JP3754737B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録手段から被記録材へ記録用液を吐出して記録を行うインクジェット記録装置に関し、さらに詳しくはインクジェットヘッドの信頼性を上げるための回復処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録装置は、被記録材にノズルよりインク等の記録用液を吐出して記録を行う記録ヘッドを備えるものであるため、一定時間放置した場合ノズル内のインクが固まって目詰まりを生じることがある。この目詰まりは記録不能あるいは記録不良を引き起こすので、ヘッドの目詰まりを常に防止して良好な記録を保つ必要がある。そのため、従来よりこの種の記録装置にはノズルの目詰まりを回復させる手段として、ノズルをキャップで覆うキャッピング手段と、キャッピングしてインクを強制的に吸引する吸引手段とが設けられている。複数のインクジェットヘッドを使用する記録装置においては、全てのインクジェットヘッドのノズルを同時に吸引する一括吸引モードと一つのインクジェットヘッドのノズルのみを吸引する個別吸引モードを合わせ持つ方式が提案されている。
【0003】
また、ノズルに対するキャッピング手段と吸引圧力発生手段を動作させるのに、インクジェットヘッドを搭載し一直線上に往復移動(主走査)されるキャリッジの駆動系からの駆動力と、記録媒体搬送の駆動系からの駆動力とを用いる方法が提案されている。
【0004】
これらの方法は、記録媒体搬送の駆動系とキャリッジの駆動系との2系統の駆動列しか持っていない場合でも、記録媒体搬送精度に悪影響を与えず、印字中でも全ヘッドを一括保護キャップできるとともに、複数のインクジェットヘッドの内、吸引回復が必要なインクジェットヘッドに対してのみ、選択的に吸引回復ができるメリットがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例は、複数のインクジェットヘッドのノズルに対し一括同時吸引と個別吸引とを合わせ持つ構成ではあるが、記録媒体搬送の駆動とキャリッジの駆動との2系統の駆動列でキャッピング手段と吸引圧力発生手段の動作を行なうため、部品構成が多かったりまた記録媒体搬送の駆動とキャリッジの駆動との切り換え動作が複雑であった。
【0006】
そこで本発明は、上記従来例の有する実情に鑑み、一括同時吸引と個別吸引とを合わせ持つ構成において部品点数が減り、簡単な構成で装置の小型化を図れる構造のインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、記録ヘッドの吐出口面をキャッピングするキャッピング手段と、該キャッピング手段を介して負圧を発生させるポンプユニットと、前記キャッピング手段および前記ポンプユニットを駆動するための駆動源と、を有し、該駆動源が第1の方向に回転することにより前記キャッピング手段が駆動され、前記駆動源が前記第1の方向と反対の第2の方向に回転することにより前記ポンプユニットが駆動されるインクジェット記録装置であって、
前記駆動源の駆動力を前記駆動源の回転方向に応じて前記キャッピング手段または前記ポンプユニットに伝達する遊星ギアと、
前記駆動源の前記第1の方向への回転時に前記遊星ギアと噛み合い、前記駆動源の駆動力を前記キャッピング手段に伝達する吸引カムのギア部と、
前記駆動源の前記第2の方向への回転時に前記遊星ギアと噛み合い、前記駆動源の駆動力を前記ポンプユニットに伝達する第1のギアと、を備え、
該第1のギアは、前記ポンプユニットを駆動するコロホルダーのギア部と噛み合う該ギア部と同歯数のギア部を有して、回転する軸のスラスト方向に移動可能であり、かつ、ばねにより前記吸引カムの方向に付勢されるとともに該吸引カムにより押し下げられた状態で前記遊星ギアからの駆動力を前記コロホルダーのギア部に対して伝達しなくなる欠歯部を有することを特徴とする。
【0010】
また本発明は、複数の記録ヘッドより一括して吸引する一括吸引モードと、それぞれの記録ヘッドより個別に吸引する個別吸引モードと、を備えることを特徴とする。
【0011】
前記キャッピング手段のキャップのうち全部ないし一部は、吸引用のキャップと放置用のキャップの兼用の構成であることを特徴とする。
【0012】
前記ポンプユニットは、チューブと、チューブを押しつぶすための加圧部材と、加圧ガイドと、を備えることを特徴とする。
