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JP3752406B2 - 植物の生育助成剤および生育助成方法 - Google Patents
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植物の生育助成剤および生育助成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物の生育助成剤、および生育助成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
植物の生育過程は、種の発芽および発根期、育苗期、成長期、成熟期等に大別され、これらの期間では、栄養源の種類、栄養源の接種の方法、根、茎、葉の生育バランス等がそれぞれ異なるが、これらの期間を通して共通していえることは、培土内の生育環境が植物の生育に最適な状態に保持されることが最も重要なことである。例えば、培土内においては、長期の生育期間を通して水分、温度、酸素、養分バランス等が変化し、また、各期間毎で要求されるこれらの条件が変化する。このため、植物の生育過程では、培土内の生育環境を適正に保持することが要請され、その対策の一手段として、培土に活性炭を散布する手段が採られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、培土に活性炭を散布する手段は経験則に基づくもので、市販の適宜の活性炭を培土に適宜の方法で散布する手段が採られている。本発明は、培土内での植物の生育環境を適正に保持する手段について鋭意検討してなされたもので、その目的とするところは、植物の生育環境を適正に保持し得る生育助成剤、および、生育助成方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、植物の生育助成剤および生育助成方法に関するもので、本発明に係る生育助成剤は多孔質の炭素質物である活性炭からなるもので、炭素化率が90%以上、比表面積が1150m2/g以上で、かつpHが9.0〜11.0であることを特徴とするものである。当該生育助成剤は、粉体または粒体である。
【0005】
また、本発明に係る植物の生育方法は、植物の生育培土に生育助成剤を散布して植物の生育を助成する方法であって、生育助成剤として、炭素化率が90%以上、比表面積が1150m2/g以上で、かつpHが9.0〜11.0である多孔質の炭素質物である活性炭を採用することを特徴とするものである。
【0006】
本発明に係る植物の生育助成方法を採用する場合には、生育助成剤を、水に分散させた状態で使用すること、通気性シートに均一に貼着した状態で使用すること、接着剤を介して粒状または塊状に成形した状態で使用すること、無機質または有機質の粉粒体と混合させて接着剤を介して粒状または塊状に成形した状態で使用することができる。また、これらの粒状または塊状の生育助成剤については、さらに、通気性シートに均一に貼着した状態で使用することができる。
【0007】
【発明の作用・効果】
本発明に係る生育助成剤は、炭素化率が90%以上、比表面積が1150m2/g以上で、かつpHが9.0〜11.0という多孔質の活性炭であって、高炭素化率、高比表面積で、特定された範囲のpHを有することから、下記の特性を発揮するものである。すなわち、当該生育助成剤は培土内で電磁場を形成して、その周辺から自由電子(−e)を培土内に誘導し、環境悪化の原因となる陽電子(+e)を排除して培土内の環境を整える。
【0008】
この誘導された自由電子(−e)に起因して、植物体では、根からの水や酸素の分圧が高まるとともに吸肥力が高まり、また、植物体内では、ミトコンドリア内の脱水素酵素が活性化し、一次同化作用(光合成による炭酸同化作用を促進して効率化させて炭素固定、澱粉質の蓄積を行う)、二次同化作用(肥料として吸収された硝酸イオンを主体とする植物体内での窒素固定を行う)、および、三次同化作用(燐、カリウム、カルシウム、その他のミネラルや微量要素による細胞形成を行う)がなされる。
【0009】
この間、当該生育助成剤から発生する輻射波が培土内の空間に存在する水分をクラスター化して、培土内での温度および湿度の急激な変化を緩和するとともに、この水分のクラスター化と電磁場とが相乗して水のポテンシャルパワーを顕在化させる。さらには、培土内の環境が陰イオンの多い状態に保持されることから、病虫害の発生を防止できるとともに、陽イオンの発生が多いホルムアルデヒド、アンモニア、硫化水素が効果的に処理され、培土内の環境が生育に適した良好な環境に保持される。
