JP3757331B2 - 防草シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は防草シートに関する。更に詳しくは、雑草等の繁殖を抑えるのに優れた効果を奏し、農業分野、広義の土木分野等で好適に使用可能な長繊維よりなる不織布を基材とする防草シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、防草手段としては、いくつかの手段が実用化されている。化学的防草手段としては、除草剤が一般的に使用されているが、効果が一時的であること、また、周囲作物に被害を及ぼすこと、用水に流出すると公害となること、等の問題点を有していた。
【0003】
そのため、不織布からなる防草シートを敷設して防草を行う手段も実用化され、注目されている(特公平4−52727号公報等参照)。しかし、耐久性が劣ること(耐用期間約3年が限度)、及び傾斜面に敷設した場合、人が歩行するときに滑りやすい等の問題点を有していた。また、タバコの吸殻の投げ捨て等で穴あきが起こる場合もあり、満足するものは出現していない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記に鑑みて、防草性に優れ、通気及び透水性があり、かつ表面が滑り難い防滑性を有し、さらにタバコの投げ捨てなどによる延焼を防止する難燃性も有する防草シートを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究・開発に努力する過程で、下記構成の防草シートに想到した。
【0006】
長繊維を圧接接着して形成した不織布を基材とする防草シートにおいて、不織布の表面に、粒子径が10〜500μmである無機系粒子及び/又は有機系粒子を分散相、バインダー(樹脂結合剤)を連続相とするマトリックス材料からなる塗膜層が形成されてなることを特徴とする。
【0007】
長繊維を圧接接着して形成した不織布を使用することで、高い遮光効果を有し、さらに生命力の強い稲科等の植物に対しても、その突破りを防止しうる強い防草効果を発揮することができる。また、基材に不織布を使用し、不織布の表面に、無機系粒子及び/又は有機系粒子を分散相、バインダー連続相とする塗膜層を形成することで、表面に飛来した種子が定着することも実質的になく、かつ透水性や通気性を有しているので周囲の樹木や植物の成育を阻害することもない。
【0008】
また、降雨などによる水溜りが生ずることもなく、地盤が軟弱化しても表面に土や水を噴出することもない。且つ又、耐久性(使用可能年次)に優れている。さらに傾斜した土手などに設置した防草シート上を歩行する場合なども表面が滑りにくいため転倒することもなく、安全である。
【0009】
上記構成において、防草シートに難燃処理が施されていることが望ましい。難燃処理を施すことで、タバコの吸殻等の投げ捨てをされても燃焼して穴あきが発生するのを防止できる。
【0010】
上記難燃処理としては、マトリックス材料に難燃剤を含有させることにより施す方法が、容易で望ましい。
【0011】
さらに、上記無機系粒子及び/又は有機系粒子として、リサイクル材を使用すると、環境に配慮した防草シートとすることができ、また経済的である。
【0012】
上記防草シートを製造する際には、無機系粒子及び/又は有機系粒子を分散相、バインダーを連続相とするマトリックス材料である本発明の表面塗膜剤を用いることができる。そして、上記表面塗膜剤には難燃剤が含有されることが望ましい。
【0013】
そして、上記防草シートは、熱溶融した合成樹脂から連続フィラメントの集積体を直接形成し、圧接ロールを用いて圧接接着するスパンボンド法により不織布を形成した後、不織布の表面に、粒子径が10〜500μmである無機系粒子及び/又は有機系粒子を分散相、バインダーを連続相とするマトリックス材料からなる表面塗膜剤を、コーティング機を用いて塗布することにより製造することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の防草シート、防草シート用表面塗膜剤及び防草シートの製造方法について詳細に説明を行う。以下、本明細書において配合単位をあらわす「%」は、特に断らない限り質量単位とする。
