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JP3759364B2 - 健康状態検出装置 - Google Patents
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JP3759364B2 - 健康状態検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば新生児などの人または人以外の動物の健康状態、たとえば血中の酸素飽和度および脈拍などを検出する装置に関し、またその検出された健康状態を監視する健康状態監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
典型的な先行技術は、たとえば特開平7−163550および特開平8−103435に開示されたセンサである。この先行技術では、一対の発光ダイオードとフォトダイオードとが組合わされて可撓性支持手段に収納され、この可撓性支持手段を新生児の指または腕などに、弾発性を有する要素を用いて、ほぼU字状に弾発的に装着する。
【0003】
この先行技術では、ハウジング要素が新生児の指にピッタリと密着して装着される。生まれて間もない新生児の皮膚は、傷付きやすく、したがって可撓性支持手段が弾発的に、皮膚の一定の位置に接触したままとなった状態となることによって、皮膚が損傷する。また新生児が動くことによって、可撓性支持手段に接触している皮膚が損傷しやすい。
【0004】
この先行技術では、一対の発光ダイオードとフォドダイオードとは、ケーブル、コードなどの可動線を介して電気信号が伝送されるように構成されるように構成される。したがってケーブル、コード類が、新生児の首にからみついて窒息したり、指、手首などに巻付いて損傷したりする可能性があるという問題もある。
【0005】
さらに新生児の生長は速いので、比較的短時間に、可撓性支持手段によって皮膚の一定個所に大きな圧縮力が作用することになる。このことによってもまた皮膚および組織を損傷する結果になる。このことは、可撓性支持手段を、ばんそう膏で皮膚に装着する構成であっても、同様に、生じる。
【0006】
この問題を解決するために、可撓性支持手段を新生児の指に隙間をあけて緩やかに装着することが容易に考えられるけれども、そのように構成すると、フォトダイオードには、外来光が混入しやすくなり、したがって酸素飽和度および脈拍などの健康状態を、正確に検出することができなくなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、健康状態を検出すべき人または動物の体を損傷することなく、また部分的に圧縮力を作用することなく、健康状態を検出することができるようにした健康状態検出装置を提供し、またその健康状態検出装置を用いる健康状態監視装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)人または動物の体の一部分に緩やかに巻付けられるベルトと、
(b)ベルトの周方向に間隔をあけて配置される複数のセンサであって、各センサは、
人または動物の生体組織に向けて光を発生する発光素子と、
発光素子からの光の生体組織による散乱光を受光し、散乱光の強度を表す検出信号を出力する受光素子とを有するセンサと、
(c)ベルトに設けられ、各受光素子からの検出信号のうち、脈波を判定して選択する判定手段と、
(d)ベルトに設けられ、判定手段によって選択された脈波の検出信号を、電磁波で送信する送信手段とを含むことを特徴とする健康状態検出装置である。
【0009】
本発明に従えば、複数のセンサSR1〜SR8(後述の図1参照)がベルト9を周方向に間隔をあけて配置され、このベルトは新生児などの人の体の一部分、たとえば上肢または下肢などに緩やかに、すなわち隙間をあけて、巻付けられる。ベルトは、無端リング状であってもよいけれども、周方向に分断されてほぼC字状に形成されてもよく、体の一部分に緩やかに装着される構成であればよい。人以外の動物の体の一部分にベルトが緩やかに巻付けられてもよい。
【0010】
センサの発光素子14,15は、ベルトの装着された人または動物の体の一部分の生体組織に向けて光を発生する。その生体組織による散乱光を受光素子16によって受光する。ベルトは上述のように体の一部分に緩やかに巻付けられるので、複数のセンサのうち、1または複数のセンサの受光素子には、たとえば照明灯などの外来光が混入する恐れがある。判定手段は、各センサの受光素子からの検出信号のうち、脈波成分を含む検出信号を判別して選択し、送信手段6に与える。こうして送信手段は、脈波成分を含む検出信号を、電磁波で送信する。
【0011】
電磁波は、たとえば電波が、指向性がない点で好ましいけれども、光、超音波などであってもよい。複数の各センサは、前述のようにベルトの周方向に配置されるので、それらの複数のセンサのうち、少なくとも1つのセンサは、体の一部分に接触している可能性が高く、これによって外来光を含まない検出信号をほぼ確実に得ることができる。たとえば新生児の健康状態を検出するにあたり、新生児は様々な動きをするので、その際に、もしもケーブル、コード類があると、新生児の首に巻付いて窒息したり、指、手首などに巻付いて怪我をしたりといった事故が起こる恐れがある。本発明では、電磁波によって計測データを伝送し、内蔵の電池によって駆動することができ、したがってこのようなケーブル、コード類を引き摺ることはなく、新生児にとって安全に、健康状態の検出を行うことができる。
【0012】
したがってベルトが装着される人または動物の体の一部分の皮膚が傷付きやすい状態であっても、その皮膚を損傷する恐れをなくすことができる。また新生児のようにベルトが巻付けられた体の一部分の生長が速くても、ベルトは緩やかであるので、その生長によってベルトが体の一部分を押付けて圧縮する恐れはなくなる。こうして安全に、人または動物の健康状態を正確に検出することが可能になる。
【0013】
ベルトは、体の一部分に弾発的に接触することはない。このベルトは、可撓性を有し、さらに弾発性を有してもよく、あるいはまた剛性であってもよい。
【0014】
本発明は、前記人または動物は、新生児であることを特徴とする。
特に本発明は、人の新生児に関連して好適に実施される。
【0015】
本発明は、判定手段は、各受光素子からの検出信号のうち、外来光を含まない検出信号を判定して選択することを特徴とするである。
【0016】
判定手段は、各受光素子からの検出信号のうち、外来光を含まない検出信号、したがって脈波を含む検出信号を判定して選択する。こうして脈波の判定、選択のために、検出信号に外来光が含まれているかどうかを判定し、脈波の正確な検出が可能になる。
【0017】
また本発明は、判定手段は、
