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JP3758928B2 - 金属バルブの加工方法 - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、エンジンの排気弁あるいは吸気弁を構成する金属バルブの加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、エンジンの排気弁あるいは吸気弁には、ロッドの先端に弁体となる傘部が設けられた金属バルブが用いられている。
この金属バルブは、吸気弁用、排気弁用あるいは特殊中空弁など用途に応じて各種のものがあるが、一般的には、図6に示すように、ロッド1の他端側に傘状に成型されたバルブ部2を有しており、ロッド部1には、その端部近傍にコッター溝3が形成されている。
【0003】
ここで、この金属バルブの加工方法の従来例をアップセット法を例にとって図7を参照して説明する。
(1)耐衝撃材からなる棒状の素材を、図7(a)に示すように、上端部と中間部とに直接通電して上端側を加熱させることにより軟化させつつ下方側から押し上げて、上端側を膨出させるアップセット工程を行う。
(2)次いで、図7(b)に示すように、上下のプレス型によって鍛造成型することにより、膨出させた他端側に傘状のバルブ部2を成型する。
(3)その後、焼鈍を行うことによって軟化させて、ロッド部1の曲がりを直し、さらに、各種の機械加工を施す。
【0004】
ここで、この機械加工としては、ロッド部1の軸径、真直度を確保するためのセンタレス軸研削、ロッド部1の端部近傍における外周面のバルブスプリング保持用のコッター溝3を形成するためのコッター溝研削、ロッド部1の軸長の確保及び軸に対する軸端面の直角度及び平面度を確保するための軸端研削及びロッド部1に対するバルブ部2のフェース面の角度を確保するためのフェース面研削がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、上記の金属バルブの加工方法にあっては、成型後に、様々な機械加工を施す必要があり、この機械加工によってコストが嵩んでしまうという問題があった。
また、このような機械加工を施すために、鍛造によって加工硬化した金属バルブを軟化させる焼鈍工程を要するため、加工に多大な時間及び手間を要するという問題もあった。
【0006】
なお、従来の製造方法としては、他に、図8に示すように、上型によって下型へ素材を押し込んで、軸押出を行うことにより、一端側を棒状とし、その後、鍛造によってバルブ部2を成型する方法もあるが、この場合も、その後の焼鈍工程、曲がり直し工程及び機械加工工程は省けず、コストアップ、加工時間の長期化を招いていた。
しかも、上記の方法では、いずれも鍛造によるバルブ部2の成型時に、据え込み後にロッド部1への押出過程となるため、図7(a)もしくは図8の中間成形体のロッド部1とのつなぎの形状が最後まで残って、ロッド部1側のバルブ部2と成型型の成型面との間に隙間が形成されてしまうような不良を生じることがあり、しかも、バルブ部2の周縁部にバリが発生してしまい、バリ取り加工を行わなければならなかった。
【0007】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、極めて低コストにて加工することができ、さらには、加工の容易化及び加工時間の短縮化を図ることが可能な金属バルブの加工方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の金属バルブの加工方法は、一端側が棒状のロッド部とされ、他端側が傘状のバルブ部とされた金属バルブを、棒状の素材の中間部から他端側を傘状に成型することにより加工する金属バルブの加工方法であって、前記素材の一端を保持するとともに、前記素材の中間部よりも他端側からなる加工部分を、その中間部側から端部へ向かって次第に加熱しながら前記素材の一端に向かうように軸方向へ押圧して膨出させることにより、加工部分の周囲を覆うように設けられた成型型によって形成されたバルブ成型空間部内に充満させて前記バルブ部を成型することを特徴とする。
【0009】
