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JP3758516B2 - 直流放電ランプ - Google Patents
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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、直流点灯型の放電ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】
図1は、従来の直流放電ランプの断面構造を示す図である。
同図において、1は石英ガラス製の放電容器であり、この放電容器1は、発光管部1Cと、この発光管部1Cに連設されている円柱状の封止部1A(陽極側)および封止部1B(陰極側)とからなる。
陽極側の封止部1Aには金属箔2Aが埋設され、この金属箔2Aには、陽極棒3Aの基端および給電リード4Aの内端が、それぞれ電気的に接続されている。陰極側の封止部1Bにも同様に、金属箔2Bが埋設され、この金属箔2Bには、陰極棒3Bの基端および給電リード4Bの内端が、それぞれ電気的に接続されている。
また、陽極棒3Aの先端および陰極棒3Bの先端は、発光管部1C内において対向配置され、給電リード4Aの外端および給電リード4Bの外端は、それぞれ、放電容器1の外方に突出している。
ここで、金属箔2A,2Bは例えばモリブデンからなり、陽極棒3Aおよび陰極棒3Bは、例えばタングステンからなり、給電リード4A,4Bは、例えばモリブデンからなる。
5Aおよび5Bは金属製の口金であり、口金5Aおよび口金5Bは、接着剤6によって封止部1Aおよび封止部1Bの外表面に固定され、装着用ネジ部7Aおよび装着用ネジ部7Bを介して、給電リード4Aおよび給電リード4Bに電気的に接続されている。
【0003】
ところで、上記に示した、従来の直流放電ランプにおいては、例えば使用寿命が400時間となるように設計して製造したにもかかわらず、点灯時間が100〜300時間程度で点灯不能となる場合が多々有った。
上記の問題に対し、本願出願人は、特開昭61−263040号公報において、その問題の原因と対策について開示している。
すなわち、上記発明の発明者は、早期に点灯不能となった直流放電ランプについて調べ、陰極側の封止部1Bにおいてのみ、金属箔2Bと陰極側の封止部1Bのガラス部分との間に隙間を生じていることを見出した。
また、上記発明の発明者は、上記隙間の発生原因について更に検討し、以下のメカニズムにより、上記隙間が発生するものと推定した。
すなわち、ランプの点灯時、陰極側の封止部1Bは高温となるので、陰極側の封止部1Bの材料である石英ガラス中に不純物として含まれる金属陽イオンが熱励起される。
また、金属箔2Bには負の電圧が印加されるので、上記石英ガラスから金属箔2Bに向かう方向に大きな電界が発生する。
そして、この電界により、上述の金属陽イオンが、上記石英ガラスと金属箔2Bとの界面近傍に集中し、陰極側の封止部1Bを形成する石英ガラスと金属箔2Bとの結合を破壊し、両者の間に隙間を生じさせる。
更に、この隙間は、点灯時間の増加、及び点灯時の放電容器1内の高圧力により、徐々に大きくなって、放電容器1の外部と連通し、即ち気密を破壊し、その結果、ランプの使用寿命が短縮される。
【0004】
そして、上記発明の発明者は、以下に示す手段により、上述の問題を解決している。
図2に、特開昭61−263040号公報に開示されている直流放電ランプの構造を示す。
同図において、図1に示したものと同一のものには同一の符号が付されている。
上記公報の直流放電ランプは、陰極側の封止部1Bの外表面に金属線80が巻回され、この金属線80と口金5Bとを接続線9により電気的に接続させてなる。
そして、これにより、ランプ点灯時において、金属線80の電位と、金属箔2Bの電位とが等しくなるので、陰極側の封止部1Bを形成する石英ガラスと金属箔2Bとの気密な結合を阻害する原因と考えられている、石英ガラス中に含まれる金属陽イオンの電解による移動が実質上なくなる。
この結果、陰極側の封止部1Bを形成する石英ガラスと金属箔2Bとの接合部に、金属陽イオンが集中することが無いので、陰極側の封止部1Bを形成する石英ガラスと金属箔2Bとの気密な結合が保持される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図2に示した直流放電ランプにおいて、上述の問題を解決したにも関わらず、陰極側の封止部1Bを形成する石英ガラスのうち、金属線80と接触している部分において破損が発生するという問題が生じた。
