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JP3751674B2 - ポリマー電解質二次電池の製造方法 - Google Patents
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JP3751674B2 - ポリマー電解質二次電池の製造方法 - Google Patents

ポリマー電解質二次電池の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体ポリマー電解質層を備えるポリマー電解質二次電池の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の発達にともない、小型で軽量、かつエネルギー密度が高く、更に繰り返し充放電が可能な二次電池の開発が要望されている。このような二次電池としては、リチウムまたはリチウム合金を活物質とする負極と、モリブデン、バナジウム、チタンあるいはニオブなどの酸化物、硫化物もしくはセレン化物を活物質とする正極とを具備したリチウム二次電池が知られている。しかしながら、リチウムまたはリチウム合金を活物質とする負極を備えた二次電池は、充放電サイクルを繰り返すと負極にリチウムのデンドライトが発生するため、充放電サイクル寿命が短いという問題点がある。
【0003】
このようなことから、負極に、例えばコークス、黒鉛、炭素繊維、樹脂焼成体、熱分解気相炭素のようなリチウムイオンを吸蔵放出する炭素質材料を用い、LiPF6 のような電解質およびエチレンカーボネート、プロピレンカーボネートのような非水溶媒からなる電解液を用いた非水溶媒二次電池が提案されている。前記非水溶媒二次電池は、デンドライト析出による負極特性の劣化を改善することができるため、電池寿命と安全性を向上することができる。
【0004】
一方、米国特許第5,296,318号明細書には正極、負極および電解質層にポリマーを添加することにより柔軟性が付与されたハイブリッドポリマー電解質を有する再充電可能なリチウムインターカレーション電池、つまりポリマー電解質二次電池が開示されている。このようなポリマー電解質二次電池は、集電体に活物質、非水電解液およびこの電解液を保持するポリマーを含む正極層を積層した正極と集電体にリチウムイオンを吸蔵放出し得る炭素質材料、非水電解液およびこの電解液を保持するポリマーを含む負極層を積層した負極との間に非水電解液およびこの電解液を保持するポリマーを含む固体ポリマー電解質層が介在された構造を有する。
【0005】
ところで、前記正極はパンチドメタルのような多孔質集電体にリチウムマンガン複合酸化物のような活物質と、ビニリデンフロライドーヘキサフルオロプロピレン(VDF−HFP)の共重合体のような前記電解液を保持するポリマーとを含む正極用ペーストを塗布し、乾燥した後、六フッ化リン酸リチウムのような電解質およびエチレンカーボネート、プロピレンカーボネートのような非水溶媒からなる非水電解液を含浸して前記多孔質集電体に正極層を形成することにより作製される。
【0006】
しかしながら、多孔質集電体に単に正極用ペーストを塗布し、乾燥する工程を経て作製された正極層を有する正極は前記多孔質集電体に対する正極層の密着性が劣る。
【0007】
一方、前記負極はパンチドメタルのような多孔質集電体に炭素材料のようなリチウムイオンを吸蔵放出し得る活物質と、ビニリデンフロライドーヘキサフルオロプロピレン(VDF−HFP)の共重合体のような前記電解液を保持するポリマーとを含む負極用ペーストを塗布し、乾燥した後、六フッ化リン酸リチウムのような電解質およびエチレンカーボネート、プロピレンカーボネートのような非水溶媒からなる非水電解液を含浸して前記多孔質集電体に負極層を形成することにより作製される。
【0008】
しかしながら、多孔質集電体に単に負極用ペーストを塗布し、乾燥する工程を経て作製された負極層を有する負極は前記多孔質集電体に対する正極層の密着性が劣る。
【0009】
したがって、前述した正極および負極をポリマー電解質層と共に組み込んで製造した二次電池において、充放電を繰り返すと放電容量が著しく低下するという問題があった。
【0010】
すなわち、ポリマー電解質二次電池は充放電時に電池を構成する正極層、負極層および固体ポリマー電解質層が膨脹・収縮を繰り返すため、前記多孔質集電体から前記正極層が剥離したり、前記多孔質集電体から負極層が剥離したりしてインピーダンスが上昇する。その結果、充放電の繰り返しに伴って放電容量が著しく低下する問題があった。特に、正極集電体として用いられるアルミニウム製パンチドメタルのような多孔質集電体は前記正極層との密着性が著しく劣るため、サイクル特性の劣化が顕著であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、多孔質集電体に対して正極層および/または負極層を強固に密着させて充放電時における正極および/または負極のインピーダンスの上昇を防止することを可能にしたポリマー電解質二次電池の製造方法を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るポリマー電解質二次電池は、多孔質集電体に活物質および非水電解液を保持するポリマーを含む正極層を積層した正極と、集電体にリチウムイオンを吸蔵放出する炭素質材料および非水電解液を保持するポリマーを含む負極層を積層した負極と、前記正極の正極層および前記負極の負極層の間に介在された非水電解液を保持するポリマーを含む固体ポリマー電解質層とを備えたポリマー電解質二次電池を製造する方法において、