このように、傘状のバルブ部となる素材の加工部分を、その中間部側から端部へ向かって次第に加熱しながら軸方向へ押圧して膨出させて、成型型のバルブ成型空間部へ充満させることにより、素材を、その中間部側からバルブ成型空間部を形成する成型面に沿って次第に膨出させることができる。これにより、特に、端部側から膨出させて成型させる従来の加工方法のように、ロッド部側のバルブ部と成型型の成型面との間に隙間が形成されるような不具合をなくすことができ、高精度に金属バルブを成型することができる。
しかも、加熱しながら軸方向へ押圧させて膨出させるので、従来のように鍛造により加工を施す場合と比較して、素材に加わる押圧力を低減させることができ、これにより、ロッド部の真直度の確保、軸長の調整、ロッド部に対するバルブ部のフェース面の確保等のための曲がり直し工程及び機械加工工程を不要とすることができ、これらにかかる手間及び時間を省略することができ、加工コストを大幅に低減させることができる。そして、ロッド部の真直度の確保、軸長の調整、ロッド部に対するバルブ部のフェース面の確保等のための曲がり直し工程及び機械加工工程を行うために、前もって行うことができなかったロッド部の端面の平滑仕上げやバルブスプリングを保持するコッター溝の形成を予め行うことができ、これにより、成型後における機械加工を全くなくすこともできる。
【0010】
したがって、従来、鍛造により加工硬化した素材を機械加工を行うために軟化させるために必要であった焼鈍工程も不要とすることができ、さらなる作業の簡略化を図り、コスト低減を図ることができる。
また、バルブ成型空間部内に隙間なく膨出させて充満させることができるので、素材を完成時の体積と同一体積となるように切断しておくことにより、バルブ部の外周縁に形成されるバリの発生をなくすことができ、バリ取り加工を不要とすることができる。
【0011】
請求項2記載の金属バルブの加工方法は、請求項1記載の金属バルブの加工方法において、前記棒状の素材の一端の端面を、予め精密せん断加工を施すことにより平滑化しておくことを特徴としている。
【0012】
つまり、棒状の素材の一端の端面、つまり、ロッド部の端面を予め平滑にしておくことにより、成型後に端面を機械加工して平滑にするような手間を不要とすることができる。
【0013】
請求項3記載の金属バルブの加工方法は、請求項1または請求項2記載の金属バルブの加工方法において、前記素材の一端近傍における周面に、バルブスプリングを保持するコッター溝を予め形成しておくことを特徴としている。
【0014】
このように、バルブスプリングを保持するコッター溝を予め形成しておくことにより、成型後にコッター溝を機械加工して形成するような手間を不要とすることができる。
【0015】
請求項4記載の金属バルブの加工方法は、請求項1〜3のいずれか1項記載の金属バルブの加工方法において、前記バルブ成型空間部を形成する成型型に、前記棒状の素材の中間部から他端側を加熱する誘導加熱用コイルを設け、該誘導加熱用コイルによって前記素材の中間部から他端側を加熱させながらその他端をバルブ成型空間部へ向かって押圧することを特徴としている。
【0016】
すなわち、誘導加熱によって棒状の素材の中間部から他端側を加熱して軟化させて、バルブ成型空間部への押圧力によって容易にかつ確実に素材の加工部分をバルブ成型空間部内へ膨出させて充満させ、バルブ部を高精度に成型することができる。
【0017】
請求項5記載の金属バルブの加工方法は、請求項1〜3のいずれか1項記載の金属バルブの加工方法において、前記バルブ成型空間部を形成する成型型に、このバルブ成型空間部に配設された素材に通電することにより発熱させ加熱させながらその他端をバルブ成型空間部へ向かって押圧することを特徴としている。
【0018】
つまり、棒状の素材の中間部から他端側に通電することにより発熱させて軟化させ、バルブ成型空間部への押圧力によって容易にかつ確実に素材の加工部分をバルブ成型空間部内へ膨出させて充満させ、バルブ部を高精度に成型することができる。
【0019】
請求項6記載の金属バルブの加工方法は、請求項1〜5のいずれか1項記載の金属バルブの加工方法において、前記バルブ成型空間部へ挿入される前記素材の中間部から他端部側の加工部分に、その中間部から他端へ向かって順にレーザを照射して加熱させることを特徴としている。
【0020】
