JP3760741B2 - パチンコ玉の送り出し制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はパチンコ玉の送り出し制御装置に関し、詳しくは電動機を駆動源としてパチンコ玉を順次送り出すパチンコ玉の送り出し制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のパチンコ玉の送り出し制御装置では、玉通路に集められて縦列をなすパチンコ玉をストッパにより一旦止め、制御手段からの信号に基づいてソレノイド等によりストッパを開閉し、パチンコ玉の自重により1個ずつパチンコ玉を送り出す送り出し装置とこれを単純にオン・オフ制御する制御装置とが用いられていた。かかる構成では、玉の計数の精度・送り出しの速度が低く、しかもストッパ等が開いたまま故障すると玉が出っぱなしなるといった不具合がある。そこで、これを解決するために、駆動源にDCモータ等の電動機を用い、外周にパチンコ玉が嵌入しえる切欠を備えた玉切り円盤をその外周が玉通路に臨むよう設け、入賞信号に応じてこの玉切り円盤を所定角度回転して、必要な個数のパチンコ玉を送り出す装置を用いたものが提案されている(特開昭63−164977号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電動機を用いその回転によりパチンコ玉の排出を行なう構成を採る場合、電動機を用いるため装置全体が大型化するという問題があった。かといって、電動機を単に小型化したのでは、駆動力が不十分になってしまうことが考えられ、パチンコ玉を確実に送り出す上での信頼性に欠けてしまう。特に、パチンコ玉の場合、油気等の玉質によりその送り易さもかなり変動する。また、送り出し機構前後の玉の状態や環境温度,湿度等の条件によっても、確実にパチンコ玉を排出できる条件は異なる。
【0004】
更に、パチンコ玉の送り機構の場合、パチンコ玉の噛み込みといった不慮の事態を完全に免れることは極めて困難であり、こうした場合にも確実にパチンコ玉を排出する構成が望まれていた。
本発明のパチンコ玉の送り出し制御装置は上記問題点を解決し、装置の小型化と信頼性の向上とを図ることを目的としてなされた。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
かかる目的を達成する本発明のパチンコ玉の送り出し制御装置は、
電動機を駆動源とし、該電動機の回転によりパチンコ玉を順次排出するパチンコ玉排出機構と、
該パチンコ玉排出機構から排出されるパチンコ玉の排出状態を検出するパチンコ玉状態検出手段と、
該検出されたパチンコ玉の排出状態に基づいて、所定時間内にパチンコ玉が排出されないと判断された場合には、前記パチンコ玉排出機構の前記電動機の駆動速度を低下して駆動トルクを漸増し、該電動機の駆動速度が最低駆動速度となって所定時間経過してもなお前記パチンコ玉が排出されないと判断された場合には、前記電動機を逆転運転する電動機制御手段と
を備えたことを要旨とする。
【0006】
上記構成を有する本発明のパチンコ玉の送り出し制御装置は、パチンコ玉状態検出手段により、電動機の回転によってパチンコ玉を順次排出するパチンコ玉排出機構から排出されるパチンコ玉の排出状態を検出する。検出されたパチンコ玉の状態に基づき、所定時間内にパチンコ玉が排出されないと判端された場合には、パチンコ玉排出機構の電動機の駆動速度を低下して駆動トルクを漸増し、該電動機の駆動速度が最低駆動速度となって所定時間経過してもなお前記パチンコ玉が排出されないと判断された場合には、この電動機を逆転運転する。この結果、パチンコ玉排出機構は、パチンコ玉の噛み込みなどが生じた場合でも、短時間の内に、パチンコ玉を確実に送り出すことができる。
【0007】
なお、かかるパチンコ玉の送り出し制御装置において、電動機を逆転運転した後、この電動機を最低速度で運転し、所定時間以内に、パチンコ玉排出機構によるパチンコ玉の排出が検出された場合には、電動機の運転速度を漸増するものとしても良い。
【0008】
