JP3749037B2 - 電子オドメータ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両などに搭載される電子オドメータ装置に係わり、特にビット化けに対する冗長性を向上させる電子オドメータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、車両用計器の電子化が進み、液晶、蛍光表示管などの電子式計器を用いて、計器の表示部を構成するようになってきている。このような電子化に伴い、走行距離を表示する走行距離計にも、電子式表示器を使用するとともに、走行距離情報をRAMなどのメモリに記憶しておき、このメモリに記憶している走行距離情報に基づいて表示を行なうようになってきている。
【0003】
しかし、RAMなどのメモリの場合、そのバックアップ電源が無くなると、記憶している走行距離情報が失われてしまい、その車両のそれまでの走行距離を表示することができなくなってしまう。
【0004】
そこで、電源によってバックアップしなくても、記憶情報を保持することができる不揮発性メモリを使用した記憶媒体をRAMなどのメモリと別個に設け、バッテリー交換などのために電源を切り離しても、走行距離情報などが失われることが無いようにしたものが開発されている。
【0005】
図17はこのような不揮発性メモリを有する電子オドメータ装置の一例を示すブロック図である。
【0006】
この図17に示す電子オドメータ装置101は、車両の車軸などに設けられたセンサから出力される車速パルスを取り込んで、これをカウントし、走行距離データを求めるCPU回路102と、このCPU回路102から出力される走行距離データに基づき、それまでの走行距離データを更新するバックアップ電源付きのRAM回路103と、CPU回路102から出力される走行距離データに基づき、それまでの走行距離データを更新するEEPROM回路104と、CPU回路102から出力される表示データを取り込んで、走行距離を表示する表示器105とを備えており、CPU回路102によって、車両の車軸などに設けられたセンサから出力される車速パルスを取り込んで、これをカウントし、走行距離が所定の距離、例えば1kmになる毎に、RAM回路103に記憶されている走行距離データ、EEPROM回路104に記憶されている走行距離データを更新しながら、最新の走行距離データに基づき、表示データを作成して、表示器105上に最新の走行距離を表示する。
【0007】
この際、イグニッションスイッチがオン状態にされたとき、CPU回路102によってRAM回路103に記憶されているキーワードの内容をチェックし、このキーワードが正しいキーワードであれば、RAM回路103に記憶されている走行距離データが壊れていないと判断し、RAM回路103に記憶されている走行距離データを使用して、走行距離の更新を行なう。またRAM回路103に記憶されているキーワードが正しいキーワードでなければ、EEPROM回路104に記憶されている走行距離データを使用して、RAM回路103に記憶されている走行距離データを修正した後、RAM回路103に記憶されている走行距離データを使用して、走行距離の更新を行なう。
【0008】
そして、RAM回路103に記憶されている走行距離データを更新する毎に、以下に述べる手順で、EEPROM回路104に記憶されている走行距離データを更新して、これらEEPROM回路104に記憶されている走行距離データの値と、RAM回路103に記憶されている走行距離データの値とを一致させる。
【0009】
まず、EEPROM回路104が初期化された状態では、各アドレス“0”〜“47”に対応するデータ部の値を全て“FFFF”にし、この状態で車両が走行を開始し、その走行距離が1kmを経過する毎に、CPU回路102によって、図18の(a)に示すように、アドレス“0”〜“47”を順次、選択し、各アドレス“0”〜“47”に対応するデータ部に“0000”を書き込む。
【0010】
この後、走行距離が“48km”を経過し、全てのデータ部に“0000”が書き込まれた状態で、さらに車両が走行すると、その走行距離が1kmを経過する毎に、CPU回路102によって、図18の(b)に示すように、アドレス“0”〜“47”を順次、選択し、各アドレス“0”〜“47”に対応するデータ部に“0001”を書き込む。
【0011】
以下、さらに車両が走行し、その走行距離が“48km”を越える毎に、同様な手順で、データ部に書き込まれる値をインクリメントし、図18の(c)に示すように、走行距離が“999999”になったとき、全てのデータ部に書き込まれている値を“FFFF”に戻し、走行距離を初期化する。
【0012】
そして、RAM回路103に記憶されている走行距離データを修正するとき、EEPROM回路104の各データ部に記憶されている値を読み出して、下記に示す演算式で走行距離データを計算し、この計算結果に基づき、RAM回路103に記憶されている走行距離データを修正する。
【0013】
走行距離=48×(ポイントデータの値+1)+アドレスポイント
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような従来の電子オドメータ装置101では、EEPROM回路104に記憶されている走行距離データに誤りがあるとき、ポインタPTが指定している現在のアドレスが“0”以外のアドレスであれば、図19に示すように、現在のポインタPTで指定されたアドレスのデータ部に書き込まれているデータ(現データ)の値Dnと、1つ前のアドレスのデータ部に書き込まれているデータ(前データ)のDn-1との差を求め、この差に応じて、複数ある修正手続きのいずれるかを使用して、データ部に書き込まれているデータの値を修正しなければならない。
【0015】
また、前記ポインタPTが指定している現在のアドレスが“0”であれば、図20に示すように、アドレス“0”のデータ部に書き込まれているデータの値D0と、アドレス“1”のデータ部に書き込まれているデータのD1との差を求め、この差に応じて、複数ある修正手続きのいずれるかを使用して、データ部に書き込まれているデータの値を修正しなければならない。
【0016】
このため、EEPROM回路104から走行距離データを読み出す際のプログラムが複雑になって、処理時間が長くなってしまうとともに、プログラムを格納しておくメモリの容量が大きくなってしまうという問題があった。
【0017】