【0015】
本発明の防草シート42は、図1に示す如く、長繊維を圧接接着して形成した不織布34を基材とすることを基本的特徴とする。長繊維を圧接接着することで、防草シート42の繊維密度が非常に高くなり、雑草の成長を防止可能となる。さらにシートの繊維密度が高いため、敷設現場におきる突起物などによるシート破損といった問題にも十分対応できる。
【0016】
上記長繊維の材質としては、天然繊維(植物繊維、動物繊維、鉱物繊維)、化学繊維(無機繊維、再生繊維、半合成繊維、合成繊維)のいずれも使用することが可能であるが、生産性の見地から、通常、合成繊維の連続フィラメントを使用する。
【0017】
上記合成繊維としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維、ナイロン等のポリアミド系繊維、アクリロニトリル等のアクリル系繊維、その他、ポリビニルアルコール系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、モダクリル系繊維、フルオロカーボン系繊維、ポリウレタン系繊維等の中から単独又は二種以上選択して使用することができるが、耐候性及びコストを考慮すると、ポリエステル系繊維、特にポリエチレンテレフタレートを使用することが好ましい。
【0018】
長繊維としては平均繊度が約1.1〜15.4dtex(dg/km)、望ましくは約2.2〜12.1dtex、さらに望ましくは約3.3〜7.7dtexのものを使用することが望ましい。平均繊度が大きすぎると、後述の投影平面空隙率が大きくなり、不織布34の光透過性が上がり雑草の生育を助けるので好ましくない。逆に小さすぎると、投影平面空隙率が低下し遮光効果は増大するが、水の透過性が悪くなるので好ましくない。
【0019】
圧接接着とは、平滑なカレンダーロールあるいは彫刻ロール等の圧接ロールで圧接されて接着されていることをいい、上記各種ロールの圧接のみで接着されたものでもよく、さらに汎用の樹脂バインダー液、粉末接着剤、繊維状接着剤等の接着剤を併用してもよい。また、ニードルパンチ法、ステッチ法、スパンレース法などによる機械的交絡を与えた後、上記各種ロールで圧接せしめるようにしてもよい。
【0020】
上記圧接接着により形成される不織布34(基材)としては、例えば、特公平4−52727号公報に記載の不織布を好適に使用することができる。より具体的には、目付質量が約30〜500g/m2、望ましくは約40〜350g/m2、さらに望ましくは約100〜300g/m2とする。目付質量が小さすぎると、不織布34を構成する繊維本数が少なく遮光性及び雑草の貫通抵抗が低くなり初期の目的が達成できない。また、逆に多すぎると、除草効果は高く問題はないが、透水性と通気性が低くなる。また、圧接ロールで生産の際、圧接ロールの圧接荷重を大きくする必要があり生産上の問題も多くなるとともに、コスト高になり、質量が重くなり、施工も難しくなるので好ましくない。
【0021】
また、不織布密度が約0.1g/cm3以上、望ましくは約0.2g/cm3以上、さらに望ましくは約0.25g/cm3以上、投影平面空隙率が約0.01〜0.1%、望ましくは約0.02〜0.09%、さらに望ましくは約0.03〜0.08%でかつ貫通抵抗が5kg以上、望ましくは6kg以上、さらに望ましくは8kg以上とする。この条件を満たすためには、前記の目付質量が重要であるのはもとより、構成する合成長繊維の繊度やロール圧接条件を適当なものにすることにより制御できる。
【0022】
ここで、上記投影平面空隙率とは、後述の測定方法より算出されるものである。
【0023】
なお、上記不織布34は、上述の長繊維を主体として形成すればよく、中繊維、短繊維を本発明の効果に影響を奏し得ない範囲で混入してもよい。このような不織布シートは、短繊維不織布シートに比べて一般的に強度が強く変形しにくいために雑草の貫通抵抗が高くなり、効率的に防草が可能となる。
【0024】