また、電動機を逆転運転した後、電動機を最低速度で運転し、所定時間以内に、パチンコ玉排出機構によるパチンコ玉の排出が検出されなかった場合には、警報(アラーム)処理を行なうものとしても良い。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明のパチンコ玉送り出し制御装置の好適な実施例について説明する。図1は実施例としてのパチンコ玉送り出し制御装置の概略構成図、図2はこの送り出し制御装置が設けられたパチンコ台の概略構成図である。
【0010】
まず、パチンコ台の構成から説明する。パチンコ台は、図2に示したように、機枠1と、機枠1の前面に開閉自在に取り付けられた前枠3と、前枠3の裏面に着脱自在に装着される遊技盤5を中心に構成されている。遊技盤5の裏面には、種々の機構が装着される機構板7が回動自在に取り付けられており、この機構板7の裏面上部には、図示しないパチンコ玉送給装置から送給されるパチンコ玉を貯める景品球タンク10が固定されている。この景品球タンク10の下方には、景品球となるパチンコ玉を、2列に縦列させて導き出す導出樋12が形成されており、その下端にパチンコ玉の送し出し装置20が装着されている。また、前枠3下部には、玉発射装置14が取り付けられている。
【0011】
導出樋12の途中には、送り出し装置20が動作するのに十分な数のパチンコ玉が溜まっていない場合にこれを検出する玉補給インターロックスイッチ15が設けられている。また、導出樋12の末端、送り出し装置20の直前には、導出樋12での玉詰まり等を検出する玉詰まりインターロックスイッチ17と、送り出し装置20直前のパチンコ玉の存在を検出する玉確認スイッチ18が設けられている。また、送り出し装置20のパチンコ玉排出側直下には、送り出し装置20から払い出される景品球を検出する景品球確認スイッチ19が設けられている。送り出し装置20は、後述する電子制御装置の制御の下で、景品球の払出しを行なう。
【0012】
なお、玉補給インターロックスイッチ15,玉詰まりインターロックスイッチ17,玉確認スイッチ18,景品球確認スイッチ19は、2列設けられた導出樋12の各々に応じて、2個ずつ設けられているが、同一の構成なので以下の説明では一方のみを示す。また、玉確認スイッチ18,景品球確認スイッチ19の構成と働きについては、送り出装置20の構成および働きと併せて、後で詳解する。
【0013】
送り出し装置20による景品球の送り出しは、入賞球に応じて行なわれるが、この入賞球は、入賞球導出路23に設けられた検出器24により検出される。入賞球は、入賞した役物の種類等に応じて3つに区別されており、検出器24も3組設けられている。パチンコ玉の送り出しを開始するための信号という意味で、これを第1,第2,第3スタートスイッチ(24a,b,c)と呼んでいる。
【0014】
送り出し装置20の下方には、送り出し装置20によって計数されて放出されたパチンコ玉を前枠3の前面に設けられた上皿(図1符号33)および下皿(図1符号34)に導く放出樋26が設けられている。なお、放出樋26と上皿33,下皿34との接続部近傍には、上皿33および下皿34にパチンコ玉が一杯になったことを検出する上下皿インターロックスイッチ27が設けられている。
【0015】
次に、送り出し装置20の構成について説明する。送り出し装置20は、図3,図4に示すように、上下に開口した中空の角筒体形状のケース29を有し、その内部の導出樋12の下端に対応した位置に、2列の玉通路31,32を備える。また、ケース29の内部には、ケース29の壁面に両端が支持された横軸35が設けられ、この横軸35に2つの玉切り円盤41,42が連結筒部43により一体かつ横軸35に対して回転自在に軸支されている。
【0016】
各玉切り円盤41,42は、外周の13箇所に半円状の切欠Paを有する2枚のスプロケット44と、このスプロケット44を両側に固定したブラケット45とから構成されている。玉切り円盤41,42は、その外周が、図4に示すように、玉通路31,32の内部に臨む位置に設けられている。また、スプロケット44の外周に設けられた切欠Paの径が、パチンコ玉とほぼ同一であることから、玉切り円盤41,42が回転すると、玉通路31,32内のパチンコ玉Bは一つずつ、放出樋26へと送り出されることになる。なお、玉切り円盤41,42は、切欠Paのピッチのちょうど1/2だけずれた回転位置で互いに固定されており、パチンコ玉の送り出しは、交互になされる。
【0017】