前記正極は、裏当てシート上に長尺の多孔質集電体を前記裏当てシートより張力が低くなるように重合わせる工程と、前記長尺の多孔質集電体および裏当てシートをペースト塗布手段に供給し、前記長尺の多孔質集電体の上面側から活物質および非水電解液を保持するポリマーを含む正極用ペーストを塗布する工程と、正極用ペーストが塗布された前記長尺の多孔質集電体を前記裏当てシートとの張力差により波立たせてその上面側に塗布されたペーストを前記集電体の多孔質部を通して下面側に回り込ませる工程とを含む方法により作製されることを特徴とするものである。
【0013】
本発明に係わる別のポリマー電解質二次電池は、集電体に活物質および非水電解液を保持するポリマーを含む正極層を積層した正極と、多孔質集電体にリチウムイオンを吸蔵放出する炭素質材料および非水電解液を保持するポリマーを含む負極層を積層した負極と、前記正極の正極層および前記負極の負極層の間に介在された非水電解液を保持するポリマーを含む固体ポリマー電解質層とを備えたポリマー電解質二次電池を製造する方法において、
前記負極は、裏当てシート上に長尺の多孔質集電体を前記裏当てシートより張力が低くなるように重合わせる工程と、前記長尺の多孔質集電体および裏当てシートをペースト塗布手段に供給し、前記長尺の多孔質集電体の上面側からリチウムイオンを吸蔵放出する炭素質材料および非水電解液を保持するポリマーを含む負極用ペーストを塗布する工程と、負極用ペーストが塗布された前記長尺の多孔質集電体を前記裏当てシートとの張力差により波立たせてその上面側に塗布されたペーストを前記集電体の多孔質部を通して下面側に回り込ませる工程とを含む方法により作製されることを特徴とするものである。
【0014】
本発明に係わるさらに別のポリマー電解質二次電池は、多孔質集電体に活物質および非水電解液を保持するポリマーを含む正極層を積層した正極と、集電体にリチウムイオンを吸蔵放出する炭素質材料および非水電解液を保持するポリマーを含む負極層を積層した負極と、前記正極の正極層および前記負極の負極層の間に介在された非水電解液を保持するポリマーを含む固体ポリマー電解質層とを備えたポリマー電解質二次電池を製造する方法において、
前記正極は、裏当てシート上に長尺の多孔質集電体を前記裏当てシートより張力が低くなるように重合わせる工程と、前記長尺の多孔質集電体および裏当てシートをペースト塗布手段に供給し、前記長尺の多孔質集電体の上面側から活物質および非水電解液を保持するポリマーを含む正極用ペーストを塗布する工程と、正極用ペーストが塗布された前記長尺の多孔質集電体を前記裏当てシートとの張力差により波立たせてその上面側に塗布されたペーストを前記集電体の多孔質部を通して下面側に回り込ませる工程とを含む方法により作製され、かつ
前記負極は、裏当てシート上に長尺の多孔質集電体を前記裏当てシートより張力が低くなるように重合わせる工程と、前記長尺の多孔質集電体および裏当てシートをペースト塗布手段に供給し、前記長尺の多孔質集電体の上面側からリチウムイオンを吸蔵放出する炭素質材料および非水電解液を保持するポリマーを含む負極用ペーストを塗布する工程と、負極用ペーストが塗布された前記長尺の多孔質集電体を前記裏当てシートとの張力差により波立たせてその上面側に塗布されたペーストを前記集電体の多孔質部を通して下面側に回り込ませる工程とを含む方法により作製されることを特徴とする
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るポリマー電解質二次電池の製造方法を図1〜図4を参照して詳細に説明する。
図1に示すように正極1、固体ポリマー電解質層2および負極3を積層することによりポリマー電解質二次電池4を製造する。前記正極1は、多孔質集電体5に正極層6が担持された構造を有する。前記負極3は、多孔質集電体7に負極層を担持された構造を有する。
【0016】
次に、前記正極1、負極3の作製方法、前記固体ポリマー電解質層3の構成について説明する。
1)正極1の作製方法
まず、図2に示すように裏当てシート11上に例えばアルミニウム製パンチドメタルからなる長尺の多孔質集電体12を前記裏当てシート11より張力が低くなるように重合わせ、一対の送りロール13を通してペースト塗布機構14に送る。前記塗布機構14は、前記長尺の多孔質集電体12上面に近接してその幅方向に亘って配置され、下部が開口されたペースト供給容器15と、時計回り方向に回転される搬送ロール16と、このロール16の上方に所望の間隔をあけて配置され、下部が長さ方向に切欠されたロール状ブレード17とから構成されている。前記供給容器15内には活物質、導電性材料、非水電解液を保持するポリマーおよびDBP(ジブチルフタレート)などの可塑剤を含む正極用ペーストが収容されている。前記長尺の多孔質集電体12および前記裏当てシート11を前記ペースト塗布機構14に送ると、前記長尺の多孔質集電体12上面に前記供給容器15から正極用ペーストが供給されて所望の厚さのペースト層18が形成され、さらに前記搬送ロール16と前記ロール状ブレード17の間を通過することにより前記ロール状ブレード17により余分なペーストが掻き取られて一定量のペースト層19が前記長尺の多孔質集電体12上面に塗布される。前記搬送ロール16と前記ロール状ブレード17の間を通過した前記ペースト層19が塗布された長尺の多孔質集電体12は、前記裏当てシート11との張力差により波立つ。このため、前記長尺の多孔質集電体12は図3に示すように下側の前記裏当てシート11と部分的に離れた状態になり、上面側に塗布されたペーストがその多数の多孔質部(穴)20を通して下面側に回り込む。このように上面側に塗布されたペーストが下面側に回り込んだ長尺の多孔質集電体12は、前記裏当てシート11と共に図示しない乾燥炉に送られ、ペーストが乾燥され、さらに必要に応じて加圧される。