このように、バルブ成型空間部へ挿入される素材の加工部分を、その中間部から他端へ向かって順にレーザを照射させて加熱させることにより、バルブ成型空間部にて、レーザによって加熱された加工部分を中間部側から膨出させて充満させ、バルブ部を高精度に成型することができる。
【0021】
請求項7記載の金属バルブの加工方法は、請求項1〜6のいずれか1項記載の金属バルブの加工方法において、素材の一端を上方へ向けて前記バルブ成型空間部内を貫通するように配設した状態にて、前記素材を他端から押し上げることにより、前記一端を、前記成型型の上方に設けられたストッパに当接させ、さらに押し上げることにより、加熱されて軟化された中間部から下方側を中間部側から膨出させることを特徴としている。
【0022】
すなわち、素材を下方側から押し上げることにより、上方に向けられた素材の一端をストッパに当接させ、この状態にてさらに素材を押し上げて、素材の中間部から下方側の加熱されて軟化される加工部分を、バルブ成型空間部内にて膨出させてバルブ部を高精度にて成型することができる。つまり、素材を下方側から押し上げるので、上方から押し下げる場合と比較して、素材を吊り下げるための特別なチャックを不要とすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の金属バルブの加工方法の実施の形態例を図面を参照して説明する。
図1において、符号11は、金属バルブを加工する加工装置である。
この加工装置11は、下方側に設けられたバルブ窪み成型ポンチ12と、このバルブ窪み成型ポンチ12の上方側に設けられたバルブ成型型(成型型)13と、このバルブ成型型の上方側に設けられた上端部保持ストッパ(ストッパ)14とを有している。
バルブ窪み成型ポンチ12は、上下方向へ移動可能とされており、その中心には、上端面が凸状に湾曲された曲面からなる成型面15aとされたポンチ部15が上方へ向かって突設されている。このポンチ部15の外周側には、押圧凸部16が形成されている。
【0024】
バルブ成型型13は、上型部17と、この上型部17の下方側にて上型部17に対して近接離間可能に設けられたバルブ押さえ部18とを有しており、これら上型部17とバルブ押さえ部18との間が、バルブ成型空間部Aとされている。
この上型部17には、その中心に、金属バルブの素材Sが挿通される挿通孔17aが形成されている。また、上型部17は、その下面側が成型面17bとされており、この成型面17bによってバルブ部2の上面側が成型されるようになっている。
【0025】
バルブ押さえ部18には、その中心に、ポンチ挿通孔18aが形成されており、このポンチ挿通孔18aには、バルブ窪み成型ポンチ12のポンチ部15が挿通されるようになっている。そして、このバルブ窪み成型ポンチ12のポンチ部15がバルブ押さえ部18のポンチ挿通孔18aに挿通されると、ポンチ部15の成型面15aがバルブ押さえ部18の上面18aから露出されるようになっている。
また、バルブ成型型13には、その上型部17及びバルブ押さえ部18に、それぞれ周方向へわたって配設された誘導加熱用コイル19が設けられている。
【0026】
上端部保持ストッパ14には、素材Sの上端部が嵌合される保持穴14aが形成されており、この保持穴14aに、素材Sの上端部が嵌合されることにより、素材Sの上端部が保持されるようになっている。
【0027】
ここで、上記加工装置11を用いて金属バルブを加工する場合、素材Sとしては、軸径が設計寸法であるものを用い、さらに次のようにして切断しておく。
図2(a)に示すように、素材Sの所定の位置に、素材Sを回転させながらロール成型ビット21によってコッター溝3を成型し、その後、図2(b)に示すように、素材Sを所定位置まで前方へ移動させ、素材Sを回転させながらカッター22によって素材Sを切断する。
このようにすると、素材Sが所定の長さ寸法に高精度に切断され、また、コッター溝3が端面から所定の位置に形成される。ここで、この素材Sの所定の長さ寸法としては、加工後の金属バルブの体積と同一となる体積となるような長さ寸法である。
【0028】
なお、カッター22による切断時に、カッター22を切断方向とは反対方向へ僅かに動かしてから切断することにより、切断面におけるだれ等が確実になくされ、平滑な面とされる。
