JP3752978B2 - 巻線機器および巻線機器を用いた高電圧パルス発生回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁心に巻線が巻かれ、絶縁性の冷煤中で使用されるトランス、リアクトル等の巻線機器に関し、さらに詳細には、このような巻線機器の絶縁緩和部材(コロナリングという)の形状に関する。
本発明は、放電励起型レーザ装置、放電により化合物を分解したり、殺菌を行う装置等に用いられる高電圧パルス発生用の磁気パルス圧縮回路の可飽和リアクトルや昇圧トランス等に適用することができる。
【0002】
【従来の技術】
放電励起型レーザ装置、パルスコロナ放電を行いダイオキシン等の化合物を分解する装置、放電により食品等の殺菌を行う殺菌装置等においては、放電セル(チェンバー)内に放電電極を設け、放電電極に高電圧パルスを印加して放電を発生させている。上記高電圧を発生させる回路として、一般に磁気圧縮回路もしくは磁気圧縮回路と昇圧トランス回路を用いた高電圧パルス発生回路が知られている。
例えば、エキシマレーザ、フッ素レーザ等の放電励起型レーザは、放電電極間において短時間に放電を繰返しパルスレーザを発振する。
放電電極には短時間に高電圧を供給する必要があり、高電圧パルス発生回路が設けられる。放電励起型レーザ装置に用いる高電圧パルス発生回路として、通常、上記磁気パルス圧縮回路が用いられる。
【0003】
図13に、放電励起型レーザ装置等に設けられる、一般的な高電圧パルス発生回路の構成を示す。図13(a)の構成は、可飽和リアクトルからなる磁気スイッチSR2、SR3を用いた2段の磁気パルス圧縮回路を含む例であり、図中点線で囲まれた部分が2段の磁気パルス圧縮回路である。また、図13(b)は、上記磁気圧縮回路に加え、昇圧トランスを含む例であり、図13(a)のリアクトルL1に代えて、昇圧トランスTrが設けられている。
以下、図13(a)に示す高電圧パルス発生回路の動作を以下に説明する。なお、図13(b)の動作は昇圧トランスTrにより昇圧される点を除き、動作は図13(a)のものと同じなので説明を省略する。
(1) 高圧電源(充電器)から、電荷がコンデンサC0に、インダクタンスL1を介してチャージされる。
(2) スイッチSWは、半導体スイッチであり、例えばIGBTが使用される。半導体スイッチSWが閉じられてオンとなると、主コンデンサC0、磁気スイッチSR1、固体スイッチSW、コンデンサC1のループに電流が流れ、コンデンサC0の電荷がコンデンサC1に移行する。
【0004】
(3) その際、チャージ後のコンデンサC0には20〜30kVの高電圧が印可されているので、スイッチオン時には半導体スイッチSWにも同様の電圧がかかる。半導体スイッチSWのモジュールの定格電圧は、通常、数kVであるため、半導体スイッチSWのモジュールを複数直列に接続してスイッチ回路を構成する。
(4) コンデンサC1の電圧の時間積分値が磁気スイッチSR2の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチSR2が飽和して、コンデンサC1、コンデンサC2、磁気スイッチSR2のループに電流が流れ、コンデンサC1の電荷がコンデンサC2に移行する。この時、電流のパルス幅が圧縮される。パルス幅の圧縮比率は、磁気スイッチSR2のコアに巻かれる配線のターン数に依存する。このような回路は磁気パルス圧縮回路と呼ばれる。
(5) この後、コンデンサC2における電圧V2の時間積分値が磁気スイッチSR3の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチSR3が飽和して、コンデンサC2、ピーキングコンデンサCP、磁気スイッチSR3のループに電流が流れ、コンデンサC2の電荷がピーキングコンデンサCPに移行し、ピーキングコンデンサCPが充電される。この時、電流のパルス幅が圧縮される。パルス幅の圧縮比率は、磁気スイッチSR3のコアに巻かれる配線のターン数に依存する。
【0005】
(6) 充電が進むにつれてピーキングコンデンサCPの電圧VPが上昇し、この電圧VPがある値Vbに達すると、放電電極E間のレーザガスが絶縁破壊されて主放電が開始し、この主放電によりレーザ媒質が励起され、レーザ光が発生する。なお、主放電が発生する前に、不図示の予備電離手段により電極E間のレーザ媒質であるレーザガスが予備電離される。