各受光素子からの検出信号に応答し、検出信号の予め定める時間内の変化量が、脈波成分のピーク・ピーク値を超える予め定める値以上であるとき、外来光を含む検出信号であると判定し、前記予め定める値未満であるとき、外来光を含まない検出信号であると判定する変化量弁別手段と、
変化量弁別手段によって判定された外来光を含まない検出信号のうち、前記ピーク・ピーク値が最大である検出信号を選択して送信手段に与える選択手段とを含むことを特徴とする。
【0018】
本発明に従えば、ベルトに取付けられているセンサの発光素子または受光素子のうちのいずれか少なくとも一方が、体の一部分から離間すると、受光素子の検出信号のレベルが大きく変化し、検出信号のレベルが増大し、または減少する。したがって予め定める時間内の変化量が大きいとき、そのセンサの発光素子または受光素子の少なくとも一方が体の一部分から離間し、したがってその受光素子からの検出信号は、外来光を含んでいると判定し、変化量がわずかである検出信号だけを、外来光を含まない検出信号であると判定して、その判定結果を出力する。
【0019】
受光素子からの検出信号が、外来光を含むかどうかの判定にあたっては、後述の図9のように予め定める時間W3内の変化量Δxが、その検出信号に含まれる交番信号である脈波成分のピーク・ピーク値AC1を超える予め定める値ΔL以上であるとき(AC1<ΔL<Δx)、外来光を含むものと判断する。前記予め定める時間W3は、たとえば人または動物の脈拍の周期ΔTに選ばれてもよい。新生児では、脈拍は、100〜120であり、したがって前記予め定める時間ΔTは、たとえば約0.5secであってもよい。このように、予め定める時間W3内の検出信号の変化量Δxが、脈波成分のピーク・ピーク値AC1を超える予め定める値ΔL以上であって、大きいとき、その検出信号には、外来光が含まれているものと判定する。このような外来光を含む検出信号を用いることなく、前記変化量Δxが前記予め定める値ΔL未満である検出信号を、外来光を含まないものと判定する。
【0020】
こうして外来光を含まない1または複数の検出信号のうち、ピーク・ピーク値AC1が最大である検出信号を、選択して、送信手段に与え、電磁波によって送信する。こうして送信手段からの電磁波の信号を受信することによって、体の一部分に接触しているセンサの受光素子からの正確な検出信号を得ることができる。
【0021】
また本発明は、送信手段は、検出信号の送信とともに、その送信する検出信号が出力されたセンサを識別する識別データもまた、送信することを特徴とする。
【0022】
本発明に従えば、外来光を含まない検出信号が得られたセンサの識別データもまた、送信手段によって送信される。したがって送信手段からの電磁波信号を受信し、その識別データをデコードして検出することによって、体の一部分に接触しているセンサが、特定のセンサのみであって接触したままであるか、または接触しているセンサが頻繁に変化するかを、検出することができる。これによって人または動物の体動の程度を知ることができる。こうして人または動物の健康状態が正常であるか、または観察を必要とし、もしくは異常であるかを知ることができる。
【0023】
また本発明は、送信手段は、
脈波成分の周期未満のサンプリング周期でサンプリングした脈波成分のデータと直流成分のデータとを、間欠的に計測して送信することを特徴とする。
【0024】
本発明に従えば、外来光を含まない検出信号の脈波成分のピーク・ピーク値AC1は、酸素飽和度および脈拍などに対応して変動するけれども、検出信号の直流成分DC1は、脈波成分に比べて変動がわずかであり、安定している。したがって脈波成分の周期、たとえば前述のように約0.5secなどの値未満であるサンプリング周期でサンプリングし、このような脈波成分のデータと直流成分のデータとを、後述の図10(1)に示されるように、予め定める第1の時間W11だけ間欠的に計測して送信し、予め定める第2の時間W12では、このような計測、送信の動作を休止する。こうして消費電力の低減を図ることができる。本件健康状態検出装置は、電力を供給する電池を備え、携帯形であり、したがって電池の消費電力を低減し、長寿命化することが重要である。人または動物の健康状態は常に検出されなければなら、したがって電池駆動の健康状態検出装置において、消費電力を低減することは、重要である。
【0025】
また本発明は、センサは、
発光素子として、
赤色光を発光する赤色光発光素子と、
赤外光を発光する赤外光発光素子とを有し、
受光素子は、赤色光発光素子と赤外光発光素子とによる散乱光を共通に受光し、
赤色光発光素子と赤外光発光素子とを交互に予め定める周期(W1+W2)で発光駆動する駆動手段と、
受光素子からの検出信号を、約10Hz以下の周波数帯域だけ濾波するフィルタ手段とを含むことを特徴とする。
【0026】
本発明に従えば、センサは赤色光および赤外光をそれぞれ発生する後述の図1の発光素子14,15を備え、生体組織による散乱光を、単一の共通の受光素子16で受光し、これによって構成の簡略化を図るとともに、動脈血の酸素飽和度の演算を行うことができるようになる。これらの赤色光発光素子14と赤外光発光素子15とは、駆動手段34によって予め定める周期(図7のW1+W2)で、交互に発光駆動され、こうして前述のように共通の受光素子で散乱光を受光して検出することができる。
【0027】
受光素子16からの検出信号は、フィルタ手段43,44;48,49に与えられ、このフィルタ手段の遮断周波数fcは、約10Hzに選ばれる。これによって人および動物の酸素飽和度および脈拍などの健康状態を表す検出信号だけを、フィルタ手段から濾波して得ることができる。したがってたとえば60Hzまたは50Hzの照明光などの外来光の成分は、検出信号から除去され、検出信号による健康状態の検出を正確に行うことができるようになる。
【0028】
フィルタ手段は、ローパスフィルタ43,44およびバンドパスフィルタ48,49の少なくともいずれかを含む。
【0029】
また本発明は、(a)前記の健康状態検出装置と、
(b)処理装置であって、
送信手段からの電磁波を受信する受信手段と、
受信手段の出力に応答し、前記検出信号に対応した健康状態を表す値を演算する演算手段と、
演算手段の出力に応答し、健康状態を表す値を出力する出力手段とを含む処理装置とを備えることを特徴とする健康状態監視装置である。
【0030】
本発明に従えば、図6のように、上述の健康状態検出装置1から送信される電磁波信号を、処理装置2の受信手段64(図11参照)で受信し、演算手段66によって健康状態を表す値、たとえば動脈血の酸素飽和度および脈拍などの値を演算し、出力手段67によって出力する。出力手段は、たとえば陰極線管または液晶などによって実現される表示手段であってもよいけれども、演算手段66からの出力を、電気信号などによって送信出力する伝送手段などであってもよい。こうして健康状態検出装置1と処理装置2とによって、人または動物の健康状態を監視する装置3が実現される。