そして、このように、素材Sを所定長さに切断し、また、端面から所定位置にコッター溝3を形成したら、加工装置11によって成型加工を施す。
【0029】
次に、上記構造の加工装置11によって金属バルブを加工する場合について説明する。
まず、図3(a)に示すように、素材Sのコッター溝3が形成された上端部側を、バルブ成型型13のバルブ押さえ部18のポンチ挿通穴18a及び上型部17の挿通孔17aへ順に挿通させ、下端部を、バルブ窪み成型ポンチ12のポンチ部15の成型面15a上に配設する。
【0030】
次いで、バルブ窪み成型ポンチ12を上昇させて、図3(b)に示すように、素材Sの上端部を、上端部保持ストッパ14の保持穴14aに嵌合させる。
この状態において、誘導加熱用コイル19へ電力を供給して発熱させる。このようにすると、バルブ成型型13のバルブ成型空間部A内が加熱され、これにより、素材Sは、バルブ成型型13による成型加工によってバルブ部2とされる成型箇所の上端である中間部Cからその下方側が加熱される。
この中間部Cから下方側とは、金属バルブのロッド部1よりも下方側、つまり、成型によってバルブ部2とされる加工部分S1であり、この加工部分S1における中間部C側が加熱される。
【0031】
その後、さらに、バルブ窪み成型ポンチ12が上昇されると、このバルブ窪み成型ポンチ12のポンチ部15によって素材Sが上方へ押圧される。
これにより、図3(c)に示すように、この素材Sは、誘導加熱用コイル19の熱によって加熱された中間部C側から加工部分S1が膨出し、さらに加工部分S1の下端側が誘導加熱用コイル19による加熱範囲に押し込まれて加熱されて軟化される。
【0032】
これにより、この素材Sの加工部分S1は、バルブ成型型13の上型部17の成型面17aに沿って中間部C側より徐々に変形される。
さらに、バルブ窪み成型ポンチ12が上昇すると、素材Sの加工部分S1の変形がさらに進行し、図3(d)に示すように、バルブ窪み成型ポンチ12のポンチ部15がポンチ挿通孔18aへ挿入されて、このポンチ部15の成型面15aが、バルブ押さえ部18の上面から突出された状態となる。
【0033】
この状態で、バルブ窪み成型ポンチ12がさらに上昇すると、図3(e)に示すように、バルブ窪み成型ポンチ12の押圧凸部16によってバルブ押さえ部18が上方へ押圧され、素材Sの加工部分S1は、バルブ窪み成型ポンチ12のポンチ部15の成型面15aとバルブ押さえ部18の上面18aとによって上方へ押圧されて外周方向へさらに膨出するように変形される。
これにより、素材Sの加工部分S1は、バルブ成型空間部A内に充満するように変形し、金属バルブのバルブ部2が成型される。
【0034】
このように、上記の金属バルブの加工方法によれば、傘状のバルブ部2となる素材Sの加工部分S1を、その中間部C側から端部へ向かって次第に加熱しながら軸方向へ押圧して膨出させて、バルブ成型型13のバルブ成型空間部Aへ充満させることにより、素材Sを、その中間部C側からバルブ成型空間部Aを形成する成型面15aに沿って次第に膨出させることができる。これにより、特に、端部側から膨出させて成型させる従来の加工方法のように、ロッド部1側におけるバルブ部2と成型型の成型面との間に隙間が形成されような不具合をなくすことができ、高精度に金属バルブを成型することができる。
【0035】
しかも、加熱しながら軸方向へ押圧させて膨出させるので、従来のように鍛造により加工を施す場合と比較して、素材Sに加わる押圧力を低減させることができ、これにより、ロッド部1の真直度の確保、軸長の調整、ロッド部1に対するバルブ部2のフェース面の確保等のための曲がり直し工程及び機械加工工程を不要とすることができ、これらにかかる手間及び時間を省略することができ、加工コストを大幅に低減させることができる。そして、ロッド部1の真直度の確保、軸長の調整、ロッド部1に対するバルブ部2のフェース面の確保等のための曲がり直し工程及び機械加工工程を行うために、前もって行うことができなかったロッド部1の端面の平滑仕上げやバルブスプリングを保持するコッター溝3の形成を予め行うことができ、これにより、成型後における機械加工を全くなくすことができる。
【0036】
したがって、従来、鍛造により加工硬化した素材を機械加工を行うために軟化させるために必要であった焼鈍工程も不要とすることができ、さらなる作業の簡略化を図り、コスト低減を図ることができる。
