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JP3751151B2 - 端部制御ミシン - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は端部制御ミシンに関し、特に立体縫いが可能となる被縫製物の端部制御ミシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
布送り手段によって被縫製物を一方向に送るとともに、横送り手段によって被縫製物の端部を揃えつつ横送りすることにより、被縫製物の端部に沿って縫製を行なう端部制御装置を有するミシンが従来より知られている。
例えば、図5(a)に示すように、針落下点1aよりも布送り込み側に配置され、針落下点1aに移送される加工布2cの布端位置を検出する布端検出手段7cと、加工布2cを挟持可能な挟持部材24と、加工布2cの送りに伴って挟持部材24を可動に支持する支持部材とを有し、布送り方向(矢符B)に略直交する方向(矢符C)に沿って移動可能な加工布操作手段と、布端検出手段7cの検出結果に基づき、加工布の布端が針落下点1aに対して所定の位置になるように加工布操作手段を制御する制御手段とからなるミシンの布端制御装置が開示されている(特開平6−86884号公報)。
この布端制御装置は、挟持部材24を加工布を挟持可能でかつ布送りに伴って可動なローラとすることにより、布送り方向は抵抗を少なく、また、布送り方向と直交する方向は挟持部材24の摩擦力により加工布を移動可能としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、挟持部材により加工布を挟持すると、可動ローラを採用して布送り方向の抵抗が少なくなったとしても、可動ローラの転がり摩擦係数は0でないため、加工布に常に張力が負荷されている状態となる。特に段差のある織布や、柔らかい加工布、不織布、発泡体などの被縫製物にあっては、僅かな張力によっても縫い目線のよたり、縫い目ピッチエラー等が生じることになる。また、被縫製物の染色剤や織り方、織り方向によっても僅かな張力の変化が影響を及ぼし、いわゆるイサリなどが生じるといった問題がある。
また、可動ローラの場合、布送り方向と直交する方向への移動はローラの直線の摩擦力によりなされるため、加工布にしわが生じやすくなるという問題がある。すなわち、図5(b)に示すように、縫い針の針落下点1aを中心として図面上、下側の領域25は伸ばされ、上側の領域26は縮められるのでしわが生じやすくなる。
さらに、可動ローラの場合、全体の機構が複雑となることと、可動ローラの直径をある程度とらなければならないため、可動ローラを針落下点の近くに配置できないという問題があり、上記しわがより発生しやすくなる。
【0004】
一方、従来の布端制御装置を用いて、上布と下布とが異なる曲率半径を有している場合、例えば、上布が外カーブで下布が内カーブとを有している被縫製物の端部を揃えて縫製すると縫製品は立体形状となるが、その場合、被縫製物に常に張力を与えて横送りする方式では、上下で大きく異なる横送り量に対応できないため、布端制御が困難になるという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題に対処するためになされたもので、曲線状の端部であっても、あるいは上下異なる曲率半径を有している場合でも、一定の縫い代で縫うことのできる被縫製物の端部制御ミシンを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の立体縫製ができる端部制御ミシンは、縫い針の昇降動作に同期して間欠的に被縫製物を搬送する搬送手段と、上記被縫製物の搬送が停止しているときは上記搬送方向と略直交する方向に上記被縫製物を移動させ、上記被縫製物が上記搬送方向に搬送されているときは上記被縫製物に非接触となる、上記重ね合わされた被縫製物の上下それぞれの側に配置された上部爪および下部爪を用いた横送り手段とを備えてなり、上記搬送手段と上記各横送り手段とがミシンの上軸の回転角と連動して制御され、上記搬送方向と略直交する方向への被縫製物の移動は、該被縫製物に刺さっている縫い針を支点としてなされることを特徴とする。本発明において、被縫製物とは、織布、不織布、フィルム、発泡素材等、その端部を縫うことのできる素材をいう。
