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JP3757555B2 - シングルレバー式水栓のクリック機構 - Google Patents
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JP3757555B2 - シングルレバー式水栓のクリック機構 - Google Patents

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祐子 長谷川
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はシングルレバー式水栓のクリック機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、洗面所や台所、浴室等に取付けられた湯水混合水栓においては、水栓本体に配設したバルブに連動連結した弁体操作軸を傾動・回動自在に取付け、同弁体操作軸にレバーハンドルを連結し、同レバーハンドルの操作でバルブの開閉量を調整して、流量調整及び吐水温度調整可能としたシングルレバー式のものがあった。
【0003】
すなわち、水栓本体内には固定ディスクを配設するとともに、同固定ディスクに対応する可動ディスクを前記弁体操作軸の下端に連設してバルブを構成し、レバーハンドルの傾動操作により可動ディスクが前後方向に摺動して混合湯水の吐水流量を調整し、レバーハンドルの回動操作により可動ディスクが回動して前記混合湯水の吐水温度を調整するものである。
【0004】
ところが、かかる構成の湯水混合水栓では、レバーハンドルが無段階に傾動するので、一気にバルブが全開されて必要以上の吐水量となり、水はねしてしまったり、流量調整が煩わしくて必要以上の吐水量のまま使用することが多く、水を浪費する結果となっていた。また、一気に止水してしまうとウォーターハンマー現象を引起してしまうという問題があった。
【0005】
そこで、レバーハンドルの傾動や回動を段階的に行えるようにクリック機構を設けたシングルレバー式の湯水混合水栓が開発された。
【0006】
これらのクリック機構は、例えば、特開平7−280113号に示されているように、可動ディスクに連結した弁体操作軸の外側面に、傾動軌跡に対して垂直方向の凹凸部を設けたものであったり、特開平8−14422号公報に示されているように、弁体操作軸の傾動軌跡と同一方向に向いた凹凸部を設けて抵抗を付与するようにしたもので、いずれにしても弁体操作軸の傾動軌跡上に直接凹凸が形成されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した従来のクリック機構には以下の課題が残されていた。
【0008】
すなわち、弁体操作軸の外側面に、傾動軌跡に対して垂直方向の凹凸部を直接設けて抵抗を付与するようにしたものは、凹凸部の形成位置が、水栓の大きさなどから弁体操作軸の枢支部からの距離、すなわち高さ方向で規制されてしまい、必然的にその位置での傾動範囲が狭くなって、複数の凹凸部を適切な間隔をあけて設けることが設計上困難であった。
【0009】
しかも、凹部と凸部とが少しでもずれてしまうと逆にガタとなったりして、操作性に直接悪影響を与えてしまうものであった。
【0010】
他方、弁体操作軸の傾動軌跡と同一方向に向いた凹凸部を設けて抵抗を付与するようにしたものは、下からの力がレバーハンドルの嵌合方向にかかることになるので、クリック機構を構成する部材を上から押さえて抜けを防止するための別部材が必要となり、部品点数が増え、レバーハンドルと弁体操作軸との連結部回りの構成が複雑となってしまう問題があった。
【0011】
