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JP3756734B2 - 容量式圧力センサ - Google Patents
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JP3756734B2 - 容量式圧力センサ - Google Patents

容量式圧力センサ

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、容量式圧力センサに関し、特にダイアフラムおよび基台がサファイアで作製された容量式圧力センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、耐食性等が優れているため、ダイアフラムや基台にサファイアを使った容量式圧力センサがしばしば用いられている。このセンサは、ダイアフラムを形成するサファイア・ウエハに可動電極を形成するとともに、別のサファイア・ウエハの凹部内に固定電極を形成し、両ウエハを張り合わせることによって作られる。また、固定電極側のサファイア・ウエハにスルーホールを開口することにより、各電極に接続されたリード線を引き出す。
【0003】
図4(a)は従来の容量式圧力センサを示す平面図、図4(b)はそのB−B’線断面図である。これらの図に示すように圧力センサ110は、凹部内に固定電極101aの設けられた基台101と、可動電極102a、参照電極102bおよびパッド102c,102d,102e,102fの設けられたダイアフラム102と、各パッドにはんだ付けされたリードピンとで構成されている。なお、図4(b)には、はんだ103c、103dによって接続されたリードピン103a,103bのみが記載されている。これらのリードピン103a,103bは、それぞれ参照電極102b、固定電極101aに電気的に接続され、電極間の容量検出に用いられる。ここで、何れの電極とも接続されていないパッド102e直下のリードピンは中空ピンとなっており、基準圧を容量室内に導入するために用いられる。
【0004】
このように構成された圧力センサ110は、センサ外部と容量室101c内との圧力差に応じてダイアフラム102が撓み、それに伴う可動電極102aと固定電極101aとの距離の変化によって容量が変化し、圧力が測定される。
【0005】
ここで、圧力センサ110の製造工程について説明する。
基台101およびダイアフラム102は、サファイア・ウエハを加工することによって作製される。すなわち、サファイア・ウエハを機械加工、レーザ加工または超音波加工することにより、リードピン103a,103b等を挿入するためのスルーホールを開口し、ドライエッチングにより凹部を形成してから、蒸着等により固定電極101aを形成する。これらのスルーホール、および凹部内の固定電極101aは同一サファイア・ウエハに複数形成される。
【0006】
一方、別のサファイア・ウエハに蒸着等により可動電極102a、参照電極102bおよびパッド102c〜102fを形成する。上記同様にこれら可動電極102aおよびパッド102c〜102fは同一サファイア・ウエハに複数形成される。その後、以上のようにして加工された2枚のウエハを、固定電極101aと可動電極102aとが対向するように位置合わせをし、所定の加熱雰囲気下で直接接合する。次いで、サファイア・ウエハをダイシングすることにより、チップができる。最後に基台101側のチップを上面にしてから、スルーホール内にリードピンを落とし込み、粒状またはリング状の固形はんだ(Sn−Agはんだ)をスルーホールとリードピンとの隙間に載置し、これを加熱して溶融させ、スルーホール内に流れ込んだ溶融はんだによってリードピンとパッドとを接続し、センサ・チップが完成する。
【0007】
以上の工程により、従来においては、耐食性に優れたサファイア製の容量式圧力センサを容易に大量生産することができた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、リードピンを裏側から落とし込んだ後にはんだ付けした場合、溶融はんだが凝固する際に、ダイアフラムに歪みが生じることが知られている。このような歪みは、例えば図4(b)に示すようなものであり、パッド形成室101b付近に発生してから容量室101cの中央部まで拡大し、ダイアフラム102全体に歪みを生じさせる。その結果、圧力センサのオフセットがばらつき、測定可能な圧力レンジを狭めてしまうという問題が生ずる。なお、この現象の詳細な発生原因については、現状では明らかになっていないが、上述の製造工程により間違いなく再現される。
【0009】