【0010】
これにより、植物は病虫害等に強い健全な植物体に生育するとともに、生育過程での培土内の環境が成長期、成熟期を通して生育にとって良好な環境に保持される。このため、少ない肥料で、無農薬または極めて少ない農薬散布で、かつ、高い収穫量で健全な植物を生育することができる。この間、当該生育助剤による環境汚染はなく、むしろ、農薬散布や大量の肥料散布を廃止し得て農薬や過剰の肥料による環境汚染を防止、または抑制することができる。
【0011】
本発明に係る生育助成剤は、表面積を増大すべく粉状または粒状に生成して使用するものであるが、使用に当たっては、粉状または粒状のそのままの状態で散布することができるが、効率よくかつより均一に散布するには、紛状または粒状の生育助成剤を水に分散させた状態で使用することが好ましく、例えば、大きい面積の水稲栽培の圃場(田圃)や、大きい面積の野菜や花栽培の圃場(畑、ハウス内)等への散布に適している。また、特殊な例として、粉状、粒状、または塊状の生育助成剤を通気性シートに均一に貼着した状態で使用することすることができ、この場合には、苗床や植鉢等の底に敷設して使用するのに適している。
【0012】
さらに、特殊な例として、粉状または粒状の生育助成剤を接着剤を介して粒状または塊状に成形した状態で、また、無機質または有機質の粉粒体と混合させて接着剤を介して粒状または塊状に成形した状態で使用することができる。この場合は、手で直接散布するのに適している。
【0013】
【実施例】
(実験1)
本実験では、植物の生育に適した生育助成剤を検討すべく、各種の特性の活性炭を使用してキャベツの生育実験を行った。本実験で生育助成剤として採用した活性炭は、市販の活性炭と、下記の方法で特別に製造した活性炭であり、これらの活性炭の特性を表1に示す。
(活性炭の製造)
ヤシ殻とオガ粉を使用して通常のヤシ殻炭を製造する炭化工程で燻炭を生成し、この燻炭を真空状態で7時間熱処理して活性炭を生成した。この場合、熱処理温度を1000℃〜1300℃の範囲で適宜制御することにより、炭素化率85%〜96%、比表面積1150m2/g〜1250m2/g、pH8.5〜pH11.5の範囲で特性を異にする多種類の活性炭を生成した。
【0014】
【表1】
Figure 0003752406
【0015】
(栽培)
縦10穴で横20穴の合計200穴のコンテナ14台のそれぞれにキャベツを播種し(7月20日)、各コンテナに各生育助成剤の1000倍液を第1回(7月25日)、第2回(8月5日)の散布を行って育苗した。その後、各コンテナで育苗された苗を、本圃における14の区画部にそれぞれ定植(8月10日)後、各区画部に各生育助成剤の1000倍液を葉面散布した。なお、生育助成剤の1000倍液は、平均200メッシュの生育助成剤を水に分散させた分散液である。
(生育観察)
各種の活性炭を使用したキャベツの生育実験における発芽・発根、定植前、定植後の生育状態を観察して、各種の活性炭のうち、植物の生育助成剤に適する活性炭を選定した。生育状態の観察結果を、最良…○、良…△、普通…×の符号で表1に示す。
【0016】
キャベツの生育実験における発芽・発根、定植前、定植後の生育状態を観察した結果から、キャベツの生育助成剤としては、炭素化率が90%以上、比表面積が1200m2/g以上で、かつpHが9.0〜11.0である活性炭が適していることが確認された。この結果から、その他の植物の生育助成剤としても、炭素化率が90%以上、比表面積が1200m2/g以上で、かつpHが9.0〜11.0である活性炭が適しているものと認められる。
(実験2)
本実験では、本発明に係る生育助成剤を使用して水稲(コシヒカリ)の生育実験を行った。生育助成剤は、上記した方法で製造した椰子殻活性炭であって、表1に示す番号4,8,13に相当するものを採用している。なお、本実験では、本発明に係る生育助成剤の作用効果を示すために、一般に市販されている他の椰子殻活性炭を生育助成剤とする水稲の生育実験(比較実験)を併せて行った。
(生育助成剤)
本実験で採用した生育助成剤は、炭素化率が95%、比表面積が1200m2/gで、かつpHが10.0である活性炭である。比較実験で採用した生育助成剤は、通常の市販品の活性炭であって、炭素化率が85%、比表面積が1050m2/gで、かつpHが7.0である活性炭である。
(水稲栽培)