また、この場合も弁体操作軸の傾動軌跡上に凹凸を設ける必要があるため、少しでも凹凸の位置がずれるとレバーハンドルの操作力に悪影響を与えるおそれがあった。
【0012】
本発明は、上記課題を解決することのできるシングルレバー式水栓のクリック機構を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の本発明では、水栓本体に傾動・回動自在に配設した弁体操作軸にレバーハンドルを連結し、同レバーハンドルの操作で流量調整及び吐水温度調整可能とし、前記弁体操作軸外側面の傾動軌跡に一定間隔をあけて対向する仮想平面上に、前記レバーハンドルの傾動操作に段階的に抵抗を付与する複数の抵抗部を設けたシングルレバー式水栓のクリック機構において、前記抵抗部は、前記弁体操作軸と嵌合連結するレバーハンドルの基端部に設けた嵌合ボス部の外側部に配設した抵抗付与手段に設けられており、当該抵抗付与手段は、互いに重合状態に配設され、それぞれ断面略コ字状に形成されるとともに、前記弁体操作軸を挿嵌し、かつ、前記レバーハンドルの嵌合ボス部下面と水栓本体上面との間で保持された抵抗付与ベース部材と抵抗付与部材とからなり、前記抵抗付与ベース部材は、前後端縁を弧状に形成した底板の左右側端縁に立片を形成し、前記底板の中央部に矩形形状の挿通孔を設けて前記弁体操作軸を傾動・回動自在に挿通可能とし、前記各立片に複数の凹部又は凸部を並設する一方、前記抵抗付与部材は、矩形形状の底板の左右側端縁に立片を形成し、前記底板の中央部に前記弁体挿通軸を嵌合可能な挿通孔を設け、前記各立片の上部中央に前記凹部又は凸部に対応する少なくとも一つの凸部又は凹部を設けて前記抵抗部を構成した。
【0014】
また、請求項2記載の本発明では、水栓本体に傾動・回動自在に配設した弁体操作軸にレバーハンドルを連結し、同レバーハンドルの操作で流量調整及び吐水温度調整可能とし、前記弁体操作軸外側面の傾動軌跡に一定間隔をあけて対向する仮想平面上に、前記レバーハンドルの傾動操作に段階的に抵抗を付与する複数の抵抗部を設けたシングルレバー式水栓のクリック機構において、前記抵抗部は、前記弁体操作軸と嵌合連結するレバーハンドルの基端部に設けた嵌合ボス部の外側部に配設した抵抗付与手段に設けられており、当該抵抗付与手段は、レバーハンドル側に取付けた抵抗付与ベース部材と、水栓本体側に取付けた線材からなる抵抗付与部材とからなり、抵抗付与ベース部材の外側面に複数の溝部を設ける一方、抵抗付与部材には、前記溝部に係合する線状凸部を形成して前記抵抗部を構成した。
【0015】
また、請求項3記載の本発明では、前記抵抗付与手段は、レバーハンドルの回動操作に段階的に抵抗を付与する複数の回動抵抗部を備えたことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
この発明は、水栓本体に傾動・回動自在に配設した弁体操作軸にレバーハンドルを連結し、同レバーハンドルの操作で流量調整及び吐水温度調整可能としたシングルレバー式水栓において、前記弁体操作軸外周面の傾動軌跡に一定間隔をあけて対向する仮想平面上に、前記レバーハンドルの傾動操作に段階的に抵抗を付与する複数の抵抗部を設けたものである。
【0019】
シングルレバー式水栓は、水栓本体内に固定ディスクと可動ディスクを具備するバルブ機構を設け、可動ディスクに弁体操作軸を連結し、同弁体操作軸に前記レバーハンドルを連結し、同レバーハンドルを傾動させて吐水流量を調整し、レバーハンドルを回動させて湯水の混合比率を変えて吐水温度の調整を行う湯水混合水栓とすることができる。
【0020】
上記レバーハンドルは、筒状に形成した水栓本体の上部に、同水栓本体の輪郭に沿うように略同径の筒状に形成した基端部と、同基端部から伸延させたレバー部とから構成するこができ、前記基端部に前記弁体操作軸と嵌合連結する嵌合ボス部を設け、同嵌合ボス部の外側部に、前記複数の抵抗部を設けた抵抗付与手段を配設するとよい。
