JP3756545B2 - 錠装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、一端が枠体に揺動自在に枢支される扉に好適に用いられる錠装置に関し、特に、移動して設置可能な簡易トイレなどの屋外に設置される構造物の扉に好適に用いられる錠装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
トイレの扉などの一端が枠体に揺動自在に枢支される扉には、従来から、構造の簡単なスライド式の錠装置が用いられている。このスライド式の錠装置は、扉に設けられ、水平面上で扉の揺動方向とは垂直方向に変位可能な掛け金およびその掛け金を変位操作するためのハンドルと、枠体側に設けられ、前記掛け金が嵌入する留め具とを備えて構成されている。扉を施錠する場合には、使用者がハンドルを手動操作し、掛け金の一端を扉の他端から突出させて、前記留め具に嵌入させる。
【0003】
このような構造のスライド式錠装置は、ノブなどを回転させることによって、前記留め金を変位操作するシリンダー錠(回転式錠装置)に比べて、施錠の確認が容易に行うことができ、また操作性の点でも優れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のようなスライド式錠装置では、扉の内方側に誰もいない前記トイレの未使用時には、扉は揺動自在である。したがって、該スライド式錠装置が、特に移動して設置可能な簡易トイレなどの屋外に設置される構造物の扉として用いられる場合には、風などによって扉は容易に揺動してしまう。したがって、このような扉の揺動を防止するためには、ドアチェックやスプリング入り蝶番などの該スライド式錠装置とは別部品をさらに設ける必要があり、構造および取付作業が煩雑になるという問題がある。
【0005】
一方、扉の外方側から前記掛け金を変位操作可能とすることによって、扉を施錠可能とした場合には、前述のような扉の内方側に誰もいない状態であっても、扉の揺動を防止することができる。しかしながら、単にこのように扉の外方側から掛け金を変位操作可能とするだけでは、扉を外方側から閉めるときにも、掛け金の変位操作が必要となり、操作が煩雑である。
【0006】
本発明の目的は、良好な操作性で、かつ別部品を用いることなく、扉を閉状態に保持することができる錠装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係る錠装置は、一端が枠体に揺動自在に枢支される扉の錠装置において、前記扉に取付けられる筺体と、前記筺体内を扉の揺動方向とは交差する方向に摺動自在に設けられ、一端が扉の他端から突出または後退することができ、かつ前記一端に案内斜面が形成されるラッチ部材と、前記ラッチ部材に固定され、扉の内方側および外方側から該ラッチ部材を摺動変位させることのできるハンドルと、前記ラッチ部材を、該ラッチ部材の一端が扉の他端から突出する方向に弾発的に付勢するばね部材と、前記ラッチ部材を突出位置に保持する保持部材であって、前記ラッチ部材の他端付近に臨んで、筺体に角変位自在に設けられ、扉の内方側から角変位操作される操作片と、前記操作片に連動にして、突出位置にあるラッチ部材の他端に当接する施錠位置と、前記ラッチ部材の変位領域から退避して該ラッチ部材を摺動変位可能とする解錠位置との間で角変位し、予め定める工具によって、扉の外方側から角変位操作可能である係止片と、前記係止片が前記施錠位置または解錠位置にあるときに、その状態を保持するように弾発的に付勢する反転ばねとを備えるそのような保持部材と、枠体において前記ラッチ部材に対向して設けられ、該ラッチ部材の一端が嵌入するための凹所を有する係止部材とを含み、前記ラッチ部材は、扉が閉じられるときに案内斜面が係止部材の凹所の周縁部に摺接することによって後退し、扉が完全に閉じられると突出して前記一端が凹所に嵌入し係止されることを特徴とする。
【0008】
また、前記係止部材は、前記凹所を形成し、脚部に外ねじの形成された門形の受部材と、前記枠体の内方側および外方側にそれぞれ設けられ、前記受部材の脚部が挿通する挿通孔が形成された一対の取付板と、前記取付板に形成された挿通孔および枠体に形成された遊通孔を連通し、取付板に枠体を挟持させる取付ボルトおよびナットと、前記取付板に、前記受部材の脚部を、該脚部に形成された外ねじの任意の位置で保持固定するための一対のナットとを備えることを特徴とする。
【0009】
【作用】