また、バルブ成型空間部A内に隙間なく膨出させて充満させることができるので、素材Sを完成時の体積と同一体積となるように切断しておくことにより、バルブ部2の外周縁に形成されるバリの発生をなくすことができ、バリ取り加工を不要とすることができる。
【0037】
また、誘導加熱用コイル19によって棒状の素材Sの中間部Cから他端側を加熱して軟化させて、バルブ成型空間部Aへの押圧力によって容易にかつ確実に素材Sの加工部分S1をバルブ成型空間部A内へ膨出させて充満させ、バルブ部2を高精度に成型することができる。
【0038】
さらには、素材Sを下方側から押し上げることにより、上方に向けられた素材Sの一端を上端部保持ストッパ14に当接させ、この状態にてさらに素材Sを押し上げて、素材Sの中間部Cから下方側の加熱されて軟化される加工部分S1を、バルブ成型空間部A内にて膨出させてバルブ部2を高精度にて成型することができる。つまり、素材Sを下方側から押し上げるので、上方から押し下げる場合と比較して、素材Sを吊り下げるための特別なチャックを不要とすることができる。
【0039】
図4に示すものは、レーザによって加熱して素材Sを軟化させるものである。
図に示すように、この加工装置11には、バルブ成型型13の下方側にレーザ加熱装置23が設けられている。このレーザ加熱装置23は、素材Sをレーザを照射して加熱するものである。
この加熱装置11によって金属バルブを成型するには、上記と同様に、図4(a)に示すように、素材Sのコッター溝3が形成された上端部側を、バルブ成型型13のバルブ押さえ部18のポンチ挿通孔18a及び上型部17の挿通孔17aへ順に挿通させ、下端部を、バルブ窪み成型ポンチ12のポンチ部15の成型面15a上に配設し、次いで、バルブ窪み成型ポンチ12を上昇させる。
【0040】
このとき、レーザ加熱装置23によるレーザの加熱箇所に素材Sの中間部Cである加工部分S1の上端が達すると、このレーザ加熱装置23からレーザが照射される。
そして、この素材Sがさらに上昇されると、その上昇に伴ってレーザ加熱装置23によるレーザの照射が下方へ移動される。
さらに素材Sが上昇されて、図4(b)に示すように、素材Sの上端部が、上端部保持ストッパ14の保持穴14aに嵌合されると、素材Sは、バルブ成型型13によって加工部分S1における上方側が加熱される。
【0041】
その後は、前述と同様に、バルブ窪み成型ポンチ12が上昇され、このバルブ窪み成型ポンチ12のポンチ部15によって素材Sが上方へ押圧され、図4(c)に示すように、この素材Sが、レーザ装置23及び誘導加熱用コイル19によって加熱された中間部Cから加工部分S1が膨出され、さらに、バルブ窪み成型ポンチ12が上昇され、素材Sの加工部分S1の変形がさらに進行し、図4(d)バルブ窪み成型ポンチ12のポンチ部15がポンチ挿通孔18aへ挿入されて、このポンチ部15の成型面15aが、バルブ押さえ部18の上面から突出された状態となり、この状態で、バルブ窪み成型ポンチ12がさらに上昇し、バルブ窪み成型ポンチ12の押圧凸部16によってバルブ押さえ部18が上方へ押圧され、図4(e)に示すように、素材Sの加工部分S1が、バルブ窪み成型ポンチ12のポンチ部15の成型面15aとバルブ押さえ部18の上面18aとによって上方へ押圧されて外周方向へさらに膨出するように変形される。
【0042】
これにより、素材Sの加工部分S1は、バルブ成型空間部A内に充満するように変形され、金属バルブのバルブ部2が成型される。
このように、この金属バルブの加工方法によれば、バルブ成型空間部Aへ挿入される素材Sの加工部分S1を、その中間部Cから他端へ向かって順にレーザを照射させて加熱させることにより、バルブ成型空間部Aにて、レーザによって加熱された加工部分S1を中間部C側から膨出させて充満させ、バルブ部2を高精度に成型することができる。
【0043】
なお、上記の例では、誘導加熱用コイル19を備えた加工装置11にレーザ加熱装置23を設けたが、このレーザ加熱装置23だけを設けて、レーザによる加熱だけでバルブ部2を加工するような構成としても良い。
【0044】
また、図5に示すものは、誘導加熱用コイル19やレーザ加熱装置23に代えて、通電による直接加熱手段を備えたものである。