2組の玉切り円盤41,42を連結する連結筒部43の外周には、ウオーム歯車46が固定されている。このウオーム歯車46には、これを駆動するウオーム47が噛み合わされている。このウオーム47が取り付けられた軸49は、一端がケース29の外壁に回転自在に軸支され、他端がステッピングモータ50の回転軸51に固定されている。ステッピングモータ50は、ケース29外壁に固定されている。ステッピングモータ50が回転すると、その回転軸51に直結されたウオーム47の回転を介してウオーム歯車46が回転し、玉切り円盤41,42も回転する。玉切り円盤41,42の回転の状態を検出するために、玉切り円盤42の一方のスプロケット44を挟む位置に、赤外光を利用した透過型光検出器55が設けられている。この透過型光検出器55は、スプロケット44の切欠Paより、光が透過もしくは遮断する毎に、即ちパチンコ玉が1個送り出される毎に、パルス信号を送出する。
【0018】
なお、この送り出し装置20と玉確認スイッチ18,景品球確認スイッチ19との取付位置関係について説明すると、図4に示すように、玉確認スイッチ18は、送り出し装置20の玉通路31,32の直前に設けられており、景品球確認スイッチ19は、その直下に設けられている。
【0019】
次に、パチンコ台全体の制御を行なう電子制御装置60とこの電子制御装置60が制御する送り出し装置20周りの構成について、図1を参照しつつ説明する。この電子制御装置60は、周知の算術論理演算部やROM,RAM等を中心に構成されている。電子制御装置60は、上述した各種スイッチからの信号を取り込み、送り出し装置20あるいは図示しない入賞表示ランプなどの表示素子群等を制御する。
【0020】
玉補給インターロックスイッチ15,玉詰まりインターロックスイッチ17,玉確認スイッチ18,景品球確認スイッチ19,第1,第2,第3スタートスイッチ24,上下皿インターロックスイッチ27等の各種スイッチは、電子制御装置60の入力ポートに、また玉発射装置14,送り出し装置20のステッピングモータ50などは出力ポートに、各々接続されている。電子制御装置60内には、これらのスイッチおよび外部装置に応じたインタフェース回路が設けられているが、ここでは図示および説明を省略する。
【0021】
本実施例で用いた玉確認スイッチ18と景品球確認スイッチ19との構成について説明する。玉確認スイッチ18と景品球確認スイッチ19は、玉確認スイッチ18が2個の検出コイルL1,L2を有し、景品球確認スイッチ19が単一のコイルL1を備えることを除いて、他は同一の構成を有する。そこで玉確認スイッチ18を例として、これらのスイッチと電子制御装置60との構成および電子制御装置60との接続、更にパチンコ玉の検出の原理について説明する。図5に示すように、玉確認スイッチ18および景品球確認スイッチ19は、断面「コ」の字形の筐体71を備え、この内部に基板73を備える。この基板73の一端は、筐体71の外に飛び出しており、接続端子75として用いられている。基板73には、図6に示したトランジスタ等の電子部品が組み立てられている。コイルL1,L2は、「コの字形の筐体71の突出した収納部81,82に収納される。収納部81,82の中心間距離、即ちコイルL1,L2の中心間距離は、パチンコ玉Bの直径の丁度1.5倍の距離とされている。
【0022】
玉確認スイッチ18は、図6に示すように、12ボルトが供給される電源端子T1と、電子制御装置60の入力ポートPB1に接続される検出端子T2とを有する。この検出端子T2は、回路のグランドレベルを兼ねており、電子制御装置60側で抵抗器RDを介して接地されている。
【0023】
玉確認スイッチ18は、高周波発振回路COと、高周波発振回路COの発振状態に基づいてオン・オフするスイッチング回路SWとから構成されている。高周波発振回路COは、特性が同一の2つのトランジスタを同一チップ内に形成した双トランジスタTr1を備え、この双トランジスタTr1の両エミッタとグランドラインとの間に介装された抵抗器R3,コンデンサC1,C2およびコイルL1,L2により、コルピッツ型の高周波発振回路として構成されている。なお、双トランジスタTr1のベースは、抵抗器R2を介して電源ラインに接続されている。この高周波発振回路COは、コイルL1,L2にパチンコ玉Bが接近していないときは、コイルL1,L2のインダクタンスとコンデンサC1,C2の容量とで決まる発振周波数で発振する。本実施例での発振周波数は、およそ300KHzとなっている。コイルL1,L2のいずれかにパチンコ玉Bが接近すると、コイルL1,L2が生成する磁束によりパチンコ玉Bの内部には渦電流が生じ、この渦電流損失により高周波発振回路COの発振は減衰・停止する。