本発明は、このような課題を解決するためのものであり、リードピンのはんだ付け時に生じるダイアフラムの歪みが、ダイアフラム中央まで拡大するのを防止し、従来よりも測定精度を向上させた容量式圧力センサを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明に係る容量式圧力センサは、基台と、この基台上に配設された固定電極と、前記基台上に形成されて前記固定電極を取り囲む側壁部と、前記基台と対向して前記側壁部に接合され、前記基台と前記側壁部とともに容量室を形成するダイアフラムと、このダイアフラム上に配設され前記固定電極と対向する可動電極と、前記側壁部内に形成されて前記基台と前記ダイアフラムとの間に延在する第1および第2のパッド形成室と、前記第1および第2のパッド形成室と前記容量室とをそれぞれ連通する第1および第2のスリットと、前記第1のパッド形成室内の前記基台上に配設され、前記第1のスリットを通じて前記固定電極と接続された第1のパッドと、前記第2のパッド形成室内の前記ダイアフラム上に配設され、前記第2のスリットを通じて前記可動電極と接続された第2のパッドと、前記基台に形成され前記第1および第2のパッド形成室にそれぞれ連通する第1および第2のスルーホールと、前記第1および第2のスルーホールを通じて前記第1および第2のパッド形成室に挿入されそれぞれ前記第1および第2のパッドに接続された第1および第2のリード部とを備えた容量式圧力センサにおいて、前記第1および第2のパッド形成室の径よりも前記第1および第2のスリットの幅を小さくしたものである。
【0011】
また、本発明はその他の態様として、次のような構成を含むものである。すなわち、前記ダイアフラムおよび前記基台は、サファイア、シリコン、ガラスまたはダイヤモンドからなる。また、前記ダイアフラム側に設けられた参照電極をさらに備える。
【0012】
したがって、このように構成することにより本発明は、パッド形成室と容量室の連通部分における幅が従来よりも狭くなり、はんだ付けの際にパッド形成室に生じたダイアフラムの歪みが容量室内まで広がることはなくなり、従来よりも平坦なダイアフラムを得ることができる。そのため、圧力センサのオフセットのばらつきを防止することができ、測定可能な圧力レンジを狭めることがないという利点が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の一つの実施の形態について図を用いて説明する。
図1(a)は本発明の一つの実施の形態を示す平面図、図1(b)はそのA−A’線断面図である。これらの図に示すように圧力センサ10は、凹部内に固定電極1aの設けられた基台1と、可動電極2a、参照電極2bおよびパッド2c,2d,2e,2fの設けられたダイアフラム2と、各パッドにはんだ付けされたリードピン(図1(b)には、はんだ3c、3dによって接続されたリードピン3a,3bのみを記載)とで構成されている。
【0014】
このように構成された圧力センサ10は、センサ外部と容量室1c内との圧力差に応じてダイアフラム2が撓み、それに伴う可動電極2aと固定電極1aとの距離の変化によって容量が変化し、圧力が測定される。
【0015】
ここで、圧力センサ10の製造工程について説明する。
基台1およびダイアフラム2は、サファイア・ウエハを加工することによって作製される。すなわち、サファイア・ウエハを機械加工、レーザ加工または超音波加工することにより、リードピン3a,3b等を挿入するためのスルーホールを開口し、Ar原子を使ったドライエッチングにより凹部を形成してから、蒸着等により固定電極1aを形成する。これらの構成は同一サファイア・ウエハに複数形成される。
【0016】
一方、別のサファイア・ウエハに蒸着等により可動電極2a、参照電極2bおよびパッド2c〜2fを形成する。上記同様にこれらの構成は同一サファイア・ウエハに複数形成される。その後、以上のようにして加工された2枚のウエハを、固定電極1aと可動電極2aとが対向するように位置合わせをし、所定の加熱雰囲気下(例えば400〜1300℃)で直接接合する。次いで、サファイア・ウエハをダイシングすることにより、チップができる。最後に基台1側のチップを上面にしてから、スルーホール内にリードピンを落とし込み、粒状またはリング状の固形はんだ(Sn−Agはんだ)をスルーホールとリードピンとの隙間に載置し、加熱(例えば300℃)により溶融させ、スルーホール内に流れ込んだ溶融はんだによってリードピンとパッドとを接続し、センサ・チップが完成する。
【0017】
なお、固定電極1a,可動電極2aおよび参照電極2bは、例えばPt/密着増強膜で形成される。密着増強膜としては、Ti,V,Cr,Nb,Zr,HfまたはTa等が用いられる。また、パッド2c〜2fは、例えばAu/バリア膜/密着増強膜で形成される。バリア膜としてはPt等が用いられ、密着増強膜としてはNb等が用いられる。
【0018】
ここで、本実施の形態の特徴について述べる。
本実施の形態においては、パッド形成室1bと容量室1cとの連通部分(スリット)の幅を狭めることにより、パッド形成室1bで生じたダイアフラム2の歪みが容量室1cまで拡大するのを防止することができる。
【0019】
