JP3754545B2 - 紙搬送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置に用いられる紙葉類搬送装置に関し、特に電子写真プロセス、軽印刷プロセス、インクジェットプロセス等の画像形成が行われる画像形成装置の紙葉類搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より紙を搬送する装置では搬送される紙に含まれる水分を測定することが強く望まれている。このように紙に含まれる水分を測定する必要性は、同一の条件で作製した紙であっても、その含有水分量により、紙の強度、表面摩擦力、接着力、電気的性質、乾燥のし易さ等の条件が変化するためであり、例えば、電子写真プロセス等の画像形成処理を実行する複写機やファクシミリ装置においては画像の品質を左右する要素となるためである。
したがって、紙の含有水分量を予め知ることができれば、紙の搬送や画像処理プロセスにおいて経験的に求めた搬送条件や画像処理条件を適用し、水分の変化による紙搬送トラブルや画像処理プロセスの品質劣化、或いは変動を最低限にすることが可能である。
画像処理を行い、紙に画像データを転写する装置においては、例えば特開平1−145680号公報や特開平6−227113号公報に開示されたように、超音波による水の蒸発を利用して紙を加湿し、その含有水分量を制御するものが従来より知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術においては紙の水分を増加せしめるため、紙のコシが弱くなり、ジャムしやすくなると共に、電子写真複写装置では転写紙の水分を増加させると、転写プロセスにおいてチャージ電位のムラに対し敏感になり、トナーの濃淡が生じやすくなるという問題点があった。またインクジェット装置においては、インクの乾燥が難しくなり、且つ滲みも生じやすいという問題点があった。
一方、単に紙の水分を測定する方法としては、特開昭52−128196号公報に記載されたものをはじめ、従来より数多くの方法が提案されており、例えば赤外線等の光の反射、吸収率から紙の含有水分量を測定するものや、可視光を利用したり、若しくは透過光と反射光との比を利用したものがある。これらの多くは水分子の赤外可視吸収反射の原理を利用して紙に含まれる水分を測定するものであり、したがって、これらの原理を用いた紙の含有水分量測定装置を紙搬送装置に利用する場合、赤外域に放射スペクトルを有する半導体レーザ等の光源や、検出器、レンズ、ミラー等の光学部品が必要となり、装置全体の部品点数が増大してしまうという問題点が存在すると共に、水分子の赤外域光の吸収は紙の種類によって大きく変動するため、定量的測定が困難であって、紙の種類に応じて変動する含有水分の検出値のバラツキを補償し、若しくは画像形成プロセスとバラツキとの相関を定めて高品位な画像を得ることが困難である。
更に、特開昭54−59410号公報には紙に加熱したときの温度変化から紙の含有水分量を測定する方法が開示されているが、この方法では紙が熱履歴を受けるという点で破壊的測定であり、精度が落ち実用的ではない。
また、精度の高い紙の含有水分量測定方法としては個体カールフィシャ法がある。しかし、この測定方法では測定装置の小型化や、紙搬送装置との一体化が困難であるばかりか、メンテナンス頻度が高く、測定時間も少なくとも加熱工程を含むと5分程度は必要となり、複写装置等に用いる紙搬送装置に利用することは困難である。
【0004】
上記のような紙の含有水分量測定方法自体の問題点或いは紙搬送装置に組み込む場合の問題点があるため、従来、紙搬送装置においては紙付近の温度、湿度を測定することにより、平衡状態にある紙の含有水分量を経験的に計算し、紙搬送や画像処理プロセスのパラメータの一つとして用いている場合もあるが、紙の種類によって水分量の変動が大きく、これを補正することは困難であると共に、紙の保存フィルムの封を切った直後の紙は直ちに平衡状態にはならず、水分含有量の計算値が現実と大きく異なってしまい、紙の含有水分量の測定に意味がない。
以上のように、小型且つ高精度に水分量等の紙特性を測定する装置と画像処理プロセスとが協同した画像処理装置は従来存在しなかった。
一方、インピーダンス等の測定を紙に対して利用したものとしては、製紙機械において、紙の厚みを測定するためにその抵抗を測定した方法が特開昭47−15165号公報に開示され、また同様の方法を用いて紙搬送機械の紙切れを検出する手段が特開昭52−17828号公報に開示されている。しかし、これらは紙の水分等の特性値を測定し、更にそれを画像処理プロセスや紙搬送装置のパラメータ情報として用いたものではない。
更に紙の水分と画像処理プロセスとの関係については、特開昭63−92977号公報に開示されたように、紙の吸水性で転写プロセスとしてのインピーダンス条件を変化させる手段を用いたものがあるが、これは紙の水分等の特性値を測定し、それをパラメータとして画像処理プロセスを制御しているものではない。したがって、本発明は小型、簡易、安価であって、且つ精度の高い紙の特性測定手段を紙搬送装置に利用することにより、紙の水分量を把握し、ジャムや紙の皺発生を防止すると共に、特に電子写真プロセス等の画像処理プロセスを用いた画像形成装置においては、転写紙の含有水分量に応じた転写プロセスを実行することができる紙搬送装置を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1記載の発明では、紙搬送手段の少なくとも一部に、紙の上下両面から挟み込む形で接触する接触部を有する紙の交流インピーダンスを測定する交流インピーダンス測定手段と、該交流インピーダンス測定手段の測定値をパラメータの一つとする紙搬送制御手段又は画像処理プロセス制御手段を備えた。
