JP3752854B2 - N−ベンジルカルバメイト化合物、その製法及び農園芸用の殺菌剤 - Google Patents
N−ベンジルカルバメイト化合物、その製法及び農園芸用の殺菌剤 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、農園芸用の殺菌剤として有用なN−ベンジルカルバメイト化合物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本発明のN−ベンジルカルバメイト化合物は新規化合物であり、よって農園芸用の殺菌剤として有用であることも知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、新規なN−ベンジルカルバメイト化合物、その製法及びそれを有効成分とする農園芸用の殺菌剤を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の課題を解決するために検討した結果、新規なN−ベンジルカルバメイト化合物が顕著な農園芸用の殺菌活性を有することを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は次の通りである。
第1の発明は、次式(1):
【0005】
【化11】
【0006】
〔式中、R1は、炭素原子数1〜4個のアルキル基、炭素原子数1〜4個のアルコキシ基、炭素原子数3〜5個のアルケニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素原子数1〜4個のハロアルキル基、炭素原子数1〜4個のハロアルコキシ基、炭素原子数1〜4個のアルキルチオ基を表す。R2は、炭素原子数1〜4個のアルキル基、炭素原子数1〜4個のアルコキシ基、炭素原子数3〜5個のアルケニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素原子数1〜4個のハロアルキル基、炭素原子数1〜4個のハロアルコキシ基、炭素原子数1〜4個のアルキルチオ基を表す。R3は、水素原子、炭素原子数1〜4個のアルキル基、炭素原子数1〜4個のハロアルキル基、シアノ基、置換していても良いフェニル基を表す。R4は、水素原子、炭素原子数1〜4個のアルキル基、炭素原子数1〜4個のハロアルキル基を表す。mは、1〜5の整数を表す。nは、1〜3の整数を表す。Xは、水素原子、炭素原子数1〜4個のアルコキシ基、炭素原子数1〜4個のアルキル基、炭素原子数2〜5個のアルキルアルコキシ基、炭素原子数3〜5個のアルケニル基、炭素原子数3〜5個のアルキニル基、炭素原子数3〜7個のシクロアルキル基、置換していても良いフェニル基を表す。Yは、OR5を表す(なお、R5は、炭素原子数1〜4個のアルキル基、炭素原子数2〜5個のアルキルアルコキシ基、炭素原子数3〜5個のアルケニル基、炭素原子数3〜5個のアルキニル基、炭素原子数3〜7個のシクロアルキル基を表す。)。〕
で示されるN−ベンジルカルバメイト誘導体〔化合物(1)とも称する。〕に関するものである。
第2の発明は、
次式(2−a):
【0007】
【化12】
【0008】
(式中、R1〜R4,m及びnは、前記と同義である。)
で示される化合物〔化合物(2−a)とも称する。〕と
次式(3):
【0009】
【化13】
【0010】
(式中、Yは、前記と同義である。Wは、脱離基を表す。)
で示される化合物〔化合物(3)とも称する。〕と反応させることを特徴とする、化合物(1)が
次式(1−a):
【0011】
【化14】
【0012】
(式中、R1〜R4,m,n及びYは、前記と同義である。)
で示されるN−ベンジルカルバメイト化合物〔化合物(1−a)とも称する。〕の製法に関するものである。
第3の発明は、前記の化合物(1−a)と
次式(4):
【0013】
【化15】
【0014】
(式中、X’は、炭素原子数1〜4個のアルキル基、炭素原子数2〜5個のアルキルアルコキシ基、炭素原子数3〜5個のアルケニル基、炭素原子数3〜5個のアルキニル基、炭素原子数3〜7個のシクロアルキル基を表す。Zは、前記と同義である。)
で示される化合物〔化合物(4)とも称する。〕と反応させることを特徴とする、化合物(1)が
次式(1−b):
【0015】
【化16】
【0016】
(式中、R1〜R4,m,n,X’及びYは、前記と同義である。)
で示されるN−アシルベンジルアミン化合物〔化合物(1−b)とも称する。〕の製法に関するものである。
第4の発明は、次式(2−b):
【0017】
【化17】
【0018】
(式中、R1〜R4,m,n及びX’は、前記と同義である。)
で示される化合物〔化合物(2−b)とも称する。〕と化合物(3)とを反応させることを特徴とする、化合物(1)が式(1−b)で示されるN−アシルベンジルアミン化合物〔化合物(1−b)とも称する。〕の製法に関するものである。
第5の発明は、次式(5):
【0019】
【化18】
【0020】
(式中、R1〜R4,m,n及びZは、前記と同義である。)
で示される化合物〔化合物(5)とも称する。〕と
次式(6):
【0021】
【化19】
【0022】
(式中、X及びYは、前記と同義である。)
で示される化合物〔化合物(6)とも称する。〕とを反応させることを特徴とする、化合物(1)の製法に関するものである。
第6の発明は、次式(4−a):
【0023】
【化20】
【0024】
(式中、R1〜R4,m及nびは、前記と同義である。)
で示される化合物〔化合物(4−a)とも称する。〕を、アルコール溶媒中で転移させることを特徴とする、化合物(1)の製法に関するものである。
【0025】
第6の発明は、化合物(1)を有効成分とする農園芸用の殺菌剤に関するものである。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
前記の各化合物で表した各種の置換基は、次の通りである。
〔R1〕
R1は、炭素原子数1〜4個のアルキル基、炭素原子数1〜4個のアルコキシ基、炭素原子数3〜5個のアルケニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素原子数1〜4個のハロアルキル基、炭素原子数1〜4個のハロアルコキシ基、炭素原子数1〜4個のアルキルチオ基であるが;好ましくは、水素原子、ニトロ基、シアノ基である。
R1は、mが2〜4の整数のときは、同一又は相異なってもよい。そして、R1の置換位置は特に限定されないが;ニトロ基の場合には4位が好ましく、シアノ基の場合には2位が好ましい。
【0027】
〔R2〕
R2は、炭素原子数1〜4個のアルキル基、炭素原子数1〜4個のアルコキシ基、炭素原子数3〜5個のアルケニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素原子数1〜4個のハロアルキル基、炭素原子数1〜4個のハロアルコキシ基、炭素原子数1〜4個のアルキルチオ基であるが;好ましくは、無置換である。
R2は、nが2〜4の整数のときは、同一又は相異なってもよいが;nは、好ましくは1である。そして、R1の置換位置は特に限定されない。
【0028】
〔R3〕
R3は、水素原子、炭素原子数1〜4個のアルキル基、炭素原子数1〜4個のハロアルキル基、シアノ基、置換していても良いフェニル基であるが;好ましくは、水素原子、炭素原子数1〜4個のアルキル基である。
炭素原子数1〜4個のアルキル基としては、直鎖状又は分岐状のアルキル基を挙げることができるが;メチル基が好ましい。
【0029】
〔R4〕
R4は、水素原子、炭素原子数1〜4個のアルキル基、炭素原子数1〜4個のハロアルキル基であるが;好ましくは、水素原子、炭素原子数1〜4個のアルキル基である。
炭素原子数1〜4個のアルキル基としては、直鎖状又は分岐状のアルキル基を挙げることができるが;メチル基が好ましい。
【0030】
〔X〕
Xは、水素原子、炭素原子数1〜4個のアルコキシ基、炭素原子数1〜4個のアルキル基、炭素原子数2〜5個のアルキルアルコキシ基、炭素原子数3〜5個のアルケニル基、炭素原子数3〜5個のアルキニル基、炭素原子数3〜7個のシクロアルキル基、置換していても良いフェニル基であるが;好ましくは、水素原子、炭素原子数2〜5個のアルキルアルコキシ基、炭素原子数3〜5個のアルキニル基、炭素原子数3〜5個のアルケニル基である。
炭素原子数1〜4個のアルコキシ基としては、直鎖状又は分岐状のものを挙げることができるが;−OCH3が好ましい。
炭素原子数2〜5個のアルキルアルコキシ基としては、直鎖状又は分岐状のものを挙げることができるが;−CH2OCH3が好ましい。
炭素原子数3〜5個のアルキニル基としては、直鎖状又は分岐状のものを挙げることができるが;−CH2C≡CHが好ましい。
炭素原子数3〜5個のアルケニル基としては、直鎖状又は分岐状のものを挙げることができるが;−CH2CH=CH2が好ましい。
【0031】
〔Y〕
Yは、OR5である。
R5は、炭素原子数1〜4個のアルキル基、炭素原子数2〜5個のアルキルアルコキシ基、炭素原子数3〜5個のアルケニル基、炭素原子数3〜5個のアルキニル基、炭素原子数3〜7個のシクロアルキル基であるが;好ましくは、炭素原子数1〜4個のアルキル基であり;さらに好ましくは、CH3である。
【0032】
化合物(1)としては、前記の各種の置換基を組み合わせたものを挙げることができるが、薬効の面から好ましいものは、次の通りである。
(1)R1,R2が無置換でR3、R4及びXが水素原子であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
(2)(R1)mが2−NO2であり、R2が無置換でR3,R4及びXが水素原子であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
(3)(R1)mが4−NO2であり、R2が無置換でR3,R4が水素原子であり、Xが炭素原子数1〜4個のアルコキシ基であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
(4)(R1)mが4−NO2であり、R2が無置換でR3,R4が水素原子であり、Xが炭素原子数3〜5個のアルキニル基であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
【0033】
(5)(R1)mが4−NO2であり、R2が無置換でR3,R4が水素原子であり、Xが炭素原子数2〜5個のアルキルアルコキシ基であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
(6)(R1)mが4−NO2であり、R2が無置換でR3,R4が水素原子であり、Xが炭素原子数3〜5個のアルケニル基であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
(7)(R1)mが2−(炭素原子数1〜4個のハロアルキル基)であり、R2が無置換でR3,R4が水素原子であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