【0021】
また、前記抵抗付与手段は、レバーハンドルの回動操作に段階的に抵抗を付与する複数の回動抵抗部を備えることもできる。
したがって、レバーハンドルを操作して弁体操作軸を傾動させると、複数の抵抗部により使用者にクリック感を生起させ、一気にバルブを全開したりして水はねを生じさせたり、必要以上に吐水させて水を浪費することを防止することができる。また、止水時においてもバルブが一気に全閉となることがないので、ウォーターハンマー現象を引き起こすおそれがない。
【0022】
また、レバーハンドルを操作して弁体操作軸を回動させると、やはりクリック感を生起し、このクリック感が温度調整の目安となったり、あるいは一気に高温側に回動させてしまい、思わぬ熱湯が吐出するなどのおそれを防止することができる。したがって、回動抵抗部については、湯側にのみ設けても構わない。
【0023】
なお、クリック感を与える抵抗部の数は、傾動方向についても回動方向についても適宜に設定可能である。
【0024】
ところで、上記抵抗付与手段は、具体的に以下の構成とすることができる。
【0025】
すなわち、抵抗付与手段として、それぞれ弁体操作軸を挿嵌可能な挿通孔を形成するとともに、重合状態に配設可能に形成して、前記レバーハンドルの嵌合ボス部下面と水栓本体上面との間で保持される抵抗付与ベース部材と抵抗付与部材とから構成し、前記抵抗付与ベース部材に複数の凹部又は凸部を並設する一方、抵抗付与部材には、前記凹部又は凸部に対応する少なくとも一つの凸部又は凹部を設けて抵抗部を構成したものである。
【0026】
前記抵抗付与ベース部材と抵抗付与部材とは、それぞれ両側に立片を有するコ字状に形成することが好ましく、抵抗付与ベース部材の立片に複数の開口(凹部)を並設する一方、対応する抵抗付与部材の立片に、少なくとも一つの突起部(凸部)を設けるとよく、前記複数の開口間に形成される面を抵抗付与面とし、抵抗付与ベース部材の突起部が一開口から次の開口に移る間に抵抗付与面を乗り越えるときに抵抗が付与され、使用者にクリック感を与えることができる。
【0027】
このように、コ字状に形成した抵抗付与ベース部材と抵抗付与部材とを重合させた状態で弁体操作軸を挿嵌して配設して抵抗付与手段としたことにより、レバーハンドルを弁体操作軸に嵌合連結すると同時に抵抗付与手段の取付けが簡単に行えることになり、しかも、抵抗部は弁体操作軸外周面の傾動軌跡に一定間隔をあけて対向する仮想平面上に位置し、クリック感となる抵抗はレバーハンドルの嵌合方向と直交する方向に加わるので、メンテナンス時のレバーハンドルの抜差しで悪影響を受けることがなく、また抵抗付与手段を構成する部材が外れたりするおそれもない。
【0028】
また、他の実施形態として、前記抵抗付与手段を、レバーハンドル側に取付けた抵抗付与ベース部材と、水栓本体側に取付けた線材からなる抵抗付与部材とから構成し、抵抗付与ベース部材の外側面に複数の溝部を設ける一方、抵抗付与部材には、前記溝部に係合する線状凸部を形成することもできる。
【0029】
この場合、抵抗付与ベース部材は枠形形状とし、線状凸部とともに抵抗部となる複数の溝部は、同抵抗付与ベース部材の左右側面にそれぞれ間隔を違えて設けることができる。すなわち、多段階的なクリック感を得るために、適当な間隔をあけて複数の溝部を形成するには、抵抗付与ベース部材の片面のみではスペースが足りなくても、左右側面に設けることで可能となる。
【0030】
さらに、この場合であっても、例えば抵抗付与ベース部材に少なくとも一つの凸部を設け、同抵抗付与ベース部材がレバーハンドルの回動操作に連動して摺動する水栓内側壁に前記凸部に対応する複数の凹部を設け、これらの凹凸部により回動抵抗部を構成し、吐水温度調整時においてもクリック感を生起させることができる。
