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JP3758250B2 - 青果物等の内部品質検査方法およびその装置 - Google Patents
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JP3758250B2 - 青果物等の内部品質検査方法およびその装置 - Google Patents

青果物等の内部品質検査方法およびその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光透過率にもとづいて青果物等の内部欠陥を検出する青果物等の内部品質検査方法およびその装置に関し、特に大根等の根菜類内部において、頭部から尾部に向かう中心線に沿って広がる内部褐変(以下、単に「褐変」と略す)を光透過率を用いて検出する青果物等の内部品質検査方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
褐変が重度に進行した青果物等は同時に腐敗していることが多く、例えば、沢庵漬けの大根においては、その腐敗臭が同一桶に漬け込んだ他の正常品に移行して、全体の商品を不良化してしますという問題がある。したがって、褐変が一定以上進行している大根は、これらを漬け込む前に不良欠陥品として除去する必要がある。しかしながら、このような褐変は外見的には何の変化もなく、切断して初めて発見されることが多い。
【0003】
褐変の進行したものは黒化した部分が大きく広がっており、その検査方法として単純に光の透過量で判別しようとする発想は従来より存在している。
例えば、特開平3−68846号公報に開示された発明においては、大根内部に発生する鬆、黒芯、赤芯などの内部欠陥をX線透視法、光透視法を用いて目視により検出することができるとしている。
また、特開平8−127456号公報に開示された発明においては、リンゴ内部に発生する褐変を光透過率にもとづいて検出することができるとしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の青果物等の内部品質検査方法においては、次のような問題点があった。
すなわち、特開平3−68846号公報に開示された発明においては、目視による判別を前提としており、自動判別の具体的手段が示されていないため、検査者の眼精疲労が激しい等の問題点があった。
また、特開平8−127456号公報に開示された発明においては、検査試料はリンゴ等の球形のものに限られている。
【0005】
本発明は、上記問題点にかんがみてなされたもので、青果物等の寸法や形状にとらわれることなく、青果物の内部品質を自動判別する検査方法および装置の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
まず、本発明の原理について図2および図3を参照して説明する。
図2は概ね同一寸法に切り出した大根の正常な部分(a)と、軽度の褐変部分(b)と、重度の褐変部分(c)のそれぞれについて、分光光度計を用いて光透過率を測定し、その分光特性を表したグラフである。
同図において、各スペクトルは共通して可視光領域の所定波長にて高い光透過率(ピーク)を示し、褐変の進行にしたがって全体的に光透過率は低下するものの、ピーク波長はシフトすることなく概ね不変である。従って、光の透過率を指標にして褐変の検査をするには、可視光領域の全透過率の測定で十分であると判断される。
【0007】
上記の考えにもとづき、正常な大根と、軽度の褐変部分を有する大根と、重度の褐変部分を有する大根のそれぞれについて、頭部を起点として尾部に向かう30、80、130、180、230mmの各点にて大根側方より可視光を照射し、光透過率の分布を測定した結果を図3に示す。
同図において、正常な大根の光透過率は○印で、また、軽度の褐変部分を有する大根の褐変部分は▼印で、同大根の正常部分は▽印で、さらに、重度の褐変部分を有する大根は●印でプロットしてある。
正常な大根は頭部から尾部に向かうにつれてほぼ一定の割合で光透過率が上昇している。これは大根が頭部から尾部に向かうにつれて細くなる形状に起因するものである。すなわち、光透過幅の減少に伴って光透過率が上昇するということである。
【0008】
一方、軽度の褐変を有する大根において、正常部分(▽印)は上述した正常な大根とほぼ同一の傾向を示すが、褐変部分(▼印)は正常部分に比べて光透過率が低い値を示すのみならず、頭部からの距離がおよそ55〜130mm間で正常部分に比べて光透過率が急激に上昇しているのがわかる。
【0009】
さらに、重度の褐変を有する大根においても、測定区間全域において光透過率は低い値を示すとともに、頭部からの距離が80〜230mm間で正常部分に比べて光透過率は急激に上昇しており、特に180〜230mm間においてその上昇率が高いことがわかる。