そして、本発明の防草シート42には、上記不織布34の表面に無機系粒子及び/又は有機系粒子13を分散相、バインダー(樹脂結合剤)15を連続相とするマトリックス材料からなる塗膜層17を形成したことを特徴とする。無機系粒子及び/又は有機系粒子13を分散層、バインダー15を連続相とするマトリックス材料用いて塗膜層17を形成することで、防草シート42の耐久性向上を図ることができる。さらに、防草シート42に防滑性を付与することができる。防草シート42としては、摩擦係数を約0.5〜0.8、好ましくは約0.6〜0.7の範囲とするとよい。
なお、上記塗膜層17は、不織布34の少なくとも片面(敷設した際に上側になる面)に形成すればよいが、両面に形成してもよい。また、無機系粒子及び/又は有機系粒子13は、図1の如く表面に突出しているものと、バインダー15内に埋もれているものがある。
【0025】
上記に際しては、本発明の下記構成の防草シート用表面塗膜剤を使用することができる。
【0026】
防草シート42の表面に塗布して使用する表面塗膜剤であって、該表面塗膜剤は、無機系粒子及び/又は有機系粒子13を分散相、バインダー15を連続相とするマトリックス材料で形成してなることを特徴とする。
【0027】
無機系粒子及び/又は有機系粒子13としては、リサイクル材を使用すると、環境に配慮した防草シート42とすることができ、また経済的である。上記リサイクル材は、廃物を再利用可能としたものであれば特に限定されることなく使用可能である。例えば無機系粒子の場合、建築解体現場等から出るコンクリートや壁材、瓦などの廃材を粉末化したもの、自動車等を解体した際に発生する金属等の廃材を粉末化したもの、その他、これまでごみとして処分されていた貝殻、ガラス片、陶磁器片等を粉砕したものや砂粒などを使用できる。
【0028】
より具体的には、珪酸アルミニウム、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、マイカ等、炭素、金属粉末などが例示できる。
【0029】
また、有機系粒子の場合、各種廃ゴム、廃プラスチック等の再生品や、その他の廃材を粉末化したものなどが利用できる。これらは複数種混合して用いても、単種で用いてもよい。
【0030】
上記に使用する無機系粒子及び/又は有機系粒子13の大きさとしては、約10〜500、望ましくは約20〜300μm、さらに望ましくは約30〜100μmの範囲がよい。無機系粒子及び/又は有機系粒子13の大きさが小さすぎると防滑性が悪くなるので好ましくない。また、逆に大きすぎると後述の如く防草シート42を製造する際のコーティング性が悪くなるとともに使用時の粒子脱落が起こりやすくなる。
【0031】
該無機系粒子としては、シリカを使用することが、また、有機系粒子としては廃ゴム及び廃プラスチックの再生品を使用することが、製造工程及びコスト的見地から見て好ましい。
【0032】
上記バインダー15は、通常、溶液形、エマルション(ラテックス)形とあるが、通常エマルション形を使用する。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステルの単独重合体もしくは他のモノマーと共重合体等のアクリル樹脂系バインダー、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などのビニル樹脂系バインダー、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等のゴム系バインダー等が例示できる。
【0033】
上記のうち、耐久性及び製造条件、コスト的には、アクリル樹脂系バインダーを、特にスチレンとアクリル系モノマーとの共重合体を使用することが好ましい。アクリル樹脂系バインダーは、柔軟性に富み、さらに熱、紫外線などによる変色が少ないため、防草シート42の物理的性質を低下させずに後述の如く相当量の難燃剤を混入することができるからである。
【0034】
上記無機系粒子又は有機系粒子13の配合量は、バインダー15に対して約30〜80%、望ましくは約40〜80%、さらに望ましくは約50〜80%の割合で配合する。配合量が多すぎると、不織布表面へのコーティング性が悪くなるとともに、使用時に粒子脱落が起きやすくなるので好ましくない。また、配合量が少なすぎると透水性と通気性が悪くなり、防滑性も悪くなるので好ましくない。