(7) この後、主放電によりピーキングコンデンサCPの電圧が急速に低下し、やがて充電開始前の状態に戻る。
(8) このような放電動作が半導体スイッチSWのスイッチング動作によって繰り返し行なわれることにより、所定の繰り返し周波数でのパルスレーザ発振が行なわれる。
(9) ここで、磁気スイッチおよびコンデンサとで構成される各段の容量移行回路のインダクタンスを後段に行くにつれ小さくなるように設定することにより、格段を流れる電流パルスのピーク値が順次高くなり、かつ、そのパルス幅が順次狭くなるようなパルス圧縮動作が行なわれ、電極E間に短パルスの強い放電が実現される。よって、放電電極間でグロー放電が安定に維持されて、レーザ発光の安定性が増大し、また、レーザの発振効率も向上する。
【0006】
近年、露光用光源として使用されるエキシマレーザは、スループット増大のため、放電の数kHzでの高繰り返しが要請され始めている。そのためには、スイッチSWのスイッチング動作の高繰り返しで行なう必要がある。また、磁気パルス圧縮でパルス幅を小さくすることによって、放電電圧の立ち上がりが早くなり、高繰り返しが可能になると考えられている。
図14に、磁気スイッチ(即ち可飽和リアクトル)SR1〜SR3、昇圧トランスTrの回路接続を模式的に示す。
可飽和リアクトルSR1〜SR3は、図14(a)に示すように接地された磁心(以下、コアという)1に巻線2が巻かれており、巻線2に高電圧が印可される。また、昇圧トランスTrは、図14(b)に示すように接地されたコア1に一次巻線3、二次巻線4が巻かれており、一次巻線3に高電圧が印加されると二次巻線4に高電圧が発生する。
【0007】
図15(a)は、可飽和リアクトル(以下リアクトルという)の、コア1に巻線2が巻かれた様子を示す斜視図である。コア1は磁性合金薄帯1bが巻芯1aに年輪状に巻回されたものであり、同図では、円環状に形成されたコアを示しているが、レーストラック状(長円形状)に形成される場合もある。
巻線2と巻線2との間、巻線2とコア1との間は絶縁しておく必要がある。また、高電圧が印可されるリアクトルは、絶縁と冷却のため、絶縁オイル中に浸される。そのため、図15(b)に示すように芯線2aに親油性の良いクレープ紙2bが絶縁被覆として巻かれる。昇圧トランスTrも、コアに一次巻線および二次巻線が巻かれている点を除き同様な構造であり、以下では主としてリアクトルの場合について説明する。
【0008】
図16(a)は上記リアクトルの断面構造を概念的に示す図である。同図に示すように断面が略矩形状のコア1に巻かれた巻線2に電圧が印可されると、コア1の角部で電界集中が発生する。
この電界集中により、図16(b)に示すように該角部と巻線2の絶縁被覆との間でコロナ放電が発生する場合がある。コロナ放電が発生すると、絶縁被覆が徐々に損傷し、やがて短絡が生じる。
【0009】
上記コロナ放電を防止するため、コア1の角部と巻線2との間には、通常、電界緩和部材(以下ではコロナリングという)が設けられる。図17に、リアクトルのコア1に取りつけられる、従来のコロナリング5の取付け構造を断面図として示す。
コロナリング5の材質は、例えばステンレスであり、コア1の四隅の角部に、全周にわたって設けられる。断面形状は、図示したように、角の形状に合わせたL字形であるが、表面に鋭利な角があると電界が集中し、コロナ放電が発生するので、全体がなめらかな曲線になるよう構成し、電界を緩和する。
図17において、巻線2に電圧が印可された時、コア1の上面Aと下面A’の図中左右方向に電位差が生じる。すなわち、コア1は、表面にシリカ等の絶縁被覆が施された磁性合金薄帯を巻芯に年輪状に巻回したものであり、上記薄帯の巻径方向は、巻径方向に直交する面に比べ電気抵抗が大きい。このため、巻線2に電圧が印加されたとき、上記薄帯の巻径方向に平行なコアの上面Aと下面A’には巻径方向に電位差が生ずる。一方、上記巻き径方向に直交する左右の面Bは、略同電位に保たれる。
【0010】
このため、コア1の上面Aと下面A’に、導電性のコロナリング5が直接接触すると、上記電位差によりコロナリングに電流が流れて、これにより磁束が打ち消されコア1の実効断面積が小さくなる。