請求項1の発明に従えば、一端が枠体に揺動自在に枢支されるトイレの扉などで使用される錠装置において、該扉を枠体に係止させるためのラッチ部材を、扉に、該扉の揺動方向とは交差する方向に摺動自在に設け、かつこのラッチ部材をバネ部材によって突出方向に弾発的に付勢しておくとともに、突出位置で保持して施錠可能なように保持部材を設ける。
【0010】
すなわち、前記ラッチ部材を、扉に取付けられる筺体内に前記扉の揺動方向とは交差する方向に摺動自在であり、かつ一端が扉の他端から突出または後退することができるように設ける。前記ラッチ部材は、該ラッチ部材に固定されるハンドルによって扉の内方側および扉の外方側から摺動変位可能とされ、バネ部材によってその一端が扉の他端から突出する方向に弾発的に付勢されている。枠体には前記ラッチ部材に対向して係止部材が設けられており、扉が閉じられている状態では、前記ラッチ部材の一端がこの係止部材の凹所内に嵌入して、扉は揺動変位しないように係止されている。
【0011】
したがって、使用者は、扉の内方側および外方側のいずれからでも、ラッチ部材を後退方向に摺動変位させるだけの簡単な操作で扉を開けることができる。
【0012】
また、使用者の前記後退方向への操作力が解除されると、ラッチ部材はバネ部材の弾発力によってその一端が扉の他端から突出しており、したがって前記使用者が扉を閉じた状態で前記後退方向への操作力を解除することによって、前記ラッチ部材の一端が係止部材の凹所に嵌入し、扉は閉状態で保持される。また使用者が扉を閉め忘れても、風などによって扉が揺動し、該扉が閉じられる方向に変位されると、前記ラッチ部材の一端に形成されている案内斜面が前記係止部材の凹所の周縁部に摺接してゆき、これによって該ラッチ部材が後退し、扉が完全に閉まると、前記バネ部材の弾発力によって、該ラッチ部材はその一端が係止部材の凹所内に嵌入して扉は閉状態で保持される。
【0013】
したがって、使用者が扉を閉め忘れ、あるいは完全に閉めていなくても、風などによって一旦扉が閉まると、ラッチ部材の一端が係止部材の凹所に嵌入して、該扉は閉状態で保持され、扉が開いたままになるような不具合を防止することができる。したがって、扉を閉状態に保持するための前記ドアチェックやスプリング入り蝶番などの別部品を設ける必要がなく、構成および取付作業を簡略化することができる。
【0014】
さらにまた、上述のように扉が閉まっている状態では、ラッチ部材は係止部材内に突出しており、この状態で使用者は保持部材を操作することによって、ラッチ部材を突出位置に保持、すなわち扉を施錠することができる。したがって、摺動変位するラッチ部材に一体で施錠のための構成を設けることができ、構成を簡略化することができる。
【0015】
また、前記保持部材を、ラッチ部材の他端付近に臨むように筺体に角変位自在に設けられる操作片と、該操作片に連動して、たとえば同軸に設けられて角変位する係止片と、係止片の状態を保持する反転バネとを備えて構成する。前記操作片は扉の内方側から角変位操作可能であり、使用者が角変位操作を行うと、たとえば径の異なる回転部材などで実現される係止片が、突出位置にあるラッチ部材の他端に当接する施錠位置と、ラッチ部材の変位領域から退避してラッチ部材を摺動変位可能とする解錠位置との間で角変位する。前記係止片は、反転ばねによって、前記施錠位置または解錠位置にあるときにその状態を保持するように弾発的に付勢されている。
【0016】
したがって、使用者が角変位操作の途中で操作を止めても、遷移状態にある係止片は、反転バネの弾発力によって、前記施錠位置または解錠位置まで変位され、こうして簡単な構造で安定した動作を実現することができる。
【0017】
さらにまた、前記係止片を、マイナスドライバーなどの予め定める工具によって、扉の外方側からも角変位操作可能とする。
【0018】
したがって、子供が係止片を誤って操作するなどして、扉の内方側に閉じ込められてしまうような緊急事態が発生しても、前記予め定める工具を用いることによって、扉の外方側から解錠を行うことができ、安全性を向上することができる。
【0019】
また、前記係止部材を、門形の受部材と、一対の取付板と、該取付板を枠体に固定するための取付けボルトおよびナットと、一対のナットとを備えて構成する。前記受部材において、門形の脚部には外ねじが形成されており、また両脚部を連結する連結部が前記ラッチ部材の案内斜面に摺接する。前記受部材は、取付板に対して、該受部材の脚部に形成された外ねじに螺着される一対のナットによって前記取付板を挟持するようにして取付けられている。また前記取付板は、該取付板を挿通する取付けボルトとナットとによって、枠体に固定される。このとき、枠体に形成される前記取付けボルトのための挿通孔は遊通孔であり、したがって該遊通孔の孔径の範囲内で取付板を変位させて任意の位置に取付けることができる。