本発明は、車両の走行距離を計算する際、不揮発性メモリのみを使用し、不揮発性メモリに記憶される走行距離データのビット化けに対する冗長性を高めることができる電子オドメータ装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は、請求項1では、複数のデータ部を持つオドエリアと複数のデータ部を持つアドレスエリアとを有する書き換え可能な不揮発性メモリと、車両に設けられたセンサから出力される車速パルスをカウントし、このカウント結果に基づき、前記オドエリアの各データ部をサイクリックに使用して、走行距離情報を書き込むとともに、前記アドレスエリアの各データ部をサイクリックに使用して、前記オドエリアの各データ部のうち、最後に書き込まれたデータ部を指示する最新指示情報を書き込む走行距離情報更新部と、走行距離を表示する際には、前記不揮発性メモリの前記アドレスエリアに書き込まれている最新指示情報を読み出し、この最新指示情報に基づき、前記不揮発性メモリの前記オドエリアに書き込まれている走行距離情報を読み出し、この走行距離情報に基づき、表示器上に車両の走行距離を表示する走行距離情報演算表示部とを備え、前記走行距離情報更新部は、前記不揮発性メモリに対する書き込み処理を予め定められている第1の書込回数だけ実行する書込処理部と、前記第1の書込回数だけ書き込み処理を実行しても書き込み処理が失敗した場合には、書込周期よりも短い再書込周期で再書き込み処理を予め定められている第2の書込回数だけ実行する再書込処理部と、前記第2の書込回数だけ再書き込み処理を実行しても再書き込み処理が失敗した場合には、前記不揮発性メモリが異常であると判定して走行距離情報の積算を停止する第1の積算停止部とを備えることを特徴とする。
【0019】
請求項1の発明によれば、走行距離情報更新部において、書込処理部は、不揮発性メモリに対する書き込み処理を予め定められている第1の書込回数だけ実行し、再書込処理部は、第1の書込回数だけ書き込み処理を実行しても書き込み処理が失敗した場合には、書込周期よりも短い再書込周期で再書き込み処理を予め定められている第2の書込回数だけ実行し、第1の積算停止部は、第2の書込回数だけ再書き込み処理を実行しても再書き込み処理が失敗した場合には、不揮発性メモリが異常であると判定して走行距離情報の積算を停止する。これにより、定期的なノイズに対しても走行距離データのビット化けに対する冗長性が高められ、走行中に積算計が停止する現象を抑制することかできる。
【0020】
請求項2では、請求項1に記載の電子オドメータ装置において、前記走行距離情報演算表示部は、前記アドレスエリアに対するベリファイ処理を予め定められている第1のベリファイ回数だけ実行するベリファイ処理部と、前記第1のベリファイ回数だけベリファイ処理を実行してもベリファイ処理が失敗した場合には、ベリファイ周期よりも短い再ベリファイ周期で再ベリファイ処理を予め定められている第2のベリファイ回数だけ実行する再ベリファイ処理部と、前記第2のベリファイ回数だけ再ベリファイ処理を実行しても再ベリファイ処理が失敗した場合には、前記不揮発性メモリが異常であると判定して走行距離情報の積算を停止する第2の積算停止部とを備えることを特徴とする。
【0021】
請求項2の発明によれば、走行距離情報演算表示部において、ベリファイ処理部はアドレスエリアに対するベリファイ処理を予め定められている第1のベリファイ回数だけ実行し、再ベリファイ処理部は、第1のベリファイ回数だけベリファイ処理を実行してもベリファイ処理が失敗した場合には、ベリファイ周期よりも短い再ベリファイ周期で再ベリファイ処理を予め定められている第2のベリファイ回数だけ実行し、第2の積算停止部は、第2のベリファイ回数だけ再ベリファイ処理を実行しても再ベリファイ処理が失敗した場合には、前記不揮発性メモリが異常であると判定して走行距離情報の積算を停止する。これにより、アドレスエリアの値が破壊される確率が下がったため、走行距離データのビット化けに対する冗長性を高めることができ、これによって、次回、イグニッションスイッチをオン時にその時のオド値は、必ずイグニションスイッチをオフ時のオド値を示し、積算計の過大表示を防止することができる。
【0022】
請求項3では、請求項1または請求項2に記載の電子オドメータ装置において、前記走行距離情報演算表示部は、前記アドレスエリアの各データ部に書き込まれているデータを順次読み出し各データの変化点に基づき最新指示情報を求めるとともに、前記オドエリアの各データ部に書き込まれているデータを順次、読み出しながら、前記最新指示情報に基づき各データの値を補正して補正済みの値の多数決をとり、前記オドエリアに書き込まれている走行距離情報を決定することを特徴としている。
【0023】
請求項3の発明によれば、走行距離情報演算表示部は、前記アドレスエリアの各データ部に書き込まれているデータを順次読み出し、各データの変化点に基づき、最新指示情報を求めるとともに、前記オドエリアの各データ部に書き込まれているデータを順次、読み出しながら、前記最新指示情報に基づき、各データの値を補正して、補正済みの値の多数決をとり、前記オドエリアに書き込まれている走行距離情報を決定する。これにより、不揮発性メモリに記憶される走行距離データのビット化けに対する冗長性を高め、不揮発性メモリに記憶される走行距離データを読み出すときに使用するプログラムを簡素化して、プログラム格納エリアの容量を小さくする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電子オドメータ装置の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0025】
<第1の実施の形態>
図1は本発明による電子オドメータ装置の第1の実施の形態を示すブロック図である。
【0026】
図1に示す電子オドメータ装置1は、車両の車軸などに設けられたセンサから出力される車速パルスを取り込んで、これをカウントして、走行距離データを求めるCPU回路2と、図2に示すように、アドレス“0”〜“17”がオドエリア7として使用され、アドレス“17”〜“33”がアドレスエリア8として使用され、CPU回路2から出力される走行距離データに基づき、それまでの走行距離データを更新するEEPROM回路3と、CPU回路2から出力される表示データを取り込んで、走行距離を表示する表示器4とを備えている。
【0027】
また、CPU回路2は、その機能上、走行距離情報更新部5と、走行距離情報演算表示部6とを備え、センサから出力される車速パルスを取り込んでカウントし、走行距離が所定の距離、例えば1kmになる毎に、EEPROM回路3に記憶されている走行距離データを更新しながら、最新の走行距離データに基づき、表示データを作成して表示器4上に最新の走行距離を表示する。
【0028】
次に、図1に示すブロック図、図2に示す説明図を参照しながら、この実施の形態の動作について詳細に説明する。
【0029】
<EEPROM回路3に対する書き込み動作>
この処理は、主に、CPU回路2の走行距離情報更新部5で実行される。まず、車両の走行距離が“0”であるとき、オドエリア7のアドレス“0”〜“16”にデータ“0000”が書き込まれ、ポインタAがアドレス“0”を示すようポインタAの値が設定されるとともに、アドレスエリア8のアドレス“17”〜“33”にデータ“0000”が書き込まれ、ポインタBがアドレス“17”を示すようにポインタBの値が設定される。