そこで、コア1とコロナリング5との絶縁を取るために、コア1の上面Aと下面A’側には、コア1とコロナリング5との間にプレスボード6を挟みこむ。プレスボードとは、親油性の紙を多層に重ねてプレスしたものであり、一般に、絶縁オイル中での絶縁材料として用いられる。厚さは、例えば0.75mmである。
さらに、コロナリング5の上に、コロナリング5を囲むように、厚いプレスボード7が設けられ、その上からクレープ紙を巻いた巻線2が巻かれる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、リアクトルや昇圧トランス等の巻線機器は電力の損失にともないコアが発熱する。発熱量は、損失が大きいほど高い。コアの温度上昇は、巻線の巻き数、巻線に流れる電流(電圧)のパルス幅、繰り返し周波数に依存するが、一般に、これらの数値が大きくなるほど大きくなる。
例えば、上記した、放電型ガスレーザ装置の、磁気パルス圧縮回路の磁気スイッチにおいては、前記したように、高繰り返し化が要求されていること、小型化のために、複数のリアクトルを積み重ねるなど、狭い範囲に配置しなければならないこと、などの理由により、コアが高温になりやすい条件下で使用する。そのような場合、例えば2kHzの繰り返し周波数で使用していると、絶縁オイル中で冷却していても、使用中のコア角部の温度は160℃に達する場合がある。
【0012】
図17に示した従来例の構造では、コア1とプレスボード6とコロナリング5とが密着している。したがって、リアクトルが浸されている冷却冷媒(絶縁オイル)が、それらの間にとどかず、コア1の角部を十分に冷却することができない。特に、コア1は、表面にシリカ等の絶縁被覆が施された磁性合金薄帯を巻芯に年輪状に巻回したものであるため、上記薄板の巻径方向は熱伝導が悪い。このため、プレスボード6が上下面に設けられたコア部分は他の部分に比べ温度が上昇する。この加熱により、特にコロナリング5とコア1に挟まれたプレスボード6の寿命が激減する。プレスボード6は120℃で20〜30年の寿命があるが、6.5℃上昇する毎に、その寿命は1/2となると言われている。
したがって、160℃においては、寿命は約3〜6ヶ月となり、頻繁に分解して交換が必要となる。また、コア1からの熱伝導により、コロナリング5が加熱され、コロナリング5を囲むプレスボード7も加熱される。したがって、コロナリング5の上に設けたプレスボード7も短寿命になる。
以上のように、高圧パルス発生回路において使用される従来のリアクトル、昇圧トランス等の巻線機器は、加熱によりプレスボードが劣化し短寿命化するといった問題があった。
【0013】
本発明は上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、磁性合金薄帯が巻芯に巻回されてなる磁心と、この磁心に巻線が巻かれ、絶縁性の冷媒中で使用される巻線機器において、磁心の角部に設けられた電界緩和部材周辺の磁心の冷却を効率良く行えるようにし、巻線機器を長寿命化することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を本発明においては、次のようにして解決する。
(1)磁性合金薄帯が巻芯に巻回されてなる磁心と、この磁心に巻線が巻かれ、絶縁性の冷媒中で使用される巻線機器において、上記磁心と巻線との間に、磁心の角部で発生する電界集中を緩和する電界緩和部材を設け、少なくとも上記磁性合金薄帯の巻径方向に平行な磁心の上面および下面と上記電界緩和部材との間に、上記冷媒が介在するように間隙を設ける。
これにより、磁心と電界緩和部材との間のプレスボードが不要となり、プレスボードの劣化による巻線機器の短寿命化を防止することができる。
また、磁心と電界緩和部材とを線接触としたり、電界緩和部材と磁心が接触しないように構成することにより、コアが加熱しても熱伝導による電界緩和部材の温度上昇を抑えることができ、電界緩和部材と巻線の間に設けられたプレスボードの温度上昇を抑えることができる。このため、上記プレスボードの短寿命化を防止することができ、上記プレスボードの劣化による巻線機器の短寿命化を防止することができる。
(2)磁気圧縮回路もしくは磁気圧縮回路及び昇圧トランス回路を含む高電圧パルス発生回路において、磁気圧縮回路に設けられた可飽和リアクトルもしくは昇圧トランスに、上記(1)の構造を持つ巻線機器を用いる。
