JP3752957B2 - 複合橋脚構造物におけるコンクリートの冷却方法及び複合橋脚構造物におけるコンクリートの冷却装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼管・コンクリート複合構造の橋脚構造物において、鋼管の周囲に打設されたコンクリートを冷却養生するための複合橋脚構造物におけるコンクリートの冷却方法及び複合橋脚構造物におけるコンクリートの冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば道路建設において、路線選定が山間地になった場合、谷間や河川部などでは高橋脚構造形式が採用される。このような建設条件に好適な施工法や構造形式として、鋼管・コンクリート複合橋脚構造物が開発され、実用に供されている。この構造は、中空鋼管の周囲にコンクリートを打設してコンクリートと鋼管を一体化することで、曲げやせん断力に対する耐力を確保するとともに、急速施工及び省力化を図るものである。
【0003】
ところが、この方法においては、型枠内に大量のコンクリートを連続的に打設するため、コンクリート硬化時に大量の熱が発生し、この熱による温度応力によりコンクリートにクラックが発生するおそれがある。そこで従来では、中空鋼管内に冷却水を送水し、この冷却水の熱交換によりコンクリートを冷却養生していたが、次に述べる技術的課題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、以上の冷却方法では、鋼管内を満水状態とすることで熱交換を行う要にしているため、鋼管内が満水となるまでは、送水に長時間を要し、また送水設備が大がかりになるほか、設置場所によっては多大な費用と時間を費やしていた。
【0005】
本発明は、以上の課題を解決するものであって、その目的は、少ない冷却水量で効率良くコンクリートを冷却できるようにし、また循環使用できるようにした複合橋脚構造物におけるコンクリートの冷却方法及び複合橋脚構造物におけるコンクリートの冷却装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る複合橋脚構造物におけるコンクリートの冷却方法は、複数の鋼管の周囲にコンクリートを打設することにより構築される複合橋脚構造物におけるコンクリートの冷却方法であって、冷却水が貯留される回収槽と、該回収槽内の冷却水を前記複数の鋼管の頂部に揚水するポンプと、該ポンプにより前記複数の鋼管の頂部に揚水された冷却水を前記各鋼管の上部に分岐させる複数の分岐管と、各分岐管に接続されるとともに、各鋼管の上部内壁面に冷却水を拡散状態で散水させる散水管と、前記各鋼管の底部と前記回収槽との間を連結する水抜き管とを備えた冷却装置を用い、該冷却装置の作動により、前記各鋼管の上部内壁面に冷却水を拡散状態で散水させて、各鋼管の内壁面を伝わらせて水壁となって流下させ、各鋼管の底部から前記水抜き管を介して前記回収槽に回収し、回収槽に回収した冷却水を再び前記各鋼管の上部内壁面に拡散状態に散水させ、各鋼管の内壁面を伝わらせて水壁となって流下させることを繰り返すことを特徴とする。
本発明による複合橋脚構造物におけるコンクリートの冷却方法によれば、冷却装置によって各鋼管の上部内壁面に拡散状態で冷却水が散水され、この冷却水は各鋼管の内壁面を伝わって水壁となって流下し、各鋼管の外側に打設されるコンクリートが冷却される。各鋼管の底部に溜った冷却水は、冷却装置によって再び各鋼管の上部内壁面に拡散状態で散水され、このようなことが繰り返し行われることにより、各鋼管の外側のコンクリートが冷却されることになる。
【0007】
また、本発明の請求項2に係る複合橋脚構造物におけるコンクリートの冷却方法は、請求項1に記載の複合橋脚構造物におけるコンクリートの冷却方法であって、前記回収槽と前記ポンプとの間に冷却槽を介在させ、前記回収槽に回収した冷却水を前記冷却槽により冷却することを特徴とする。
本発明による複合橋脚構造物におけるコンクリートの冷却方法によれば、各鋼管の内壁面を伝わって流下した冷却水は、回収槽に回収されて冷却槽に導かれ、冷却槽で冷却されて再び各鋼管の上部内壁面に拡散状態で散水されることになる。
さらに、本発明の請求項3に係る複合橋脚構造物におけるコンクリートの冷却方法は、請求項1又は2に記載の複合橋脚構造物におけるコンクリートの冷却方法であって、前記散水管は上下方向に移動可能に構成され、コンクリートの打設高さに応じて前記散水管を上下方向に移動させることを特徴とする。
本発明による複合橋脚構造物におけるコンクリートの冷却方法によれば、コンクリートの打設高さに応じて順次散水管を移動させることにより、冷却効率を高めることができる。
さらに、本発明の請求項4に係る複合橋脚構造物におけるコンクリートの冷却装置は、冷却水を鋼管頂部まで揚水するポンプと、揚水された冷却水を複数の鋼管上部に分岐する複数の分岐管と、各分岐管に接続され、鋼管内壁に向けて拡散状態で散水する散水管と、各鋼管底部に配管接続されて、底部に流下した冷却水を外部に放出する水抜き管と、水抜き管の下流に接続された回収槽と、前記揚水ポンプと前記回収槽との間に介在される冷却槽とを備え、前記回収槽に回収された水を前記冷却槽を介して前記ポンプを通じて冷却水として循環使用することを特徴とする。