また、請求項2記載の発明では、請求項1記載の紙搬送装置において、画像プロセスとして電子写真プロセスを有し、前記交流インピーダンス測定手段の測定値をパラメータの一つとして、電子写真プロセスにおける転写プロセスを制御した。
また、請求項3記載の発明では、請求項1記載の紙搬送装置において、画像プロセスとしてインクジェットプロセスを有し、前記交流インピーダンス測定手段の測定値をパラメータの一つとして、インクジェットプロセスにおける飛散インク量又は速度を制御した。
また、請求項4記載の発明では、請求項1記載の紙搬送装置において、前記インピーダンス測定手段による交流インピーダンスの測定信号として、1Hz以上の周波数の中から選択した少なくとも1以上の周波数信号を用いて測定した。
また、請求項5記載の発明では、請求項1記載の紙搬送装置において、前記インピーダンス測定手段による交流インピーダンスの測定信号として、1Hzから1kHzまでの周波数領域、1kHzから1MHzまでの周波数領域、及び1MHz以上の周波数領域の3つの領域とし、該3つの領域から2つの周波数領域を選択し、各周波数領域からそれぞれ少なくとも1以上の周波数を選んで測定した。
また、請求項6記載の発明では、請求項1記載の紙搬送装置において、前記インピーダンス測定手段による交流インピーダンスの測定信号として、1Hzから1kHzまでの周波数領域、1kHzから1MHzまでの周波数領域、及び1MHz以上の周波数領域の各周波数領域に含まれる少なくとも3以上の周波数を選んで測定した。
また、請求項7記載の発明では、請求項1記載の紙搬送装置において、前記インピーダンス測定手段による交流インピーダンスの測定交流電圧を、基準に対して実効電圧を約1V以下とした。
また、請求項8記載の発明では、請求項1記載の紙搬送装置において、前記インピーダンス測定手段による交流インピーダンスの測定交流電圧を、開放電圧に対して基準電圧を約2V以内とした。
【0006】
上記のような手段にしたので、請求項1記載の発明では、画像処理プロセスが施される紙の特性として紙の交流インピーダンスを予め又は搬送中に測定し、その測定値をパラメータとして紙搬送制御又は画像処理プロセス制御を行い、紙の特性に最適な紙搬送又は画像処理プロセスを可能とした紙搬送装置を実現することができる。すなわち、紙の水分や厚さにより紙の交流インピーダンスが変化することを利用し、その測定値を用いて紙搬送手段を制御し、紙詰まりや皺、位置ズレの生じにくい紙搬送手段を提供することができる。また交流インピーダンスの測定結果に基づき、画像処理プロセスを制御することにより、紙の水分や厚みで変化するプロセス制御値を最適値にすることができ、高品位で信頼性の高い画像形成を行ったり、画像情報を変更又は消去することができる紙搬送手段を提供できる。
請求項2記載の発明では、画像処理プロセスとして電子写真プロセスを用いた場合、交流インピーダンスの測定値をパラメータの一つとして転写プロセスを制御し、例えば、感光体に付着したトナーを転写紙の裏面から与える電位を制御することにより、適切に搬送中の紙にトナー像を転写することができる紙搬送手段を提供できる。すなわち、感光体に付着したトナーを感光体から剥離し、紙に付着せしめる場合において、紙の両面で感光体と転写ベルト等との間に電位差を生じせしめることにより、感光体上のトナーが転写されるが、この際、紙に与えられる電界は紙の厚さ、水分、種類等により変化する。このため、紙の特性に応じた転写プロセス制御を行うための一パラメータとして、紙の交流インピーダンスという電気的な特性値を利用することにより、転写プロセスの制御を適切に行い、高品位で信頼性の高い画像を形成することができる紙搬送手段を提供できる。請求項3記載の発明では、画像プロセスとしてインクジェットプロセスを用いた場合、交流インピーダンスの測定値をパラメータの一つとしてインクジェットプロセスを制御し、例えば、飛散インク量又は速度を制御することにより、適切に搬送中の紙に飛散したインクを紙に付着、吸収、乾燥せしめ、画像を形成することができる紙搬送手段を提供できる。すなわち、熱素子やピエゾ素子等によりインクをノズルから紙に向かって飛散させて画像ドットを形成する場合、そのインク量やインク速度は画像ドットの品質を大きく左右する。これは紙にインクが付着した後、インクの液が広がり、また紙に吸収され、乾燥するという現象が連続的に、又は同時に起きるためであり、これらの現象に対し、紙の種類や表面状態、水分が大きく影響する。インクの種類には多色のカラーインクの他に、アンダーコート用インクやオーバーコート用インクもあるが、特にイオン制御を行うアンダーコート用インクや、或いはアンダーコート用インクを用いないカラーインクの場合に紙の特性の影響を受けやすい。そこで、紙の交流インピーダンスは紙の水分や表面状態によって変化するため、インク量やインク速度を制御するパラメータの一つとして紙の交流インピーダンス特性値を利用することにより高品位で信頼性の高い画像を形成することができる紙搬送手段を提供できる。
請求項4、5、6記載の発明では、紙搬送装置における紙の交流インピーダンスの測定周波数を適切に設定することにより的確に必要な交流インピーダンス測定値を得ることができ、紙搬送の制御又は画像プロセスの制御に簡単に利用することができる。すなわち交流インピーダンスはその測定周波数により大きく測定値が異なり、また周波数が異なることにより、信号から得られる情報も異なってくる。そこで、紙搬送の制御又は画像処理プロセス制御のために用いる紙の特性値として、紙の交流インピーダンス測定に適した周波数と測定点数とを設定することにより、簡単に紙の特性を測定し、紙の特性に最適な紙搬送又は画像処理プロセスを行うことを可能とした紙搬送装置を提供することができる。