【0024】
高周波発振回路COの双トランジスタTr1のコレクタ端子に接続されたスイッチング回路SWは、トランジスタTr2を中心に構成され、双トランジスタTr1が発振している状態または発振を停止している状態に応じて、トランジスタTr2がオン状態またはオフ状態となる。このトランジスタTr2のコレクタ端子には、電源端子T1から12ボルトの電圧が加えられているが、検出端子T2が抵抗器RD(本実施例では抵抗値680Ω)により接地されていることから、トランジスタTr2の状態により検出端子T2の電圧は変化する。電子制御装置60は、この電圧の変化により玉確認スイッチ18の状態を検出することができる。
【0025】
この点をやや詳細に説明する。トランジスタTr2のエミッタ端子に接続された抵抗器R4は、電源端子T1抵抗器R1より抵抗値が小さいから(本実施例では220Ω:27KΩ)、トランジスタTr2がオン状態となると、電源端子T1からトランジスタTr,抵抗器R4を介してツェナーダイオードD1に流れる電流は、抵抗器R1を介して流れる電流より増大する(およそ約130倍となる)。この電流は最終的には、検出端子T2に接続された電子制御装置60の抵抗器RDを介して接地側に流れ込むから、抵抗器RDの両端電圧、即ち電子制御装置60の入力ポートPB1の電圧は、トランジスタTr2がオフ状態で約0.2ボルト、オン状態で約4.9ボルトとなる。従って、電子制御装置60は入力ポートPB1の状態を監視することで、玉確認スイッチ18がパチンコ玉Bを検出している状態(ロウレベル)、検出していない状態(ハイレベル)を容易に知ることができる。
【0026】
玉確認スイッチ18のコイルL1およびL2は、図5に示したように、その中心間距離DLは、パチンコ玉Bの直径の1.5倍となっている。従って、コイルL1の中心(磁束密度最大)にパチンコ玉Bの中心が位置しているとき、コイルL2の中心は、隣り合ったパチンコ玉の接触点にほぼ対応した位置となる。換言すれば、コイルL1の中心がパチンコ玉の中心からはずれるに従って、コイルL2の中心にパチンコ玉の中心が近づいてくることになる。従って、パチンコ玉が隣同士接した状態となっていれば、パチンコ玉全体が移動していても、コイルL1,L2の磁束のいずれかにより渦電流損失を生じ、高周波発振回路COの発振は常時ほぼ停止状態となり、スイッチング回路SWのトランジスタTr2はオフ状態となって、電子制御装置60の入力ポートPB1はロウレベルとなる。
【0027】
一方、景品球確認スイッチ19にはコイルL2は存在しないから、パチンコ玉Bが通過する度に高周波発振回路COの発振は中断することになり、パチンコ玉がかなり近接した状態で連続して通過しても、パチンコ玉B1個1個の通過に応じて検出端子T2は短時間ロウレベルとなる。従って、電子制御装置60は、入力ポートPB2のレベルを監視することにより、景品球の通過を個別に検出してこれをカウントすることができる。
【0028】
以上の構成を有する電子制御装置60が実行する処理について、説明する。本実施例の電子制御装置60は、スタートスイッチ24が入賞球を検出すると図7に示した景品球払出し処理ルーチンを実行する。このルーチンか起動されると、まず、払出し数をカウントする変数iに所定数Sを設定する処理を行なう(ステップS100)。通常のパチンコ台では、変数iには、値7もしくは15が設定される。その後、送り出し装置20のステッピングモータ50をその最小駆動速度まで制御する処理を行なう(ステップS110)。ステッピングモータ50の起動時には大きな駆動力を必要とするので、図8に示すように、大きな駆動電力が加えられる。
【0029】