【0020】
したがって、扉と枠体との製造上の微妙なずれや温度変化などによって生じるずれに対して、高い精度で、受部材をラッチ部材に最適な位置に取付けることができる。
【0021】
【実施例】
本発明の一実施例について、図1〜図5に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0022】
図1は本発明の一実施例の錠装置1の分解斜視図であり、図2はその錠装置1の動作を説明するための水平断面図である。この錠装置1は、屋外に設置される可搬式の簡易トイレの錠装置として用いられる。この錠装置1は、扉2の内方側に取付けられる錠機構3と、枠体4に取付けられる係止部材5とを備えて構成されている。扉2は、図示しない該扉2の一端側において、蝶番などによって枠体4に揺動自在に取付けられている。
【0023】
図3は前記錠機構3の背面図である。図1〜図3を参照して、前記錠機構3は、大略的に、水平面上で扉2の揺動方向6とは垂直な変位方向7に摺動変位することができるラッチ部材8と、該ラッチ部材8を収納する筺体9と、前記ラッチ部材8を突出方向7aへ弾発的に付勢するコイルばね10,11と、使用者によって操作されるハンドル12,13と、前記ラッチ部材8を突出方向7aに突出した状態で保持する保持部材14と、該錠装置1が施錠状態であるか否かを表示する表示部材15と、蓋部材16を備えて構成されている。
【0024】
ラッチ部材8は、筺体9内を前記変位方向7に摺動変位することができる本体8aと、この本体8aの裏面側に形成され前記コイルばね10,11の一端にそれぞれ当接するばね受け座8b,8cと、前記本体8aから前記突出方向7aに延びて形成される嵌入部8dと、前記本体8aの正面側に形成される一対のスペーサ8e,8fと、保持部材14に対向する当接部8kとを備えて構成されている。
【0025】
本体8aの正面側には、前記扉2の外方側から該ラッチ部材8を変位操作することができるように、ハンドル12が固着されている。また本体8aには、前記筺体9の底板9aに形成された長孔9bを遊挿したハンドル13の軸部13aが挿通することができる挿通孔8gが形成されており、前記軸部13aの先端部13bがこの挿通孔8gおよびワッシャ17を連通した後、該先端部13bに形成されたピン孔13cに割りピン18が嵌め込まれて抜け止めされることによって、ハンドル13は本体8aに取付けられる。軸部13aの基端部13dには、矩形部13eが形成されており、この矩形部13eが長孔9b内に嵌り込むことによって、ハンドル13は角変位することなく、前記変位方向7への摺動変位が可能となる。
【0026】
筺体9は、前記ラッチ部材8、コイルばね10,11および保持部材14などを収納するための凹所9cを有し、その凹所9cを形成する一方の側板9dには、前記ラッチ部材8の嵌入部8dが嵌挿し、前記変位方向7に延びる突出孔9eが穿設されている。また、筺体9の他方の側板9fには、前記本体8aの背面側を摺動自在に支持する案内片9g,9hが立設されている。
【0027】
また前記筺体9において、底板9aには、前記コイルばね10,11の他端がそれぞれ当接するばね受け座9i,9jが立設されている。前記コイルばね10,11は圧縮ばねであり、したがって前記ラッチ部材8は前記突出方向7aに弾発的に付勢されており、ハンドル12,13が操作されていないときには、嵌入部8dは突出孔9eから突出している。
【0028】
前記保持部材14は、操作片21と、係止片22と、反転ばね23とを備えて構成されている。操作片21の軸部21aは、前記筺体9の底板9aに形成された挿通孔9kおよび係止片22に形成された挿通孔22aを連通した後、その先端側に形成されたピン孔21bに割りピン24が嵌め込まれることによって、抜け止めされ筺体9に角変位自在に取付けられる。軸部21aの基端部には小判形の嵌合突部21eが形成されており、これに対応して係止片22の挿通孔22aの操作片21側には小判形の凹所22fが形成される。したがって操作片21と係止片22とは、相互に一体で角変位可能となる。
【0029】
前記係止片22は前記挿通孔22aを形成する筒部22bと、この筒部22bの一側面から延びる大径部22cと、前記筒部22bから前記大径部22cとは反対側に伸びる延設部22dと、この延設部22dに立設される係止ピン22eとを備えて構成されている。前記係止ピン22eには反転ばね23の一端23aが巻掛けられており、この反転ばね23の他端23bは前記筺体9の底板9aに立設された係止ピン9lに巻掛けられている。
【0030】
