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JP3750366B2 - 固体光学素子マウントセル - Google Patents
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JP3750366B2 - 固体光学素子マウントセル - Google Patents

固体光学素子マウントセル Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、レーザ装置に用いられる固体光学素子を長期間にわたりダメージや劣化なく、一定の温度に保って用いるための固体光学素子マウントセルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
波長変換素子、レーザ活性媒質等の固体光学素子がダメージを受ける主な原因の一つとして、固体光学素子表面にゴミが付着することが挙げられる。また、固体素子によっては空気中の湿気によって劣化がおこるものもある。このような性質を持つ固体光学素子を長期にわたり、ダメージや劣化なく用いるため、固体光学素子をマウントセルの中に密封して、外界のごみや湿気を遮断した環境で用いることが一般に行われてきた。
【0003】
また、波長変換素子等の固体光学素子の中には微小な温度変化によってその光学特性が大きく変わるものがあり、そのような固体光学素子をごみや湿気から保護しつつ、一定の温度に保って使用するためには、温度調整用装置のついた固体光学素子マウントセルを用いる必要があった。
【0004】
図9は、例えば特開平6−301426号公報に示された従来のレーザ用固体光学素子マウントセルを示す構成図である。図9において、2はセルの筐体、7は固体光学素子、3は熱電冷却素子である。
【0005】
図9のように構成された固体光学素子マウントセルにおいては、固体光学素子7は筐体2とともに熱電冷却素子3上に熱的に接触しており、熱電冷却素子3によって温度コントロールされる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の固体光学素子マウントセルは上記のように構成されており、固体光学素子だけでなく、固体光学素子を含む筐体全体を熱電冷却素子の上に装着しているため、固体光学素子を温度コントロールして、所定の性能を発揮させるためには、固体光学素子だけでなく、筐体全体を温度コントロールする必要が生じる。従って、熱電冷却素子がコントロールしなければならない対象の熱容量は、必要以上に大きなものとなっていた。
【0007】
また、たとえば、レーザ共振器内部に波長変換素子を挿入し、共振器内のレーザビームを波長変換して、波長変換レーザビームを発生する波長変換レーザ装置を構成する場合に、図9に示すような従来の固体光学素子マウントセルに上記波長変換素子を密封した場合、固体光学素子マウントセルの熱容量が大きかったり、セルを構成する部品の中に熱伝導率が低い材料でできたものが含まれていた場合等には、熱電素子を用いて筐体全体の温度をコントロールしようとすると固体光学素子を含むマウントセル全体が熱平衡状態に達するまでに時間がかかるという欠点があった。
【0008】
共振器内部に挿入された波長変換素子の温度コントロールが十分でない状態でレーザ装置を運転しようとした場合、波長変換素子は所定温度範囲内に入らないと位相整合条件を満たさない場合があり、波長変換効率が低くなり、共振器内部の基本波レーザパワーを高調波レーザパワーとして消費できない。このため、一時的に共振器内部の基本波強度が非常に高い状態となり、波長変換素子等の光学素子にダメージを生じる場合があった。
【0009】