【0031】
また本発明は、(a)健康状態検出装置であって、
人または動物の体の一部分に緩やかに巻付けられるベルトと、
ベルトの周方向に間隔をあけて配置される複数のセンサであって、各センサは、
人または動物の生体組織に向けて光を発生する発光素子と、
発光素子からの光の生体組織による散乱光を受光し、散乱光の強度を表す検出信号を出力する受光素子とを有するセンサと、
ベルトに設けられ、各受光素子からの検出信号のうち、外来光を含む検出信号と、外来光を含まない検出信号とを判定して選択する判定手段と、
ベルトに設けられ、判定手段によって選択された外来光を含まない検出信号を、電磁波で送信する送信手段とを含み、
センサは、
発光素子として、
赤色光を発光する赤色光発光素子と、
赤外光を発光する赤外光発光素子とを有し、
受光素子は、赤色光発光素子と赤外光発光素子とによる散乱光を共通に受光する健康状態検出装置と、
(b)処理装置であって、
送信手段からの電磁波を受信する受信手段と、
受信手段の出力に応答し、赤色光および赤外光による受光素子の検出信号のレベルを演算して動脈血の酸素飽和度を演算するとともに、赤色光または赤外光による受光素子の検出信号のレベルを演算して脈拍を演算する演算手段と、
演算手段の出力に応答し、動脈血の酸素飽和度および脈拍を表示する表示手段とを含む処理装置とを備えることを特徴とする健康状態監視装置である。
【0032】
本発明に従えば、健康状態検出装置1の発光素子14,15は、赤色光および赤外光をそれぞれ発生し、単一の共通の受光素子16によって散乱光を受光し、こうして得られた受光素子からの検出信号を電磁波で送信し、処理装置2の受信手段64で受信し、動脈血の酸素飽和度を演算して求めることができる。さらに赤色光または赤外光による受光素子の検出信号を用いて脈拍を演算することができる。こうして表示手段67に動脈血の酸素飽和度および脈拍を表示し、人または動物の健康状態を監視することができる。
【0033】
また本発明は、(a)健康状態検出装置であって、
人または動物の体の一部分に緩やかに巻付けられるベルトと、
ベルトの周方向に間隔をあけて配置される複数のセンサであって、各センサは、
人または動物の生体組織に向けて光を発生する発光素子と、
発光素子からの光の生体組織による散乱光を受光し、散乱光の強度を表す検出信号を出力する受光素子とを有するセンサと、
ベルトに設けられ、各受光素子からの検出信号のうち、外来光を含む検出信号と、外来光を含まない検出信号とを判定して選択する判定手段と、
ベルトに設けられ、判定手段によって選択された外来光を含まない検出信号と、その外来光を含まない検出信号が出力されたセンサを識別する識別データとを電磁波で送信する送信手段とを含む健康状態検出装置と、
(b)処理装置であって、
送信手段からの電磁波を受信する受信手段と、
識別データが変化する時間間隔が予め定める時間未満であるとき、警報信号を出力する演算手段とを含む処理装置とを備えることを特徴とする健康状態監視装置である。
【0034】
本発明に従えば、ベルトの周方向に取付けられた複数のセンサからの検出信号とともに識別データを、送信し、処理装置2では、この識別データが変化する時間間隔が、予め定める時間未満であって、その変化が頻繁であれば、健康状態検出装置1が装着された人または動物の体動が激しいものと判断し、警報信号を発生する。こうして人または動物の健康状態の異常の有無を、確認することが確実になる。識別データが変化する時間間隔が予め定める時間未満であるということは、たとえば一定時間内における識別データの変化回数が予め定める回数を超えることと等価であり、たとえば10sec間に10回を超える識別データの変化が生じたとき、警報信号を出力する。
【0035】
本発明は、前記各センサの発光素子として、
赤色光を発光する赤色光発光素子と、
赤外光を発光する赤外光発光素子とを有し、
受光素子は、赤色光発光素子と赤外光発光素子とによる散乱光を共通に受光し、
演算手段は、赤色光および赤外光による受光素子の検出信号のレベルを演算して動脈血の酸素飽和度を演算するとともに、赤色光または赤外光による受光素子の検出信号のレベルを演算して脈拍を演算し、
動脈血の酸素飽和度が予め定める第1の範囲外であり、または
脈拍が予め定める第2の範囲外であるときにも、警報信号を出力することを特徴とする。
【0036】
本発明に従えば、さらに、動脈血の酸素飽和度が、予め定める正常状態における第1の範囲の外にあるとき、または脈拍が予め定める正常状態である第2の範囲の外であるときにもまた、警報信号がそれぞれ出力される。これによって人または動物の健康状態の異常をさらに確実に監視することができるようになる。
【0037】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態の健康状態検出装置1の全体の構成を示すブロック図である。この健康状態検出装置1と、図6に関連して後述される処理装置2とによって、健康状態監視装置3が構成される。健康状態検出装置1は、複数(たとえば8)のセンサSR1〜SR8(総括的に、参照符SRで示すことがある)と、これらのセンサSRの動作を制御し、その検出信号が与えられる送信用処理手段5と、この送信用処理手段5からの出力を電波などの電磁波で送信する送信手段6とを含む。
【0038】
図2は、健康状態検出装置1が新生児である人7に装着された状態を示す簡略化した斜視図である。人7の下肢8のたとえば下腿には、健康状態検出装置1を構成するベルト9が緩やかに巻付けられる。このようにベルト9が下肢8に緩やかに巻付けられることによって、そのベルト9が下肢8の皮膚の表面の一定個所に常時接触したままになることが防がれ、また下肢8を動かす体動が生じても、ベルト9の両側部付近で皮膚が擦傷を生じることが防がれ、さらに新生児である人7の生長が比較的早いときであっても、ベルト9が下肢8を、人7の生長によって押圧し、皮膚を損傷することを防ぐことができる。健康状態検出装置1は、下肢8だけでなく上肢10に緩やかに巻付けられてもよく、その他、体の一部分に緩やかに巻付けられるようにして、用いられてもよい。
【0039】
図3は、健康状態検出装置1の簡略化した斜視図である。ベルト9は、可撓性材料、たとえば布、合成樹脂などから成り、自然状態ではたとえば円形であってもよい。このベルト9の外周部には、ハウジング11が固定され、このハウジング11内に、送信用処理手段5および送信手段6などが収納される。
【0040】
図3に示されるように、ベルト9の周方向に、2つの発光素子14,15間に受光素子16が配置される。こうして各発光素子14,15による生体組織の散乱光を、受光素子16によって正確に受光することができる。
【0041】