【0010】
以上説明したように、軽度の褐変部分を有する大根では頭部から中程にかけての所定区間において、急激に光透過率が上昇する傾向を示し、重度の褐変を有する大根では中程から尾部にかけての所定区間において、急激に光透過率が上昇する傾向を示す。いずれにしても褐変部分を有する大根は所定区間にて光透過率が急激に上昇する。したがって、このような性質を利用すれば褐変の発生した大根を検出することができる。
【0011】
そこで、上記目的を達成するため、請求項1にかかる青果物等の内部品質検査方法は、検査試料の少なくとも二以上の測定点に、上記検査試料が正常品のときに上記各測定点における検出光量が等しくなるだけの光を照射し、かつ、上記二以上の測定点における実際の光透過量を測定し、上記各測定点における光透過量と予め定めた判別閾値とを比較することによって、上記検査試料の内部欠陥を検出するする方法としてある。
【0012】
また、請求項2にかかる発明は、検査試料の少なくとも二以上の測定点に、上記検査試料が正常品のときに上記各測定点における検出光量が等しくなるだけの光を照射し、かつ、上記二以上の測定点における実際の光透過量を測定し、上記各測定点における隣接する測定点の光透過量の比率と予め定めた判別閾値とを比較することによって、上記検査試料の内部欠陥を検出する方法としてある
【0013】
例えば、上述した大根において、大根側方にて任意の二点を選出し、この二点に、正常な大根においては透過量が同じとなる量の光を照射して光透過量を測定し、その透過光量あるいは隣接する測定点における透過光量の比率を、正常な大根における透過光量あるいは透過光量と比較して褐変部分の有無を判断する。
【0014】
また、請求項3にかかる発明は、検査試料の少なくとも二以上の測定点に、上記検査試料が正常品のときに上記各測定点における検出光量が等しくなるだけの光を照射し、かつ、上記二以上の測定点における実際の光透過量を測定して、上記各測定点における光透過量と予め定めた判別閾値とを比較するとともに、上記各測定点における隣接する測定点の光透過量の比率と予め定めた判別閾値とを比較することによって、上記検査試料の内部欠陥を検出する方法としてある。
【0015】
このように、各測定点における光透過量と予め定めた判別閾値とを比較するとともに、各測定点における隣接する測定点の光透過量の比率と予め定めた判別閾値とを比較することによって、確実に褐変の有無の判断を行うことができる。
【0016】
さらに、請求項4にかかる青果物等の内部品質検査装置は、光源と、この光源から得た光を分配して検査試料の少なくとも二以上の測定点に照射するとともに、各測定点に照射される光量の分配率を調整する光分配器を備えた光照射手段と、上記各測定点における光透過量を測定するとともに、上記各測定点における光透過量及び隣接する上記測定点の透過光量の比率のうち、少なくとも一つを判別閾値と比較することにより、上記検査試料の内部欠陥を検出する内部品質判別手段とを具備する構成としてある。
【0017】
すなわち、光照射手段は検査試料の複数の測定点に、正常な大根においては透過量が同じとなる量の光を照射して、各測定点における光透過率を測定し、各測定点における光透過量及び隣接する上記測定点の透過光量の比率のうち、少なくとも一つを判別閾値と比較することにより内部欠陥を検出する。
【0018】
ここで、光照射手段とは、少なくとも検査試料内部に褐変等の内部欠陥が存在する場合に、その光透過率に変化を生じせしめる程度の波長を有する光を照射することができればよく、上述したとおり可視光の光源で十分である。もちろん、可視光は短波長、長波長など様々な波長の光を適用可能であるが、光透過率の高い波長の光を用いた方が、透過光の検出時に検出誤差発生する可能性が低く好適である。
【0019】
内部品質判別手段としては、例えば、光センサを備えて透過光量を測定して光透過率を算出し、同光透過率の変化度合を検知して内部欠陥を検出するコンピュータを含む電子回路群が考えられる。もちろん、用いる光センサについては特に限定されることはないが、可視光領域に感度の高いシリコンフォトダイオードからなる光センサを用いれば好適である。また、必ずしもコンピュータを用いてディジタル式の演算を行う必要はなく、少なくとも光透過率の変化度合を測定することができればよく、アナログ式の演算器を用いるなどして適宜変更してもかまわない。
【0020】
また、請求項5にかかる発明は、上記光照射手段が、パルス光を発生する放電管を備えた構成としてある。すなわち、キセノン放電管などを用いてパルス光の立ち上がり分のみを用いる。
【0021】