また、波長変換素子のアライメントを行う際、波長変換素子の角度を少し動かして、レーザ出力をモニタし、出力が上がった場合には位相整合条件が合う方向に波長変換素子を動かしていると判断し、同じ方向へ波長変換素子を動かし、出力が下がった場合には、位相整合条件がずれる方向に波長変換素子が動いたと判断し、逆方向に波長変換素子を動かすという操作を繰り返して、共振器と波長変換素子をアライメントするが、上記のような固体光学素子マウントセルを波長変換素子の保持に用いた場合には、波長変換素子を動かした際に、波長変換素子の熱分布が定常状態に落ち着くまでに時間がかかってしまう場合があり、作業を複雑にしていた。
【0010】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたものであり、固体光学素子を長期間にわたりダメージや劣化なく用いることができ、さらに固体光学素子の温度コントロールが精密に、かつ応答性良く行える固体光学素子マウントセルを提供することを目的とする。
【0011】
この発明の構成による固体光学素子マウントセルは、波長変換素子を筐体内に密封して温度制御を行なう固体光学素子マウントセルにおいて、上記波長変換素子の温度をコントロールする熱電冷却素子を上記筐体内に上記波長変換素子の両面に固体光学素子保持具を介して各々設け、上記熱伝冷却素子を上記波長変換素子に押し付けるように上記固体光学素子保持具にばねをとりつけたものである。
【0012】
この発明の構成による固体光学素子マウントセルは、筐体に冷媒の流路を設けたものである。
【0013】
この発明の構成による固体光学素子マウントセルは、筐体にヒータを設けたものである。
【0014】
この発明の構成による固体光学素子マウントセルは、固体光学素子保持具内の波長変換素子の近くに温度測定装置が設置されているものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1および図2はこの発明の実施の形態1による固体光学素子マウントセルの構造を示す構成図であり、図1は固体光学素子マウントセルの縦断面図、図2(a)は固体光学素子マウントセルフタ、図2(b)は固体光学素子マウントセルの横断面図である。図1、2において、1は固体光学素子マウントセルの押さえフタ、2は固体光学素子マウントセル筐体、3はペルチェ素子等を用いた熱電冷却素子、4はOリング、5はフタの押さえねじ、6は所定の波長に対して全透過となるようにコーティングを施された光学窓、7は温度コントロールを要する固体光学素子、8は銅等の熱伝導率の高い材料でできた固体光学素子保持具、9は固体光学素子保持具8の中に埋め込まれ、固体光学素子保持具8の温度をモニタするサーミスタ等の温度測定装置、12は熱電冷却素子3の廃熱側に基準温度を与える熱溜である。
【0016】
図1、2において、固体光学素子7は上下面が各々固体光学素子保持具8に接しており、固体光学素子保持具8は熱電冷却素子3にそれぞれ接している。また、熱電冷却素子3は固体光学素子マウントセル筐体2に接触している。固体光学素子7と固体光学素子保持具8との間、固体光学素子保持具8と熱電冷却素子3の間、および熱電冷却素子3と筐体2との間は、両者の接触面を光学研磨し、熱伝導性の良い接着剤等を塗って固定したり、熱伝導グリースを塗る等の両者の間の熱伝導を良くするための手段がとられている。固体光学素子マウントセル筐体2はOリング4を介して、光学窓6、およびフタ1により密封され、固体光学素子7は外界のごみや湿気から保護される。なお、図中には記されていないが、温度測定装置9、および熱電冷却素子3はセルの外部にある温度コントローラに接続されている。
【0017】
以上のように構成された固体光学素子マウントセルにおいては、以下に述べるように、固体光学素子7の温度がコントロールされる。