【0013】
また、前記インク吐出口面をワイピングするワイピング手段を備えることを特徴とする。
【0019】
【作用】
上記のとおりの発明では、複雑になりがちな記録媒体搬送の駆動とキャリッジの駆動との2系統の駆動列を利用しなくても、駆動源の駆動方向の切替えのみでキャッピング動作にしたり、吸引動作にしたりすることが可能である。そのため、更に簡単な構成で装置の小型化を図れる。
【0020】
また、複数の記録ヘッドに対する一括同時吸引と個別吸引とを合わせ持つ構成はそのまま維持できるため、インクの無為な浪費を無くして、ランニングコストを低減でき、廃インク容器の容量も必要最小限の大きさで済むため、これによっても装置の小型化が図れる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0022】
まず、参考例を説明する。図1は本発明のインクジェット記録装置の参考例1を示す分解斜視図、図2はキャリッジおよびそのキャリッジ上に搭載可能な記録ヘッドおよびインクタンクの構成を示す分解斜視図、図3は記録部および液供給システムを示す概略正面図である。
【0023】
本参考例のインクジェット記録装置は、図1乃至図3に示すようにキャリッジ6を備え、キャリッジ6には、記録ヘッド8と、処理液のインクタンク9Sと、色インクタンク9BK、9C、9M、9Yが搭載可能になっている。
【0024】
この例は、処理液のインクタンクとイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色インクタンクが全て独立に交換可能な構成の場合である。ここで、処理液は低分子成分と高分子成分のカチオン性物質を含むものであり、インクはアニオン性染料を含むもの等を用い、前記処理液との混合により不溶化されるものである。
【0025】
記録ヘッド8はブラック、処理液、カラーの3つのノズル列の一体ヘッド構成になっている。そのうちカラーのノズル列はイエロー、マゼンタ、シアンの3つのノズル列が縦一直線に並ぶ3色一体型のヘッド構成である。
【0026】
キャリッジ6は、記録ヘッド8と処理液のインクタンク9Sと色インクタンク9BK、9C、9M、9Yとを位置決めして搭載するキャリッジベース201と、このキャリッジベース201上に搭載された記録ヘッド8を保持するヘッドレバー202とから概略構成されている。
【0027】
記録ヘッド8の上方には記録ヘッドの駆動を行なうための信号などを受けるためのコネクタ8022が設けられており、キャリッジ6に設けられたコネクタ6022と電気的に接続されている。
【0028】
また、記録ヘッド8には処理液のインクタンク9Sと色インクタンク9BK、9C、9M、9Yからのインク供給を行なう色インク毎のインク供給口8030が5個(図2中の左から処理液供給口8030S、ブラックインク供給口8030Bk、シアンインク供給口8030C、マゼンタインク供給口8030M、イエローインク8030Y)あり、そこからヘッド内の流路を通りヘッドの各ノズルへインクが供給される。
【0029】
処理液のインクタンク9Sと色インクタンク9BK、9C、9M、9Yは、記録ヘッド8に接続しインクを供給する供給口913、914(図3参照)を持つ。また、インクタンク9(9S、9BK、9C、9M、9Y)は、その内部にそれぞれ2室を有しており、供給口913、914から見て前室に配設された吸収体917、918と、後室に収容された処理液920又は生インク919を有する、いわゆる半生タイプと呼ばれるインクタンクである。
【0030】
図1において、本装置を構成する略コ字状のシャーシ1の両側壁には、キャリッジ6を摺動自在に支持するガイドシャフト4およびサポートシャフト103が配設されている。これら両シャフト上を主走査方向に往復移動するキャリッジ6の駆動力は、タイミングベルト10を介してキャリッジモータ104から与えられる。
【0031】
また、紙などの被記録材(不図示)の挟持搬送は、図1に示す様にプラテンローラ2およびピンチローラ3により行なわれ、プラテン16上に被記録材が搬送される。この時、キャリッジ6に搭載された記録ヘッド8のヘッド部(不図示)はキャリッジ6から下方へ突出して、ヘッド部の吐出口形成面は、プラテン16上の被記録材(不図示)に対して平行に対向するようになっている。
【0032】
さらに、本装置のホームポジション側(図1の印字領域の左側)に配設してあるのは回復系ユニット15である。図4は、この回復系ユニット15の斜視図である。