【0031】
以上説明したように、本発明に係るクリック機構は、簡単な構成で低コストで製造可能でありながら、抵抗部の設置面積を実質的に広くとることができ、多段階でクリック感を付与することができる。
【0032】
しかも、抵抗部の位置が弁体駆動軸の傾動軌跡から偏倚しているので、レバーハンドルの操作力などの影響を直接受けることがなく、凹部と凸部との摩擦による抵抗の大きさを前記レバーハンドルなどの他の操作力と切り離して適宜設定することができる。
【0033】
【実施例】
以下、図面に基づき本発明の実施例を説明する。
【0034】
(第1実施例)
図1及び図2は第1実施例に係るクリック機構を具備するシングルレバー式水栓(以下水栓という)Aの要部の断面図であり、図3は同分解斜視図である。
【0035】
水栓Aは、図示しない洗面台や流し台の天板に取付金具取付けられており、筒状の水栓基部10の上部にカートリッジケース11を嵌着して水栓本体1を構成し、同水栓本体1の内部に、周知のミキシングバルブ機構を収納したカートリッジ2を配設し、同カートリッジ2内の可動ディスクに、弁体操作軸3を傾動・回動自在に連結し、同弁体操作軸3の上端部にレバーハンドル4を取付け、同レバーハンドル4の操作により弁体操作軸3を介して可動ディスクを傾動・回動させ、吐水流量及び吐水温度の調整を行うようにしている。すなわち、レバーハンドル4を傾動操作で吐出流量を、回動操作で吐水温度を調整可能としている。
【0036】
前記カートリッジケース11は、弁体操作軸3を傾動・回動自在に挿通可能な径を有する中央開口12を形成した上面壁13の周縁から、外周面上部を上方にすぼめてテーパ面を形成した枠壁14を周設しており、前記中央開口12内に、カートリッジ2の抜けを防止するためにリング状のカートリッジ押さえ5を配設している。
【0037】
このカートリッジ押さえ5は、中央開口12との間でスプライン嵌合されており、カートリッジケース11の回り止め機能を有するものでる。50は弁体操作軸挿通孔、51は位置決め用キー溝である。
【0038】
レバーハンドル4は、前記カートリッジケース11の枠壁14部分を覆う基端部40と同基端部40から伸延したレバー部41とからなり、基端部40の内部には弁体操作軸3との連結用の嵌合ボス部42を突設し、同ボス部42に弁体操作軸3の上端をスリーブ43を介して嵌合連結している。44は基端部40の中空部である。
【0039】
上記構成の水栓Aにおいて、本発明の特徴となるのは、前記弁体操作軸3の外周面の傾動軌跡Bに一定間隔dをあけて対向する仮想平面S上に、前記レバーハンドル4の傾動操作に段階的に抵抗を付与する複数の抵抗部6を設けたことにある。
【0040】
すなわち、本実施例では、前記嵌合ボス部42の外側部に、前記複数の抵抗部6を設けた抵抗付与手段としてのクリック機構部Cを配設している。
【0041】
図3に示すように、クリック機構部Cは、互いに重合状態に配設可能に、それぞれステンレス製の断面コ字状に形成された抵抗付与ベース部材であるベース7と抵抗付与部材であるスライダー8とから構成している。
【0042】
ベース7は、前後端縁をカートリッジケース11の枠壁14内周面に沿って摺動可能に弧状に形成した底板70の左右側端縁に立片71,71 を形成して断面略コ字状としており、底板70の中央部には矩形形状の挿通孔72を設け、弁体操作軸3を傾動・回動自在に挿通可能とし、各立片71には、第1〜第4開口61,62,63,64 を、それぞれ弁体操作軸3の傾動方向に並設している。したがって、この第1〜第4開口61,62,63,64 間には、第1〜第3抵抗付与面66,67,68が形成されることになる。
【0043】