【0007】
また、搬送される被縫製物の端部位置を検出する被縫製物端部検出手段を縫い針の落下点よりも被縫製物送り込み側に配置し、その検出手段の検出結果に基づき、上記略直交する方向の移動量を制御することを特徴とする。
【0008】
また、 2枚重ね合わされた被縫製物の上下それぞれの側に上記被縫製物端部検出手段および横送り手段を配置し、略直交する方向の移動量をそれぞれの端部検出結果に基づき相互に独立して制御することを特徴とする。
【0009】
本発明は、被縫製物の搬送時には非接触で、搬送が停止しているときには搬送方向と略直交する方向に被縫製物を移動させることにより、被縫製物の搬送時に張力を負荷させることなく端部を制御することができる。そのため、柔らかい布、あるいは段差のある被縫製物であっても一定の縫い代で縫うことができる。
また、被縫製物端部検出手段の検出結果に基づき、略直交する方向の移動量を制御するので、複雑な曲線の端部を有する被縫製物であってもイサリなどが生じない。さらに、略直交する方向の移動量を上下独立して制御するので、外カーブおよび内カーブを有する被縫製物を同時に縫製する場合であっても端部を揃えて縫い合わせることができ、立体縫製が容易にできる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の端部制御ミシンを図1により説明する。図1は本発明の動作状態を説明する図である。
図1において、1は被縫製物2aおよび2bを縫製する縫い針であり、上下の昇降動作を行なう。2は被縫製物であり、2aは上被縫製物、2bは下被縫製物である。3は被縫製物押え部材であり、ミシンアームに昇降可能に保持された押え棒3aの下端に回動自在に軸着され、押え棒3aとともにバネによって下方へ付勢されている。4は被縫製物2aおよび2bを矢符A方向に搬送するための搬送手段、例えば公知の四運動を行なう送り歯である。5は被縫製物の搬送方向と平行に配置され、所定の縫い代を設定するストッパーである。
また、6aおよび6bは被縫製物の搬送方向と略直交する方向に被縫製物を移動させる横送り手段であり、この横送り手段の先端部を構成する爪等は図中、上下方向、前後方向に、上下独立して移動する。7aおよび7bは被縫製物の端部を検出する検出手段であり、8は被縫製物2aと2bとの仕切り板、9は被縫製物を縫い針位置に導入するための規制部材である。
以下、本発明において、一対であって、仕切り板8の上側に配置、あるいは導入されるものを補助符号aで、下側のそれを補助符号bで、全体を表す場合は補助符号なしで表す。
本発明においては、横送り手段6が爪などの係止手段であるので小型化が容易である。したがって、被縫製物の搬送方向に対して、横送り手段6が検出手段7の後に配置されていてもよい。
【0011】
端部を縫製されるべき被縫製物2は、仕切り板8および規制部材9を経て、縫い針1の昇降動作に同期しながら間欠的に矢符A方向に搬送される。矢符A方向に搬送されている間は、横送り手段6が被縫製物2に非接触状態となっている。すなわち、被縫製物2にはなんらの応力も搬送方向以外負荷されない。
次に矢符A方向に搬送されていない間は被縫製物2の表面に横送り手段6を構成する爪等が係止して搬送方向と略直交する方向に被縫製物2の端部をストッパー5まで移動させる。これにより、被縫製物2の端部を揃えることができる。
搬送方向と略直交する方向への被縫製物2の移動は、被縫製物2に刺さっている縫い針1を支点としてなされる。
【0012】
縫い針の昇降動作に同期して間欠的に被縫製物を搬送するための、本発明に係る搬送手段は、上下移動機構および水平送り機構により、縫い針の昇降動作に同期して四運動を行なうことのできる送り歯4を有する手段であれば用いることができる。搬送手段の一例を図2により説明する。図2は、送り歯4の動作状態を説明する図である。