請求項7、8記載の発明では、紙搬送装置における紙の交流インピーダンスの測定電圧条件を適切に設定することにより、的確に必要な交流インピーダンス測定値を得ることができ、紙搬送の制御又は画像プロセスの制御に簡単に利用することができる。すなわち交流インピーダンスはその測定周波数により大きく測定値が異なり、また測定電圧により測定値が異なる。そこで、紙搬送の制御又は画像処理プロセス制御のために用いる紙の特性値として、紙の交流インピーダンス測定に適した測定電圧を設定することにより、簡単に紙の特性を測定し、紙の特性に最適な紙搬送又は画像処理プロセスを行うことを可能とした紙搬送装置を提供することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施の形態を詳細に説明する。まず、形態例の説明に先立ち、本発明の基本的な特徴について、簡単に説明する。
紙は絶縁体であるため、従来、電気的な利用としては紙に油を含浸せしめ絶縁紙とし、耐電圧特性が求められたり、或いはコンデンサとして利用する場合には高誘電率が求められたりしている。すなわち、直流抵抗(直流インピーダンス)が非常に大きく、電子写真プロセス等で高電圧を紙の表裏両面に印加する場合が従来より存在したにも拘わらず、紙の特性値を紙搬送装置において測定していなかった。このように紙の特性値を測定しなかった理由として、直流電圧を紙に印加した場合、μAのレンジで電流を測定するためには100V程度の電圧を印加する必要があり、また、5V程度の印加電圧を用いた場合には非常に精度の高い電流計を用意する必要があったためである。また、実際には高精度な電流計を用いても測定は困難であった。これは紙自体が直流電圧の印加により分極を生じるためであり、分極の発生により、高精度な測定は困難であった。
一方、交流インピーダンスの測定自体は溶液中での化学測定方法として、従来より電極反応の現象を理解するために用いられている。
本発明は紙の交流インピーダンスを測定することにより、実用レベルでの紙に対する電気的な測定が可能であることを、さらにはこの交流インピーダンスの測定値が紙の水分、厚み、種類に応じて変化することを見いだし、紙の交流インピーダンスの測定値を用いることにより紙搬送装置における最適な紙搬送或いは画像処理プロセスを行うことを可能としたものである。
【0008】
図1は本発明に係る紙搬送装置の概略図であり、1a〜1dは画像処理プロセスを行う紙、2は給紙トレー、3a、3b、5a、5b、6、7、8a、8b、9a、9bは搬送ローラ、4は交流インピーダンス測定検出部(交流インピーダンス測定手段)、10は画像処理プロセス手段、11は排紙トレー、12a、12bは既に排紙された転写紙、13、14は画像処理ユニット、15は交流インピーダンス測定部、16は画像処理プロセス制御手段(又は紙搬送制御手段)である。
このように構成した紙搬送装置において、紙1aは搬送ローラ3a、3bに挟持され、給紙トレー2から繰り出されると共に、紙搬送装置により点線18で示したように、交流インピーダンス測定検出部4、画像処理プロセス部10、搬送ローラ9a、9bを介して排紙トレー11に搬送される。また、画像処理プロセス部10では、搬送ローラ5a、5bによって搬送された紙1aが画像処理ユニット13、14を経て搬送ローラ8a、8bに送られ、画像処理ユニット13、14においては搬送ローラ6、7が対になって搬送を行っている。
一方、前記交流インピーダンス測定検出部4からの信号は交流インピーダンス測定部15において処理され、交流インピーダンス測定検出部4を通過した紙1aの交流インピーダンス値が画像処理プロセス制御手段16に与えられ、この与えられた交流インピーダンス値をパラメータの一つとして画像処理ユニット13、14を制御する。この実施例の場合、検出された転写紙の交流インピーダンス値に応じて画像処理ユニット13、14をはじめ、搬送ローラ3ab、5ab、6、7、8ab、9abのギャップ、圧力、速度等をも制御する。
【0009】
図2(a)は図1における交流インピーダンス測定検出部4の概略を示した正面図、図2(b)は左側面図である。同図において、19a、19bはぞれぞれ接触部であり、紙1aの上下両面から挟み込む形で接触し、この接触部の各々の接触面積は約2cm2 である。接触部19a、bはそれぞれコイルバネ20a、20bによって紙1a方向に付勢されており、紙1aに対して適度な押圧力が与えられている。また、前記コイルバネ20a、20bは接触部に対する付勢機能以外に電気的導通の機能をも有し、コイルバネ20a、20bからは断面積が2mm2 以上の電圧用及び電流用の導線22a、22b、23a、23bが導出され、該導線22a、22b、23a、23bは交流インピーダンス測定部15に与えられている。なお、図示を省略したが、紙1aの搬送によって接触部19a、19bが位置ズレを生じないように、ストッパが設けられており、また、21は絶縁された筐体である。
【0010】
次に、上述したような装置を用い、紙の交流インピーダンスを測定した結果並びに該測定結果に基づいて搬送装置(搬送ローラ)及び画像処理ユニットの動作条件を変更した結果について説明する。実験に際しては、交流インピーダンス測定部15として(株)東洋テクニカ社製ソーラトロン(タイプ1286、1260)を用い、紙が停止している状態で測定した。この測定装置の測定可能周波数は0.1Hz〜32MHzであるが、高周波領域はこの測定装置の限界である32MHzに限定されるものではない。更に、画像処理ユニット13、14としてはスクリーン印刷に相当した装置を用い、実際には、水性インクによるストライプ形状の塗工ユニットと、複数のローラからなるヒート乾燥ユニットを用いた。また、交流インピーダンスの測定は主に1kHz〜1MHzで行い、画質評価は目視により紙の両面から行った。実験に用いた紙は約0.1mm厚の通常の室内に保存してあるコピー用紙を、そのままの状態のもの、乾燥したもの、霧を吹いたもの、水に浸した後、不完全に乾燥させたもと、約0.3mm厚の粗い厚紙を用いた。
【0011】
