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JP3751166B2 - ポリエステルペレットの製造方法 - Google Patents
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JP3751166B2 - ポリエステルペレットの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、ポリエステルペレットの製造方法に関し、さらに詳しくは、成形品ガスバリヤー性、透明性および耐熱性に優れたポリエステルペレットの製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
ポリエチレンテレフタレートなどの飽和ポリエステルは、ガスバリヤー性、透明性および機械的強度に優れるため、ボトルなどの容器として広く利用されている。
【0003】
特にポリエチレンテレフタレートを二軸延伸ブロー成形して得られるボトルは、透明性、機械的強度、耐熱性、およびガスバリヤー性に優れており、ジュース、清涼飲料、炭酸飲料などの飲料充填用容器(PETボトル)として広く用いられている。
【0004】
このようなボトルは、一般的に、飽和ポリエステルを射出成形して口栓部と胴部とを有するプリフォームを成形し、次いでこのプリフォームを所定形状の金型に挿入し、延伸ブロー成形して胴部を延伸して、口栓部と延伸された胴部を有するボトルとして製造されている。
【0005】
近年、ポリエステル樹脂(特にポリエチレンテレフタレート)から製造されるボトルは小型化する傾向にあるが、このような小型ボトルの場合、単位容量当たりのボトル胴部と接する面積が大きくなることからガス損失あるいは外部からの酸素の透過による内容物への影響が顕著となり、内容物の保存期間が低下することとなる。このためポリエステル樹脂には、従来よりもガスバリヤー性に優れていることが要求されている。
【0006】
このようなポリエステル樹脂の耐熱性およびガスバリヤー性を向上させる試みとして、ポリエチレンテレフタレートに、ポリエチレンイソフタレートなどをブレンドすることが提案されている(たとえば特公平1-22302号公報参照)。しかしながら、このようなポリエチレンテレフタレートとポリエチレンイソフタレートとのブレンド物では、相溶性を高めるために行われる高温での溶融混練時にアセトアルデヒドが発生し、容器に充填された内容物の味が低下したり、また透明性が低下したり、さらにはポリエチレンイソフタレートがスクリューに付着し、長期滞留することによる焼けこげが発生するなどの問題点があった。また、ポリエチレンイソフタレートが非晶質である場合、通常の乾燥機でポリエチレンテレフタレートを乾燥後、冷却し、乾燥状態でポリエチレンテレフタレートとポリエチレンイソフタレートをブレンドし、成形することが必要となり、乾燥および成形機投入までの設備費がかかること、設備を設置するためにより広い場所が必要であることなどの問題点があった。
【0007】
このため、テレフタル酸を主成分とし、イソフタル酸を含むジカルボン酸成分と、エチレングリコールとからなるポリエステルが提案されているが、耐熱性およびガスバリヤー性が必ずしも充分ではなく、またアセトアルデヒドが発生する場合もあり、より耐熱性、ガスバリヤー性に優れ、アセトアルデヒドの発生が少ないポリエステルの出現が望まれている。
【0008】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたものであって、ガスバリヤー性、透明性および耐熱性に優れ、かつアセトアルデヒドの発生が少ないポリエステルペレットの製造方法を提供することを目的としている。
【0009】
【発明の概要】
本発明に係るポリエステルペレットの製造方法は、
[A] 極限粘度が0.3〜0.8dl/gである固相重合前のポリエチレンテレフタレート;99〜20重量%と、
[B] テレフタル酸とイソフタル酸とを含むジカルボン酸から誘導されるジカルボン酸構成単位と、エチレングリコールと1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとを含むジオールから誘導されるジオール構成単位とからなり、極限粘度が0.3〜0.9dl/gである固相重合前のポリエチレンイソフタレート共重合体;1〜80重量%とをブレンドし後、ペレタイズしたポリエステルを固相重合するに際し、