(8)(R1)mが2−CNであり、R2が無置換でR3,R4が水素原子であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
(9)R1、R2が無置換でR3,R4が水素原子であり、Xが炭素原子数1〜4個のアルコキシ基であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
(10)(R1)mが2−NO2及び4−(炭素原子数1〜4個のハロアルキル基)であり、R2が無置換でR3,R4及びXが水素原子であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
【0034】
(11)(R1)mが4−NO2であり、R2が無置換でR3,R4が水素原子であり、Xが炭素原子数1〜4個のアルキル基であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
(12)(R1)mが4−CNであり、R2が無置換でR3,R4及びXが水素原子であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
(13)(R1)mが4−ハロゲン原子であり、R2が無置換で,R3及びXが水素原子であり、R4が炭素原子数1〜4個のアルキル基であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
(14)R1、R2が無置換でR3及びXが水素原子であり、R4が炭素原子数1〜4個のアルキル基であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
(15)(R1)mが4−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)であり、R2が無置換で,R4及びXが水素原子であり、R3が炭素原子数1〜4個のアルキル基であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
【0035】
(16)(R1)mが2−ハロゲン原子でありR2が無置換で,R4及びXが水素原子であり、R3が炭素原子数1〜4個のアルキル基であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
(17)(R1)mが4−(炭素原子数1〜4個のアルコキシ基)であり、R2が無置換で,R4及びXが水素原子であり、R3が炭素原子数1〜4個のアルキル基であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
(18)R1が無置換で,R3,R4及びXが水素原子であり、(R2)nが2−ハロゲン原子であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
(19)(R1)mが2−CNであり、R2が無置換でR3、R4が水素原子であり、Xが2−ハロゲン原子であり、Xが炭素原子数3〜5個のアルケニル基であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
(20)(R1)mが4−(炭素原子数1〜4個のハロアルコキシ基)であり、(R2)nが2−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)であり、R3,R4及びXが水素原子であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
【0036】
(21)(R1)mが2−CNであり、R2が無置換でR3、R4が水素原子であり、Xが炭素原子数1〜4個のアルコキシ基であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
(22)(R1)mが4−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)であり、R2が無置換でR3、R4及びXが水素原子であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
【0037】
〔化合物(1)の合成法〕
化合物(1)の製法としては、次の5種の製法(合成法1〜5)を挙げることができる。
(合成法1)
化合物(1−a)は、化合物(2−a)と化合物(3)とを溶媒中で反応させることによって製造できる。
この反応は塩基の存在下で促進することができる。
溶媒の種類としては、本反応に直接関与しないものであれば特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンのようなケトン類;n−ヘキサン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類;ジクロロメタンのようなハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ニトロベンゼンなどの芳香族炭化水素;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホランのような極性溶媒;これらの混合物などを挙げることができる。
溶媒の使用量は、化合物(2−a)が5〜80重量%になるようにして使用することができるが;10〜70重量%が好ましい。
【0038】
塩基としては、無機塩基及び有機塩基を用いることができるが、好ましくは有機塩基である。
無機塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属炭酸塩(または水酸化物)を挙げることができる。
有機塩基としては、トリエチルアミン、ピリジンなどを挙げることができる。
塩基の使用量は、化合物(2−a)に対して0.8〜5倍モルであるが;1.0〜2.0倍モルが好ましい。
【0039】
反応温度は、特に限定されないが、−20℃から使用する溶媒の沸点以下の温度範囲内であり;0℃から60℃が好ましい。
反応時間は、前記の濃度、温度によって変化するが;通常0.5〜7時間である。
原料化合物の使用量は、化合物(2−a)に対して化合物(3)が、0.6〜5倍モルであるが;0.9〜1.1倍モルが好ましい。
本発明で用いる化合物(2−a)は、次の(1)〜(12)のいずれかの方法によって得ることができる。
【0040】
(1)R3とR4とが共に水素の場合、J.Am.Chem.Soc.,82,2386(1966)に記載の方法に準じて、対応するベンゾニトリルをパラジウム触媒、ラネーニッケル触媒などの存在下、水素ガスを用いて還元する方法。
(2)The Chemistry of Cyano Group P307−340(Interscience)に記載された方法に準じて、対応するニトリルをリチウムアルミニウムヒドリドなどのヒドリド類で還元する方法。
(3)R3とR4とが共に水素の場合、またはR3が水素でR4がアルキル基の場合には、Org.Synth,III,717記載の方法に準じて、対応するケトン類を直接還元アミノ化するか、または対応するオキシムをパラジウム触媒またはラネーニッケル触媒存在下、水素ガスにより還元する方法。
(4)対応するベンジルアルコール類をアジ化水素酸で処理して得られるアジド化合物を、パラジウム触媒またはラネーニッケル触媒存在下、水素ガスにより還元する方法。
【0041】
(5)Tetrahedron Lett,1978,3633に記載の方法に準じてリチウムアルミニウムヒドリドで還元する方法。
(6)Tetrahedron 48,1353(1992)に記載の方法に準じてトリフェニルホスフィンまたはトリブチルホスフィンのようなトリアルキルホスフィン類で還元する方法。
(7)The Chemistry of Azido Group P57−119(Interscience)に記載の方法に準じて、ハロゲン化ベンジル類をアジ化ナトリウムまたはアジ化カリウムのようなアジ化化合物で処理して得られるアジド化合物を前記のように還元する方法。
(8)ハロゲン化ベンジル類を亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸銀等で処理して得られるニトロ化合物をパラジウム触媒またはラネーニッケル触媒存在下、水素ガスにより還元する方法。
(9)リチウムアルミニウムヒドリドで還元する方法。
【0042】
(10)R3,R4が共にアルキルの場合、対応するベンジルアルコール類をアジ化水素酸で処理し、得られるアジド化合物を前述のように処理する方法。
(11)Org.Reaction,17,213記載の方法に準じて、硫酸酸性下、シアン化カリウム、シアン化ナトリウム、アセトニトリルのようなシアン化合物との反応で得られるアミド化合物を加水分解する方法。
(12)The Chemistry of Cyanates and their thio derivarivesP819−886(Interscience)に記載の方法に準じて、対応するベンジルハライド類とチオシアン酸カリウムなどとの反応により得られるイソチオシアン酸化合物を加水分解する方法。
化合物(3)は市販品を用いることができる。
【0043】
(合成法2)
化合物(1−b)は次のように、化合物(1−a)と化合物(4)とを溶媒中で反応させることによって製造できる。
この反応は塩基の存在下で促進することができる。
溶媒の種類としては、本反応に直接関与しないものであれば特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンのようなケトン類;n−ヘキサン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類;ジクロロメタンのようなハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ニトロベンゼンなどの芳香族炭化水素;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホランのような極性溶媒;これらの混合物などを挙げることができる。
溶媒の使用量は、化合物(1−a)が3〜80重量%になるようにして使用することができるが;5〜60重量%が好ましい。
塩基としては、無機塩基及び有機塩基を用いることができるが、好ましくは有機塩基である。
【0044】
無機塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属炭酸塩(または水酸化物)を挙げることができる。
有機塩基としては、トリエチルアミン、ピリジンなどを挙げることができる。
塩基の使用量は、化合物(4)に対して1〜5倍モルであるが;1.2〜2.0倍モルが好ましい。
反応温度は、特に限定されないが、−20℃から使用する溶媒の沸点以下の温度範囲内であり;0から70℃が好ましい。
反応時間は、前記の濃度、温度によって変化するが;通常0.5〜5時間である。
原料化合物の使用量は、化合物(1−a)に対して化合物(4)が、0.8〜5倍モルであるが;1〜1.2倍モルが好ましい。
化合物(4)は市販品を用いることができる。
【0045】
(合成法3)
化合物(1−b)は次のように、化合物(2−b)と化合物(3)とを溶媒中で反応させることによって製造できる。
この反応は塩基の存在下で促進することができる。
