝、94…突上棒、94a…押下棒、96…受板、96a…受板、98…回動部材、98a…回動部材、102…径方向突起、102a…径方向突起、104…軸方向突起、104a…軸方向突起、106…軸、106a…軸、108…軸受孔、114…解錠部材、116…取っ手部、118…駆動部、120…軸、122…板バネ、124…回転規制部。
Claims (1)
- 前面側に矩形の開放口を有する箱状あるいは枠状の本体側に対して開閉される扉を開閉操作するための扉操作機構であって、
軸芯を前記開放口の上下方向に沿わせ且つ互いの先端を対向させて前記本体側に固定された上下一対のヒンジ軸の組を前記開放口の左右の辺に沿ってそれぞれ1組ずつ配置し、
前記ヒンジ軸を挿通可能な幅で前記扉を閉じた際に前記本体側になる端が開放端で他端が閉鎖端とされて前記ヒンジ軸のそれぞれに対応して前記扉に設けられた軸挿通溝と、
前記軸挿通溝のそれぞれに対応して配され、前記軸挿通溝の閉鎖端側に挿通された前記ヒンジ軸の前記開放端側への移動を阻止する拘束位置と該挿通された前記ヒンジ軸の前記開放端側への移動を許す解放位置とに変位可能で、付勢部材により前記拘束位置側に付勢され、前記開放端から閉鎖端に向かって前記ヒンジ軸を相対移動させた際には該ヒンジ軸によって押圧されることにより前記付勢手段による付勢力に抗して前記解放位置側に変位し該ヒンジ軸の通過を許す規制部材と、
前記扉を開く際に手をかけるために、前記扉の右辺に開口して設けられた右凹陥部及び前記扉の左辺に開口して設けられた左凹陥部と、
前記扉の右辺側に配されて前記扉を開くための外力を及ぼされると該外力によって閉扉位置から開扉位置に変位し、該変位に伴って前記右辺側の上下の規制部材を共に前記解放位置に変位させる右側開扉手段であって、
横断面形状がL字状で、その片葉が取っ手部、他葉が駆動部とされ、前記取っ手部を前記右凹陥部内に突出させて前記扉の内部に配され、前記取っ手部と前記駆動部との連結部分を貫通する軸を介して前記扉に取付けられた解錠部材と、
前記取っ手部に前記扉を開くための外力を及ぼされて前記解錠部材が前記軸を中心にして揺動変位させられると、前記駆動部によって回転変位させられる上下一対の回動部材と、
該回転変位させられた上の回動部材によって押し上げられて前記上の規制部材を前記解放位置に変位させる突上棒と、
該回転変位させられた下の回動部材によって押し下げられて前記下の規制部材を前記解放位置に変位させる押下棒と
を含んで構成される右側開扉手段と、
前記右側開扉手段と左右対称な構造であり、前記扉の左辺側に配されて前記扉を開くための外力を及ぼされると該外力によって閉扉位置から開扉位置に変位し、該変位に伴って前記左辺側の上下の規制部材を共に前記解放位置に変位させる左側開扉手段と
を前記扉に備えた
ことを特徴とする扉操作機構。
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