【0033】
回復系ユニット14は記録ヘッド8の各ノズル列に対応するように、ブラック用キャップ112と、処理液用キャップ113と、カラー用キャップ114とを備えている。ここでは、ブラック用キャップ112と処理液用キャップ113とカラー用キャップ114は共に吸引キャップと放置キャップ兼用の構成である。
【0034】
それぞれのキャップ112、113、114は、図4に示すようにキャップホルダー122、123、124に支持されている。キャップホルダー122、123、124は、回復系ベース130に回動可能に軸止されたキャップレバー132、133、134の一端に固定されている。このように特許請求の範囲に記載のキャッピング手段は、キャップ、キャップホルダー、キャップレバー等からなる。
【0035】
キャップレバーばね132SP、133SP、134SPによりキャップレバー132、133、134がそれぞれ付勢されて、キャップレバー132、133、134の一部分が、キャッピング制御手段である吸引カム140のキャップレバー132、133、134にそれぞれ対応するカム面141Bk、141S,141YMCに当接されている。これにより、吸引カム140が回転すると、キャップレバー132、133、134は上下方向に回動し、それに伴い各キャップ112、113、114は上下方向に移動する構成になっている。
【0036】
ブラック用キャップ112と処理液用キャップ113とカラー用キャップ114はそれぞれキャップホルダー122、123、124を介してポンプユニット119のチューブ150、146、145に連通している。ポンプユニット119は、記録ヘッド8が吐出不良になった場合、キャップユニットと記録ヘッドを接合させて記録ヘッドの吐出口からインクを吸引する吸引回復処理などに際して、負圧を発生させるために用いる。このように特許請求の範囲に記載した吸引圧力発生手段として本形態に示されるポンプユニット119は、いわゆるチューブポンプと呼ばれるものである。
【0037】
ポンプユニット119はブラックインク用のチューブ150と、処理液用のチューブ146と、カラーインク用のチューブ145と、コロホルダー144と、加圧コロ(加圧部材)147と、回復系ベース130の加圧ガイド(不図示)とから構成される。コロホルダー144は回復系ベース130に回動可能に軸止されている。コロホルダー144にガイドされたチューブ150、145、146を、コロホルダー144に軸止された加圧コロ147と加圧ガイド(不図示)で押しつぶしながらチューブ150、145、146をしごくことでキャップ内に負圧を発生させる。
【0038】
廃液はそれぞれ独立した経路により本体40の廃インクタンク401(図1参照)に送られる。これはキャップ内やポンプ内で記録用色インクと処理液の接触による不溶化がポンプ内で起こらない様にするためである。
【0039】
図5の(a)はキャップ退避状態、図5の(b)は放置キャッピング状態、図6の(a)はブラックインク吸引状態、図6の(b)は処理液吸引状態、図6の(c)はカラーインク吸引状態を示している。
【0040】
図5および図6に示すように、キャリッジのホームポジションにおいて処理液および各色のヘッド部にそれぞれキャッピングが行なわれることにより、記録ヘッド8の吐出口形成面付近で記録インクと処理液が混ざって固まることはない。
【0041】
記録ヘッドがホームポジションで一定時間以上待機するときは、図5(b)に示すように、すべてのキャップが記録ヘッド部と当接してこれをキャッピングし、記録ヘッドの吐出口内のインクが蒸発することに起因する増粘や固着による吐出不良を防止する。そして、この状態で前記チューブポンプを動作させることにより全ヘッドの一括同時吸引が行なえる。
【0042】
また、印字中は図5(a)に示すように全キャップを退避させる。そして、この状態で前記チューブポンプを動作させることにより印字中でも空吸引を行なうことが可能である。予備吐はキャップを退避させた状態でそれぞれのキャップ内に行なう。そしてこの状態でチューブポンプを動作させることにより予備吐によりたまったキャップ内のインクのみを吸引する空吸引が可能である。
【0043】
これらの動作は、図7のタイミングチャートに示すように、吸引カム140の回転角度を制御することで行われる。
【0044】