さらに、第1〜第4開口61,62,63,64 の下方には、弧状のガイド長孔73を設けるとともに、同ガイド長孔73と略同高さに位置する立片71の前後端縁には、それぞれ外方へ突出させて弾力性を付与した凸片65を設けている。
【0044】
一方、スライダー8は、矩形形状の底板80の左右側端縁に立片81,81 を形成し、底板80の中央部には弁体挿通軸3を嵌合可能な挿通孔82を設け、底板80の左右端部には前記したベース7のガイド長孔73に挿通する爪片83を形成し、さらに、各立片81の上部中央には、前記第1〜第4開口61,62,63,64 に挿入可能な突起部60を設けている。
【0045】
ベース7とスライダー8は、図2に示すように、スライダー8を内側にして重合状態に配設されてクリック機構部Cを構成するものであり、同クリック機構部Cは、図3に示すように、カートリッジケース11内のカートリッジ押さえ5上に弁体操作軸3を挿通した状態で配設し、レバーハンドル4の嵌合ボス部42を上方から弁体操作軸3の上端に嵌合することにより容易に固定可能としている。
【0046】
すなわち、ベース7の底板70はカートリッジ押さえ5上に載置された状態となっており、同ベース7の第1〜第4開口61,62,63,64 のうちいずれかにスライダー8の突起部60が挿通された状態で立片71,81 同士が重合されるとともに、スライダー8に設けた爪片83がベース7のガイド長孔73内に挿通され、さらに、スライダー8の底板80がレバーハンドル4の嵌合ボス部42内に嵌入されたスリーブ43の下面にて押圧されているので、クリック機構部Cは、カートリッジケース11とレバーハンドル4との間で確実に保持されることになる。
【0047】
クリック機構Cを上記構成としているので、レバーハンドル4の回動時にはベース7とスライダー8は共回りするが、レバーハンドル4の傾動時には、図4に示すように、ベース7は固定されたままで、同ベース7の内側をスライダー8が前後に弧状に摺動する。
【0048】
このときに、スライダー8の摺動動作はベース7のガイド長孔73内に爪片83が挿通されているので円滑に行え、この摺動動作時に、スライダー8に設けた突起部60が、ベース7に設けた第1開口61内から第1〜第3抵抗付与面66,67,68を乗り越えて第2〜第4開口62,63,64内に移動する際の各抵抗がレバーハンドル4を操作する者(水栓使用者)に段階的にクリック感を与えることになる。
【0049】
また、本実施例では、前記突起部60が第1〜第3抵抗付与面66,67,68を容易に乗り越えられるように、同突起部60は、図3に示すように、立片81の上部にスリット84を形成して板バネ状に区画形成した上端部85に設けている。
【0050】
このように、本実施例では、スライダー8に設けた突起部60と、前記ベース7に設けた第1〜第4開口61,62,63,64 間に形成された第1〜第3抵抗付与面66, 67,68 とにより抵抗部6が構成されており、かかる抵抗部6はレバーハンドル4に嵌合連結した弁体操作軸3の外周面の傾動軌跡Bに一定間隔dをあけて対向する仮想平面S上に位置しているので、クリック感を生起する抵抗は弁体操作軸3及びレバーハンドル4の嵌合方向に対して直交する方向にかかるので、メンテナンスなどでレバーハンドル4を抜差ししてもクリック機構Cに悪影響を及ぼすことがない。
【0051】
また、本実施例に係る水栓Aは、レバーハンドル4が最上方位置のときに止水状態となり、下方に傾動させるに従い吐水量が増大し、最下方位置で最大吐水となるものとしている。そこで、ベース7に設けた第1〜第4開口61,62,63,64 のうち、止水側となる第1開口61の開口幅を他より広く形成して、少量吐水の際の調整幅を大きくして使い勝手を良好にしている。
【0052】
そして、一般的に使用される吐水量であると考えられる傾動位置に、第1、第2抵抗付与面66,67 を設定できるように第2、第3開口62,63 を形成し、この第1、第2抵抗付与面66,67 によるクリック感を目安として、使用者がいつでも適当な吐水量で水栓Aを使用できるようにしている。