固相重合前のブレンド物の示差走査熱量計によって測定される融点(Tm1)と固相重合後のブレンド物の融点(Tm2)が下記式[I]
Tm1-Tm2<5℃ …[I]
である。
ブレンド物の固相重合温度は190℃以下であることが好ましい。
ブレンド物のアセトアルデヒド含有率が8ppm以下であることが好ましい。
【0010】
本発明に係るポリエステルペレットの製造方法では、
ポリエチレンイソフタレート共重合体[B]は、
(i)全ジカルボン酸構成単位に対して、イソフタル酸から誘導される構成単位が50〜98モル%であり、テレフタル酸から導かれる構成単位が2〜50モル%であり、
(ii)全ジオール構成単位に対して、エチレングリコールから誘導される構成単位が15〜99モル%であり、1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンから誘導される構成単位が1〜85モル%であることが好ましい。
【0011】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係るポリエステルペレットおよびその製造方法について具体的に説明する。
【0012】
[ポリエステルペレットの製造方法]
本発明に係るポリエステルペレットの製造方法は、
[A] 極限粘度が0.5〜1.5dl/gである固相重合後のポリエチレンテレフタレート;99〜20重量%と、
[B] 極限粘度が0.3〜0.9dl/gである固相重合前のポリエチレンイソフタレート共重合体;1〜80重量%とを、
ブレンドした後、ペレタイズしたポリエステルをに固相重合することである。
【0013】
[A] ポリエチレンテレフタレート
本発明で用いられるポリエチレンテレフタレート[A]は、テレフタル酸またはそのエステル誘導体から導かれるジカルボン酸単位と、エチレングリコールまたはそのエステル誘導体から導かれるジオール単位とからなる。
【0014】
このポリエチレンテレフタレート[A]のジカルボン酸単位は、該単位を100モル%とするとき、テレフタル酸単位を80モル%以上、好ましくは85〜100モル%の量で含有していることが望ましい。
【0015】
20モル%以下の量で含有されていてもよい他のジカルボン酸類として、具体的には、イソフタル酸、フタル酸(オルトフタル酸)、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸類、
コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、n-ジカルボン酸など脂肪族カルボン酸類、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸類などが挙げられる。
【0016】
またポリエチレンテレフタレート[A]のジオール単位は、該単位を100モル%とするとき、エチレングリコール単位を80モル%以上、好ましくは85〜100モル%の量で含有していることが望ましい。
【0017】
20モル%以下の量で含有されていてもよい他のジオール類として具体的には、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ドデカメチレングリコールなどの脂肪族グリコール類、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール類、1,2-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4-(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンなどの芳香族基を含むグリコール類、
ビスフェノール類、ハイドロキノン、2,2-ビス(4-β-ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンなどの芳香族ジオール類などが挙げられる。これらの中では、特にジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノールなどが好ましい。
【0018】
さらに本発明で用いられるポリエチレンテレフタレート[A]は、本発明の目的を損なわない範囲であれば、3以上のカルボキシル基を有する多官能カルボン酸類、または3以上のヒドロキシ基を有する多価アルコールから導かれる単位を含有していてもよく、たとえばトリメシン酸、無水ピロメリット酸などの多官能カルボン酸類、グリセリン、1,1,1-トリメチロールエタン、1,1,1-トリメチロールプロパン、1,1,1-トリメチロールメタン、ペンタエリスリトールなどの多価アルコール類から導かれる単位を含有していてもよい。