ブラックインク用の記録ヘッドの吸引回復時は図6(a)に示すようにブラック用キャップ112のみ記録ヘッドと当接し、処理液用の記録ヘッドの吸引回復時は図6(b)に示すように処理液用キャップ113のみ記録ヘッドと当接し、カラーインク用の記録ヘッドの吸引回復時は図6(c)に示すようにカラー用キャップ114のみ記録ヘッドと当接するように、吸引カム140の回転角度を制御することで各キャップを独立に上下方向に移動可能にしている。この状態で前記チューブポンプを動作させることにより各ヘッド毎の個別吸引が可能である。
【0045】
これらのキャップ動作も吸引カムの回転角度を制御することで行なっている(図7参照)。
【0046】
図4に戻り、回復ユニット15には、さらにワイピング手段として、処理液記録ヘッドの吐出口部(ノズル表面)をワイピングする処理液ブレード117と、ブラックインク及びカラーインク記録ヘッドの吐出口部(ノズル表面)をワイピングするための色インクブレード118が配設されている。処理液ブレード117と色インクブレード118は回復系ベース130を間において隣接することなく配設されている。
【0047】
これらの各ブレード117、118は、記録ヘッドの吐出口形成面に付着した色インクや処理液をワイピングするための、ゴムなどの弾性部材で形成されたブレードである。ブレード117、118はそれぞれ回復系ベース130に回動可能に軸止されたブレードアーム142、143に取付けられている。ブレードアーム142、143はそれぞればね142SP、143SPに引っ張られていることでそれらの一部分が吸引カム140のカム面(不図示)に当接している。そして、吸引カム140が回転した時に各ブレードアームの一部分が吸引カム140のカム面(不図示)を摺動することで、各ブレードは上下方向に移動して、記録ヘッド面をワイピングすべく上昇した位置と、記録ヘッド面に干渉しないように下降した位置になる構成である。これらの位置は吸引カムの回転角度により制御されている(図7参照)。
【0048】
ワイピングにより記録ヘッドの吐出口形成面付近で色インクと処理液が混ざって固まることを防ぐために、処理液吐出部分をワイピングする処理液ブレード117と、色インク吐出部分をワイピングするための色インクブレード118を独立に設け、さらに独立に移動可能な構成にして上下動できるようになっている。
【0049】
ワイピングは、ブレードを上昇させた位置において、記録ヘッドを移動することにより行なわれる。
【0050】
このようなワイピング動作を図8に示す。図8の(a)は処理液記録ヘッドのワイピング状態、図8の(b)および(c)は色インク記録ヘッドのワイピング状態である。
【0051】
本例では色インクブレード118は回復系ベース130の右側(印字領域側)、処理液ブレード117は回復系ベース130を介して色インクブレード118の反対側、つまり回復系ベース130の左側(シャーシ側)に配設した。逆に配設することも可能だが、複数の色インク用の記録ヘッドをワイピングする場合は、回復系ベース130より左側(シャーシ側)への記録ヘッドの移動量が多くなるため装置幅が広がることになり装置の小型化の観点から望ましくない。
【0052】
次に、図9乃至図12を参照し、キャッピング、ワイピングを制御する吸引カム及びチューブポンプへの駆動伝達系について説明する。図9乃至図12は本発明の参考例1による駆動伝達系を説明するための図である。
【0053】
図9乃至図11において、本発明の駆動源である駆動モーター200の出力ギアはアイドルギア203を介して太陽ギア204に噛み合っている。太陽ギア204とこれに噛み合う遊星ギア205とは駆動切替手段であるギアレバー206に狭持され、かつ回転可能に軸支されている。そして、太陽ギア204とギアレバー206は共に回復系ベース130に同一軸により軸支されている。ギアレバー206の太陽ギア204を軸支する部分はギアレバーばね207により押圧されて、ギアレバー206に挟持された太陽ギア204との間に摩擦力を生じさせている(図10参照)。駆動モーター200により駆動力を伝えられた太陽ギア204が回転すると、ギアレバー206は摩擦力により同方向に回転しそれに伴い、遊星ギア205も太陽ギア204の円周上を同方向に移動する。
【0054】
遊星ギア205は太陽ギア204の軸中心に対して反時計回りに移動されると、回復系ベース130に回転自在に軸止された吸引カム140のギア部140Gに噛み合い(図9(a)参照)、その結果、吸引カム140は反時計回りに回転する。