図5に示すように、バルブ成型型13には、上型部17とバルブ押さえ部18とに接続された電源24から電力が供給されるようになっている。
なお、この加工装置11では、バルブ押さえ部18のポンチ挿通孔18aが小径とされ、挿通される素材Sと電気的に接触するようになっている。
そして、この加工装置11にあっては、バルブ成型型13のバルブ押さえ部18のポンチ挿通孔18a及び上型部17の挿通孔17aへ素材Sを挿通させた状態にて電源24から電力を供給すると、この電力によって素材Sの電流が通過している部分が直接発熱するようになっている。
【0045】
そして、上記加工装置11では、図5(a)に示すように、素材Sのコッター溝3が形成された上端部側を、バルブ成型型13のバルブ押さえ部18のポンチ挿通穴18a及び上型部17の挿通孔17aへ順に挿通させ、下端部を、バルブ窪み成型ポンチ12のポンチ部15の成型面15a上に配設し、バルブ窪み成型ポンチ12を上昇させて、素材Sの上端部を、上端部保持ストッパ14の保持穴14aに嵌合させた状態にて、電源24から電力を供給すると、素材Sの加工部分S1における中間部C側に通電されて直接発熱し、この加工部分S1が軟化される。
【0046】
その後、さらに、バルブ窪み成型ポンチ12が上昇されると、前述と同様に、バルブ窪み成型ポンチ12のポンチ部15によって素材Sが上方へ押圧され、図5(b)に示すように、素材Sが、加熱された中間部C側から加工部分S1が膨出され、さらに加工部分S1の下端側が通電されて加熱されて軟化される。
【0047】
これにより、この素材Sの加工部分S1は、バルブ成型型13の上型部17の成型面17aに沿って中心側より徐々に変形し、さらに、バルブ窪み成型ポンチ12が上昇すると、素材Sの加工部分S1の変形がさらに進行し、図5(c)に示すように、バルブ窪み成型ポンチ12のポンチ部15がポンチ挿通孔18aへ挿入されて、このポンチ部15の成型面15aが、バルブ押さえ部18の上面から突出された状態となり、この状態で、バルブ窪み成型ポンチ12がさらに上昇すると、図5(d)に示すように、バルブ窪み成型ポンチ12によってバルブ押さえ部18が上方へ押圧され、素材Sの加工部分S1が、バルブ窪み成型ポンチ12のポンチ部15の成型面15aとバルブ押さえ部18の上面18aとによって上方へ押圧されて外周方向へさらに膨出するように変形し、素材Sの加工部分S1が、バルブ成型空間部A内に充満するように変形し、金属バルブのバルブ部2が成型される。
【0048】
このように、この加工方法にあっても、傘状のバルブ部2となる素材Sの加工部分S1を、その中間部C側から端部へ向かって次第に加熱しながら軸方向へ押圧して膨出させ、バルブ成型型13のバルブ成型空間部Aへ充満させることにより、素材Sを、その中間部C側からバルブ成型空間部Aを形成する成型面15aに沿って次第に膨出させることができる。これにより、特に、端部側から膨出させて成型させる従来の加工方法において、ロッド部1側におけるバルブ部2と成型型の成型面との間に形成される隙間をなくすことができ、高精度に金属バルブを成型することができ、しかも、加熱しながら軸方向へ押圧させて膨出させるので、従来のように鍛造による加工を施す場合と比較して、素材Sに加わる押圧力を低減させることができ、これにより、ロッド部1の真直度の確保、軸長の調整、ロッド部1に対するバルブ部2のフェース面の確保等のための曲がり直し工程及び機械加工工程を不要とすることができ、これらにかかる手間及び時間を省略することができ、加工コストを大幅に低減させることができる。そして、ロッド部1の真直度の確保、軸長の調整、ロッド部1に対するバルブ部2のフェース面の確保等のための曲がり直し工程及び機械加工工程を行うために、前もって行うことができなかったロッド部1の端面の平滑仕上げやバルブスプリングを保持するコッター溝3の形成を予め行うことができ、これにより、成型後における機械加工を全くなくすことができる。
【0049】
また、従来、鍛造により加工硬化した素材を機械加工を行うために軟化させるために必要であった焼鈍工程も不要とすることができ、さらなる作業の簡略化を図り、コスト低減を図ることができる。
また、バルブ成型空間部A内に隙間なく膨出させて充満させることができるので、素材Sを完成時の体積と同一体積となるように切断しておくことにより、バルブ部2の外周縁に形成されるバリの発生をなくすことができ、バリ取り加工を不要とすることができる。