【0030】
この状態で、イグニッションスイッチがオン状態にされ、車両が走行を開始すると、図3のフローチャートに示すように、CPU回路2によって、車両の車軸などに設けられたセンサから出力される車速パルスがカウントされて、走行距離が所定の距離、例えば1km(オドカウンタの値で、“2548”)を経過した時点で(ステップST1)、図4の(a)に示すように、前記オドカウンタが初期化されて(ステップST2)、アドレスエリア8のアドレス“17”にデータ“FFFF”が書き込まれ、ポインタBが1つ進められるとともに(ステップST3)、オドエリア7のアドレス“0”にデータ“0001”が書き込まれて、ポインタAが1つ進められた後(ステップST4)、表示用オドデータの値が“1”だけインクリメントされる(ステップST5)。
【0031】
そして、アドレスエリア8、オドエリア7に対するデータの書き込を行なったとき、データが正しく書き込まれていないことを示すベリファイエラー(Verify Error)が発生しても、予め設定されている回数(リトライ回数)、例えば3回まで、上述した書き込み処理が行わわれる。
【0032】
次いで、CPU回路2によって、3回以内のリトライ回数で、アドレスエリア8、オドエリア7に対し、正しくデータを書き込めたかどうかがチェックされ、3回以内のリトライ回数で、アドレスエリア8、オドエリア7に対し、正しくデータが書き込めたとき(ステップST6)、前記表示用オドデータの値に基づき、表示データが作成され、表示器4上に走行距離“1km”が表示される(ステップST7)。
【0033】
また、このとき、3回以内のリトライ回数で、アドレスエリア8、オドエリア7に対し、正しくデータを書き込めなければ(ステップST6)、CPU回路2によって、表示器4上に表示されている走行距離がホールドされて、EEPROM回路3に対するアクセスが中止される(ステップST8)。
【0034】
この後、車両がさらに走行して、オドカウンタの値が、再度、“2548”になった時点で、前記オドカウンタが初期化されて、図4の(b)に示すように、アドレスエリア8のアドレス“18”にデータ“FFFF”が書き込まれ、ポインタBが1つ進められるとともに、オドエリア7のアドレス“1”にデータ“0001”が書き込まれて、ポインタAが1つ進められた後、表示用オドデータの値が“1”だけインクリメントされる(ステップST1〜ST5)。
【0035】
そして、アドレスエリア8、オドエリア7に対するデータの書き込を行なったとき、データが正しく書き込まれていないことを示すベリファイエラーが発生しても、予め設定されている回数(リトライ回数)、例えば3回まで、上述した書き込み処理が行わわれる。
【0036】
次いで、CPU回路2によって、3回以内のリトライ回数で、アドレスエリア8、オドエリア7に対し、正しくデータを書き込めたかどうかがチェックされ、3回以内のリトライ回数で、アドレスエリア8、オドエリア7に対し、正しくデータを書き込めたとき(ステップST6)、前記表示用オドデータの値に基づき、表示データが作成され、表示器4上に走行距離“2km”が表示される(ステップST7)。
【0037】
また、このとき、3回以内のリトライ回数で、アドレスエリア8、オドエリア7に対し、正しくデータを書き込めなければ(ステップST6)、CPU回路2によって、表示器4上に表示されている走行距離がホールドされて、EEPROM回路3に対するアクセスが中止される(ステップST8)。
【0038】
以下、車両がさらに走行して、オドカウンタの値が、再度、“2548”になる毎に、上述したアドレスエリア8に対するデータ“FFFF”の書き込み処理、ポインタBのインクリメント処理、オドエリア7に対するデータ“0001”の書き込み処理、ポインタAのインクリメント処理、表示用オドデータのインクリメント処理などが順次、行われて、EEPROM回路3に記憶されている走行距離データが更新されるとともに、表示器4上に表示されている走行距離が更新される(ステップST1〜ST8)。
【0039】
そして、図5の(a)に示すように、アドレスエリア8のアドレス“33”に対するデータ“FFFF”の書き込み処理、ポインタBのインクリメント処理、オドエリア7のアドレス“16”に対するデータ“0001”の書き込み処理、ポインタAのインクリメント処理、表示用オドデータのインクリメント処理などが行われた後、車両がさらに走行して、オドカウンタの値が、再度、“2548”になったとき、図5の(b)に示すように、アドレスエリア8のアドレス“17”にデータ“0000”が書き込まれ、ポインタBが1つ進められるとともに、オドエリア7のアドレス“0”にデータ“0002”が書き込まれて、ポインタAが1つ進められた後、表示用オドデータの値が“1”だけインクリメントされる(ステップST1〜ST8)。
【0040】
そして、アドレスエリア8、オドエリア7に対するデータ書き込みを行なったとき、データが正しく書き込まれていないことを示すベリファイエラー(Verify Error)が発生しても、予め設定されている回数(リトライ回数)、例えば3回まで、上述した書き込み処理が行われる。
【0041】
次いで、CPU回路2によって、3回以内のリトライ回数で、アドレスエリア8、オドエリア7に対し、正しくデータを書き込めたかどうかがチェックされ、3回以内のリトライ回数で、アドレスエリア8、オドエリア7に対し、正しくデータを書き込めたとき、前記表示用オドデータの値に基づき、表示データが作成され、表示器4上に走行距離“18km”が表示される(ステップST1〜ST8)。
【0042】
また、このとき、3回以内のリトライ回数で、アドレスエリア8、オドエリア7に対し、正しくデータを書き込めなければ(ステップST6)、CPU回路2によって、表示器4上に表示されている走行距離がホールドされて、EEPROM回路3に対するアクセスが中止される(ステップST8)。
【0043】
以下、車両がさらに走行して、オドカウンタの値が、再度、“2548”になる毎に、上述したアドレスエリア8に対するデータ“FFFF”または“0000”の書き込み処理、ポインタBのインクリメント処理、オドエリア7に対するデータ“0002”、“0003”、…の書き込み処理、ポインタAのインクリメント処理、表示用オドデータのインクリメント処理などが順次、行われて、EEPROM回路3に記憶されている走行距離データが更新されるとともに、表示器4上に表示されている走行距離が更新される(ステップST1〜ST7)。
【0044】
そして、車両が停止状態にされて、イグニッションスイッチがオフ状態にされたとき、CPU回路2が動作を停止して、上述したEEPROM回路3に記憶されている走行距離データがそのまま保持される。
【0045】