【0055】
太陽ギア204が時計回りの駆動を受けると、遊星ギア205は太陽ギア204の軸中心に対して時計回りに移動し、回復系ベース130に回転自在に軸止されたアイドルギア208のギア部208G1と噛み合う(図9(b)参照)。このとき、遊星ギア205と、吸引カム140のギア部140Gとの噛み合いは途切れる。また、アイドルギア208のもう一つのギア部208G2は回復系ベース130に回転自在に軸止されたコロホルダー144のギア部144Gと噛み合っているため、コロホルダー144が反時計回りに回転する。
【0056】
このように駆動モーター200の回転方向を切り換えることにより、キャッピング動作とチューブポンプの動作を切り換えることができる。
【0057】
また、ギアレバー206の遊星ギア205を軸支する軸受近傍にはフランジ207が突設されている。吸引カム140のギア部140Gと、遊星ギア205とが噛み合っているとき、吸引カム140のリブ140Rの内壁に沿うように位置し(図11(a)参照)、噛み合いが外れない(歯とびがおきない)構成になっている。
【0058】
リブ140Rは一部切り欠かれており、この切欠き部分は、吸引カム140の吸引ポジションにおいて遊星ギア205が太陽ギア204の軸中心に対して移動できるように設定されている(図11(b)参照)。
【0059】
本例において、吸引カム140とコロホルダー144のホームポジションの位置出しは、不図示の電気的なセンサー(例えばフォトインタラプタなど)をそれぞれ使用することで行っている。
【0060】
また、回復系ベース130には、図4および図12に示すようにキャッピング位置決め手段としてのCRレバー160が回転自在に軸支されている。CRレバー160の一端はキャッピング制御手段としての吸引カム140のカム部にCRレバーバネ160SPにより付勢されて当接しているため、吸引カム140の回転によりCRレバー160は上下動作を行なう。
【0061】
CRレバー160はキャリッジ6のホームポジションで上がった状態になるように制御され、このとき、CRレバー160に設けられた嵌合凸部161は、キャリッジもしくは記録ヘッド8に設けられた嵌合凹部162と嵌合し、キャッピング時に於ける記録ヘッド8とキャップの当接位置を保証する(図12(b)参照)。印字中はCRレバー160は下げられキャリッジの移動を妨げないようになっている(図12(a)参照)。
【0062】
次に図13乃至図17を参照し、参考例2について説明する。
【0063】
本参考例は参考例1のヘッド構成をノズル列3列から5列にした場合である。すなわち、参考例1でのカラー用の縦一直線の3つのノズル列をそれぞれ独立にして、処理液、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの5つのノズル列を並列にした一体構成の記録ヘッドになっている。またここでは、タンク、キャリッジなどの参考例1と同じ構成の説明は省略する。
【0064】
図13は参考例2の回復系ユニットを示す分解斜視図である。
【0065】
図13に示す回復系ユニット2015には、前記記録ヘッドの5つのノズル列に対応するように、印字領域側からイエロー(Y)用キャップ2116、マゼンダ(M)用キャップ2115、シアン(C)用キャップ2114、ブラック(BK)用キャップ2112、処理液(S)用キャップ2113が配置されている。
【0066】
ここでは、処理液用キャップ2113とイエロー用キャップ2116は個別吸引キャップと放置キャップ兼用であり、ブラック用キャップ2112と、シアン用キャップ2114と、マゼンダ用キャップ2115は一括同時吸引キャップと放置キャップ兼用である。よって、Yはもちろん、キャリッジを移動することによりBK、C、Mの個別吸引もイエロー用キャップ2116にて行なうことができる構成である。
【0067】
図14(a)は放置キャッピング状態、図14(b)はキャップ退避状態、図15(a)は処理液吸引状態、図15(b)は色インク(ここではイエローインク)吸引状態である。
【0068】
本形態では、色インクの個別吸引キャップは1個であるため、他の色(マゼンタインク、シアンインク、ブラックインク)の吸引はそれぞれ図16の(a)、(b)、(c)に示す様に、キャリッジを移動させてイエロー用キャップ2116にて行っている。一括同時吸引は、図14(a)に示す放置キャッピング状態でチューブポンプを動作させることで行なう。