また、請求項6にかかる発明は、上記光分配器が、光ファイバの束からなり、この光ファイバ束の素線本数を変化させることで、一つの光源からの光分配率を変化させる構成としてある。
【0022】
すなわち、束状の光ファイバの一端から光を導入し、別の一端において所定の分配率となるように同光ファイバの素線本数を分配していくつかの光ファイバの束を形成する。このようにすると、各光ファイバの束における光ファイバ本数の差に依存して、照射する光量を変化させることができる。
【0023】
また、請求項7にかかる発明は、上記光照射手段が、上記測定物の測定(長手)方向に沿って光源を移動させ複数の箇所で照射する構成としている。このとき、光照射手段の光源と、透過光を検地するセンサを同期移動させてもよく、このようにすると連続的スキャンも可能となる。もちろん、測定点にセンサを固定させておく構成であってもよいことは当然である。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面にもとづいて本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる大根の内部品質検査装置をブロック図により示している。
同図に示す、大根の内部品質検査装置における光照射手段10は、位置検出器20と、光源制御装置30と、光源部40と、光分配器50と、演算判別制御装置70とを備えている。
【0025】
検査試料の大根(以下、「試料大根」と称する)は、図示しない試料台の上に横向きに寝かすようにして載置され、さらに同試料台はチェーンコンベア等による搬送機構を備えており、試料大根を測定位置に搬送する。ここにおいて位置検出器20は、試料大根が測定位置に正しく搬送されたことを検知する光電スイッチであり、試料大根が測定位置まで正しく搬送されると、演算判別制御装置70が起動し、光源制御装置30に対して信号を送出する。
【0026】
光源制御装置30は、図示しない高電圧発生装置と、蓄積コンデンサとから構成され、上記演算判別制御装置70からの信号を受信すると後述するキセノン放電管41に対して高電圧パルスを発生する。
光源部40は、光源であるキセノン放電管41と、発生した光を後述する光分配器50に導入するための反射鏡42、レンズ43を含む光学装置とから構成される。キセノン放電管41はエネルギー値が1.5ジュールの放電管であり、光源制御装置30からの高電圧パルスにて印加され、最大ピーク時間が10μSのパルス光を発光する。このようにして発生した光は反射鏡42とレンズ43とを用いて効率良く集光され光分配器50に導入される。
【0027】
本実施形態においては、チェーンコンベア等の搬送機構を備えるとともに、位置検出器20と光源制御装置30とを連動せしめることにより、試料大根が測定位置まで搬送されると光を発生する構成としてあるが、必ずしもこの構成にとらわれる必要はない。例えば、単に試料大根を載置するだけの固定した試料台を用い、試料大根を正しく載置した後、手動によるスイッチの入切動作に連動せしめて発光を制御するなどして適宜変更してもかまわない。
【0028】
また、演算判別制御装置70の本来の機能としては、後述するように正常品と欠陥品とを判別することにあるが、本実施形態においては発光の制御を行うという意味で、光発生手段の一部をも構成する。
もちろん、別個に制御装置を備え、位置検出器20の出力を受けて光の発生を制御するようにしてもかまわない。
【0029】
さらに、本実施形態においては、光源としてキセノン放電管41を用いてパルス光を発生させているが、これはパルス光の立ち上がり分のみを用いることで、作業環境光などの外来光の影響を最小限に抑えるためである。
もちろん、光源としては必ずしも上記構成にとらわれることなく、少なくとも試料大根内に褐変が存在する場合に、光透過率に変化を生じさせることができればよい。したがって、ハロゲン白熱電球を用いた連続光を照射するなどして適宜変更することも可能である。
【0030】
光分配器50は、光ファイバの束からなる光の三分岐器であり、試料大根の三つの測定点A、B、Cに対して上述したようにして得られた光を等分配して照射する。
なお、本実施形態における測定点A、B、Cは試料大根の頭部からそれぞれ50、100、150mmの三点としてある。上述した例において、軽度の褐変部分を有する大根は、頭部からの距離が55〜130mmの区間において、また、重度の褐変部分を有する大根は、頭部からの距離が80〜230mmの区間において、それぞれ急激な光透過率の変化を示している。このように、頭部からの距離が50、100、150mmの三点にて光透過率の測定を行えば、軽度の褐変、重度の褐変ともに検出可能となる。
【0031】