<EEPROM回路3に対する読み込み動作>
読み込み動作は、主にCPU回路2の走行距離情報演算表示部6で実行される処理である。車両のイグニッションスイッチが再度、オン状態にされたとき、図6のフローチャートに示すように、CPU回路2によって、EEPROM回路3を構成しているアドレスエリア8の先頭アドレス“17”に記憶されているデータが2回、連続して読み出され、各読み出し処理で得られたデータが同一の値であるとき(ステップST11)、このデータを構成する最上位ビットを除く下位15ビットの多数決が求められ、この多数決結果に基づき、前記データの値が“FFFF”か、“0000”かが判定される(ステップST12)。
【0046】
次いで、CPU回路2によって、アドレスエリア8を構成する次のアドレス“18”に記憶されているデータが2回、連続して読み出され、各読み出し処理で得られたデータが同一の値であるとき(ステップST11)、このデータを構成する最上位ビットを除く下位15ビットの多数決が求められ(ステップST12)、この多数決結果に基づき、前記データの値が“FFFF”か、“0000”かが判定された後、先頭アドレス“17”に書き込まれていたデータの値と、次のアドレス“18”に書き込まれていたデータの値とが比較される。
【0047】
そして、これらが同一であれば(ステップST13)、CPU回路2によって、残っているアドレス“19”〜“33”に記憶されている各データが順次、2回ずつ、アクセスされて、これらアドレス“19”に記憶されているデータ〜最終アドレス“33”に記憶されているデータが順次、読み出されるとともに(ステップST11)、各データの最上位ビットを除く下位15ビットの多数決がとられて、各データの値が“FFFF”か、“0000”かが判定された後(ステップST12)、アドレス“18”〜“33”に記憶されていたデータの値が変化しているアドレスが見つけ出され、このアドレスの値がポイントBに格納される。
【0048】
これにより、図7に示すように、アドレス“17”、“18”にデータ“FFFF”が記憶され、アドレス“19”にデータ“0000”が記憶されていれば、CPU回路2によって、アドレス“19”に記憶されているデータが読み出されたとき、データが変化していると判定されて、アドレス“19”を示す値がポイントBに格納される。
【0049】
また、最終アドレス“33”まで、アクセスしても、データの変化点が見つからないときには、CPU回路2によって、先頭アドレス“17”から最終アドレス“33”まで、同じ値のデータが書き込まれていると判定されて、先頭アドレス“17”を示す値がポイントBに格納される。
【0050】
この後、CPU回路2によって、ポインタBに格納されている値から“17”が減算され、これによって得られた値がポインタAに格納されるとともに、図8に示すように、上述した変化点検出処理結果に基づき、“0000”または“FFFF”のいずれかが選択され、このデータがポインタBで指定されたアドレスに書き込まれる次のデータとして記憶される(ステップST13)。
【0051】
次いで、CPU回路2によって、オドエリア7を構成する各アドレス“0”〜“16”に格納されている各データが順次、読み出されるとともに(ステップST14)、図9に示すように、内部に設けられているメモリ(CPU回路2の内部メモリ)9上で、各アドレス“0”〜“16”に記憶されていたデータのうち、先頭アドレス“0”に記憶されていたデータからポインタAの値で指定されたアドレスの1つ前のアドレスに記憶されていたデータがそのままの値に保持されたまま、ポインタAの値で指定されるアドレスに記憶されていたデータから最終アドレス“16”に記憶されていたデータに“1”が加算されて、各データの値がそれぞれ比較される(ステップST15)。
【0052】
そして、CPU回路2によって、各データの値のうち、同じ値を持つデータの個数がカウントされ、同じ値を持つデータの個数が10個以上であるとき(ステップST16)、このデータの値がポインタAで指定されたアドレスに書き込まれる次のデータの値として記憶され、また全てのデータについて、データの比較処理を行なっても、同じ値を持つデータの個数が10個に満たなければ、オドホールド状態にされて、同じ値を持つデータの個数が最も多いデータの値がポインタAで指定されたアドレスに書き込まれる次のデータの値として記憶される(ステップST17)。
【0053】
この後、CPU回路2によって、上述したアドレスエリア8、オドエリア7に対するデータの読み込み処理を行なう際、読み込み開始信号を受信できず、リトライを行なった回数が3回以下かどうか、アドレスエリア8、オドエリア7に対するデータの読み込み処理を2回、連続して行ない、各データの値が異なっていたかどうかがチェックされる。
【0054】
そして、3回以下のリトライ回数で、アドレスエリア8、オドエリア7に記憶されているデータを正しく読み込めなかったとき、あるいはアドレスエリア8、オドエリア7に対するデータの読み込み処理を2回、連続して行ない、各データの値が異なっていたとき(ステップST18)、EEPROM回路3に異常が発生したと判定されて、EEPROM回路3に対する以後のアクセスが中止されて、表示器4上に表示される走行距離がブランク状態にされる(ステップST20)。
【0055】
また、この処理で、EEPROM回路3が正常であると判定されたとき(ステップST18)、CPU回路2によって、下記に示す演算式で走行距離データが計算され、この計算処理で得られた走行距離データに基づき、表示データが作成され、表示器4上に走行距離が表示される(ステップST19)。
【0056】
走行距離=(次のデータの値−1)×17+ポイントAの値
この後、車両の走行が開始されると、CPU回路2によって、上述したEEPROM回路3に対する書き込み動作が開始されて、走行距離が“1km”になる毎に、このEEPROM回路3に書き込まれている走行距離データが更新される(ステップST11〜ST20)。
【0057】
このように、第1の実施の形態では、CPU回路2によって、車両の車軸などに設けられたセンサから出力される車速パルスを取り込んで、これをカウントし、走行距離が所定の距離、例えば1kmになる毎に、EEPROM回路3に記憶されている走行距離データを更新しながら、最新の走行距離データに基づき、表示データを作成して、表示器4上に最新の走行距離を表示するようにしているので、車両の走行距離を計算する際、EEPROM回路3などのような不揮発性メモリのみを使用して、車両の走行距離を求めることができ、これによってRAM素子を使用しない分だけ、部品点数を少なくして、コストを低減させることができるとともに、ビット化けに対する冗長性を高めることができ、これによって不揮発性メモリに記憶される走行距離データを読み出すときに使用するプログラムを簡素化して、プログラム格納エリアの容量を小さくすることができる。