【0069】
各キャップ2112〜2116はそれぞれキャップホルダー2122〜2126に支持されている。そして回復系ベース130にはキャップレバー2132、2133、2134が回動可能に軸支され、キャップレバー2132にはキャップボルダー2123の1つ、キャップレバー2133にはキャップホルダー2122、2124、2125の3つ、キャップレバー2134にはキャップホルダー2126の1つが取り付けられている。
【0070】
このように本参考例は、参考例1と異なり、キャップホルダー2122、2124、2125は3連同時にキャップレバー2133で動作する。
【0071】
また、キャップレバーばね132SP、133SP、134SPによりキャップレバー2132、2133、2134がそれぞれ付勢されていて、キャップレバー2132、2133、2134の一部分が、吸引カム2140のキャップレバー2132、2133、2134にそれぞれ対応するカム面2141S、141BKMC、2141Yに当接している。これにより、吸引カム140が回転すると、キャップレバー2132、2133、2134は上下方向に回動し、それに伴いキャップ2113又は、キャップ2112、2114、2115の組、キャップ2116は上下方向に移動する構成になっている。
【0072】
回復系ユニット2015の処理液用キャップ2113とイエロー用キャップ2116はそれぞれキャップホルダー2123、2126を介してポンプユニット2119のチューブ2146、2145に連通している。
【0073】
ブラック用キャップ2112、シアン用キャップ2114、マゼンダ用キャップ2115はそれぞれ、キャップホルダー2122、2124、2125とジョイントチューブ2151、2152、2153とジョイント2154を介して、ポンプユニット2119のチューブ2150に連通している(図17参照)。
【0074】
その他、回復系ユニットへの駆動伝達系は参考例1と同様である。
【0075】
次に図18乃至図20を参照し、本発明の一実施形態について説明する。
【0076】
上述した参考例1では、吸引カム140とコロホルダー144のホームポジションの位置出しは電気的なセンサー(例えばフォトインタラプタなど)をそれぞれ使用することで行なうこととした。
【0077】
本形態においては、下述するように、電気的なセンサーは吸引カム140に対してのみ使用し、コロホルダー144は電気的なセンサーは使用せずにメカ構成によりホームポジションの位置出しを行なう。
【0078】
図18および図19は本発明の第3の実施形態における駆動伝達系を説明するための図である。
【0079】
図18および図19において、遊星ギア205から駆動力を受け、その駆動力をコロホルダー144のギア部144Gに伝達するアイドルギア2208は、回復系ベース130に回転自在に軸支され、かつ、軸のスラスト方向に移動可能になっている。そして、アイドルギア2208はアイドルギアばね2210により矢印A方向に付勢されることで、吸引カム140のカム部140Kとアイドルギア2208のフランジ2208Fが当接している。これにより、吸引カムの回転時にはカム部140Kとフランジ2208Fが摺動し、アイドルギア2208は吸引カム140の任意の位置でカム部140Kにより上下動作が可能になっている。
【0080】
遊星ギア205と噛み合うアイドルギア2208のギア部2208G1の一部には、駆動遮断手段としての欠歯部2208Kが設けられている。アイドルギア2208は押し上げられた状態では、欠歯部2208Kが遊星ギア205の位置からなくなるためアイドルギア2208のギア部2208G1と遊星ギア203とは噛み合い、常に駆動を伝達するが、吸引カム140のカム部140Kにアイドルギア2208が押し下げられた状態では、欠歯部2208Kが遊星ギア205の位置に来るためアイドルギア2208は一定の間コロホルダー144のギア部144Gに対して駆動力を伝達しなくなる。そして、コロホルダー144のギア部144Gとアイドルギア2208のギア部2208G2を同歯数にすることでコロホルダー144は常に定められた位置に停止することが可能になる。
【0081】
また、コロホルダー144のホームポジションとして定められた停止位置では、コロホルダー144は回転しないように位置決めされる。
【0082】