図4は、健康状態検出装置1を人7の下肢8に装着した状態を示す断面図である。センサSR1〜SR8は、ベルト9の周方向に間隔をあけて配置される。これらのセンサSR1〜SR8は、たとえばこの実施の形態ではベルト9の自然状態における軸線12まわりに45°ずつ等間隔に配置される。ベルト9の内面は、下肢8との間に隙間10を形成し、緩やかに下肢8に接触する。
【0042】
再び図1を参照して、センサSR1は、赤色光17(図4参照)を発生する赤色光発光素子14と、赤外光18(図4参照)を発生する赤外光発光素子15と、これらの赤色光17および赤外光18が下肢に照射され、その生体組織による散乱光を共通に受光する受光素子16とを含む。残余のセンサSR2〜SR8もまた、センサSR1と同様な構成を有する。
【0043】
図5は、赤色光発光素子14からの赤色光が下肢8に照射され、その下肢の生体組織による散乱光を受光素子16で受光したときにおける受光素子16の出力波形を示す。このとき赤外光発光素子15は休止されている。赤色光発光素子14の光照射時に受光素子16から得られる図5の検出信号は、脈波成分21と直流成分22とを含む。脈波成分21のピーク・ピーク値は、参照符AC1で示され、直流成分22は参照符DC1で示される。また同様に赤外光発光素子15からの赤外光を下肢8に照射し、その下肢の生体組織による散乱光を受光素子16で受光したときにもまた、図5と同様な脈波成分と直流成分とが得られ、このとき赤色光発光素子14は休止している。赤外光発光素子15からの赤外光の照射時に、受光素子16から得られる検出信号の脈波成分のピーク・ピーク値をAC2とし、そのときの直流成分をDC2とする。これによって動脈血の酸素飽和度SpO2に対応した値Φを演算して求めることができる。
【0044】
【数1】
Figure 0003759364
【0045】
式1によって求められた値Фに基づき、後述の図13から、酸素飽和度SpO2を求めることができる。
【0046】
図5に示される赤外光の下肢8への照射時、受光素子16からの検出信号の脈波成分21の周期ΔTを演算して求めることによって、脈拍を求めることができる。本実施の他の形態では、赤外光の照射時、受光素子16から得られる検出信号の脈波成分の周期から、脈拍を演算するようにしてもよい。
【0047】
健康状態検出装置1の各センサSRの受光素子16からの検出信号は、送信用処理手段5に与えられる。これらの検出信号のうち、外来光を含む検出信号と外来光を含まない検出信号とが判定され、外来光を含まない検出信号の1つが選択され、送信手段6によって送信される。
【0048】
図6は、健康状態監視装置3の全体の構成を簡略化して示す図である。人7の体の一部分である下肢8に装着された健康状態検出装置1からの無線信号は、処理装置2で受信される。病院などにおいて複数の各新生児毎に、健康状態検出装置1が装着され、そのような複数の新生児が保育される部屋内には、これらの各健康状態検出装置1からの微弱な無線信号を共通に受信する1台の処理装置2が設置される。複数の健康状態検出装置1毎に、無線信号の搬送波周波数は異なっており、したがって処理装置2は、各健康状態検出装置1からの無線信号を識別して正確に受信することができる。処理装置2は、各健康状態検出装置1からの無線信号を受信し、その無線信号に含まれる前記検出信号に応答し、動脈血の酸素飽和度、脈拍およびその他の健康状態を表す値を演算して求める。処理装置2において、各健康状態検出装置1を装着している人7の健康状態の異常が検出されたときに、そのことを表す警報信号はライン25から、緊急通報用端末装置26に与えられる。緊急通報用端末装置26は、警報信号に応答し、病院の建物に配線されたラインを介して、または公衆電話回線を介するなどして、集中管理センタに設置された集中管理装置27に、緊急通報信号28を送信する。これによって医師などは、人7の健康状態を観察確認するために出動することができ、人7の健康状態の悪化を防ぐことができる。
【0049】
図7は図1に示される健康状態検出装置1の一部の動作を説明するための波形図である。この健康状態検出装置1は、電池29を含み、この電池29の電力によって駆動される。各センサSRの受光素子16からの検出信号は、送信用処理手段5における切換えスイッチ31によって順次的に切換えられ、増幅回路32によって増幅される。センサSRの赤色光発光素子14は、マイクロコンピュータなどによって実現される処理回路33の発光素子スケジューリング回路34からの各制御信号によって、図7(1)に示されるように一定周期で間欠的に駆動される。赤外光発光素子15は、図7(2)に示されるように、発光素子スケジューリング回路34によって間欠的に駆動される。これらの発光素子14,15は、一方が駆動されている期間中、他方が休止され、その点滅周波数は、たとえば300Hzであってもよい。
【0050】
発光素子スケジューリング回路34は、各センサSRの赤色光発光素子14を、期間W1だけ駆動し、赤外光発光素子15を次の期間W2だけ駆動し、たとえばW1=W2であり、このような1周期(=W1+W2)が繰返えされる。たとえばセンサSR1の受光素子16の検出信号が、切換えスイッチ31を経て増幅回路32に与えられ、切換えスイッチ37から、赤色光サンプルホールド回路38および赤外光サンプルホールド回路39にそれぞれ切換えられて与えられる。期間W1において赤色光発光素子14が駆動されるとき、増幅回路32の出力は切換えスイッチ37から赤色光サンプルホールド回路38に与えられる。また赤外光発光素子15が駆動される期間W2では、増幅回路32の出力は切換えスイッチ37から赤外光サンプルホールド回路39にそれぞれ与えられる。切換えスイッチ31は、たとえば脈拍の約1周期分の時間間隔毎に、センサSR1〜SR8を順次的に切換えて選択する。
【0051】
赤色光発光素子14が駆動されている期間W1中で増幅回路32から切換えスイッチ37を経て赤色光用サンプルホールド回路38に与えられる信号は、図7(3)の参照符41で示される。赤外光発光素子15が駆動される期間W2中、増幅回路32から切換えスイッチ37を経て赤外光サンプルホールド回路39に与えられる信号は、図7(3)の参照符42に示される。これらの各信号41,42は、各サンプルホールド回路38,39によってサンプリングされ、そのサンプル値は、次のサンプリング時まで保持され、新たなサンプリング値に更新される。赤色光サンプルホールド回路38は、期間W1における増幅回路32から切換えスイッチ37を介して与えられる出力41をサンプリングし、また赤外光サンプルホールド回路39は、増幅回路32から切換えスイッチ37を介して与えられる期間W2の信号42をサンプリングする。こうして赤色光サンプルホールド回路38は、図7(4)の出力43を導出し、赤外光サンプルホールド回路39は図7(4)の出力44を導出する。
【0052】
各サンプルホールド回路38,39の各出力が与えられるローパスフィルタ43,44の遮断周波数は、たとえば約10Hzに選ばれる。したがってたとえば60Hzまたは50Hzの照明光などの外来光が受光素子16に混入しても、そのような外来光の成分は、遮断される。