(3)磁気圧縮回路もしくは磁気圧縮回路及び昇圧トランス回路を含む高電圧パルス発生回路の出力端に接続され、レーザチェンバ内に配置された一対のレーザ放電電極と、該電極と並列に接続されたピーキングコンデンサとを有する放電励起ガスレーザ装置において、上記磁気圧縮回路に設けられた可飽和リアクトルもしくは上記昇圧トランス回路の昇圧トランスとして、上記(1)の構造を持つ巻線機器を用いる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1の実施例を示す図であり、図1(a)は、コアとコロナリングとの関係を示す斜視図であり、同図では見やすいように、コアの半円部分のみを示しており、その他、巻線、コロナリングを囲むプレスボード(前記図17のプレスボード7は省略されている。また、図1(b)は、本実施例のコアの断面図を示している。
本実施例においては、図1に示すように、コロナリング5a〜5dをコア1の四隅に全周にわたって設け、該コロナリング5a〜5dの断面形状を円弧状にし、コア1の角部との接触を、コア1の角の頂部のみで線接触させる。
そして、図1(b)に示すように、コロナリング5a〜5dを囲うようにプレスボード7を設けて、その上に巻線2を巻き、全体を前記したように絶縁オイル中に浸す。
【0016】
本実施例は上記構成としたので、コロナリング5a〜5dは、コア1の角の頂部以外では接触せず、コア1とコロナリング5a〜5dとの間に、絶縁のためのプレスボード(前記図17に示したプレスボード6)を設ける必要はない。したがって、前記したコア1とコロナリング5a〜5dとの間のプレスボード6の寿命の問題がなくなる。
また、図1(c)に示すように、コロナリング5a〜5dとコア1との間には、絶縁オイルが介在することになり、コア1の角部とコロナリング5a〜5dとを十分に冷却することができる。さらに、コア1とコロナリング5a〜5dとは線接触であるので、コア1の温度がコロナリング5a〜5dに伝わりにくい。
このため、コロナリング5a〜5dの加熱を防ぐことができ、コロナリング5a〜5dを囲って設けたプレスボード7a〜7dの温度を低くすることができ、プレスボードの長寿命化を図ることができる。
【0017】
なお、上記実施例では、コロナリング5a〜5dとコア1とを線接触させる場合について示したが、図2に示すように、コロナリング5a〜5dとコア1の上面、下面との間に間隙を設け、コア1の側面をコロナリングと面接触させるように構成してもよい。このような構成であっても、プレスボード6が不要となり、プレスボード5の加熱による短寿命化を防止することができる。また、コア1の側面は比較的熱伝導がよいので、コロナリング5a〜5dが面接触していても、コア1の加熱を防止することが可能である。
また、上記実施例では、円環状のコアについて説明したが、後述するレーストラック形状のコアに本実施例を適用してもよい。
【0018】
ところで、磁性合金薄帯を巻芯に年輪状に巻回したコアにおいては、コアの内径は巻芯の大きさを選定することにより所望の内径とすることができるが、コアの外径は、薄帯を巻回したものであるため必ずしも所望の外径とはならず、コアによってばらつきが生ずる。
このようにコア1の外径にばらつきがあると、コロナリング5a,5bの径が一定の場合、図3に示すようにコア1の大きさによって、コロナリング5a,5bとコア1の相対位置関係が変わり、所望の絶縁性能が確保できなかったり、コア1とコロナリング5a,5bの間に適切な間隙が形成されない場合が生ずる。
【0019】
このような問題に対処するには、コアの外側に取り付けられるコロナリング5a,5bの内径を、コアの外径のばらつきを考慮して大きめに製作し、図1に示すようにコア1とコロナリング5a,5bを線接触させず、図4(a)(b)に示すように、コロナリング5a,5bとコア1の角部を非接触とし、コロナリング5a,5bを支持部材により支持するように構成すればよい。
図4(a)はコア1に取り付けたボス11に押さえ部材12を取付け、押さえ部材12によりコロナリング5a,5bをコア1側に押し付けて固定するように構成した場合を示し、また、図4(b)は上側のコロナリング5aと下側のコロナリングをアーム13で連結し、アーム13をコア1に取り付けたボス11に固定するように構成した場合を示す。図4(b)は後述するように2分割型のコロナリングの支持に適用される。なお、図4では、プレスボード7、巻線2等は省略されている。