【0053】
さらに、本実施例では、図3に示すように、カートリッジカバー11の枠壁14の内周面に一定間隔をあけて縦溝69を設け、レバーハンドル4の回動操作時に、ベース7に設けた凸片65が前記縦溝69に係合するようにして回動抵抗部6a(図2参照)を構成し、吐水温度調整時においても段階的にクリック感を与えるようにしている。なお、この回動抵抗部6aについては、縦溝69を湯側にのみ設け、高温となることをクリック感で知らせるようにすることもできる。
【0054】
以上説明してきたように、本実施例では、レバーハンドル4を操作すると、使用者にクリック感を生起させ、一気に大量吐水して水はねを生じさせたり、必要以上に吐水させて使用し、水を浪費することを防止することができる。また、止水時においても一気に止水されることがないので、ウォーターハンマー現象を引き起こすおそれがない。
【0055】
また、このクリック感が温度調整の目安となったり、あるいは一気に高温側に回動させてしまい、思わぬ熱湯が吐出するなどのおそれを防止することができる。
【0056】
また、クリック機構部Cの取付けは、レバーハンドル4を弁体操作軸3に嵌合連結するだけで簡単に行え、メンテナンス時にレバーハンドル4を抜いてもクリック機構部Cが抜け落ちたりするおそれがなく、しかも、クリック感を生起する抵抗はレバーハンドル4の嵌合方向に対して直交する方向にかかるので、レバーハンドル4を抜差ししてもクリック機構Cに悪影響を与えることがない。
【0057】
(第2実施例)
次に、図5〜図7を参照しながら、本発明の第2実施例を説明する。
【0058】
図5及び図7は第2実施例に係るクリック機構を具備するシングルレバー式水栓(以下水栓という)A'の要部の断面図であり、図3は同分解斜視図である。
【0059】
水栓A'は、先に説明した水栓Aに対してクリック機構部Cの構成のみが異なるもので、ここでは、クリック機構部Cのみを説明し、その他の構成については説明を省略する。
【0060】
本実施例におけるクリック機構Cは、レバーハンドル4側に取付けた枠形形状の抵抗付与ベース部材としてのベース枠7'と、水栓本体1側に取付けた線材からなる抵抗付与部材としての係合材8'とから構成しており、ベース材7'の左右外側面7a,7b に複数の溝部7cを設ける一方、係合材8'には、前記各溝部7cに係合可能な線状凸部8a,8a を形成している。
【0061】
ベース枠7'は黄銅製の方形形状に形成した枠体であり、図8〜図11に示すように、レバーハンドル4の嵌合ボス部42に接着材(図示せず)を介して嵌合状態で固着可能としており、左外側面7aに2本の溝部7c,7c を設けるとともに、右外側面7bに3本の溝部7c,7c,7cを形成している。
【0062】
一方、係合材8'は一本のステンレス製線材を三次元的に折曲形成したものであり、図12〜図14に示すように、カートリッジケース11の枠壁14の内周部に形成した周溝16に摺動自在に嵌合したリング状基部8bと、同基部8bから内側に向けて対向状に門形に起立させた線状凸部8aとを有する。
【0063】
かかる線状凸部8aと前記溝部7cとにより抵抗部6を構成するものであるが、溝部7cは、ベース枠7'の左右外側面7a,7b にそれぞれ間隔を違えて設けているので各外側面7a,7b のスペースが狭くても、レバーハンドル4を傾動させると左右の線状凸部8a,8a が対応する溝部7cに交互に係合することになり、より多段階的にクリック感を与えることができる。
【0064】