図2は、図1に係るパッド形成室を拡大した平面図である。同図に示すように本実施の形態においては、パッド形成室1bと容量室1cとの連通部分(スリット)における幅Xを、パッド形成室1bの径よりも小さくしている(すなわち、X<Y)。そのため、連通部分におけるダイアフラム2と基台1との接合面積が従来よりも大きくなり、はんだ付けの際に生じたダイアフラム2の歪みが容量室1cまで拡大するのを防ぐことができる。なお、パッド形成室1bの形状が多角形等の場合は、内接する円の直径を上述のYとして、連通部分(スリット)の幅Xと比較すればよい。また、以上のX,Yの関係は、各パッド形成室と容量室との間に成り立つ。また、X,Yの具体的な値としては(0.3,1.0)等が用いられる。なお、各数値の単位はmm(ミリメートル)である。
【0020】
ここで、本実施の形態による実験結果について説明する。
図3は、本実施の形態および従来例におけるダイアフラムの平坦度を比較したグラフである。縦軸はウエハ面に直交する方向の撓み量を示し、横軸はパッドエッジからダイアフラムエッジにかけての一点鎖線上の位置を示す。
同図(a)に示すように、従来例ではパッドエッジにおける撓みがほぼ0μmであるのに対して、ダイアフラムエッジにおける撓みが約1.2μmとなっている。それに対して同図(b)に示すように本実施の形態においては、パッドエッジにおける撓みがほぼ0μmであるとともに、ダイアフラムエッジにおける撓みも0.1μm未満の非常に小さな値となっている。したがって、本実施の形態を用いることにより、パッド形成室で生じた撓みが容量室まで拡大することを防止できることがわかる。
【0021】
以上においては、ダイアフラムおよび基台の材料として、サファイアを用いた場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えばシリコン、ガラスまたはダイヤモンド等の単結晶材料を用いてもよい。また、参照電極は必須の構成でなく、必要に応じて付加すればよい。したがって、本発明には可動電極および固定電極のみを用いた構成も含まれる。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したとおり本発明においては、パッド形成室と容量室の連通部分(スリット)における幅をパッド形成室の径よりも狭くしているため、従来構造よりもダイアフラムと基台との接合面積が増加し、両者が強力に固定される。そのため、はんだ付けの際にパッド形成室に生じたダイアフラムの歪みが容量室内まで広がることはなくなり、従来よりも平坦なダイアフラムを得ることができる。また、圧力センサのオフセットのばらつきを防止することができ、測定可能な圧力レンジを狭めることがないという利点が得られる。また、ダイアフラムが平坦となることにより、圧力測定時の誤差となる温度ヒステリシスを減じることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)本発明の一つの実施の形態を示す平面図、(b)A−A’線断面図である。
【図2】 図1に係るパッド形成室を示す平面図である。
【図3】 本実施の形態および従来例におけるダイアフラムの平坦度を比較したグラフである。
【図4】 (a)従来例を示す平面図、(b)B−B’線断面図である。
【符号の説明】
1…基台、1a…固定電極、1b…パッド形成室、1c…容量室、2…ダイアフラム、2a…可動電極、2b…参照電極、2c,2d,2e,2f…パッド、3a,3b…リードピン、3c,3d…はんだ、10…圧力センサ、X…連通部分の幅、Y…パッド形成室の径。

Claims (3)

  1. 基台と、
    この基台上に配設された固定電極と、
    前記基台上に形成されて前記固定電極を取り囲む側壁部と、
    前記基台と対向して前記側壁部に接合され、前記基台と前記側壁部とともに容量室を形成するダイアフラムと、
    このダイアフラム上に配設され前記固定電極と対向する可動電極と、
    前記側壁部内に形成されて前記基台と前記ダイアフラムとの間に延在する第1および第2のパッド形成室と、
    前記第1および第2のパッド形成室と前記容量室とをそれぞれ連通する第1および第2のスリットと、
    前記第1のパッド形成室内の前記基台上に配設され、前記第1のスリットを通じて前記固定電極と接続された第1のパッドと、
    前記第2のパッド形成室内の前記ダイアフラム上に配設され、前記第2のスリットを通じて前記可動電極と接続された第2のパッドと、
    前記基台に形成され前記第1および第2のパッド形成室にそれぞれ連通する第1および第2のスルーホールと、
    前記第1および第2のスルーホールを通じて前記第1および第2のパッド形成室に挿入されそれぞれ前記第1および第2のパッドに接続された第1および第2のリード部とを備えた容量式圧力センサにおいて、
    前記第1および第2のパッド形成室の径よりも前記第1および第2のスリットの幅を小さくしたことを特徴とする容量式圧力センサ。
  2. 請求項1において、
    前記ダイアフラムおよび前記基台は、サファイア、シリコン、ガラスまたはダイヤモンドからなることを特徴とする容量式圧力センサ。
  3. 請求項1において、
    前記ダイアフラム側に設けられた参照電極をさらに備えたことを特徴とする容量式圧力センサ。
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