【0058】
また、第1の実施の形態では、EEPROM回路3のアドレスエリア8の各データ部に書き込まれているデータを順次読み出し、各データの変化点に基づき、最新指示情報を求めるとともに、EEPROM回路3のオドエリア7の各データ部に書き込まれているデータを順次、読み出しながら、前記最新指示情報に基づき、各データの値を補正して、補正済みの値の多数決をとり、オドエリア7に書き込まれている走行距離情報を決定するようにしているので、不揮発性メモリに記憶される走行距離データのビット化けに対する冗長性を高めることができ、これによって不揮発性メモリに記憶される走行距離データを読み出すときに使用するプログラムを簡素化して、プログラム格納エリアの容量を小さくすることができる。
【0059】
また、第1の実施の形態では、EEPROM回路3に対する書き込み処理、読み出し処理を行なうとき、予め設定されているリトライ回数だけ、リトライしても、正しい書き込み処理、読み出し処理を行なうことができないとき、EEPROM回路3が異常であると判定して、走行距離情報の更新処理、または読み出し処理を中止するようにしているので、EEPROM回路3に走行距離データを記憶させる際または記憶させている走行距離データを読み出す際、何らかの理由により、正しい書き込み処理、正しい読み出し処理を行なえないとき、EEPROM回路3が異常になったのか、単に一時的な書き込みエラー、一時的な読み出しエラーが発生したのかを区別することができ、これによってEEPROM回路3の異常に起因する走行距離データの誤りを無くすことができる。
【0060】
<第2の実施の形態>
次に、本発明の電子オドメータ装置の第2の実施の形態を説明する。第1の実施の形態の電子オドメータ装置は、(a)及び(b)の問題点を有している。
【0061】
(a)車両が1km走行後に、EEPROM回路3への書き込みを行い、書き込みが失敗した場合には、3回まで再書き込みを行い、それでも書き込みが失敗した場合には、走行距離データの積算(更新処理)を中止していた。
【0062】
しかし、再書き込みは定期的に実行されているため、その再書き込みのタイミングが偶然にもノイズ等に一致した場合には、走行距離データの積算が停止することになる。
【0063】
(b)また、1km走行時のEEPROM回路3への書き込みにおいては、書き込み値を再度読み出し、書き込み値と読み出し値との両者が一致した場合に書き込み処理を完了している(この処理をベリファイ処理という。)。このベリファイ処理が失敗した場合には3回まで再書き込み及びベリファイを行い、それでもベリファイが正しく行えない場合には、そのアドレスへの書き込みを中止し、次回1km走行時時に次のアドレスへデータを書き込む。この処理は、EEPROM回路3内のオドエリア7及びアドレスエリア8共に行われている。イグニッションスイッチがオン時の積算値は、オドエリア7のアドレスとデータとから算出されている。
【0064】
しかし、オドエリア7のアドレスは、アドレスエリア8内のデータの変化点から算出しているため、アドレスエリア8のデータが破壊されると、オドエリア7のアドレス及びデータ共に誤った値を示す場合がある。
【0065】
また、1km走行中のベリファイ処理において、アドレスエリア8の書き込み中にエラーが発生し再書き込みも失敗した場合には、アドレスエリア8のデータは、前回の値と同値となる。すなわち、ワード破壊となる。アドレスエリア8はビット破壊には冗長性を持つが、ワード破壊に対しては冗長性が低い。このため、結果として、積算計の過大表示等につながるおそれがある。
【0066】
第2の実施の形態の電子オドメータ装置は、前述した(a)及び(b)の問題点を解決するために、第1の実施の形態の電子オドメータ装置の機能を有するとともに、さらに、以下に説明する書き込み処理機能及びベリファイ処理機能を有する。図10は本発明による電子オドメータ装置の第2の実施の形態を示すブロック図である。
【0067】
図10において、CPU回路2aは、走行距離情報更新部5aと、走行距離情報演算表示部6aとを有する。走行距離情報更新部5aは、(a)の問題点を解決するために、EEPROM回路3aに対する書き込み処理を予め定められている第1の書込回数だけ実行する書込処理部51と、第1の書込回数だけ書き込み処理を実行しても書き込み処理が失敗した場合には、書込周期よりも短い再書込周期で再書き込み処理を予め定められている第2の書込回数だけ実行する再書込処理部52と、第2の書込回数だけ再書き込み処理を実行しても再書き込み処理が失敗した場合には、EEPROM回路3aが異常であると判定して走行距離データの積算を停止する第1の積算停止部53とを備えている。
【0068】
また、走行距離情報演算表示部6aは、(b)の問題点を解決するために、アドレスエリアに対するベリファイ処理を予め定められている第1のベリファイ回数だけ実行するベリファイ処理部61と、第1のベリファイ回数だけベリファイ処理を実行してもベリファイ処理が失敗した場合には、ベリファイ周期よりも短い再ベリファイ周期で再ベリファイ処理を予め定められている第2のベリファイ回数だけ実行する再ベリファイ処理部62と、第2のベリファイ回数だけ再ベリファイ処理を実行しても再ベリファイ処理が失敗した場合には、EEPROM回路3aが異常であると判定して走行距離データの積算を停止する第2の積算停止部63とを備えている。
【0069】
次に、図11のフローチャートを参照してEEPROM回路の書き込み動作を説明する。このEEPROM回路3aへのデータの書き込み動作は、走行距離情報更新部5aによって行われる。
【0070】
まず、回数Mを“0”に設定し(ステップST30)、EEPROM回路3aへのデータの書込回数としてのリトライ回数Nを“0”に設定する(ステップST31)。
【0071】
次に、EEPROM回路3aに対する書き込みを行い、書き込みが失敗した場合には(ステップST32)、第1回目の再書き込みを行い、再書き込みが失敗した場合には(ステップST33)、リトライ回数N(=0)に1を加算してリトライ回数Nが1となる(ステップST34)。
【0072】
次に、リトライ回数N(=1)が3未満であるため(ステップST35)、ステップST33に戻り、第2回目の再書き込みを行い、再書き込みが失敗した場合には(ステップST33)、リトライ回数N(=1)に“1”を加算してリトライ回数Nが“2”となる(ステップST34)。
【0073】
次に、リトライ回数N(=2)が3未満であるため(ステップST35)、ステップST33に戻り、第3回目の再書き込みを行い、再書き込みが失敗した場合には(ステップST33)、リトライ回数N(=2)に“1”を加算してリトライ回数Nが“3”となる(ステップST34)。
【0074】