【0006】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、本発明の目的は、陰極側の封止部を形成する石英ガラスのうち、金属線と接触している部分において破損が発生することのない直流放電ランプを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、金属線と接触している部分での破損が、陰極側の封止部1Bを形成する石英ガラスに対する上記金属線の機械的負荷によるものと推定し、以下の確認実験を行った。
実験には、内径φ2mm×外径φ6mmの石英ガラス中空管にφ0.29mm金属線を巻回したものを試験片として用い、該試験片の加熱前後において、石英ガラス管に生じる歪みの様子を観察した。
<加熱前>
石英ガラス管のどの部分においても、歪みは観察されなかった。
<加熱後>
石英ガラス管の金属線と接触している部分において、歪みが観察された。
【0008】
以上の実験結果から、陰極側の封止部を形成する石英ガラスのうち、金属線との接触部分における破損は、次のようなメカニズムにより発生するものであることが判明した。
すなわち、ランプの点灯時、陰極側の封止部を形成する石英ガラスと金属線は、ランプが発する熱により膨張し、消灯時においては収縮する。このとき、陰極側の封止部の形状は一様ではなく、金属線も陰極側の封止部に不均一に巻回されているため、ランプ点灯時、陰極側の封止部および金属線の膨張は不均一に起こり、局所的に金属線が陰極側の封止部の膨張を妨げる応力場が形成される。そして、ランプ消灯時、陰極側の封止部および金属線の収縮も不均一に起こるため、前述の応力場が残り、陰極側の封止部を形成する石英ガラスに歪みとなって現れる。そして、この歪みは解消されることなく、ランプの使用により蓄積され、やがて破損に至る。
【0009】
上記の結果より、本発明者らは、ランプ点灯/消灯に基づき、陰極側の封止部が膨張/収縮する際に、陰極側の封止部の外表面に設けられる金属線が、陰極側の封止部を圧迫しないように形成することにより、陰極側の封止部の破損を防止できることを見出し、かかる知見に基いて本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明の直流放電ランプは、両端に封止部が形成された石英ガラスよりなる発光管部に陽極と陰極とが対向配置され、当該発光管部内に0.13mg/mm以上の水銀が封入され、前記陰極側の封止部に、陰極側に電気的に接続された金属線が巻回されている直流放電ランプにおいて、上記金属線は、Fe−Crを主成分としAlを微量添加してなるカンタルからなり、伸縮自在に形成されていることを特徴としている。
【0011】
【作用】
本発明の直流放電ランプによれば、陰極側の封止部に巻回された金属線または金属箔は、伸縮自在に形成されているので、ばね作用を有する。従って、ランプの点灯/消灯に基づく、陰極側の封止部の膨張/収縮に応じて、陰極側の封止部に巻回された金属線は自在に変形する。
【0012】
【発明の実施の形態】
図3は、本発明の実施例に係る直流放電ランプの構造を示す図である。
本発明の実施例に係る直流放電ランプの構成は、図2に示したものとほぼ同一の構成を有し、詳細には、金属線の形状に差異を有する。
本発明の実施例に係る直流放電ランプの発光管部1C内には、水銀と、希ガスと、場合によってはハロゲンとが封入されている。ここで、十分に有効なアーク部での放射輝度を確保する観点から、水銀の封入量は0.13mg/mm以上であることが好ましく、水銀の封入量を0.13mg/mm以上とすることで、水銀の圧力が高くなるため、可視光領域、特に赤色領域の連続スペクトルを増加させ、演色性を改善することもできる。
また、発光管部1Cの動作圧力は10MPa以上とされる。
更に、この直流放電ランプの定格電力は80〜250W、管壁負荷は、水銀の十分な蒸発を確保する観点から、0.8W/mm以上とされる。特に、水銀の圧力を高くするために最冷部の温度を高くする必要がある場合には、管壁負荷を0.8W/mm以上とすると良い。
【0013】
また、放電容器1の長さは9〜15mm、発光管部1Cの外径は9〜15mm、発光管部1Cの内容積は0.05〜1.0cm、封止部1A,1Bの外径は6〜10mm、封止部1A,1Bの長さは20〜50mmとされる。
更に、金属箔2A,2Bの長さは10〜40mm、陽極棒3Aの直径は0.4〜3.0mm、陽極棒3Aの長さは8〜22mm、陰極棒3Bの直径は0.3〜1.2mm、陰極棒3Bの長さは7〜15mm、陽極棒3Aと陰極棒3Bとの離間距離(電極間距離)は0.8〜2.0mm、給電リード4A,4Bの直径は0.3〜1.0mmとされる。
【0014】
