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JP3757525B2 - 密閉型圧縮機 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷暖房装置あるいは冷蔵庫などに用いられるスクロール圧縮機やロータリー圧縮機などの密閉型圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、冷暖房装置、あるいは冷蔵庫などの冷却装置にはスクロール圧縮機やロータリー圧縮機などの密閉型圧縮機が用いられている。この種類の圧縮機の従来技術として、スクロール圧縮機を例にとり図面とともに説明する。
【0003】
図7に示すように、密閉容器101の内部には、圧縮機構部102、電動機部103を構成する回転子104と固定子105、電動機部103の回転力を圧縮機構部102に伝達するクランク軸106、クランク軸106を支承する主軸受け107と副軸受け108が電動機部103の両側に設置されており、副軸受け108は固定部材109により支承されている。また、密閉容器下部にはオイル溜まり110が配設され、さらに、密閉容器101には、低圧冷媒ガスを吸入するための吸入管111、圧縮機構部102で圧縮された高圧冷媒ガスを密閉容器の外部へ吐出するための吐出管112が設けられ、クランク軸106の端部にはオイルポンプ113が設けられている。
【0004】
上記構成において、電動機部103の回転子104が回転すると、この回転力はクランク軸106によって圧縮機構部102に伝達される。圧縮機構部102に回転力が伝達されると、冷媒ガスに圧縮作用が生じる。この結果、吸入管111より吸入された低圧冷媒ガスは、圧縮機構部102で高圧冷媒ガスに圧縮されて、いったん密閉容器101内の吐出口側空間114に吐出された後、圧縮機構部102に設けられた連通口115及び固定子105に設けられた切り欠き部116を通り、副軸受け側空間117に至り、最終的に吐出管112より冷凍サイクル中へ吐き出される。
【0005】
以上の圧縮作用によりクランク軸106には、冷媒圧縮時のラジアル方向の荷重に加え、回転子104の自重、電動機部103に発生する吸引力が加わり、たわみ変形が生じる。その結果、特に副軸受け108に片当たりが発生し、摩耗、焼付きの原因となる。また、クランク軸106を両端にて支承する為、組立時に主軸受け107と副軸受け108の同軸精度が要求される。本従来例では、副軸受け108として転がり軸受けを使用し、固定部材109に圧入固定し、これを密閉容器101に溶接固定している。この転がり軸受けの内輪118と外輪119の間に生じるあそびにより調芯機能を有している。
【0006】
、オイル溜まり110の冷凍機油は、オイルポンプ113を介して汲み上げられた後、クランク軸106に設けられた連通口120を通り、圧縮機構部102へ供給される。この冷凍機油は、圧縮機構部102の摺動部を潤滑後オイル溜まり110に戻る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術では、副軸受けに転がり軸受けを採用することにより、クランク軸のたわみ変形に基づく片当たり、焼き付きを防止すると共に、軸受けの組立精度の緩和を行っている。しかしながら、転がり軸受けは非常にコストが高く、また固定部材に圧入し固定するため、固定部材側の精度も要求される。さらに運転時は、鋼球の転動音と内外輪のあそびにより滑り軸受けと比較して、音圧レベルの上昇および音質の不安定化、振動の増大といった圧縮機の性能の低下を引き起こす可能性が高くなる。また転がり軸受けの調芯に対する許容度は、内外輪のあそびによる程度であり、それを超える軸芯のずれが発生した場合、クランク軸の回転に必要なトルクが急激に上昇し、消費電力の上昇、または圧縮機の起動不良につながる。また、既に副軸受けを圧入固定した固定部材を密閉容器に溶接するため、溶接時の歪等による軸芯ずれが発生し易くなる。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するものであり、クランク軸のたわみ変形および製品組立時の軸芯のずれによる副軸受けの片当たりによる摩耗を防止する手段を低コストで達成するものである。さらに、転がり軸受けより発生する振動、騒音を排除するとともに、両軸受けの軸芯ずれにより発生する消費電力の増大を防止し、高い信頼性を有した組立が容易となる。高効率で低騒音の圧縮機を安価で提供する事を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、密閉容器内の中央部に電動機を配設し、一方にクランク軸を介して前記電動機で駆動する圧縮機構部を、他方に前記クランク軸の副軸部を支承する副軸受けと前記副軸受けを支承する固定部材を具備した密閉型圧縮機において、前記固定部材の副軸受けとの接触部が反電動機側にテーパ形状でくぼみ、テーパ形状部と接する前記副軸受けの外周の一端が球形状を有し、前記副軸受けを前記クランク軸と固定部材で挟み込むものである。