溶媒の種類としては、本反応に直接関与しないものであれば特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンのようなケトン類;n−ヘキサン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類;ジクロロメタンのようなハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ニトロベンゼンなどの芳香族炭化水素;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホランのような極性溶媒;これらの混合物などを挙げることができる。
溶媒の使用量は、化合物(2−b)が3〜80重量%になるようにして使用することができるが;5〜60重量%が好ましい。
【0046】
塩基としては、無機塩基及び有機塩基を用いることができるが、好ましくは無機塩基である。
無機塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属炭酸塩(または水酸化物)を挙げることができる。
有機塩基としては、トリエチルアミン、ピリジンなどを挙げることができる。
化合物(3)は、市販品を用いることができる。
塩基の使用量は、化合物(2−b)に対して0.6〜5倍モルであるが;0.8〜1.5倍モルが好ましい。
反応温度は、特に限定されないが、−20℃から使用する溶媒の沸点以下の温度範囲内であり;0〜70℃が好ましい。
反応時間は、前記の濃度、温度によって変化するが;通常0.5〜5時間である。
原料化合物の使用量は、化合物(2−b)に対して化合物(3)が、0.6〜5倍モルであるが;0.8〜1.2倍モルが好ましい。
【0047】
(合成法4)
化合物(1−b)は次のように、化合物(5)と化合物(6)とを溶媒中で反応させることによって製造できる。
この反応は塩基の存在下で促進することができる。
溶媒の種類としては、本反応に直接関与しないものであれば特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンのようなケトン類;n−ヘキサン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類;ジクロロメタンのようなハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ニトロベンゼンなどの芳香族炭化水素;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホランのような極性溶媒;これらの混合物などを挙げることができる。
溶媒の使用量は、化合物(5)が3〜80重量%になるようにして使用することができるが;5〜60重量%が好ましい。
【0048】
塩基としては、無機塩基及び有機塩基を用いることができる。好ましくは無機塩基である。
無機塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属炭酸塩(または水酸化物)を挙げることができる。
有機塩基としては、トリエチルアミン、ピリジンなどを挙げることができる。
塩基の使用量は、化合物(5)に対して0.6〜5倍モルであるが;0.8〜2.0倍モルが好ましい。
【0049】
反応温度は、特に限定されないが、室温から使用する溶媒の沸点以下の温度範囲内であり;50〜80℃が好ましい。
反応時間は、前記の濃度、温度によって変化するが;通常0.5〜5時間である。
原料化合物の使用量は、化合物(5)に対して化合物(6)が、1.0〜5倍モルであるが;1〜1.2倍モルが好ましい。
本発明で用いる化合物(5)は、次に示す方法で製造することができる。
次式:
【0050】
【化21】
【0051】
(式中、R1,R2,m及nびは、前記と同義である。)
を少量の過酸化ベンゾイルまたはアゾビスイソブチロニトリルなどのラジカル開始剤共存下、N−ブロモスクシンイミドまたは1,3−ジブロモヒダントインなどで処理して得ることができる。
また、次式:
【0052】
【化22】
【0053】
(式中、R1〜R3,m及nびは、前記と同義である。)
を塩化チオニルまたは臭化水素酸で処理して対応するベンジルクロリド誘導体、またはベンジルブロミド誘導体として得ることができる(実際の反応は、溶媒四塩化炭素、等モルのNBS及びBPOは基質に対して2%mol。)。
本発明で用いる化合物(6)は、対応するアミン誘導体とクロロギ酸エステルとを塩基存在下、反応させることで得ることができる(実際の反応は、塩化メチレン溶媒中、アミンに対し、等モルの水酸化ナトリウム水溶液を入れ、クロロギ酸エステルを滴下した。)。
【0054】
(合成法5)
化合物(4−a)をアルコール溶媒中で、例えば、N−ブロムスクシンイミドと1,8−ジアザビシクロウンデカンとで処理することで製造することができる。
化合物(4−a)は対応するベンジルシアニドを酸アミドに加水分解することで製造できる。また、対応するカルボン酸をアミド化することでも製造することができる。
以上のようにして製造された目的の化合物(1)は、反応終了後、抽出、濃縮、ろ過などの通常の後処理を行い、必要に応じて再結晶、各種クロマトグラフィーなどの公知の手段で適宣精製することができる。
【0055】
〔防除効果〕
本発明の化合物(1)で防除効果が認められる農園芸用の病原菌としては、コムギ赤さび病、大麦うどんこ病、キュウリべと病、イネいもち病、トマト疫病などを挙げることができる。
本発明の農園芸用の殺菌剤は、化合物(1)の1種以上を有効成分として含有するものである。
化合物(1)は、単独で使用することもできるが、通常は常法によって、担体、界面活性剤、分散剤、補助剤、などを配合(例えば、粉剤、乳剤、微粒剤、粒剤、水和剤、油性の懸濁液、エアゾールなどの組成物として調製する)して使用することが好ましい。
【0056】
担体としては、例えば、タルク,ベントナイト,クレー,カオリン,ケイソウ土,ホワイトカーボン,バーミキュライト,消石灰,ケイ砂,硫安,尿素などの固体担体;炭化水素(ケロシン,鉱油など)、芳香族炭化水素(ベンゼン,トルエン,キシレンなど)、塩素化炭化水素(クロロホルム,四塩化炭素など)、エーテル類(ジオキサン,テトラヒドロフランなど)、ケトン類(アセトン,シクロヘキサノン,イソホロンなど)、エステル類(酢酸エチル,エチレングリコールアセテート,マレイン酸ジブチルなど)、アルコール類(メタノール,n−ヘキサノール,エチレングリコールなど)、極性溶媒(ジメチルホルムアミド,ジメチルスルホキシドなど)、水などの液体担体;空気,窒素,炭酸ガス,フレオンなどの気体担体(この場合には、混合噴射することができる)などを挙げることがでる。
【0057】
本剤の動植物への付着,吸収の向上,薬剤の分散,乳化,展着などの性能を向上させるために使用できる界面活性剤や分散剤としては、例えば、アルコール硫酸エステル類,アルキルスルホン酸塩,リグニンスルホン酸塩,ポリオキシエチレングリコールエーテルなどを挙げることができる。そして、その製剤の性状を改善するためには、例えば、カルボキシメチルセルロース,ポリエチレングリコール,アラビアゴムなどを補助剤として用いることができる。
本剤の製造では、前記の担体,界面活性剤,分散剤及び補助剤をそれぞれの目的に応じて、各々単独で又は適当に組み合わせて使用することができる。
本発明の化合物(1)を製剤化した場合の有効成分濃度は、乳剤では通常1〜50重量%,粉剤では通常0.3〜25重量%,水和剤では通常1〜90重量%,粒剤では通常0.5〜5重量%,油剤では通常0.5〜5重量%,エアゾールでは通常0.1〜5重量%である。
これらの製剤を適当な濃度に希釈して、それぞれの目的に応じて、植物茎葉,土壌,水田の水面に散布するか、又は直接施用することによって各種の用途に供することができる。
【0058】
【実施例】
以下、本発明を参考例及び実施例によって具体的に説明する。なお、これらは、本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1〔化合物(1)の合成法〕
(1)メチル 3−フェノキシベンジルカーバメイト(化合物1)の合成
3−フェノキシベンジルアミン3.5g(17.8mmol)を塩化メチレン20mlに溶解し、これに、トリエチルアミン1.81g(17.8mmol)を加えた。
この溶液に、室温下、クロロギ酸メチル1.67g(17.8mmol)を滴下した。
更に3時間、室温で撹拌した後、水を加え、有機層を分離し、水層をトルエンで抽出した。有機層と併せ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。
残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒 トルエン:酢酸エチル=4:1)で処理し、目的物3g(収率67%)を無色油状物として得た。
【0059】
(2)メチル 3−(4−ニトロフェノキシ)−N−プロパルギル−N−ベンジルカーバメイト(化合物6)の合成
3−(4−ニトロフェノキシ)トルエン2.13g(10mmol)を四塩化炭素30mlに溶解し、これにN−ブロムスクシンイミド2g(10.5mmol)を加えた。0.05g(0.2mmol)の過酸化ベンゾイルを加え、60℃で4時間加熱撹拌した。
室温に冷却後、析出したスクシンイミドを濾過して除き、ろ液を飽和食塩水で洗浄し、溶媒を減圧下に留去し、淡褐色油状物2.2g(75%)を得た。
得られた油状物をアセトニトリル20mlに溶解し、これにメチル N−プロパルギルカーバメイト0.76g(7.5mmol)を加えた。
炭酸カリウム1g(7.5mmol)を加え、1時間加熱撹拌した。
室温に冷却後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。
有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に溶媒を留去した。
残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒 トルエン:酢酸エチル=9:1)で処理し、目的物1.73g(収率51%:3−(4−ニトロフェノキシ)トルエンから)を橙色粘稠油状物として得た。
【0060】
(3)メチル 3−(4−ニトロフェノキシ)−N−メトキシメチル−N−ベンジルカーバメイト(化合物7)の合成
メチル 3−(4−ニトロフェノキシ)−N−ベンジルカーバメイト(化合物2)3.02g(10mmol)をアセトニトリル30mlに溶解した。
これに炭酸カリウム1.45g(10.5mmol)を加え、クロロメチルメチルエーテル0.85g(10.5mmol)を室温で滴下した。
これを室温で1時間撹拌した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒 トルエン:酢酸エチル=9:1)で処理し、目的物2.7g(収率78%)を黄色粘稠油状物として得た。
【0061】
(4)メチル N−[1−メチル−1−(3−フェノキシフェニル)エチル]カーバメイト(化合物15)の合成