このような構造とすれば、コア1からコロナリング5a,5bの熱伝導を無くすことができ、一層、コロナリングの温度上昇を防ぐことができる。
【0020】
次に、図4に示したコロナリングの取付け構造の具体的構成例について説明する。
図5、図6、図7は、本発明の第2の実施例を示す図であり、本実施例は、円環状のコアに、分割されていない円環状のコロナリングを取り付ける場合の構成例を示し、同図では巻線は省略されている。
図5、図6、図7において、図5は本実施例のコアを上から見た図、図6(a)は図5をA方向から見た図、図6(b)は図5のB−B断面図、図7(a)は図6(a)のC部分の拡大図、図7(b)は図7(a)のD−D断面図である。
【0021】
図5、図6、図7において、1はコアであり、コア1は前記したように磁性合金薄帯を円環形状の巻芯に年輪状に巻回したコアであり、コア1の周囲の4か所にはコロナリングを固定するためのボス11が取り付けられている。
5a〜5dはコロナリング、7a〜7dはプレスボードであり、5a,5bはコア1の外側に取り付けられるコロナリング、5c,5dはコア1の内側に取り付けられるコロナリングであり、コロナリング5c,5dは前記図1、図4に示したように、コア1の巻芯1aと線接触しており、プレスボード7c,7dがコロナリング5c,5dを囲むように取り付けられる。
また、コロナリング5a,5bは、コア1とは接触しておらず、ボス11にねじ等で固定される押さえ部材12によりボス11側に押し付けられて固定されている。コロナリング5a,5bには、それを囲むようにプレスボード7a,7bが取り付けられる。
ボス11はコア1の周囲の4か所に取付けられ、ボス11に対応する部分のプレスボード7a,7bには、図7(a)に示すように切り欠き71が設けられている。また、ボス11に対応する部分のコロナリング5a,5bには、ボス11側に延びる突起部51が設けられている。また、図7(b)に示すようにボス11にはねじ穴11aが設けられている。
【0022】
上記コロナリング5a,5bを取り付けるには、コロナリング5a、5bをコア1に装着し、図7(b)に示すように、コの字形の押さえ部材12の両端部分がコロナリング5a,5bの突起部51に当接するように、押さえ部材12をねじ12aでボス11に取り付ける。そして、コア1の周囲の4か所のボスに取り付けられる押さえ部材12の締め付け量を調節して、コア1とコロナリング5a,5bの間隙が所定の値になるようにする。
以上のようにしてコロナリング5a〜5dを取付け、それらを囲むようにプレスボード7a〜7dを取り付けたら、上記ボス11の部分を避けて、プレスボード7a〜7dの上に巻線を巻く。
【0023】
図8は、本発明の第3の実施例を示し、本実施例は上記第2の実施例をレーストラック形状(長円形状)のコアに適用した場合を示しており、同図はコアを上から見た図〔図5に対応〕を示し、同図では図5、図6、図7と同様、巻線は省略されている。
図8において、1はコアであり、コア1は前記したように磁性合金薄帯をレーストラック形状の巻芯に年輪状に巻回したものであり、コア1の周囲の4か所にはコロナリングを固定するためのボス11が取り付けられている。また、5a,5cはコロナリング、7a,7cはプレスボードであり、コロナリング5cは前記図1、図4に示したように、コア1の巻芯1aと線接触しており、プレスボード7cがコロナリング5cを囲むように取り付けられる(図には示されていないが、紙面裏側のコロナリング5d、プレスボード7dも同様である)。
また、コロナリング5aは、図5、図8と同様、コア1とは接触しておらず、ボス11にねじ等で固定される押さえ部材12によりボス11側に押し付けられて固定されている。コロナリング5aには、それを囲むようにプレスボード7aが取り付けられる(図には示されていないが、紙面裏側のコロナリング5b、プレスボード7bも同様である)。
図8において、押さえ部材12によるコロナリング5aの取付け構造は、図5、図7に示したものと同じであり、図8におけるE−E断面図は、前記図6(b)と同じである。
【0024】
図9、図10、図11は、本発明の第4に実施例を示し、本実施例は円環状のコアに、2分割された円環状のコロナリングを取り付ける場合の構成例を示し、同図では巻線は省略されている。