【0010】
上記により、クランク軸がたわみ変形や組立時の両軸受けの軸芯ずれにより傾斜すると、副軸受けはこれに追従して傾斜しようとするが、このとき副軸受けと副軸受けを支承する固定部材の接触部は、球形状とテーパ形状の組み合わせで構成されるため副軸受けはスライドし易く、クランク軸に容易に追従でき、その結果片当たりを防止することができる。さらに本仕様では、クランク軸に発生するスラスト方向の荷重を受ける、スラスト軸受けを兼ねることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、密閉容器内の中央部に電動機を配設し、一方にクランク軸を介して前記電動機で駆動する圧縮機構部を、他方に前記クランク軸の副軸部を支承する副軸受けと前記副軸受けを支承する固定部材と潤滑油を圧縮機構部に供給するオイルポンプを具備した密閉型圧縮機において、前記固定部材の副軸受けとの接触部が電動機側にテーパ形状でくぼみ、前記固定部材の反電動機側に外周の角部を球形状とする副軸受けを配設し、反電動機側にテーパ形状のくぼみを有する前記オイルポンプと前記固定部材で前記副軸受けを挟み込むものである。
【0016】
請求項に記載の発明は、固定部材及びオイルポンプの副軸受けとの接触部が球形状または球形状とテーパ形状の組み合わせとするものである。
【0017】
【実施例】
以下本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0018】
(実施例1)
図1に示すように、密閉容器1の内部には、圧縮機構部2、電動機部3を構成する回転子4と固定子5、電動機部3の回転力を圧縮機構部2に伝達するクランク軸6、クランク軸6を支承する主軸受け7と副軸受け8が電動機部3の両側に設置されており、副軸受け8は固定部材9により支承されている。また、密閉容器下部にはオイル溜まり10が配設され、さらに、密閉容器1には、低圧冷媒ガスを吸入するための吸入管11、圧縮機構部2で圧縮された高圧冷媒ガスを密閉容器の外部へ吐出するための吐出管12が設けられ、クランク軸6の端部にはオイルポンプ13が設けられている。
【0019】
上記構成において、電動機部3の回転子4が回転すると、この回転力はクランク軸6によって圧縮機構2に伝達される。圧縮機構部2に回転力が伝達されると、冷媒ガスに圧縮作用が生じる。この結果、吸入管11より吸入された低圧冷媒ガスは、圧縮機構部2で高圧冷媒ガスに圧縮されて、いったん密閉容器1内の吐出口側空間14に吐出された後、圧縮機構部2に設けられた連通口15及び固定子5に設けられた切り欠き部16を通り、副軸受け側空間17に至り、最終的に吐出管12より冷凍サイクル中へ吐き出される。
【0020】
以上の圧縮作用によりクランク軸6には、冷媒圧縮時のラジアル方向の荷重に加え、回転子4の自重、電動機部3に発生する吸引力が加わり、たわみ変形が生じる。その結果、特に副軸受け8に片当たりが発生し、磨耗、焼付きの原因となる。また、クランク軸6を両端にて支承する為、組立時に主軸受け7と副軸受け8の同軸精度が要求される。
【0021】
そこで本発明では、固定部材9の副軸受け8との接触部をテーパ形状にし、このテーパ形状部と接する副軸受け8の外周の一端を球形状で構成し、副軸受け8をクランク軸6と固定部材9で挟み込んでいる。そしてこの構成によればクランク軸6が、たわみ変形や組立時の主軸受け7と副軸受け8の軸芯ずれにより傾斜すると、副軸受け8はクランク軸6のスラスト方向力を受け、これに追従して傾斜しようとするが、このとき副軸受け8と副軸受け8を支承する固定部材9の接触部は、球形状とテーパ形状の組み合わせで構成されるため副軸受け8はスライドし易く、クランク軸6に容易に追従でき、その結果片当たりを防止することができる。
【0022】
(実施例2)
図2では、固定部材9の副軸受け8との接触部を球形状にて構成している。これによりクランク軸6が、たわみ変形や組立時の主軸受け7と副軸受け8の軸芯ずれにより傾斜すると、これに追従して副軸受け8の球形状部と固定部材9の球形状部がスライドして、片当たりを防止することができる。
【0023】
(実施例3)