3−フェノキシベンジルシアニド2.09g(10.mmol)をジメチルスルホキシドに溶解した。
これに、水酸化ナトリウム1.2g(30mmol)を1.2mlの水に溶解し加えた。
混合物を0℃に冷却し、ヨウ化メチル4.26g(30mmol)を2時間かけて滴下した。
滴下終了後、氷冷下で30分間撹拌した。
終了後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。
飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。
残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で処理し、2g(収率85%)の1−メチル−1−(3−フェノキシフェニル)プロピオニトリルを淡黄色油状物(nD231.5644)として得た。
【0062】
得られた1−メチル−1−(3−フェノキシフェニル)プロピオニトリル2g(8.5mmol)を8.8mlのt−ブタノールに溶解し、これに粉末の水酸化カリウム1.7gを加え、1時間加熱還流した。
室温まで冷却し水を加え、酢酸エチルで抽出した。
飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。
得られた結晶をn−ヘキサンで洗浄し、1.9g(88%)の1−メチル−1−(3−フェノキシフェニル)プロピオアミドを無色結晶(m.p.94.7〜95.9℃)として得た。
得られた1−メチル−1−(3−フェノキシフェニル)プロピオアミド1.9g(7,5mmol)を74mlのメタノールに溶解し、n−ブロムスクシンイミド1.34g(7.gmmol)及び1,8−ジアザビシクロウンデカン3.4mlを加え、25分間加熱還流した。
これに、n−ブロムスクシンイミド1.34g(7.5mmol)を追加し、更に、10分間加熱還流した。
終了後、メタノールを減圧留去し、残渣を酢酸エチルに溶解し、1N塩酸及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。
無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。
残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒 トルエン:酢酸エチル=9:1)で処理し、目的物1.9g(収率88%)を無色結晶として得た。
【0063】
(5)メチル N−[1−(3−フェノキシフェニル)エチル]カーバメイト(化合物22)の合成
1−(3−フェノキシフェニル)エチルアミン2.13g(10mmol)をトルエン20mlに溶解し、これに水3mlに溶解した水酸化ナトリウム0.4gを加え、5mlトルエンにクロロギ酸メチル0.95gを溶解した溶液を氷冷下、20分で、滴下した。
室温で2時間撹拌した後、水を加え、トルエンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に溶媒を留去した。
残渣をシリカゲルカラム(流出溶媒 トルエン:酢酸エチル=9:1)で処理し、目的物1.95g(収率72%)を無色粘稠油状物として得た。
【0064】
(6)メチル N−アリル−N−[3−(2−シアノフェノキシ)ベンジル]カーバメイト(化合物30)の合成
メチル N−[3−(2−シアノフェノキシ)ベンジル]カーバメイト(化合物11)2.82g(10mmol))をTHF20mlに溶解し、水酸化カリウム0.6g(11mmol)を加えた。これに、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイドを触媒量加え、室温下にアリルブロミド1.33g(11mmol)を滴下した。
更に室温で2時間撹拌した。
水を加え酢酸エチルで、抽出した。
有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に溶媒を留去した。
残渣をシリカゲルカラム(流出溶媒 トルエン:酢酸エチル=9:1)で処理し、目的物2.64g(収率83%)を淡黄色粘稠油状物として得た。
【0065】
(7)表1及び2中のその他の化合物(1)の合成
前記(1)〜(6)に記載の方法に準じて、表1及び2中のその他の化合物(1)を合成した。
以上のように合成した化合物(1)及びそれらの物性を表1〜4に示す。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
【表3】
【0069】
【表4】
【0070】
実施例2〔製剤の調製〕
(1)粒剤の調製
化合物(1)を5重量部、ベントナイト35重量部、タルク57重量部、ネオレックスパウダー(商品名;花王株式会社製)1重量部、及びリグニンスルホン酸ソーダ2重量部を均一に混合し、次いで少量の水を添加して混練した後、造粒、乾燥して粒剤を得た。
【0071】
(2)水和剤の調製
化合物(1)を10重量部、カオリン70重量部、ホワイトカーボン18重量部、ネオレックスパウダー(商品名;花王株式会社製)1.5重量部、及びデモール(商品名;花王株式会社製)0.5重量部を均一に混合し、次いで粉砕して水和剤を得た。
【0072】
(3)乳剤の調製
化合物(1)を20重量部及びキシレン70重量部に、トキサノン(商品名;三洋化成工業製)10重量部を加えて均一に混合し、溶解して乳剤を得た。
【0073】
(4)粉剤の調製
化合物(1)を粉5重量部、タルク50重量部及びカオリン45重量部を均一に混合して粉剤を得た。
【0074】
実施例3〔効力試験〕
(1)イネいもち病に対する防除効力試験(予防効果)
直径6cmのプラスチック植木鉢に1鉢当たり10本の稲(品種:日本晴)を育成し、1.5葉期の幼植物体に実施例2に準じて調整した水和剤を、界面活性剤(0.01%)を含む水で500ppmに希釈して、1鉢当たり20mlを散布した。
散布後2日間ガラス温室で栽培し、ついでイネいもち病菌分性胞子を罹病葉より調整し、これを植物葉にまんべんなく噴霧接種した。
接種後、5日間28℃湿室内で育成し、葉に現れたイネいもち病病斑の程度を調査した。
無処理区の病斑の程度と比較して薬剤効果を判定した。
評価は、0〜5の6段階で示し、病斑の無いものは5、無処理区と比較して病斑面積5%以下は4、15%程度は3、40%程度は2、60%程度は1とし、全体が罹病したものは0で示した。
これらの結果を表5に示す。
【0075】
【表5】
【0076】
(2)オオムギうどんこ病に対する防除効力試験(予防効果)
直径6cmのプラスチック植木鉢に1鉢当たり10本のオオムギ(品種:黒ムギ)を育成し、1.5葉期の幼植物体に実施例2に準じて調整した水和剤を、界面活性剤(0.01%)を含む水で500ppmに希釈して、1鉢当たり20mlを散布した。
散布後2日間ガラス温室で栽培し、ついでオオムギうどんこ病菌分性胞子を罹病葉より調整し、これを植物体の上からまんべんなく噴霧接種した。
接種後、1週間温室内で育成し、葉に現れたオオムギうどんこ病病斑の程度を調査した。
無処理区の病斑の程度と比較して薬剤効果を判定した。
評価は、0〜5の6段階で示し、病斑の無いものは5、無処理区と比較して病斑面積5%以下は4、15%程度は3、40%程度は2、60%程度は1とし、全体が罹病したものは0で示した。
これらの結果を表6に示す。
【0077】
【表6】
【0078】
(3)キュウリべと病に対する防除効力試験(予防効果)
直径6cmのプラスチック植木鉢に1鉢当たり1本のキュウリ(品種:相模半白)を育成し、1.5葉期の幼植物体に実施例2に準じて調整した水和剤を、界面活性剤(0.01%)を含む水で500ppmに希釈して、1鉢当たり20mlを散布した。
散布後2日間ガラス温室で栽培し、ついでキュウリべと病菌遊走子を罹病葉より調整し、これを植物葉の裏面にまんべんなく噴霧接種した。
接種後、2日間暗黒下に保った後、5日間ガラス温室内で育成し、第1葉に現れたキュウリべと病病斑の程度を調査した。
無処理区の病斑の程度と比較して薬剤効果を判定した。
評価は、0〜5の6段階で示し、病斑の無いものは5、無処理区と比較して病斑面積5%以下は4、15%程度は3、40%程度は2、60%程度は1とし、全体が罹病したものは0で示した。
これらの結果を表7に示す。
【0079】
【表7】
【0080】
(4)コムギ赤さび病に対する防除力試験(予防効果)
直径6cmのプラスチック植木鉢に1鉢当たり10本のコムギ(品種:コブシコムギ)を育成し、1.5葉期の幼植物体に実施例2に準じて調整した水和剤を、界面活性剤(0.01%)を含む水で500ppmに希釈して、1鉢当たり20mlを散布した。
散布後2日間ガラス温室で栽培し、ついでコムギ赤さび病菌懸濁液(7×104)を、植物体に均一に噴霧接種した。
接種後、1週間がらす温室内で育成し、第1葉に現れたコムギ赤さび病病斑の程度を調査した。無処理区の病斑の程度と比較して薬剤効果を判定した。
評価は、0〜5の6段階で示し、病斑の無いものは5、無処理区と比較して病斑面積5%以下は4、15%程度は3、40%程度は2、60%程度は1とし、全体が罹病したものは0で示した。
これらの結果を表8に示す。
【0081】
【表8】
【0082】
【発明の効果】
本発明の新規なN−ベンジルカルバメイト化合物は、農園芸用の農園芸用の殺菌剤として有用である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、農園芸用の殺菌剤として有用なN−ベンジルカルバメイト化合物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本発明のN−ベンジルカルバメイト化合物は新規化合物であり、よって農園芸用の殺菌剤として有用であることも知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、新規なN−ベンジルカルバメイト化合物、その製法及びそれを有効成分とする農園芸用の殺菌剤を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の課題を解決するために検討した結果、新規なN−ベンジルカルバメイト化合物が顕著な農園芸用の殺菌活性を有することを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は次の通りである。
第1の発明は、次式(1):
【0005】
【化11】
【0006】
〔式中、R1は、炭素原子数1〜4個のアルキル基、炭素原子数1〜4個のアルコキシ基、炭素原子数3〜5個のアルケニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素原子数1〜4個のハロアルキル基、炭素原子数1〜4個のハロアルコキシ基、炭素原子数1〜4個のアルキルチオ基を表す。R2は、炭素原子数1〜4個のアルキル基、炭素原子数1〜4個のアルコキシ基、炭素原子数3〜5個のアルケニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素原子数1〜4個のハロアルキル基、炭素原子数1〜4個のハロアルコキシ基、炭素原子数1〜4個のアルキルチオ基を表す。R3は、水素原子、炭素原子数1〜4個のアルキル基、炭素原子数1〜4個のハロアルキル基、シアノ基、置換していても良いフェニル基を表す。R4は、水素原子、炭素原子数1〜4個のアルキル基、炭素原子数1〜4個のハロアルキル基を表す。mは、1〜5の整数を表す。nは、1〜3の整数を表す。Xは、水素原子、炭素原子数1〜4個のアルコキシ基、炭素原子数1〜4個のアルキル基、炭素原子数2〜5個のアルキルアルコキシ基、炭素原子数3〜5個のアルケニル基、炭素原子数3〜5個のアルキニル基、炭素原子数3〜7個のシクロアルキル基、置換していても良いフェニル基を表す。Yは、OR5を表す(なお、R5は、炭素原子数1〜4個のアルキル基、炭素原子数2〜5個のアルキルアルコキシ基、炭素原子数3〜5個のアルケニル基、炭素原子数3〜5個のアルキニル基、炭素原子数3〜7個のシクロアルキル基を表す。)。〕