図9、図10、図11において、図9は本実施例のコアを上から見た図、図10(a)は図9をF方向から見た図、図10(b)は図9(a)のG−G断面図、図11(a)は図10(a)のH部分の拡大図である。図11(b)は図11(a)のI−I断面図を示し、上側の図はコロナリングを連結するアームをボスに固定する前の状態を示し、下側の図は、上記アームをボスに固定した状態を示している。
図9、図10、図11において、1はコアであり、コア1は前記したように磁性合金薄帯を円環形状の巻芯に年輪状に巻回したコアであり、コア1の周囲の4か所にはコロナリングを固定するためのボス11が取り付けられている。
5c,5dはコア1の内側に取り付けられるコロナリングであり、コロナリング5c,5dは前記図1、図4に示したように、コア1の巻芯1aと線接触しており、プレスボード7c,7dがコロナリング5c,5dを囲むように取り付けられる。
また、コアの外側に取り付けられるコロナリングは2分割されており、コア1の上側に取り付けられるコロナリング5a1、5a2と、コア1の下側に取り付けられるコロナリング5b1,5b2から構成される。一方、プレスボードは分割されておらず、コア1の上側に取り付けられるプレスボード7aとコア1の下側に取り付けられるプレスボード7bから構成される。
【0025】
コロナリング5a1と5b1はアーム13aにより連結されており、また、コロナリング5a2と5b2はアーム13bにより連結されている。これらのコロナリング5a1〜5b2は、コア1とは接触しておらず、上記アーム13a,13bが、取付け部材14によりボス11に固定されることにより支持される。
コロナリング5a1,5a2、5b1,5b2には、それを囲むようにプレスボード7a,7bが取り付けられる。
ボス11はコア1の周囲の4か所に取付けられ、ボス11に対応する部分のプレスボード7a,7bには、図11(a)に示すように切り欠き71が設けられている。また、図11(a)(b)に示すようにボス11に対応する部分のアーム13a,13bには、貫通穴13cが設けられ、ボス11には穴11bが設けられている。
【0026】
上記コロナリング5a1〜5b2をコア1に取り付けるには、アーム13aにより連結されたコロナリング5a1、5b1、アーム13bにより連結されたコロナリング5a2、5b2をコア1に装着し、図11(b)に示すように、取付け部材14を、アーム13a,13bに設けられた貫通穴13cを貫通させてボス11に設けられた穴11bに挿入する。そして、取付け部材14をピン14a等でボス11に固定する。これにより、コア1にコロナリング5a1〜5b2が取り付けられる。
以上のようにしてコロナリング5a1〜5b2、5c、5dをコア1に取付け、それらを囲むようにプレスボード7a〜7dを取り付けたのち、上記ボス11の部分を避けて、プレスボード7a,7b,7c,7dの上に巻線を巻く。
【0027】
図12は、本発明の第5の実施例を示し、本実施例は上記第4の実施例をレーストラック形状(長円形状)のコアに適用した場合を示しており、同図はコアを上から見た図〔図9に対応〕を示し、巻線は省略されている。
図12において、1はコアであり、コア1は前記したように磁性合金薄帯をレーストラック形状の巻芯に年輪状に巻回したものであり、コア1の周囲の4か所にはコロナリングを固定するためのボス11が取り付けられている。
5cはコア1の内側に取り付けられるコロナリングであり、コロナリング5cは前記図1、図4に示したように、コア1の巻芯1aと線接触しており、プレスボード7cがコロナリング5cを囲むように取り付けられる(図には示されていないが、紙面裏側のコロナリング5d、プレスボード7dも同様である)。
【0028】
また、コアの外側に取り付けられるコロナリングは2分割されており、コア1の上側に取り付けられるコロナリング5a1、5a2と、コア1の下側に取り付けられるコロナリング5b1,5b2(図には示されていない)から構成される。プレスボードは分割されておらず、コア1の上側に取り付けられるプレスボード7aとコア1の下側に取り付けられるプレスボード7b(図には示されていない)から構成される。