続いて、所定時間t1以内にパチンコ玉の払出しが検出されたか否かの判断を行なう(ステップS120)。最小駆動速度でステッピングモータ50が駆動され玉切り板41が回転してパチンコ玉が正常に送り出されると、景品球確認スイッチ19がこれを検出するから、この信号に基づいてパチンコ玉の払出しが確認される。所定時間t1以内に払出しの検出がなされた場合には、景品球の払出しの残数を示す変数iを値1だけデクリメントし(ステップS130)、更にパチンコ玉の払出しが正常に行なわれているとして、フラグFrに値0をセットする(ステップS140)。
【0030】
その後、変数iが値0であるか否かの判断を行ない(ステップS150)、値0でない、即ちまだ払出していない景品球が残っていると判断された場合には、ステッピングモータの駆動速度が最大速度か否かを判断し(ステップS160)、未だ最高速度でないと判断した場合には駆動速度を1段階アップする処理を行なう(ステップS170)。その後、あるいは処理速度が既に最高速度に達していると判断されれば、そのままステップ120に戻って所定時間内に払出しが検出されるか否かの判断から処理を繰り返す。この処理により、図9に区間1として示した様に、所定時間t1以内にパチンコ玉の払出しが検出されている限り、駆動速度は次第に高くなり、やがて最高速度で駆動される。その後、パチンコ玉の払出しが継続すれば、最高速度での払出しが継続される。この様子を図9に、区間2として示した。
【0031】
一方、パチンコ玉の払出しが継続できない条件が存在する。例えば、送り出し装置20における玉詰まりや玉噛みの発生といったトラブルのみならず、景品球として払出し可能なパチンコ玉の供給が遅れ、玉補給インターロックスイッチ15などがこうした状態を検出するといった事態などが考えられる。こうした場合には、パチンコ玉の払出しは検出できなくなり、ステップS120における判断は「NO」となる。こうして、ステッピングモータ50を駆動しても所定時間t1以内に払出しが検出できない場合には、ステッピングモータ50の駆動速度が最低速度か否かの判断を行ない(ステップS180)、最低速度でなければ、その駆動速度を1段階ダウンする処理を行なう(ステップS190)。この結果、パチンコ玉の払出しが検出できない状態が続くと、図9に区間3として示したように、ステッピングモータ50の駆動速度は漸減する。
【0032】
駆動速度の低下は通常、駆動トルクの増大を結果するから、摩擦等により動きにくかったパチンコ玉の場合は駆動速度が漸減すると玉切り板41が動きはじめ、パチンコ玉の払出しが行なわれる事が多い。この結果、パチンコ玉の払出しの検出がなされ(ステップS120)、駆動速度の増大もなされる。駆動速度を高めると駆動トルクは一般に減少するからパチンコ玉の送り出しがなされず、駆動速度は再び低下する。即ち、この状態(図9、区間4)になると、駆動速度の増大と低減が繰り返されることになる。パチンコ玉の払出しを阻害していた要因が完全に除かれれば、パチンコ玉は次々に排出される状態となり、駆動速度も上昇する。この様子を図9区間5として示した。
【0033】
パチンコ玉の排出が行なわれず、ステッピングモータ50の駆動速度が最低速度に向けて漸減された後(図9区間6)、時間t2が過ぎても払出しが検出されないと(ステップS120,180)、続いてフラグFrが値1か否かの判断行なわれる(ステップS200)。通常フラグFrは値0に設定されているから、ステップS200での判断は「NO」となり、更に時間t2が経過したか否かの判断が行なわれる(ステップS210)。ステッピングモータ50が最低速度で所定時間t2だけ保持されてもなおパチンコ玉の払出しが検出できない場合には、送り出し装置20における玉詰まり等が発生したと判断して、次に時間t3だけステッピングモータ50を逆転させる制御を行ない(ステップS220)、その直後に逆転制御を行なったことを示すためにフラグFrに値1を設定する処理を行なう(ステップS230)。なお、ステップS220の処理により所定期間逆転制御された後、ステッピングモータ50は、再び最低速度で正転方向に回転される。
【0034】