【0053】
ローパスフィルタ43,44からの各出力波形は、図7(5)の参照符45,46でそれぞれ示される。こうしてローパスフィルタ43,44からの赤色光および赤外光に対応する受光素子16の検出信号に対応する出力は、脈波成分と直流成分とを含む。バンドパスフィルタ48,49は、約1.5〜約10Hzの周波数帯域の信号を通過させて濾波する。したがってバンドパスフィルタ48,49の出力は、赤色光発光素子14および赤外光発光素子15が駆動される各期間W1,W2における受光素子16の検出信号のうち、脈波成分だけを含む。
【0054】
ローパスフィルタ43,44およびバンドパスフィルタ48,49の各出力は、アナログ/デジタル(略称A/D)変換器52,53によってデジタル信号に変換され、マイクロコンピュータなどによって実現される処理回路54に与えられる。
【0055】
図8は、処理回路54の動作を説明するためのフローチャートである。ステップa1からステップa2に移り、処理回路54は、ローパスフィルタ43,44からの脈波成分および直流成分を含む検出信号のデジタル信号を読込み、またバンドパスフィルタ48,49からの脈波成分のデジタル信号を読込む。処理回路54は次のステップa3で、すべてのセンサSR1〜SR8からのローパスフィルタ43,44によって濾波された脈波成分および直流成分を含む検出信号のうち、外来光を含む検出信号と、外来光を含まない検出信号とを判定して選択する。
【0056】
図9は、処理回路54によって、外来光を含む検出信号と、外来光を含まない検出信号とを判定して選択する動作を説明するための受光素子16からの検出信号の波形56を示す図である。この検出信号の波形56は、期間W1における赤色光による脈波成分AC1と直流成分DC1とを含む。この検出信号56の予め定める時間W3内の変化量Δxが、脈波成分のピーク・ピーク値AC1を超える予め定める値ΔL(ただしAC1<ΔL)未満であるとき(すなわち図9のように、Δx<ΔL)、検出信号56は外来光を含まない検出信号であると判定する。また前記変化量Δxが、前記予め定める値ΔL以上であるとき(すなわちΔx≧ΔL)、検出信号56は、外来光を含む検出信号であると判定する。
【0057】
人7の下肢に装着されたベルト9は、緩やかに下肢8に巻付けられており、したがってセンサSRが下肢8の皮膚の表面に接触しているとき、生体組織による散乱光を受光し、外来光を含まない検出信号として受光素子16から導出されるけれども、センサSRが皮膚から離間したとき、生体組織からの散乱光だけでなく、さらに照明光、太陽光などの外来光もまた受光素子16に入射し、受光素子16からは、外来光を含む検出信号が導出される。受光素子16に外来光が混入したとき、検出信号56のレベルΔxが大きく変化し、不安定になる。そこで本件実施の形態では、この予め定める時間W3における変化量Δxを演算して求め、その変化量Δxが、予め定める値ΔL以上であるとき、その検出信号56は、上述のように外来光を含む検出信号であるものと判定する。
【0058】
前記予め定める時間W3は、検出される人7の脈拍にほぼ等しい時間に定められ、たとえば0.5〜1秒の範囲内の値に定められてもよい。この時間W3が、たとえば脈拍の半周期に選ばれたとき、変化量Δxは、脈波成分AC1にぼ等しい値になる(Δx≒AC1)。このようなときであっても、検出信号56に外来光が含まれているかどうかを判別することができるようにするために、前述のように予め定める値ΔLは、脈波成分AC1のピーク・ピーク値を超える値(AC1<ΔL)に定められる。こうして受光素子16の検出信号が、外来光を含む検出信号であるかどうかを判別することができる。受光素子16の検出信号は、赤色光発光素子14が駆動される期間W1による検出信号であってもよいけれども、本発明の実施の他の形態では、赤外光発光素子15の駆動期間W2における出力であってもよい。
【0059】
本発明の実施の他の形態では、検出信号(=AC1+DC1)を、予め定める値でレベル弁別することによって、外来光を含む検出信号であるかどうかを判別するようにしてもよい。
【0060】
図10は、処理回路54の動作を説明するための図である。電池29の消費電力を低減するために、処理回路54は、周期的に図10(1)に示されるように予め定める時間W11だけ、本件健康状態検出装置1内の処理回路54以外の構成要素に電池29からの電力を供給し、予め定める時間W12では、電池29からの前記構成要素への電力の供給を遮断する。時間W11は、たとえば30秒〜1分の値に選ばれ、時間W12は、たとえば1分〜2分の時間に選ばれてもよい。
【0061】
健康状態検出装置1に電池29から電力が供給されてすべての構成要素が動作を行っている期間W11中、処理回路54は、図10(2)に示されるように、脈波成分AC1またはAC2(総括的に参照符ACで示す)のデータを、複数m回、送信し、その後の時間W22中、送信する検出信号の直流成分DC1,DC2(総括的に参照符DCで示す)のデータを、単1回、送信する。脈波成分ACのデータを送信する時間を参照符W31で表すとき、W21=m・W31である。
【0062】
図10(2)は、検出期間W11における送信手段6によって送信される搬送波信号の具体的な構成を示す図である。処理回路54によって判定されて選択された外来光を含まない検出信号が、或るセンサSRi(i=1〜8のうちの1つの自然数)から得られている場合、赤色光発光素子14の駆動によって生体組織の散乱光を受光する受光素子16からの検出信号SiAと、赤外光発光素子15の駆動によって生体組織の散乱光を受光する受光素子16の検出信号SiBが、期間W31において順次的に送信される。これらの検出信号SiA,SiBはいずれも、脈波成分AC1,AC2を表す。期間W21では、このような外来光を含まない検出信号が判定、選択されて、その脈波成分AC1,AC2に関する信号が送信される。
【0063】
検出期間W11内における残余の期間W22では、その期間W22の直前において判定、選択されている外来光を含まない検出信号を導出しているセンサSRiに含まれる赤色光発光素子14に対応する直流成分DC1を表す信号CiAと、赤外光発光素子15に対応する検出信号に含まれる直流成分DC2を表す信号CiBとは、順次的に、単一回だけ、発生される。このようにして前述のように期間W21では、複数m回、各期間W31毎に、脈波成分SiA,SiBが送信され、直流成分の信号CiA,CiBは、期間W22において単一回だけ送信されることになるので、人7の健康状態が正確に反映される脈波成分AC1,AC2をできるだけ正確に常時検出することができるようにするとともに、健康状態が変化しても脈波成分AC1,AC2に比べて変動が小さい直流成分DC1,DC2を表す信号CiA,CiBを上述のように単一回だけ送信することによって、伝送効率を向上し、さらに電池29の消費電力をできるだけ低減することができる。