本発明による複合橋脚構造物におけるコンクリートの冷却装置によれば、ポンプによって複数の鋼管の上部に冷却水が揚水され、揚水された冷却水は分岐管を介して各鋼管の上部に導かれ、散水管を介して各鋼管の上部内壁面に拡散状態で散水され、各鋼管の内壁面を伝わって水壁となって流下し、各鋼管の外側に打設されるコンクリートを冷却する。各鋼管の底部に溜った冷却水は、水抜き管を介して回収槽に回収され、回収槽から冷却槽に導かれて冷却され、ポンプによって再び各鋼管の上部内壁面に導かれ、散水管を介して各鋼管の上部内壁面に拡散状態で散水され、このようなことが繰り返し行われることにより、各鋼管の外側のコンクリートが冷却されることになる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係る冷却装置の全体構成を示す。図において、1は地盤上に立設された複数の中空鋼管、2は中空鋼管1の周囲に打設されるコンクリートであり、スライドフォーム工法、ジャンピングフォーム工法などにより、下部から順に鋼管1の頂部に至るまで連続的に打設されることで、各鋼管1と一体化された高橋脚が構築される。
【0009】
冷却装置は、地表部に設置された回収槽、すなわち水槽3と、水槽3に接続した冷却槽4と、冷却槽4の水を鋼管1の上部まで揚水管5を通じて揚水するポンプ6と、揚水管5の頂部に分岐接続され、各鋼管1の上部に冷却水を分配する複数の分岐管7と、各分岐管7の先端部に接続され、噴出面を鋼管1の内壁面に向けた複数の散水管、すなわちノズルガン8とを備えている。
【0010】
一方、各鋼管1の底部にはコンクリートが充填され、底部を水密に蓋し、その上部側で水抜き管9を通じて互いに連通しているとともに、その一つは水槽3側に導入され、熱交換を終えて底部に貯められた水は全量水槽3に回収される。なお、冷却槽4としては、例えばクーリングタワーなどの水冷却設備が好ましい。また、揚水用ポンプ6としては、高圧水を高所に揚程するために用いられる高圧ポンプなどが好ましい。
【0011】
以上の構成では、ポンプ6により揚水された冷却水は、各鋼管1の内壁面に向けて拡散状にジェット噴射され、その後は内壁面に付着するとともに、内壁面を伝って水壁となって流下する。底部に貯められた水は水抜き管9を通じて再び水槽3側に供給され、冷却槽4を通じて冷却された後、再び冷却水として循環使用される。
【0012】
以上の冷却形式において、鋼管1は熱交換のための伝熱面として機能するのでその面に連続して接しつつ流下する水壁は、鋼管1の面から連続的に熱を奪い、これの外側のコンクリート2を冷却する。
【0013】
従来の満水型の冷却形式であると、冷却水が管内に滞留したままであるため、コンクリートの昇温に伴い昇温するため冷却効率が低いが、この冷却形式であると、連続的に冷却水が熱交換を行いつつ順次新たな冷却水を供給するため、高い冷却効率となる。
【0014】
なお、ノズルガン8の位置は最上部に固定するのでなく、コンクリート打設高さに応じて順次上方に移動させる構成とすることで、さらに冷却効率を向上させることができる。
【0015】
【発明の効果】
以上の説明により明らかなように、本発明による複合橋脚構造物におけるコンクリートの冷却方法及び複合橋脚構造物におけるコンクリートの冷却装置によれば、少ない冷却水量で効率よくコンクリートを冷却でき、また循環使用できるため、例えば山間地など水資源の乏しい場所でのコンクリートの冷却養生のための冷却方法及び冷却装置として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る複合橋脚構造物におけるコンクリートの冷却方法及び複合橋脚構造物におけるコンクリートの冷却装置の一実施の形態の全体を示した説明図である。
Claims (4)
- 複数の鋼管の周囲にコンクリートを打設することにより構築される複合橋脚構造物におけるコンクリートの冷却方法であって、
冷却水が貯留される回収槽と、該回収槽内の冷却水を前記複数の鋼管の頂部に揚水するポンプと、該ポンプにより前記複数の鋼管の頂部に揚水された冷却水を前記各鋼管の上部に分岐させる複数の分岐管と、各分岐管に接続されるとともに、各鋼管の上部内壁面に冷却水を拡散状態で散水させる散水管と、前記各鋼管の底部と前記回収槽との間を連結する水抜き管とを備えた冷却装置を用い、
該冷却装置の作動により、前記各鋼管の上部内壁面に冷却水を拡散状態で散水させて、各鋼管の内壁面を伝わらせて水壁となって流下させ、各鋼管の底部から前記水抜き管を介して前記回収槽に回収し、回収槽に回収した冷却水を再び前記各鋼管の上部内壁面に拡散状態に散水させ、各鋼管の内壁面を伝わらせて水壁となって流下させることを繰り返すことを特徴とする複合橋脚構造物におけるコンクリートの冷却方法。 - 前記回収槽と前記ポンプとの間に冷却槽を介在させ、前記回収槽に回収した冷却水を前記冷却槽により冷却することを特徴とする請求項1に記載の複合橋脚構造物におけるコンクリートの冷却方法。
- 前記散水管は上下方向に移動可能に構成され、コンクリートの打設高さに応じて前記散水管を上下方向に移動させることを特徴とする請求項1又は2に記載の複合橋脚構造物におけるコンクリートの冷却方法。
- 冷却水を鋼管頂部まで揚水するポンプと、揚水された冷却水を複数の鋼管上部に分岐する複数の分岐管と、各分岐管に接続され、鋼管内壁に向けて拡散状態で散水する散水管と、各鋼管底部に配管接続されて、底部に流下した冷却水を外部に放出する水抜き管と、水抜き管の下流に接続された回収槽と、前記揚水ポンプと前記回収槽との間に介在される冷却槽とを備え、前記回収槽に回収された水を前記冷却槽を介して前記ポンプを通じて冷却水として循環使用することを特徴とする複合橋脚構造物におけるコンクリートの冷却装置。
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