測定点は必ずしも三点に限られる必要はなく、例えば頭部からの距離が80mmと180mmの二点としてもさし支えないし、あるいは測定点を四点以上設けるなどしてもかまわない。測定点を二点とした場合は、軽微な褐変を見逃す可能性も多少あるが充分に実用可能である。
【0032】
大根の内部品質検査装置は、内部品質判別手段として、三つの受光器60と、演算判別制御装置70とを備えている。
受光器60は、試料大根を透過した光の強度を光電流量として検出するセンサのことであり、各測定点A、B、Cにおける透過光の光電流量Ai、Bi、Ciを検出する。
具体的には受光面積が1平方センチメートルのシリコンフォトダイオードからなる光センサ61を備え、光分配器50の各光軸上に、光分配器50に対向させて配設してある。
【0033】
さらに、各受光器60には隣接する測定点の漏洩光や作業環境光等の外来光を遮断するため、一辺が約10cmの立方体の黒いスポンジに、ほぼ大根の外形に合わせた半円溝状の凹みを形成した遮光器62を、光センサ61の後方側から覆い被せるようにして取り付けてある。そして、光電流量の測定を行うときに、遮光器62を試料大根表面に突き当てる。
【0034】
このようにすると、試料大根表面に多少の凹凸があるときでも、スポンジ製の遮光器62が変形し、ほぼ隙間無く試料大根表面に密接して完全に外来光を遮断する。したがって、正確な光電流量の測定を行うことができる。また、遮光器62は黒色としてあるので、外来光の吸収効率が高く、効果的に外来光を遮断することができる。
【0035】
演算判別制御装置70は、図示しないコンピュータを含む回路群から構成されており、まず受光器60にて測定された光電流量Ai、Bi、Ciを、演算処理するのに必要な大きさの電圧まで図示しない増幅器を用いて増幅し、キセノン放電管の発光ピークに合わせてディジタル値として上記コンピュータに読み込ませる。
そして、各光電流量Ai、Bi、Ciと、予め正常品における光電流量を参酌して決定したそれぞれの測定点における閾値ai、bi、ciとの大小を比較する。
【0036】
すなわち、重度の褐変部分においては、光透過率が正常部分に比べてきわめて低い値を示すため、正常品の光電流量よりも充分に小さい値ai、bi、ciを判別閾値として設定し、
Ai<ai
Bi<bi
Ci<ci
のいずれかの一つでも条件を満たす場合には、直ちに不良品としての判別信号を図示しない選別機構に発信する。これを受けて選別機構は不良品を選別する。
【0037】
一方、上記条件にて不良品として判別されなかったときは、次に示す演算式を用いて隣接する測定点間の光電流量比XおよびYを算出する。
X=Bi/Ai
Y=Ci/Bi
この後、予め設定した褐変の判別閾値xおよびyに対して
X>x
Y>y
のいずれかの一つでも条件を満たす場合に褐変有りと判断して判別信号を図示しない選別機構に向けて発信し、それ以外を正常品とする。
すなわち、褐変を有する大根では頭部から尾部に向かうにつれて光透過率の変化度合が大きく、この変化度合の一つの指標として、隣接する測定点間での光電流量の比を用いるのである。
【0038】
このように各測定点における光電流量の絶対値による判別(前段階)と、隣接する測定点間での光電流量の比率による判別(後段階)とを用いた二段階の判別方法を採用することにより、一層効率的な判別をすることが可能であるが、必ずしも、これら二段階判別法を用いる必要はなく、後段階の判別のみでも欠陥品の選別は可能である。
【0039】
ところで、本発明においては、光透過率の変化度合を測定しているので、各測定点における光透過率を算出して比率を求めるべきであるが、光透過率は、
光透過率=(透過光量)/(照射光量)×100
で表されるため、本実施形態のように照射光量を一定にすれば、比率演算において照射光量は相殺し合うことになり、結局は透過光量の比、すなわち光電流量の比に置き換えることができる。
すなわち、本実施形態においては、各測定点で検出した光電流量の比を算出しているが、これは結局のところ光透過率の比率の算出と数学的に同義であり、むしろこのようにした方が処理は簡素化される。
【0040】
さらに、上記判別閾値は大根の品種や産地、季節やその年の気候によっても幾分変化するので、これらは装置に固定的なものではなく、生産ロットによって決める必要がある。したがって本実施形態においては、かかる判別処理を開始する前に数十本ほどの正常品を測定して、各測定点で検出された光電流の最低値の1/3程度をそれぞれai、bi、ciとし、各測定点間の比の三倍程度をxおよびyとして設定した。
この結果、これらの設定値で褐変を見逃すことはなかった。
【0041】
本実施形態においては、光分配器50で照射光を三等分しているが、必ずしも等分する必要はなく、光センサの感度および検出される光電流の増幅回路を含めた総合的な検出感度が保証されればよい。例えば、正常品でも頭部の光透過率は小さいので、頭部近くの測定点で誤差が生じやすい。しかるに、予め光分配器の分配率を頭部に近い方を多くし、尾部に近い方を少なくするなどしてもかまわない。