【0064】
図10(3)は、期間W31において送信される脈波成分AC1,AC2を表す信号SiA,SiBの具体的な構成を示すとともに、期間W22において送信される直流成分DC1,DC2を表す信号CiA,CiBの具体的な構成を示す図である。送信手段6から送信される電磁波信号は、搬送波がデジタル信号によって変調されている。図10(3)において各信号SiA,SiB;CiA,CiBはいずれも、検出信号が発生されるセンサSRを識別する識別テータIDiを含む。識別データIDiに後続する2値信号61,62のコードは、表1の内容を表す。
【0065】
【表1】
Figure 0003759364
【0066】
データDSiAは、センサSRiの赤色光発光素子14の駆動時に対応する脈波成分AC1のデータであり、参照符DSiBは、赤外光発光素子15の駆動時に対応する脈波成分AC2のデータDSiBである。参照符DCiAは、センサSRiにおける赤色光発光素子14の駆動時に対応する直流成分DC1を表すデータであり、参照符DCiBは、赤外光発光素子15の駆動時に対応する直流成分DC2を表すデータである。
【0067】
図11は、処理装置2の全体の構成を示すブロック図である。健康状態検出装置1の送信手段6からの電磁波信号は、処理装置2の受信手段64において受信され、その受信された信号はデコード回路65においてデコードされ、マイクロコンピュータなどによって実現される演算回路66に与えられる。演算回路66の演算処理結果は、出力手段67に与えられて出力される。この出力手段67は、たとえば陰極線管または液晶表示パネルなどの表示手段であってもよく、また記録紙に印字するプリンタであってもよく、さらに信号を遠隔地に伝送する送信回路などであってもよい。
【0068】
図12は、演算回路66の動作を説明するためのフローチャートである。ステップb1からステップb2に移り、演算回路66は、前述の図10(3)における期間W21中に送信された各信号SiA,SiBにそれぞれ含まれるセンサSRiの識別データIDiが変化したかどうかをチェックする。識別コードIDiが変化したとき次のステップb3に移り、この識別データIDiが表すセンサが、ベルト9の周方向に隣接または近接したセンサであるかどうかを検出する。たとえば、期間W21内で、識別データIDiが、センサSR1を表し、その後、センサSR2を表すとき、これらのセンサSR1,SR2はベルト9の周方向に隣接しており、したがって人7の下肢8の動き、したがって体動は激しくなく、警報を発生する必要はないものと判断し、ステップb4に移る。
【0069】
識別テータIDiが、期間W21内で、図4に示されるベルト9の周方向にセンサSRの予め定めた数N1以上、離れたセンサに変化したとき、ステップb9の警報ルーチンに移る。
【0070】
新生児が活発に動くと、下肢8とベルト9とが相対的に変位し、外来光を含まない検出信号を出力するセンサSRiもまた変化し、さらに人7の血流が乱れることによって、計測される脈波成分AC1,AC2もまた乱れてしまい、モーション・アーティファクトと呼ぶことができる現象が生じる。このような現象が起こっている期間では、新生児が動いているものと判定することができる。新生児が静かに寝ている状態および異常が生じて弛緩した状態では、脈波成分AC1,AC2を正確に計測することができる。
【0071】
ステップb4では、時間W21において得られた赤色光発光素子14の駆動に対応した検出信号の脈波成分AC1の周期を演算して、脈拍を演算して求める。ステップb5では、演算して求めた脈拍が、予め定める値の正常状態の範囲、たとえば50〜130/分にあるかどうかを判断する。脈拍が前記正常状態の範囲の外にあれば、ステップb5からステップb8に移る。脈拍が正常状態の範囲にあれば、ステップb5からステップb6に移り、このステップb6では、前述の式1に基づき、期間W22において得られた直流成分DC1,DC2と、その期間W22において得られる検出信号の交流成分AC1,AC2とを用いて、動脈血の酸素飽和度SpO2に対応する値Фを演算して求める。
【0072】
図14は、動脈血の酸素飽和度SpO2を演算して求めるための手法を説明するための図である。このような酸素飽和度の演算は、処理装置2の演算回路66によって行われる。前述の式1によって、値Φを演算することによって、図14に示される予め設定されてメモリにストアされた情報によって、酸素飽和度SpO2を求めることができる。この酸素飽和度を求めることによって、新生児の呼吸状態を知ることができ、これによって乳幼児突然死症候群SIDS(SIDSは、Sudden Infant Death Syndromeの略称)に迅速に対応することができる。
【0073】
こうして得られた酸素飽和度が、予め定める値の正常状態の範囲、たとえば90〜100にあって正常であるかどうかを、ステップb7で判断する。酸素飽和度が正常状態の範囲の外にあれば、ステップb7からステップb8に移る。
【0074】
演算して得られた酸素飽和度および脈拍がいずれも正常状態の範囲にあれば、ステップb9に移り、酸素飽和度、脈拍、さらにはそのほかの健康状態を表す数値は、出力手段67によって目視表示され、記録紙に印字され、または有線または無線で送信されるなどして、出力される。出力手段67からの警報信号はまた、図6に関連して前述したように、ライン25から緊急通報用端末装置26に与えられる。
【0075】
図13は、前述の図12のステップb8における警報ルーチンの演算回路66による動作を説明するためのフローチャートである。ステップc1からステップc2に移り、前述の図12のステップb3において、識別データIDiが、期間W21内で、図4に示されるベルト9の周方向にセンサSRの予め定めた数N1以上、離れたセンサに変化した回数N4を計数する。このような識別データIDiが変化する平均の時間間隔が、予め定める時間ΔT1(=W21/N1)未満であって体動が頻繁であるとき、たとえば、識別データIDiが、センサSR1を識別するデータを表し、予め定める数N1、たとえば2以上離れたセンサSR4を表す識別データが検出され、このような離れたセンサの識別データIDiが、10秒間に10回以上生じたとき、ステップc7において警報信号を発生させる。このようにして予め定める時間W4内における離れた位置に配置されたセンサに変化する回数N4を計数し、その計数値が、予め定める値N40を超えるとき(N40<N4)、ステップc7の警報音の発生動作に移る。このような計数値N4が予め定める値N40を超える状態は、識別データIDiが変化する平均の時間間隔が予め定める時間ΔT1未満であることと等価である。
【0076】