また前記操作片21の軸部21aの先端において、その外周縁部には切欠き21cが形成されており、この切欠き21cには表示部材15に形成された嵌合孔15aが嵌り込み、こうして操作片21の角変位に伴って、係止片22および表示部材15が角変位することになる。前記表示部材15は円弧状に形成されており、中心位置に前記嵌合孔15aが形成されており、また円周方向に相互に間隔を開けて二つの指標15b,15cが形成されている。指標15bは該錠装置1が解錠状態であることを表す、たとえば青色であり、指標15cは該錠装置1が施錠状態であることを表す、たとえば赤色である。
【0031】
前記蓋部材16には、前記ハンドル12が突出することができる操作口16aと、前記指標15bまたは15cを選択的に露出させるための表示窓16bと、操作片21の軸部21aの先端部が臨む操作孔16cとが形成されている。この蓋部材16は、前記各部材8,14,15およびコイルばね10,11などが筺体9内に収納された後、該蓋部材16を挿通したビス25a,25b,25cがそれぞれ筺体9の底板9aに立設されたボス9p,9q,9rに螺着されることによってねじ止め固定される。このようにして完成した錠機構3は、筺体9の前記側板9d,9fからそれぞれ延設されるフランジ9m,9nを挿通した図示しないビスが扉2に螺着されることによって該扉2に取付けられる。
【0032】
このように蓋部材16が組付けられた状態であっても、ラッチ部材8の本体8aの前面と蓋部材16の裏面との間には、本体8aに取付けられているハンドル12の取付部12aおよび前記スペーサ8e,8fによって一定の間隔が保持されており、したがって表示部材15は操作片21の角変位操作に連動して円滑に角変位することができる。
【0033】
図4は係止部材5の縦断面図である。係止部材5は、大略的に、受部材31と、一対の取付板32,33と、ボルト34,35と、該ボルト34,35に対応したナット36,37と、前記受部材31を固定するためのナット38,39;40,41とを備えて構成されている。
【0034】
前記受部材31は門形に形成されており、一対の脚部31a,31bの遊端側には外ねじ31c,31dが刻設されている。前記脚部31a,31bの基端側は連結部31eによって相互に連結されており、前記嵌入部8dが嵌入するための凹所を形成する。取付板32,33は、枠体4の正面側と背面側とにそれぞれ配置され、前記ボルト34,35、ワッシャ42,43、スプリングワッシャ44,45および前記ナット36,37によって該枠体4に固定される。枠体4に取付けられた取付板32,33には、前記ナット38,39、ワッシャ46,47、スプリングワッシャ48,49および前記ナット40,41を用いて、前記受部材31が固定される。
【0035】
取付板33と枠体4の背面との間には、押え板50が介在されている。この押え板50と枠体4とには前記脚部31a,31bおよびボルト34,35の外径よりも大きな遊通孔51,52が形成されており、したがって扉2および枠体4の製造上の微妙なずれや温度変化などに係わりなく、受部材31を錠機構3に対応した最適な位置に取付けることができる。また、脚部31a,31bの外ねじ31c,31d上において、ナット38,39;40,41の締付け位置を変更することによって、前記連結部31eの取付板32からの突出高さを調整することができ、ラッチ部材8の嵌入部8dを円滑に嵌入させることができる。
【0036】
図2を参照して、図2(a)で示すように、扉2が閉じられている状態では、嵌入部8dの背面8jは受部材31の連結部31eによって係止されており、したがってハンドル12,13が操作されない限りは、該扉2は不所望に開いたりすることなく係止されている。ハンドル12、13が後退方向7bに変位操作されると、ラッチ部材8の嵌入部8dは筺体9内に後退し、これによって前記嵌入部8dの受部材31による係止状態は解除され、図2(b)で示すように扉2を矢符6b方向に開けることが可能となる。
【0037】
使用者による操作または風などによる外力によって扉2が閉じられるときには、図2(c)で示すように嵌入部8dの案内斜面8iが受部材31の連結部31eを摺接し、これによってラッチ部材8はコイルばね10,11の弾発力に抗して筺体9内に後退してゆき、前記図2(a)で示すように扉2が完全に閉じられると、前記コイルばね10,11の弾発力によってラッチ部材8は突出方向7aに変位し、嵌入部8dの背面8jが前記連結部31eに係止されて扉2は閉状態で保持される。
【0038】