次に、リトライ回数Nが“3”となった場合には(ステップST35)、回数M(=0)に“1”を加算して回数Mが“1”となる(ステップS36)。回数M(=1)が5未満であるため(ステップST37)、走行距離が前回の走行距離よりも0.5km増加した場合には(ステップST38)、ステップST31に戻り、ステップST31からステップST37までの処理を実行する。
【0075】
すなわち、次回0.5km走行(この例では、再書込周期を0.5kmとした。)時に、書き込みを行い、書き込みが失敗し、3回の再書き込みが失敗した場合には、回数M(=1)に“1”を加算して回数Mが“2”となる(ステップS36)。回数M(=2)が5未満であるため(ステップST37)、走行距離が前回の走行距離よりも0.5km増加した場合には(ステップST38)、ステップST31に戻り、ステップST31からステップST37までの処理を実行する。
【0076】
すなわち、次回0.5km走行時(1.0km)に、書き込みを行い、書き込みが失敗し、3回の再書き込みが失敗した場合には、回数M(=2)に“1”を加算して回数Mが“3”となる(ステップS36)。回数M(=3)が5未満であるため(ステップST37)、走行距離が前回の走行距離よりも0.5km増加した場合には(ステップST38)、ステップST31に戻り、ステップST31からステップST37までの処理を実行する。
【0077】
すなわち、次回0.5km走行時(1.5km)に、書き込みを行い、書き込みが失敗し、3回の再書き込みが失敗した場合には、回数M(=3)に“1”を加算して回数Mが“4”となる(ステップS36)。回数M(=4)が5未満であるため(ステップST37)、走行距離が前回の走行距離よりも0.5km増加した場合には(ステップST38)、ステップST31に戻り、ステップST31からステップST37までの処理を実行する。
【0078】
すなわち、次回0.5km走行時(2.0km)に、書き込みを行い、書き込みが失敗し、3回の再書き込みが失敗した場合には、回数M(=4)に“1”を加算して回数Mが“5”となる(ステップS36)。回数Mが“5”となっため(ステップST37)、走行距離データの積算を停止する(ステップST39)。
【0079】
一方、ステップST32において書き込みが成功またはステップST33において再書き込みが成功した場合には、走行距離データの積算を行う(ステップST40)。
【0080】
なお、書込処理部51は、ステップST32の処理を行い、再書込処理部52は、ステップST33からステップST38の処理を行い、第1の積算停止部53は、ステップST39の処理を行う。
【0081】
このように、第2の実施の形態の電子オドメータ装置によれば、1km走行時にEEPROM回路3aへの走行距離データの書き込みを行い、書き込みが失敗した場合には、3回まで再書き込みが行われ、この再書き込みが失敗した場合には、直ちに積算停止とせずに、次回0.5km走行毎に再書き込みを実行する。そして、最大2km走行分書き込みを行っても書き込みが行えない場合には、積算を停止する。また、再書き込み中は、積算計の加算を中止する。
【0082】
すなわち、EEPROM回路3aとの信号線にノイズ等の外乱が発生しても、最大2kmの長期間にわたって再書き込みが行われるため、ノイズ等に対しても、走行距離データのビット化けに対する冗長性を高めることができ、これによって、積算計を停止させる現象を抑制することができる。
【0083】
なお、再書込周期を0.5kmとしたのは、再書込回数をできるだけ多くして、しかもソフトウェアを複雑にしないで設計するためである。車速パルスを例えば、2548パルス/1kmとする。
【0084】
再書込周期を例えば、200msとすると、2548/5=509.6パルスである。この場合、走行距離が小数点となるため、ソフトウェア上の処理が複雑になる。
【0085】
また、再書込周期を例えば、250msとすると、2548/4=637パルスである。この場合、300km/h走行では、再書込間隔が3秒となる。しかし、再書込間隔が短く、EEPROM回路3aへの書き込みリトライ中に250m走行する可能性があり、これを回避するソフトウェアは複雑になる。
【0086】
さらに、再書込周期を例えば、500msとすると、2548/2=1274パルスである。この場合、300km/h走行では、再書込間隔が6秒となる。このため、再書込時間及び走行距離ともに無理のないものとなり、ソフトウェアもそれほど複雑にならない。従って、500m毎再書込を採用した。
【0087】
次に、図12のフローチャートを参照してEEPROM回路内のオドエリア7のベリファイ処理を説明する。EEPROM回路3aに対するベリファイ処理は、走行距離情報更新部5a及び走行距離情報演算表示部6aによって行われる。
【0088】
まず、ベリファイ回数としてのリトライ回数Nを“0”に設定する(ステップST41)。
【0089】
次に、EEPROM回路3aに対する走行距離データの書き込みを行い(ステップST42)、ベリファイ処理が失敗した場合には(ステップST43)、第1回目の再書き込みを行う(ステップST44)。そして、再ベリファイ処理が失敗した場合には(ステップST45)、リトライ回数N(=0)に“1”を加算してリトライ回数Nが“1”となる(ステップST46)。
【0090】
次に、リトライ回数N(=1)が3未満であるため(ステップST47)、ステップST44に戻り、第2回目の再書き込みを行い、再ベリファイ処理が失敗した場合には(ステップST45)、リトライ回数N(=1)に“1”を加算してリトライ回数Nが“2”となる(ステップST46)。
【0091】
次に、リトライ回数N(=2)が3未満であるため(ステップST47)、ステップST44に戻り、第3回目の再書き込みを行い、再ベリファイ処理が失敗した場合には(ステップST45)、リトライ回数N(=2)に“1”を加算してリトライ回数Nが“3”となる(ステップST46)。
【0092】
次に、リトライ回数Nが“3”となった場合には(ステップST47)、次回1km走行時に次のアドレスから書き込みを開始する(ステップS48)。以上説明したオドエリア7のベリファイ処理は、第1の実施の形態の電子オドメータ装置のベリファイ処理と同一処理である。
【0093】
次に、第2の実施の形態の電子オドメータ装置の特徴であるアドレスエリア8のベリファイ処理を図13のフローチャートを参照して説明する。
【0094】
まず、回数Mを“0”に設定し(ステップST50)、ベリファイ回数としてのリトライ回数Nを“0”に設定する(ステップST51)。
【0095】
次に、EEPROM回路3aに対する走行距離データの書き込みを行い(ステップST52)、ベリファイ処理が失敗した場合には(ステップST53)、第1回目の再書き込みを行う(ステップST54)。そして、再ベリファイ処理が失敗した場合には(ステップST55)、リトライ回数N(=0)に“1”を加算してリトライ回数Nが“1”となる(ステップST56)。