で示されるN−ベンジルカルバメイト誘導体〔化合物(1)とも称する。〕に関するものである。
第2の発明は、
次式(2−a):
【0007】
【化12】
【0008】
(式中、R1〜R4,m及びnは、前記と同義である。)
で示される化合物〔化合物(2−a)とも称する。〕と
次式(3):
【0009】
【化13】
【0010】
(式中、Yは、前記と同義である。Wは、脱離基を表す。)
で示される化合物〔化合物(3)とも称する。〕と反応させることを特徴とする、化合物(1)が
次式(1−a):
【0011】
【化14】
【0012】
(式中、R1〜R4,m,n及びYは、前記と同義である。)
で示されるN−ベンジルカルバメイト化合物〔化合物(1−a)とも称する。〕の製法に関するものである。
第3の発明は、前記の化合物(1−a)と
次式(4):
【0013】
【化15】
【0014】
(式中、X’は、炭素原子数1〜4個のアルキル基、炭素原子数2〜5個のアルキルアルコキシ基、炭素原子数3〜5個のアルケニル基、炭素原子数3〜5個のアルキニル基、炭素原子数3〜7個のシクロアルキル基を表す。Zは、前記と同義である。)
で示される化合物〔化合物(4)とも称する。〕と反応させることを特徴とする、化合物(1)が
次式(1−b):
【0015】
【化16】
【0016】
(式中、R1〜R4,m,n,X’及びYは、前記と同義である。)
で示されるN−アシルベンジルアミン化合物〔化合物(1−b)とも称する。〕の製法に関するものである。
第4の発明は、次式(2−b):
【0017】
【化17】
【0018】
(式中、R1〜R4,m,n及びX’は、前記と同義である。)
で示される化合物〔化合物(2−b)とも称する。〕と化合物(3)とを反応させることを特徴とする、化合物(1)が式(1−b)で示されるN−アシルベンジルアミン化合物〔化合物(1−b)とも称する。〕の製法に関するものである。
第5の発明は、次式(5):
【0019】
【化18】
【0020】
(式中、R1〜R4,m,n及びZは、前記と同義である。)
で示される化合物〔化合物(5)とも称する。〕と
次式(6):
【0021】
【化19】
【0022】
(式中、X及びYは、前記と同義である。)
で示される化合物〔化合物(6)とも称する。〕とを反応させることを特徴とする、化合物(1)の製法に関するものである。
第6の発明は、次式(4−a):
【0023】
【化20】
【0024】
(式中、R1〜R4,m及nびは、前記と同義である。)
で示される化合物〔化合物(4−a)とも称する。〕を、アルコール溶媒中で転移させることを特徴とする、化合物(1)の製法に関するものである。
【0025】
第6の発明は、化合物(1)を有効成分とする農園芸用の殺菌剤に関するものである。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
前記の各化合物で表した各種の置換基は、次の通りである。
〔R1〕
R1は、炭素原子数1〜4個のアルキル基、炭素原子数1〜4個のアルコキシ基、炭素原子数3〜5個のアルケニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素原子数1〜4個のハロアルキル基、炭素原子数1〜4個のハロアルコキシ基、炭素原子数1〜4個のアルキルチオ基であるが;好ましくは、水素原子、ニトロ基、シアノ基である。
R1は、mが2〜4の整数のときは、同一又は相異なってもよい。そして、R1の置換位置は特に限定されないが;ニトロ基の場合には4位が好ましく、シアノ基の場合には2位が好ましい。
【0027】
〔R2〕
R2は、炭素原子数1〜4個のアルキル基、炭素原子数1〜4個のアルコキシ基、炭素原子数3〜5個のアルケニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素原子数1〜4個のハロアルキル基、炭素原子数1〜4個のハロアルコキシ基、炭素原子数1〜4個のアルキルチオ基であるが;好ましくは、無置換である。
R2は、nが2〜4の整数のときは、同一又は相異なってもよいが;nは、好ましくは1である。そして、R1の置換位置は特に限定されない。
【0028】
〔R3〕
R3は、水素原子、炭素原子数1〜4個のアルキル基、炭素原子数1〜4個のハロアルキル基、シアノ基、置換していても良いフェニル基であるが;好ましくは、水素原子、炭素原子数1〜4個のアルキル基である。
炭素原子数1〜4個のアルキル基としては、直鎖状又は分岐状のアルキル基を挙げることができるが;メチル基が好ましい。
【0029】
〔R4〕
R4は、水素原子、炭素原子数1〜4個のアルキル基、炭素原子数1〜4個のハロアルキル基であるが;好ましくは、水素原子、炭素原子数1〜4個のアルキル基である。
炭素原子数1〜4個のアルキル基としては、直鎖状又は分岐状のアルキル基を挙げることができるが;メチル基が好ましい。
【0030】
〔X〕
Xは、水素原子、炭素原子数1〜4個のアルコキシ基、炭素原子数1〜4個のアルキル基、炭素原子数2〜5個のアルキルアルコキシ基、炭素原子数3〜5個のアルケニル基、炭素原子数3〜5個のアルキニル基、炭素原子数3〜7個のシクロアルキル基、置換していても良いフェニル基であるが;好ましくは、水素原子、炭素原子数2〜5個のアルキルアルコキシ基、炭素原子数3〜5個のアルキニル基、炭素原子数3〜5個のアルケニル基である。
炭素原子数1〜4個のアルコキシ基としては、直鎖状又は分岐状のものを挙げることができるが;−OCH3が好ましい。
炭素原子数2〜5個のアルキルアルコキシ基としては、直鎖状又は分岐状のものを挙げることができるが;−CH2OCH3が好ましい。
炭素原子数3〜5個のアルキニル基としては、直鎖状又は分岐状のものを挙げることができるが;−CH2C≡CHが好ましい。
炭素原子数3〜5個のアルケニル基としては、直鎖状又は分岐状のものを挙げることができるが;−CH2CH=CH2が好ましい。
【0031】
〔Y〕
Yは、OR5である。
R5は、炭素原子数1〜4個のアルキル基、炭素原子数2〜5個のアルキルアルコキシ基、炭素原子数3〜5個のアルケニル基、炭素原子数3〜5個のアルキニル基、炭素原子数3〜7個のシクロアルキル基であるが;好ましくは、炭素原子数1〜4個のアルキル基であり;さらに好ましくは、CH3である。
【0032】
化合物(1)としては、前記の各種の置換基を組み合わせたものを挙げることができるが、薬効の面から好ましいものは、次の通りである。
(1)R1,R2が無置換でR3、R4及びXが水素原子であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
(2)(R1)mが2−NO2であり、R2が無置換でR3,R4及びXが水素原子であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
(3)(R1)mが4−NO2であり、R2が無置換でR3,R4が水素原子であり、Xが炭素原子数1〜4個のアルコキシ基であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
(4)(R1)mが4−NO2であり、R2が無置換でR3,R4が水素原子であり、Xが炭素原子数3〜5個のアルキニル基であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
【0033】
(5)(R1)mが4−NO2であり、R2が無置換でR3,R4が水素原子であり、Xが炭素原子数2〜5個のアルキルアルコキシ基であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
(6)(R1)mが4−NO2であり、R2が無置換でR3,R4が水素原子であり、Xが炭素原子数3〜5個のアルケニル基であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
(7)(R1)mが2−(炭素原子数1〜4個のハロアルキル基)であり、R2が無置換でR3,R4が水素原子であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
(8)(R1)mが2−CNであり、R2が無置換でR3,R4が水素原子であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
(9)R1、R2が無置換でR3,R4が水素原子であり、Xが炭素原子数1〜4個のアルコキシ基であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
(10)(R1)mが2−NO2及び4−(炭素原子数1〜4個のハロアルキル基)であり、R2が無置換でR3,R4及びXが水素原子であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
【0034】
(11)(R1)mが4−NO2であり、R2が無置換でR3,R4が水素原子であり、Xが炭素原子数1〜4個のアルキル基であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
(12)(R1)mが4−CNであり、R2が無置換でR3,R4及びXが水素原子であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
(13)(R1)mが4−ハロゲン原子であり、R2が無置換で,R3及びXが水素原子であり、R4が炭素原子数1〜4個のアルキル基であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
(14)R1、R2が無置換でR3及びXが水素原子であり、R4が炭素原子数1〜4個のアルキル基であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
(15)(R1)mが4−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)であり、R2が無置換で,R4及びXが水素原子であり、R3が炭素原子数1〜4個のアルキル基であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
【0035】
(16)(R1)mが2−ハロゲン原子でありR2が無置換で,R4及びXが水素原子であり、R3が炭素原子数1〜4個のアルキル基であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