【0017】
以上説明した工程を経ることにより図4に示す多孔質集電体5の上面のみならず多孔質部(穴)20を通して下面側にも回り込まれた正極層6が形成される。この後、図4に示す構造のものを非水電解液中に浸漬することによって前記正極層中のポリマーに前記電解液を保持させると共に前記正極層中の可塑剤と前記電解液を置換し、前記正極層に電解液を含浸させるか、または前記正極層中の前記可塑剤をエタノール等の溶剤で抽出する等によって除去した後、前記正極層に非水電解液を含浸させることにより正極を作製する。
【0018】
前記裏当てシート11は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン等の高分子樹脂、または銅、アルミニウム等の金属から形成される。
【0019】
前記長尺の多孔質集電体12を前記裏当てシート11より張力を低くするには、例えば前記裏当てシート11のみにバックテションを加える方法、前記裏当てシート11を前記長尺の多孔質集電体12に比べて強いバックテンションを加える方法等を採用することができる。前記張力差は、前記多孔質集電体12の形態や前記裏当てシート11の材料等により適宜選択すればよい。
【0020】
前記多孔質集電体は、Al製パンチドメタルの他にアルミニウム製メッシュ、アルミニウム製エキスパンドメタル等を用いることができる。
前記正極層6を構成する前記活物質としては、種々の酸化物(例えばLiMn24 などのリチウムマンガン複合酸化物、二酸化マンガン、例えばLiNiO2 などのリチウム含有ニッケル酸化物、例えばLiCoO2 などのリチウム含有コバルト酸化物、リチウム含有ニッケルコバルト酸化物、リチウムを含む非晶質五酸化バナジウムなど)や、カルコゲン化合物(例えば、二硫化チタン、二硫化モリブテンなど)等を挙げることができる。中でも、リチウムマンガン複合酸化物、リチウム含有コバルト酸化物、リチウム含有ニッケル酸化物を用いるのが好ましい。
【0021】
前記正極層6を構成する前記導電性材料としては、例えば、人造黒鉛、カーボンブラック(例えばアセチレンブラックなど)、ニッケル粉末等を挙げることができる。
【0022】
前記正極層6に含まれる前記可塑剤は、前記固体電解質層の強度等の機械的特性の改善や電解液含浸量を向上させて充放電特性を改善する目的で添加される。
前記正極層6を構成する前記非水電解液を保持するポリマーとしては、例えばポリエチレンオキサイド誘導体、ポリプロピレンオキサイド誘導体、前記誘導体を含むポリマー、ビニリデンフロライド(VdF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)との共重合体等を用いることができる。前記正極層において、このようなポリマーは、分子間が架橋された形態で存在していても良い。また、前記共重合体において、VdFは共重合体の骨格部で機械的強度の向上に寄与し、HFPは前記共重合体に非晶質の状態で取り込まれ、非水電解液の保持とリチウムイオンの透過部として機能する。前記HFPの共重合割合は、前記共重合体の合成方法にも依存するが、通常、最大で20重量%前後である。
【0023】
前記正極層6を構成する前記非水電解液は、非水溶媒に電解質を溶解することにより調製される。
前記非水溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、γ−ブチロラクトン(γ−BL)、スルホラン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン等を挙げることができる。前記非水溶媒は、単独で使用しても、2種以上混合して使用しても良い。
【0024】
前記電解質としては、例えば、過塩素酸リチウム(LiClO4 )、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 )、ホウ四フッ化リチウム(LiBF4 )、六フッ化砒素リチウム(LiAsF6 )、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3 SO3 )、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム[LiN(CF3 SO32 ]等のリチウム塩を挙げることができる。
【0025】
前記電解質の前記非水溶媒に対する溶解量は、0.2mol/l〜2mol/lとすることが望ましい。
なお、本発明に用いられるペースト塗布手段は前述した図2に示す構造に限定されず、要は裏当てシート上に配置された長尺の多孔質集電体に正極や負極のペーストを塗布できる構造であればよい。
【0026】
2)負極3の作製方法
この負極3は、負極用ペーストとしてリチウムイオンを吸蔵放出する炭素質材料、電解液を保持するポリマーおよびDBP(ジブチルフタレート)などの可塑剤を含む組成のものを用い、長尺の多孔質集電体が例えば銅製パンチドメタルである以外、前述した正極の作製方法と実質的に同様な方法により作製される。
【0027】