したがって、このように本発明では、ラッチ部材8をハンドル12または13によって摺動変位させるだけで、扉2の内方側または外方側のいずれからも良好な操作性で該扉2を開放または係止することができる。また、使用者が扉を閉め忘れても、風などの外力によって、一旦該扉2が閉まると、該扉2を係止状態で保持することができる。
【0039】
図5は、保持部材14の動作を説明するための簡略化した正面図である。錠機構3の解錠状態では、図5(a)で示すように、係止片22の大径部22cは筺体9の底板9aに形成された当り片9sに当接しており、この状態で反転ばね23の弾発力によって安定して保持されている。したがって、ラッチ部材8には係止片22の筒部22bが臨んでおり、ラッチ部材8は変位方向7に摺動変位可能である。またこの状態では、表示部材15の指標15bが表示窓16bに臨み、扉2の外方側に解錠状態であることを表示している。
【0040】
これに対して、操作片21が角変位操作され錠機構3が施錠状態となると、図5(c)で示すように、係止片22の大径部22cはラッチ部材8の当接部8kに当接し、この状態で反転ばね23によって安定して保持されている。この状態では、ラッチ部材8の後退方向7bへの変位操作に対して、大径部22cがその変位を阻止する。またこの状態では、表示部材15の指標15cが表示窓16bに臨み、該錠機構3が施錠状態であることを表示する。
【0041】
さらにまた図5(b)で示すように、図5(a)で示す解錠状態と図5(c)で示す施錠状態との間の遷移状態にあるときには、反転ばね23の弾発力によって係止片22は不安定な状態にあり、前記解錠状態または施錠状態のいずれかとなるように係止片22を変位させようとする。
【0042】
したがって、係止片22が前記遷移状態のままとなってしまうことはなく、これによってラッチ部材8の円滑な摺動変位を可能とする。
【0043】
また前記操作片21は、その操作溝21dを蓋部材16の操作孔16cからマイナスドライバーを差し込むことによって、扉2の外方側から角変位操作可能となる。したがって、子供が操作片21を誤って操作するなどして扉2の内方側に閉じ込められてしまうような緊急事態に際しても、予め定める工具である前記マイナスドライバーを用いることによって、扉2の外方側から解錠操作を行うことができ、安全性を向上することができる。
【0044】
【発明の効果】
請求項1の発明に係る錠装置は、以上のように、扉から突出または後退することによって扉を閉状態で保持または開放を可能とするラッチ部材に、係止部材側に臨んで案内斜面を形成するとともに、ばね部材によって突出方向に弾発力を発生させておく。また該ラッチ部材に関連して、該ラッチ部材を突出位置で保持する保持部材を設ける。
【0045】
それゆえ、前記ラッチ部材を摺動変位させるだけで扉を閉状態で保持または開放可能とする操作性の良好なスライド式の錠装置において、使用者が扉を閉め忘れても、一旦扉が閉まると、ラッチ部材は係止部材に係止され、扉を閉状態に保持することができる。これによって扉を閉状態で保持するために別部品を設ける必要がなく、構成および取付け作業を簡略化することができる。また施錠のための構成がラッチ部材に一体で設けられており、構成を簡略化することができる。
【0046】
また、前記ラッチ部材を突出位置に保持して施錠するための保持部材を、角変位操作される操作片と、この操作片に連動する係止片と、係止片の状態を保持する反転ばねとを備えて構成する。
【0047】
それゆえ、使用者が角変位操作の途中で操作を止めても、遷移状態にある係止片は反転ばねの弾発力によって施錠位置または解錠位置まで変位される。したがって、簡単な構造で安定した動作を実現することができる。
【0048】
さらにまた、前記係止片をマイナスドライバーなどの予め定める工具によって扉の外方側からも角変位操作可能とする。
【0049】
それゆえ、誤操作などによって子供が閉じ込められてしまうような緊急事態が発生しても、予め定める工具を用いることによって、扉の外方側から解錠を行うことができ、安全性を向上することができる。
【0050】
また、前記ラッチ部材を係止するための係止部材を、門形の受部材と、その受部材が取付けられる一対の取付板とを備えて構成しておき、前記ラッチ部材を係止するための受部材の連結部の高さを、該受部材の脚部に螺着されるナットの螺着位置によって調整可能とし、かつ取付板を取付けるための取付けボルトのための枠体の挿通孔を遊通孔とする。
【0051】
それゆえ、扉と枠体との製造上の微妙なずれや温度変化などによって生じるずれに対して、高い精度で、受部材をラッチ部材に最適な位置に取付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の錠装置の分解斜視図である。