【0035】
上記表面塗膜剤は、無機系粒子及び/又は有機系粒子13を分散相、バインダー15を連続相とするマトリックス材料である。該マトリックス材料は、単にバインダー15と無機系粒子、有機系粒子13を混合するのみで製造可能である。
【0036】
そして、上記防草シート用表面塗膜剤には、さらに難燃剤を含有させることが望ましい。上記難燃剤としては、
りん酸エステル、トリクレジルホスファート(TCP)、トリフェニルホスファート(TPP)、トリキシレンホスファート(TXP)、塩素化有機ポリホスファート、トリクロロプロピルホスファート(TCPP)、塩素化有機りん酸塩などのりん化合物、
ハロゲン化炭化水素、塩素化ポリエチレン、塩素化パラフィン、塩素化炭化水素、臭素化有機物(芳香族)、1,1,2,2−テトラブロモエタン(TBE)、1,2,3,4−テトラブロモブタン(TBB)、1,2,3−トリブロモプロパン(TBP)、臭素化高分子化合物などのハロゲン化物、
トリアルキル−ボロン−エステル、エチレン−ビニルクロライド−ラテックス等などその他の有機物
水酸化アルミニウム、三酸化二アンチモン、アンモニウム−フルオロボレート、アンチモン酸ナトリウム、メタほう酸バリウム、ほう酸亜鉛、オルトりん酸アンモニウムなどの無機物、
が例示できる。
【0037】
上記のうち、特にノンハロゲンのもの、例えば水酸化アルミニウムを好適に使用することができる。
【0038】
難燃剤の配合率としては、約5〜50%の範囲が効果的であり、望ましくは約10〜40%、さらに望ましくは約20〜30%の範囲で配合することができる。
【0039】
表面塗膜剤の塗布厚さとしては約30〜500μm、好ましくは約40〜300μm、より好ましくは約60〜150μmとする。塗布厚さが薄すぎると本発明の効果を得がたく、逆に厚すぎると防草シート42の透水性が低下する。
【0040】
本発明の防草シート42における難燃処理においては、上記の如くバインダー15に難燃剤を無機系粒子、有機系粒子13とともに混合する方法以外の方法を使用することもできる。
【0041】
例えば、長繊維の原料として難燃樹脂を使用すること、不織布成形の際に難燃剤をともに圧接接着すること、無機系粒子、有機系粒子13を結合させた後、さらにバインダー15と混合した難燃剤入りコーティング剤を塗布することなどが考えられる。
【0042】
次に、上記防草シート42の製造方法について説明を行う。本発明の防草シート42は、熱溶融した合成樹脂から連続フィラメントの集積体を直接形成し、圧接ロールを用いて圧接接着するスパンボンド法により不織布34を形成した後、不織布34の表面に、無機系粒子及び/又は有機系粒子13を分散相、バインダー15を連続相とするマトリックス材料からなる表面塗膜剤を、コーティング機を用いて塗布することにより製造可能である。
【0043】
ここで、スパンボンド法とは、紡糸、引き揃え、集積、接着、ロールへの巻取りが一工程に結合された不織布34の製造方法である。
【0044】
以下、上記スパンボンド法の各工程を図面に基づいて説明する。図2は、原料となる合成樹脂を用いて不織布34(基材)を製造するまでの工程概略図である。主として、
▲1▼合成樹脂を熱溶融して押し出し、長繊維(連続繊維)を形成する溶融押出し工程、
▲2▼溶融押出工程で押し出された樹脂をフィラメントに成形する連続フィラメント形成工程、
▲3▼連続フィラメントからウェブ(集積体)を形成するウェブ形成工程、
▲4▼ウェブを圧接して連続フィラメント間を結合(ボンディング)し、不織布34とするフィラメント間結合工程、
からなる。
【0045】
合成樹脂の押出条件は、使用する樹脂の種類により異なるが、通常の繊維を生産する条件と同一とすればよい。具体的には、エクストルーダー(押出機)12のホッパー(樹脂投入部)14に合成樹脂を投入し、熱溶融させた後、溶融樹脂をギヤーポンプ16により紡糸口金18から押し出す。紡糸口金18から溶融紡糸されたフィラメント20は、下側のエジェクター22で延伸されるとともに下方に送られる。エジェクター20に静電気を与えることによりフィラメントは帯電して均一に開繊され、下方のベルトコンベア24上に吸引機26によって捕集され、ランダムな長繊維のウェブ28が得られる。