なお、本実施例においても、係合材8'のリング状基部8bに少なくとも一つの凸部を設けるとともに、同リング状基部8bがレバーハンドル4の回動操作に連動して摺動する周溝16に同凸部に対応する複数の凹部を設け、これらの凹凸部により回動抵抗部を構成し、吐水温度調整時においてもクリック感を生起させることができる。
【0065】
本実施例のクリック機構Cについても、前述した第1実施例と同等な効果を得ることができる。
【0066】
なお、クリック感を与える抵抗部6の数は、傾動方向についても回動方向についても適宜に設定可能であり、上述した各本実施例に限定されるものではない。
【0067】
【発明の効果】
本発明では以下の効果を奏する。
【0068】
(1)請求項1記載の本発明では、抵抗部は、前記弁体操作軸と嵌合連結するレバーハンドルの基端部に設けた嵌合ボス部の外側部に配設した抵抗付与手段に設けられており、当該抵抗付与手段は、互いに重合状態に配設され、それぞれ断面略コ字状に形成されるとともに、前記弁体操作軸を挿嵌し、かつ、前記レバーハンドルの嵌合ボス部下面と水栓本体上面との間で保持された抵抗付与ベース部材と抵抗付与部材とからなり、前記抵抗付与ベース部材は、前後端縁を弧状に形成した底板の左右側端縁に立片を形成し、前記底板の中央部に矩形形状の挿通孔を設けて前記弁体操作軸を傾動・回動自在に挿通可能とし、前記各立片に複数の凹部又は凸部を並設する一方、前記抵抗付与部材は、矩形形状の底板の左右側端縁に立片を形成し、前記底板の中央部に前記弁体挿通軸を嵌合可能な挿通孔を設け、前記各立片の上部中央に前記凹部又は凸部に対応する少なくとも一つの凸部又は凹部を設けて前記抵抗部を構成したことにより、クリック感を生起する抵抗はハンドルレバーの嵌合方向に対して直交する方向にかかるのでハンドルレバーを抜差ししてもクリック機構に悪影響を与えることがない。
【0069】
また、クリック機構部の取付けがより容易となる。
【0070】
また、メンテナンスなどでレバーハンドルを抜いても抵抗付与手段が抜け落ちたりすることがなく、また、簡単な構成で確実にクリック感を生起させることができ、かつ低コストで製造可能となる。
【0071】
(2)請求項2記載の本発明では、前記抵抗部は、前記弁体操作軸と嵌合連結するレバーハンドルの基端部に設けた嵌合ボス部の外側部に配設した抵抗付与手段に設けられており、当該抵抗付与手段は、レバーハンドル側に取付けた抵抗付与ベース部材と、水栓本体側に取付けた線材からなる抵抗付与部材とからなり、抵抗付与ベース部材の外側面に複数の溝部を設ける一方、抵抗付与部材には、前記溝部に係合する線状凸部を形成して抵抗部を構成したことにより、簡単な構成で確実にクリック感を生起させることができ、かつ低コストで製造可能となる。
【0072】
(3)請求項3記載の本発明では、前記抵抗付与手段は、レバーハンドルの回動操作に段階的に抵抗を付与する複数の回動抵抗部を備えることとしたので、上記(1)、(2)の効果に加え、例えばレバーハンドルの回動操作で吐水温度調整する場合に、一気に高温吐水となったりするおそれがなく安全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施例に係るクリック機構を具備する水栓の要部の側面断面図である。
【図2】同正面断面図である。
【図3】同分解斜視図である。
【図4】同水栓のレバーハンドルの傾動状態を示す説明図である。
【図5】第二実施例に係るクリック機構を具備する水栓の要部の側面断面図である。
【図6】同正面断面図である。
【図7】同分解斜視図である。
【図8】ベース枠の平面図である。
【図9】同正面図である。
【図10】同左側面図である。
【図11】同右側面図である。
【図12】係合材の正面図である。
【図13】同平面図である。
【図14】同側面図である。
【符号の説明】
A,A' シングルレバー式水栓
B 傾動軌跡
C クリック機構部(抵抗付与手段)
S 仮想平面
1 水栓本体
3 弁体操作軸