【図2】前記錠装置の動作を説明するための水平断面図である。
【図3】前記錠装置において扉側に取付けられる錠機構の背面図である。
【図4】前記錠装置の枠体側に取付けられる係止部材の縦断面図である。
【図5】施錠動作を行う保持部材の動作を説明するための簡略化した正面図である。
【符号の説明】
1 錠装置
2 扉
3 錠機構
4 枠体
5 係止部材
6 揺動方向
7 変位方向
7a 突出方向
7b 後退方向
8 ラッチ部材
8d 嵌入部
8i 案内斜面
9 筺体
10 コイルばね
11 コイルばね
12 ハンドル
13 ハンドル
14 保持部材
15 表示部材
16 蓋部材
21 操作片
22 係止片
23 反転ばね
31 受部材
31a 脚部
31b 脚部
31e 連結部
32 取付板
33 取付板
50 押え板
51 遊通孔
52 遊通孔
Claims (1)
- 一端が枠体に揺動自在に枢支される扉の錠装置において、前記扉に取付けられる筺体と、
前記筺体内を前記扉の揺動方向とは交差する方向に摺動自在に設けられ、一端が前記扉の他端から突出または後退することができ、かつ前記一端に案内斜面が形成されるラッチ部材と、
前記ラッチ部材に固定され、前記扉の内方側および外方側から該ラッチ部材を摺動変位させることのできるハンドルと、
前記ラッチ部材を、該ラッチ部材の一端が前記扉の他端から突出する方向に弾発的に付勢するばね部材と、
前記ラッチ部材を突出位置に保持する保持部材であって、
前記ラッチ部材の他端付近に臨んで、前記筺体に角変位自在に設けられ、前記扉の内方側から角変位操作される操作片と、
前記操作片に連動して、突出位置にある前記ラッチ部材の他端に当接する施錠位置と、前記ラッチ部材の変位領域から退避して該ラッチ部材を摺動変位可能とする解錠位置との間で角変位し、予め定める工具によって、前記扉の外方側から角変位操作可能である係止片と、
前記係止片が前記施錠位置または前記解錠位置にあるときに、その状態を保持するように弾発的に付勢する反転ばねとを備えるそのような保持部材と、
前記枠体において前記ラッチ部材に対向して設けられ、該ラッチ部材の一端が嵌入するための凹所を有する係止部材とを含み、
前記係止部材は、前記凹所を形成し、脚部に外ねじの形成された門形の受部材と、前記枠体の内方側および外方側にそれぞれ設けられ、前記受部材の脚部が挿通する挿通孔が形成された一対の取付板と、該取付板に形成された挿通孔および前記枠体に形成された遊通孔を連通し、前記取付板に前記枠体を挟持させる取付ボルトおよびナットと、前記取付板に、前記受部材の脚部を、該脚部に形成された外ねじの任意の位置で保持固定するための一対のナットとを備え、
前記ラッチ部材は、前記扉が閉じられるときに案内斜面が前記係止部材の凹所の周縁部に摺接することによって後退し、前記扉が完全に閉じられると突出して前記一端が前記凹所に嵌入し係止されることを特徴とする錠装置。
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| JP13068995A JP3756545B2 (ja) | 1995-05-29 | 1995-05-29 | 錠装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP13068995A JP3756545B2 (ja) | 1995-05-29 | 1995-05-29 | 錠装置 |
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| JPH08326390A JPH08326390A (ja) | 1996-12-10 |
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Family Applications (1)
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| JP13068995A Expired - Lifetime JP3756545B2 (ja) | 1995-05-29 | 1995-05-29 | 錠装置 |
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1995
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| JPH08326390A (ja) | 1996-12-10 |
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