【0019】
本発明で用いられるポリエチレンテレフタレート[A]は、実質上線状であり、このことはポリエチレンテレフタレート[A]が、o-クロロフェノールに溶解することによって確認される。
【0020】
本発明で用いられるポリエチレンテレフタレート[A]は、25℃、o-クロロフェノール中で測定される極限粘度[η]が、0.3〜0.9dl/g、好ましくは0.5〜0.85dl/gであることが望ましく、固相重合前、固相重合後のどのちらのものでもよい。
【0021】
このようなポリエチレンテレフタレートは、従来公知の方法で製造することが可能であり、たとえば、前記ジカルボン酸とジオールとを、直接エステル化したのち、二酸化ゲルマニウムなどのゲルマニウム化合物、三酸化アンチモン、酢酸アンチモンなどのアンチモン化合物、チタニウムテトラアルコキサイドなどのチタン化合物等の重縮合触媒の存在下に溶融重縮合したり、あるいはジカルボン酸のエステルとジオールとを、チタンイソプロポキシド、チタンテトラブトキシドなどのチタンアルコキシドや酢酸コバルト、酢酸亜鉛、酢酸マンガン、酢酸カルシウムなどの酢酸金属塩などのエステル交換触媒の存在下でエステル交換反応を行う。エステル交換触媒としては、チタンテトラブトキシドや酢酸亜鉛が望ましい。その後、二酸化ゲルマニウムなどのゲルマニウム化合物、三酸化アンチモン、酢酸アンチモンなどのアンチモン化合物、チタニウムテトラアルコキサイドなどのチタン化合物等の重縮合触媒の存在下に溶融重縮合したりしたのち、固相重合することによって製造することができる。固相重合は、溶融重縮合物を、通常、180〜230℃、好ましくは190〜220℃の温度で加熱することによって行われる。なお、固相重合時には、溶融重縮物は、乾燥していることが望ましく、このため、予め溶融重縮合物を80〜180℃で乾燥してもよい。
【0022】
ポリエチレンイソフタレート共重合体 [B]
本発明で用いられるポリエチレンイソフタレート共重合体[B]は、テレフタル酸とイソフタル酸とを含むジカルボン酸から誘導されるジカルボン酸構成単位と、エチレングリコールと1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとを含むジオールから誘導されるジオール構成単位とからなる。
【0023】
ジカルボン酸構成単位は、全ジカルボン酸構成単位に対して、
イソフタル酸から誘導される構成単位を、50〜98モル%、好ましくは60〜95モル%の範囲で、
テレフタル酸から誘導される構成単位を、2〜50モル%、好ましくは5〜40モル%の範囲で含有していることが好ましい。
【0024】
さらに、このようなポリエチレンイソフタレート共重合体[B]は、本発明の目的を損なわない範囲であれば、イソフタル酸およびテレフタル酸以外のジカルボン酸構成単位を15モル%未満の量で含有していてもよい。
【0025】
15モル%未満の量で含有されていてもよい他のジカルボン酸類としては、具体的には、フタル酸(オルソフタル酸)、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸類、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸類、シクロへキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸類などが挙げられる。
【0026】
これらのジカルボン酸は、そのエステル誘導体であってもよく、また2種以上の組合わせであってもよい。
また、ジオール構成単位は、全ジオール構成単位に対して、
エチレングリコールから誘導される構成単位を、15〜99モル%、好ましくは15〜90モル%、さらに好ましくは20〜88モル%の範囲で、
1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンから誘導される構成単位を、1〜85モル%、好ましくは10〜85モル%、さらに好ましくは12〜80モル%の範囲で含有していることが好ましい。
【0027】
さらにまた、本発明で用いられるポリエチレンイソフタレート共重合体[B]はは、本発明の目的を損なわない範囲であれば、エチレングリコールおよび1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン以外のジオール構成単位を15モル%未満の量で含有していてもよい。
【0028】