【0046】
ウェブ28の結合は、圧接機29における圧接ロール30,30を用いて圧接接着することにより行う。その際、圧接ロール30としては、フラット・ロール、エンボス・ロール等が使用可能である。圧接ロール30の圧接のみで接着させてもよいが、接着剤を併用してもよい。また、ニードルパンチ法、ステップ法、スピンレース法等で機械的交絡を与えた後、圧接ロール30を用いて圧接してもよい。
【0047】
図3に、上記圧接ロール30として適用可能なエンボス・ロール30a、フラット・ロール30bを示す。図3においては、上面側にエンボス・ロール30a、下面側にフラット・ロール30bを使用しているが、逆であってもよく、また、双方同種の圧接ロールを使用してもよい。
【0048】
ポリエチレンテレフタレート樹脂等を使用する場合は、十分に熱圧着することにより、繊維同士が自己接合し、シートの繊維密度が非常に高くなるため、太陽光を99%以上遮断し、雑草の成長を防止することが可能となる。さらにシートの繊維密度が高いため、敷設現場におきる突起物などによるシート破損といった問題が発生しがたい。
【0049】
上記の如く製造された不織布34は、巻き取りローラ32で巻き取られて、下記塗布工程により表面コーティングが施される。
【0050】
図4は、上記不織布34の表面に表面塗膜剤を塗布する塗布工程である。表面塗膜剤は、上述の如く無機系粒子及び/又は有機系粒子13をバインダー15と混合してなるマトリックス材料である。なお、さらに難燃剤を含有させてもよい。
【0051】
表面塗膜剤をコーティングする場合、コーティング方法としては、グラビアコーター、ロールコーター、ナイフコーターなど従来の塗布装置(コーティング機)を使用することができる。
【0052】
上記のうち、特に図4の如くナイフコーター機36を好適に使用することができる。目的の塗布厚みを容易に得ることができるためである。ナイフコーター機は、塗布用ナイフ38の前側に表面塗膜剤を供給する供給ノズル40を有しており、連続的なコーティングが可能とされている。
【0053】
そして、ヒートセット機44等を通過させることで、不織布34の表面に、塗膜層17が強固に形成される。コーティングされた防草シート42は巻き取り機46の巻き取りローラ48に巻き取られて最終製品とされる。
【0054】
なお、本発明の防草シートは上記製造方法で製造されたもののみに限定されるものではない。
【0055】
最後に、本明細書における投影平面空隙率の測定方法を参考のために記述する。
【0056】
<サンプリングの仕方>
不織布を透過光で透かして、平均より低目付部と高目付部を選定し、夫々にマーキングをする。該マーキング部分から定規とカッターを使用して10mm2のサンプルを前記の低目付部と高目付部から、夫々、各2枚ずつ4枚を採取する。
【0057】
<測定方法>
光学顕微鏡(倍率:100倍、光源6V、30W)を用いて光が直通する空隙の大きさを顕微鏡のスケールで測定する。空隙は不定形であるので、該不定形空隙の平均的長径と平均的短径を測定し、その平均値を求めてその空隙のサイズとする。サンプル片の全面を検査してサイズ10以上の空隙数を、5きざみのサイズ物(サイズは四捨五入で決める)にカウントする。
【0058】
<計算方法>
空隙面積はΣ((各サイズ)2×(そのサイズの個数))で計算する。投影平面
空隙率は上記により算出された空隙面積をサンプル面積で割って百分率で求める。4サンプルの平均値を求めて、その不織布の投影平均空隙率とする。
【0059】
【発明の効果】
本発明の防草シートは、上記構成により、高い遮光効果を有し、さらに生命力の強い稲科等の植物に対しても、その突破りを防止しうる強い防草効果を発揮することができる。また、表面に飛来した種子が定着することも実質的になく、かつ透水性や通気性を有しているので周囲の樹木や植物の成育を阻害することもない。
【0060】