(17)(R1)mが4−(炭素原子数1〜4個のアルコキシ基)であり、R2が無置換で,R4及びXが水素原子であり、R3が炭素原子数1〜4個のアルキル基であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
(18)R1が無置換で,R3,R4及びXが水素原子であり、(R2)nが2−ハロゲン原子であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
(19)(R1)mが2−CNであり、R2が無置換でR3、R4が水素原子であり、Xが2−ハロゲン原子であり、Xが炭素原子数3〜5個のアルケニル基であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
(20)(R1)mが4−(炭素原子数1〜4個のハロアルコキシ基)であり、(R2)nが2−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)であり、R3,R4及びXが水素原子であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
【0036】
(21)(R1)mが2−CNであり、R2が無置換でR3、R4が水素原子であり、Xが炭素原子数1〜4個のアルコキシ基であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
(22)(R1)mが4−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)であり、R2が無置換でR3、R4及びXが水素原子であり、Yが−O−(炭素原子数1〜4個のアルキル基)である化合物(1)。
【0037】
〔化合物(1)の合成法〕
化合物(1)の製法としては、次の5種の製法(合成法1〜5)を挙げることができる。
(合成法1)
化合物(1−a)は、化合物(2−a)と化合物(3)とを溶媒中で反応させることによって製造できる。
この反応は塩基の存在下で促進することができる。
溶媒の種類としては、本反応に直接関与しないものであれば特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンのようなケトン類;n−ヘキサン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類;ジクロロメタンのようなハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ニトロベンゼンなどの芳香族炭化水素;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホランのような極性溶媒;これらの混合物などを挙げることができる。
溶媒の使用量は、化合物(2−a)が5〜80重量%になるようにして使用することができるが;10〜70重量%が好ましい。
【0038】
塩基としては、無機塩基及び有機塩基を用いることができるが、好ましくは有機塩基である。
無機塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属炭酸塩(または水酸化物)を挙げることができる。
有機塩基としては、トリエチルアミン、ピリジンなどを挙げることができる。
塩基の使用量は、化合物(2−a)に対して0.8〜5倍モルであるが;1.0〜2.0倍モルが好ましい。
【0039】
反応温度は、特に限定されないが、−20℃から使用する溶媒の沸点以下の温度範囲内であり;0℃から60℃が好ましい。
反応時間は、前記の濃度、温度によって変化するが;通常0.5〜7時間である。
原料化合物の使用量は、化合物(2−a)に対して化合物(3)が、0.6〜5倍モルであるが;0.9〜1.1倍モルが好ましい。
本発明で用いる化合物(2−a)は、次の(1)〜(12)のいずれかの方法によって得ることができる。
【0040】
(1)R3とR4とが共に水素の場合、J.Am.Chem.Soc.,82,2386(1966)に記載の方法に準じて、対応するベンゾニトリルをパラジウム触媒、ラネーニッケル触媒などの存在下、水素ガスを用いて還元する方法。
(2)The Chemistry of Cyano Group P307−340(Interscience)に記載された方法に準じて、対応するニトリルをリチウムアルミニウムヒドリドなどのヒドリド類で還元する方法。
(3)R3とR4とが共に水素の場合、またはR3が水素でR4がアルキル基の場合には、Org.Synth,III,717記載の方法に準じて、対応するケトン類を直接還元アミノ化するか、または対応するオキシムをパラジウム触媒またはラネーニッケル触媒存在下、水素ガスにより還元する方法。
(4)対応するベンジルアルコール類をアジ化水素酸で処理して得られるアジド化合物を、パラジウム触媒またはラネーニッケル触媒存在下、水素ガスにより還元する方法。
【0041】
(5)Tetrahedron Lett,1978,3633に記載の方法に準じてリチウムアルミニウムヒドリドで還元する方法。
(6)Tetrahedron 48,1353(1992)に記載の方法に準じてトリフェニルホスフィンまたはトリブチルホスフィンのようなトリアルキルホスフィン類で還元する方法。
(7)The Chemistry of Azido Group P57−119(Interscience)に記載の方法に準じて、ハロゲン化ベンジル類をアジ化ナトリウムまたはアジ化カリウムのようなアジ化化合物で処理して得られるアジド化合物を前記のように還元する方法。
(8)ハロゲン化ベンジル類を亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸銀等で処理して得られるニトロ化合物をパラジウム触媒またはラネーニッケル触媒存在下、水素ガスにより還元する方法。
(9)リチウムアルミニウムヒドリドで還元する方法。
【0042】
(10)R3,R4が共にアルキルの場合、対応するベンジルアルコール類をアジ化水素酸で処理し、得られるアジド化合物を前述のように処理する方法。
(11)Org.Reaction,17,213記載の方法に準じて、硫酸酸性下、シアン化カリウム、シアン化ナトリウム、アセトニトリルのようなシアン化合物との反応で得られるアミド化合物を加水分解する方法。
(12)The Chemistry of Cyanates and their thio derivarivesP819−886(Interscience)に記載の方法に準じて、対応するベンジルハライド類とチオシアン酸カリウムなどとの反応により得られるイソチオシアン酸化合物を加水分解する方法。
化合物(3)は市販品を用いることができる。
【0043】
(合成法2)
化合物(1−b)は次のように、化合物(1−a)と化合物(4)とを溶媒中で反応させることによって製造できる。
この反応は塩基の存在下で促進することができる。
溶媒の種類としては、本反応に直接関与しないものであれば特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンのようなケトン類;n−ヘキサン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類;ジクロロメタンのようなハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ニトロベンゼンなどの芳香族炭化水素;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホランのような極性溶媒;これらの混合物などを挙げることができる。
溶媒の使用量は、化合物(1−a)が3〜80重量%になるようにして使用することができるが;5〜60重量%が好ましい。
塩基としては、無機塩基及び有機塩基を用いることができるが、好ましくは有機塩基である。
【0044】
無機塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属炭酸塩(または水酸化物)を挙げることができる。
有機塩基としては、トリエチルアミン、ピリジンなどを挙げることができる。
塩基の使用量は、化合物(4)に対して1〜5倍モルであるが;1.2〜2.0倍モルが好ましい。
反応温度は、特に限定されないが、−20℃から使用する溶媒の沸点以下の温度範囲内であり;0から70℃が好ましい。
反応時間は、前記の濃度、温度によって変化するが;通常0.5〜5時間である。
原料化合物の使用量は、化合物(1−a)に対して化合物(4)が、0.8〜5倍モルであるが;1〜1.2倍モルが好ましい。
化合物(4)は市販品を用いることができる。
【0045】
(合成法3)
化合物(1−b)は次のように、化合物(2−b)と化合物(3)とを溶媒中で反応させることによって製造できる。
この反応は塩基の存在下で促進することができる。
溶媒の種類としては、本反応に直接関与しないものであれば特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンのようなケトン類;n−ヘキサン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類;ジクロロメタンのようなハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ニトロベンゼンなどの芳香族炭化水素;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホランのような極性溶媒;これらの混合物などを挙げることができる。
溶媒の使用量は、化合物(2−b)が3〜80重量%になるようにして使用することができるが;5〜60重量%が好ましい。
【0046】
塩基としては、無機塩基及び有機塩基を用いることができるが、好ましくは無機塩基である。
無機塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属炭酸塩(または水酸化物)を挙げることができる。
有機塩基としては、トリエチルアミン、ピリジンなどを挙げることができる。
化合物(3)は、市販品を用いることができる。
塩基の使用量は、化合物(2−b)に対して0.6〜5倍モルであるが;0.8〜1.5倍モルが好ましい。
反応温度は、特に限定されないが、−20℃から使用する溶媒の沸点以下の温度範囲内であり;0〜70℃が好ましい。
反応時間は、前記の濃度、温度によって変化するが;通常0.5〜5時間である。
原料化合物の使用量は、化合物(2−b)に対して化合物(3)が、0.6〜5倍モルであるが;0.8〜1.2倍モルが好ましい。
【0047】
(合成法4)
化合物(1−b)は次のように、化合物(5)と化合物(6)とを溶媒中で反応させることによって製造できる。
この反応は塩基の存在下で促進することができる。