図20および図21はコロホルダー144の回転抑制手段を説明するための図である。
【0083】
本形態では、コロホルダー144の底面に回転抑制手段2207を設けている。この回転抑制手段2207は弾性のある凸部であり、回復系ベース130に回転抑制手段2207と対向するように設けた凹部2209に嵌合し、凸部の弾性力以下の外力ではコロホルダー144が回転することはない。よって、欠歯部2208Kにより遊星ギア205とアイドルギア2208の噛み合いが切れていても、アイドルギア2208と噛み合うコロホルダー144のホームポジション位置はずれることはない。
【0084】
【発明の効果】
本発明は、加圧ガイド、加圧コロ、コロホルダー等のメカ部品を独立に動作させる必要があるための部品点数を増やすことなく更に簡単な構成で装置の小型化を図ることができる。しかも一括同時吸引と個別吸引とを合わせ持つ構成により、インクの無為な浪費をなくして、ランニングコストを低減でき、廃インク容器の容量も必要最小限の大きさで済むため、これによっても装置の小型化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例1のインクジェット記録装置を示す分解斜視図である。
【図2】 参考例1のインクジェット記録装置におけるキャリッジおよびそのキャリッジ上に搭載可能な記録ヘッドおよびインクタンクの構成を示す分解斜視図である。
【図3】 参考例1のインクジェット記録装置における記録部および液供給システムを示す概略正面図である。
【図4】 参考例1のインクジェット記録装置の回復系ユニットの構成を示す分解斜視図である。
【図5】 参考例1のインクジェット記録装置の回復系動作を説明するための図であり、(a)はキャップ退避状態、(b)は放置キャッピング状態を示している。
【図6】 参考例1のインクジェット記録装置の回復系動作を説明するための図であり、(a)はブラックインク吸引状態、(b)は処理液吸引状態、(c)はカラーインク吸引状態を示している。
【図7】 参考例1のインクジェット記録装置の回復系動作のタイミングチャートである。
【図8】 参考例1のインクジェット記録装置のワイピング動作を説明するための図であり、(a)は処理液記録ヘッドのワイピング状態、(b)および(c)は色インク記録ヘッドのワイピング状態を示している。
【図9】 参考例1のインクジェット記録装置の回復系を駆動伝達機構を説明するための図である。
【図10】 参考例1のインクジェット記録装置の回復系を駆動伝達機構を説明するための図である。
【図11】 参考例1のインクジェット記録装置の回復系を駆動伝達機構を説明するための図である。
【図12】 参考例1のインクジェット記録装置の回復系におけるキャッピング位置決め手段を説明するための図である。
【図13】 参考例2のインクジェット記録装置の回復系ユニットの構成を示す分解斜視図である。
【図14】 参考例2のインクジェット記録装置の回復系動作を説明するための図であり、(a)は放置キャッピング状態、(b)はキャップ退避状態を示している。
【図15】 参考例2のインクジェット記録装置の回復系動作を説明するための図であり、(a)は処理液吸引状態、(b)はイエローインク吸引状態を示している。
【図16】 参考例2のインクジェット記録装置の回復系動作を説明するための図であり、(a)はイエロー用キャップによるマゼンダインク吸引状態、(b)は同キャップによるシアンインク吸引状態、(c)は同キャップによるブラックインク吸引状態を示している。
【図17】 参考例2のインクジェット記録装置の回復系ユニットにおけるキャップとポンプユニットの連通状態を説明するための図である。
【図18】 本発明のインクジェット記録装置の一実施形態における駆動伝達系を説明するための図である。
【図19】 本発明のインクジェット記録装置の一実施形態における駆動伝達系を説明するための図である。
【図20】 本発明のインクジェット記録装置の一実施形態におけるコロホルダーの回転抑制手段を説明するための図である。
【図21】 本発明のインクジェット記録装置の一実施形態におけるコロホルダーの回転抑制手段を説明するための図である。
【符号の説明】
1 シャーシ
2 プラテンローラ
3 ピンチローラ
4 ガイドシャフト
6 キャリッジ
7 フレキシブルケーブル
8 記録ヘッド
9 インクタンク
9Y イエローインクタンク
9M マゼンダインクタンク
9C シアンインクタンク