【0050】
そして、この加工方法の場合、棒状の素材Sの中間部Cから他端側に通電することにより発熱させて軟化させ、バルブ成型空間部Aへの押圧力によって容易にかつ確実に素材の加工部分S1をバルブ成型空間部A内へ膨出させて充満させ、バルブ部2を高精度に成型することができる。
なお、この加工方法の場合にも、通電によって素材Sを加熱するとともに、レーザ加熱装置23によって素材Sを加熱する構成としても良く、このようにすると、さらなに良好に成型加工を行うことが可能となる。
【0051】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の金属バルブの加工方法によれば、下記の効果を得ることができる。
請求項1記載の金属バルブの加工方法によれば、傘状のバルブ部となる素材の加工部分を、その中間部側から端部へ向かって次第に加熱しながら軸方向へ押圧して膨出させて、成型型のバルブ成型空間部へ充満させることにより、素材を、その中間部側からバルブ成型空間部を形成する成型面に沿って次第に膨出させることができる。これにより、特に、端部側から膨出させて成型させる従来の加工方法のように、ロッド部側のバルブ部と成型型の成型面との間に隙間が形成されるような不具合をなくすことができ、高精度に金属バルブを成型することができる。
しかも、加熱しながら軸方向へ押圧させて膨出させるので、従来のように鍛造により加工を施す場合と比較して、素材に加わる押圧力を低減させることができ、これにより、ロッド部の真直度の確保、軸長の調整、ロッド部に対するバルブ部のフェース面の確保等のための曲がり直し工程及び機械加工工程を不要とすることができ、これらにかかる手間及び時間を省略することができ、加工コストを大幅に低減させることができる。そして、ロッド部の真直度の確保、軸長の調整、ロッド部に対するバルブ部のフェース面の確保等のための曲がり直し工程及び機械加工工程を行うために、前もって行うことができなかったロッド部の端面の平滑仕上げやバルブスプリングを保持するコッター溝の形成を予め行うことができ、これにより、成型後における機械加工を全くなくすこともできる。
【0052】
したがって、従来、鍛造により加工硬化した素材を機械加工を行うために軟化させるために必要であった焼鈍工程も不要とすることができ、さらなる作業の簡略化を図り、コスト低減を図ることができる。
また、バルブ成型空間部内に隙間なく膨出させて充満させることができるので、素材を完成時の体積と同一体積となるように切断しておくことにより、バルブ部の外周縁に形成されるバリの発生をなくすことができ、バリ取り加工を不要とすることができる。
【0053】
請求項2記載の金属バルブの加工方法によれば、棒状の素材の一端の端面、つまり、ロッド部の端面を予め平滑にしておくことにより、成型後に端面を機械加工して平滑にするような手間を不要とすることができる。
【0054】
請求項3記載の金属バルブの加工方法によれば、バルブスプリングを保持するコッター溝を予め形成しておくことにより、成型後にコッター溝を機械加工して形成するような手間を不要とすることができる。
【0055】
請求項4記載の金属バルブの加工方法によれば、誘導加熱用コイルによって棒状の素材の中間部から他端側を加熱して軟化させて、バルブ成型空間部への押圧力によって容易にかつ確実に素材の加工部分をバルブ成型空間部内へ膨出させて充満させてバルブ部を高精度に成型することができる。
【0056】
請求項5記載の金属バルブの加工方法によれば、棒状の素材の中間部から他端側に通電することにより発熱させて軟化させ、バルブ成型空間部への押圧力によって容易にかつ確実に素材の加工部分をバルブ成型空間部内へ膨出させて充満させ、バルブ部を高精度に成型することができる。
【0057】
請求項6記載の金属バルブの加工方法によれば、バルブ成型空間部へ挿入される素材の加工部分を、その中間部から他端へ向かって順にレーザを照射させて加熱させることにより、バルブ成型空間部にて、レーザによって加熱された加工部分を中間部側から膨出させて充満させ、バルブ部を高精度に成型することができる。
【0058】