溶媒の種類としては、本反応に直接関与しないものであれば特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンのようなケトン類;n−ヘキサン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類;ジクロロメタンのようなハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ニトロベンゼンなどの芳香族炭化水素;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホランのような極性溶媒;これらの混合物などを挙げることができる。
溶媒の使用量は、化合物(5)が3〜80重量%になるようにして使用することができるが;5〜60重量%が好ましい。
【0048】
塩基としては、無機塩基及び有機塩基を用いることができる。好ましくは無機塩基である。
無機塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属炭酸塩(または水酸化物)を挙げることができる。
有機塩基としては、トリエチルアミン、ピリジンなどを挙げることができる。
塩基の使用量は、化合物(5)に対して0.6〜5倍モルであるが;0.8〜2.0倍モルが好ましい。
【0049】
反応温度は、特に限定されないが、室温から使用する溶媒の沸点以下の温度範囲内であり;50〜80℃が好ましい。
反応時間は、前記の濃度、温度によって変化するが;通常0.5〜5時間である。
原料化合物の使用量は、化合物(5)に対して化合物(6)が、1.0〜5倍モルであるが;1〜1.2倍モルが好ましい。
本発明で用いる化合物(5)は、次に示す方法で製造することができる。
次式:
【0050】
【化21】
【0051】
(式中、R1,R2,m及nびは、前記と同義である。)
を少量の過酸化ベンゾイルまたはアゾビスイソブチロニトリルなどのラジカル開始剤共存下、N−ブロモスクシンイミドまたは1,3−ジブロモヒダントインなどで処理して得ることができる。
また、次式:
【0052】
【化22】
【0053】
(式中、R1〜R3,m及nびは、前記と同義である。)
を塩化チオニルまたは臭化水素酸で処理して対応するベンジルクロリド誘導体、またはベンジルブロミド誘導体として得ることができる(実際の反応は、溶媒四塩化炭素、等モルのNBS及びBPOは基質に対して2%mol。)。
本発明で用いる化合物(6)は、対応するアミン誘導体とクロロギ酸エステルとを塩基存在下、反応させることで得ることができる(実際の反応は、塩化メチレン溶媒中、アミンに対し、等モルの水酸化ナトリウム水溶液を入れ、クロロギ酸エステルを滴下した。)。
【0054】
(合成法5)
化合物(4−a)をアルコール溶媒中で、例えば、N−ブロムスクシンイミドと1,8−ジアザビシクロウンデカンとで処理することで製造することができる。
化合物(4−a)は対応するベンジルシアニドを酸アミドに加水分解することで製造できる。また、対応するカルボン酸をアミド化することでも製造することができる。
以上のようにして製造された目的の化合物(1)は、反応終了後、抽出、濃縮、ろ過などの通常の後処理を行い、必要に応じて再結晶、各種クロマトグラフィーなどの公知の手段で適宣精製することができる。
【0055】
〔防除効果〕
本発明の化合物(1)で防除効果が認められる農園芸用の病原菌としては、コムギ赤さび病、大麦うどんこ病、キュウリべと病、イネいもち病、トマト疫病などを挙げることができる。
本発明の農園芸用の殺菌剤は、化合物(1)の1種以上を有効成分として含有するものである。
化合物(1)は、単独で使用することもできるが、通常は常法によって、担体、界面活性剤、分散剤、補助剤、などを配合(例えば、粉剤、乳剤、微粒剤、粒剤、水和剤、油性の懸濁液、エアゾールなどの組成物として調製する)して使用することが好ましい。
【0056】
担体としては、例えば、タルク,ベントナイト,クレー,カオリン,ケイソウ土,ホワイトカーボン,バーミキュライト,消石灰,ケイ砂,硫安,尿素などの固体担体;炭化水素(ケロシン,鉱油など)、芳香族炭化水素(ベンゼン,トルエン,キシレンなど)、塩素化炭化水素(クロロホルム,四塩化炭素など)、エーテル類(ジオキサン,テトラヒドロフランなど)、ケトン類(アセトン,シクロヘキサノン,イソホロンなど)、エステル類(酢酸エチル,エチレングリコールアセテート,マレイン酸ジブチルなど)、アルコール類(メタノール,n−ヘキサノール,エチレングリコールなど)、極性溶媒(ジメチルホルムアミド,ジメチルスルホキシドなど)、水などの液体担体;空気,窒素,炭酸ガス,フレオンなどの気体担体(この場合には、混合噴射することができる)などを挙げることがでる。
【0057】
本剤の動植物への付着,吸収の向上,薬剤の分散,乳化,展着などの性能を向上させるために使用できる界面活性剤や分散剤としては、例えば、アルコール硫酸エステル類,アルキルスルホン酸塩,リグニンスルホン酸塩,ポリオキシエチレングリコールエーテルなどを挙げることができる。そして、その製剤の性状を改善するためには、例えば、カルボキシメチルセルロース,ポリエチレングリコール,アラビアゴムなどを補助剤として用いることができる。
本剤の製造では、前記の担体,界面活性剤,分散剤及び補助剤をそれぞれの目的に応じて、各々単独で又は適当に組み合わせて使用することができる。
本発明の化合物(1)を製剤化した場合の有効成分濃度は、乳剤では通常1〜50重量%,粉剤では通常0.3〜25重量%,水和剤では通常1〜90重量%,粒剤では通常0.5〜5重量%,油剤では通常0.5〜5重量%,エアゾールでは通常0.1〜5重量%である。
これらの製剤を適当な濃度に希釈して、それぞれの目的に応じて、植物茎葉,土壌,水田の水面に散布するか、又は直接施用することによって各種の用途に供することができる。
【0058】
【実施例】
以下、本発明を参考例及び実施例によって具体的に説明する。なお、これらは、本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1〔化合物(1)の合成法〕
(1)メチル 3−フェノキシベンジルカーバメイト(化合物1)の合成
3−フェノキシベンジルアミン3.5g(17.8mmol)を塩化メチレン20mlに溶解し、これに、トリエチルアミン1.81g(17.8mmol)を加えた。
この溶液に、室温下、クロロギ酸メチル1.67g(17.8mmol)を滴下した。
更に3時間、室温で撹拌した後、水を加え、有機層を分離し、水層をトルエンで抽出した。有機層と併せ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。
残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒 トルエン:酢酸エチル=4:1)で処理し、目的物3g(収率67%)を無色油状物として得た。
【0059】
(2)メチル 3−(4−ニトロフェノキシ)−N−プロパルギル−N−ベンジルカーバメイト(化合物6)の合成
3−(4−ニトロフェノキシ)トルエン2.13g(10mmol)を四塩化炭素30mlに溶解し、これにN−ブロムスクシンイミド2g(10.5mmol)を加えた。0.05g(0.2mmol)の過酸化ベンゾイルを加え、60℃で4時間加熱撹拌した。
室温に冷却後、析出したスクシンイミドを濾過して除き、ろ液を飽和食塩水で洗浄し、溶媒を減圧下に留去し、淡褐色油状物2.2g(75%)を得た。
得られた油状物をアセトニトリル20mlに溶解し、これにメチル N−プロパルギルカーバメイト0.76g(7.5mmol)を加えた。
炭酸カリウム1g(7.5mmol)を加え、1時間加熱撹拌した。
室温に冷却後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。
有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に溶媒を留去した。
残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒 トルエン:酢酸エチル=9:1)で処理し、目的物1.73g(収率51%:3−(4−ニトロフェノキシ)トルエンから)を橙色粘稠油状物として得た。
【0060】
(3)メチル 3−(4−ニトロフェノキシ)−N−メトキシメチル−N−ベンジルカーバメイト(化合物7)の合成
メチル 3−(4−ニトロフェノキシ)−N−ベンジルカーバメイト(化合物2)3.02g(10mmol)をアセトニトリル30mlに溶解した。
これに炭酸カリウム1.45g(10.5mmol)を加え、クロロメチルメチルエーテル0.85g(10.5mmol)を室温で滴下した。
これを室温で1時間撹拌した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒 トルエン:酢酸エチル=9:1)で処理し、目的物2.7g(収率78%)を黄色粘稠油状物として得た。
【0061】
(4)メチル N−[1−メチル−1−(3−フェノキシフェニル)エチル]カーバメイト(化合物15)の合成
3−フェノキシベンジルシアニド2.09g(10.mmol)をジメチルスルホキシドに溶解した。
これに、水酸化ナトリウム1.2g(30mmol)を1.2mlの水に溶解し加えた。
混合物を0℃に冷却し、ヨウ化メチル4.26g(30mmol)を2時間かけて滴下した。
滴下終了後、氷冷下で30分間撹拌した。
終了後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。
飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。
残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で処理し、2g(収率85%)の1−メチル−1−(3−フェノキシフェニル)プロピオニトリルを淡黄色油状物(nD231.5644)として得た。
【0062】
得られた1−メチル−1−(3−フェノキシフェニル)プロピオニトリル2g(8.5mmol)を8.8mlのt−ブタノールに溶解し、これに粉末の水酸化カリウム1.7gを加え、1時間加熱還流した。
室温まで冷却し水を加え、酢酸エチルで抽出した。
飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去した。
得られた結晶をn−ヘキサンで洗浄し、1.9g(88%)の1−メチル−1−(3−フェノキシフェニル)プロピオアミドを無色結晶(m.p.94.7〜95.9℃)として得た。
得られた1−メチル−1−(3−フェノキシフェニル)プロピオアミド1.9g(7,5mmol)を74mlのメタノールに溶解し、n−ブロムスクシンイミド1.34g(7.gmmol)及び1,8−ジアザビシクロウンデカン3.4mlを加え、25分間加熱還流した。
これに、n−ブロムスクシンイミド1.34g(7.5mmol)を追加し、更に、10分間加熱還流した。
終了後、メタノールを減圧留去し、残渣を酢酸エチルに溶解し、1N塩酸及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。
無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。