図3〜図8は紙の交流インピーダンス測定結果を示したものであり、表示方法としては横軸に周波数、縦軸にインピーダンスの絶対値をとったものを(a)に、横軸に周波数、縦軸に位相角をとったものを(b)に示している。図3は通常のコピー紙を約160度のヒートローラを通して乾燥させた「サンプル1」を測定したもの、図4は通常のコピー紙そのままの「サンプル2」を測定したもの、図5は通常のコピー紙に僅かに水分を噴霧した「サンプル3」を測定したもの、図6及び図7は通常のコピー紙を濡らした後にその乾燥時間を変化させて不完全に乾燥したコピー紙(サンプル4、5)を測定した場合の測定結果を示す。図5、図6、図7に示した測定結果を得る際に用いたコピー紙の含有水分量はサンプル3<サンプル4<サンプル5の順の多くなっている。なお、図8は厚紙(サンプル6)を用いた場合の測定結果を示す図である。
【0012】
図9はサンプル1の交流インピーダンス測定結果をコール・コールプロットで示したものであり、測定条件としては、開放電圧に対して10mVの電圧を1kHz〜1MHzの間で変化させた。表示は1桁に対して3点をプロットしており、そのため折れ線表示となっている。したがって、詳細な測定結果とはグラフの形状が多少異なる。
この実験結果から明らかなように、交流インピーダンス測定検出部4並びに交流インピーダンス測定部15によって、紙に含まれる水分量に応じた交流インピーダンスが測定できることが分かり、本願発明に係る紙搬送装置はこの交流インピーダンス値に応じて搬送装置の搬送条件を変更し或いは画像処理ユニットのパラメータの一つとして制御するものである。すなわち、100Hzにおける交流インピーダンスの絶対値Zが2E6Ωを越えた場合、紙1aの搬送速度が標準の1/5、乾燥温度が標準より少し低くなるように画像処理プロセス制御手段16を設定し、また100Hzにおける交流インピーダンスの絶対値Zが5E5Ω以下の場合には搬送速度を標準の1/5とし、乾燥温度を標準と同じとした。後者の場合、乾燥温度が標準と同じであっても、紙1aの搬送スピードが遅くなるため、乾燥条件としては標準より強くなっている。また、標準としてはタクトを考慮した上で乾燥した紙1aが最適になるように設定した。
上述した図3乃至図9の測定結果は同じ条件且つ同じ種類の用紙を用いた場合、ほぼ再現性が得られ、また紙のロットを代えると必ずしも同一の曲線になるとは限らないが、ほぼ同様の曲線が得られた。
【0013】
図10(a)、(b)は画像処理結果として3段階評価(A:良い、B:普通、C:悪い)を行った結果を示す図である。(a)は搬送速度や画像処理プロセスを変更せずに標準条件において、紙の皺、紙詰まりの発生、転写紙表面の画像滲み、転写紙裏面の画像滲みについて評価したものであり、(b)は画像処理プロセスを交流インピーダンスの測定値に基づき変更した場合の評価を示したものである。
図10(a)からも明らかなように転写紙の含有水分量の増加に伴い、紙の皺、紙詰まりの発生、表面、裏面の画像の滲みが増加するが、転写紙の交流インピーダンスを測定し、該測定値に応じて搬送速度及び乾燥温度の条件を変更することによって、(b)に示したように乾燥した紙、通常の紙、水分を噴霧した紙ともほぼ同様の画質が得られ、更に一度濡らした紙や、厚い粗紙も画質の改善が見られた。このように、紙の特性に応じて画像処理プロセスを変化させることにより、高品位の画質を速く得ることができる。
なお、交流インピーダンスの測定データを、画像処理プロセスの制御パラメータとして利用する場合には、上記のような特定周波数の絶対値の簡単なステップ判断をする場合に限るものではなく、他の周波数の絶対値やその位相を用いてもよく、また周波数による絶対値及び位相変化を計算して判断してもよく、さらには等価回路を用いて判断しても良い。また判断方法としては上述したようなルックアップテーブル制御に限る必要はなく、ニューロ制御、ファジー制御、利用者やメンテナンス者の任意制御であってもよい。
更にこれらの制御方法は画像形成である通常のスクリーン印刷、オフセット印刷等の印刷方法、電子写真、インクジェット、ワイヤドット、熱転写等の方法に対して用いることができ、また紙に対する画像消去である界面活性剤を利用したリサイクルコピーや画像変化である重ねコピー等の紙に対する画像処理プロセスにおいても適用可能である。
【0014】
また紙搬送の搬送ローラを制御する場合、その搬送速度制御の他に搬送タイミングの余裕値を変化させたり、ローラ圧力を変化させたり、ローラの軸間ギャップ又はローラ表面のギャップを制御しても良い。例えば、電子写真プロセスにおいては交流インピーダンスの測定値をパラメータの一つとして、搬送条件である搬送スピードや搬送圧力を制御する以外に、感光体の帯電用チャージワイヤ電圧、感光体グラウンド電圧、現像バイアス、転写プロセス条件、定着温度等を全体的に制御することにより、紙の材質に適切に対応した電子写真プロセスとすることができる。
更に、紙の上にオーバーコート層がある場合、オーバーコート層の水分を含めた特性値を測定した結果を画像プロセスに利用することができる。これはオーバーコート層の影響でその水分量を正しく把握することが困難な従来の赤外線等を用いた水分測定と比較して著しい効果である。すなわち、従来の赤外線を用いた紙の水分測定は紙本体の水分を測定し、オーバーコート層の水分量を測定できないか若しくはオーバーコート層の影響を受け、紙の水分量が正しい値を得られないが、本発明に係る紙搬送装置に用いている交流インピーダンスによる水分測定ではオーバーコート層を含めた紙としての特性値として把握することが可能である。これらは、多種の紙を詳細に測定し、判断すれば、等価回路により容量成分が主な場合にはその直列方向の容量接続として紙本体とオーバーコート層との特性値を分離することができる。
また、特性インピーダンス測定は、上述したような高価な分析装置を使用しなくとも、交流電圧を印加する手段と、その交流電圧を測定する手段のみを用いてもよく、さらに位相情報を用いず、絶対値のみをパラメータとして用いても良い。なおさらに、正弦波交流を印加する代わりにパルス電圧を印加してもよく、デジタル回路の信号電圧を転用しても良い。この場合には、一般には高周波が利用可能となる。