ステップc3では、前述のステップb3における回数N4が、前記予め定められた回数N40未満であるとき、新生児が異常でない範囲で活発に動いていると判断することができ、このとき、ブザーによる警報音を鳴らすことなく、次のステップc4に移る。ステップc3の判断によって一定時間内に、予め定められた回数以上、識別信号IDiが変化したら、ブザーなどによって警報を鳴らす。
【0077】
ステップc4では、前述のステップb5における脈拍が正常状態の範囲の外であれば、ステップc7において、警報音を鳴らす。ステップc5では、前述のステップb7における酸素飽和度が正常状態の範囲の外であれば、ステップc7において警報音を鳴らす。
【0078】
こうして本発明の実施の形態では、新生児の身体に負荷にならないようなセンサSRを有するベルト9を取付け、その身体の健康状態の情報を、常に無線で処理装置2に送信することによって、新生児の健康状態を常時把握することができるようになる。病院では、保育器の中の新生児の健康状態を常時把握することができるとともに、新生児の乳幼児突然死症候群SIDSを未然に防ぐことができる。さらに新生児の退院後も、親の育児の負担を軽減するために本発明が好適に実施される。本発明は新生児のために用いられるだけでなくそのほか、人および動物に関連して広範囲に実施することができる。本発明によれば、非侵襲で、光によって健康状態を計測するので、傷つきやすい新生児の肌を痛めることがない。
【0079】
【発明の効果】
請求項1の本発明によれば、センサが取付けられるベルトは、人または動物の体の一部分に緩やかに巻付けられて装着されるので、ベルトが体の1個所に接触したままになることはなく、またベルトによってその体の一部分に圧縮力が作用することが回避される。したがって体の一部分が損傷することはない。このことは特に、新生児などの傷つきやすい皮膚に、ベルトを装着して長時間わたり、健康状態の検出を可能にする。
【0080】
また本発明によれば、複数のセンサのうち、脈波を判定手段によって判定して選択し、送信手段によって電磁波で送信するので、これらの複数のセンサのうち、体の一部分に接触しているセンサからの外来光を含まない検出信号だけを選択し、健康状態を正確に検出することができるようになる。
【0081】
請求項2の本発明によれば、人の新生児に関連して実施され、したがって乳幼児突然死症候群SIDSに迅速に対応することができ、好ましい。本発明によれば、新生児の皮膚を損傷することはなく、また電磁波を用いるので、無線であり、前述の先行技術に関連して述べたケーブル、コード類を用いる構成に比べて安全である。
【0082】
請求項3の本発明によれば、複数のセンサからの検出信号に基づいて脈波を判定するにあたり、外来光を含まない検出信号を判定、選択するので、比較的簡単な構成で脈波を正確に、誤検出を生じることなく、判定することができるようになる。
【0083】
請求項4の本発明によれば、ベルトに取付けられているセンサが体の一部分から離間して外来光が入射することによって、センサの受光素子からの検出信号のピーク・ピーク値AC1が大きく変化し、これによって生じる検出信号の変化量Δxをレベル弁別し、体の一部分に接触して正常な検出動作を行っているセンサのみからの外来光を含まない検出信号を、選択手段で選択して送信手段によって送信する。こうして送信手段からの電磁波の信号は、正確な検出信号だけを送信し、したがって健康状態の検出を正確に行うことができる。
【0084】
請求項5の本発明によれば、センサの識別データもまた送信される。したがって識別データの変化の頻繁な度合いによる人または動物の体動の程度を知ることができる。こうして人または動物の健康状態が正常であるか、または異常であるかを知ることができる。
【0085】
請求項6の本発明によれば、脈波成分のデータと直流成分のデータとを、間欠的に計測して送信し、こうして送信効率を向上して消費電力を低減し、健康状態を常時検出することができるようになる。
【0086】
請求項7の本発明によれば、赤色光と赤外光とを発光する発光素子を用い、動脈血の酸素飽和度を検出することができるようになり、またフィルタ手段を用いて外来光の成分が検出信号に含まれることを遮断することができ、こうして健康状態の正確な検出が可能になる。
【0087】
請求項8の本発明によれば、健康状態検出装置1と処理装置2とを備える健康状態監視装置3が実現され、健康状態を検出すべき新生児などの人または動物の体を損傷することなく、また部分的に押圧力を作用することなく、健康状態の監視を行うことができる。
【0088】
請求項9の本発明によれば、赤色光と赤外光とによる生体組織による散乱光を、単一の受光素子で受光し、構成の簡略化を図るとともに、動脈血の酸素飽和度と脈拍とを処理装置において演算することが正確に可能なる。
【0089】
請求項10の本発明によれば、健康状態検出装置のセンサの識別データの時間変化が頻繁であるかどうかを判断し、頻繁であるときには警報信号を出力し、これによって監視されている人または動物が異常であるか、または観察を行う必要があるかどうかなどを知ることが容易である。
【0090】
請求項11の本発明によれば、人または動物の動脈血の酸素飽和度または脈拍が、正常状態の範囲の外であるときにも、警報信号が出力され、こうして人または動物の健康状態の監視を、さらに確実に行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例本発明の実施の一形態の健康状態検出装置1の全体の構成を示すブロック図である。
【図2】健康状態検出装置1が新生児である人7に装着された状態を示す簡略化した斜視図である。
【図3】健康状態検出装置1の簡略化した斜視図である。
【図4】健康状態検出装置1を人7の下肢8に装着した状態を示す断面図である。
【図5】赤色光発光素子14からの赤色光が下肢8に照射され、その下肢8の生体組織による散乱光を受光素子16で受光したときにおける受光素子16の出力波形図である。
【図6】健康状態監視装置3の全体の構成を簡略化して示す図である。
【図7】図1に示される健康状態検出装置1の一部の動作を説明するための波形図である。
【図8】処理回路54の動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】処理回路54によって、外来光を含む検出信号と、外来光を含まない検出信号とを判定して選択する動作を説明するための受光素子16からの検出信号の波形56を示す図である。
【図10】処理回路54の動作を説明するための図である。
【図11】処理装置2の全体の構成を示すブロック図である。
【図12】演算回路66の動作を説明するためのフローチャートである。
【図13】前述の図12のステップb9における警報ルーチンの演算回路66による動作を説明するためのフローチャートである。
【図14】動脈血の酸素飽和度を演算して求めるための手法を説明するための図である。
【符号の説明】
1 健康状態検出装置
2 処理装置
3 健康状態監視装置
5 送信用処理手段