通常であれば、噛み込みや詰まりを起こしたパチンコ玉は、ステッピングモータ50の逆転による玉切り板41の逆転により、詰まり等の状態が解消され、引き続くステッピングモータ50の通常の回転(正転)により、送り出し装置20から排出される。従って、図9に示した区間7におけるステッピングモータ50の逆転の後、ステッピングモータ50が正転すると、パチンコ玉の払出しが検出され(ステップS120)、景品球の残数iはデクリメントされ(ステップS130)、送り出し装置20の駆動速度は次第に上昇される(図9区間8)。一方、ステッピングモータ50を一旦逆転したあとで、なおパチンコ玉の払出しが検出できない場合には、重大な故障が発生している可能性があるとして、アラーム処理を行ない(ステップS240)、本処理ルーチンを終了する。
【0035】
こうした故障がなく、パチンコ玉の払出しが継続し、所定数Sのパチンコ玉の払出しが完了すると、入賞球の残数が有るか否かの判断を行ない(ステップS260)、入賞球に残数がある場合には、継続して払出しを行なうものとして、変数iに再び所定値Sを設定してから、払出し検出の処理(ステップS120)に戻って、ここから上述した処理を繰り返す。この結果、送り出し装置20を最低速度から再度駆動する必要がないので、景品球の効率的な払出しが可能となる。なお、入賞球の残数がなければ、そのまま「END」に抜けて、本処理ルーチンを終了する。この結果、送り出し装置20は停止する。
【0036】
図8は、駆動速度を上昇もしくは低下してゆくときの駆動電力の様子を示すグラフである。図示するように、パチンコ玉の払出しが検出されて駆動速度を1段階アップするとき(区間11)、駆動電力を短期間急増し、その後は駆動速度により定まる所定のレベルに維持する。駆動速度が最大に達すると駆動電力は一定に保たれる(区間12)。駆動速度を低下する場合は、上昇する場合と同様、駆動電力を一旦増大してトルクを増やし、その後、駆動速度により定まる所定のレベルに維持する(区間13)。このように制御することにより、大きな駆動トルクを得ることと、ステッピングモータ50の加熱を防止することを両立させている。
【0037】
定常的な駆動を行なう場合でも、図10に示すように、平均的な駆動電力PAVを得るために、同様に、最大駆動電力Pmax と最小駆動電力Pmin とを組み合わせて、ステッピングモータ50を制御している。最大駆動電力Pmax が加えられたところで、送り出し装置20は、装置各部やパチンコ玉の最大静止摩擦係数による摩擦力および慣性に抗して動き始め、一方、全体としては平均的な駆動電力PAVにより駆動されて、無用な発熱等を生じることがない。
【0038】
以上説明した本実施例のパチンコ玉送り出し装置によれば、小型のステッピングモータ50を用いて、装置の小型化を図りつつ、ステッピングモータ50によるパチンコ玉の送り出しを確実なものにすることができる。また、装置の小型化を図ることができるから、パチンコ台背面の狭隘なスペースへの取付の容易化、設計自由度の向上等を図ることもできる。本実施例では、モータの大きさは、体積比で従来の1/2程度とすることができた。
【0039】
更に、本実施例では、パチンコ玉の払出しを監視して、払出しが連続して行なわれている場合、即ち払出しの条件が良好な場合には、払出しの速度を高め、払出しができないなど払出しの条件が悪い場合には、払出しの速度を低下して駆動トルクを高め、パチンコ玉の払出しを一層確実なものとしている。また、本実施例では、駆動源にステッピングモータ50を用いているが、ステッピングモータは、DCモータと異なり、回路の短絡などにより回転し続けるといった故障は生じ難く、パチンコ玉の送り出し装置としての信頼性は高い。
【0040】
なお、本実施例では、景品球確認スイッチ19による払出しの検出に基づいて駆動速度を制御したが、玉の供給が追いつかないことを玉補給インターロックスイッチ15により検出した場合に駆動速度を下げて景品球の払出しが途切れないものとすることもできる。この場合には、景品球の払出しが中断することがないので、遊技者に違和感を抱かせることがない。また、パチンコ台の環境、例えば温度や湿度によりパチンコ玉の払出し易さは異なるから、湿度が高いほど最大駆動速度を下げて、確実に払い出せる駆動トルクを確保するなど、最適な払出し速度に制御するといったことも可能である。
【0041】
このほか、玉詰まりインターロックスイッチ17により玉詰まりが検出された場合に払出しを中止してアラーム処理を行なうことも可能である。更に、上下皿インターロックスイッチ27により受皿の景品球があふれていることが検出された場合に、景品球の払出し速度を低下したり、払出しそのものを中止したりすることも可能である。