培養地として、コンテナにセットした低肥料タイプの育苗ウレタンマット(新日本製鉄株式会社製)を使用した。このコンテナを30台づつ2つに区分けして、コンテナ1台当たり300粒の籾を播種した(4月20日)。播種後、育苗期間中に、第1区分群(本実験)に対しては生育助成剤(平均200メッシュ)を水に分散した2000倍液を第1回(4月24日)、第2回(5月3日)の2度散布し、第2区分群(比較実験1)に対しては市販の活性炭(平均200メッシュ)を水に分散した2000倍液を第1回(4月24日)、第2回(5月3日)の2度にわたって散布した。第1回の生育助成剤および活性炭の散布量は5g/m2であり、第2回の生育助成剤および活性炭の散布量は5g/m2である。
【0017】
これらの各区分群で育った苗を、区画された2つの本圃場にそれぞれ植え替えた(5月20日)。各本圃場の広さは1反で、約30台のコンテナの苗を田植えした。坪当たりの苗の株数は約90株であった。なお、各本圃場は、愛知県渥美郡渥美町大字中山地内にあって、元肥施肥を行わずに前年からの残留肥料のみの状態にある圃場を利用した。
【0018】
田植え後、分けつ期に、第1区分群の苗を植えた第1圃場(本実験)には上記した生育助成剤の1000倍液を、第2区分群の苗を植えた第2圃場(比較実験1)には上記した市販の活性炭の1000倍液をそれぞれ散布した(5月30日)。生育助成剤および活性炭の散布量は、3.3g/m2である。
【0019】
次いで、幼穂形成期(出穂1週間前)に、第1圃場に対しては生育助成剤と過燐酸石灰を混合した2000倍液を、第2圃場に対しては市販の活性炭と過燐酸石灰を混合した2000倍液をそれぞれ葉面散布した(7月20日)。生育助成剤および活性炭の散布量は、3.3g/m2である。さらに、各圃場には、上記した各倍液を同量あて葉面散布した(8月5日)。
(生育観察)
各区分群における田植え期の苗の生育状態、および各圃場での稲の生育状態を観察すると、苗および稲の生育状態共に、本発明に係る生育助成剤を使用した場合(第1区分群、第1圃場…本実験)は良好であり、市販の活性炭を使用した場合(第2区分群、第2圃場…比較実験)はこれより劣っている。
【0020】
特に、本発明に係る生育助成剤を使用した場合(第1区分群、第1圃場…本実験)には、田植え期の苗の生育状態では、苗の根の部分は3次根および4次根まで十分に生長していて、根塊等の地下部が茎、葉等の地上部より早く生長していることが認められ、また、田植え後の半日で苗が本圃場に活着していることが認められた。生育途中の稲では、草丈の短さと茎の堅さに起因して根元部分が直立していて、90株/坪の密度にもかかわらずムレ状態を起こしておらず、また、成熟期には成熟葉の面積が大きくて直立状態にあって、稲全体にバランスよく出穂して稔実に向かって生長していることが認められた。これらの苗および稲の生育状況、稲の穂数、稔実数、予想反収量を表2に示すとともに、当地方の平均実績(1996年度)を表2に併せて示す。
【0021】
【表2】
Figure 0003752406

Claims (8)

  1. 多孔質の炭素質物である活性炭からなり、炭素化率が90%以上、比表面積が1150m2/g以上で、かつpHが9.0〜11.0であることを特徴とする植物の生育助成剤。
  2. 請求項1に記載の生育助成剤は、粉体または粒体であることを特徴とする植物の生育助成剤。
  3. 植物の生育培土に生育助成剤を散布して植物の生育を助成する生育方法であり、生育助成剤として、炭素化率が90%以上、比表面積が1150m2/g以上で、かつpHが9.0〜11.0である多孔質の炭素質物である活性炭を採用することを特徴とする植物の生育助成方法。
  4. 請求項3に記載の植物の生育助成方法において、前記生育助成剤を水に分散させた状態で使用することを特徴とする植物の生育助成方法。
  5. 請求項3に記載の植物の生育助成方法において、前記生育助成剤を通気性シートに均一に貼着した状態で使用することを特徴とする植物の助成生育方法。
  6. 請求項3に記載の植物の生育助成方法において、前記生育助成剤を接着剤を介して粒状または塊状に成形した状態で使用することを特徴とする植物の生育助成方法。
  7. 請求項3に記載の植物の生育助成方法において、前記生育助成剤を無機質または有機質の粉粒体と混合させて接着剤を介して粒状または塊状に成形した状態で使用することを特徴とする植物の生育助成方法。
  8. 請求項6または7に記載の植物の生育助成方法において、粒状または塊状の前記生育助成剤を通気性シートに均一に貼着した状態で使用することを特徴とする植物の生育助成方法。
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