【0015】
次に本発明に係る紙搬送装置の他の形態例について説明する。図11は本発明に係る紙搬送装置を電子写真プロセスに適用した場合の概略図である。転写紙1aは点線17で示した経路で搬送ローラ5a、5bに搬送され、画像処理ユニットを介して搬送ローラ6a、bにより搬送される。画像処理ユニットは転写紙1aに転写電位を与える転写ワイヤ24、トナーを供給すると共に現像電位を与える現像ローラ及びトナーを含む現像ユニット25、感光体に電荷を供給する帯電器27、発光手段と結像レンズとを含む光書込ユニット28、感光体29とからなる。また、画像処理プロセス制御手段16には図1に示したような交流インピーダンス測定検出部並びに交流インピーダンス測定部からの信号が供給されており、該信号に基づいて転写ワイヤ24の電位を制御できる構成となっている。なお、画像処理ユニットにはゴムイレーサ、除電ランプ等の電子写真プロセス部品や多くの搬送ローラ、給紙・排紙機構があるが、これらの図示を省略すると共に、電子写真プロセスに用いる光書き込み系はレーザーユニットを用い、現像は一成分方式のものを例に挙げた。
このように構成した電子写真複写機において、転写紙の交流インピーダンスを測定し、該測定値に基づき転写ワイヤ24の電位を制御することにより、感光体29上のトナー像を確実に転写紙に転写せしめると共に、転写紙の感光体からの剥離を確実に行うことができる。
【0016】
図12は100Hzの測定信号を用いた場合の転写紙の交流インピーダンスの絶対値Zをパラメータとして、この絶対値Zの対数値に応じて転写ワイヤ24に供給する電位を直線的に変化させた場合の画像処理結果を示した図であり、先の形態例における実験結果と同様に3段階評価にて示してある。なお、サンプル1乃至サンプル6は図10(a)、(b)にて用いたものと同様の状態の紙である。図に示すように乾燥した紙、通常の紙、水分を噴霧した紙ともほぼ同様の画質が得られたのみならず、一度濡らした紙や、厚い粗紙も画質に改善が見られた。このように紙の特性に応じて電子写真プロセスの画像処理プロセスを制御することにより、高品位な画像を得ることができる。
なお、上記形態例における画像処理プロセスの制御としては、制御の有無による差を簡単に観測するために、交流インピーダンスの10倍の変化が転写電位の約30V差に相当するように変化させた。しかしながら、転写電位の制御は上記のように特定周波数の測定信号を用い、交流インピーダンスの絶対値Zのみで判断する場合に限定されるものではなく、他の周波数の測定信号を用い、その絶対値や位相に基づき制御してもよく、或いは周波数による絶対値及び位相の変化を計算し、その計算結果に基づいて判断してよく、さらには等価回路を用いて判断しても良い。
さらに、転写プロセスの制御は上述した形態例の如く転写ワイヤに印加する電位を制御することのみに限定されず、転写ローラ又は転写ベルトに印加する電位を制御しても同様の効果を得ることができる。また、転写電位の制御に限らず、転写部分における転写紙の搬送速度や転写ベルトの転写領域若しくは感光体の基体の電位を変化させることにより、相対的に転写電位を変化させる等、他の転写プロセスにおける制御に用いてもよい。さらに、転写プロセスに限らず、転写プロセスを制御すると同時に他のプロセスを制御すればより効果的であることは言うまでもない。
【0017】
図13は本発明に係る紙搬送装置をインクジェットプロセスに適用した場合の概略図である。紙1aは搬送ローラ5a、5bによって挟持され、点線17で示した経路にて画像処理ユニットに搬送され、さらに、搬送ローラ6a、6bによって搬送される。前記画像処理ユニットは複数のノズルを有するインクジェットヘッド30と、インクジェットヘッド30に対しインクを供給するインクタンク31、補助乾燥ローラ32a、32bとからなる。なお、図においては独立した構成としたが、前記インクジェットヘッド30とインクタンク31とは一般的には一体化された構成となっている。また、画像処理プロセス制御手段16(インクジェットプロセスを含む)には図1に示したような交流インピーダンス測定検出部並びに交流インピーダンス測定部からの信号が供給されており、該信号に基づいてインクジェットヘッドを制御できる構成となっている。また、図示を省略したが画像形成ユニットにはインクジェットヘッド30及びインクタンク31を副走査方向に走査させるための駆動装置や、クリーニング手段、インク蒸発防止手段等多くのインクジェットプロセス部品が存在する。
このように構成したインクジェットプロセスによる画像処理プロセスを用いた画像形成装置において、紙の交流インピーダンスを測定し、該測定値に基づきインクジェットヘッドを制御することにより、紙の特性に合わせて飛散インク量を調整し最適な画像を得ることができる。
なお、形態例においてはピエゾ方式を用いたが、これに限定するものではなく、バブルジェット方式、電荷制御方式等のインクジェットプロセスを用いてもよい。
【0018】
図14は100MHzの測定信号を用いて転写紙の交流インピーダンスを測定した時の絶対値Zをパラメータとしてインクジェットヘッドからの飛散インク量等を制御した場合の画像処理結果を示したものであり、先の形態例における実験結果と同様に3段階評価にて示してある。なお、サンプル1乃至サンプル6は図10(a)、(b)にて用いたものと同様の状態の紙である。
実験に当たっては、画像処理プロセスの変化による画質の変化を容易に把握することができるように、通常より多量のインク飛散量を標準とした上で、交流インピーダンスの10倍変化した場合、飛散インク量が10%変化するように画像処理プロセスを制御した。またサンプル1の紙の交流インピーダンスを基準とし、該基準値の交流インピーダンスを有する紙の場合、約120℃の補助乾燥温度を設定し、交流インピーダンスが10倍となった場合に、補助乾燥温度を約10℃上昇させた。