残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒 トルエン:酢酸エチル=9:1)で処理し、目的物1.9g(収率88%)を無色結晶として得た。
【0063】
(5)メチル N−[1−(3−フェノキシフェニル)エチル]カーバメイト(化合物22)の合成
1−(3−フェノキシフェニル)エチルアミン2.13g(10mmol)をトルエン20mlに溶解し、これに水3mlに溶解した水酸化ナトリウム0.4gを加え、5mlトルエンにクロロギ酸メチル0.95gを溶解した溶液を氷冷下、20分で、滴下した。
室温で2時間撹拌した後、水を加え、トルエンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に溶媒を留去した。
残渣をシリカゲルカラム(流出溶媒 トルエン:酢酸エチル=9:1)で処理し、目的物1.95g(収率72%)を無色粘稠油状物として得た。
【0064】
(6)メチル N−アリル−N−[3−(2−シアノフェノキシ)ベンジル]カーバメイト(化合物30)の合成
メチル N−[3−(2−シアノフェノキシ)ベンジル]カーバメイト(化合物11)2.82g(10mmol))をTHF20mlに溶解し、水酸化カリウム0.6g(11mmol)を加えた。これに、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイドを触媒量加え、室温下にアリルブロミド1.33g(11mmol)を滴下した。
更に室温で2時間撹拌した。
水を加え酢酸エチルで、抽出した。
有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に溶媒を留去した。
残渣をシリカゲルカラム(流出溶媒 トルエン:酢酸エチル=9:1)で処理し、目的物2.64g(収率83%)を淡黄色粘稠油状物として得た。
【0065】
(7)表1及び2中のその他の化合物(1)の合成
前記(1)〜(6)に記載の方法に準じて、表1及び2中のその他の化合物(1)を合成した。
以上のように合成した化合物(1)及びそれらの物性を表1〜4に示す。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
【表3】
【0069】
【表4】
【0070】
実施例2〔製剤の調製〕
(1)粒剤の調製
化合物(1)を5重量部、ベントナイト35重量部、タルク57重量部、ネオレックスパウダー(商品名;花王株式会社製)1重量部、及びリグニンスルホン酸ソーダ2重量部を均一に混合し、次いで少量の水を添加して混練した後、造粒、乾燥して粒剤を得た。
【0071】
(2)水和剤の調製
化合物(1)を10重量部、カオリン70重量部、ホワイトカーボン18重量部、ネオレックスパウダー(商品名;花王株式会社製)1.5重量部、及びデモール(商品名;花王株式会社製)0.5重量部を均一に混合し、次いで粉砕して水和剤を得た。
【0072】
(3)乳剤の調製
化合物(1)を20重量部及びキシレン70重量部に、トキサノン(商品名;三洋化成工業製)10重量部を加えて均一に混合し、溶解して乳剤を得た。
【0073】
(4)粉剤の調製
化合物(1)を粉5重量部、タルク50重量部及びカオリン45重量部を均一に混合して粉剤を得た。
【0074】
実施例3〔効力試験〕
(1)イネいもち病に対する防除効力試験(予防効果)
直径6cmのプラスチック植木鉢に1鉢当たり10本の稲(品種:日本晴)を育成し、1.5葉期の幼植物体に実施例2に準じて調整した水和剤を、界面活性剤(0.01%)を含む水で500ppmに希釈して、1鉢当たり20mlを散布した。
散布後2日間ガラス温室で栽培し、ついでイネいもち病菌分性胞子を罹病葉より調整し、これを植物葉にまんべんなく噴霧接種した。
接種後、5日間28℃湿室内で育成し、葉に現れたイネいもち病病斑の程度を調査した。
無処理区の病斑の程度と比較して薬剤効果を判定した。
評価は、0〜5の6段階で示し、病斑の無いものは5、無処理区と比較して病斑面積5%以下は4、15%程度は3、40%程度は2、60%程度は1とし、全体が罹病したものは0で示した。
これらの結果を表5に示す。
【0075】
【表5】
【0076】
(2)オオムギうどんこ病に対する防除効力試験(予防効果)
直径6cmのプラスチック植木鉢に1鉢当たり10本のオオムギ(品種:黒ムギ)を育成し、1.5葉期の幼植物体に実施例2に準じて調整した水和剤を、界面活性剤(0.01%)を含む水で500ppmに希釈して、1鉢当たり20mlを散布した。
散布後2日間ガラス温室で栽培し、ついでオオムギうどんこ病菌分性胞子を罹病葉より調整し、これを植物体の上からまんべんなく噴霧接種した。
接種後、1週間温室内で育成し、葉に現れたオオムギうどんこ病病斑の程度を調査した。
無処理区の病斑の程度と比較して薬剤効果を判定した。
評価は、0〜5の6段階で示し、病斑の無いものは5、無処理区と比較して病斑面積5%以下は4、15%程度は3、40%程度は2、60%程度は1とし、全体が罹病したものは0で示した。
これらの結果を表6に示す。
【0077】
【表6】
【0078】
(3)キュウリべと病に対する防除効力試験(予防効果)
直径6cmのプラスチック植木鉢に1鉢当たり1本のキュウリ(品種:相模半白)を育成し、1.5葉期の幼植物体に実施例2に準じて調整した水和剤を、界面活性剤(0.01%)を含む水で500ppmに希釈して、1鉢当たり20mlを散布した。
散布後2日間ガラス温室で栽培し、ついでキュウリべと病菌遊走子を罹病葉より調整し、これを植物葉の裏面にまんべんなく噴霧接種した。
接種後、2日間暗黒下に保った後、5日間ガラス温室内で育成し、第1葉に現れたキュウリべと病病斑の程度を調査した。
無処理区の病斑の程度と比較して薬剤効果を判定した。
評価は、0〜5の6段階で示し、病斑の無いものは5、無処理区と比較して病斑面積5%以下は4、15%程度は3、40%程度は2、60%程度は1とし、全体が罹病したものは0で示した。
これらの結果を表7に示す。
【0079】
【表7】
【0080】
(4)コムギ赤さび病に対する防除力試験(予防効果)
直径6cmのプラスチック植木鉢に1鉢当たり10本のコムギ(品種:コブシコムギ)を育成し、1.5葉期の幼植物体に実施例2に準じて調整した水和剤を、界面活性剤(0.01%)を含む水で500ppmに希釈して、1鉢当たり20mlを散布した。
散布後2日間ガラス温室で栽培し、ついでコムギ赤さび病菌懸濁液(7×104)を、植物体に均一に噴霧接種した。
接種後、1週間がらす温室内で育成し、第1葉に現れたコムギ赤さび病病斑の程度を調査した。無処理区の病斑の程度と比較して薬剤効果を判定した。
評価は、0〜5の6段階で示し、病斑の無いものは5、無処理区と比較して病斑面積5%以下は4、15%程度は3、40%程度は2、60%程度は1とし、全体が罹病したものは0で示した。
これらの結果を表8に示す。
【0081】
【表8】
【0082】
【発明の効果】
本発明の新規なN−ベンジルカルバメイト化合物は、農園芸用の農園芸用の殺菌剤として有用である。
Claims (7)
- 次式(1):
〔式中、R1は、炭素原子数1〜4個のアルキル基、炭素原子数1〜4個のアルコキシ基、炭素原子数3〜5個のアルケニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素原子数1〜4個のハロアルキル基、炭素原子数1〜4個のハロアルコキシ基、炭素原子数1〜4個のアルキルチオ基を表す。R2は、炭素原子数1〜4個のアルキル基、炭素原子数1〜4個のアルコキシ基、炭素原子数3〜5個のアルケニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素原子数1〜4個のハロアルキル基、炭素原子数1〜4個のハロアルコキシ基、炭素原子数1〜4個のアルキルチオ基を表す。R3は、水素原子、炭素原子数1〜4個のアルキル基、炭素原子数1〜4個のハロアルキル基、シアノ基、置換していても良いフェニル基を表す。R4は、水素原子、炭素原子数1〜4個のアルキル基、炭素原子数1〜4個のハロアルキル基を表す。mは、1〜5の整数を表す。nは、1〜3の整数を表す。Xは、水素原子、炭素原子数1〜4個のアルコキシ基、炭素原子数1〜4個のアルキル基、炭素原子数2〜5個のアルキルアルコキシ基、炭素原子数3〜5個のアルケニル基、炭素原子数3〜5個のアルキニル基、炭素原子数3〜7個のシクロアルキル基、置換していても良いフェニル基を表す。Yは、OR5を表す(なお、R5は、炭素原子数1〜4個のアルキル基、炭素原子数2〜5個のアルキルアルコキシ基、炭素原子数3〜5個のアルケニル基、炭素原子数3〜5個のアルキニル基、炭素原子数3〜7個のシクロアルキル基を表す。)。〕
で示されるN−ベンジルカルバメイト誘導体。 - 請求項1記載の式(1)で示されるN−ベンジルカルバメイト化合物を有効成分とする農園芸用の殺菌剤。
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| JP20055598A JP3752854B2 (ja) | 1998-07-15 | 1998-07-15 | N−ベンジルカルバメイト化合物、その製法及び農園芸用の殺菌剤 |
Applications Claiming Priority (1)
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|---|---|---|---|
| JP20055598A JP3752854B2 (ja) | 1998-07-15 | 1998-07-15 | N−ベンジルカルバメイト化合物、その製法及び農園芸用の殺菌剤 |
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| JP2000034269A JP2000034269A (ja) | 2000-02-02 |
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|---|---|---|---|
| JP20055598A Expired - Fee Related JP3752854B2 (ja) | 1998-07-15 | 1998-07-15 | N−ベンジルカルバメイト化合物、その製法及び農園芸用の殺菌剤 |
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| EP2316820A1 (en) * | 2009-10-28 | 2011-05-04 | Dompe S.p.A. | 2-aryl-propionamide derivatives useful as bradykinin receptor antagonists and pharmaceutical compositions containing them |
-
1998
- 1998-07-15 JP JP20055598A patent/JP3752854B2/ja not_active Expired - Fee Related
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