より具体的には、全光量を1としたとき測定点A(頭部からの距離50mm)が0.67、測定点B(頭部からの距離100mm)が0.24、測定点C(頭部からの距離150mm)が0.09となるように、光ファイバの本数の割合を調整したところ、正常品における検出光電流が概ね等しくなった。これを実際の値に戻すためには、演算の段階で配分率の逆値を乗じて補正すればよい。
【0042】
また、本実施形態においては、一つの光源から得た光を光分配器にて分配しているが、一測定点あたりの光量が少なくなるので、それだけ検出光電流の増幅度を増す必要がある。光量の増大については、発光エネルギーのより大きなランプを用いればよいが、小さなランプを用いて各測定点にそれぞれ個別に光源を用意しても可能である。
この個別光源方式では、各ランプを微小時間ずつずらして点灯させて光透過率の測定を行う位相制御を採用することができるので、隣接する測定点からの漏れ光のない測定判別ができ、より正確な判別が期待できる。
【0043】
また、光照射手段は、一つのランプを試料大根の長手方向に沿って移動させ、各測定点でランプを発光させるようにしてもよい。この場合、受光器は上記実施形態と同様に各測定点と対応する位置に配置しておいてもよいが、一つの受光器をランプと同期して移動させるようにして、各測定点での光透過量を求めるようにすることも可能である。
【0044】
次に、図1に示す本実施形態にかかる青果物等の内部品質検査装置の動作を説明する。
図示しない試料台に試料大根を横向きに寝かせるようにして載置する。この試料台はチェーンコンベア等の運搬機構を備えており、試料大根を測定位置まで搬送する。
試料大根が測定位置に正しく搬送されると、このことを位置検出器20が検知して演算判別制御装置70を起動する。
演算判別制御装置70が起動すると光源制御装置30に対して信号を送出し、光源制御装置30はこの信号を受信すると、キセノン放電管41に対して高電圧パルスを送出する。
【0045】
キセノン放電管41は、この高電圧パルスにて印加され、最大ピーク時間が10μSのパルス光を発光する。このようにして発生した光は反射鏡42、レンズ43の光学機器を用いて効率良く集光され、光分配器50に導入される。
光分配器50は導入された光を三等分して各測定点A、B、Cに照射する。受光器60は各測定点の透過光量を光電流量として検出する。
そして、演算判別制御装置70は、まず各測定点における光電流量Ai、Bi、Ciがそれぞれ予め定めた所定閾値ai、bi、ci以下であるかを判定し、このうち一つでも所定閾値以下と判断された場合は、不良品との判別信号を図示しない選別機構に送出し、この選別機構は同判別信号を受けて不良品を選別する。
【0046】
一方、上記条件にて不良品と判断されなかったときは、演算判別制御装置70は、隣接する測定点間での光電流量の比X(Bi/Ai)およびY(Ci/Bi)を算出し、それぞれ所定閾値xおよびyとの大小関係を調べ、光電流量の比X、Yのいずれか一方でもそれぞれの所定閾値x、yよりも大きいときに、不良品であるとの判別信号を上記判別機構に送出し、それ以外の場合に正常品として判断する。
【0047】
このように、光源部40にて発生した光を光分配器50にて三つの測定点に等分配して照射し、受光器60にて検出した各測定点における光電流量から、各測定点間での光透過率の変化度合を求め、同変化度合にもとづいて青果物等の内部欠陥を検出する演算判別制御装置70を備えることにより、様々な寸法や形状の検査試料を適用可能であるとともに、自動で検査試料の内部欠陥の有無を判別することができる。
【0048】
なお、本実施形態は、大根の内部欠陥を検出する大根の内部品質検査装置であるが、光透過率の変化度合に着目しているので、検査試料の対象は牛蒡等の細長い形状のものであってもよいし、リンゴ等の球状のものであってもよく適宜変更可能であることは言うまでもない。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1にかかる本発明によれば、検査試料に光を照射してその光透過率の変化度合を測定するという比較的容易な手法を用いることにより、検査試料の寸法や形状の影響を受けることなく、検査試料の内部欠陥を自動検出することが可能な青果物等の内部品質検査方法を提供することができる。
【0050】
また、請求項2にかかる発明によれば、容易な演算で光透過率の変化度合を測定することができる。
また、請求項3にかかる発明によれば、光透過率の絶対値を用いた判別手法と、光透過率の変化度合を用いた判別手法とを併用することにより、より一層効果的な判別処理を実現することができる。