また、降雨などによる水溜りが生ずることもなく、地盤が軟弱化しても表面に土や水を噴出することもない。且つ又、耐久性(使用可能年次)に優れている。さらに傾斜した土手などに設置した防草シート上を歩行する場合なども表面が滑りにくいため転倒することもなく、安全である。
【0061】
さらに難燃処理を施すことで、タバコの吸殻等の投げ捨てをされても燃焼して穴あきが発生するのを防止できる。
【0062】
【実施例】
以下、本発明の効果を確認するために行った実施例について説明を行う。
【0063】
<実施例>
ポリエチレンテレフタレート樹脂で固有粘度0.65を溶融温度290℃で溶融し、口金孔より単孔当り2.5g/minで紡出し、空気引取り方式により紡出速度4800m/minで引き取り、金網のネットコンベアー上に長繊維不織ウェブとして捕集した。該ウェブに圧接面積16%の1対の熱彫刻ロールを用いて温度230℃、線圧20kg/cmで圧接接着させて長繊維不織布シートを得た。
【0064】
得られたシートは、
目付質量:130g/m2、シート密度:0.26g/cm3、構成繊維平均繊度:3.8dtex、
であった。
【0065】
表面塗膜剤としては、スチレンアクリルを主剤として無機系粒子のシリカを70%、難燃剤として水酸化アルミニウムを30%混練したものを上記基材の片面にナイフコーティング機でコートした。この場合の表面塗膜剤の厚さは120ミクロンとした。塗膜面の乾燥温度は170℃で処理した。
【0066】
<比較例>
ポリエチレンテレフタレート樹脂で固有粘度0.65を溶融温度290℃で溶融し、口金孔より単孔当り2.5g/minで紡出し、空気引取り方式により紡出速度4800m/minで引き取り、金網のネットコンベアー上に長繊維不織ウェブとして捕集した。該ウェブに圧接面積16%の1対の熱彫刻ロールを用いて温度230℃、線圧20kg/cmで圧接接着させて長繊維不織布シートを得た。
【0067】
得られたシートは、
目付質量:130g/m2、シート密度:0.26g/cm3、構成繊維平均繊度:3.8dtex
であった。
【0068】
上記実施例、比較例の防草シートの物性評価を行った。結果を表1に示す。
【0069】
【表1】
【0070】
<防草性試験方法>
実施例、比較例の各防草シートを屋外に敷設して防草性の評価を行った。敷設条件は、4月〜翌10月までの18ヶ月間、場所は、千葉県内とした。
【0071】
その結果、実施例、比較例ともに防草シートを敷設した部分には、草が生えず(評価◎)良好な防草性が得られることが確認できた。
【0072】
<耐久性(耐光性)試験方法>
強エネルギー・サンシャイン・フェードメーター(スガ試験機株式会社製、SEL−1型)を用いて100h、300h、400h光を照射した後、引張強さを測定し、引張強さ保持率を測定した。
【0073】
引張強さ保持率(%)=光照射後の引張強さ(N)/光照射前の引張強さ(N)
結果を図5に示す。
【0074】
図5より、比較例の防草シートに対し、実施例の防草シートは、引張強さ保持率が5倍以上であり、耐光性が良好であることがわかる。
【0075】
なお、実施例の防草シートにおいては、光照射前の引張強さ(縦:584N/5cm、横:319N/5cm)、伸び率(縦:83.5%、横:86.0%)、引裂強さ(縦:37.3N、横:39.2N)と、いずれの数値も防草シートとして好適であることを確認している。
【0076】
<防滑性試験方法>
図6に示す防滑性試験装置を用いて、下記手順により測定を行った。
【0077】
(1)16cm×9cmの試験片をヨコのみ3点とる。
【0078】
(2)試験片50を台紙上に塗膜面を上にして、両面テープにて固定する(しわのないように注意する)。
【0079】
(3)台紙を測定板52に両面テープにて固定する。
【0080】
(4)測定板52を水平にし、試験片50の中央に静かに50g分銅54をのせる(水平は分度器56の目盛りにて確認する)。
【0081】
(5)測定板52をゆっくりと下方へ動かし、分銅54の動き出す角度を読み取る(分度器56の目盛りを読み取る)。
【0082】