【0042】
本実施例では、スタートスイッチ24からの信号(入賞球の検出信号)に基づいて送り出し装置20を駆動して所定数(7個もしくは15個等)のパチンコ玉を景品球として払い出すものとしたが、パチンコ台に玉貸出スイッチを設け、所定の料金が支払われかつ玉貸出スイッチが押された場合に、本実施例のパチンコ玉送り出し制御装置により、景品球とは異なる個数のパチンコ玉を払い出すものとすることもできる。例えば、一回の玉貸出スイッチの操作により25個のパチンコ玉を貸し出す構成とすることも容易である。また、貸出用に投入された金額に応じて、25の整数倍もしくはルックアップテーブル等から定まる所定個数のパチンコ玉を貸し出す構成とすることもできる。
【0043】
以上本発明の実施例について説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、例えばDCモータなどの他のモータを駆動源とした構成、3相以上の多相のステッピングモータを用いた構成、あるいはパチンコ玉の貸出器などパチンコ玉の数を計数する装置に用いた構成など、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるパチンコ玉送り出し制御装置の概略構成図である。
【図2】実施例のパチンコ玉送り出し制御装置を実装したパチンコ台の概略構成図である。
【図3】パチンコ玉の送り出し装置20の構造を示す斜視図である。
【図4】同じくその断面図である。
【図5】実施例のパチンコ玉送り出し制御装置に用いられる玉確認スイッチ18,景品球確認スイッチ19の構造を示す断面図である。
【図6】同じくその回路図である。
【図7】パチンコ玉送り出し制御装置の電子制御装置60が実行する景品球払出し処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】景品球の払出しの検出と駆動電力との関係を示すグラフである。
【図9】景品球の払出しの様子を例示するグラフである。
【図10】駆動電力のデューティ制御の様子を示すグラフである。
【符号の説明】
10…景品球タンク
12…導出樋
18…玉確認スイッチ
19…景品球確認スイッチ
20…送り出し装置
60…電子制御装置
Claims (3)
- 電動機を駆動源とし、該電動機の回転によりパチンコ玉を順次排出するパチンコ玉排出機構と、
該パチンコ玉排出機構から排出されるパチンコ玉の排出状態を検出するパチンコ玉状態検出手段と、
該検出されたパチンコ玉の排出状態に基づいて、所定時間内にパチンコ玉が排出されないと判断された場合には、前記パチンコ玉排出機構の前記電動機の駆動速度を低下して駆動トルクを漸増し、該電動機の駆動速度が最低駆動速度となって所定時間経過してもなお前記パチンコ玉が排出されないと判断された場合には、前記電動機を逆転運転する電動機制御手段と
を備えたパチンコ玉の送り出し制御装置。 - パチンコ玉の送り出し制御装置であって、
電動機を駆動源とし、該電動機の回転によりパチンコ玉を順次排出するパチンコ玉排出機構と、
該パチンコ玉排出機構から排出されるパチンコ玉の排出状態を検出するパチンコ玉状態検出手段と、
該検出されたパチンコ玉の排出状態に基づいて、所定時間内にパチンコ玉が排出されないと判断された場合には、前記パチンコ玉排出機構の前記電動機を逆転運転する電動機制御手段と
を備え、更に
前記電動機制御手段は、
前記電動機の前記逆転運転の後に、前記電動機を最低速度で運転し、所定時間以内に、前記パチンコ玉状態検出手段により、前記パチンコ玉排出機構によるパチンコ玉の排出が検出された場合には、前記電動機の運転速度を漸増する手段を備えた
パチンコ玉送り出し制御装置。 - 請求項1または2記載のパチンコ玉の送り出し制御装置であって、
前記電動機制御手段は、
前記電動機の前記逆転運転の後に、前記電動機を最低速度で運転し、所定時間以内に、前記パチンコ玉状態検出手段により、前記パチンコ玉排出機構によるパチンコ玉の排出が検出されなかった場合には、警報処理を行なう手段を備えた
パチンコ玉送り出し制御装置。
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