【0051】
また、請求項4にかかる発明によれば、検査試料の寸法や形状の影響を受けることなく、検査試料の内部欠陥を自動検出することが可能な青果物等の内部品質検査装置を提供することができる。
また、請求項5にかかる発明によれば、パルス光の立ち上がり分のみを用いることにより、作業環境光などの外来光の影響を最小限に抑えることができる。
また、請求項6にかかる発明によれば、分配率を変化させることで各測定点における透過光量を一定にすることができ、透過光量の違いによる検出誤差をなくすことができる。
また、請求項7にかかる発明によれば、光分配器として光ファイバの束を用いて素線本数の分配率を変化させるという簡便な構成で光分配率を変化させることができる。
【0052】
また、請求項8にかかる発明によれば、光源を移動させることによって、光配分器を用いることなく一つの光源で検査が可能となる。
また、請求項9にかかる発明によれば、確実に作業環境光などの外来光を遮断することができるため、正確な光透過率の測定を行うことができる。
また、請求項10にかかる発明によれば、容易な演算で光透過率の変化度合を測定することができる。
さらに、請求項11にかかる発明によれば、光透過率の絶対値を用いた判別手法と、光透過率の変化度合を用いた判別手法とを併用することにより、より一層効果的な判別処理を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる大根の内部品質検査装置のブロック図である。
【図2】大根の可視光領域での光透過率を示すグラフである。
【図3】正常な大根と、軽度の褐変部分を有する大根と、重度の褐変部分を有する大根のそれぞれについて、頭部先端からの位置と光透過率との関係を表すグラフである。
【符号の説明】
20 位置検出器
30 光源制御装置
40 光源部
41 キセノン放電管
42 反射鏡
43 レンズ
50 光分配器
60 受光部
61 光センサ
62 遮光器
70 演算判別制御装置

Claims (7)

  1. 検査試料の少なくとも二以上の測定点に、上記検査試料が正常品のときに上記各測定点における検出光量が等しくなるだけの光を照射し、
    かつ、上記二以上の測定点における実際の光透過量を測定し、
    上記各測定点における光透過量と予め定めた判別閾値とを比較することによって、上記検査試料の内部欠陥を検出することを特徴とした青果物等の内部品質検査方法。
  2. 検査試料の少なくとも二以上の測定点に、上記検査試料が正常品のときに上記各測定点における検出光量が等しくなるだけの光を照射し、
    かつ、上記二以上の測定点における実際の光透過量を測定し、
    上記各測定点における隣接する測定点の光透過量の比率と予め定めた判別閾値とを比較することによって、上記検査試料の内部欠陥を検出することを特徴とした青果物等の内部品質検査方法。
  3. 検査試料の少なくとも二以上の測定点に、上記検査試料が正常品のときに上記各測定点における検出光量が等しくなるだけの光を照射し、
    かつ、上記二以上の測定点における実際の光透過量を測定して、
    上記各測定点における光透過量と予め定めた判別閾値とを比較するとともに、上記各測定点における隣接する測定点の光透過量の比率と予め定めた判別閾値とを比較することによって、上記検査試料の内部欠陥を検出することを特徴とした青果物等の内部品質検査方法。
  4. 光源と、この光源から得た光を分配して検査試料の少なくとも二以上の測定点に照射するとともに、各測定点に照射される光量の分配率を調整する光分配器を有する光照射手段と、
    上記各測定点における光透過量を測定するとともに、上記各測定点における光透過量及び隣接する上記測定点の透過光量の比率のうち、少なくとも一つを判別閾値と比較することにより、上記検査試料の内部欠陥を検出する内部品質判別手段と
    を具備することを特徴とする青果物等の内部品質検査装置。
  5. 上記請求項4記載の青果物等の内部品質検査装置において、上記光照射手段、パルス光を発生する放電管を具備することを特徴とする青果物等の内部品質検査装置。
  6. 上記請求項記載の青果物等の内部品質検査装置において、上記光分配器は光ファイバの束からなり、この光ファイバ束の素線本数を変化させることで、一つの光源からの光分配率を変化させることを特徴とする青果物等の内部品質検査装置。
  7. 上記請求項4又は5記載の青果物等の内部品質検査装置において、上記光照射手段が、上記青果物等の上記二以上の測定点方向に沿って光源を移動させ、上記各測定点において光を照射することを特徴とする青果物等の内部品質検査装置。
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