その結果、比較例の防草シートは、約20°の傾斜時点で分銅が滑り始めた(評価×)のに対し、実施例の防草シートは約30°の傾斜(評価◎)まで分銅が滑り出さなかった。よって、比較例の防草シートに比して、本発明の防草シートは防滑性が非常に良好であることがわかる。
【0083】
<透水性試験方法>
JIS A 1208に準じて透水係数の測定を行った。なお、測定水温は15℃とした。
【0084】
その結果、比較例の防草シートの透水係数が1.1×10-2cm/secであった(評価◎)のに対し、実施例の防草シートは透水係数が3.3×10-4cm/cec(評価○)と、透水性にやや劣るが、防草シートとして十分な評価値であることがわかる。
【0085】
<通気性試験方法>
実施例、比較例の防草シートを口に当て、それぞれ口で息を強く吹きつけて、裏面に空気が通るかどうかを判定した。その結果、比較例の防草シートが無理なく空気を通す(評価◎)のに対し、実施例の防草シートは通気性にやや劣る(評価○)が、防草シートとして十分な評価値であることがわかる。
【0086】
<難燃性試験方法>
JIS L 1091 繊維製品の燃焼試験方法(B法)に準じて判定を行った。エアーミックスバーナーを用いて燃焼試験を行った結果、比較例の防草シートは、残炎時間0sec、燃焼長さ(炭化長)3.3cm(評価△)に対し、実施例の防草シートは、残炎時間0sec、燃焼長さ(炭化長)2.7cm(評価◎)と、非常に難燃性が良好であることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防草シートを示す断面モデル図である。
【図2】本発明の防草シートの基材となる不織布を製造する工程概略図である。
【図3】不織布の圧接接着に使用する圧接ローラの概略図である。
【図4】基材(不織布)に表面塗膜剤を塗布する工程の工程概略図である。
【図5】実施例における耐光性試験結果を示すグラフ図である。
【図6】防滑性試験に使用する装置の概略図である。
【符号の説明】
12:エクストルーダー
13:無機系粒子及び/又は有機系粒子
15:バインダー
18:紡糸口金
20:フィラメント
24:ベルトコンベア
28:ウェブ
29:圧接機
30:圧接ロール
34:不織布
36:ナイフコーター機
42:防草シート
44:ヒートセット機
Claims (8)
- 長繊維を圧接接着して形成した不織布を基材とする防草シートにおいて、前記不織布の表面に、粒子径が10〜500μmである無機系粒子及び/又は有機系粒子を分散相、バインダーを連続相とするマトリックス材料からなる塗膜層が形成されてなることを特徴とする防草シート。
- 前記不織布の密度が0.2g/cm 3 以上0.3g/cm 3 未満であることを特徴とする請求項1記載の防草シート。
- 前記マトリックス材料に難燃剤を含有させることにより、前記防草シートに難燃処理が施されていることを特徴とする請求項1又は2記載の防草シート。
- 前記無機系粒子及び/又は有機系粒子が、リサイクル材であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の防草シート。
- 長繊維から形成される不織布を基材とし、前記不織布の表面に、無機系粒子及び/又は有機系粒子を含有する塗膜層が形成されてなる防草シートの製造方法であって、
熱溶融した合成樹脂から連続フィラメントの集積体を直接形成し、圧接ロールを用いて圧接接着するスパンボンド法により前記不織布を形成した後、前記不織布の表面に、粒子径が10〜500μmである前記無機系粒子及び/又は有機系粒子を分散相、バインダーを連続相とするマトリックス材料からなる表面塗膜剤を、コーティング機を用いて塗布することを特徴とする防草シートの製造方法。 - 前記不織布が密度0.2g/cm 3 以上0.3g/cm 3 未満であることを特徴とする請求項5記載の防草シートの製造方法。
- 更に、前記コーティング機による塗布後の防草シートをヒートセット機を通過させることを特徴とする請求項5又は6記載の防草シートの製造方法。
- 前記表面塗膜剤にさらに難燃剤が含有されることを特徴とする請求項5、6又は7記載の防草シートの製造方法。
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