図2において、10は送り歯4を固定する送り歯台であり、この送り歯台10の一端は偏心カム11を介して連結されて上下移動機構を構成し、他端は水平送り腕体12に軸支され水平送り機構を構成している。図示を省略したミシンの上軸と連動した偏心カム11の回転運動により、送り歯台10が上下に運動する。一方、送り歯台10の一端に軸支されている水平送り腕体12は、その他端をミシンの上軸と連動して揺動運動をする水平揺動軸13に固定されている。水平揺動軸13の揺動運動を送り歯台10に伝達することにより送り歯台10が水平に運動する。
上記上下運動と水平運動との合成により間欠的に被縫製物を搬送できる。また、図示を省略したミシンの上軸および天秤クランクとを連動させる周知の手段により間欠的な被縫製物の搬送と同期して縫い針の昇降動作をさせることができる。
【0013】
本発明に係る横送り手段について図3により説明する。図3は横送り手段の動作状態を説明する図である。
図3において、6は被縫製物2の搬送方向と略直交する方向に被縫製物を移動させる横送り手段である。
この横送り手段6は、 2枚重ね合わされた被縫製物を縫製する場合にあっては、同一の機構であって上部爪14aと下部爪14bとが上下運動を相互に反転する以外は略同一の運動機構を有する6aおよび6bとを組み合わせて用いる。なお、上下運動の反転は周知の反転機構を用いることができる。例えば、偏心カム17aと偏心カム17bとを逆相とすることにより上部爪14aと下部爪14bとが上下対称の動作をする。
【0014】
14aは被縫製物に係止する先端部15aを有する上部爪であり、本体16aに固定されている。この爪14aを図中上下に移動させる偏心カム17aおよび左右に移動させる腕体18aが本体16aに備えられている。
縫製時の横送り手段を構成する爪14aの上下運動は、図示を省略したミシンの上軸と連動した偏心カム17aの回転運動により、本体16aが上下に運動することによりなされる。
一方、上下運動とともに横送り手段を構成する爪14aの左右運動は、図示を省略したミシンの上軸と連動した揺動軸19aに中心を固定され、他端が本体16aの摺動部23aに摺動保持されている摺動部材20aを有する腕体18aの揺動運動によりなされる。
左右の運動量は、摺動部材20aに一端を軸支され、他端がクランク軸21aに軸支され、このクランク軸21aの揺動量を調節することにより制御される。すなわち、クランク軸21aを固定している回転軸22aの回転量を調節することにより、摺動部材20aが本体16aの摺動部23aにおいて上下する。その結果、摺動部材20aの揺動量が変化することにより左右の運動量を変化させることができる。なお、摺動部材20aが揺動軸19aを中心にして上方、または下方に位置することにより、被縫製物をストッパー5まで引き込む場合と、逆に入り込みすぎた被縫製物をストッパー5より引き離す場合とを実現できる。
【0015】
2枚重ね縫製の場合にあっては、横送り手段とともに、上被縫製物2aと下被縫製物2bとを分離する仕切り板8を用いることが好ましく、この仕切り板8を用いることにより、曲率半径などの異なる上被縫製物2aと下被縫製物2bとをそれぞれの端部を揃えながら容易に縫製できる。
【0016】
また、仕切り板8を挟んで上下に配置される上端部検出手段7aと上部爪14a、および下端部検出手段7bと下部爪14bとがそれぞれ連動して爪14の左右の運動量を制御する。端部検出手段7aおよび7bとしては、全てのセンサー、例えば、レーザ変位センサー、接触スイッチ等を用いることができ、これらの出力をサーボモータに入力して回転軸22を回転させる。
なお、この運動量は、被縫製物をストッパー5まで引き込む場合と、逆に入り込みすぎた被縫製物をストッパー5より引き離す方向と二つの場合をとることができる。
【0017】
上部爪14aおよび下部爪14bとは、被縫製物が送り歯4により搬送されているときは、上部爪14aは図1中、上方向に、下部爪14bは図1中、下方向に移動しており、これにより上部爪先端15aおよび下部爪先端15bとが被縫製物2a、2bに非接触となる。
縫製過程において、1)縫い針の昇降動作、2)被縫製物の搬送、3)この搬送方向と略直交する方向に被縫製物を移動するための上部爪先端15aおよび下部爪先端15bとのかみ合い運動(上下運動)およびストッパー5に端部を揃えるための引き込み運動(左右運動)は、それぞれ同期してミシンの上軸と連動するが、この機構は周知のミシン機構、例えば上下送りミシンの上下送り機構等を用いることができる。