15モル%未満の量で含有されていてもよい他のジオール類としては、具体的に、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ドデカメチレングリコールなどの脂肪族グリコール類、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール類、1,2-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4-(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンなどの芳香族基を含むグリコール類、ビスフェノール類、ハイドロキノン、2,2-ビス(4-β-ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンなどの芳香族ジオール類などが挙げられる。
【0029】
これらのジオールは、そのエステル誘導体であってもよく、また2種以上の組合わせであってもよい。
他のジオール類としては、これらのうちでも、ジエチレングリコールが好ましい。
【0030】
さらに本発明で用いられるポリエチレンイソフタレート共重合体[B]は、本発明の目的を損なわない範囲であれば、前記ポリエチレンテレフタレート[A]で示したような3個以上のカルボキシル基を有する多官能カルボン酸類、または3個以上のヒドロキシ基を有する多価アルコールから導かれる単位を含有していてもよい、具体的には、多官能カルボン酸類から導かれる単位および/または多価アルコール類から導かれる単位を、独立してジカルボン酸単位100モル%に対して0.05〜0.4モル%、好ましくは0.1〜0.35モル%、さらに好ましくは0.2〜0.35モル%の量で含んでいてもよい。
【0031】
本発明で用いられるポリエチレンイソフタレート共重合体[B]の25℃、o-クロロフェノール中で測定される極限粘度[η]は、0.3〜0.9dl/g、好ましくは0.35〜0.85dl/gであることが望ましく、液相重合終了後であって固相重合前のものである。
【0032】
またポリエチレンイソフタレート共重合体の示差走査型熱量計(DSC、昇温速度10℃/分)で測定されるガラス転移温度は、通常40〜120℃、好ましくは50〜100℃であることが望ましい。
【0033】
本発明で用いられるポリエチレンイソフタレート共重合体[B]は、前記ポリエチレンテレフタレート[A]と同様に、必要に応じて予備結晶化させてもよい。
このようなポリエチレンイソフタレート共重合体は従来公知の方法で製造することが可能であり、たとえば、前記ジカルボン酸とジオールとを、直接エステル化したのち、二酸化ゲルマニウムなどのゲルマニウム化合物、三酸化アンチモン、酢酸アンチモンなどのアンチモン化合物、チタニウムテトラアルコキサイドなどのチタン化合物等の重縮合触媒の存在下に溶融重縮合したり、あるいはジカルボン酸のエステルとジオールを、チタンイソプロポキシド、チタンテトラブトキシドなどのチタンアルコキシドや酢酸コバルト、酢酸亜鉛、酢酸マンガン、酢酸カルシウムなどの酢酸金属塩などのエステル交換触媒の存在下でエステル交換反応を行う。エステル交換触媒としては、チタンテトラブトキシドや酢酸亜鉛が望ましい。その後、二酸化ゲルマニウムなどのゲルマニウム化合物、三酸化アンチモン、酢酸アンチモンなどのアンチモン化合物、チタニウムテトラアルコキサイドなどのチタン化合物等の重縮合触媒の存在下に溶融重縮合したりすることによって製造することができる。
【0034】
ポリエステルのブレンド
本発明に係る製造方法では、上記ポリエチレンテレフタレート[A];99〜20重量%、好ましくは99〜40重量%、さらに好ましくは98〜50重量%と、
上記ポリエチレンイソフタレート共重合体[B];1〜80重量%、好ましくは1〜60重量%、さらに好ましくは2〜50重量%とをブレンドしている。
【0035】
ブレンドは、上記組成となるようにポリエチレンテレフタレート[A]とポリエチレンイソフタレート共重合体[B]とを配合した後、260〜310℃で、30〜300秒間溶融混練することによって行われる。混練後のブレンド物は、押出成形機などによって、ペレット化される。ペレットの平均粒径は、2.0〜5.0mmであることが好ましい。
【0036】
上記のようにポリエチレンテレフタレート[A]とポリエチレンイソフタレート共重合体[B]とをブレンドする際、必要に応じて、前記製造方法(1)と同様にエステル交換触媒、滑剤などを添加してもよい。