すなわち、裏当てシート上に例えば銅製パンチドメタルからなる長尺の多孔質集電体を前記裏当てシートより張力が低くなるように重合わせ、一対の送りロールを通して前述した図2に示す構造のペースト塗布機構に送る。前記ペースト塗布機構の供給容器内にはリチウムイオンを吸蔵放出する炭素質材料、電解液を保持するポリマーおよびDBP(ジブチルフタレート)などの可塑剤を含む負極用ペーストが収容されている。前記長尺の多孔質集電体および前記裏当てシートを前記ペースト塗布機構に送ると、前記長尺の多孔質集電体上面に前記供給容器15から負極用ペーストが供給されて所望の厚さのペースト層が形成され、さらに前記搬送ロールと前記ロール状ブレードの間を通過することにより前記ロール状ブレードにより余分なペーストが掻き取られて一定量のペースト層が前記長尺の多孔質集電体上面に塗布される。前記搬送ロールと前記ロール状ブレードの間を通過した前記ペースト層が塗布された長尺の多孔質集電体は、前記裏当てシートとの張力差により波立つ。このため、前記長尺の多孔質集電体は前述した図3と同様、下側の前記裏当てシートと部分的に離れた状態になり、上面側に塗布されたペーストがその多数の多孔質部(穴)を通して下面側に回り込む。このように上面側に塗布されたペーストが下面側に回り込んだ長尺の多孔質集電体は、前記裏当てシートと共に図示しない乾燥炉に送られ、ペーストが乾燥され、さらに必要に応じて加圧される。
【0028】
以上説明した工程を経ることにより前述した図4と同様、多孔質集電体の上面のみならず多孔質部(穴)を通して下面側にも回り込まれた負極層が形成される。この後、図4に示す構造のものを非水電解液中に浸漬することによって前記負極層中のポリマーに前記電解液を保持させると共に前記負極層中の可塑剤と前記電解液を置換し、前記負極層に電解液を含浸させるか、または前記負極層中の前記可塑剤をエタノール等の溶剤で抽出する等によって除去した後、前記負極層に非水電解液を含浸させることにより正極を作製する。
【0029】
前記多孔質集電体は、銅製パンチドメタルの他に銅製メッシュ、銅製エキスパンドメタル等を用いることができる。
前記負極層を構成するリチウムイオンを吸蔵放出する炭素質材料としては、例えば、有機高分子化合物(例えば、フェノール樹脂、ポリアクリロニトリル、セルロース等)を焼成することにより得られるもの、コークスや、ピッチを焼成することにより得られるもの、人造グラファイト、天然グラファイト等に代表される炭素質材料を挙げることができる。中でも、アルゴンガス、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気中において、500℃〜3000℃の温度で、常圧または減圧下にて前記有機高分子化合物を焼成して得られる炭素質材料を用いるのが好ましい。
【0030】
前記ポリマーおよび前記非水電解液は、前述した正極で説明したものと同様なものが用いられる。
前記負極層は、人造グラファイト、天然グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ニッケル粉末、ポリフェニレン誘導体等の導電性材料、オレフィン系ポリマーや炭素繊維等のフィラーを含むことを許容する。
【0031】
なお、前記正極1および負極3のいずれか一方は以下に説明する(1−1)〜(1−4)の方法;(2−1)〜(2−4)の方法;によって作製されることを許容する。
【0032】
(1−1)前記非水電解液を保持するポリマーの溶液を調製し、前記溶液に例えばDBP(ジブチルフタレート)などの可塑剤、前記活物質及び前記導電材料を添加した後、これらを混合し、成膜することにより正極層を作製した後、前記正極層と前記集電体とを例えば熱圧着等によって接着する。これを非水電解液中に浸漬することによって前記ポリマーに前記電解液を保持させると共に前記正極層中の可塑剤と前記電解液を置換することによって前記正極層に電解液を含浸させるか、または前記正極層中の前記可塑剤をエタノール等の溶剤で抽出する等によって除去した後、前記正極層に非水電解液を含浸させることにより正極を作製する。
【0033】
(1−2)前記非水電解液を保持するポリマーの溶液を調製し、前記溶液に例えばDBP(ジブチルフタレート)などの可塑剤、前記活物質及び前記導電材料を添加した後、これらを混合し、正極用塗料を調製する。前記正極用塗料を前記集電体に塗工した後、乾燥させる。これを非水電解液中に浸漬することによって前記ポリマーに前記電解液を保持させると共に前記正極層中の可塑剤と前記電解液を置換することによって前記正極層に電解液を含浸させるか、または前記正極層中の前記可塑剤をエタノール等の溶剤で抽出する等によって除去した後、前記正極層に非水電解液を含浸させることにより正極を作製する。
【0034】
(1−3)前記非水電解液を保持するポリマーの溶液を調製し、前記溶液に前記活物質及び前記導電材料を添加した後、これらを混合し、成膜することにより正極層を作製した後、前記正極層と前記集電体とを例えば熱圧着等によって接着し、非水電解液を含浸させることによって正極を作製する。
【0035】
(1−4)前記非水電解液を保持するポリマーの溶液を調製し、前記溶液に前記活物質及び前記導電材料を添加した後、これらを混合し、正極用塗料を調製する。前記正極用塗料を前記集電体に塗工した後、乾燥させ、非水電解液を含浸させることによって正極を作製する。
【0036】
(2−1)前記非水電解液を保持するポリマーの溶液を調製し、前記溶液に例えばDBP(ジブチルフタレート)などの可塑剤、前記活物質を添加した後、これらを混合し、成膜することにより負極層を作製した後、前記負極層と前記集電体とを例えば熱圧着等によって接着する。これを非水電解液中に浸漬することによって前記ポリマーに前記電解液を保持させると共に前記負極層中の可塑剤と前記電解液を置換することによって前記負極層に電解液を含浸させるか、または前記負極層中の前記可塑剤をエタノール等の溶剤で抽出する等によって除去した後、非水電解液を含浸させることにより負極を作製する。