実験結果としては、インク量が減少するために濃度が薄くなる場合も存在したが、総合的には滲みが解消でき、印字が読みやすくなると云う改良が見られ、図に示すように乾燥した紙、通常の紙、水分を噴霧した紙ともほぼ同様の画質が得られたのみならず、一度濡らした紙や、厚い粗紙も画質に改善が見られた。このように紙の特性に応じてインクジェットプロセスの画像処理プロセスを制御することにより、高品位な画像を得ることができる。また紙搬送ローラの速度やタイミング、圧力、ギャップ等を変更することにより、紙詰まり、皺の発生の少ない画像処理を行うことができる。
なお、上記形態例においては、交流インピーダンス値により補助乾燥ローラの温度を変更したが、補助乾燥ローラに限定されるものではなく、また飛散インク量の制御の他に飛散インク速度を制御してもよい。また、インクジェットプロセスは単色のインクを用いたものに限るわけではなく、多色的に制御してもよい。
このように紙の交流インピーダンスを測定し、画像処理プロセスを制御するため、アンダーコートインク、オーバーコートインク等、特にイオン性制御の場合には、紙の特性を電気的に測定するため、非常に効果的であり、また、紙自体にアンダーコートが施されている場合にも効果的である。
【0019】
次に本発明の他の形態例について説明する。図15及び図16は通常のコピー紙の、周波数0.1Hzから32MHzまで測定した交流インピーダンス値を示す。図15(a)は縦軸が交流インピーダンスの絶対値、横軸が周波数であり、図15(b)は縦軸が位相、横軸が周波数である。また、図16はコールコールプロットである。この測定に用いた試料はサンプル2とはロットが異なるが、その傾向は同一である。図15(a)、(b)、さらには図3乃至図8から分かるように、10kHz以下では交流インピーダンスの絶対値の対数値の変化率はほぼ一定であり、100Hz〜1kHzの間で変化率が大きく代わる。また、位相値も100Hz〜1kHz以下では大きな変化が見られなくなる。 一方、10Hz以下、特に1Hz以下ではその値の再現性が悪くなり、コールコールプロットをした場合、不連続的な直線となる。このように不連続的な直線となる原因は不明であるが、紙自体の直流分極が生じていることが原因ではないかと考えられる。また、実際の紙搬送装置において、交流インピーダンスを測定する場合には、精度的には少なくとも1周期の測定が望ましく、連続的に搬送される紙を測定するため、現実的には1Hz(1秒)以上が望ましい。
【0020】
すなわち、測定周波数1Hz以上、好ましくは10Hz以上であることが効果的である。また、原因は不明であるが、1MHz以上の測定周波数で測定を行った場合、インピーダンスがステップ的に低下する領域が存在し、この領域における交流インピーダンスの絶対値が小さくなるため、反応抵抗的コールコールプロット形状が現れる。このステップ的インピーダンスの低下により、ステップの前後で位相及び交流インピーダンスの絶対値が激変するため、ステップ位置を考慮した測定周波数及び測定点数を設定するか、または画像処理制御プロセスの高精度化を精密にする必要が生じる。ただし、この1MHz以上の周波数の測定値は紙の種類、状態によって変化し、またデジタル回路の周波数を利用し易いため、その測定値の検出とパラメータの利用方法には複雑さを伴うが利用可能である。
以上説明したように、紙の交流インピーダンス特性としては、画像処理プロセスに応じて1Hz以上、好ましくは10Hz〜1MHzの少なくとも1つ以上の測定周波数を選んで測定することにより紙のインピーダンス特性を簡易に測定することができ、且つその測定された交流インピーダンス値を簡単に画像処理プロセスに利用することができる。
【0021】
なお、図3乃至図8及び図10に示した測定結果から分かるように、交流インピーダンスの測定周波数によってインピーダンス値及びその変化傾向がことなり、1Hz〜1kHz、1kHz〜1MHz、1MHz以上の3つの領域に分割することができる。したがって、交流インピーダンス測定の測定周波数を2点以上にて測定する場合には上記3領域の中から少なくとも2つの領域を選択し、交流インピーダンスを測定することにより紙の特性を簡単に精度よく測定することができる。さらに、これらの領域の1次的近似直線を算出したい場合には、それぞれの領域において2点以上、また2次曲線を算出したい場合には、それぞれの領域において3点以上にて測定することにより算出することができる。これらの2つの領域は画像処理プロセスに応じて適切な領域を選択すればよい。
ただし、1MHz以上の領域は上述したようなステップ状態が存在するため、この領域の1点において測定を行う場合には、ステップの影響を受けないためにも5MHz以上であることが望ましい。さらに、上述した3つの領域の全てを選択し、各領域における周波数の交流インピーダンスを測定することによって、より正確な紙の特性を得ることも可能である。
【0022】
図17は通常のコピー紙に多めの水を噴霧したものの基準電圧に対する実効電圧を変化させて測定した結果を示す図であり、(a)は周波数と交流インピーダンスの絶対値との関係、(b)は周波数と位相との関係を示し、パラメータは電圧である。
実効電圧を10mV、100mV、500mV、1000mVと変化させると、(a)から分かるように1000mVでは全ての測定周波数において、交流インピーダンスの絶対値が1以下(1E−1〜1E0の間)となる。また、(b)から分かるように何れの実効電圧を用いても位相の再現性が悪く、交流インピーダンスの絶対値のみが信頼性の高いデータであることも判明した。
【0023】
図18は図17に示した測定に用いたサンプルに対し、実効電圧を変化させて測定した位相の再現性を3段階評価で表したものである。実効電圧が1V以上では位相の再現性が悪く、また、500mVでは位相測定を行うことができたが、その値は10mVの実効電圧の場合とは異なった。さらに測定信号の周波数が100kHz以上では再現性が悪かった。