即ち、固体光学素子保持具8の温度は、温度測定装置9でモニタされる。固体光学素子保持具8は熱伝導性の高い材料で構成されており、温度測定装置9は固体光学素子7の近くに設置されているため、温度測定装置9でモニタされた温度の絶対値や温度の変動は、固体光学素子7の、固体光学素子保持具8に接している面の表面部とほぼ同じとみなすことができる。温度測定装置9でモニタされた温度を元に、熱電冷却素子3への電流がコントロールされ、結果として、固体光学素子7の温度がコントロールされる。また、図1、2に示した装置の筐体2は熱溜12に接するように構成されており、セル全体を室温に影響されない温度に保つことができる。さらに、図1、2に示したような、固体光学素子7の対向する両面を2つの熱電冷却素子で冷却する構成は、片面のみを冷却する構成に比べて光学素子内の温度の均一性を著しく高め、また、均一な温度に収束する時間を著しく短縮することができる。
【0018】
また、固体光学素子7として、波長変換素子やレーザ活性媒質等の角度、位置を微妙に変えて調整する必要のある光学素子を用いる場合は、図1、2に示した固体光学素子マウントセルの筐体2を角度と位置の微調節可能なゴニオメータ付きステージやホルダに装着して、角度と位置の微調整を行えるよう構成することもできる。
【0019】
なお、図1、2には固体光学素子を光学窓6を用いて密封しただけの場合について示したが、必要に応じて、セル筐体の密封度を向上させ、筐体内を真空ポンプで引いたり、窒素ガス等の不活性ガスや乾燥空気等でパージして固体光学素子を封入しても良い。
【0020】
また、図1、2には示さなかったが、固体光学素子が空気中の湿気によって劣化を起こしやすい性質を持つ場合、固体光学素子マウントセル筐体内とつながれた乾燥剤を入れた別室を設けて、筐体内を乾燥した雰囲気に保つようにしてもよい。
【0021】
また、図1、2には単に固体光学素子7が保持具8に接している状態のみを示したが、保持具と固体光学素子の一部だけが接している状況を避け、固体光学素子と保持具の接触面全体が均一に保持具に接するように、あるいは、つねに一定の圧力で保持具を固体光学素子に押し付けるように、ばねをとりつけて押さえる構造としても良い。
【0022】
図1、2のように構成された本実施の形態1の固体光学素子マウントセルにおいては、熱電冷却素子が温度コントロールをする対象が、固体光学素子と固体光学素子保持具だけであるため、従来例において示した、マウントセル全体を温度コントロールする場合に比べて、温度コントロールする対象の熱容量を小さくすることができる。
【0023】
また、マウントセル内の空気や、光学窓、Oリングといった比較的熱伝導率が低く、熱平衡状態に達するのに時間のかかる原因となるものを温度コントロールする対象から除くことができる。
その結果として、固体光学素子が熱平衡状態に達するまでに要する時間を短縮することができ、固体光学素子および、固体光学素子を含むレーザ装置全体のアライメントを容易に短時間で行うことができるようになる。
【0024】
実施の形態2.
図3および図4はこの発明の実施の形態2による固体光学素子マウントセルの構造を示す構成図であり、図3は固体光学素子マウントセルの縦断面図、図4(a)は固体光学素子マウントセルフタ、図4(b)は固体光学素子マウントセルの横断面図、図4(c)は上面図である。図3、4において、10は筐体2に設けられた所定温度に保たれた液体を流すための流路である。
【0025】
図3、4のように構成された固体光学素子マウントセルにおいては、筐体2内に、所定温度に保たれた液体を流すための流路10を設けたことにより、別の熱溜を用意して、筐体に接するよう装置を構成しなくても固体光学素子7を室温に影響されない温度に保つことができる。
【0026】
実施の形態3.
図5および図6はこの発明の実施の形態3による固体光学素子マウントセルの構造を示す構成図であり、図5は固体光学素子マウントセルの縦断面図、図6(a)は固体光学素子マウントセルフタ、図6(b)は固体光学素子マウントセルの横断面図、図6(c)は上面図である。図5、6において、11は筐体内に装着されたヒータである。
【0027】
図5、6のように構成された固体光学素子マウントセルにおいては、筐体2内に、ヒータを内蔵しているため、別の熱溜を用意して、筐体に接するよう装置を構成しなくとも固体光学素子7を室温に影響されない温度に保つことができる。
【0028】
実施の形態4.