【0037】
また、得られたブレンド物の25℃、o-クロロフェノール中で測定される極限粘度は、0.3〜0.9dl/g、好ましくは0.35〜0.85dl/gであることが望ましい。
得られたブレンド物の昇温結晶化温度(Tcc)は、170℃以下、好ましくは160℃以下、より好ましくは100〜155℃であることが好ましい。
【0038】
ブレンド物の結晶化
このようにして得られたブレンド物のペレットは、次に結晶化される。
結晶化は、ブレンド物を乾燥状態でガラス転移温度(Tg)〜融点未満の温度、好ましくはTgより20℃高くかつ190℃より低い温度に、1〜300分間、好ましくは5〜200分間保つことによって行われる。具体的には、80〜190℃、好ましくは100〜170℃に加熱することによって行われる。このような結晶化は空気中あるいは不活性雰囲気中で行うことが可能である。
【0039】
結晶化されたポリエステルブレンド物は、結晶化度が20〜50%であることが望ましい。
なお、このような結晶化では、いわゆるポリエステルの固相重合反応は進行せず、結晶化後のポリエステルの極限粘度は、結晶化前のポリエステルの極限粘度とほぼ同じであり、結晶化後のポリエステルの極限粘度と、結晶化前のポリエステルの極限粘度との差は、通常0.06dl/g以下である。
【0040】
ブレンド物の固相重合
本発明では、ポリエステルブレンド物は結晶化した後、固相重合を行う。固相重合は、通常、140〜190℃、好ましくは150〜190℃で行わ
れる。なお、固相重合
時には、ブレンド物のペレットは、乾燥していること望ましく、このため、予めブレンド物のペレットを80〜170℃で乾燥してもよい。
【0041】
本発明では、固相重合前のポリエステルブレンド物の示差走査熱量計によって測定される融点(Tm1)と固相重合後のブレンド物の融点(Tm2)が下式[I]
Tm1-Tm2<5℃ …[I]
であることが好ましい。
Tm1-Tm2が5℃以上であると、固相重合の際にポリエチレンテレフタレート[A]とポリエチレンイソフタレート共重合体[B]のエステル交換反応が進行していることを示す。Tm1-Tm2<5℃であるとガスバリア性が低下しないので好ましい。
【0042】
このようにして得られたポリエステルペレットのアセトアルデヒド含有率は8ppm以下であることが好ましく、6ppm以下であることがより好ましい。
【0043】
このようにして得られたポリエステルペレットには、前記の製造方法(1)と同様に、熱水処理を施してもよい。熱水処理は、得られた固相重合物を、70〜120℃の熱水に、1〜360分間浸漬することによって行われる。
【0044】
本発明に係る製造方法で得られたポリエステルペレットは、必要に応じて、通常ポリエステルに添加される添加剤、例えば着色剤、抗酸化剤、酸素吸収剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤を含有していてもよい。
【0045】
また本発明に係る製造方法で得られたポリエステルペレットは、プリフォーム、ボトル、(延伸)フィルム、シートなどの種々の成形体の材料として用いることができる。
【0046】
このようなポリエステルペレットから作製されたボトルは、ガスバリヤー性、透明性および耐熱性に優れている。またアセトアルデヒドの発生が少ないため、ジュースなどの内容物の味が低下することもない。
【0047】
【発明の効果】
本発明のポリエステルペレットを用いると、射出成形機、押出機投入までの原料乾燥供給ラインが大幅に簡素化でき、設備に関する費用を大幅に削減できるできるだけでなく、長期間連続成形を行っても、成形品中に発生する焼けこげを大幅に減少させることができる。しかも、得られた成形品は、ガスバリアー性、透明性、耐熱性に優れ、かつアセトアルデヒド量が低いだけではなく、ボトル強度にも優れ、ボトルにナイフを入れても層状剥離が発生しにくい。
【0048】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0049】
なお実施例において、各特性は以下のように測定した。
極限粘度
o-クロロフェノール溶媒を用いて1g/dlの試料溶液を調製し、25℃でウベローデ型毛細管粘度計を用いて溶液粘度を測定し、その後o-クロロフェノールを徐々に添加して、低濃度側の溶液粘度を測定し、それらのデータから0%濃度に外挿して求めた。
【0050】
炭酸ガス透過係数 ( ガスバリヤー性 )
ジーエルサイエンス株式会社製ガス透過率測定装置GPM-250を用いて、23℃、相対湿度60%の条件下で測定した。