請求項7記載の金属バルブの加工方法によれば、素材を下方側から押し上げることにより、上方に向けられた素材の一端をストッパに当接させ、この状態にてさらに素材を押し上げて、素材の中間部から下方側の加熱されて軟化される加工部分を、バルブ成型空間部内にて膨出させてバルブ部を高精度にて成型することができる。つまり、素材を下方側から押し上げるので、上方から押し下げる場合と比較して、素材を吊り下げるための特別なチャックを不要とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の金属バルブの加工方法を説明する加工装置の概略断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態の金属バルブの加工方法を説明する説明図である。
【図3】 本発明の実施の形態の金属バルブの加工方法を説明するそれぞれ加工装置の概略断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態の金属バルブの他の加工方法を説明するそれぞれ加工装置の概略断面図である。
【図5】 本発明の実施の形態の金属バルブの他の加工方法を説明するそれぞれ加工装置の概略断面図である。
【図6】 金属バルブの形状及び構造を説明する金属バルブの側面図である。
【図7】 金属バルブの加工方法の従来例を説明する概略工程図である。
【図8】 金属バルブの加工方法の他の従来例を説明する概略工程図である。
【符号の説明】
1 ロッド部
2 バルブ部
3 コッター溝
13 バルブ成型型(成型型)
14 上端部保持ストッパ(ストッパ)
19 誘導加熱用コイル
A バルブ成型空間部
C 中間部
S 素材
S1 加工部分

Claims (7)

  1. 一端側が棒状のロッド部とされ、他端側が傘状のバルブ部とされた金属バルブを、棒状の素材の中間部から他端側を傘状に成型することにより加工する金属バルブの加工方法であって、
    前記素材の一端を保持するとともに、
    前記素材の中間部よりも他端側からなる加工部分を、その中間部側から端部へ向かって次第に加熱しながら前記素材の一端に向かうように軸方向へ押圧して膨出させることにより、加工部分の周囲を覆うように設けられた成型型によって形成されたバルブ成型空間部内に充満させて前記バルブ部を成型することを特徴とする金属バルブの加工方法。
  2. 前記棒状の素材の一端の端面を、予め精密せん断加工を施すことにより平滑化しておくことを特徴とする請求項1記載の金属バルブの加工方法。
  3. 前記素材の一端近傍における周面に、バルブスプリングを保持するコッター溝を予め形成しておくことを特徴とする請求項1または請求項2記載の金属バルブの加工方法。
  4. 前記バルブ成型空間部を形成する成型型に、前記棒状の素材の中間部から他端側を加熱する誘導加熱用コイルを設け、該誘導加熱用コイルによって前記素材の中間部から他端側を加熱させながらその他端をバルブ成型空間部へ向かって押圧することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の金属バルブの加工方法。
  5. 前記バルブ成型空間部を形成する成型型に、このバルブ成型空間部に配設された素材に通電することにより発熱させ加熱させながらその他端をバルブ成型空間部へ向かって押圧することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の金属バルブの加工方法。
  6. 前記バルブ成型空間部へ挿入される前記素材の中間部から他端部側の加工部分に、その中間部から他端へ向かって順にレーザを照射して加熱させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の金属バルブの加工方法。
  7. 素材の一端を上方へ向けて前記バルブ成型空間部内を貫通するように配設した状態にて、前記素材を他端から押し上げることにより、前記一端を、前記成型型の上方に設けられたストッパに当接させ、さらに押し上げることにより、加熱されて軟化された中間部から下方側を中間部側から膨出させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の金属バルブの加工方法。
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