【0037】
(2−2)前記非水電解液を保持するポリマーの溶液を調製し、前記溶液に例えばDBP(ジブチルフタレート)などの可塑剤、前記活物質を添加した後、これらを混合し、負極用塗料を調製する。前記負極用塗料を前記集電体に塗工した後、乾燥させる。これを非水電解液中に浸漬することによって前記ポリマーに前記電解液を保持させると共に前記負極層中の可塑剤と前記電解液を置換することによって前記負極層に電解液を含浸させるか、または前記負極層中の前記可塑剤をエタノール等の溶剤で抽出する等によって除去した後、非水電解液を含浸させることにより負極を作製する。
【0038】
(2−3)前記非水電解液を保持するポリマーの溶液を調製し、前記溶液に前記活物質を添加した後、これらを混合し、成膜することにより負極層を作製した後、前記負極層と前記集電体とを例えば熱圧着等によって接着する。これに非水電解液を含浸させることによって負極を作製する。
【0039】
(2−4)前記非水電解液を保持するポリマーの溶液を調製し、前記溶液に前記活物質を添加した後、これらを混合し、負極用塗料を調製する。前記負極用塗料を前記集電体に塗工した後、乾燥させ、非水電解液を含浸させることによって負極を作製する。
【0040】
3)固体ポリマー電解質層2
このポリマー電解質層2は非水電解液及びこの電解液を保持するポリマーを含む。
【0041】
前記非水電解液および前記ポリマーは、前述した正極で説明したものと同様なものが用いられる。
前記固体電解質層2は、例えば、以下に説明する方法により作製することができる。
【0042】
(1)前記非水電解液を保持するポリマーの溶液を調製し、前記溶液に例えばDBP(ジブチルフタレート)などの可塑剤を添加し、これを成膜、乾燥した後、これを非水電解液中に浸漬し、前記ポリマーに前記電解液を保持させると共に前記可塑剤と前記電解液を置換することによって前記電解液を含浸させることによりポリマー電解質層を作製する。
【0043】
(2)前記非水電解液を保持するポリマーの溶液を調製し、前記溶液に例えばDBP(ジブチルフタレート)などの可塑剤を添加し、これを成膜、乾燥した後、前記可塑剤をエタノール等の溶剤で抽出させる等によって除去し、これに非水電解液を含浸させることによりポリマー電解質層を作製する。
【0044】
(3)前記非水電解液を保持するポリマーの溶液を調製し、これを成膜、乾燥した後、非水電解液を含浸させることによってポリマー電解質層を作製する。
前記(1)及び(2)の方法において、可塑剤は、前記固体電解質層の強度等の機械的特性の改善や電解液含浸量を向上させて充放電特性を改善する目的で添加される。前記可塑剤を添加した後、成膜し、前記可塑剤と非水電解液が置換されるようにポリマー電解質層に非水電解液を含浸させることによって、電解液含浸量を増大させることができる。
【0045】
なお、前記二次電池の製造方法において電解液の含浸(可塑剤添加の場合は可塑剤の除去も含む)は、電解液未含浸の二次電池を組み立てた後に行ってもよい。 以上説明した本発明に係るポリマー電解質二次電池の製造方法は、裏当てシート上に長尺の多孔質集電体を前記裏当てシートより張力が低くなるように重合わせる工程と、前記長尺の多孔質集電体および裏当てシートをペースト塗布手段(ペースト塗布機構)に供給し、前記長尺の多孔質集電体の上面側から活物質および非水電解液を保持するポリマーを含む正極用ペーストを塗布する工程と、正極用ペーストが塗布された前記長尺の多孔質集電体を前記裏当てシートとの張力差により波立たせてその上面側に塗布されたペーストを前記集電体の多孔質部を通して下面側に回り込ませる工程とを含む方法により正極を作製する。このような方法により作製された正極は、前述した図4に示すように多孔質集電体5の上面のみならず多孔質部(穴)20を通して下面側にも回り込まれた正極層6を有するため、前記多孔質集電体5に対して強固に密着された正極層6を有する。したがって、前記正極を用いて前述した図1に示す構造のポリマー電解質二次電池を製造することによって、充放電の繰り返しに際し、正極層が膨脹・収縮しても前記多孔質集電体から前記正極層が剥離するのを回避でき、インピーダンスの上昇を防止できる。その結果、充放電の繰り返しても高い放電容量を維持することができ、サイクル特性の優れたポリマー電解質二次電池を得ることができる。
【0046】
また、本発明に係る別のポリマー電解質二次電池の製造方法は裏当てシート上に長尺の多孔質集電体を前記裏当てシートより張力が低くなるように重合わせる工程と、前記長尺の多孔質集電体および裏当てシートをペースト塗布手段(ペースト塗布機構)に供給し、前記長尺の多孔質集電体の上面側からリチウムイオンを吸蔵放出する炭素質材料および非水電解液を保持するポリマーを含む負極用ペーストを塗布する工程と、負極用ペーストが塗布された前記長尺の多孔質集電体を前記裏当てシートとの張力差により波立たせてその上面側に塗布されたペーストを前記集電体の多孔質部を通して下面側に回り込ませる工程とを含む方法により負極を作製する。このような方法により作製された負極は、前述した図4と同様、多孔質集電体の上面のみならず多孔質部(穴)を通して下面側にも回り込まれた負極層を有するため、前記多孔質集電体に対して強固に密着された負極層を有する。したがって、前記負極を用いて前述した図1に示す構造のポリマー電解質二次電池を製造することによって、充放電の繰り返しに際し、負極層が膨脹・収縮しても前記多孔質集電体から前記負極層が剥離するのを回避でき、インピーダンスの上昇を防止できる。その結果、充放電の繰り返しても高い放電容量を維持することができ、サイクル特性の優れたポリマー電解質二次電池を得ることができる。