図3では、固定部材9の副軸受け8との接触部が電動機側にテーパ形状でくぼんでおり、この固定部材9の反電動機側に外周の角部を球形状とする副軸受け8を配設し、さらにこの副軸受け8の反電動機側にテーパ形状でくぼんだ補助固定部材18を設けて、副軸受けを挟み込む構成にしている。
【0024】
この構成によれば、クランク軸6が傾斜すると、副軸受け8へのスラスト荷重が均等な分布から偏分布になる。その結果副軸受け8は、スラスト荷重が均等に分布するようにクランク軸6に追従して傾斜しょうとするが、このとき副軸受け8と副軸受け8を支承する固定部材9及び補助固定部材18の接触部は、球形状とテーパ形状の組み合わせで構成されるため副軸受け8はスライドし易く、クランク軸6に容易に追従でき、その結果、上記実施例と同様に片当たりを防止することができる。さらに本仕様では、反電動機方向より、順次部品の組み付けをクランク軸6を基準として行うことができ組立易い。
【0025】
(実施例4)
図4では、固定部材9及び補助固定部材18の副軸受け8との接触部が球形状または球形状とテーパ形状の組み合わせとするものである。これにより上記実施例と同様の効果を得ることができる。
【0026】
(実施例5)
図5では、上記実施例3及び4にて仕様の補助固定部材18の代替として潤滑油を圧縮機構部に供給するオイルポンプ13に反電動機側にテーパ形状のくぼみを形成し、このオイルポンプ13と固定部材9で副軸受け8を挟み込む構成としている。これにより部品点数を増加させることなく、上記実施例と同等の効果を得ることができる。
【0027】
(実施例6)
図6では、固定部材9及びオイルポンプ13の副軸受け8との接触部が、球形状または球形状とテーパ形状の組み合わせとしている。これにより上記実施例と同等の効果を得ることができる。
【0028】
【発明の効果】
上記実施例から明らかなように、請求項1に記載の発明は、密閉容器内の中央部に電動機を配設し、一方にクランク軸を介して前記電動機で駆動する圧縮機構部を、他方に前記クランク軸の副軸部を支承する副軸受けと前記副軸受けを支承する固定部材と潤滑油を圧縮機構部に供給するオイルポンプを具備した密閉型圧縮機において、前記固定部材の副軸受けとの接触部が電動機側にテーパ形状でくぼみ、前記固定部材の反電動機側に外周の角部を球形状とする副軸受を配設し、反電動機側にテーパー形状のくぼみを有する前記オイルポンプと前記固定部材で前記副軸受を挟み込んだことを特徴としており、この構成によれば、クランク軸が、たわみ変形や組立時の主軸受けと副軸受けの軸芯ずれにより傾斜すると、副軸受けはクランク軸よりスラスト方向の力を受け、これに追従して傾斜しようとするが、このとき副軸受けと副軸受けを支承する固定部材の接触部は、球形状とテーパ形状の組み合わせで構成されるため副軸受けはスライドし易く、クランク軸に容易に追従でき、その結果片当たりを防止することができ副軸部の摩耗、焼き付き等のない信頼性の高い密閉型圧縮機を、反電動機側より、クランク軸を基準に組み付けを行うことで容易に組み立てる事が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における密閉型圧縮機の断面図
【図2】本発明の実施例2における密閉型圧縮機の部分断面図
【図3】本発明の実施例3における密閉型圧縮機の部分断面図
【図4】本発明の実施例4における密閉型圧縮機の部分断面図
【図5】本発明の実施例5における密閉型圧縮機の部分断面図
【図6】本発明の実施例6における密閉型圧縮機の部分断面図
【図7】従来例の密閉型圧縮機の断面図
【符号の説明】
1 密閉容器
2 圧縮機構部
3 電動機部
4 回転子
5 固定子
6 クランク軸
7 主軸受け
8 副軸受け
9 固定部材
10 オイル溜まり
11 吸入管
12 吐出管
13 オイルポンプ
14 吐出側空間
15 連通口
16 切り欠き部
17 副軸受け側空間
18 補助固定部材

Claims (2)

  1. 密閉容器内の中央部に電動機を配設し、一方にクランク軸を介して前記電動機で駆動する圧縮機構部を、他方に前記クランク軸の副軸部を支承する副軸受けと前記副軸受けを支承する固定部材と潤滑油を圧縮機構部に供給するオイルポンプを具備した密閉型圧縮機において、前記固定部材の副軸受けとの接触部が電動機側にテーパ形状でくぼみ、前記固定部材の反電動機側に外周の角部を球形状とする副軸受けを配設し、反電動機側にテーパ形状のくぼみを有する前記オイルポンプと前記固定部材で前記副軸受けを挟み込んだことを特徴とする密閉型圧縮機。
  2. 固定部材及びオイルポンプの副軸受けとの接触部が球形状または球形状とテーパ敬称の組み合わせであることを特徴とする請求項記載の密閉型圧縮機。
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