図7および図8はこの発明の実施の形態4による固体光学素子マウントセルの構造を示す構成図であり、図7は固体光学素子マウントセルの縦断面図、図8(a)は固体光学素子マウントセルフタ、図8(b)は固体光学素子マウントセルの横断面図である。図7、8において、3、3aは熱電冷却素子である。
【0029】
図7、8のように構成された固体光学素子マウントセルにおいては、筐体2外に装着された熱電冷却素子3aと熱溜12とによって、筐体全体の温度がコントロールされ、さらに筐体内に装着された熱電冷却素子3によって固体光学素子7が温度コントロールされるため、精密な温度コントロールができる。また、1段の熱電冷却素子3を用いた場合に比べて、より熱溜12から離れた温度に固体光学素子7を保つことができる。
【0030】
なお、図7、8のように構成された固体光学素子マウントセルにおいて、筐体2にも温度測定装置を装着することによって、筐体2の温度をモニタし、それによって、筐体2の温度をコントロールするように熱電冷却素子3aへの電流をコントロールしてもよい。
【0031】
また、図7、8には2段重ねに熱電冷却素子を用い、固体光学素子を温度コントロールする場合について示したが、熱電冷却素子は3段以上、幾段用いてもよい。
【0032】
【発明の効果】
この発明の構成に係る固体光学素子マウントセルは、上記波長変換素子の温度をコントロールする熱電冷却素子を上記筐体内に上記波長変換素子の両面に固体光学素子保持具を介して各々設け、上記熱伝冷却素子を上記波長変換素子に押し付けるように上記固体光学素子保持具にばねをとりつけたので、温度コントロールする対象の熱容量を少なくすることができ、少ない熱容量の温度調整素子を用いても温度コントロールすることを可能にする。また、熱容量が少ないのに加え、熱伝導率の小さい材料を温度コントロールする対象のなかから取り除くことができるため、熱平衡状態に達するまでの時間を短くすることを可能にする。さらに、波長変換素子と保持具の接触面全体が均一に接し、つねに一定の圧力で保持具を波長変換素子に押し付けることができ、光学素子内の温度の均一性を著しく高め、また、均一な温度に収束する時間を著しく短縮することができる。
【0033】
この発明の構成に係る固体光学素子マウントセルは、マウントセルの筐体そのものに冷媒の流路を設けたので、固体光学素子を室温に影響されない一定温度に保つことが容易となる。
【0034】
この発明の構成に係る固体光学素子マウントセルは、マウントセルの筐体そのものにヒータを設けたので、固体光学素子を室温に影響されない一定温度に保つことが容易となる。
【0035】
この発明の構成に係る固体光学素子マウントセルは、固体光学素子保持具内の波長変換素子の近くに温度測定装置が設置されているので、温度測定装置でモニタされた温度の絶対値や温度の変動は、固体光学素子の固体光学素子保持具に接している面の表面部とほぼ同じとみなすことができる
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1による固体光学素子マウントセルを示す構成図である。
【図2】 本発明の実施の形態1による固体光学素子マウントセルを示す構成図である。
【図3】 本発明の実施の形態2による固体光学素子マウントセルを示す構成図である。
【図4】 本発明の実施の形態2による固体光学素子マウントセルを示す構成図である。
【図5】 本発明の実施の形態3による固体光学素子マウントセルを示す構成図である。
【図6】 本発明の実施の形態3による固体光学素子マウントセルを示す構成図である。
【図7】 本発明の実施の形態4による固体光学素子マウントセルを示す構成図である。
【図8】 本発明の実施の形態4による固体光学素子マウントセルを示す構成図である。
【図9】 従来の固体光学素子マウントセルを示す構成図である。
【符号の説明】
1 固体光学素子マウントセルフタ、2 固体光学素子マウントセル筐体、3,3a 熱電冷却素子、4 Oリング、5 フタ押さえねじ、6 光学窓、7 固体光学素子、8 固体光学素子保持具、9 温度測定装置、10 冷媒流路、11 ヒータ、12 熱溜。

Claims (4)

  1. 波長変換素子を筐体内に密封して温度制御を行なう固体光学素子マウントセルにおいて、上記波長変換素子の温度をコントロールする熱電冷却素子を上記筐体内に上記波長変換素子の両面に固体光学素子保持具を介して各々設け、上記熱伝冷却素子を上記波長変換素子に押し付けるように上記固体光学素子保持具にばねをとりつけたことを特徴とする固体光学素子マウントセル。
  2. 筐体に冷媒の流路を設けたことを特徴とする請求項1記載の固体光学素子マウントセル。
  3. 筐体にヒータを設けたことを特徴とする請求項1記載の固体光学素子マウントセル。
  4. 固体光学素子保持具内の波長変換素子の近くに温度測定装置が設置されていることを特徴とする請求項1記載の固体光学素子マウントセル。
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