【0051】
測定に使用したフィルムは、以下のようにして作製した。
延伸フィルム:金型温度290℃のプレス成形機を用いて0.3mm厚のフィルムを作製し、このフィルムを冷却金型温度0℃の条件で急冷して非晶フィルムとした。次いで、この非晶フィルムをガラス転移温度(Tg)よりも15℃高い温度で3×3倍に同時二軸延伸を行い、延伸フィルムとした。
【0052】
アセトアルデヒド含有率
試料成形物から試験片を約2g採取し、SPEX社製冷凍粉砕機にて冷凍粉砕する。得られた試料粉末1gをバイヤル瓶に入れ、蒸留水2mlを加え、水と試料粉末とをよく混ぜる。キャップをした後バイヤル瓶を120℃で1時間加熱する。加熱後氷水中にて冷却し、上澄み液5μlをガスクロマトグラフ(GC-6A、島津製作所(株)製)で測定した。
【0053】
融点
パーキンエルマー社製示差熱量計(DSC)を使用して測定した。
試料をサンプルパンに10mg秤量し、窒素気流下、30℃で10分間保持したのち、10℃/分の昇温速度で290℃まで昇温する際に表れる融点のピーク温度を測定した。
【0054】
【実施例1】
ポリエチレンテレフタレート (A-1)
高純度テレフタル酸332gおよびエチレングリコール143gからなるスラリーを作製し、これに0.042gの二酸化ゲルマニウムおよび0.080gのリン酸を加えた。この スラリーを加圧下(絶対圧1.7kg/cm2)で255℃の温度に加熱して、エステル化率が95%になるまでエステル化反応を行って低重合体を製造した。続いて、1torrの減圧下に、280℃の温度で前記の低重合体を溶融重合させて、極限粘度0.660dl/gのポリエチレンテレフタレート(A-1)のプレポリマーを生成させ、これをノズルからストランド状に押し出し、切断して、直径2.5mm、高さ3.5mmの円柱状ペレットとした。
【0055】
ポリエチレンイソフタレート共重合体 (B-1)
イソフタル酸299g、テレフタル酸33g、エチレングリコール122gおよび1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン21gからなるスラリーを作製し、これに0.042gの二酸化ゲルマニウムおよび0.080gのリン酸を加えた。このスラリーを加圧下(絶対圧1.7kg/cm2)で255℃の温度に加熱して、エステル化率が95%になるまでエステル化反応を行って低重合体を製造した。続いて、1torrの減圧下に、280℃の温度で前記の低重合体を溶融重合させて、極限粘度0.856dl/gのポリエチレンイソフタレート共重合体(B-1)のプレポリマー(イソフタル酸:テレフタル酸(モル比)=90:10、エチレングリコール:1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン(モル比)=85:15)を生成させ、これをノズルからストランド状に押し出して切断し、直径2.5mm、高さ3.5mmの円柱状ペレットとした。
【0056】
ブレンド
次いで、上記ポリエチレンテレフタレート(A-1)90重量部に対して、ポリエチレンイソフタレート共重合体(B-1)が10重量部となるようにドライブレンドしたものを、サーモ社製20mmφ単軸押出成形装置を用いて成形温度275℃で溶融混練し、ノズルからストランド状に押し出して切断し、直径2.5mm、高さ3.5mmの円柱状ペレット(C-1)とした。このプレポリマーの融点は255℃、アセトアルデヒドの含有率は25ppmであった。
【0057】
固相重合
次いで、上記で得られたペレット(C-1)を150℃で2時間窒素気流下において予備結晶化した後、窒素雰囲気下に、180℃で固相重合を70時間行った。
【0058】
このようにして得られたポリエステルの極限粘度は、0.710dl/g、融点は252℃、アセトアルデヒドの含有率は3.0ppmであり、固相重合前後における融点の差(Tm1-Tm2=)3℃であった。
またこのポリエステルから得られる延伸フィルムの炭酸ガス透過係数は10.5cc・mm/m2・day・atmであり、アセトアルデヒド含有率は11ppmであった。
【0059】
【実施例2】
ポリエチレンテレフタレート (A-2)
実施例1のようにして製造したポリエチレンテレフタレート(A-1)を170℃で2時間窒素気流下において予備結晶化した後、窒素雰囲気下に、210℃で固相重合を6時間行った。このようにして得られたポリエチレンテレフタレート(A-2)の極限粘度は、0.801dl/gであった。
【0060】