【0018】
また、縫い針の昇降動作など各部の同期運動の一例を図4に示す。図4はそれぞれの運動を上軸回転角の関数として表した運動曲線図である。なお、爪先端については上部爪を例として挙げる。
図4に示すように、縫い針が被縫製物に刺さっているときは、爪先端が被縫製物に係止して横送り力のみが作用し、搬送されているときは、爪は被縫製物に非接触状態となっている。
なお、上軸が1回転したときに横送り手段が1回働くように同期させることが機構が単純になるので好ましいが、上軸の1回転に対して横送り機構を数分の1回から数回働くように同期させることもできる。
【0019】
【発明の効果】
本発明は、被縫製物の搬送時には非接触で、搬送が停止しているときに搬送方向と略直交する方向に被縫製物を移動させる手段とを有するので、被縫製物の搬送時に被縫製物に負荷を与えることがなく端部を制御できる。また、略直交する方向に被縫製物を移動させる手段として爪などを用いるため、小型で簡易な形状となるので、縫い針の近傍に配置することができる。その結果、柔らかい布や、曲率半径の小さい端部であっても、段差のある端部であっても、縫い代を一定にして縫製することができる。
【0020】
また、被縫製物端部検出手段を縫い針の落下点よりも被縫製物送り込み側に配置し、その検出結果に基づき、被縫製物の略直交する方向の移動量を制御するので、上述の縫製をより精度よく行なうことができる。
【0021】
さらに、略直交する方向の移動量を上下独立して制御するので、外カーブおよび内カーブを有する被縫製物を同時に縫製する場合であっても縫い代を一定に揃えて縫い合わせることができ、立体縫製が容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】端部制御ミシンの動作状態を説明する図である。
【図2】送り歯の動作状態を説明する図である。
【図3】横送り機構の動作状態を説明する図である。
【図4】各部の運動を上軸回転角の関数として表した運動曲線図である。
【図5】従来のミシンの布端制御装置を説明する図である。
【符号の説明】
1 縫い針
2 被縫製物
3 被縫製物押え部材
4 搬送手段
5 ストッパー
6 横送り手段
7 検出手段
8 仕切り板
9 規制部材
10 送り歯台
11 偏心カム
12 水平送り腕体
13 水平揺動軸
14 爪
15 爪先端部
16 本体
17 偏心カム
18 腕体
19 揺動軸
20 摺動部材
21 クランク軸
22 回転軸
23 摺動部

Claims (4)

  1. 縫い針の昇降動作に同期して間欠的に被縫製物を搬送する搬送手段と、
    前記被縫製物の搬送が停止しているときは前記搬送方向と略直交する方向に前記被縫製物を移動させ、前記被縫製物が前記搬送方向に搬送されているときは前記被縫製物に非接触となる、前記重ね合わされた被縫製物の上下それぞれの側に配置された上部爪および下部爪を用いた横送り手段とを備えてなり、
    前記搬送手段と前記各横送り手段とがミシンの上軸の回転角と連動して制御され、前記搬送方向と略直交する方向への被縫製物の移動は、該被縫製物に刺さっている縫い針を支点としてなされることを特徴とする立体縫製ができる端部制御ミシン。
  2. 搬送される前記被縫製物の端部位置を検出する被縫製物端部検出手段を前記縫い針の落下点よりも被縫製物送り込み側に配置し、前記検出手段の検出結果に基づき、前記略直交する方向の移動量を制御することを特徴とする請求項1記載の端部制御ミシン。
  3. 2枚重ね合わされた被縫製物の上下それぞれの側に前記被縫製物端部検出手段および前記横送り手段とを配置し、前記略直交する方向の移動量をそれぞれの端部検出結果に基づき相互に独立して制御することを特徴とする請求項2記載の端部制御ミシン。
  4. 前記横送り手段とともに、上被縫製物と下被縫製物とを分離する仕切り板を備えることを特徴とする請求項1、請求項2、または請求項3記載の端部制御ミシン。
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