また、サンプルとして紙を乾燥したコピー紙に変えても同様の結果となり、100mV以上では位相の再現性が乏しかった。しかし、様々な種類の紙に対して測定を実施したところ、実効電圧と位相の再現性との関係は紙の種類により大きく変化し、1000mV(1V)以上の実効電圧であっても位相の再現性を得られるものも存在した。このように紙の種類に応じて位相の再現性を得られる実効電圧が変動する理由は不明であるが、紙の表面に生じた分極が悪影響を及ぼしているのではないかと推測される。
しかしながら、高周波の場合にデジタル回路用の5Vや3Vのパルス電圧をそのまま利用して位相まで正確な交流インピーダンスの測定値を得ることは難しく、約1000mV(1V)以下に電圧を下げることが効果的であると考えられる。なお、紙の交流インピーダンスの絶対値を測定する場合には、この限りではないが、交流インピーダンス測定において位相の再現性を測定するのであれば、その測定値の信頼性を増加させるために、測定に用いる実効電圧を約1000mV、好ましくは500mV以下にするのが良い。
【0024】
図19(a)、(b)は厚い粗い紙をサンプルとし、開放電圧に対して基準電圧を0V〜2.5Vに変化させて交流インピーダンスを測定した結果を示す図であり、(a)は周波数と交流インピーダンスの絶対値との関係、(b)は周波数と位相との関係を示し、パラメータは電圧である。同図から分かるように、基準電圧が2.5Vでは100kHz以下の位相の再現性が低下した。
図20は開放電圧に対し、基準電圧を変化させて測定したデータの基準電圧と位相の再現性を3段階評価で表したものであり、基準電圧を0V〜10Vまで変化させて測定したところ、約2.5V以上では周波数全域に亙り位相の再現性並びに交流インピーダンスの絶対値の再現性も低下し、特に100kHz以下の位相の再現性が低下することが判明した。この理由は水分の分解電圧が過電圧を考慮しても1.5V程度であり、この電圧値1.5Vに1V程度の余裕が得られて2.5V程度まで位相の再現性を含めて信頼性を保ったまま測定できていると考えることができる。また1V以下ではその測定データに大きな違いは確認できなかった。したがって、交流インピーダンスの測定値の信頼性を増加させるために、測定に用いる基準電圧を開放電圧に対して約2.5V以下、好ましくは1V以下にすることがよい。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明では、交流インピーダンスの測定値を画像処理プロセスの制御に用いているので、紙の皺や詰まり等のトラブルが少なく、また画像の滲みが少ない高品位の画像処理を行う紙搬送装置を提供することができる。
また、請求項2記載の発明では、交流インピーダンスの測定値を電子写真プロセスの転写プロセス制御に用いているので、紙の皺や詰まり等のトラブルが少なく、また画像の滲みが少ない高品位の画像処理を行う紙搬送装置を提供することができる。
また、請求項3記載の発明では、交流インピーダンスの測定値をインクジェットプロセスにおける飛散インク量またはインク速度制御に用いているので、紙の皺や詰まり等のトラブルが少なく、また画像の滲みが少ない高品位の画像処理を行う紙搬送装置を提供することができる。
また、請求項4記載の発明では、交流インピーダンスの測定周波数を1Hz以上の周波数の中から選択した少なくとも1以上の周波数で測定しているため、簡単に画像処理プロセスの制御に有用は交流インピーダンスを測定することができ、高品位の画像処理を行う紙搬送装置を安価に提供することができる。
また、請求項5記載の発明では、交流インピーダンスの測定周波数を1Hz〜1kHz、1kHz〜1MHz、1MHz以上の3つの領域とし、該3つの領域から選んだ2つの領域を選択し、各領域からそれぞれ少なくとも1つの周波数を選択し、測定しているので、簡単に画像処理プロセスの制御に有用は交流インピーダンスを測定することができ、高品位の画像処理を行う紙搬送装置を安価に提供することができる。
また、請求項6記載の発明では、交流インピーダンスの測定周波数を1Hz〜1kHz、1kHz〜1MHz、1MHz以上の3つの領域とし、各領域からそれぞれ少なくとも1つの周波数を選択し、測定しているので、簡単に画像処理プロセスの制御に有用は交流インピーダンスを測定することができ、高品位の画像処理を行う紙搬送装置を安価に提供することができる。
また、請求項7記載の発明では、交流インピーダンスの測定交流電圧を基準に対して実効電圧を約1V以下としているため、信頼性の高い画像処理プロセスの制御に有用な交流インピーダンスを測定でき、安定して高品質な紙搬送装置を提供することができる。
また、請求項8記載の発明では、交流インピーダンスの測定交流電圧を開放電圧に対して基準電圧を2V以内としているため、信頼性の高い画像処理プロセスの制御に有用な交流インピーダンスを測定でき、安定して高品質な紙搬送装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る紙搬送装置の概略図。
【図2】(a)は図1における交流インピーダンス測定検出部4の概略を示した正面図、(b)は左側面図。
【図3】本発明に係る紙搬送装置を用いてサンプル1を測定した交流インピーダンス測定結果を示した図であり、(a)は周波数−交流インピーダンスの絶対値との関係を示し、(b)は周波数−位相角との関係を示した図。
【図4】本発明に係る紙搬送装置を用いてサンプル2を測定した交流インピーダンス測定結果を示した図であり、(a)は周波数−交流インピーダンスの絶対値との関係を示し、(b)は周波数−位相角との関係を示した図。
【図5】本発明に係る紙搬送装置を用いてサンプル3を測定した交流インピーダンス測定結果を示した図であり、(a)は周波数−交流インピーダンスの絶対値との関係を示し、(b)は周波数−位相角との関係を示した図。