6 送信手段
7 人
8 下肢
9 ベルト
14 赤色光発光素子
15 赤外光発光素子
16 受光素子
29 電池
31,37 切換えスイッチ
32 増幅回路
33 処理手段
34 発光素子スケジューリング回路
38 赤色光サンプルホールド回路
39 赤外光サンプルホールド回路
43,44 ローパスフィルタ
48,49 バンドパスフィルタ
54 処理回路
SR1〜SR8 センサ

Claims (11)

  1. (a)人または動物の体の一部分に緩やかに巻付けられるベルトと、
    (b)ベルトの周方向に間隔をあけて配置される複数のセンサであって、各センサは、
    人または動物の生体組織に向けて光を発生する発光素子と、
    発光素子からの光の生体組織による散乱光を受光し、散乱光の強度を表す検出信号を出力する受光素子とを有するセンサと、
    (c)ベルトに設けられ、各受光素子からの検出信号のうち、脈波を判定して選択する判定手段と、
    (d)ベルトに設けられ、判定手段によって選択された脈波の検出信号を、電磁波で送信する送信手段とを含むことを特徴とする健康状態検出装置。
  2. 前記人または動物は、新生児であることを特徴とする請求項1記載の健康状態検出装置。
  3. 判定手段は、各受光素子からの検出信号のうち、外来光を含まない検出信号を判定して選択することを特徴とする請求項1または2記載の健康状態検出装置。
  4. 判定手段は、
    各受光素子からの検出信号に応答し、検出信号の予め定める時間内の変化量が、脈波成分のピーク・ピーク値を超える予め定める値以上であるとき、外来光を含む検出信号であると判定し、前記予め定める値未満であるとき、外来光を含まない検出信号であると判定する変化量弁別手段と、
    変化量弁別手段によって判定された外来光を含まない検出信号のうち、前記ピーク・ピーク値が最大である検出信号を選択して送信手段に与える選択手段とを含むことを特徴とする請求項1記載の健康状態検出装置。
  5. 送信手段は、検出信号の送信とともに、その送信する検出信号が出力されたセンサを識別する識別データもまた、送信することを特徴とする請求項1または4記載の健康状態検出装置。
  6. 送信手段は、
    脈波成分の周期未満のサンプリング周期でサンプリングした脈波成分のデータと直流成分のデータとを、間欠的に計測して送信することを特徴とする請求項1〜5のうちの1つに記載の健康状態検出装置。
  7. センサは、
    発光素子として、
    赤色光を発光する赤色光発光素子と、
    赤外光を発光する赤外光発光素子とを有し、
    受光素子は、赤色光発光素子と赤外光発光素子とによる散乱光を共通に受光し、
    赤色光発光素子と赤外光発光素子とを交互に予め定める周期(W1+W2)で発光駆動する駆動手段と、
    受光素子からの検出信号を、約10Hz以下の周波数帯域だけ濾波するフィルタ手段とを含むことを特徴とする請求項1〜6のうちの1つに記載の健康状態検出装置。
  8. (a)請求項1〜7のうちの1つの記載の健康状態検出装置と、
    (b)処理装置であって、
    送信手段からの電磁波を受信する受信手段と、
    受信手段の出力に応答し、前記検出信号に対応した健康状態を表す値を演算する演算手段と、
    演算手段の出力に応答し、健康状態を表す値を出力する出力手段とを含む処理装置とを備えることを特徴とする健康状態監視装置。
  9. (a)健康状態検出装置であって、
    人または動物の体の一部分に緩やかに巻付けられるベルトと、
    ベルトの周方向に間隔をあけて配置される複数のセンサであって、各センサは、
    人または動物の生体組織に向けて光を発生する発光素子と、
    発光素子からの光の生体組織による散乱光を受光し、散乱光の強度を表す検出信号を出力する受光素子とを有するセンサと、
    ベルトに設けられ、各受光素子からの検出信号のうち、外来光を含む検出信号と、外来光を含まない検出信号とを判定して選択する判定手段と、
    ベルトに設けられ、判定手段によって選択された外来光を含まない検出信号を、電磁波で送信する送信手段とを含み、
    センサは、
    発光素子として、
    赤色光を発光する赤色光発光素子と、
    赤外光を発光する赤外光発光素子とを有し、
    受光素子は、赤色光発光素子と赤外光発光素子とによる散乱光を共通に受光する健康状態検出装置と、
    (b)処理装置であって、
    送信手段からの電磁波を受信する受信手段と、
    受信手段の出力に応答し、赤色光および赤外光による受光素子の検出信号のレベルを演算して動脈血の酸素飽和度を演算するとともに、赤色光または赤外光による受光素子の検出信号のレベルを演算して脈拍を演算する演算手段と、
    演算手段の出力に応答し、動脈血の酸素飽和度および脈拍を表示する表示手段とを含む処理装置とを備えることを特徴とする健康状態監視装置。
  10. (a)健康状態検出装置であって、
    人または動物の体の一部分に緩やかに巻付けられるベルトと、
    ベルトの周方向に間隔をあけて配置される複数のセンサであって、各センサは、
    人または動物の生体組織に向けて光を発生する発光素子と、
    発光素子からの光の生体組織による散乱光を受光し、散乱光の強度を表す検出信号を出力する受光素子とを有するセンサと、
    ベルトに設けられ、各受光素子からの検出信号のうち、外来光を含む検出信号と、外来光を含まない検出信号とを判定して選択する判定手段と、
    ベルトに設けられ、判定手段によって選択された外来光を含まない検出信号と、その外来光を含まない検出信号が出力されたセンサを識別する識別データとを電磁波で送信する送信手段とを含む健康状態検出装置と、
    (b)処理装置であって、
    送信手段からの電磁波を受信する受信手段と、
    受信手段の出力に応答し、識別データが変化する時間間隔が予め定める時間未満であるとき、警報信号を出力する演算手段とを含む処理装置とを備えることを特徴とする健康状態監視装置。
  11. 前記各センサの発光素子として、
    赤色光を発光する赤色光発光素子と、
    赤外光を発光する赤外光発光素子とを有し、
    受光素子は、赤色光発光素子と赤外光発光素子とによる散乱光を共通に受光し、
    演算手段は、赤色光および赤外光による受光素子の検出信号のレベルを演算して動脈血の酸素飽和度を演算するとともに、赤色光または赤外光による受光素子の検出信号のレベルを演算して脈拍を演算し、
    動脈血の酸素飽和度が予め定める第1の範囲外であり、または
    脈拍が予め定める第2の範囲外であるときにも、警報信号を出力することを特徴とする請求項10記載の健康状態監視装置。
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