【0047】
さらに、前述した方法で正極および負極を作製し、これら正極および負極を用いて前述した図1に示す構造のポリマー電解質二次電池を製造することにより、充放電の繰り返しに際し、正極層および負極層が膨脹・収縮しても前記多孔質集電体から正極層および負極層が剥離するのを回避でき、インピーダンスの上昇をより効果的に防止できる。その結果、充放電の繰り返しても高い放電容量を維持することができ、サイクル特性が一層優れたポリマー電解質二次電池を得ることができる。
【0048】
【実施例】
以下、本発明の実施例を前述した図面を参照して詳細に説明する。
<正極Aの作製>
アセトン20gにビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン(VdF−HFP)の共重合体(エルファトケム社製商品名;KYNAR2801、共重合比[VdF:HFP]が88:12)粉末2.8gを溶解した後、このアセトン溶液にジブチルフタレート(DBP)4.3gと、活物質として組成式がLiCoO2 で表されるリチウム含有コバルト酸化物(日本重化学工業製)を10.5gすることにより正極用ペースト塗料を調製した。
【0049】
次いで、図2に示すようにPETからなる厚さ15μmの裏当てシート11上に厚さ30μmのアルミニウム製パンチドメタルからなる長尺の多孔質集電体12を重合わせた。この時、前記長尺の多孔質集電体12の張力を0.3kgf、前記裏当てシート11の張力を1.2kgfとし、前記長尺の多孔質集電体12の張力を前記裏当てシート11のそれより小さくした。積層された裏当てシート11および長尺の多孔質集電体12を一対の送りロール13を通してペースト塗布機構14に送った。この時、前記ペースト塗布機構14の供給容器15内には前記方法で調製した正極用ペーストを収容した。前記長尺の多孔質集電体12および前記裏当てシート11を前記ペースト塗布機構14に送ることにより、前記長尺の多孔質集電体12上面に前記供給容器15から正極用ペーストが供給されて所望の厚さのペースト層18が形成され、さらに前記搬送ロール16と前記ロール状ブレード17の間を通過することにより前記ロール状ブレード17により余分なペーストが掻き取られて一定目付量(2.5mAh/cm2 )のペースト層19が前記長尺の多孔質集電体12上面に塗布された。前記搬送ロール16と前記ロール状ブレード17の間を通過した前記ペースト層19が塗布された長尺の多孔質集電体12は、前記裏当てシート11との張力差により波立った。このため、前記長尺の多孔質集電体12は図3に示すように下側の前記裏当てシート11と部分的に離れた状態になり、上面側に塗布されたペーストがその多数の多孔質部(穴)20を通して下面側に回り込む。このように上面側に塗布されたペーストが下面側に回り込んだ長尺の多孔質集電体12は、前記裏当てシート11と共に図示しない乾燥炉に送られ、ペーストが乾燥され、さらに加圧された。以上説明した工程を経ることにより図4に示す多孔質集電体5の上面のみならず多孔質部(穴)20を通して下面側にも回り込まれた正極層6を有する非水電解液未含浸の正極を作製した。
【0050】
<正極Bの作製>
まず、PETからなる厚さ15μmの裏当てシート上に厚さ30μmのアルミニウム製パンチドメタルからなる長尺の多孔質集電体を重合わせた。この時、前記長尺の多孔質集電体と裏当てシートを同じ張力に設定した。積層された裏当てシートおよび長尺の多孔質集電体を一対の送りロールを通して前述した図5に示す構造のペースト塗布機構に送った。この時、前記ペースト塗布機構の供給容器内には前記正極Aと同様な正極用ペーストを収容した。前記長尺の多孔質集電体および前記裏当てシートを前記ペースト塗布機構に送ることにより、前記長尺の多孔質集電体上面に前記供給容器から正極用ペーストが供給されて所望の厚さのペースト層が形成され、さらに前記搬送ロールと前記ロール状ブレードの間を通過することにより前記ロール状ブレードにより余分なペーストが掻き取るられて一定目付量(2.5mAh/cm2 )のペースト層が前記長尺の多孔質集電体上面に塗布された。前記搬送ロールと前記ロール状ブレードの間を通過した前記ペースト層が塗布された長尺の多孔質集電体は、下面が前記裏当てシートに密着した状態で乾燥炉に送られ、ペーストが乾燥され、さらに加圧された。以上説明した工程を経ることにより多孔質集電体の上面のみに正極層を有する非水電解液未含浸の正極を作製した。
【0051】
得られた正極Aおよび正極Bについて、1cm×10cmの大きさにそれぞれ切り出し、多孔質集電体に対する正極層の剥離強度を測定したところ、その結果、前記正極Aの剥離強度は43gf、前記正極Bの剥離強度は12gfであり、正極Bに比べて正極Aは高い剥離強度を有することが確認された。
【0052】
<負極Aの作製>
前記正極に用いられたのと同様なビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレンの共重合体2.0gをアセトン12gに溶解させてアセトン溶液を調製した後、このアセトン溶液にジブチルフタレート(DBP)3.12gを添加後、活物質としてメソフェーズピッチ系炭素繊維(株式会社ペトカ社製)7.37gを添加し、混合することにより負極用ペーストを調製した。
【0053】