【図6】本発明に係る紙搬送装置を用いてサンプル4を測定した交流インピーダンス測定結果を示した図であり、(a)は周波数−交流インピーダンスの絶対値との関係を示し、(b)は周波数−位相角との関係を示した図。
【図7】本発明に係る紙搬送装置を用いてサンプル5を測定した交流インピーダンス測定結果を示した図であり、(a)は周波数−交流インピーダンスの絶対値との関係を示し、(b)は周波数−位相角との関係を示した図。
【図8】本発明に係る紙搬送装置を用いてサンプル6を測定した交流インピーダンス測定結果を示した図であり、(a)は周波数−交流インピーダンスの絶対値との関係を示し、(b)は周波数−位相角との関係を示した図。
【図9】本発明に係る紙搬送装置を用いてサンプル1を測定した交流インピーダンス測定結果をコール・コールプロットで示した図。
【図10】(a)は搬送速度或いは画像処理プロセスを変更せずに標準条件において紙の皺等の状況を評価した結果を示す図、(b)は画像処理プロセスを交流インピーダンスの測定値に基づき変更した場合の評価した結果を示す図。
【図11】本発明に係る紙搬送装置を電子写真プロセスに適用した場合の概略図。
【図12】本発明に係る紙搬送装置を用い、100Hzの測定信号を用いた場合の転写紙の交流インピーダンスの絶対値Zをパラメータとして、この絶対値Zの対数値に応じて転写ワイヤ24に供給する電位を直線的に変化させた場合の画像処理結果を示した図。
【図13】本発明に係る紙搬送装置をインクジェットプロセスに適用した場合の概略図。
【図14】本発明に係る紙搬送装置を用い、100Hzの測定信号を用いた場合の転写紙の交流インピーダンスの絶対値Zをパラメータとして、この絶対値Zの対数値に応じてインクジェットヘッドからの飛散インク量等を制御した場合の画像処理結果を示した図。
【図15】(a)、(b)は本発明に係る紙搬送装置を用い、通常のコピー紙の、周波数0.1Hzから32MHzまで測定した交流インピーダンスの周波数−絶対値及び周波数−位相角を示す図。
【図16】本発明に係る紙搬送装置を用い、通常のコピー紙の、周波数0.1Hzから32MHzまで測定した交流インピーダンスのコール・コールプロットを示す図。
【図17】(a)、(b)は本発明に係る紙搬送装置を用い、通常のコピー紙に多めの水を噴霧したものの基準電圧に対する実効電圧を変化させて測定した結果を示す図。
【図18】本発明に係る紙搬送装置を用い、通常のコピー紙に多めの水を噴霧したものの基準電圧に対する実効電圧を変化させた場合の位相の再現性を示す図。
【図19】(a)、(b)は本発明に係る紙搬送装置を用い、厚い粗い紙をサンプルとし、開放電圧に対して基準電圧を0V〜2.5Vに変化させて交流インピーダンスを測定した結果を示す図。
【図20】本発明に係る紙搬送装置を用い、開放電圧に対し、基準電圧を変化させて測定したデータの基準電圧と位相の再現性を3段階評価で表した図。
【符号の説明】
1a〜1d・・・紙(転写紙)、
2・・・給紙トレー、
3a、3b、5a、5b、6、7、8a、8b、9a、9b・・・搬送ローラ、
4・・・交流インピーダンス測定検出部(交流インピーダンス測定手段)、
10・・・画像処理プロセス手段、
11・・・排紙トレー、
12a、12b・・・既に排紙された転写紙、
13、14・・・画像処理ユニット、
15・・・交流インピーダンス測定部、
16・・・画像処理プロセス制御手段(又は紙搬送制御手段)
Claims (8)
- 紙搬送手段の少なくとも一部に、紙の上下両面から挟み込む形で接触する接触部を有する紙の交流インピーダンスを測定する交流インピーダンス測定手段と、該交流インピーダンス測定手段の測定値をパラメータの一つとする紙搬送制御手段又は画像処理プロセス制御手段を備えたことを特徴とする紙搬送装置。
- 請求項1記載の紙搬送装置において、画像処理プロセスとして電子写真プロセスを有し、前記交流インピーダンス測定手段の測定値をパラメータの一つとして、電子写真プロセスにおける転写プロセスを制御したことを特徴とする紙搬送装置。
- 請求項1記載の紙搬送装置において、画像処理プロセスとしてインクジェットプロセスを有し、前記交流インピーダンス測定手段の測定値をパラメータの一つとして、インクジェットプロセスにおける飛散インク量又は速度を制御したことを特徴とする紙搬送装置。
- 請求項1記載の紙搬送装置において、前記インピーダンス測定手段による交流インピーダンスの測定信号として、1Hz以上の周波数から選択した少なくとも1以上の周波数信号を用いて測定することを特徴とする紙搬送装置。
- 請求項1記載の紙搬送装置において、前記インピーダンス測定手段による交流インピーダンスの測定信号として、1Hzから1kHzまでの周波数領域、1kHzから1MHzまでの周波数領域、及び1MHz以上の周波数領域の3つの領域とし、該3つの領域から2つの周波数領域を選択し、各周波数領域からそれぞれ少なくとも1以上の周波数を選んで測定することを特徴とする紙搬送装置。
- 請求項1記載の紙搬送装置において、前記インピーダンス測定手段による交流インピーダンスの測定信号として、1Hzから1kHzまでの周波数領域、1kHzから1MHzまでの周波数領域、及び1MHz以上の周波数領域の各周波数領域に含まれる少なくとも3以上の周波数を選んで測定したことを特徴とする紙搬送装置。
- 請求項1記載の紙搬送装置において、前記インピーダンス測定手段による交流インピーダンスの測定交流電圧を、基準に対して実効電圧を約1V以下としたことを特徴とする紙搬送装置。
- 請求項1記載の紙搬送装置において、前記インピーダンス測定手段による交流インピーダンスの測定交流電圧を、開放電圧に対して基準電圧を約2V以内としたことを特徴とする紙搬送装置。
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