9BK ブラックインクタンク
9S 処理液タンク
10 タイミングベルト
15 回復系ユニット
16 プラテン
40 本体
103 サポートシャフト
104 キャリッジモータ
110 紙送りモータ
201 キャリッジベース
202 ヘッドレバー
401 廃インクタンク
913 色インクの供給口
914 処理液の供給口
917、918 吸収体
919 色インク
920 前処理液
6022 コネクタ
8030 インク供給口
8030S 処理液供給口
8030Y イエローインク供給口
8030M マゼンダインク供給口
8030C シアンインク供給口
8030Bk ブラックインク供給口
112、2112 ブラック用キャップ
113、2113 処理液用キャップ
114 カラー用キャップ
2114 シアン用キャップ
2115 マゼンダ用キャップ
2116 イエロー用キャップ
122、123、124、2122、2123、2124、2125、2126 キャップホルダー
132、133、134、2132、2133、2134 キャップレバー 117 処理液ブレード
118 インクブレード
119、2119 ポンプユニット
142、143 ブレードアーム
140、2140 吸引カム
141、2141 カム面
145、146、150、2145、2146、2150、2151、2152、2153 チューブ
2154 ジョイント
144 コロホルダー
147 加圧コロ
200 駆動モーター
203、208、2208 アイドルギア
204 太陽ギア
205 遊星ギア
206 ギアレバー
207 ギアレバーばね
209 フランジ
2210 アイドルギアばね
2207 回転抑制手段
2209 凹部
132SP、133SP、134SP キャップレバーばね
160 CRレバー
160SP CRレバーばね
161 嵌合凸部
162 嵌合凹部
140G、144G、208G1、208G2、2208G1、2208G2 ギア部
2208K 欠歯部
Claims (5)
- 記録ヘッドの吐出口面をキャッピングするキャッピング手段と、該キャッピング手段を介して負圧を発生させるポンプユニットと、前記キャッピング手段および前記ポンプユニットを駆動するための駆動源と、を有し、該駆動源が第1の方向に回転することにより前記キャッピング手段が駆動され、前記駆動源が前記第1の方向と反対の第2の方向に回転することにより前記ポンプユニットが駆動されるインクジェット記録装置であって、
前記駆動源の駆動力を前記駆動源の回転方向に応じて前記キャッピング手段または前記ポンプユニットに伝達する遊星ギアと、
前記駆動源の前記第1の方向への回転時に前記遊星ギアと噛み合い、前記駆動源の駆動力を前記キャッピング手段に伝達する吸引カムのギア部と、
前記駆動源の前記第2の方向への回転時に前記遊星ギアと噛み合い、前記駆動源の駆動力を前記ポンプユニットに伝達する第1のギアと、を備え、
該第1のギアは、前記ポンプユニットを駆動するコロホルダーのギア部と噛み合う該ギア部と同歯数のギア部を有して、回転する軸のスラスト方向に移動可能であり、かつ、ばねにより前記吸引カムの方向に付勢されるとともに該吸引カムにより押し下げられた状態で前記遊星ギアからの駆動力を前記コロホルダーのギア部に対して伝達しなくなる欠歯部を有することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 複数の記録ヘッドより一括して吸引する一括吸引モードと、それぞれの記録ヘッドより個別に吸引する個別吸引モードと、を備えることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 前記キャッピング手段のキャップのうち全部ないし一部は、吸引用のキャップと放置用のキャップと兼用の構成であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 前記ポンプユニットは、チューブと、チューブを押しつぶすための加圧部材と、加圧ガイドと、を備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記インク吐出口面をワイピングするワイピング手段を備えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
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