4 レバーハンドル
6 抵抗部
6a 回動抵抗部
7 ベース(抵抗付与ベース部材)
7' ベース枠(抵抗付与ベース部材)
8 スライダー(抵抗付与部材)
8' 係合材(抵抗付与部材)
42 嵌合ボス部
61 第1開口
62 第2開口
63 第3開口
64 第4開口
71,81 立片

Claims (3)

  1. 水栓本体(1)に傾動・回動自在に配設した弁体操作軸(3)にレバーハンドル(4)を連結し、同レバーハンドル(4)の操作で流量調整及び吐水温度調整可能とし、前記弁体操作軸(3)外側面の傾動軌跡(B)に一定間隔をあけて対向する仮想平面(S)上に、前記レバーハンドル(4)の傾動操作に段階的に抵抗を付与する複数の抵抗部(6)を設けたシングルレバー式水栓のクリック機構において、
    前記抵抗部 (6) は、前記弁体操作軸 (3) と嵌合連結するレバーハンドル (4) の基端部に設けた嵌合ボス部 (42) の外側部に配設した抵抗付与手段 (C) に設けられており、
    当該抵抗付与手段 (C) は、互いに重合状態に配設され、それぞれ断面略コ字状に形成されるとともに、前記弁体操作軸 (3) を挿嵌し、かつ、前記レバーハンドル (4) の嵌合ボス部 (42) 下面と水栓本体 (1) 上面との間で保持された抵抗付与ベース部材 (7) と抵抗付与部材 (8) とからなり、
    前記抵抗付与ベース部材 (7) は、前後端縁を弧状に形成した底板 (70) の左右側端縁に立片 (71),(71) を形成し、前記底板 (70) の中央部に矩形形状の挿通孔 (72) を設けて前記弁体操作軸 (3) を傾動・回動自在に挿通可能とし、前記各立片 (71) に複数の凹部又は凸部を並設する一方、
    前記抵抗付与部材 (8) は、矩形形状の底板 (80) の左右側端縁に立片 (81),(81) を形成し、前記底板 (80) の中央部に前記弁体挿通軸 (3) を嵌合可能な挿通孔 (82) を設け、前記各立片 (81) の上部中央に前記凹部又は凸部に対応する少なくとも一つの凸部又は凹部を設けて前記抵抗部 (6) を構成したことを特徴とするシングルレバー式水栓のクリック機構。
  2. 水栓本体 (1) に傾動・回動自在に配設した弁体操作軸 (3) にレバーハンドル (4) を連結し、同レバーハンドル (4) の操作で流量調整及び吐水温度調整可能とし、前記弁体操作軸 (3) 外側面の傾動軌跡 (B) に一定間隔をあけて対向する仮想平面 (S) 上に、前記レバーハンドル (4) の傾動操作に段階的に抵抗を付与する複数の抵抗部 (6) を設けたシングルレバー式水栓のクリック機構において、
    前記抵抗部 (6) は、前記弁体操作軸 (3) と嵌合連結するレバーハンドル (4) の基端部に設けた嵌合ボス部 (42) の外側部に配設した抵抗付与手段 (C) に設けられており、
    当該抵抗付与手段 (C) は、レバーハンドル (4) 側に取付けた抵抗付与ベース部材 (7') と、水栓本体 (1) 側に取付けた線材からなる抵抗付与部材 (8') とからなり、抵抗付与ベース部材 (7') の外側面に複数の溝部 (7c) を設ける一方、抵抗付与部材 (8') には、前記溝部 (7c) に係合する線状凸部 (8a) を形成して前記抵抗部 (6) を構成したことを特徴とするシングルレバー式水栓のクリック機構。
  3. 前記抵抗付与手段(C)は、レバーハンドル (4) の回動操作に段階的に抵抗を付与する複数の回動抵抗部 (6a) を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のシングルレバー式水栓のクリック機構。
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