【0096】
次に、リトライ回数N(=1)が3未満であるため(ステップST57)、ステップST53に戻り、第2回目の再書き込みを行い(ステップST54)、再ベリファイ処理が失敗した場合には(ステップST55)、リトライ回数N(=1)に“1”を加算してリトライ回数Nが“2”となる(ステップST56)。
【0097】
次に、リトライ回数N(=2)が3未満であるため(ステップST57)、ステップST53に戻り、第3回目の再書き込みを行い(ステップST54)、再ベリファイ処理が失敗した場合には(ステップST55)、リトライ回数N(=2)に“1”を加算してリトライ回数Nが“3”となる(ステップST56)。
【0098】
次に、リトライ回数Nが“3”となった場合には(ステップST57)、回数M(=0)に“1”を加算して回数Mが“1”となる(ステップS58)。回数M(=1)が5未満であるため(ステップST59)、走行距離が前回の走行距離よりも0.5km増加した場合には(ステップST60)、ステップST51に戻り、ステップST51からステップST57までの処理を実行する。
【0099】
すなわち、次回0.5km走行時に、書き込みを行い、ベリファイ処理が失敗し、3回の再ベリファイ処理が失敗した場合には、回数M(=1)に“1”を加算して回数Mが2となる(ステップS58)。回数M(=2)が5未満であるため(ステップST59)、走行距離が前回の走行距離よりも0.5km増加した場合には(ステップST60)、ステップST51に戻り、ステップST51からステップST57までの処理を実行する。
【0100】
すなわち、次回0.5km走行時(1.0km)に、書き込みを行い、ベリファイ処理が失敗し、3回の再ベリファイ処理が失敗した場合には、回数M(=2)に“1”を加算して回数Mが“3”となる(ステップS58)。回数M(=3)が5未満であるため(ステップST59)、走行距離が前回の走行距離よりも0.5km増加した場合には(ステップST60)、ステップST51に戻り、ステップST51からステップST57までの処理を実行する。
【0101】
すなわち、次回0.5km走行時(1.5km)に、書き込みを行い、ベリファイ処理が失敗し、3回の再ベリファイ処理が失敗した場合には、回数M(=3)に“1”を加算して回数Mが“4”となる(ステップS58)。回数M(=4)が5未満であるため(ステップST59)、走行距離が前回の走行距離よりも0.5km増加した場合には(ステップST60)、ステップST51に戻り、ステップST51からステップST57までの処理を実行する。
【0102】
すなわち、次回0.5km走行時(2.0km)に、書き込みを行い、ベリファイ処理が失敗し、3回の再ベリファイ処理が失敗した場合には、回数M(=4)に“1”を加算して回数Mが“5”となる(ステップS58)。回数Mが“5”となっため(ステップST59)、走行距離データの積算を停止する(ステップST61)。
【0103】
なお、ベリファイ処理部61は、ステップST53の処理を行い、再ベリファイ処理部62は、ステップST55からステップST60の処理を行い、第2の積算停止部63は、ステップST61の処理を行う。
【0104】
このように、第2の実施の形態の電子オドメータ装置によれば、アドレスエリア8のベリファイ処理が失敗し、3回までの再ベリファイ処理も失敗した場合には、0.5km毎で最大2kmまでベリファイ処理を再度行う。それでもベリファイ処理が失敗した場合には、積算を停止させる。また、それ以降のEEPROM回路3aへの走行距離データの書き込みも停止する。
【0105】
このため、アドレスエリア8の値が破壊される確率が下がったため、走行距離データのビット化けに対する冗長性を高めることができ、これによって、次回、イグニッションスイッチをオン時のオド値と前回走行中のオド値との間に誤差が発生しにくくなった。これにより、次回、イグニッションスイッチをオン時にその時のオド値は、必ずイグニションスイッチをオフ時のオド値を示し、積算計の過大表示を防止することができる。
【0106】
ここで、図14乃至図16を参照して、第1の実施の形態のベリファイ処理と第2の実施の形態のベリファイ処理とを比較して説明する。図14は図10に示すEEPROM回路のベリファイ処理の初期状態を模式的に示す説明図である。図15は第1の実施の形態の電子オドメータ装置によるEEPROM回路のベリファイ処理を模式的に示す説明図である。図16は第2の実施の形態の電子オドメータ装置によるEEPROM回路のベリファイ処理を模式的に示す説明図である。
【0107】
図14に示す状態では、イグニッションスイッチのオン時の読み込みデータとオド値とは、次のようにして求められる。まず、アドレスエリア8において、データが“FFFF”から“0000”に変化する変化点は、アドレスが“30”である。このため、オドエリア変化点は、30−17=13番地である。
【0108】
また、データは、“100”であるため、以下の式によりオド値が“1696km”となる。
【0109】
17×(100−1)+100×13=1696
このため、積算計表示値が“1696km”、EEPROM回路3a内のデータからの計算値(オド値)が“1696km”となり、表示値とEEPROM回路3a内のデータからの計算値とが一致している。
【0110】
次に、図15に示す第1の実施の形態の例では、図14に示す状態から次回1km走行でアドレスが“30”への書き込み及び再書き込みともに失敗した場合には、図15(a)に示すように、データは“0000”のままである。しかし、積算計の加算は、継続されるため、オドエリア7の13番地にデータが“100”と書き込まれる。このため、積算計表示値は、“1700km”となる。
【0111】
さらに、次回2km走行した場合には、図15(b)に示すように、アドレスエリア8へのデータの書き込みまたは再書き込みが成功して、アドレスエリア8のアドレス“31”に“FFFF”が書き込まれ、オドエリア7の14番地にデータが“100”と書き込まれる。
【0112】
また、アドレスエリア8のアドレス“32”に“FFFF”が書き込まれ、オドエリア7の15番地にデータが“100”と書き込まれる。このため、積算計表示値は、“1702km”となるが、計算値は“1696km”であり、両者が一致しない。このため、表示値の過大表示が発生している。
【0113】
一方、図16に示す第2の実施の形態の例では、図14に示す状態から次回1km走行でアドレスが“30”への書き込み及び再書き込みともに失敗した場合には、図16(a)に示すように、データは“0000”のままであり、積算計の加算は、中止するため、オドエリア7の13番地のデータは“99”のままである。このため、積算計表示値は、“1696km”となる。
【0114】