次いで、PETからなる厚さ15μmの裏当てシート上に厚さ20μmの銅製パンチドメタルからなる長尺の多孔質集電体を重合わせた。この時、前記長尺の多孔質集電体の張力を0.3kgf、前記裏当てシートの張力を1.2kgfとし、前記長尺の多孔質集電体の張力を前記裏当てシートのそれより小さくした。積層された裏当てシートおよび長尺の多孔質集電体を一対の送りロールを通して前述した図2と同様な構造のペースト塗布機構に送った。この時、前記ペースト塗布機構の供給容器内には前記方法で調製した負極用ペーストを収容した。前記長尺の多孔質集電体および前記裏当てシートを前記ペースト塗布機構に送ることにより、前記長尺の多孔質集電体上面に前記供給容器から負極用ペーストが供給されて所望の厚さのペースト層が形成され、さらに搬送ロールとロール状ブレードの間を通過することにより前記ロール状ブレードにより余分なペーストが掻き取られて一定目付量(2.5mAh/cm2 )のペースト層が前記長尺の多孔質集電体上面に塗布された。前記搬送ロールと前記ロール状ブレードの間を通過した前記ペースト層が塗布された長尺の多孔質集電体は、前記裏当てシートとの張力差により波立った。このため、前記長尺の多孔質集電体は前述した図3と同様、下側の前記裏当てシートと部分的に離れた状態になり、上面側に塗布されたペーストがその多数の多孔質部(穴)を通して下面側に回り込む。このように上面側に塗布されたペーストが下面側に回り込んだ長尺の多孔質集電体は、前記裏当てシートと共に図示しない乾燥炉に送られ、ペーストが乾燥され、さらに加圧された。以上説明した工程を経ることにより前述した図4と同様、多孔質集電体の上面のみならず多孔質部(穴)を通して下面側にも回り込まれた負極層を有する非水電解液未含浸の負極を作製した。
【0054】
<負極Bの作製>
まず、PETからなる厚さ15μmの裏当てシート上に厚さ20μmの銅製パンチドメタルからなる長尺の多孔質集電体を重合わせた。この時、前記長尺の多孔質集電体と裏当てシートを同じ張力に設定した。積層された裏当てシートおよび長尺の多孔質集電体を一対の送りロールを通して前述した図5に示す構造のペースト塗布機構に送った。この時、前記ペースト塗布機構の供給容器内には前記負極Aと同様な負極用ペーストを収容した。前記長尺の多孔質集電体および前記裏当てシートを前記ペースト塗布機構に送ることにより、前記長尺の多孔質集電体上面に前記供給容器から負極用ペーストが供給されて所望の厚さのペースト層が形成され、さらに前記搬送ロールと前記ロール状ブレードの間を通過することにより前記ロール状ブレードにより余分なペーストが掻き取るられて一定目付量(2.5mAh/cm2 )のペースト層が前記長尺の多孔質集電体上面に塗布された。前記搬送ロールと前記ロール状ブレードの間を通過した前記ペースト層が塗布された長尺の多孔質集電体は、下面が前記裏当てシートに密着した状態で乾燥炉に送られ、ペーストが乾燥され、さらに加圧された。以上説明した工程を経ることにより多孔質集電体の上面のみに負極層を有する非水電解液未含浸の負極を作製した。
【0055】
得られた負極Aおよび負極Bについて、1cm×10cmの大きさにそれぞれ切り出し、多孔質集電体に対する負極層の剥離強度を測定したところ、その結果、前記負極Aの剥離強度は57gf、前記負極Bの剥離強度は15gfであり、負極Bに比べて負極Aは高い剥離強度を有することが確認された。
【0056】
<固体ポリマー電解質層の作製>
前記正極に用いられたのと同様なビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレンとの共重合体2.0gをアセトン10gに溶解させてアセトン溶液を調製した後、このアセトン溶液にジブチルフタレート(DBP)2.0gを添加後、混合することによって電解質層用塗料を調製した。前記塗料を平滑なガラス板上に乾燥後の膜厚が70μmになるように塗布した後、正負極と同様に乾燥し、前記ガラス板から剥し、固体ポリマー電解質層を作製した。
【0057】
<非水電解液の調製>
エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)が体積比で1:1の割合で混合された非水溶媒に電解質としてのLiPF6 をその濃度が1mol/lになるように溶解させて非水電解液を調製した。
【0058】
(実施例1)
前記正極Aと前記負極Bを2cm×2cmの大きさに切り出し、前記固体ポリマー電解質層を2.25cm×2.25cmの大きさに切り出した。前記正極と前記負極の間に前記ポリマー電解質層を介在させ、これらを130℃に加熱した剛性ロールにて加熱圧着して前述した図1に示すように積層し、前記非水電解液中に浸漬することにより非水電解液を含浸させ、ポリマー電解質二次電池を製造した。
【0059】
(実施例2)
前記正極Bと前記負極Aを用いた以外、実施例1と同様な方法によりポリマー電解質二次電池を製造した。
【0060】
(実施例3)
前記正極Aと前記負極Aを用いた以外、実施例1と同様な方法によりポリマー電解質二次電池を製造した。
【0061】
(比較例)
前記正極Bと前記負極Bを用いた以外、実施例1と同様な方法によりポリマー電解質二次電池を製造した。
【0062】
得られた実施例1〜3および比較例の二次電池について、充電電流2mA、4.2V、10時間の定電流定電圧充電を行った後、2.7Vまで2mAの電流で放電する充放電を繰り返し行った。100回の充放電を繰り返した後の初期放電容量に対する放電容量維持率を測定した。その結果を下記表1に示す。
【0063】
Figure 0003751674