そして、上述の直流放電ランプには、図2に示したものと同様に、その陰極側の封止部1Bの外表面に金属線81が巻回され、接続線9を介して口金5Bに電気的に接続されている。ここで、上記金属線81としては、例えばカンタル(登録商標)線(Fe−Crを主成分とし、Alを微量添加して成形された線材)が選択される。カンタル線は、電気炉の発熱体に使用されるもので、800度を上回る温度においても連続使用が可能で、且つ加熱・冷却を繰り返しても断線しないという特長を有するので、点灯時、高温となるランプの封止部に巻回する金属線として適している。また、当該金属線81の線径は、例えば0.1〜0.5mmとされ、封止部1Bを巻回するために必要な金属線81の長さは0.5〜2mとされる。更に、上記金属線81は、図4(a)に示すように、コイル状(コイルの内径φ1mm)に形成され、金属線81の長手方向に対して伸縮自在な構造を有する。そして、コイル状に形成された上記金属線81は、図3に示すように、互いに重なり合わないように、隙間を設けて巻回されている。
【0015】
次に、本発明の実施例の作用を説明する。
本発明の実施例に係る直流放電ランプには、コイル状に形成された金属線、即ち金属線の長手方向に伸縮自在で、ばね性を有する金属線が、陰極側の封止部に巻回されるので、ランプの点灯/消灯に基づく、陰極側の封止部の膨張/収縮に応じて、陰極側の封止部に巻回された金属線は自在に変形する。従って、ランプ点灯/消灯に基づき、陰極側の封止部が膨張/収縮する際に、陰極側の封止部の外表面に巻回された金属線が、陰極側の封止部を圧迫することが無いので、陰極側の封止部に歪みを発生させることはない。
【0016】
なお、本実施例においては、コイル状に形成された金属線81を直流放電ランプの陰極側の封止部1Bに設けたが、これに限るものではなく、図4(b1),(b2)に示す、凸凹状に形成された金属線81であっても良い。すなわち、金属線81が、その長手方向に伸縮自在に形成されていれば、本実施例と同様の作用を得ることができる。更に、上記実施例においては、陰極側の封止部1Bに、伸縮自在に形成された金属線81を巻回したが、これに限るものではなく、図5に示すように、伸縮自在に形成された、具体的には凸凹状に形成された金属箔81を、陰極側の封止部1Bに巻回しても良い。加えて、上記実施例においては、コイル状に形成された金属線81と口金5Bとを接続線9により電気的に接続したが、このような電気的接続は、必ずしも要するものではない。特開2000−36287号公報に開示される通り、紫外線照射により、金属線81からは光電子が放出され、この光電子は上記金属線81と陰極側の封止部1Bを形成するガラス面との間に形成された微少ガラス露出面に保持されて、陰極側の封止部1Bの外表面をマイナスにチャージする。すなわち、金属線81と口金5Bとの電気的接続を行なわなくても、陰極側の封止部1Bの外表面の電位と、金属箔2Bの電位とを等しくし、石英ガラス中に含まれる金属陽イオンの電解による移動を実質上なくすことができる。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の直流放電ランプにおいては、伸縮自在に形成された金属線または金属箔、具体的にはコイル状、または凸凹状の形状に形成され、ばね性を有する金属線または金属箔が、陰極側の封止部に巻回されるので、ランプの点灯/消灯に基づく、陰極側の封止部の膨張/収縮に応じて、陰極側の封止部に巻回された金属線または金属箔は伸縮自在に変形する。従って、ランプ点灯/消灯に基づき、陰極側の封止部が膨張/収縮する際に、陰極側の封止部の外表面に巻回される金属線または金属箔が、陰極側の封止部を圧迫することが無いので、陰極側の封止部に歪みが発生することはなく、陰極側の封止部の破損を防止することができる。
よって、本発明の直流放電ランプは、陰極側の封止部を形成する石英ガラスのうち、金属線、金属箔と接触している部分での破損を防止することができ、長期にわたる使用に耐えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の直流放電ランプの断面構造を示す図である。
【図2】 従来の直流放電ランプの構造を示す図である。
【図3】 本発明の実施例に係る直流放電ランプの構造を示す図である。
【図4】 本発明の実施例に係る直流放電ランプの陰極側の封止部に巻回される金属線の形状を示す図である。
【図5】 本発明の実施例に係る直流放電ランプの陰極側の封止部に巻回される金属箔の形状を示す図である。
【符号の説明】
1 放電容器
1A 陽極側の封止部
1B 陰極側の封止部
1C 発光管部
11 微小ガラス露出面
2A,2B 金属箔
3A 陽極棒
3B 陰極棒
4A,4B 給電リード
5A,5B 口金
6 接着剤
7A,7B 装着用ネジ部
80,81 金属線
82 金属箔
9 接続線

Claims (1)

  1. 両端に封止部が形成された石英ガラスよりなる発光管部に陽極と陰極とが対向配置され、当該発光管部内に0.13mg/mm以上の水銀が封入され、前記陰極側の封止部に、陰極側に電気的に接続された金属線が巻回されている直流放電ランプにおいて、上記金属線は、Fe−Crを主成分としAlを微量添加してなるカンタルからなり、伸縮自在に形成されていることを特徴とする直流放電ランプ。
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