さらに、500m毎に再書き込みを行ったが、再書き込みが失敗して2km走行した場合には、積算を停止するので、図16(b)に示すように、アドレスエリア8へアドレス“30”のデータは“0000”のままであり、また、オドエリア7の13番地のデータも“99”のまままである。このため、積算計表示値及び計算値(オド値)ともに“1696km”となり、両者が一致することになる。すなわち、積算計の過大表示を防止することができる。
【0115】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、請求項1の電子オドメータ装置では、定期的なノイズに対しても走行距離データのビット化けに対する冗長性が高められ、走行中に積算計が停止する現象を抑制することかできる。
【0116】
請求項2の電子オドメータ装置では、アドレスエリアの値が破壊される確率が下がったため、走行距離データのビット化けに対する冗長性を高めることができ、これによって、次回、イグニッションスイッチをオン時にその時のオド値は、必ずイグニションスイッチをオフ時のオド値を示し、積算計の過大表示を防止することができる。
【0117】
また、請求項3の電子オドメータ装置では、不揮発性メモリに記憶される走行距離データのビット化けに対する冗長性を高めることができ、これによって不揮発性メモリに記憶される走行距離データを読み出すときに使用するプログラムを簡素化して、プログラム格納エリアの容量を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電子オドメータ装置の第1の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】図1に示すEEPROM回路の詳細なメモリ構成を模式的に示す説明図である。
【図3】図1に示すEEPROM回路の書き込み動作を示すフローチャートである。
【図4】図1に示すEEPROM回路の書き込み動作を模式的に示す説明図である。
【図5】図1に示すEEPROM回路の書き込み動作を模式的に示す説明図である。
【図6】図1に示すEEPROM回路の読み込み動作を示すフローチャートである。
【図7】図1に示すEEPROM回路の読み込み動作を模式的に示す説明図である。
【図8】図1に示すEEPROM回路の読み込み動作を模式的に示す説明図である。
【図9】図1に示すCPU回路内に設けられるメモリの使用例を模式的に示す説明図である。
【図10】本発明による電子オドメータ装置の第2の実施の形態を示すブロック図である。
【図11】図10に示すEEPROM回路の書き込み動作を示すフローチャートである。
【図12】図10に示すEEPROM回路内のオドエリアのベリファイ処理を示すフローチャートである。
【図13】図10に示すEEPROM内のアドレスエリアのベリファイ処理を示すフローチャートである。
【図14】図10に示すEEPROM回路のベリファイ処理の初期状態を模式的に示す説明図である。
【図15】第1の実施の形態の電子オドメータ装置によるEEPROM回路のベリファイ処理を模式的に示す説明図である。
【図16】第2の実施の形態の電子オドメータ装置によるEEPROM回路のベリファイ処理を模式的に示す説明図である。
【図17】従来から知られている電子オドメータ装置の一例を示すブロック図である。
【図18】図17に示すEEPROM回路の使用例を模式的に示す説明図である。
【図19】図17に示すEEPROM回路に記憶されているデータの修正動作を模式的に示す説明図である。
【図20】図17に示すEEPROM回路に記憶されているデータの修正動作を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
1 電子オドメータ装置
2 CPU回路
3 EEPROM回路
4 表示器
5 走行距離情報更新部
6 走行距離情報演算表示部
7 オドエリア
8 アドレスエリア
9 メモリ
51 書込処理部
52 再書込処理部
53 第1の積算停止部
61 ベリファイ処理部
62 再ベリファイ処理部
63 第2の積算停止部
Claims (3)
- 複数のデータ部を持つオドエリアと複数のデータ部を持つアドレスエリアとを有する書き換え可能な不揮発性メモリと、
車両に設けられたセンサから出力される車速パルスをカウントし、このカウント結果に基づき、前記オドエリアの各データ部をサイクリックに使用して、走行距離情報を書き込むとともに、前記アドレスエリアの各データ部をサイクリックに使用して、前記オドエリアの各データ部のうち、最後に書き込まれたデータ部を指示する最新指示情報を書き込む走行距離情報更新部と、
走行距離を表示する際には、前記不揮発性メモリの前記アドレスエリアに書き込まれている最新指示情報を読み出し、この最新指示情報に基づき、前記不揮発性メモリの前記オドエリアに書き込まれている走行距離情報を読み出し、この走行距離情報に基づき、表示器上に車両の走行距離を表示する走行距離情報演算表示部とを備え、
前記走行距離情報更新部は、
前記不揮発性メモリに対する書き込み処理を予め定められている第1の書込回数だけ実行する書込処理部と、
前記第1の書込回数だけ書き込み処理を実行しても書き込み処理が失敗した場合には、書込周期よりも短い再書込周期で再書き込み処理を予め定められている第2の書込回数だけ実行する再書込処理部と、
前記第2の書込回数だけ再書き込み処理を実行しても再書き込み処理が失敗した場合には、前記不揮発性メモリが異常であると判定して走行距離情報の積算を停止する第1の積算停止部と、
を備えることを特徴とする電子オドメータ装置。 - 請求項1に記載の電子オドメータ装置において、
前記走行距離情報演算表示部は、
前記アドレスエリアに対するベリファイ処理を予め定められている第1のベリファイ回数だけ実行するベリファイ処理部と、
前記第1のベリファイ回数だけベリファイ処理を実行してもベリファイ処理が失敗した場合には、ベリファイ周期よりも短い再ベリファイ周期で再ベリファイ処理を予め定められている第2のベリファイ回数だけ実行する再ベリファイ処理部と、
前記第2のベリファイ回数だけ再ベリファイ処理を実行しても再ベリファイ処理が失敗した場合には、前記不揮発性メモリが異常であると判定して走行距離情報の積算を停止する第2の積算停止部と、
を備えることを特徴とする電子オドメータ装置。 - 請求項1または請求項2に記載の電子オドメータ装置において、
前記走行距離情報演算表示部は、前記アドレスエリアの各データ部に書き込まれているデータを順次読み出し各データの変化点に基づき最新指示情報を求めるとともに、前記オドエリアの各データ部に書き込まれているデータを順次、読み出しながら、前記最新指示情報に基づき各データの値を補正して補正済みの値の多数決をとり、前記オドエリアに書き込まれている走行距離情報を決定することを特徴とする電子オドメータ装置。
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