前記表1から明らかなように本実施例1〜3により得られた二次電池は、比較例の二次電池に比べて放電容量維持率が極めて高いことがわかる。これは、実施例1〜3の二次電池は正極層がアルミニウム製パンチドメタルからなる多孔質集電体の上面側のみならず下面側にも回り込んだ構造を有し、正極層の多孔質集電体に対する密着力が向上された正極、負極層が銅製パンチドメタルからなる多孔質集電体の上面側のみならず下面側にも回り込んだ構造を有し、負極層の多孔質集電体に対する密着力が向上された負極のいずれか一方もしくは両者を備えているためである。
【0064】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば多孔質集電体に対して正極層および/または負極層を強固に密着させて充放電時における正極および/または負極のインピーダンスの上昇を防止し、充放電サイクル時の放電容量維持率を向上したポリマー電解質二次電池の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るポリマー電解質二次電池を示す斜視図。
【図2】本発明に係るポリマー電解質二次電池における正極の作製工程を説明するための斜視図。
【図3】図2の要部断面図。
【図4】本発明により作製された正極の断面図。
【符号の説明】
1…正極、
2…ポリマー電解質層、
3…負極、
4…ポリマー電解質二次電池
5、7…多孔質集電体、
6…正極層、
8…負極層
11…裏当てシート、
12…長尺多孔質集電体、
14…ペースト塗布機構、
17…ロール状ブレード、
19…ペースト層、
20…多孔質部(穴)。

Claims (3)

  1. 多孔質集電体に活物質および非水電解液を保持するポリマーを含む正極層を積層した正極と、集電体にリチウムイオンを吸蔵放出する炭素質材料および非水電解液を保持するポリマーを含む負極層を積層した負極と、前記正極の正極層および前記負極の負極層の間に介在された非水電解液を保持するポリマーを含む固体ポリマー電解質層とを備えたポリマー電解質二次電池を製造する方法において、
    前記正極は、裏当てシート上に長尺の多孔質集電体を前記裏当てシートより張力が低くなるように重合わせる工程と、前記長尺の多孔質集電体および裏当てシートをペースト塗布手段に供給し、前記長尺の多孔質集電体の上面側から活物質および非水電解液を保持するポリマーを含む正極用ペーストを塗布する工程と、正極用ペーストが塗布された前記長尺の多孔質集電体を前記裏当てシートとの張力差により波立たせてその上面側に塗布されたペーストを前記集電体の多孔質部を通して下面側に回り込ませる工程とを含む方法により作製されることを特徴とするポリマー電解質二次電池の製造方法。
  2. 集電体に活物質および非水電解液を保持するポリマーを含む正極層を積層した正極と、多孔質集電体にリチウムイオンを吸蔵放出する炭素質材料および非水電解液を保持するポリマーを含む負極層を積層した負極と、前記正極の正極層および前記負極の負極層の間に介在された非水電解液を保持するポリマーを含む固体ポリマー電解質層とを備えたポリマー電解質二次電池を製造する方法において、
    前記負極は、裏当てシート上に長尺の多孔質集電体を前記裏当てシートより張力が低くなるように重合わせる工程と、前記長尺の多孔質集電体および裏当てシートをペースト塗布手段に供給し、前記長尺の多孔質集電体の上面側からリチウムイオンを吸蔵放出する炭素質材料および非水電解液を保持するポリマーを含む負極用ペーストを塗布する工程と、負極用ペーストが塗布された前記長尺の多孔質集電体を前記裏当てシートとの張力差により波立たせてその上面側に塗布されたペーストを前記集電体の多孔質部を通して下面側に回り込ませる工程とを含む方法により作製されることを特徴とするポリマー電解質二次電池の製造方法。
  3. 多孔質集電体に活物質および非水電解液を保持するポリマーを含む正極層を積層した正極と、集電体にリチウムイオンを吸蔵放出する炭素質材料および非水電解液を保持するポリマーを含む負極層を積層した負極と、前記正極の正極層および前記負極の負極層の間に介在された非水電解液を保持するポリマーを含む固体ポリマー電解質層とを備えたポリマー電解質二次電池を製造する方法において、
    前記正極は、裏当てシート上に長尺の多孔質集電体を前記裏当てシートより張力が低くなるように重合わせる工程と、前記長尺の多孔質集電体および裏当てシートをペースト塗布手段に供給し、前記長尺の多孔質集電体の上面側から活物質および非水電解液を保持するポリマーを含む正極用ペーストを塗布する工程と、正極用ペーストが塗布された前記長尺の多孔質集電体を前記裏当てシートとの張力差により波立たせてその上面側に塗布されたペーストを前記集電体の多孔質部を通して下面側に回り込ませる工程とを含む方法により作製され、かつ
    前記負極は、裏当てシート上に長尺の多孔質集電体を前記裏当てシートより張力が低くなるように重合わせる工程と、前記長尺の多孔質集電体および裏当てシートを負極用ペースト塗布手段に供給し、前記長尺の多孔質集電体の上面側からリチウムイオンを吸蔵放出する炭素質材料および非水電解液を保持するポリマーを含むペーストを塗布する工程と、負極用ペーストが塗布された前記長尺の多孔質集電体を前記裏当てシートとの張力差により波立たせてその上面側に塗布されたペーストを前記集電体の多孔質部を通して下面側に回り込ませる工程とを含む方法により作製されることを特徴とするポリマー電解質二次電池の製造方法。
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