コロナリング5a1と5b1は、アーム13aにより連結されており、また、コロナリング5a2と5b2はアーム13bにより連結されている。これらのコロナリング5a1〜5b2は、コア1とは接触しておらず、第4の実施例と同様上記アーム13a,13bが、取付け部材14によりボス11に固定されることにより支持される。
コロナリング5a1,5a2、5b1,5b2には、それを囲むように取付けられたプレスボード7a,7bが取り付けられる。
図12において、取付け部材14によるコロナリング5a1、5b1、5b1、5b2の取付け構造は、図9、図10、図11に示したものと同じであり、図12におけるJ−J断面図は、前記図10(b)と同じである。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、以下の効果を得ることができる。
(1)コアと電界緩和部材(コロナリング)を線接触としたり、コアと電界緩和部材(コロナリング)との間に間隙を設けることにより、コアと電界緩和部材(コロナリング)間のプレスボードを省略することができる。このため、コアと電界緩和部材(コロナリング)との間プレスボードを設ける必要がなくなり、該プレスボードの劣化による巻線機器の短寿命化を防止することができる。
(2)コアとコロナリングとの間に間隙を設けることにより、コアとコロナリングとの間に冷媒を介在させることができ、コロナリングの加熱を抑制できる。このため、コアを囲むプレスボードの熱伝導による加熱を抑制でき、コロナリング上に設けるプレスボードの短寿命化を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す図である。
【図2】第1の実施例の変形例を示す図である。
【図3】コア1の外径にばらつきがある場合のコロナリングとコアの相対位置関係を説明する図である。
【図4】コロナリングとコアを非接触に構成した場合のコロナリングの取付けを説明する図である。
【図5】本発明の第2の実施例を示す図(1)である。
【図6】本発明の第2の実施例を示す図(2)である。
【図7】図6の部分拡大図である。
【図8】本発明の第3の実施例を示す図である。
【図9】本発明の第4の実施例を示す図(1)である。
【図10】本発明の第4の実施例を示す図(2)である。
【図11】図10の部分拡大図である。
【図12】本発明の第5の実施例を示す図である。
【図13】一般的な高電圧パルス発生回路の構成を示す図である。
【図14】磁気スイッチ、昇圧トランスの回路接続を模式的に示す図である。
【図15】可飽和リアクトルのコアに巻線が巻かれた様子を示す斜視図である。
【図16】可飽和リアクトルの断面構造を概念的に示す図である。
【図17】従来のコロナリングの取付け構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 コア(磁心)
1a 巻芯
2 巻線
5,5a〜5d コロナリング
6 プレスボード
7,7a〜7d プレスボード
11 ボス
12 押さえ部材
13a,13b アーム
14 取付け部材14
Claims (3)
- 磁性合金薄帯が巻芯に巻回されてなる磁心と、この磁心に巻線が巻かれ、絶縁性の冷媒中で使用される巻線機器において、
上記磁心と巻線との間に、磁心の角部で発生する電界集中を緩和する電界緩和部材が設けられ、
少なくとも上記磁性合金薄帯の巻径方向に平行な磁心の上面および下面と上記電界緩和部材との間に、上記冷媒が介在するように間隙が設けられている
ことを特徴とする巻線機器。 - 磁気圧縮回路もしくは磁気圧縮回路及び昇圧トランス回路を含む高電圧パルス発生回路であって、
上記磁気圧縮回路に設けられた可飽和リアクトルもしくは上記昇圧トランス回路の昇圧トランスとして、上記請求項1の構造を有する巻線機器を用いた
ことを特徴とする高電圧パルス発生回路。 - 磁気圧縮回路もしくは磁気圧縮回路及び昇圧トランス回路を含む高電圧パルス発生回路の出力端に接続され、レーザチェンバ内に配置された一対のレーザ放電電極と、
上記電極と並列に接続されたピーキングコンデンサとを有する放電励起ガスレーザ装置において、
上記磁気圧縮回路に設けられた可飽和リアクトルもしくは上記昇圧トランス回路の昇圧トランスとして、上記請求項1の構造を有する巻線機器を用いた
ことを特徴とする放電励起ガスレーザ装置。
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