ブレンド
次いで、上記ポリエチレンテレフタレート(A-2)90重量部に対して、ポリエチレンイソフタレート共重合体(B-1)が10重量部となるようにドライブレンドしたものを、サーモ社製20mmφ単軸押出成形装置を用いて成形温度275℃で溶融混練し、ノズルからストランド状に押し出して切断し、直径2.5mm、高さ3.5mmの円柱状ペレット(C-2)とした。このプレポリマーの融点は、254℃で、アセトアルデヒドの含有率は19ppmであった。
【0061】
固相重合
次いで、上記で得られたペレット(C-2)を150℃で2時間窒素気流下において予備結晶化した後、窒素雰囲気下に、180℃で固相重合を40時間行った。
【0062】
このようにして得られたポリエステルの極限粘度は、0.807dl/g、融点は252℃、アセトアルデヒドの含有率は2.9ppmであり、固相重合前後における融点の差(Tm1-Tm2=)2℃であった。
またこのポリエステルから得られる延伸フィルムの炭酸ガス透過係数は10.9cc・mm/m2・day・atmであり、アセトアルデヒド含有率は12ppmであった。
【0063】
【実施例3】
ブレンド
実施例2で作製した上記ポリエチレンテレフタレート(A-2)60重量部に対して、ポリエチレンイソフタレート共重合体(B-1)が40重量部となるようにドライブレンドしたものを、サーモ社製20mmφ単軸押出成形装置を用いて成形温度275℃で溶融混練し、ノズルからストランド状に押し出して切断し、直径2.5mm、高さ3.5mmの円柱状ペレット(C-3)とした。
【0064】
このプレポリマーの融点は、235℃で、アセトアルデヒドの含有率は19ppmであった。
【0065】
固相重合
次いで、上記で得られたペレット(C-3)を140℃で2時間窒素気流下において予備結晶化した後、窒素雰囲気下に、170℃で固相重合を40時間行った。
【0066】
このようにして得られたポリエステルの極限粘度は、0.811dl/g、融点は232℃、アセトアルデヒドの含有率は2.9ppmであり、固相重合前後における融点の差(Tm1-Tm2=)3℃であった。
またこのポリエステルから得られる延伸フィルムの炭酸ガス透過係数は6.3cc・mm/m2・day・atmであり、アセトアルデヒド含有率は13ppmであった。
【0067】
【比較例1】
実施例1で得られたブレンド物(C-1)を170℃で2時間窒素気流下において予備結晶化した後、窒素雰囲気下に、210℃で固相重合を5時間行った。
このようにして得られたポリエステルの極限粘度は、0.721dl/g、融点は246℃、アセトアルデヒドの含有率は3.2ppmであり、固相重合前後における融点の差(Tm1-Tm2=)6℃であった。
またこのポリエステルから得られる延伸フィルムの炭酸ガス透過係数は12.2cc・mm/m2・day・atmであり、ガスバリア性に劣っていた。アセトアルデヒド含有率は13ppmであった。
【0068】
【比較例2】
実施例2で得られたブレンド物(C-2)をそのまま成形した(アセトアルデヒド含有率は19ppm)。延伸フィルムの炭酸ガス透過係数は9.5と良好であったが、アセトアルデヒド含有率は28ppmと高かった。

Claims (3)

  1. [A]極限粘度が0.3〜0.8dl/gであるポリエチレンテレフタレート;99〜20重量%と、[B]テレフタル酸とイソフタル酸とを含むジカルボン酸から誘導されるジカルボン酸構成単位と、エチレングリコールと1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンとを含むジオールから誘導されるジオール構成単位とからなり、極限粘度が0.3〜0.9dl/gであるポリエチレンイソフタレート共重合体;1〜80 重量%とをブレンド後、ペレタイズしたポリエステルを固相重合するに際し、固相重合前ブレンド物の示差走査熱量計によって測定される融点(Tm1)と固相重合後ブレンド物の融点(Tm2)が下記式[I]
    Tm1-Tm2 < 5℃ ・・・[I]
    であることを特徴とするポリエステルペレットの製造方法
  2. 固相重合温度が190℃以下であることを特徴とする請求項1のポリエステルペレットの製造方法
  3. アセトアルデヒドの含有率が8ppm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリエステルペレットの製造方法
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